JP2731346B2 - 切断用送給装置 - Google Patents

切断用送給装置

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JP2731346B2
JP2731346B2 JP3354994A JP3354994A JP2731346B2 JP 2731346 B2 JP2731346 B2 JP 2731346B2 JP 3354994 A JP3354994 A JP 3354994A JP 3354994 A JP3354994 A JP 3354994A JP 2731346 B2 JP2731346 B2 JP 2731346B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送給面と交差する切断
面に沿って被切断物を切断する切断手段を備える切断装
置に装着されて、切断面に向かって被切断物を送給する
切断用送給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被切断物を自動的に切断し
て、所定の重量、大きさの切身を大量に得るために、被
切断物を例えば回転刃に向かって自動的に間欠送給する
切断用送給装置が種々知られている。例えば、特開平2
−36987号公報にあるように、咬持部材をばねによ
り付勢して開口するようにし、咬持部材の移動に伴っ
て、咬持部材が押え部材の傾斜部に当接する。そして、
咬持部材がばねの付勢力に抗して閉じて、被切断物の一
端を咬持し、被切断物を回転刃による切断位置へ向かっ
て送給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来のものでは、図9に例示するように、咬持部材3
02の上歯302aの閉じ方向への変位量が、押え部材
の傾斜部300と上歯302aとの相対的な位置関係で
決まるので、上歯302aが傾斜部300に当接して閉
じたときに、被切断物304の端部304aの形状によ
っては上歯302aの変位量が不足となり、上歯302
aと端部304aとの間に空隙306が生じてしまい良
好に咬持できないことがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するための手段として次の構成を取った。即ち、請求項
1記載の切断用送給装置は、送給面と交差する切断面に
沿って被切断物を切断する切断手段を備える切断装置に
装着されて、前記切断面に向かって前記被切断物を送給
する切断用送給装置において、前記送給面上を前記切断
面に向かって移動する送給台と、該送給台の前記切断面
側に、前記送給面に沿って配された下歯部材と、前記送
給台の前記切断面側に配置され、前記下歯部材に近接な
いし接触する倒伏位置と前記下歯部材から離脱する開口
位置との間で開閉変位する開閉歯部材を備え、該開閉歯
部材を倒伏させた際には前記被切断物を咬持可能な咬持
機構と、前記開閉歯部材を所定のタイミングで倒伏駆動
する駆動機構とを設けたことを特徴とする。
【0005】次に、請求項2記載の切断用送給装置は、
請求項1記載の切断用送給装置において、前記駆動機構
として、前記送給面との間に第1の距離を保って前記送
給面とほぼ平行に設けられた第1平坦部と該第1平坦部
よりも前記切断面側において前記送給面との間に前記第
1の距離よりも小さい第2の距離を保って前記送給面と
ほぼ平行に設けられた第2平坦部と前記第1平坦部と第
2平坦部との間に設けられた斜部とを有するカム板と、
前記送給台に前記送給面にほぼ平行で前記送給台の移動
方向とほぼ直交する軸芯廻りに揺動可能に取り付けら
れ、前記送給台の前記切断面へ向かっての前進移動に伴
って前記カム板に沿って移動し、前記斜部との接触によ
り揺動変位する揺動部材と、前記開閉歯部材に連結さ
れ、前記送給面にほぼ平行で前記送給台の移動方向とほ
ぼ直交する軸芯廻りに揺動し、該揺動に応じて前記開閉
歯部材を前記倒伏位置と開口位置との間で開閉変位させ
る揺動腕と、一方の端側を前記揺動腕に接続され他方の
端側を前記揺動部材に接続されて、前記揺動部材の揺動
変位により前記揺動腕を前記開閉歯部材を倒伏位置とす
る方向に揺動させるロッドと、該ロッドと前記揺動部材
とに介装されて前記ロッドの軸方向に作用する力に応じ
て弾性変形する弾性部材とを設けたことを特徴とする。
【0006】また、請求項3記載の切断用送給装置は、
請求項2記載の切断用送給装置において、前記揺動部材
に一端を接続されたシリンダを設け、前記弾性部材とし
て、前記シリンダ内に挿通された前記ロッドに外嵌かつ
前記シリンダに内嵌されて前記ロッドの他方の端と前記
シリンダの他端との間に介装されたコイルばねを設けた
ことを特徴とする。
【0007】さらに、請求項4記載の切断用送給装置
は、請求項1記載の切断用送給装置において、前記開閉
歯部材に連結され、前記送給面にほぼ平行で前記送給台
の移動方向とほぼ直交する軸芯廻りに揺動し、該揺動に
応じて前記開閉歯部材を前記倒伏位置と開口位置との間
で開閉変位させる揺動腕と、前記揺動腕に接続され、前
記揺動腕を介して前記開閉歯部材を駆動し前記倒伏位置
と開口位置との間で開閉変位させるエアシリンダとを設
けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1記載の切断用送給装置は、駆動機構が
所定のタイミングで開閉歯部材を倒伏駆動する。開閉歯
部材が倒伏位置へと変位されるので、咬持機構は被切断
物を咬持する。従来技術のような押え部材の傾斜部と開
閉歯部材との相対位置関係によらずに、開閉歯部材が倒
伏位置へと駆動されるので、開閉歯部材の倒伏方向への
変位量が不足することはなく、常に被切断物を良好に咬
持できる。しかも、開閉歯部材が、下歯部材に近接ない
し接触する倒伏位置まで倒伏できるので、被切断物の被
咬持部分の厚さや形状によらず、確実に咬持できる。
【0009】次に、請求項2記載の切断用送給装置にお
いては、揺動部材は、送給台の前進移動に伴ってカム板
の斜部に接触して揺動変位する。この揺動部材の揺動変
位により、ロッドが、揺動腕を揺動させる。揺動腕は、
この揺動により開閉歯部材を倒伏位置へと変位させる。
これにより、上述と同様に、咬持機構は被切断物を咬持
する。この際、被切断物の被咬持部分の厚さに応じて開
閉歯部材の開度(送給面と開閉歯部材先端との距離)が
変化することがあっても、ロッドと揺動部材との相対位
置の変動に対応して弾性部材が弾性変形することで、開
閉歯部材の開度の変化に対処できる。また、駆動機構を
構成する各部に過大な応力が負荷されることはない。な
お、従来の切断用送給装置では、送給台の後退時に送給
台を送給面から離脱させるためのカム板を備えたものが
あるが、このような従来の切断用送給装置のカム板をわ
ずかに改造すれば本発明のカム板とできるので、従来の
切断用送給装置を本発明用に改良することも簡単であ
る。
【0010】また、請求項3記載の切断用送給装置は、
弾性部材として、揺動部材に一端を接続されたシリンダ
内に挿通されたロッドに外嵌かつシリンダに内嵌されて
ロッドの他方の端とシリンダの他端との間に介装された
コイルばねを設けている。コイルばねは、シリンダおよ
びロッドとの軸方向と交差する方向への移動を規制され
るので、ロッドの軸方向に作用する力に応じて正確に弾
性変形する。
【0011】さらに、請求項4記載の切断用送給装置に
おいては、エアシリンダが、所定のタイミングで揺動腕
を介して開閉歯部材を駆動し、開閉歯部材を倒伏位置に
向かって変位させる。これにより請求項1ないし3記載
の切断用送給装置と同様に、咬持機構は被切断物を咬持
する。この際、被切断物の被咬持部分の厚さに応じて開
閉歯部材の開度(送給面と開閉歯部材先端との距離)が
変化することがあっても、エアシリンダの緩衝機能によ
り開閉歯部材の開度の変化に対処でき、例えば揺動腕等
に過大な応力が負荷されることはない。
【0012】
【実施例】以下本発明の二実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。 (実施例1)図1は本発明の第一の実施例である切断用
送給装置10の概略斜視図である。12は回転刃であ
り、本実施例では、薄い円盤状の回転刃12が用いられ
ている。この回転刃12は、図1に示すように、切断位
置で自転しながら直線的に送給面14を横断し、送給面
14上の被切断物Hを切断するように構成されている。
この送給面14は、本実施例では複数のガイドバー16
が並設されて、その上面により形成されている。尚、被
切断物Hは、回転刃12により切断されものであって、
漁体、畜肉、ハムや根菜類等である。
【0013】この送給面14を横断する回転刃12に沿
って、板ばね16が設けられており、この板ばね16
は、その厚さが、中程が薄く、両端が厚くなるように、
重ね板ばねが用いられている。また、板ばね16の中程
には、ホルダ18が固定されて回転刃12の近傍に配置
されている。
【0014】板ばね16の両端は、それぞれ保持部材2
0a、20bに固定されており、保持部材20a、20
bは、それぞれ支柱22a、22bに送給面14と平行
なピン24a、24bにより揺動可能に支承されてい
る。また、保持部材20a、20bには、それぞれ昇降
ロッド26a、26bの一端がピン28a、28bによ
り揺動可能に係合されている。
【0015】一方、図示しない本体に、それぞれピン3
0a、30bによりレバー32a、32bが揺動可能に
支承されており、更にこの両レバー32a、32bに、
昇降ロッド26a、26bの他端が、ピン36(一方の
み図示する)により揺動可能に係合されている。
【0016】そして、両レバー32a、32bには、連
結ロッド38の両端がそれぞれピン40,42により揺
動可能に係合されて、両レバー32a、32bが同期し
て揺動するように構成されている。また、一方のレバー
32bには、エアシリンダ44のロッド46の先端が、
ピン48により揺動可能に係合されている。
【0017】エアシリンダ44を押側に駆動することに
より、両レバー32a、32bが同期して揺動し、昇降
ロッド26a、26bを介して保持部材20a、20b
を揺動させ、板ばね16を送給面14側にたわませてホ
ルダ18を下降させ、ホルダ18により送給面14上の
被切断物Hを押圧することができるように構成されてい
る。また、逆に、エアシリンダ44を引側に駆動して、
板ばね16を送給面14から遠ざかるようにたわませて
ホルダ18を上昇させ、ホルダ18を被切断物Hから所
定量離間することができるようにされている。
【0018】尚、板ばね16、ホルダ18、保持部材2
0a、20b、ピン24a、24b、支柱22a、22
b、昇降ロッド26a、26b、ピン28a、28b、
ピン30a、30b、レバー32a、32b、ピン3
6、連結ロッド38、ピン40,42、エアシリンダ4
4、ピン48により押え機構50を構成している。この
押え機構50は、板ばね16をたわませてホルダ18を
上下動させる構成に限らず、ホルダ18を上下に摺動す
る摺動台等に固定して上下動させるように構成しても実
施可能である。
【0019】一方、送給面14に沿って帯状のスタビラ
イザ52が設けられており、このスタビライザ52は、
適度な弾性を有し、本実施例では、スタビライザ52
は、ポリエチレンで形成され、帯の幅が100mmに、
その厚さが4mmに、そして、その弾性は、ヤング率が
0.6×104Kg/cm2 のものが用いられている。
【0020】そして、このスタビライザ52の一端は、
前記ホルダ18に固定されている。また、送給面14か
ら所定高さの位置に、所定間隔で支持部材54,56が
設けられており、この支持部材54,56には、送給面
14と平行に形成された長穴58,60が形成されてい
る。
【0021】この長穴58,60には、それぞれローラ
62,64が摺動可能に挿入されており、両ローラ6
2,64は、摺動軸66の両端に回転可能に支承されて
いる。この摺動軸66には、摺動台68が取り付けられ
て摺動台68が摺動・揺動可能にされており、この摺動
台68の送給面14側に前記スタビライザ52の他端が
取り付けられている。
【0022】更に、並設されたガイドバー16の幅に応
じた間隔で、2個の駆動スプロケット70,72が配置
されており、両駆動スプロケット70,72は駆動軸7
4に固定されている。この駆動軸74には、更に大プー
リ76が固定されており、この大プーリ76と、モータ
78の出力軸に固定された小プーリ80との間には、タ
イミングベルト82が張設されている。
【0023】また、回転刃12側の所定位置に両駆動ス
プロケット70,72と同じ間隔で、従動スプロケット
84,86が、図示しない本体に回転可能に支承されて
おり、両駆動スプロケット70,72と従動スプロケッ
ト84,86とには、それぞれチェーン88,90が張
設されている。尚、駆動スプロケット70と従動スプロ
ケット84との間、駆動スプロケット72と従動スプロ
ケット86との間には、それぞれアイドルスプロケット
92,94が、図示しない本体に回転可能に支承されて
いる。
【0024】そして、このチェーン88,90には、図
2に示すように、送給台96が係合されて、チェーン8
8,90と共に送給台96が、移動するように構成され
ている。しかも、送給面14と直交して2枚のカム板9
8,100が、チェーン88,90の近傍に設けられて
おり、このカム板98,100の縁にカム輪郭部10
2,104が形成されている。
【0025】カム輪郭部102,104は、送給面14
から所定高さに形成された第1直線部102a,104
aと、第1直線部102a,104aに連接し回転刃1
2側に形成された大円弧部102b,104bと、同じ
く第1直線部102a,104aに連接し駆動スプロケ
ット70,72側に形成された斜部102c,104c
と、斜部102c、104cに連接して形成された第2
直線部102d,104dと、後端縁部102e,10
4eを介して第2直線部102d,104dに連接して
いる小円弧部102f,104fと、大円弧部102
b,104bと小円弧部102f,104fとをつなぐ
上側直線部102g,104gとを備えており、図示の
ように第1直線部102a,104aと送給面14との
距離は第2直線部102d,104dと送給面14との
距離よりも小さい。
【0026】また、送給台96には、その側面から送給
面14に平行に突出したローラ106,108が取り付
けられており、チェーン88,90の駆動による送給台
96の移動により、ローラ106,108が斜部102
c,104cおよび第2直線部102d,104dを除
くカム輪郭部102,104に接触し、ローラ106,
108が上側直線部102g,104gにあるときに
は、送給台96の下を、被切断物Hが通過できる高さと
なるように構成されている。
【0027】送給台96には、下歯部材110が、送給
面14とほぼ平行となるように支承されており、下歯部
材110の先端には、回転刃12に向かって突出された
下歯部112が形成されている。尚、本実施例では、下
歯部材110、下ブラケット114、第1リンク11
6、ピン118、上歯部材120、上ブラケット12
2、ピン124、第2リンク126,126、ピン12
8、ピン130、弦巻ばね134により咬持機構135
が構成されている。咬持機構135はこの構成に限ら
ず、弦巻ばね134等のばねの付勢力により開口でき、
この付勢力に抗して上歯部132と下歯部112とによ
り被切断物を咬持できるものであればよい。
【0028】また、送給台96がチェーン88,90に
より最も回転刃12に接近した最前進位置に移動された
ときに、下歯部材110の下歯部112の先端が、横断
する回転刃12の切断位置に、あるいはこれを僅かに超
えるように、従動スプロケット84,86の位置、下歯
部材110の長さ等が定められている。
【0029】前記下歯部材110には、図2、図3に示
すように、断面略U字形の下ブラケット114が取り付
けられており、この下ブラケット114の内側に第1リ
ンク116の一端が、ピン118により揺動可能に係合
されている。この第1リンク116の他端は、上歯部材
120に固定された上ブラケット122に、ピン124
により揺動可能に係合されている。
【0030】更に、下ブラケット114の両側に、2個
の第2リンク126,126の一端がピン128により
揺動可能に係合されている。この第2リンク126,1
26の他端は、上ブラケット122にピン130により
揺動可能に係合されている。これにより、上歯部材12
0が、図3に二点鎖線で示すように、上下に移動できる
ようにされている。
【0031】また、上歯部材120の先端には、下歯部
112に対応して、送給面14に向かって突き出した上
歯部132が、形成されており、ピン128には、弦巻
ばね134が装着されて、上歯部材120を上方に付勢
して、上歯部120が開口するように形成されている。
【0032】さらに、上歯部材120には、上ブラケッ
ト122よりも先端側に、逆U字状の摺動ガイド136
がボルト締めにて固着されており、上歯部材120との
間に長方形の摺動穴部138を形成している。この摺動
穴部138にはコの字状の揺動アーム140の横部14
0aが送給台96の進行方向に沿って摺動可能に挿通さ
れている。この揺動アーム140の一対の腕部142、
142の各端は、送給面14とほぼ平行かつ送給台96
の進行方向とほぼ直交して送給台96に装着されたシャ
フト144に連結されている。このシャフト144は、
自身の軸芯廻りに回転可能であり、シャフト144の回
転により揺動アーム140が揺動させられるようになっ
ている。シャフト144の両端部には、シャフト144
とほぼ平行な軸芯を有する副シャフト146、146が
固着されている。これら副シャフト146、146に
は、副シャフト146、146の軸芯廻りに回動自在な
連結部材148、148を介してロッド150、150
が連結されており、ロッド150の他の端部はシリンダ
152内に挿通されている。
【0033】図4に示すように、シリンダ152内に挿
通されているロッド150の端部154には、リング1
56がナット158を介して固着されている。また、シ
リンダ152の開口端152aにはロッドカバー160
が嵌合、固着されており、ロッドカバー160とリング
156との間には圧縮状態にあるコイルばね162が介
装されている。さらに、シリンダ152の最奥部にはク
ッション164が内挿、固定されており、このクッショ
ン164とナット158とは互いに接触している。
【0034】図2、図3および図4に示すように、シリ
ンダ152は、その後端に固着されているブラケット1
66において、ピン168を介して三角板170に連結
されており、シリンダ152と三角板170とは互いに
ピン168の廻りに回動可能である。この三角板170
は、送給台96の後端部に固着されている支持板172
に、ピン174を介して回動可能に連結されている。さ
らに、三角板170の残りの頂点付近には、ピン176
を介して回動自在にローラ178が取り付けられてい
る。
【0035】なお、この実施例では、上述のシャフト1
44〜ローラ178によって本発明の駆動機構が構成さ
れている。図1に示すように、前記スタビライザ52に
は、その中程に、ブラケット180が固定されており、
このブラケット180には、エアシリンダ182のシリ
ンダ側が揺動可能に係合されている。また、このエアシ
リンダ182のロッドの先端は、前記摺動台68に立設
された係合部184に揺動可能に係合されている。
【0036】しかも、エアシリンダ182が押側に駆動
されたときには、スタビライザ52がほぼ直線的、ある
いは緩やかな円弧状になり、引側に駆動されたときに
は、スタビライザ52が屈曲して屈曲部186が形成さ
れるように構成されている。尚、本実施例では、ブラケ
ット180、エアシリンダ182、係合部184により
屈曲機構188を構成している。屈曲機構188は、前
述した構成に限らず、シリンダ等の伸縮により屈曲部1
86を形成できるものであればよく、例えば、エアシリ
ンダをスタビライザ52に対して直交して配置する。そ
して、前記ブラケット180と係合部184とに、それ
ぞれ揺動可能にリンクの一端を係合させ、両リンクの他
端をエアシリンダのロッドに揺動可能に係合させる。そ
して、エアシリンダの伸縮により、リンクを介してブラ
ケット180と係合部184とが接近したり、離れたり
するようにして、屈曲部186を形成可能にしたもので
もよい。
【0037】また、本実施例では、前記ガイドバー16
の延長上に、ベルトコンベア190が配設されており、
このベルトコンベア190から被切断物Hをガイドバー
16上に移送できるようにされている。次に、前述した
本実施例の切断用送給装置10の作動について説明す
る。
【0038】まず、送給台96がカム輪郭部102,1
04の上側直線部102g,104gの位置にあるとき
に、ベルトコンベア190に載置された被切断物Hが、
送給台96の下を通って、ベルトコンベア190からガ
イドバー16上に移される。そして、モータ78の回転
により、小プーリ80、タイミングベルト82、大プー
リ76、駆動軸74、駆動スプロケット70,72を介
して、チェーン88,90が回転される。このチェーン
88,90の回転により、送給台96が移動する。
【0039】送給台96が、チェーン88,90によっ
て移動されると、図5に二点鎖線で示すように、カム輪
郭部102,104に接触している送給台96のローラ
106,108が、上側直線部102g,104gから
小円弧部102f,104fに沿って動き、後端縁部1
02e,104eに至るとカム板98,100による支
承が解除され、送給台96がベルトコンベア190上に
移動される。
【0040】そして、送給台96は、更に、ベルトコン
ベア190上を回転刃12に向かって前進し、ベルトコ
ンベア190からガイドバー16の送給面14に移る。
その際、下歯部材110の下歯部112が、被切断物H
に食い込み、被切断物Hを押しながら送給台96が前進
移動する。
【0041】図4に示すように、三角板170に装着さ
れているローラ178が、送給台96の前進に伴って、
第2直線部102d、104d下へ進入しさらに斜部1
02c,104cに接触する。さらに送給台96が前進
すると、ローラ178は、斜部102c,104cによ
り下降方向へ押圧される。これにより、ローラ178
は、三角板170とともにピン174を軸として矢印D
のように揺動変位する。この三角板170の揺動変位に
より、シリンダ152が矢印E方向に変位させられる。
このシリンダ152の変位によって、コイルばね162
を介してロッド150が矢印F方向に引かれるように変
位する。このロッド150の変位は、副シャフト146
を介して接続されているシャフト144を回転駆動し、
シャフト144に連結されている揺動アーム140を矢
印G方向に揺動させる。
【0042】さらに、上述のように揺動された揺動アー
ム140は、弦巻ばね134の付勢力に抗して、上歯部
材120を図3に2点鎖線で示す位置から実線で示す位
置に向かって揺動させる。よって、上歯部材120は閉
じて、被切断物Hに食い込み、下歯部材110と共に、
被切断物Hを咬持する。上歯部材120が、下歯部材1
10に近接ないし接触する倒伏位置まで倒伏できるの
で、被切断物Hの被咬持部分の厚さや形状によらず、確
実に咬持できる。
【0043】この際、被切断物Hに厚さがあるため、上
歯部材120は完全に倒伏位置となるまでは揺動変位し
ない。このため、シリンダ152の矢印E方向の変位量
>ロッド150の矢印F方向の変位量となるが、コイル
ばね162が、この両者の変位量の差に対応して圧縮方
向に弾性変形して対処する。しかも、このコイルばね1
62の圧縮変形による弾性力は、上歯部材120を倒伏
位置とする方向の付勢力として作用するので、上歯部材
120と下歯部材110とによる被切断物Hの咬持は一
層確実となる。なお、上述のコイルばね162が弾性変
形することで、ロッド150、シリンダ152等の各部
に過大な応力が負荷されることが回避されている。
【0044】また、上述の上歯部材120の揺動変位と
ほぼ同時期に、エアシリンダ44は押側に駆動され、レ
バー32bがピン30bの廻りに揺動され、このレバー
32bの揺動は、連結ロッド38により他方のレバー3
2aに伝達されて、他方のレバー32aも同期して揺動
する。よって、両ロッド26a、26bが引き下げられ
て、保持部材20a、20bがピン24a、24bの廻
りに揺動され、板ばね16が下に膨らみ、図5に示すよ
うに、ホルダ18が下降され、スタビライザ52を送給
面14に押し付ける。
【0045】また、エアシリンダ182は引側に駆動さ
れ、摺動台68を介して摺動軸66が引かれて、ローラ
62,64が長穴58,60内を摺動すると共に、摺動
台68が揺動して送給面14に対して傾斜する。スタビ
ライザ52は、ブラケット180と摺動台68との間で
屈曲されて屈曲部186が形成される。このとき、スタ
ビライザ52は、送給面14から摺動軸66に向かって
斜めに立ち上がった状態になる。
【0046】この状態で、送給台96により押された被
切断物Hが、屈曲部186に接触すると、スタビライザ
52が持ち上げられて、被切断物Hは、スタビライザ5
2と送給面14との間に入り込む。図6および図7に示
すように、ローラ178は第1直線部102a,104
aによって上側への揺動変位を規制されるので、ローラ
178が第1直線部102a、104aに接触している
限りは、上歯部材120に対する下向き(倒伏位置側
へ)の付勢が継続されている。
【0047】被切断物Hに続いて送給台96もスタビラ
イザ52と送給面との間に入り込み、回転刃12に向か
って移動する。移動中、スタビライザ52は、被切断物
Hを覆うようにして押さえて、浮き上がったり、横にず
れたりするのを防止する。また、スタビライザ52は、
上述の揺動アーム140による付勢力に荷担して、上歯
部材120を弦巻ばね134の付勢力に抗して押さえ、
被切断物Hを咬持した状態にする作用も奏する。
【0048】図7に示すように、被切断物Hが回転刃1
2による切断位置にまで送給されると、モータ78の回
転が停止され、回転刃12が自転しながら送給面14を
横断して移動され、被切断物Hが切断される。その際、
被切断物Hは、ホルダ18により押圧されて、切断中の
被切断物Hのずれが防止される。
【0049】被切断物Hが切断されると、モータ78が
所定量回転されて、送給台96が所定量間欠的に移動さ
れ、再び、回転刃12が送給面14を横断して移動さ
れ、被切断物Hが所定の厚さの切身に次々と切断され
る。そして、切断を終了すると、エアシリンダ44が引
側に駆動され、レバー32a、32bがピン30a、3
0bの廻りに揺動され、両ロッド26a、26bが突き
上げられて、板ばね16が送給面14から離れるよう
に、上に膨らみ、図4に示すように、ホルダ18が被切
断物Hから離間される。また、ホルダ18の上昇によ
り、スタビライザ52の一端も持ち上げられる。
【0050】また、エアシリンダ182は伸側に駆動さ
れ、摺動台68を介して摺動軸66が押されて、ローラ
62,64が長穴58,60内を摺動し、スタビライザ
52は自身の弾性によりほぼ直線状に、あるいは緩やか
な曲線を描くように、摺動台68とホルダ18との間に
張り渡される。この時、摺動台68も、スタビライザ5
2の弾性により、ほぼ送給面14と平行になる。これに
より、スタビライザ52は、上歯部材120から離れる
ように上側へ移動する。
【0051】これらホルダ18およびスタビライザ52
の上昇変位に続いてモータ78が回転されて送給台96
が移動されると、ローラ178は第1直線部102a,
104aよりもわずかに回転刃12よりの位置となるの
で、ローラ178は第1直線部102a,104aによ
る上側への揺動変位の規制を解除され、ローラ178が
上側へ揺動変位可能となる。したがって、上歯部材12
0を倒伏位置側に付勢していたコイルばね162の付勢
力により、シリンダ152がロッド150に対して図4
に示される矢印Eと逆方向に相対変位させられ、三角板
170およびローラ178も矢印Dと逆方向に揺動変位
する。このため揺動アーム140を矢印G方向に付勢し
ていた力は解除されるので、上歯部材120は弦巻ばね
134の付勢力により持ち上げられて開口し、被切断物
Hの咬持が開放される。続く送給台96の移動に伴っ
て、下歯部材110により被切断物Hの残りが押され
て、送給面14上から押し出される(図5参照)。
【0052】図5に示すように、さらに、モータ78の
回転が継続され、送給台96は、従動スプロケット8
4,86の廻りを回ると、ローラ106,108がカム
輪郭部102,104の大円弧部102b,104bに
接しながら、送給面14上から持ち上げられる。その
際、本実施例では、上歯部材120はスタビライザ52
に接触して、弦巻ばね134の付勢力に抗して閉じられ
る。
【0053】そして、送給台96が更に大円弧部102
b,104bから上側直線部102g,104gに沿っ
て移動され、再び被切断物Hがベルトコンベア190に
より、送給台96の下を通ってガイドバー16上に移さ
れて、前述した動作を繰り返して、新たな被切断物Hを
次々と切身に切断する。
【0054】従って、前述した本実施例の切断用送給装
置10によると、カム板98、100の斜部102c,
104cに接触してローラ178が揺動変位させられ、
ローラ178と共に三角板170が揺動変位させられ
る。この三角板170の変位を、シリンダ152、コイ
ルばね162、ロッド150、副シャフト146を介し
てシャフト144に伝達し、さらに揺動アーム140を
介して上歯部材120を倒伏位置側に揺動、駆動させる
ことにより、被切断物Hを咬持させるので、上歯部材1
20の倒伏方向への変位量が不足することはなく、常に
被切断物Hを良好に咬持できる。しかも、上歯部材12
0が、下歯部材110に近接ないし接触する倒伏位置ま
で倒伏できるので、被切断物Hの被咬持部分の厚さや形
状によらず、確実に咬持できる。
【0055】また、この咬持に際して、被切断物Hの厚
さにより、上歯部材120は完全に倒伏位置となるまで
は揺動変位しない。このため、シリンダ152の矢印E
方向の変位量>ロッド150の矢印F方向の変位量とな
るが、コイルばね162が、この両者の変位量の差に対
応して圧縮方向に弾性変形して対処する。しかも、この
コイルばね162の圧縮変形による弾性力は、上歯部材
120を倒伏位置とする方向の付勢力として作用するの
で、上歯部材120と下歯部材110とによる被切断物
Hの咬持は一層確実となる。なお、コイルばね162が
弾性変形することで、ロッド150、シリンダ152等
の各部に過大な応力が負荷されることがも回避される。
【0056】さらに、コイルばね162は、上述の構成
により、シリンダ152およびロッド150との軸方向
と交差する方向への移動を規制されるので、ロッド15
0の軸方向に作用する力に応じて正確に弾性変形する。
尚、本実施例では、送給台96をカム輪郭部102,1
04に沿って移動させ、送給台96を戻す際には所定高
さに持ち上げるようにしているが、送給台96を持ち上
げることなく、送給面14上を単に往復動させる構成で
あっても実施可能である。 (実施例2)この実施例は、上歯部材を倒伏位置側に揺
動変位させる駆動源として、エアシリンダを採用した例
であり、この点においてカム板、ローラ、三角板等を使
用する実施例1と異なっている。なお、この実施例2の
切断用送給装置210は、エアシリンダ付近の構成およ
びカム板に斜部および第2直線部を有さない点以外は実
施例1と同様であるので、エアシリンダ付近の構成のみ
を図示および説明しその他の部分についての図示と説明
は省略する。
【0057】図8に示すように、この実施例の送給台2
12の後端部には、固定板214が固定されている。こ
の固定板214には、固定ピン216を介して支持板2
18が固定されている。 さらに、支持板218にはピ
ン220を介してエアシリンダ222後端に設けられた
ブラケット224が連結されている。このエアシリンダ
222には図示省略する空気配管からの加圧空気を給排
可能であり、この加圧空気の給排に応じてロッド226
を伸縮両方向に駆動できる。このエアシリンダ222へ
の加圧空気の給排は、送給台212の移動経路付近に設
置されている近接スイッチ(図示略)を介して制御され
る。
【0058】エアシリンダ222のロッド226の端部
は、実施例1と同様に、連結部材を介して副シャフトに
連結されており、エアシリンダ222を短縮方向に駆動
することにより、シャフトを回動させ、シャフトに連結
されている揺動アームを介して上歯部材を倒伏位置側へ
と揺動変位させることができる。したがって、本実施例
では、エアシリンダ222、ロッド226および実施例
1と同様の連結部材、副シャフト、シャフトにより本発
明の駆動機構が構成されている。
【0059】次に、上述のようにエアシリンダ222他
を装着した本実施例の切断用送給装置210の作動につ
いて説明する。まず、実施例1と同様に、送給台212
がカム板の上側直線部にあるときに、ベルトコンベアに
載置された被切断物が、送給台212の下を通って、ガ
イドバー上に移される。続いてチェーンが回転されて送
給台212が移動し、カム板による支承が解除される
と、送給台212はベルトコンベア上に移動される。更
に、送給台212はベルトコンベア上を回転刃に向かっ
て前進し、ベルトコンベアからガイドバーの送給面上に
移る。その際、下歯部材の下歯部が、被切断物に食い込
み、被切断物を押しながら送給台212が前進移動す
る。
【0060】この後、近接スイッチが作動して、エアシ
リンダ222への加圧空気の給排により短縮方向に駆動
すると、ロッド226が、図8に示される矢印J方向に
変位させられる。このロッド226の変位には、副シャ
フトを介して接続されているシャフトを回転駆動し、シ
ャフトに連結されている揺動アームを倒伏側に揺動させ
る。揺動された揺動アームは、弦巻ばねの付勢力に抗し
て、上歯部材を倒伏位置側へと揺動させる。よって、上
歯部材は、被切断物に食い込み、下歯部材と共同して被
切断物を咬持する。上歯部材が、下歯部材に近接ないし
接触する倒伏位置まで倒伏できるので、被切断物の被咬
持部分の厚さや形状によらず、確実に咬持できる。
【0061】この際、被切断物に厚さがあるため、上歯
部材は完全に倒伏位置となるまでは揺動変位しないが、
ロッド226は加圧空気による付勢力を継続して及ぼさ
れているので、上歯部材を倒伏位置とする方向の付勢力
も継続されている。このため、上歯部材と下歯部材とに
よる被切断物の咬持は一層確実となる。なお、エアシリ
ンダ222自体が、その機構から本来的に緩衝機能を有
しているので、上歯部材の開度の変化に自在に対処で
き、例えば揺動アーム等に過大な応力が負荷されること
は回避されている。
【0062】また、実施例1と同様に、スタビライザ
は、上述の上歯部材の揺動変位とほぼ同時期に送給面に
押し付けられ、併せて屈曲される。送給台212により
押された被切断物が、この状態のスタビライザと送給面
との間に入り込む。被切断物に続いて送給台212もス
タビライザと送給面との間に入り込み、回転刃に向かっ
て前進移動する。移動中、スタビライザは、被切断物を
覆うようにして押さえて、浮き上がったり、横にずれた
りするのを防止するのも実施例1と同様である。また、
エアシリンダ222による付勢力に荷担して、上歯部材
を弦巻ばねの付勢力に抗して押さえ、被切断物を咬持し
た状態にする作用を奏する点も実施例1と同様である。
【0063】続いて、実施例1と同様に、被切断物が切
断位置にまで送給され移動を停止され、回転刃により切
断される。被切断物が切断されると、送給台212が所
定量間欠的に移動され、回転刃によって被切断物が所定
の厚さの切身に切断される。この間欠移動−切断が繰り
返され、被切断物は次々と切身にされていく。
【0064】そして、実施例1と同様に、切断を終了す
ると、スタビライザの一端が持ち上げられると共に、ス
タビライザ屈曲状態が解除され、スタビライザは、上歯
部材から離れるように上側へ移動する。スタビライザの
上昇変位に続いてエアシリンダ222の加圧空気が排出
されると、実施例1と同様に弦巻ばねの付勢力によって
上歯部材が開口位置側に揺動される。続いて、送給台2
12が移動されて、下歯部材により被切断物の残りが押
されて、送給面上から押し出される。さらに、送給台2
12は後退移動されて、カム板の上側直線部にいたる
と、再び被切断物がベルトコンベアにより、送給台21
2の下を通ってガイドバー上に移されて、前述した動作
を繰り返して、新たな被切断物を次々と切身に切断す
る。
【0065】従って、前述した本実施例の切断用送給装
置210によると、実施例1と同様に、上歯部材の倒伏
方向への変位量が不足することはなく、常に被切断物を
良好に咬持できる。しかも、上歯部材が、下歯部材に近
接ないし接触する倒伏位置まで倒伏できるので、被切断
物の被咬持部分の厚さや形状によらず、確実に咬持でき
る。また、この際、被切断物に厚さがあるため、上歯部
材は完全に倒伏位置となるまでは揺動変位しないが、ロ
ッド226は加圧空気による付勢力を継続して及ぼされ
ているので、上歯部材を倒伏位置とする方向の付勢力も
継続されている。このため、上歯部材と下歯部材とによ
る被切断物の咬持は一層確実となる。
【0066】なお、エアシリンダ222自体が、その機
構から本来的に緩衝機能を有しているので、上歯部材の
開度の変化に自在に対処でき、例えば揺動アーム等に過
大な応力が負荷されることは回避されている。この実施
例2の構成によると、エアシリンダ222への加圧空気
の給排管や近接スイッチを要する点で実施例1よりも複
雑となるが、エアシリンダ222と送給台212との連
結部の構造やカム板の形状を簡単にできる利点がある。
【0067】尚、実施例1と同様に、送給台212を戻
す際には所定高さに持ち上げるようにしているが、送給
台212を持ち上げることなく、送給面上を単に往復動
させる構成であっても実施可能である。以上本発明はこ
の様な実施例に何等限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得
る。
【0068】例えば、上記実施例では切断手段として回
転刃を使用する例を挙げているが、切断手段としては、
往復移動する切断刃を有する形式のものやレーザによる
もの、高圧水の噴射によるもの等、を採用可能であり、
特に限定はない。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の切断
用送給装置は、駆動機構が所定のタイミングで開閉歯部
材を倒伏駆動する。開閉歯部材が倒伏位置へと変位され
るので、咬持機構は被切断物を咬持する。従来技術のよ
うな押え部材の傾斜部と開閉歯部材との相対位置関係に
よらずに、開閉歯部材が倒伏位置へと駆動されるので、
開閉歯部材の倒伏方向への変位量が不足することはな
く、常に被切断物を良好に咬持できる。しかも、開閉歯
部材が、下歯部材に近接ないし接触する倒伏位置まで倒
伏できるので、被切断物の被咬持部分の厚さや形状によ
らず、確実に咬持できる。
【0070】次に、請求項2記載の切断用送給装置にお
いては、揺動部材は、送給台の前進移動に伴ってカム板
の斜部に接触して揺動変位する。この揺動部材の揺動変
位により、ロッドが、揺動腕を揺動させる。揺動腕は、
この揺動により開閉歯部材を倒伏位置へと変位させる。
これにより、上述と同様に、咬持機構は被切断物を咬持
する。この際、被切断物の被咬持部分の厚さに応じて開
閉歯部材の開度(送給面と開閉歯部材先端との距離)が
変化することがあっても、ロッドと揺動部材との相対位
置の変動に対応して弾性部材が弾性変形することで、開
閉歯部材の開度の変化に対処できる。また、駆動機構を
構成する各部に過大な応力が負荷されることはない。な
お、従来の切断用送給装置では、送給台の後退時に送給
台を送給面から離脱させるためのカム板を備えたものが
あるが、このような従来の切断用送給装置のカム板をわ
ずかに改造すれば本発明のカム板とできるので、従来の
切断用送給装置を本発明用に改良することも簡単であ
る。
【0071】また、請求項3記載の切断用送給装置は、
弾性部材として、揺動部材に一端を接続されたシリンダ
内に挿通されたロッドに外嵌かつシリンダに内嵌されて
ロッドの他方の端とシリンダの他端との間に介装された
コイルばねを設けている。コイルばねは、シリンダおよ
びロッドとの軸方向と交差する方向への移動を規制され
るので、ロッドの軸方向に作用する力に応じて正確に弾
性変形する。
【0072】さらに、請求項4記載の切断用送給装置に
おいては、エアシリンダが、所定のタイミングで揺動腕
を介して開閉歯部材を駆動し、開閉歯部材を倒伏位置に
向かって変位させる。これにより請求項1ないし3記載
の切断用送給装置と同様に、咬持機構は被切断物を咬持
する。この際、被切断物の被咬持部分の厚さに応じて開
閉歯部材の開度(送給面と開閉歯部材先端との距離)が
変化することがあっても、エアシリンダの緩衝機能によ
り開閉歯部材の開度の変化に対処でき、例えば揺動腕等
に過大な応力が負荷されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の切断用送給装置の概略斜視図であ
る。
【図2】 実施例1の切断用送給装置の送給台および上
歯部材の平面図である。
【図3】 図2の正面図である。
【図4】 実施例1の切断用送給装置の送給台後端部付
近の一部拡大図であり、図4(a)は一部拡大平面図、
図4(b)は一部拡大正面図である。
【図5】 実施例1の切断用送給装置における送給台の
移動経路の説明図である。
【図6】 実施例1の切断用送給装置の上歯部材が閉じ
る状態の動作説明図である。
【図7】 実施例1の切断用送給装置により送給された
被切断物の切断状態の動作説明図である。
【図8】 実施例2の切断用送給装置の送給台後端部付
近の一部正面図である。
【図9】 従来技術による被切断物の咬持状態の説明図
である。
【符号の説明】
10、210・・・切断用送給装置、12・・・回転刃
(切断手段)、14・・・送給面、96、212・・・
送給台、98・・・カム板、102a、104a・・・
第1直線部(第2平坦部)、102c、104c・・・
斜部、102d、104c・・・第2直線部(第1平坦
部)、110・・・下歯部材、120・・・上歯部材
(開閉歯部材)、135・・・咬持機構、140・・・
揺動アーム(揺動腕)、144・・・シャフト(駆動機
構)、146・・・副シャフト(駆動機構)、148・
・・連結部材(駆動機構)、150・・・ロッド(駆動
機構)、152・・・シリンダ(駆動機構)、168・
・・ピン(駆動機構)、170・・・三角板(駆動機
構)、174・・・ピン(駆動機構)、176・・・ピ
ン(駆動機構)、178・・・ローラ(駆動機構)、2
22・・・エアシリンダ(駆動機構)、226・・・ロ
ッド(駆動機構)、H・・・被切断物。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送給面と交差する切断面に沿って被切断
    物を切断する切断手段を備える切断装置に装着されて、
    前記切断面に向かって前記被切断物を送給する切断用送
    給装置において、 前記送給面上を前記切断面に向かって移動する送給台
    と、 該送給台の前記切断面側に、前記送給面に沿って配され
    た下歯部材と、 前記送給台の前記切断面側に配置され、前記下歯部材に
    近接ないし接触する倒伏位置と前記下歯部材から離脱す
    る開口位置との間で開閉変位する開閉歯部材を備え、該
    開閉歯部材を倒伏させた際には前記被切断物を咬持可能
    な咬持機構と、 前記開閉歯部材を所定のタイミングで倒伏駆動する駆動
    機構とを設けたことを特徴とする切断用送給装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動機構として、 前記送給面との間に第1の距離を保って前記送給面とほ
    ぼ平行に設けられた第1平坦部と該第1平坦部よりも前
    記切断面側において前記送給面との間に前記第1の距離
    よりも小さい第2の距離を保って前記送給面とほぼ平行
    に設けられた第2平坦部と前記第1平坦部と第2平坦部
    との間に設けられた斜部とを有するカム板と、 前記送給台に前記送給面にほぼ平行で前記送給台の移動
    方向とほぼ直交する軸芯廻りに揺動可能に取り付けら
    れ、前記送給台の前記切断面へ向かっての前進移動に伴
    って前記カム板に沿って移動し、前記斜部との接触によ
    り揺動変位する揺動部材と、 前記開閉歯部材に連結され、前記送給面にほぼ平行で前
    記送給台の移動方向とほぼ直交する軸芯廻りに揺動し、
    該揺動に応じて前記開閉歯部材を前記倒伏位置と開口位
    置との間で開閉変位させる揺動腕と、 一方の端側を前記揺動腕に接続され他方の端側を前記揺
    動部材に接続されて、前記揺動部材の揺動変位により前
    記揺動腕を前記開閉歯部材を倒伏位置とする方向に揺動
    させるロッドと、 該ロッドと前記揺動部材とに介装されて前記ロッドの軸
    方向に作用する力に応じて弾性変形する弾性部材とを設
    けたことを特徴とする請求項1記載の切断用送給装置。
  3. 【請求項3】 前記揺動部材に一端を接続されたシリン
    ダを設け、 前記弾性部材として、前記シリンダ内に挿通された前記
    ロッドに外嵌かつ前記シリンダに内嵌されて前記ロッド
    の他方の端と前記シリンダの他端との間に介装されたコ
    イルばねを設けたことを特徴とする請求項2記載の切断
    用送給装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉歯部材に連結され、前記送給面
    にほぼ平行で前記送給台の移動方向とほぼ直交する軸芯
    廻りに揺動し、該揺動に応じて前記開閉歯部材を前記倒
    伏位置と開口位置との間で開閉変位させる揺動腕と、 前記揺動腕に接続され、前記揺動腕を介して前記開閉歯
    部材を駆動し前記倒伏位置と開口位置との間で開閉変位
    させるエアシリンダとを設けたことを特徴とする請求項
    1記載の切断用送給装置。
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