JP2731454B2 - 力センサ - Google Patents

力センサ

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JP2731454B2
JP2731454B2 JP2243592A JP24359290A JP2731454B2 JP 2731454 B2 JP2731454 B2 JP 2731454B2 JP 2243592 A JP2243592 A JP 2243592A JP 24359290 A JP24359290 A JP 24359290A JP 2731454 B2 JP2731454 B2 JP 2731454B2
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、圧力センサや歪ゲージなどとして用いら
れる力センサに係り、特に軟磁性体の磁気抵抗の変化に
より応力を検知する構成の力センサに関するものであ
る。
「従来の技術」 磁気記録の分野において用いられている軟磁性合金に
おいて、一般的に要求される諸特性は以下の通りである 飽和磁束密度が高いこと。
透磁率が高いこと。
低保磁力であること。
薄い形状が得やすいこと。
硬度が高いこと。
従ってこれらの観点から種々の合金系において材料研
究がなされている。
従来、磁気記録分野においては、センダスト、パーマ
ロイ、ケイ素鋼等の結晶質合金が用いられ、最近ではFe
基およびCo基の非晶質合金も使用されるようになってき
ている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、前記Fe基アモルファス合金を用いた磁
心は、鉄損が大きく、添加元素の調整により鉄損の改善
が試みられているが、Co系アモルファス合金に比べて未
だに鉄損が大きいという問題があった。
このような背景の基に本発明者らは、先に、高飽和磁
束密度のFe系軟磁性合金を特願平2−108308号明細書に
おいて平成2年4月24日付けで特許出願している。
この特許出願に係る合金の他の1つは、次式で示され
る組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度合金で
あった。
(Fe1-aCoa)b Bx Ty T′z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、T′はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptか
らなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 a≦0.05、b≦92原子%、 x=0.5〜16原子%、y=4〜10原子%、 z=0.2〜4.5原子%である。
また、前記特許出願に係る合金の他の1つは、次式で
示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度
合金であった。
Feb Bx Ty T′z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、T′はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptか
らなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 b≦92原子%、x=0.5〜16原子%、 y=4〜10原子%、z=0.2〜4.5原子%である。
更に本発明者らは、前記合金の発展型の合金として、
先に、以下に示す組成の合金について特許出願を行って
いる。
この特許出願に係る合金の1つは、次式で示される組
成からなることを特徴とする高飽和磁束密度合金であっ
た。
(Fe1-aQa)b Bx Ty 但しQはCo,Niのいずれか、または、両方であり、T
はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ばれた1種
又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのいずれか、
又は両方を含み、 a≦0.05、b≦93原子%、 x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%である。
また、前記特許出願に係る合金の他の1つは、次式で
示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度
合金であった。
Feb Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、 b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、 y=4〜9原子%である。
以上のように本発明者らは、前記各組成の種々のFe系
軟磁性合金を開発したわけであるが、前記組成の合金に
ついて研究を重ねた結果、これを加速度センサあるいは
歪ゲージなどに適用される力センサとして用いても良好
な特性がえられることが判明したので本願発明に到達し
た。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
高飽和磁束密度を示し、耐熱性にもすぐれたFe系軟磁性
合金の軟磁性体を備えた力センサを提供することを目的
とする。
「課題を解決するための手段」 請求項1に記載した発明は前記課題を解決するため
に、磁気回路を構成するとともに少なくとも一部に応力
がかかる状態にされた軟磁性体と、この軟磁性体の磁気
回路を励起するためのコイルとを備え、軟磁性体の磁気
抵抗の変化により応力を検知する力センサにおいて、前
記軟磁性体を次式で示される組成からなる高飽和磁束密
度Fe系軟磁性合金から形成してなるものである。
Feb Bx Ty T′z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、T′はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptか
らなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 b≦92原子%、x=0.5〜16原子%、 y=4〜10原子%、z=0.2〜4.5原子%である。
請求項2に記載した発明は前記課題を解決するため
に、磁気回路を構成するとともに少なくとも一部に応力
がかかる状態にされた軟磁性体と、この軟磁性体の磁気
回路を励起するためのコイルとを備え、軟磁性体の磁気
抵抗の変化により応力を検知する力センサにおいて、前
記軟磁性体を次式で示される組成からなる高飽和磁束密
度Fe系軟磁性合金から形成してなるものである。
(Fe1-aQ)b Bx Ty 但しQはCo,Niのいずれか、または、両方であり、T
はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ばれた1種
又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのいずれか、
又は両方を含み、 a≦0.05、b≦93原子%、 x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%である。
請求項3に記載した発明は前記課題を解決するため
に、磁気回路を構成するとともに少なくとも一部に応力
がかかる状態にされた軟磁性体と、この軟磁性体と磁気
回路を励起するためのコイルとを備え、軟磁性体の磁気
抵抗の変化により応力を検知する力センサにおいて、前
記軟磁性体を次式で示される組成からなる高飽和磁束密
度Fe系軟磁性合金から形成してなることを特徴とする力
センサ。
Feb Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、 b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、 y=4〜10原子%である。
「作用」 特定の組成のFe系軟磁性合金を用いて力センサの軟磁
性体を形成するので、高飽和磁束密度と高透磁率を兼ね
備える軟磁性体を採用することができ、力センサの出力
と精度が向上する。また、軟磁性体を構成する特定の組
成のFe系軟磁性合金は、耐熱性にも優れるので、力セン
サの耐熱性が向上する。
「実施例」 第1図は本発明の力センサの一実施例を示すもので、
この例の力センサ1は、断面U字状の軟磁性体2と、こ
の軟磁性体1の先端部に取り付けられた鉄片などの薄い
磁性体片3およびプラスチックなどからなる覆板4を有
している。また、前記U字状の軟磁性体1の側部にはコ
イル5が巻装されている。更に、覆板4の中央部には、
開口部4aが形成されていて、圧力Pがこの開口部4aを介
して磁性体片3に付加された場合に、第1図の鎖線に示
すように磁性体片3の中央部が変形できるようになって
いる。
前記軟磁性体2は以下に説明するFe系軟磁性合金から
形成されている。
前記軟磁性体2を形成する軟磁性合金の1つとして、
次式で示される組成からなる高飽和磁束密度Fe系軟磁性
合金を使用することができる。
(Fe1-aCoa)b Bx Ty T′z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、T′はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptか
らなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 a≦0.05、b≦92原子%、 x=0.5〜16原子%、y=4〜10原子%、 z=0.2〜4.5原子%である。
また、軟磁性体2を構成する軟磁性合金の1つとし
て、次式で示される組成からなる高飽和磁束密度Fe系軟
磁性合金を使用することができる。
Feb Bz Ty T′z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、T′はCu,Ag.Au,Ni,Pd,Ptか
らなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 b≦92原子%、x=0.5〜16原子%、 y=4〜10原子%、z=0.2〜4.5原子%である。
更に前記軟磁性体2を構成する軟磁性合金の1つとし
て、次式で示される組成からなる高飽和磁束密度Fe系軟
磁性合金を使用することができる。
(Fe1-aQa)b Bx Ty 但しQはCo,Niのいずれか、または、両方であり、T
はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ばれた1種
又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのいずれか、
又は両方を含み、 a≦0.05、b≦93原子%、 x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%である。
更にまた、前記軟磁性体2を構成する軟磁性合金の1
つとして、次式で示される組成からなる高飽和磁束密度
Fe系軟磁性合金を使用することができる。
Feb Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのい
ずれか、又は両方を含み、 b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、 y=4〜9原子%である。
本発明の軟磁性体2に用いる軟磁性合金において、非
晶質相を得やすくするためには、非晶質形成能の高いZ
r,Hfのいずれかを含む必要がある。またZr,Hfはその一
部を他の4A〜6A族元素のうち、Ti,V,Nb,Ta,Mo,Wと置換
することが出来る。ここでCrを含めなかったのは、Crが
他の元素に比べ非晶質形成能が劣っているからである
が、Zr,Hfを適量添加したならば、更にCrを添加しても
良いのは勿論である。
Bには本発明の軟磁性体2に用いる合金の非晶質形成
能を高める効果、および前記熱処理工程において磁気特
性に悪影響を及ぼす化合物相の生成を抑制する効果があ
ると考えられ、このためB添加は必須である。Bと同様
にA1,Si,C,P等も非晶質形成元素として一般に用いられ
ており、これらの元素を添加した場合も本発明に用いる
合金と同一とみなすことができる。
本発明においては、Cu,Niおよびこれらと同族元素の
うちから選ばれた少なくとも1種又は2種以上の元素を
0.2原子%以上含む必要がある。添加量が0.2原子%より
少ないと前記の熱処理工程により特に優れた軟磁気特性
を得ることができない。また、これらの元素の中でもCu
は特に好適である。
Cu,Ni等の添加により、軟磁気特性が著しく改善され
る機構については明らかではないが、結晶化温度を示差
熱分析法により測定したところ、Cu,Ni等を添加した合
金の結晶化温度は、添加しない合金に比べてやや低い温
度であると認められた。これは前記元素の添加により非
晶質相が不均一となり、その結果、非晶質相の安定性が
低下したことに起因すると考えられる。また不均一な非
晶質相が結晶化する場合、部分的に結晶化しやすい領域
が多数でき不均一核生成するため、得られる組織が微細
結晶粒組織となると考えられる。
また特にFeに対する固溶度が著しく低い元素であるCu
の場合、相分離傾向があるため、加熱によりミクロな組
成ゆらぎが生じ、非晶質相が不均一となる傾向がより顕
著になると考えられ、組織の微細化に寄与するものと考
えられる。
以上の観点からCu及びその同族元素、NiおよびPd,Pt
以外の元素でも結晶化温度を低下させる元素には同様の
効果が期待できる。またCuのようにFeに対する固溶限が
小さい元素にも同様の効果が期待できる。
以上、本発明に用いる高飽和磁束密度Fe系軟磁性合金
に含まれる合金元素の限定理由を説明したが、これらの
元素以外でも耐食性を改善するために、Cr,Ruその他の
白金族元素を添加することも可能であり、また、必要に
応じて、Y,希土類元素,Zn,Cd,Ga,In,Ge,Sn,Pb,As,Sb,B
i,Se,Te,Li,Be,Mg,Ca,Sr,Ba等の元素を添加することで
磁歪を調整することもできる。その他、H,N,O,S等の不
可避的不純物については所望の特性が劣化しない程度に
含有していても本発明に用いる高飽和磁束密度Fe系軟磁
性合金の組成と同一とみなすことができるのは勿論であ
る。
本発明に用いる合金の1つにおけるFe,Co量のbは、9
2原子%以下である。これは、bが92原子%を越えると
高い透磁率が得られないためであるが、飽和磁束密度10
kG以上を得るためには、bが75原子%以上であることが
より好ましい。なお、元素T′zを含有しない合金系に
おいては、Fe,Co,Ni量のbは、高い飽和磁束密度を得る
ために93原子%以下とする。
前記合金は、前記組成の非晶質合金あるいは非晶質相
を含む結晶質合金を溶湯から急冷することにより得る工
程と、この工程で得られたものを加熱し微細な結晶粒を
析出させる工程によって通常得ることができる。
溶湯から急冷する場合、溶湯をノズルから回転冷却ロ
ールの表面に吹き出して急冷する場合は、薄帯(リボ
ン)が得られるので、この薄帯をU字状にプレス打ち抜
きして積層すれば軟磁性体が得られる。また、前記溶湯
から公知のアトマイズ法などによって軟磁性合金粉末を
得、この粉末を成形し、焼結してU字状の軟磁性体を形
成することもできる。
そして、得られた軟磁性体を必要に応じて熱処理し結
晶化するならば、磁気特性に優れた軟磁性体2が得られ
る。
一方、前記組成の合金の溶湯から急冷する場合、溶湯
から公知のアトマイズ法などによって軟磁性合金粉末を
得、この粉末を成形し、焼結して軟磁性体を形成するこ
とができる。
そして、得られた軟磁性体を必要に応じて熱処理して
焼結するならば、機械強度と硬度が高い軟磁性体2が得
られる。
第1図に示す構成の力センサ1においては、軟磁性体
2と磁性体片3との組み合わせで閉ループの磁気回路が
構成され、コイル5への通電により磁気回路が励磁され
て軟磁性体2内と磁性体片3内で磁束の漏れを生じる。
前記覆板4の透孔4aを通して圧力Pが薄い磁性体片3
に加えられると、磁性体片3が点線で示すように軟磁性
体2の内側に湾曲し、内部に応力が発生する。このよう
に軟磁性体2に内部応力が生じると、それの磁歪効果に
より磁気抵抗値が変化し、この磁気抵抗変化はインダク
タンス変化として現れるから、コイル5に一定の電圧を
印加しておけば、コイルに5に流れる電流値が変化す
る。従ってこの電流値を監視することにより、圧力Pの
有無やその大きさを電気信号として取り出すことができ
る。
なお、磁性体片3の変形を容易にするため、磁性体片
3の変形する方向に予めバイアス応力を加えておくよう
にしても良い。
前記軟磁性体2は、前述したような特別の組成のFe系
軟磁性合金から形成され、高透磁率であり、磁気抵抗変
化を生じた場合に取り出しえる信号が大きくなるので、
圧力Pの検知精度を良好にすることができる。また、軟
磁性体2を形成する前記Fe系軟磁性合金は結晶化温度が
高く、耐熱性に優れるので、圧力センサ1の耐熱性も向
上し、高い温度環境下であっても使用することができる
特徴がある。
以下に本発明の軟磁性体の製造方法について、合金粉
末から軟磁性体2を製造する方法に基いて詳細に説明す
る。
本発明の軟磁性体2を製造するには、前記組成の合金
を粉末化してから所望の軟磁性体形状に合わせて軟磁性
合金粉末を圧密し、焼結して得ることができる。
本発明に用いるFe系合金粉末を得るには、先に本発明
者らが特許出願している組成の軟磁性合金の溶湯からア
トマイズ法などによって急冷して粉末化する工程と、前
記工程で得られたものを加熱し微細な結晶粒を析出させ
る熱処理工程とによって通常得ることが出来る。なお、
前記軟磁性合金粉末を製造する場合、先に本発明者らが
特許出願している合金を作製し、この合金を結晶化温度
以上に加熱して脆化させた後に粉砕して得ることもでき
る。
ここで例えば、アトマイズ法によって磁性合金粉末を
得るには、前記組成の合金材料を高周波溶解炉などを用
いてルツボ内にて金属溶湯とし、ルツボ底部に設けられ
た溶湯噴出用ノズルを通して流下、落下させる。そし
て、噴出用ノズルから落下する溶湯流に対して、例えば
円形状に配置された多孔の噴霧化ノズルにより、窒素ガ
スを所定の圧力で吹き付けて溶湯流を粉末化することに
より得ることができる。
また、前記組成のFe系合金は、結晶化温度以上に加熱
することで脆くなることが本発明者らの研究で判明して
いるので、この特性を利用して粉末化することもでき
る。前記組成の合金を結晶化温度℃以上、好ましくは、
500〜700℃の温度範囲に加熱して脆化させ、この状態で
粉砕し、粒径を揃えることにより粉末化することもでき
る。
次に前記組成の合金を実際に製造し、得られた合金の
特性を測定した結果を示す。
以下の例に示す各合金は片ロール液体急冷法により作
成した。すなわち、1つの回転している鋼製ロール上に
おかれたノズルより溶融金属をアルゴンガスの圧力によ
り前記ロール上に噴出させ、急冷して薄帯を得る。以上
のように作成した薄帯の幅は約15mmであり、厚さは約20
〜40μmであった。
まず、本発明に用いる合金の磁気特性および構造に及
ぼす熱処理の効果について本合金の一つであるFe86Zr7B
6Cu1合金を例にとって以下に説明する。なお、昇温速度
毎分10℃の示差熱分析により求めたFe86Zr7B6Cu1合金の
結晶化開始温度は503℃であった。
また、Fe86Zr7B6Cu1合金の熱処理前後の構造の変化を
X線回折法により調べ、熱処理後の組織を透過電子顕微
鏡を用いて観察し、結果を第2図に示す。
第2図より、急冷状態では非晶質に特有のハローな回
折図形が、熱処理後には体心立方晶に独特の回折図形が
それぞれ認められ、本合金の構造が熱処理により、非晶
質から体心立方晶へと変化したことがわかる。そして第
3図より、熱処理後の組織が、粒径約100Å程度の微結
晶から成ることがわかる。また、Fe86Zr7B6Cu1合金につ
いて熱処理前後の硬さの変化を調べたところ、ビッカー
ス硬さで急冷状態の740DPNから650℃熱処理後には1390D
PNと従来材料にない高い値まで増加した。
以上のごとく前記組成の合金は、前述の組成を有する
非晶質合金を熱処理により結晶化させ、超微細結晶粒を
主とする組織を得ることにより、高飽和磁束密度でかつ
軟磁気特性に優れ、更に高い硬さと高い熱安定性を有す
る優れた特性を得ることができることが明らかである。
次に前記の如く得られた合金を粉末化する場合につい
て説明する。
前記の合金は強度が高く堅いので、そのままの状態で
は粉砕して粉末化することは難しい。よって、前記の如
く得られた合金を500〜700℃に加熱して脆化させた状態
でボールミルなどの粉砕装置により粉砕する。この操作
によって粒径1〜100μm程度の軟磁性合金粉末を得る
ことができる。
次にこの軟磁性合金粉末を用いて軟磁性体2を製造す
る場合について説明する。
まず、第4図に示すように、プレス装置Pの上型PUと
下型PLとによって、軟磁性合金粉末Aを所定形状(U字
状)のコアBに一次成形する。この一次成形コアBは、
次に第5図に示す加圧カプセル10内に圧力媒体粉末Cと
ともに封入される。図面では、一次成形コアBを1つの
み描いているが、実際には多数の一次成形コアBが同時
に加圧カプセル10内に封入される。
加圧カプセル10は、有底筒状の本体11と、この本体11
の上部に被せる蓋体12とからなり、蓋体12には脱気パイ
プ13が開口している。この加圧カプセル10内には、蓋体
12を外した状態において、本体11内に一次成形コアBと
圧力媒体粉末Cが充填される。次いで、本体11の上部内
面に一次成形コアBおよび圧力媒体粉末Cが通過しない
メッシュ板14を被せて、本体11と蓋体12を溶接し、本体
11と蓋体12間の隙間をなくす。そして脱気パイプ13を潰
して、内部に一次成形コアBおよび圧力媒体粉末Cを封
入した密閉されたワーク30(加圧カプセル10)を完成す
る。
なお脱気する際には、加圧カプセル10を加熱炉Fに入
れ、約500℃〜900℃前後の温度を加える。これはガス抜
きをより完全にするための加熱で、この種の脱気では常
套的に行なわれる。
圧力媒体粉末Cは、軟磁性合金粉末A(一次成形コア
B)と化学反応しない材料から選定して用いる。ここで
一次成形コアBが前記組成のFe系軟磁性合金粉末である
ので、ZrO2粉末を用いると良い。この他、MgO粉末を用
いても良い。
第6図は、このワーク30は高温高圧下で処理する熱間
熱間静水圧プレス20の概念図で、高圧円筒21の上下が上
蓋22と下蓋23で開閉および閉塞可能となっている。上蓋
22には高圧ガス導入管24が開口している。高圧円筒21内
には、ワーク30の支持台25と、ヒータ26とが位置してお
り、高圧円筒21とヒータ26の間には、断熱層27が設けら
れている。
ワーク30は、この熱間静水圧プレスの支持台25上に載
置され、ヒータ26によって高温に熱せられると同時に、
導入管24から導入される圧力媒体としての高圧ガスによ
り、等方性の圧力を受ける。その結果、ワーク30(カプ
セル10)は全体が圧縮変形される。この圧縮変形の過程
において、加圧カプセル10内の一次成形コアBは、圧力
媒体粉末Cを介して等方圧力を受ける。また、ヒータ26
による熱も、圧力媒体粉末Cを介して受けるため、一次
成形コアBが急激に加熱されることがなく、急激加熱に
起因する一次成形コアBの割れや変形を生じることがな
い。即ち、一次成形コアBは均等に圧縮され、内部の気
泡が除かれて最終的に焼結され、軟磁性体が完成する。
この軟磁性体は、一次成形コアBに比して縮むため、縮
み代を考慮して一次成形コアBの形状を決定しておく。
以上のようにして圧縮変形されたワーク30は、熱間静
水圧プレスから取り出して後、第7図に示すようにその
本体11および蓋体12を壊して、内部の完成された軟磁性
体を取り出す。軟磁性体はプレス装置Pによって予め所
定の形状に加工されているために、軟磁性体としてその
まま使用することができる。
また、以上の熱間静水圧プレスにおいて、一次成形コ
アBは、これと化学反応しない圧力媒体粉末Cで覆われ
るため、完成された軟磁性体2に性質の変化を生じるお
それはない。
なお、以上の説明においては、U字状の軟磁性体2を
製造する場合について説明したが、プレス装置Pの型の
形状を適宜変更することで、U字状の軟磁性体2に限ら
ず、他の種々の形状の軟磁性体を形成することができ
る。従って、種々の複雑な形状の軟磁性体を製造できる
ことも勿論である。
第8図は、本発明の第2実施例の力センサを示すもの
で、この例の力センサは、薄帯をリング状に湾曲させた
軟磁性体6とこの軟磁性体6の両端部を保持する保持部
材7と軟磁性体6の一部に巻き付けられた励磁コイル8
と励磁コイル8に接続されたインダクタンス測定装置9
とを具備して構成されている。
この例の力センサは、矢印方向に圧力Pが作用するこ
とによって軟磁性体6が弾性変形するようになってい
る。
励磁コイル8への通電によって軟磁性体6は励磁され
ているので、軟磁性体6の弾性変形で内部応力が生じる
と、励磁効果に基づき、それがインダクタンスの変化と
して現れ、この状態をインダクタンス測定装置9で監視
すれば、軟磁性体6に加わる力の有無を検知することが
できる。
次に、第4図ないし第7図を基に先に説明した方法に
よって軟磁性体2を製造し、この軟磁性体2を用いて作
成した力センサの性能を測定した。
Fe系軟磁性合金の超微粒子粉末として、Fe90Zr7B2Cu1
なる組成の合金を結晶化温度以上に加熱して粉砕するこ
とにより得たものを用いた。
この軟磁性合金粉末をプレス装置によって環状になる
ように一次成形した。次にこの一次成形品に、真空を含
む不活性ガス雰囲気中において500〜600℃で予備焼結を
行った。次いでこの一次成形品を温度600℃、圧力5000
気圧、焼結時間1時間に設定して熱間静水圧プレスを行
い、U字状の軟磁性体2を得た。
この軟磁性体の先端部に掛け渡すように、厚さ0.1mm
の鉄片と厚さ1mmのプラスチック板を取り付けて第1図
に示す磁気センサを得た。
前記力センサにおいて、軟磁性体のヤング率は従来一
般に力センサに用いられている軟磁性体のヤング率と比
較して高い。このようにヤング率、即ち弾性係数が高い
と、応力の感受性が強く、しかもヤング率は磁歪率に比
例することから、高い磁歪効果が得られ、そのため高精
度の磁気センサを提供することができる。また、軟磁性
体は500℃を越える結晶化温度を示すFe系軟磁性合金か
らなるので、耐熱性にも優れている。
以上説明したことから、本発明により、感度が高く、
耐熱性が優れた力センサを得ることができることが判明
した。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、力センサを構成する軟
磁性体が特定の組成のFe系軟磁性合金から形成され、機
械強度が高く、硬度も高く、耐熱性にも優れるので、高
い機械特性と熱安定性を備え、感度が高い優れた力セン
サを得ることができる効果がある。従って、本発明によ
り、優秀な力センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の断面図、第2図は本発明
に用いる合金の一例の熱処理後の構造変化を示すX線回
折図形を示すグラフ、第3図は本発明に用いる合金の一
例の金属組織の顕微鏡写真の模式図、第4図はプレス装
置により合金粉末から一次成形コアを形成する模様を示
す模式図、第5図(A)〜(C)は一次成形コアを加圧
カプセル内に入れる様子を示す断面図、第6図は第5図
に示す加圧カプセルを高温下で加圧する熱間静水圧プレ
スの概念図、第7図は加圧カプセル内から金型を取り出
す状態を示す模式図、第8図は本発明の第2実施例の斜
視図である。 1…力センサ、2…軟磁性体、3…磁性体片、4…覆
板、4a…開口部、5…コイル、6…軟磁性体、8…励磁
コイル、P…圧力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地 川内住 宅11―806 (56)参考文献 特開 平1−242755(JP,A) 特開 昭60−58669(JP,A) 特開 昭61−79127(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気回路を構成するとともに少なくとも一
    部に応力がかかる状態にされた軟磁性体と、この軟磁性
    体の磁気回路を励起するためのコイルとを備え、軟磁性
    体の磁気抵抗の変化により応力を検知する力センサにお
    いて、前記軟磁性体を次式で示される組成からなる高飽
    和磁束密度Fe系軟磁性合金から形成してなることを特徴
    とする力センサ。 Feb Bx Ty T′z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ばれ
    た1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのいず
    れか、又は両方を含み、T′はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptから
    なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 b≦92原子%、x=0.5〜16原子%、y=4〜10原子
    %、z=0.2〜4.5原子%である。
  2. 【請求項2】磁気回路を構成するとともに少なくとも一
    部に応力がかかる状態にされた軟磁性体と、この軟磁性
    体の磁気回路を励起するためのコイルとを備え、軟磁性
    体の磁気抵抗の変化により応力を検知する力センサにお
    いて、前記軟磁性体を次式で示される組成からなる高飽
    和磁束密度Fe系軟磁性合金から形成してなることを特徴
    とする力センサ。 (Fe1-aQa)b Bx Ty 但しQはCo,Niのいずれか、または、両方であり、TはT
    i,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ばれた1種又は
    2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は
    両方を含み、 a≦0.05、b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4
    〜9原子%である。
  3. 【請求項3】磁気回路を構成するとともに少なくとも一
    部に応力がかかる状態にされた軟磁性体と、この軟磁性
    体の磁気回路を励起するためのコイルとを備え、軟磁性
    体の磁気抵抗の変化により応力を検知する力センサにお
    いて、前記軟磁性体を次式で示される組成からなる高飽
    和磁束密度Fe系軟磁性合金から形成してなることを特徴
    とする力センサ。 Feb Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ばれ
    た1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hfのいず
    れか、又は両方を含み、 b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜10原子%
    である。
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