JP2732437B2 - 水洗便器 - Google Patents

水洗便器

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JP2732437B2
JP2732437B2 JP15438193A JP15438193A JP2732437B2 JP 2732437 B2 JP2732437 B2 JP 2732437B2 JP 15438193 A JP15438193 A JP 15438193A JP 15438193 A JP15438193 A JP 15438193A JP 2732437 B2 JP2732437 B2 JP 2732437B2
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祥一 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水洗便器に関し、詳し
くはリム通水路を通じて洗浄水を流すとともに、リム通
水路に沿って設けた射出孔より洗浄水を射出して便鉢を
洗う形式の水洗便器に関する。
【0002】
【従来の技術】水洗便器として、便鉢上端縁に沿って環
状にリム通水路を設けるとともに、そのリム通水路に沿
って射出孔を一定間隔ごとに複数設け、リム通水路内の
洗浄水をこれら射出孔より便鉢内部に射出して便鉢を洗
浄する形式のものが広く用いられている。
【0003】図4はこの種形式の従来の水洗便器の一例
を示している。図において100は便鉢102の上端縁
に沿って環状に設けたリム通水路で、洗浄水を右回り
(図中矢印a方向)に流通させる通水路100Aと、左
回り(図中矢印b方向)に流通させる通水路100Bと
から成っている。
【0004】この水洗便器においては、洗浄水タンク等
から供給された洗浄水がリム通水路100後端部の分流
部104で右半分のリム通水路100Aと左半分のリム
通水路100Bとに分流した後、各リム通水路100
A,100Bに沿って流通し、そして前端部で合流する
とともに、リム通水路100に沿ってその底部に所定間
隔で複数設けられた射出孔106より便鉢102内部に
射出されて便鉢102内部を洗浄する。
【0005】ところでこの形式の水洗便器においては、
リム通水路100に洗浄水が供給されると、その底部に
設けられた射出孔106が水封されて内部に空気が閉じ
込められ、そして水圧が高まったときに空気が水に巻き
込まれて気泡混じりの流れとなって各射出孔106から
射出され、そのときに大きな騒音を発生する。
【0006】そこで本出願人は先の特許願(特願平5−
54916号(特開平6−240732号公報参照))に
おいて、図4(ロ)に示すように洗浄水が合流するリム
通水路100の前端部に気水分離室108を設けてその
隔壁の上部に空気抜孔110を設ける一方、気水分離室
108の底部に便鉢102内部に通ずる吐出口112を
設けた形態の水洗便器を提案した。
【0007】この水洗便器は、リム通水路100に洗浄
水が供給されたとき、リム通水路100に存在していた
空気がリム通水路100における水の流れによってリム
通水路100の前端部に追われてくることから、この空
気を空気抜孔110から気水分離室108内に逃がすと
ともに、リム通水路100の内部に比べて相対的に圧力
の低い気水分離室108内部で流れを沈静化させてそこ
で気水分離し、同時に吐出口106を底部に溜った洗浄
水で水封し、合流部における音の漏れを防止することを
図ったものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらその後研
究を行う中で、次のような不具合のあることが判明し
た。即ちこの種水洗便器においては、洗浄水タンク等給
水源からリム通水路100に洗浄水が流れ込んだとき、
洗浄水は遠心力の作用で図4(ロ)(A)に示している
ようにリム通水路100の外周面に沿って流れる傾向に
あり、このため空気抜孔110が洗浄水の流れで塞がれ
てしまって空気抜きが十分良好に行われ難いこと、また
洗浄水の流れにも追われてリム通水路100内を移動し
た空気がリム通水路100前端部の合流部で衝突して右
側及び左側に逆戻りし、図4(ロ)(B)に示している
ようにそこに空気114が残留してしまう問題のあるこ
とが判明した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたものである。而して本願の発
明は、便鉢上端縁に沿って環状にリム通水路を設けると
ともに該リム通水路に沿って射出孔を複数設け、給水源
からの洗浄水を該リム通水路後端部の分流部で右半分,
左半分のリム通水路に分流させて該リム通水路内を右回
り及び左回りに流通させた上、前端部で合流させるとと
もに前記射出孔より該洗浄水を便鉢内に射出する形式の
水洗便器において、前記洗浄水が合流するリム通水路の
前端部において該リム通水路の内周側に該リム通水路と
は独立した気水分離室を設けるとともに、該気水分離室
の隔壁の上部に該リム通水路と該気水分離室とを連通さ
せる空気抜孔を、また該気水分離室の底部に便鉢内部に
連通する吐出孔を設けたことを特徴とする(請求項
1)。
【0010】また本願の別の発明は、前記空気抜孔を、
前記洗浄水の合流点よりも所定距離右側及び左側に離隔
した位置に設けたことを特徴とする(請求項2)。
【0011】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の発明
は、洗浄水が合流するリム通水路の後端部において気水
分離室をリム通水路の内周側に設け且つその隔壁に空気
抜孔を設けるように成したものである。
【0012】このようにすれば、リム通水路に洗浄水が
流れ込んだとき、かかる洗浄水が遠心力でリム通水路の
外周面に沿って流れたとしても、リム通水路内の空気を
空気抜孔を通じて円滑に気水分離室内に逃がすことがで
き、従って気水分離室において良好に気水分離させ得る
とともに、合流部での音の漏れを有効に防止することが
できる。
【0013】請求項2の発明は、上記空気抜孔をリム通
水路における洗浄水の合流点よりも右側,左側に離隔し
た位置に設けたもので、このようにすれば衝突後逆方向
に押し戻された空気を、かかる空気抜孔を通じて良好に
気水分離室内に逃がすことができ、リム通水路内に空気
溜りが残留するのを防止することができる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1及び図2において、10は水洗便器で便
鉢12の上端縁に沿って環状のリム通水路14が設けら
れている。リム通水路14は、洗浄水を右回り(便器後
部から前部を見たときの右回り)に流通させる右半分の
リム通水路14Aと左回りに流通させる左半分のリム通
水路14Bとから成っており、それぞれの底部に一定間
隔で多数の射出孔16が設けられている。図2におい
て、18はジェット水路であって端部にジェット孔20
を有し、ここから洗浄水を勢い良く噴出する。
【0015】本例の水洗便器10においては、洗浄水タ
ンク等給水源から受水口22を通じて供給された洗浄水
は、一部がジェット水路18を通じてジェット孔20よ
り便鉢12内部に噴出される。
【0016】一方、他の一部はリム通水路14の後端部
の分流部24で通水路14Aと14Bとに分流し、そし
て便鉢上端縁をリム通水路14に沿って右回り,左回り
に流れて前端部の合流部で合流するとともに、射出孔1
6より便鉢12内部に射出され、便鉢12内面を洗浄す
る。
【0017】そしてこれら射出孔16からの射出水とジ
ェット孔20からのジェット水にて惹起されるサイフォ
ン作用により、便鉢12内の汚物が洗浄水とともに排出
通路26,排出口28を通じて外部に排出される。
【0018】リム通水路14の前端部には気水分離室3
0が形成されている。この気水分離室30は、図3に示
しているようにリム通水路14の外周面との間に所定の
隙間を形成する状態で設けられている。
【0019】この気水分離室30の隔壁のうち後壁32
及び側壁34には空気抜孔36,38が設けられてお
り、また気水分離室30の底部には便鉢12内部に通ず
る吐出口40が設けられている。
【0020】上記空気抜孔36,38は、図3(B)に
示しているように後壁32及び側壁34の上部に設けら
れており、更に後壁32の空気抜孔36はリム通水路1
4における丁度前端部位、つまり洗浄水が丁度合流する
点に、また各側壁34の空気抜孔38は同位置より所定
距離右側,左側に離隔した位置に設けられている。
【0021】本例の水洗便器10においては、リム通水
路14に洗浄水が流れ込んできたとき内部の空気が良好
に排出される。このとき洗浄水は遠心力の作用で図3
(B)に示しているようにリム通水路14の外周面に沿
って流通し、内部の空気は内周面側に排除された形とな
る。
【0022】そして本例の水洗便器10においては、洗
浄水の合流部において気水分離室30がリム通水路14
の内周側に形成されているため、合流部に追い込まれて
来る空気はその途中で或いは合流点で気水分離室30の
隔壁に設けられた空気抜孔36,38を通じて良好に気
水分離室30内部に逃げ込むことができる。
【0023】また合流点で衝突した後、右側,左側に逆
戻りさせられた空気は、気水分離室30の側壁34に設
けられた空気抜孔38を通じて気水分離室30内部に逃
げることができ、リム通水路14内に空気が残留するの
が有効に防止される。
【0024】一方気水分離室30はリム通水路14に比
べて相対的に圧力が低いため、気水分離室30内の空気
と水とはここで動きが沈静化されて良好に気水分離さ
れ、洗浄水が底部に溜って遮音効果を発揮し、合流部に
おける騒音の漏れを防止する。尚、気水分離室30にお
いては次々に底部に洗浄水が溜るとともに、吐出孔40
を通じて便鉢12内部に吐出される。
【0025】尚、上記気水分離室30の側壁34に設け
られた空気抜孔38は、リム通水路14の前端を通る中
心線Pに対して右側,左側にそれぞれ40mmから10
0mm離隔した位置に設けるのが望ましい。
【0026】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、場合により本発明は上記実施例の
後壁32の空気抜孔36を省略することも可能であるな
ど、その主旨を逸脱しない範囲において、当業者の知識
に基づき様々な変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である水洗便器の平面断面図
である。
【図2】同じ水洗便器の正面断面図である。
【図3】同じ水洗便器の前端部の要部断面図である。
【図4】従来の水洗便器及び本願の先願に係る水洗便器
の不具合の説明図である。
【符号の説明】
10 水洗便器 12 便鉢 14 リム通水路 16 射出孔 30 気水分離室 32 後壁 34 側壁 36,38 空気抜孔 40 吐出口

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便鉢上端縁に沿って環状にリム通水路を
    設けるとともに該リム通水路に沿って射出孔を複数設
    け、給水源からの洗浄水を該リム通水路後端部の分流部
    で右半分,左半分のリム通水路に分流させて該リム通水
    路内を右回り及び左回りに流通させた上、前端部で合流
    させるとともに前記射出孔より該洗浄水を便鉢内に射出
    する形式の水洗便器において、 前記洗浄水が合流するリム通水路の前端部において該リ
    ム通水路の内周側に該リム通水路とは独立した気水分離
    室を設けるとともに、該気水分離室の隔壁の上部に該リ
    ム通水路と該気水分離室とを連通させる空気抜孔を、ま
    た該気水分離室の底部に便鉢内部に連通する吐出孔を設
    けたことを特徴とする水洗便器。
  2. 【請求項2】 前記空気抜孔を、前記洗浄水の合流点よ
    りも所定距離右側及び左側に離隔した位置に設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の水洗便器。
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実公 昭63−22212

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