JP2732309B2 - 4輪駆動車の動力配分制御装置 - Google Patents
4輪駆動車の動力配分制御装置Info
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- JP2732309B2 JP2732309B2 JP1274592A JP27459289A JP2732309B2 JP 2732309 B2 JP2732309 B2 JP 2732309B2 JP 1274592 A JP1274592 A JP 1274592A JP 27459289 A JP27459289 A JP 27459289A JP 2732309 B2 JP2732309 B2 JP 2732309B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複合プラネタリギヤ式センターディファレ
ンシャル装置を備えた4輪駆動車において、前後輪への
動力配分制御装置に関し、詳しくは、複合プラネタリギ
ヤによる入力トルク比例式の差動制限機能発生手段と、
差動制限トルクによる動力配分制御に関する。
ンシャル装置を備えた4輪駆動車において、前後輪への
動力配分制御装置に関し、詳しくは、複合プラネタリギ
ヤによる入力トルク比例式の差動制限機能発生手段と、
差動制限トルクによる動力配分制御に関する。
一般に4輪駆動車の前後輪の基準トルク配分は、駆動
力が最大に発揮されるように加速時の重心移動を加味し
た動的重量配分により比例して設定される。このため、
フロントエンジン・フロントドライブ(FF)ベースでは
前輪トルクTFと後輪トルクTRとが、TF:TR≒50:50に設定
され、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)ベースで
はTF:TR≒40:60に設定される。またセンターディファレ
ンシャル装置は、これらの基準トルク配分の状態により
等分の場合はベベルギヤ式が、不等分の場合はシンプル
プラネタリギヤ式等が選択される。
力が最大に発揮されるように加速時の重心移動を加味し
た動的重量配分により比例して設定される。このため、
フロントエンジン・フロントドライブ(FF)ベースでは
前輪トルクTFと後輪トルクTRとが、TF:TR≒50:50に設定
され、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)ベースで
はTF:TR≒40:60に設定される。またセンターディファレ
ンシャル装置は、これらの基準トルク配分の状態により
等分の場合はベベルギヤ式が、不等分の場合はシンプル
プラネタリギヤ式等が選択される。
ここでトルク配分が等分なセンターディファレンシャ
ル付4輪駆動車では、悪路での走破性が最大に発揮され
る。しかし、低μ路等の悪路で容易にスリップが発生
し、このスリップ発生時にセンターディファレンシャル
装置に差動制限機能を追加すると、駆動力は確かに向上
するが、操縦性は特に向上するわけでなく、4輪のスリ
ップ発生条件が同一のため、高速旋回時等において4輪
が同時にスリップして操縦困難になる場合もある。そこ
でかかるスリップ状態でも操縦安定性を確保するには、
シンプルプラネタリギヤ式センターディファレンシャル
装置を使用し、後輪偏重に基準トルキ配分を設定する。
これにより、常に後輪を先にスリップさせ、ドライバの
アクセル操作で後輪にパワースライドを発生させ、車両
のテールを流しながら操縦する。
ル付4輪駆動車では、悪路での走破性が最大に発揮され
る。しかし、低μ路等の悪路で容易にスリップが発生
し、このスリップ発生時にセンターディファレンシャル
装置に差動制限機能を追加すると、駆動力は確かに向上
するが、操縦性は特に向上するわけでなく、4輪のスリ
ップ発生条件が同一のため、高速旋回時等において4輪
が同時にスリップして操縦困難になる場合もある。そこ
でかかるスリップ状態でも操縦安定性を確保するには、
シンプルプラネタリギヤ式センターディファレンシャル
装置を使用し、後輪偏重に基準トルキ配分を設定する。
これにより、常に後輪を先にスリップさせ、ドライバの
アクセル操作で後輪にパワースライドを発生させ、車両
のテールを流しながら操縦する。
そこで従来、上記プラネタリギヤ式センターディファ
レンシャル装置を備えた4輪駆動車に関しては、例えば
特開昭63−176728号公報の先行技術がある。ここで、シ
ンプルプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル
装置を有し、変速出力をキャリヤに入力し、サンギヤと
リングギヤの一方から前輪に、他方から後輪にそれぞれ
トルクを、サンギヤとリングギヤのピッチ円径の違いに
応じ不等配分して分配する。また、サンギヤ、リングギ
ヤおよびキャリヤのいずれかの2つの要素の間に差動制
限用油圧多板クラッチを配設することが示されている。
レンシャル装置を備えた4輪駆動車に関しては、例えば
特開昭63−176728号公報の先行技術がある。ここで、シ
ンプルプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル
装置を有し、変速出力をキャリヤに入力し、サンギヤと
リングギヤの一方から前輪に、他方から後輪にそれぞれ
トルクを、サンギヤとリングギヤのピッチ円径の違いに
応じ不等配分して分配する。また、サンギヤ、リングギ
ヤおよびキャリヤのいずれかの2つの要素の間に差動制
限用油圧多板クラッチを配設することが示されている。
ここで、油圧多板クラッチの差動制限装置は、電子制
御または油圧制御によりクラッチの油圧室に作動油圧を
作用し、ピストンによりクラッチのドライブプレートと
ドリブンプレートを押圧する。そしてこの両プレートの
摩擦係合により、差動制限トルクが生じるように構成さ
れている。
御または油圧制御によりクラッチの油圧室に作動油圧を
作用し、ピストンによりクラッチのドライブプレートと
ドリブンプレートを押圧する。そしてこの両プレートの
摩擦係合により、差動制限トルクが生じるように構成さ
れている。
一方、センターディファレンシャル装置の差動用ギヤ
自体の働きにより、電子や油圧の制御を不要にして差動
制限トルクが機械的に発生する手段が提案されており、
これに関し例えば特開昭60−159444号公報の先行技術が
ある。ここで、ウォームギヤとウォームホイール等によ
り噛合い構成し、4輪駆動車の左右輪または4輪駆動車
の前後輪の間に装着する。そして旋回時の差動を許容
し、ウォームギヤとウォームホイールとの噛合いに伴う
摩擦トルクが生じて差動制限機能を発揮することが示さ
れている。
自体の働きにより、電子や油圧の制御を不要にして差動
制限トルクが機械的に発生する手段が提案されており、
これに関し例えば特開昭60−159444号公報の先行技術が
ある。ここで、ウォームギヤとウォームホイール等によ
り噛合い構成し、4輪駆動車の左右輪または4輪駆動車
の前後輪の間に装着する。そして旋回時の差動を許容
し、ウォームギヤとウォームホイールとの噛合いに伴う
摩擦トルクが生じて差動制限機能を発揮することが示さ
れている。
ところで、上記先行技術の前者の油圧多板クラッチを
用いた差動制限装置にあっては、油圧多板クラッチとそ
の油圧制御系,および電磁ソレノイド弁を含む電子制御
系が必要になり、装置全体の構造,構成の複雑化,大型
化を招く。作動油圧をクラッチに導入して差動制限トル
クが生じるものであるから、タイムラグを必然的に生
じ、油圧回路長,回路構成等を最適化しないと応答性の
悪化により車両の運動性能を損う。更に、作動油圧が同
じ場合でもクラッチのドライブプレートとドリブンプレ
ート間に発生する摩擦係数のバラツキ等により差動制限
トルクの値が比較的大きく変化するため、各運転条件に
応じて作動油圧を高精度に制御することが要求される。
用いた差動制限装置にあっては、油圧多板クラッチとそ
の油圧制御系,および電磁ソレノイド弁を含む電子制御
系が必要になり、装置全体の構造,構成の複雑化,大型
化を招く。作動油圧をクラッチに導入して差動制限トル
クが生じるものであるから、タイムラグを必然的に生
じ、油圧回路長,回路構成等を最適化しないと応答性の
悪化により車両の運動性能を損う。更に、作動油圧が同
じ場合でもクラッチのドライブプレートとドリブンプレ
ート間に発生する摩擦係数のバラツキ等により差動制限
トルクの値が比較的大きく変化するため、各運転条件に
応じて作動油圧を高精度に制御することが要求される。
また、先行技術の後者のウォームギヤとウォームホイ
ールとの噛合い機構を利用した差動制限方式にあって
は、ウォームギヤ構造をベースとするため、構造が複雑
であり、組立や製造に高い精度が要求されて高価にな
る。ウォームギヤの噛合い部の摺動抵抗が大きいため、
伝達効率が悪い。更に、耐荷重性能の良好な潤滑油を使
用しないと、歯面摩耗が大きいため、自動変速機油(AT
F)使用の自動変速機ケース内に組付けることはできな
い等の問題がある。
ールとの噛合い機構を利用した差動制限方式にあって
は、ウォームギヤ構造をベースとするため、構造が複雑
であり、組立や製造に高い精度が要求されて高価にな
る。ウォームギヤの噛合い部の摺動抵抗が大きいため、
伝達効率が悪い。更に、耐荷重性能の良好な潤滑油を使
用しないと、歯面摩耗が大きいため、自動変速機油(AT
F)使用の自動変速機ケース内に組付けることはできな
い等の問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、リングギヤの無い簡素な構造の複合
プラネタリ式センターディファレンシャル装置を備えた
ものにおいて、複合プラネタリギヤ構成を利用して、ウ
ォームギヤ構造のような不都合が生じることなく、入力
トルク比例式の差動制限機能を充分に発揮することが可
能な4輪駆動車の動力配分制御装置を提供することにあ
る。
的とするところは、リングギヤの無い簡素な構造の複合
プラネタリ式センターディファレンシャル装置を備えた
ものにおいて、複合プラネタリギヤ構成を利用して、ウ
ォームギヤ構造のような不都合が生じることなく、入力
トルク比例式の差動制限機能を充分に発揮することが可
能な4輪駆動車の動力配分制御装置を提供することにあ
る。
また、本発明の他の目的とするところは、センターデ
ィファレンシャル装置に生じた差動制限トルクで、旋
回,スリップの場合の前後輪の動力配分を最適制御し、
回頭感,操縦性,走行安定性等を向上し、スリップも確
実に防止することが可能な4輪駆動車の動力配分制御装
置を提供することにある。
ィファレンシャル装置に生じた差動制限トルクで、旋
回,スリップの場合の前後輪の動力配分を最適制御し、
回頭感,操縦性,走行安定性等を向上し、スリップも確
実に防止することが可能な4輪駆動車の動力配分制御装
置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的とするところは、センターデ
ィファレンシャル装置の差動制限機能に対し、油圧多板
クラッチ等の差動制限手段を併用して動力配分制御を拡
大,最適化することが可能な4輪駆動車の動力配分制御
装置を提供することにある。
ィファレンシャル装置の差動制限機能に対し、油圧多板
クラッチ等の差動制限手段を併用して動力配分制御を拡
大,最適化することが可能な4輪駆動車の動力配分制御
装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の4輪駆動車の動力
配分制御装置は、入力側の第1サンギヤと、一方の出力
側の第2サンギヤと、該第1,第2サンギヤにそれぞれ噛
み合うピニオン部材の第1,第2ピニオンのみのギヤ構成
からなり、他方の出力側のキャリヤで上記第1,第2のピ
ニオンを軸支する複合プラネタリギヤ式センターディフ
ァレンシャル装置を備えた4輪駆動装置において、第1
列の上記第1のサンギヤと第1のピニオン,第2列の上
記第2のサンギヤと第2ピニオンをはすば歯車にし、上
記第1列と第2列のギヤ噛合い点に作用するスラスト荷
重の差が、上記第1,第2のピニオンの一方の端面に作用
するようにねじれ角を設定し、上記第1列と第2列のギ
ヤ噛合い点に作用する分離,接線荷重の合成力が、上記
第1,第2のピニオンの軸受に作用するように構成し、上
記第1,第2のピニオンの一方の端面と軸受の部分との摩
擦力により、差動回転中に入力トルクに比例した差動制
限トルクが発生するように構成するものである。
配分制御装置は、入力側の第1サンギヤと、一方の出力
側の第2サンギヤと、該第1,第2サンギヤにそれぞれ噛
み合うピニオン部材の第1,第2ピニオンのみのギヤ構成
からなり、他方の出力側のキャリヤで上記第1,第2のピ
ニオンを軸支する複合プラネタリギヤ式センターディフ
ァレンシャル装置を備えた4輪駆動装置において、第1
列の上記第1のサンギヤと第1のピニオン,第2列の上
記第2のサンギヤと第2ピニオンをはすば歯車にし、上
記第1列と第2列のギヤ噛合い点に作用するスラスト荷
重の差が、上記第1,第2のピニオンの一方の端面に作用
するようにねじれ角を設定し、上記第1列と第2列のギ
ヤ噛合い点に作用する分離,接線荷重の合成力が、上記
第1,第2のピニオンの軸受に作用するように構成し、上
記第1,第2のピニオンの一方の端面と軸受の部分との摩
擦力により、差動回転中に入力トルクに比例した差動制
限トルクが発生するように構成するものである。
上記構成に基づき、リングギヤの無い簡素な構造の複
合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置に
より前後輪に動力分配して4輪走行し、旋回時に差動作
用するもので、装置の小型化が可能になる。そして差動
回転中は、ピニオンのスラスト荷重で一方の端面のスラ
ストワッシャに摩擦力が、またピニオン軸受に作用する
荷重でそこに摩擦力が生じ、これらの摩擦力によりピニ
オンの回転と反対方向に差動制限トルクが発生する。こ
の差動制限トルクは、前輪回転数の方が大きい場合に後
輪側に、後輪回転数の方が大きい場合に前輪側にそれぞ
れ移動し、スリップ等を防止するようにトルク配分制御
する。
合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置に
より前後輪に動力分配して4輪走行し、旋回時に差動作
用するもので、装置の小型化が可能になる。そして差動
回転中は、ピニオンのスラスト荷重で一方の端面のスラ
ストワッシャに摩擦力が、またピニオン軸受に作用する
荷重でそこに摩擦力が生じ、これらの摩擦力によりピニ
オンの回転と反対方向に差動制限トルクが発生する。こ
の差動制限トルクは、前輪回転数の方が大きい場合に後
輪側に、後輪回転数の方が大きい場合に前輪側にそれぞ
れ移動し、スリップ等を防止するようにトルク配分制御
する。
〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、本発明が適用される縦置きトランス
アクスル型の駆動系について述べると、トルクコンバー
タケース1,ディファレンシャルケース2の後部にトラン
スミッションケース3が接合し、トランスミッションケ
ース3の後部にトランスファケース4が接合し、トラン
スミッションケース3の下部にはオイルパン5が取付け
られる。符号10はエンジンであり、このエンジン10のク
ランク軸11がトルクコンバータケース1内部のロックア
ップクラッチ12を備えたトルクコンバータ13に連結し、
トルクコンバータ13からの入力軸14がトランスミッショ
ンケース3内部の自動変速機30に入力する。自動変速機
30からの出力軸15は入力軸14と同軸上に出力し、この出
力軸15がトランスファケース4内部のセンターディファ
レンシャル装置50に同軸上に連結する。トランスミッシ
ョンケース3内部において入,出力軸14,15に対しフロ
ントドライブ軸16が平行配置され、このフロントドライ
ブ軸16の後端はセンターディファレンシャル装置50に一
対のリダクションギヤ17,18を介して連結し、フロント
ドライブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部
のフロントディファレンシャル装置19を介して前輪に伝
動構成される。
アクスル型の駆動系について述べると、トルクコンバー
タケース1,ディファレンシャルケース2の後部にトラン
スミッションケース3が接合し、トランスミッションケ
ース3の後部にトランスファケース4が接合し、トラン
スミッションケース3の下部にはオイルパン5が取付け
られる。符号10はエンジンであり、このエンジン10のク
ランク軸11がトルクコンバータケース1内部のロックア
ップクラッチ12を備えたトルクコンバータ13に連結し、
トルクコンバータ13からの入力軸14がトランスミッショ
ンケース3内部の自動変速機30に入力する。自動変速機
30からの出力軸15は入力軸14と同軸上に出力し、この出
力軸15がトランスファケース4内部のセンターディファ
レンシャル装置50に同軸上に連結する。トランスミッシ
ョンケース3内部において入,出力軸14,15に対しフロ
ントドライブ軸16が平行配置され、このフロントドライ
ブ軸16の後端はセンターディファレンシャル装置50に一
対のリダクションギヤ17,18を介して連結し、フロント
ドライブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部
のフロントディファレンシャル装置19を介して前輪に伝
動構成される。
一方、センターディファレンシャル装置50からはリヤ
ドライブ軸20へ出力し、このリヤドライブ軸20はプロペ
ラ軸21,リヤディファレンシャル装置22等を介して後輪
に伝動構成される。
ドライブ軸20へ出力し、このリヤドライブ軸20はプロペ
ラ軸21,リヤディファレンシャル装置22等を介して後輪
に伝動構成される。
自動変速機30は、フロントプラネタリギヤ31,リヤプ
ラネタリギヤ32を有し、これらのフロントプラネタリギ
ヤ31,リヤプラネタリギヤ32に対し、ハイクラッチ33,リ
バースクラッチ34,ブレーキバンド35,フォワードクラッ
チ36,オーバランニングクラッチ37,ローアンドリバース
クラッチ38,ワンウエイクラッチ39,40が設けられ、これ
らを選択的に係合することで前進4段後進1段の変速段
を得る。また自動変速機30の前方には、オイルポンプ41
がトルクコンバータのインペラスリーブ13aとドライブ
軸42とを連結して常に駆動するように設けられ、オイル
パン5にはコントロールバルブボデー43が収容される。
そしてコントロールバルブボデー43により上述の各摩擦
要素に給排油し、選択的に係合するようになっている。
ラネタリギヤ32を有し、これらのフロントプラネタリギ
ヤ31,リヤプラネタリギヤ32に対し、ハイクラッチ33,リ
バースクラッチ34,ブレーキバンド35,フォワードクラッ
チ36,オーバランニングクラッチ37,ローアンドリバース
クラッチ38,ワンウエイクラッチ39,40が設けられ、これ
らを選択的に係合することで前進4段後進1段の変速段
を得る。また自動変速機30の前方には、オイルポンプ41
がトルクコンバータのインペラスリーブ13aとドライブ
軸42とを連結して常に駆動するように設けられ、オイル
パン5にはコントロールバルブボデー43が収容される。
そしてコントロールバルブボデー43により上述の各摩擦
要素に給排油し、選択的に係合するようになっている。
第2図において、センターディファレンシャル装置50
の部分について述べる。
の部分について述べる。
先ず、変速機出力軸15とリヤドライブ軸20はブッシュ
23,スラストベアリング24を介して同軸上に回転自在嵌
合する。リダクションギヤ17はブッシュ23を介して出力
軸15に回転自在嵌合し、これらのリダクションギヤ17と
出力軸15とがトランスミッションケース3に対しボール
ベアリング25で支持されており、これらの出力軸15,リ
ヤドライブ軸20およびリダクションギヤ17の3者の間に
センターディファレンシャル装置50が同軸上に設けられ
る。
23,スラストベアリング24を介して同軸上に回転自在嵌
合する。リダクションギヤ17はブッシュ23を介して出力
軸15に回転自在嵌合し、これらのリダクションギヤ17と
出力軸15とがトランスミッションケース3に対しボール
ベアリング25で支持されており、これらの出力軸15,リ
ヤドライブ軸20およびリダクションギヤ17の3者の間に
センターディファレンシャル装置50が同軸上に設けられ
る。
センターディファレンシャル装置50は、入力側の出力
軸15に大径の第1のサンギヤ51が形成され、この第1の
サンギヤ51に小径の第1のピニオン52が噛合う、出力側
のリヤドライブ軸20には小径の第2のサンギヤ53が形成
され、この第2のサンギヤ3に大径の第2のピニオン54
が噛合い、これら第1,第2のピニオン52,54は単一のピ
ニオン部材55に形成されて一体化してある。またキャリ
ヤ56の支持プレート57が、リヤドライブ軸20にボールベ
アリング25を介して取付けられ、この支持プレート57と
リダクションギヤ17とが一体結合されると共に、両者の
間にピニオン軸58が装架され、ピニオン軸58に、例えば
ニードルベアリング26を介してピニオン部材55が軸支さ
れる。一方,ピニオン部材55は、その両端がリダクショ
ンギヤ17,支持プレート57に対しスラストワッシャ27を
介して支持されている。こうして、入力側の第1のサン
ギヤ51に対し、第1,第2のピニオン52,54および第2の
サンギヤ53を介して一方の出力側に、第1,第2のピニオ
ン52,54のキャリヤ56を介して他方の出力側に噛合い構
成され、リングギヤの無い複合プラネタリギヤを成す。
軸15に大径の第1のサンギヤ51が形成され、この第1の
サンギヤ51に小径の第1のピニオン52が噛合う、出力側
のリヤドライブ軸20には小径の第2のサンギヤ53が形成
され、この第2のサンギヤ3に大径の第2のピニオン54
が噛合い、これら第1,第2のピニオン52,54は単一のピ
ニオン部材55に形成されて一体化してある。またキャリ
ヤ56の支持プレート57が、リヤドライブ軸20にボールベ
アリング25を介して取付けられ、この支持プレート57と
リダクションギヤ17とが一体結合されると共に、両者の
間にピニオン軸58が装架され、ピニオン軸58に、例えば
ニードルベアリング26を介してピニオン部材55が軸支さ
れる。一方,ピニオン部材55は、その両端がリダクショ
ンギヤ17,支持プレート57に対しスラストワッシャ27を
介して支持されている。こうして、入力側の第1のサン
ギヤ51に対し、第1,第2のピニオン52,54および第2の
サンギヤ53を介して一方の出力側に、第1,第2のピニオ
ン52,54のキャリヤ56を介して他方の出力側に噛合い構
成され、リングギヤの無い複合プラネタリギヤを成す。
そしてかかる複合プラネタリギヤ式センターディファ
レンシャル装置50は、第1,第2のサンギヤ51,53および
上記サンギヤの周囲に複数個配置される第1,第2のピニ
オン52,54の歯数を適切に設定することで、差動機能を
有する。また、第1,第2のサンギヤ51,53と第1,第2の
ピニオン52,54との噛合いピッチ半径を適切に設定する
ことで、基準トルク配分を後輪偏重にした不等トルク配
分機能を有する。更に、第1,第2のサンギヤ51,53と第
1,第2のピニオン52,54とを例えばはすば歯車にし、第
1列と第2列のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺
させることなくスラスト荷重を残留させ、スラストワッ
シャ27と一体化されたピニオン端面間に摩擦トルクを、
第1,第2のピニオン52,54とピニオン軸59の軸受に噛合
いによる分離,接線荷重の合成力が作用し、摩擦トルク
が生じるように設定することで、差動制限機能を有す
る。
レンシャル装置50は、第1,第2のサンギヤ51,53および
上記サンギヤの周囲に複数個配置される第1,第2のピニ
オン52,54の歯数を適切に設定することで、差動機能を
有する。また、第1,第2のサンギヤ51,53と第1,第2の
ピニオン52,54との噛合いピッチ半径を適切に設定する
ことで、基準トルク配分を後輪偏重にした不等トルク配
分機能を有する。更に、第1,第2のサンギヤ51,53と第
1,第2のピニオン52,54とを例えばはすば歯車にし、第
1列と第2列のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺
させることなくスラスト荷重を残留させ、スラストワッ
シャ27と一体化されたピニオン端面間に摩擦トルクを、
第1,第2のピニオン52,54とピニオン軸59の軸受に噛合
いによる分離,接線荷重の合成力が作用し、摩擦トルク
が生じるように設定することで、差動制限機能を有す
る。
そこで、第3図(a)ないし(c)の略図を用いて差
動機能について述べる。
動機能について述べる。
先ず、第3図(b)のように第1のサンギヤ51を固定
すると半径rs2の円周上で、 が成立し、第3図(c)のように第2のサンギヤ53を固
定すると半径rs1の円周上で、 が成立する。
すると半径rs2の円周上で、 が成立し、第3図(c)のように第2のサンギヤ53を固
定すると半径rs1の円周上で、 が成立する。
ここで、第1,第2のサンギヤ51,53の角速度ωs1,ωs
2、半径rs1,rs2、第1,第2のピニオン52,54の角速度ω
p1.ωP2、半径rs1,rs2、キャリヤ56の角速度ωcとす
ると、(1)式は ωs2・rs2 =−ωp2・rp2+ωc・rs2 (3) になり、(2)式は ωs1・rs1 =−ωP1・rp1+ωc・rs1 (4) になる。
2、半径rs1,rs2、第1,第2のピニオン52,54の角速度ω
p1.ωP2、半径rs1,rs2、キャリヤ56の角速度ωcとす
ると、(1)式は ωs2・rs2 =−ωp2・rp2+ωc・rs2 (3) になり、(2)式は ωs1・rs1 =−ωP1・rp1+ωc・rs1 (4) になる。
そこで、第1,第2のピニオン52,54は一体であってωp
1=ωp2であるから、(3),(4)式を整理すると、 ωc(rs2-rs1・rp2/rp1)=ωs2×rs2−ωs1・rs1・r
p2/rp1 が成立する。
1=ωp2であるから、(3),(4)式を整理すると、 ωc(rs2-rs1・rp2/rp1)=ωs2×rs2−ωs1・rs1・r
p2/rp1 が成立する。
ここで、第1のサンギヤ51の角速度ωs1を入力回転数
Ni、キャリヤ56の角速度ωcを前輪回転数NF、第2のサ
ンギヤ53の角速度ωs2を後輪回転数NR、第1,第2のサン
ギヤ51,53の半径rs1,rs2および第1,第2のピニオン52,
54の半径rs1,rs2を各歯数Zs1,Zs2,Zp1,Zp2に置き換
えると、上式は NF(Zs2−Zs1・Zp2/Zp1)=NR×Zs2−Ni・Zs1・Zp2/Z
p1 になる。Zp1=21,Zp2=21,Zs1=30,Zs2=18とすれば 3NR+2NF=5Ni になる。従って、Ni≠0の場合に、NR>Ni>NF,またはN
F>Ni>NRが成立して、前進後退時に前輪回転数NF,後輪
回転数NRは共に回転方向が同一で差動が成立する。
Ni、キャリヤ56の角速度ωcを前輪回転数NF、第2のサ
ンギヤ53の角速度ωs2を後輪回転数NR、第1,第2のサン
ギヤ51,53の半径rs1,rs2および第1,第2のピニオン52,
54の半径rs1,rs2を各歯数Zs1,Zs2,Zp1,Zp2に置き換
えると、上式は NF(Zs2−Zs1・Zp2/Zp1)=NR×Zs2−Ni・Zs1・Zp2/Z
p1 になる。Zp1=21,Zp2=21,Zs1=30,Zs2=18とすれば 3NR+2NF=5Ni になる。従って、Ni≠0の場合に、NR>Ni>NF,またはN
F>Ni>NRが成立して、前進後退時に前輪回転数NF,後輪
回転数NRは共に回転方向が同一で差動が成立する。
次いで、第4図(a),(b)を用いて不等トルク配
分機能について述べる。
分機能について述べる。
第1のサンギヤ51の入力トルクをTi、そのかみ合いピ
ッチ半径をrs1、キャリヤ56のフロント側トルクをTF、
第1,第2のピニオン52,54のかみ合いピッチ半径をrs1,
rs2、第2のサンギヤ53のリヤ側トルクをTR、その噛合
いピッチ半径をrs2とすると、 Ti=TF+TR (5) rs1+rp1=rs2+rp2 (6) が成立する。また第1のサンギヤ51と第1のピニオン52
との噛合点に作用する接線方向荷重Pは、キャリヤ55に
作用する接線方向荷重P1と、第2のサンギヤ53と第2の
ピニオン54との噛合点に作用する接線方向荷重P2との和
に等しい。
ッチ半径をrs1、キャリヤ56のフロント側トルクをTF、
第1,第2のピニオン52,54のかみ合いピッチ半径をrs1,
rs2、第2のサンギヤ53のリヤ側トルクをTR、その噛合
いピッチ半径をrs2とすると、 Ti=TF+TR (5) rs1+rp1=rs2+rp2 (6) が成立する。また第1のサンギヤ51と第1のピニオン52
との噛合点に作用する接線方向荷重Pは、キャリヤ55に
作用する接線方向荷重P1と、第2のサンギヤ53と第2の
ピニオン54との噛合点に作用する接線方向荷重P2との和
に等しい。
P=Ti/rs1 P1=TF/(rs1+rp1) P2=TR/rs2 Ti/rs1={(TF/(rs1+rp1)}+TR/rs2 (7) (5),(6)式を(7)式に代入して整理すると、 TF=(1−rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti TR=(rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti となる。このことから、第1,第2のサンギヤ51,53と第
1,第2のピニオン52,54との噛合いピッチ半径により、
フロント側トルクTFおよびリヤ側トルクTRの基準トルク
配分を自由に設定し得ることがわかる。
1,第2のピニオン52,54との噛合いピッチ半径により、
フロント側トルクTFおよびリヤ側トルクTRの基準トルク
配分を自由に設定し得ることがわかる。
ここで、rs1=23.824mm,rp1=16.676mm,rp2=21.807m
m,rs2=18.693mmにすると、 TF=0.4・Ti TR=0.6・Ti になる。従って前後輪トルク配分は、 TF:TR≒40:60 になり、充分に後輪偏重の基準トルク配分に設定し得
る。
m,rs2=18.693mmにすると、 TF=0.4・Ti TR=0.6・Ti になる。従って前後輪トルク配分は、 TF:TR≒40:60 になり、充分に後輪偏重の基準トルク配分に設定し得
る。
更に、差動制限機能について述べると、第1,第2のサ
ンギヤ51,53および第1,第2のピニオン52,54が所定のね
じれ角を有するはすば歯車になっている。そして第1,第
2のピニオン52,54のねしれ角を異にして、第1,第2の
サンギヤ51,53との噛合い点に作用するスラスト荷重を
相互にキャンセルすること無くピニオン軸58方向に作用
させ、スラストワッシャ27の部分で滑り摩擦力が発生す
る。また、第1列,第2列の噛合い点に作用する分離荷
重と接線荷重との合成力を第1,第2のピニオン52,54,ピ
ニオン軸58,ニードルベアリング26の部分に作用させ
て、ころがり摩擦力が発生する。そしてこれらの摩擦力
によりピニオン回転に対し反対方向の摩擦トルク,即ち
差動制限トルクが生じるものである。
ンギヤ51,53および第1,第2のピニオン52,54が所定のね
じれ角を有するはすば歯車になっている。そして第1,第
2のピニオン52,54のねしれ角を異にして、第1,第2の
サンギヤ51,53との噛合い点に作用するスラスト荷重を
相互にキャンセルすること無くピニオン軸58方向に作用
させ、スラストワッシャ27の部分で滑り摩擦力が発生す
る。また、第1列,第2列の噛合い点に作用する分離荷
重と接線荷重との合成力を第1,第2のピニオン52,54,ピ
ニオン軸58,ニードルベアリング26の部分に作用させ
て、ころがり摩擦力が発生する。そしてこれらの摩擦力
によりピニオン回転に対し反対方向の摩擦トルク,即ち
差動制限トルクが生じるものである。
ここで、前輪回転数NFと後輪回転数NRとの大小関係に
よりピニオン回転方向が変化し、これに伴い差動制限ト
ルクのかかり具合も変わる。これにより、NF>NRの旋
回,前輪スリップ時と、NF<NRの後輪スリップ時には、
差動制限トルクの作用に違いに応じて前後輪の動力配分
が異なったものに自動的に制御されるのである。
よりピニオン回転方向が変化し、これに伴い差動制限ト
ルクのかかり具合も変わる。これにより、NF>NRの旋
回,前輪スリップ時と、NF<NRの後輪スリップ時には、
差動制限トルクの作用に違いに応じて前後輪の動力配分
が異なったものに自動的に制御されるのである。
そこで、第4図(a)ないし(c)の略図を用いてNF
>NRの場合について述べる。
>NRの場合について述べる。
この条件では、第4図(c)のように第1のサンギヤ
51に反時計方向に入力トルクTiが入力した場合に、第1,
第2のピニオン52,54が同一方向に自転し、第2のサン
ギヤ53とキャリヤ56も同一方向に回転する。従って、ピ
ニオン側の摩擦トルクTfは、ピニオンと反対の時計方向
に作用する。
51に反時計方向に入力トルクTiが入力した場合に、第1,
第2のピニオン52,54が同一方向に自転し、第2のサン
ギヤ53とキャリヤ56も同一方向に回転する。従って、ピ
ニオン側の摩擦トルクTfは、ピニオンと反対の時計方向
に作用する。
ここで、各部のトルク,半径を上述と同一に定める。
また、第1列の第1のサンギヤ51と第1のピニオン52の
歯面に作用する接線荷重P,分離荷重Fs1,スラスト荷重F
t1、第2列の第2のサンギヤ53と第2のピニオン54の歯
面に作用する接線荷重P2,分離荷重Fs2,スラスト荷重F
t2とする。
また、第1列の第1のサンギヤ51と第1のピニオン52の
歯面に作用する接線荷重P,分離荷重Fs1,スラスト荷重F
t1、第2列の第2のサンギヤ53と第2のピニオン54の歯
面に作用する接線荷重P2,分離荷重Fs2,スラスト荷重F
t2とする。
また、ニードルベアリング26のころがり摩擦係数μ1,
スラストワッシャ27の滑り摩擦係数μ2,摩擦トルクTf,
ピニオン内側半径re,スラストワッシャ外側半径rd,接触
面の数nとする。第1のピニオン52のモジュールm1,ね
じれ角β1,圧力角α1,第2のピニオン54のモジュール
m2ねじれ角β2,圧力角α2とする。
スラストワッシャ27の滑り摩擦係数μ2,摩擦トルクTf,
ピニオン内側半径re,スラストワッシャ外側半径rd,接触
面の数nとする。第1のピニオン52のモジュールm1,ね
じれ角β1,圧力角α1,第2のピニオン54のモジュール
m2ねじれ角β2,圧力角α2とする。
すると、 Fs1=P・tanα1/cosβ1 Ft1=P・tanβ1 が成立して、ピニオン軸58側に作用する合成力 Np1は以下のようになる。
Np1=(P2+Fs1 2)1/2 =P{1+(tanα1/cosβ1)2}1/2 同様にして、 Fs2=P2・tanα2/cosβ2 Ft2=P2・tanβ2 が成立して、ピニオン軸58側に作用する合成力Np2は以
下のようになる。
下のようになる。
Np2=(P2 2+Fs2 2)1/2 =P2{1+(tanα2/cosβ2}2}1/2 また、第1,第2のピニオン52,54内に生じる残留スラ
スト力ΔFtは以下のようになる。
スト力ΔFtは以下のようになる。
ΔFt=はt2-Ft1 =P2・tanβ2−P・tanβ1 従って摩擦トルクTfは、2つの合成力Np1,Np2による
摩擦力と、残留スラスト力ΔFtによる摩擦力との和で、
以下のようになる。
摩擦力と、残留スラスト力ΔFtによる摩擦力との和で、
以下のようになる。
Tf=μ1・re・)Np1+Np2) +ΔFt・μ2・n・2/3・{(rd3 −re3)/(rd2−re2)} 次いで、第1,第2のピニオン52,54でのトルクのバラ
ンス式は、以下のようになる。
ンス式は、以下のようになる。
Tf+P・rp1=P2・rp2 また、P=Ti/rs1 P1=TF/(rs1+rp1) =TF/(rs2+rp1) P2=TR/rs2 であり、これらを上式に代入して整理すると、以下のよ
うになる。
うになる。
TR=Ti(rp1・rs2/rs1・rp2) +Tf・rs2/rp2 また、Ti=TF+TRであり、これに上式を代入して整理す
ると、以下のようになる。
ると、以下のようになる。
TF=Ti(1−rp1・rs2/rs1・rp2) −Tf・rs2/rp2 ここで、μ1=0,μ2=0ならTf=0であり、前後輪ト
ルクTF,TRの値は、上述の不等トルク配分機能の場合の
式と同一の基準トルク配分を示す。
ルクTF,TRの値は、上述の不等トルク配分機能の場合の
式と同一の基準トルク配分を示す。
こうして、かかる条件では、摩擦トルクTfに応じた差
動制限トルクTf・rs2/rp2が発生することがわかる。そ
して前後輪トルクTF,TRの配分が、差動制限トルクの分
だけ前者は小さく、後者は大きくなるように変化する。
また、摩擦トルクTfが生じる合成力Np1,Np2,残留スラ
スト力ΔFtは入力トルクに比例するため、入力トルク比
例式差動制限機能を有する。
動制限トルクTf・rs2/rp2が発生することがわかる。そ
して前後輪トルクTF,TRの配分が、差動制限トルクの分
だけ前者は小さく、後者は大きくなるように変化する。
また、摩擦トルクTfが生じる合成力Np1,Np2,残留スラ
スト力ΔFtは入力トルクに比例するため、入力トルク比
例式差動制限機能を有する。
一方、第1,第2のピニオン52,54のねじれ角β1とβ2
との差により残留スラスト力ΔFtが大きくなり、また、
ニードルベアリング56の代りにブッシュや直受けのプレ
ーン軸受を用いることでピニオンとピニオン軸58間のこ
ろがり摩擦係数μ1も大きくなる。このため、摩擦トル
クTfと共に差動制限トルクの値を大きく定めることが可
能になる。
との差により残留スラスト力ΔFtが大きくなり、また、
ニードルベアリング56の代りにブッシュや直受けのプレ
ーン軸受を用いることでピニオンとピニオン軸58間のこ
ろがり摩擦係数μ1も大きくなる。このため、摩擦トル
クTfと共に差動制限トルクの値を大きく定めることが可
能になる。
続いて、NR>NFの場合について述べる。
この条件では、第4図(d)のようになり、第1,第2
のピニオン52,54が第1のサンギヤ51と反対の時計方向
に自転しながら公転して、摩擦トルクTfは反時計方向に
作用する。このため、第1,第2のピニオン52,54内のト
ルクのバランス式は、以下のようになる。
のピニオン52,54が第1のサンギヤ51と反対の時計方向
に自転しながら公転して、摩擦トルクTfは反時計方向に
作用する。このため、第1,第2のピニオン52,54内のト
ルクのバランス式は、以下のようになる。
Tf+P2・rs2=P・rp1 そして上述と同様に計算すると、前後輪トルクTF,TR
は以下のようになる。
は以下のようになる。
TF=Ti(1−rp1・rs2/rs1・rp2) +Tf・rs2/rp2 TR=Ti(1−rp1・rs2/rs1・rp2) −Tf・rs2/rp2 従ってこの条件でも同一の差動制限トルクTf・rs2/r
p2が発生する。一方、この場合は上述と逆に差動制限ト
ルク分だけ後輪回転数TRは小さく、前輪回転数TFは大き
くなるようにトルク配分されることになる。
p2が発生する。一方、この場合は上述と逆に差動制限ト
ルク分だけ後輪回転数TRは小さく、前輪回転数TFは大き
くなるようにトルク配分されることになる。
次いで、かかる構成の4輪駆動車の作用を、第5図の
特性図を用いて述べる。
特性図を用いて述べる。
先ず、エンジン10の動力はトルクコンバータ13,入力
軸14を介して自動変速機30に入力し、自動変速された動
力が出力軸15からセンターディファレンシャル装置50の
第1のサンギヤ51に入力する。そして第1,第2のピニオ
ン52,54から第2のサンギヤ53と、第1,第2のピニオン5
2,54を支持するキャリヤ56とに分配されて伝達し、第2
のサンギヤ53の動力はリヤドライブ軸20,プロペラ軸21,
リヤディファレンシャル装置22を介して後輪に伝達す
る。また、キャリヤ56の動力はリダクションギヤ17,18,
フロントドライブ軸16,フロントディファレンシャル装
置19を介して前輪に伝達するのであり、こうして4輪駆
動走行する。
軸14を介して自動変速機30に入力し、自動変速された動
力が出力軸15からセンターディファレンシャル装置50の
第1のサンギヤ51に入力する。そして第1,第2のピニオ
ン52,54から第2のサンギヤ53と、第1,第2のピニオン5
2,54を支持するキャリヤ56とに分配されて伝達し、第2
のサンギヤ53の動力はリヤドライブ軸20,プロペラ軸21,
リヤディファレンシャル装置22を介して後輪に伝達す
る。また、キャリヤ56の動力はリダクションギヤ17,18,
フロントドライブ軸16,フロントディファレンシャル装
置19を介して前輪に伝達するのであり、こうして4輪駆
動走行する。
そこで、例えばNF=NRの直進走行では、センターディ
ファレンシャル装置50において第2のサンギヤ53とキャ
リヤ56とが同一方向に等速回転することで、第1,第2の
ピニオン52,54は遊星回転しなくなり一体化して回転す
る。こうして、第1,第2のピニオン52,54とキャリヤ56
とが一体化することで両者の間には摩擦トルク等が生じ
ない状態になり、第1のサンギヤ51の入力トルクTiに対
しキャリヤ56の前輪トルクTF,第2のサンギヤ53の後輪
トルクTRは、不等トルク配分機能の歯車諸元による基準
トルク配分,TF:TR≒40:60(第5図の曲線lo)のみによ
り設定される。そこで、後輪偏重のトルク配分になり、
アンダーステア気味で操縦性等か良好に確保され、低μ
路では常に後輪が先にスリップするようになる。
ファレンシャル装置50において第2のサンギヤ53とキャ
リヤ56とが同一方向に等速回転することで、第1,第2の
ピニオン52,54は遊星回転しなくなり一体化して回転す
る。こうして、第1,第2のピニオン52,54とキャリヤ56
とが一体化することで両者の間には摩擦トルク等が生じ
ない状態になり、第1のサンギヤ51の入力トルクTiに対
しキャリヤ56の前輪トルクTF,第2のサンギヤ53の後輪
トルクTRは、不等トルク配分機能の歯車諸元による基準
トルク配分,TF:TR≒40:60(第5図の曲線lo)のみによ
り設定される。そこで、後輪偏重のトルク配分になり、
アンダーステア気味で操縦性等か良好に確保され、低μ
路では常に後輪が先にスリップするようになる。
次いで、NF>NRの旋回または前輪スリップ時には、セ
ンターディファレンシャル装置50の第1,第2のピニオン
52,54が遊星回転し、差動機能を有する歯車諸元により
差動作用する。このため旋回時には、前後輪の回転数差
が吸収されて、滑らかに旋回することになる。
ンターディファレンシャル装置50の第1,第2のピニオン
52,54が遊星回転し、差動機能を有する歯車諸元により
差動作用する。このため旋回時には、前後輪の回転数差
が吸収されて、滑らかに旋回することになる。
一方、第1,第2のピニオン52,54の遊星回転に伴い、
そのねじれ角の違いによるスラスト荷重が、第1,第2の
ピニオン52,54の一方の端面のスラストワッシャ27の部
分に作用する。また、ギヤ噛合い点の分離,接線荷重の
合成力が第1,第2のピニオン52,54のニードルベアリン
グ26の部分に作用して両者によりピニオン回転方向と反
対の摩擦トルクと、これに基づく差動制限トルクが生じ
るようになる。そしてこの条件では、差動制限トルクが
キャリヤ56の回転を損うように作用することで、差動制
限トルクが後輪側に移動して、トルク配分は第5図の曲
線l1のように基準トルク配分より更に後輪偏重になる。
このため、旋回時の回頭性,操縦性がよくなり、また直
進時の前輪スリップ時にはスリップを防止するようにな
る。
そのねじれ角の違いによるスラスト荷重が、第1,第2の
ピニオン52,54の一方の端面のスラストワッシャ27の部
分に作用する。また、ギヤ噛合い点の分離,接線荷重の
合成力が第1,第2のピニオン52,54のニードルベアリン
グ26の部分に作用して両者によりピニオン回転方向と反
対の摩擦トルクと、これに基づく差動制限トルクが生じ
るようになる。そしてこの条件では、差動制限トルクが
キャリヤ56の回転を損うように作用することで、差動制
限トルクが後輪側に移動して、トルク配分は第5図の曲
線l1のように基準トルク配分より更に後輪偏重になる。
このため、旋回時の回頭性,操縦性がよくなり、また直
進時の前輪スリップ時にはスリップを防止するようにな
る。
更に、NR>NFの後輪スリップ時には、センターディフ
ァレンシャル装置50の第1,第2のピニオン52,54が前後
輪の回転数差により同様に遊星回転する。ところでこの
条件では、差動制限トルクがキャリヤ56の回転を促すよ
うに作用して前輪側に移動するようになり、このため第
5図の曲線l2のように基準トルク配分より前輪に多いト
ルク配分になって、後輪スリップを防止する。
ァレンシャル装置50の第1,第2のピニオン52,54が前後
輪の回転数差により同様に遊星回転する。ところでこの
条件では、差動制限トルクがキャリヤ56の回転を促すよ
うに作用して前輪側に移動するようになり、このため第
5図の曲線l2のように基準トルク配分より前輪に多いト
ルク配分になって、後輪スリップを防止する。
ここで、差動制限トルクは、入力トルクに対し比例的
に生じるため、前後輪のトルクの大小に対して常に同じ
割合になり、差動制限機能が常に一定の割合で発揮され
る。
に生じるため、前後輪のトルクの大小に対して常に同じ
割合になり、差動制限機能が常に一定の割合で発揮され
る。
第6図において、本発明の他の実施例として油圧多板
クラッチ60を併用した場合について述べる。
クラッチ60を併用した場合について述べる。
この場合は、センターディファレンシャル装置50の2
つの出力部材のキャリヤ56と第2のサンギヤ53との間に
油圧多板クラッチ60が設けられる。即ち、油圧多板クラ
ッチ60は、ドラム61がキャリヤ56と一体形成され、ハブ
62が第2のサンギヤ53と一体のリヤドライブ軸20に結合
する。また、ケース側に油圧室63と共にピストン64,ベ
アリング65および押圧プレート66が取付けられ、ドラム
61とハブ62との間のドライブプレート67,ドリブンプレ
ート68をリテーナ69のスプリング70に抗して押圧し、差
動制限トルクが発生するように構成される。
つの出力部材のキャリヤ56と第2のサンギヤ53との間に
油圧多板クラッチ60が設けられる。即ち、油圧多板クラ
ッチ60は、ドラム61がキャリヤ56と一体形成され、ハブ
62が第2のサンギヤ53と一体のリヤドライブ軸20に結合
する。また、ケース側に油圧室63と共にピストン64,ベ
アリング65および押圧プレート66が取付けられ、ドラム
61とハブ62との間のドライブプレート67,ドリブンプレ
ート68をリテーナ69のスプリング70に抗して押圧し、差
動制限トルクが発生するように構成される。
そこで、上述の差動制限機能の計算式においてrs2=1
8.693mm,rs2=21.807mmとなるよう歯車諸元を設定し、
油圧多板クラッチ60の差動制限トルクTcを加味すると、
以下のトルク配分式が成立する。即ち、NF>NRの場合
は、 TF=0.4Ti−0.857Tf−Tc TR=0.6Ti+0.857Tf+Tc になる。また、NR>NFでは、 TF=0.4Ti+0.857Tf−Tc TR=0.6Ti−0.857Tf+Tc になる。
8.693mm,rs2=21.807mmとなるよう歯車諸元を設定し、
油圧多板クラッチ60の差動制限トルクTcを加味すると、
以下のトルク配分式が成立する。即ち、NF>NRの場合
は、 TF=0.4Ti−0.857Tf−Tc TR=0.6Ti+0.857Tf+Tc になる。また、NR>NFでは、 TF=0.4Ti+0.857Tf−Tc TR=0.6Ti−0.857Tf+Tc になる。
従って、この実施例では、スリップ時にセンターディ
ファレンシャル装置50の摩擦トルクTfによる差動制限ト
ルクがタイムラグの無い状態で生じ、次いで油圧多板ク
ラッチ60が動作してその差動制限トルクTcが生じる。そ
してNF>NRでは、高速の前輪から後輪に差動制限トルク
Tcの分だけ更にトルク移動し、NR>NFでは、逆に差動制
限トルクTcの分だけ更に前輪にトルク移動する。こうし
て、摩擦トルクTfの差動制限を差動制限トルクTcにより
補い、差動制限機能を適切に発揮することが可能にな
る。
ファレンシャル装置50の摩擦トルクTfによる差動制限ト
ルクがタイムラグの無い状態で生じ、次いで油圧多板ク
ラッチ60が動作してその差動制限トルクTcが生じる。そ
してNF>NRでは、高速の前輪から後輪に差動制限トルク
Tcの分だけ更にトルク移動し、NR>NFでは、逆に差動制
限トルクTcの分だけ更に前輪にトルク移動する。こうし
て、摩擦トルクTfの差動制限を差動制限トルクTcにより
補い、差動制限機能を適切に発揮することが可能にな
る。
以上、本発明の実施例について述べたが、平歯車の場
合でもピニオンとピニオン軸の軸受の部分の摩擦力のみ
により差動制限トルクを生じることが可能である。
合でもピニオンとピニオン軸の軸受の部分の摩擦力のみ
により差動制限トルクを生じることが可能である。
また、縦置きトランスアクスルタイプの自動変速機を
例にして述べたが、横置きFFベースやFRベースの4輪駆
動車および手動変速機,無段変速機付の4輪駆動車にも
適用できることは勿論である。
例にして述べたが、横置きFFベースやFRベースの4輪駆
動車および手動変速機,無段変速機付の4輪駆動車にも
適用できることは勿論である。
以上述べてきたように、本発明によれば、4輪駆動車
の複合プラネタリギヤ式センタディファレンシャル装置
において、リングギヤの無い複合プラネタリギヤを用い
て、ねじれ角の設定,噛合い部の歯面の荷重により差動
制限機構も有する構造であるから、ウォームギヤ構成に
比べて構造が簡素化して装置を小型化でき、伝達効率が
よく、はすば歯車または平歯車噛合点における接触面圧
が低く設定し得るので潤滑等の点でも有利である。
の複合プラネタリギヤ式センタディファレンシャル装置
において、リングギヤの無い複合プラネタリギヤを用い
て、ねじれ角の設定,噛合い部の歯面の荷重により差動
制限機構も有する構造であるから、ウォームギヤ構成に
比べて構造が簡素化して装置を小型化でき、伝達効率が
よく、はすば歯車または平歯車噛合点における接触面圧
が低く設定し得るので潤滑等の点でも有利である。
さらに、差動制限機能は入力トルク比例式であるた
め、アクセル操作により車両の姿勢コントロールがし易
い。
め、アクセル操作により車両の姿勢コントロールがし易
い。
また、ギヤのねじれ角の差,ピニオン両端のスラスト
ワッシャやピニオン内の軸受型式の違いによる摩擦係数
の差により差動制限トルクを任意に設定し得る。
ワッシャやピニオン内の軸受型式の違いによる摩擦係数
の差により差動制限トルクを任意に設定し得る。
さらにまた、後輪偏重の基準トルク配分に対し、旋回
時や前輪スリップ等では更に後輪に差動制限トルクが移
動することで、回頭感,脱出性が向上する。また、後輪
スリップでは逆に前輪に差動制限トルクが移動し、スリ
ップ,尻振りを防止して走破性が向上する。
時や前輪スリップ等では更に後輪に差動制限トルクが移
動することで、回頭感,脱出性が向上する。また、後輪
スリップでは逆に前輪に差動制限トルクが移動し、スリ
ップ,尻振りを防止して走破性が向上する。
またさらに、油圧多板クラッチを併用する場合は、そ
の差動制限トルクで適切に補うことができ、これにより
センターディファレンシャル装置の方は摩擦力を減じて
伝達効率を向上することも可能になる。
の差動制限トルクで適切に補うことができ、これにより
センターディファレンシャル装置の方は摩擦力を減じて
伝達効率を向上することも可能になる。
第1図は本発明の4輪駆動車の動力配分制御装置実施例
の概略を示すスケルトン図、 第2図はセンターディファレンシャル装置の部分の拡大
断面図、 第3図(a)ないし(c)はセンターディファレンシャ
ル装置の差動機能,不等トルク配分機能を説明する略
図、 第4図(a)ないし(d)は同差動制限機能を説明する
略図、 第5図は前後輪のトルク配分制御の特性図、 第6図は本発明の他の実施例として油圧多板クラッチを
併用する場合について示す断面図である。 19…フロントディファレンシャル装置、22…リヤディフ
ァレンシャル装置、26…ニードルベアリング、27…スラ
ストワッシャ、30…自動変速機、50…センターディファ
レンシャル装置、51…第1のサンギヤ、52…第1のピニ
オン、53…第2のサンギヤ、54…第2のピニオン、56…
ピニオン部材
の概略を示すスケルトン図、 第2図はセンターディファレンシャル装置の部分の拡大
断面図、 第3図(a)ないし(c)はセンターディファレンシャ
ル装置の差動機能,不等トルク配分機能を説明する略
図、 第4図(a)ないし(d)は同差動制限機能を説明する
略図、 第5図は前後輪のトルク配分制御の特性図、 第6図は本発明の他の実施例として油圧多板クラッチを
併用する場合について示す断面図である。 19…フロントディファレンシャル装置、22…リヤディフ
ァレンシャル装置、26…ニードルベアリング、27…スラ
ストワッシャ、30…自動変速機、50…センターディファ
レンシャル装置、51…第1のサンギヤ、52…第1のピニ
オン、53…第2のサンギヤ、54…第2のピニオン、56…
ピニオン部材
Claims (4)
- 【請求項1】入力側の第1サンギヤと、一方の出力側の
第2サンギヤと、該第1,第2サンギヤにそれぞれ噛み合
うピニオン部材の第1,第2ピニオンのみのギヤ構成から
なり、他方の出力側のキャリヤで上記第1,第2のピニオ
ンを軸支する複合プラネタリギヤ式センターディファレ
ンシャル装置を備えた4輪駆動装置において、 第1列の上記第1のサンギヤと第1のピニオン、第2列
の上記第2のサンギヤと第2ピニオンをはすば歯車に
し、 上記第1列と第2列のギヤ噛合い点に作用するスラスト
荷重の差が、上記第1,第2のピニオンの一方の端面に作
用するようにねじれ角を設定し、 上記第1列と第2列のギヤ噛合い点に作用する分離,接
線荷重の合成力が、上記第1,第2のピニオンの軸受に作
用するように構成し、 上記第1,第2のピニオンの一方の端面と軸受の部分との
摩擦力により、差動回転中に入力トルクに比例した差動
制限トルクが発生するように構成することを特徴とする
4輪駆動車の動力配分制御装置。 - 【請求項2】入力側の第1サンギヤと、一方の出力側の
第2サンギヤと、該第1,第2サンギヤにそれぞれ噛み合
うピニオン部材の第1,第2ピニオンのみのギヤ構成から
なり、他方の出力側のキャリヤで上記第1,第2のピニオ
ンを軸支する複合プラネタリギヤ式センターディファレ
ンシャル装置を備えた4輪駆動装置において、 第1列の第1のサンギヤと第1のピニオン,第2列の第
2のサンギヤと第2のピニオンを平歯車にし、 上記第1列と第2列のギヤ噛合い点に作用する分離,接
線荷重の合成力が、上記第1,第2のピニオンの軸受に作
用するように構成し、 上記第1,第2のピニオンの軸受の部分の摩擦力により、
差動回転中に入力トルクに比例した差動制限トルクが発
生するように構成することを特徴とする4輪駆動車の動
力配分制御装置。 - 【請求項3】センターディファレンシャル装置の基準ト
ルク配分を後輪偏重に設定し、前輪回転数の方が大きい
差動回転中は、差動制限トルク分だけ後輪に多く配分
し、後輪回転数の方が大きい差動回転中は、差動制限ト
ルク分だけ前輪に多く配分するように構成することを特
徴とする請求項(1)または(2)記載の4輪駆動車の
動力配分制御装置。 - 【請求項4】センターディファレンシャル装置の2つの
出力部材のキャリヤと第2のサンギヤとの間に油圧多板
クラッチを設け、 上記センターディファレンシャル装置と油圧多板クラッ
チの各差動制限トルクを任意に設定することを特徴とす
る請求項(1)または(2)記載の4輪駆動車の動力配
分制御装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1274592A JP2732309B2 (ja) | 1989-10-20 | 1989-10-20 | 4輪駆動車の動力配分制御装置 |
US07/586,518 US5205797A (en) | 1989-10-20 | 1990-09-21 | Torque distribution control system for a four-wheel drive motor vehicle |
EP90311438A EP0424147B1 (en) | 1989-10-20 | 1990-10-18 | Four-wheel drive torque distribution control system |
DE69006678T DE69006678T2 (de) | 1989-10-20 | 1990-10-18 | Kontrollsystem für die Momentaufteilung in einem Fahrzeug mit Vierradantrieb. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1274592A JP2732309B2 (ja) | 1989-10-20 | 1989-10-20 | 4輪駆動車の動力配分制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03135841A JPH03135841A (ja) | 1991-06-10 |
JP2732309B2 true JP2732309B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=17543889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1274592A Expired - Lifetime JP2732309B2 (ja) | 1989-10-20 | 1989-10-20 | 4輪駆動車の動力配分制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2732309B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002054698A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-20 | Seirei Ind Co Ltd | 走行車両 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50156129A (ja) * | 1974-06-05 | 1975-12-17 | ||
JPS5353836A (en) * | 1976-10-25 | 1978-05-16 | Nissan Motor Co Ltd | Apparatus for distributing power of vehicles |
US4625585A (en) * | 1985-01-09 | 1986-12-02 | Tractech, Inc. | Torque-proportioning differential with sectional housing |
JPS61184128A (ja) * | 1985-02-08 | 1986-08-16 | Nissan Motor Co Ltd | 4輪駆動車の駆動力配分装置 |
JPS62218228A (ja) * | 1986-03-19 | 1987-09-25 | Toyota Motor Corp | 四輪駆動装置の制御方法 |
-
1989
- 1989-10-20 JP JP1274592A patent/JP2732309B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03135841A (ja) | 1991-06-10 |
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