JP2731147B2 - 水力発電設備の制御装置 - Google Patents

水力発電設備の制御装置

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JP2731147B2 JP62057582A JP5758287A JP2731147B2 JP 2731147 B2 JP2731147 B2 JP 2731147B2 JP 62057582 A JP62057582 A JP 62057582A JP 5758287 A JP5758287 A JP 5758287A JP 2731147 B2 JP2731147 B2 JP 2731147B2
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  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、変速運転の可能な水車とそれに連結された
発電機とを有する水力発電設備を制御する水力発電設備
の制御装置に関する。 (従来の技術) 一般に水力発電設備においては、電圧系統の安定化調
整のために発電所の出力を出力指令に基づき時間と共に
変動させるような運転を行う場合がある。このような運
転方式は、AFC(自動周波数制御)運転と呼ばれ、同期
発電機を接続して一定回転速度で運転される水車を有す
る従来の発電設備の場合は、出力指令に基づき水車のガ
イドベーン開度を調整することによって実施されてき
た。 第8図はかかる従来の水力発電設備の制御装置を説明
するためのタイムチャートである。同図(a)は負荷変
動、(b)はガイドベーン開度、(c)は水圧鉄管内の
水圧、(d)は主発電機の回転速度をそれぞれ示すもの
である。 同図に示すように、負荷が変動すると主発電機の回転
速度を一定に保つためにガイドベーン開度が変わる。と
ころが、負荷変動周期fが短くて負荷変動幅ΔPが大き
い場合、ガイドベーンの開閉速度が速いと、水車流量の
変化に伴う水撃作用で、管路系のサージングを誘発した
り水車の入口側の鉄管水圧に過大な圧力変動を発生した
りする恐れがある。このため、一定の回転速度で運転さ
れる水車においては、目標出力が高速で変化する高速AF
C運転はほとんど不可能であった。 これに対して、最近の傾向として、同期発電機の代り
に巻線型誘導発電機を用いた、変速運転の可能な水力発
電設備が採用されるようになってきている。このような
変速運転の可能な水車においては、巻線型誘導発電機の
励磁量を調整することにより、ガイドベーン開度を変え
ることなしに発電機出力を高速で変化させることができ
る。この場合、ガイドベーン開度が変わらないため、先
に述べたような水撃作用による管路系の問題が無くな
り、したがって高速AFC運転が可能となる。 ところが、こうした高速運転の可能な水力発電設備に
おいても巻線型誘導発電機の励磁量の調整だけで高速AF
C運転を行う場合には種々の問題が発生する。 この点を第9図のタイムチャートに従って説明する。
同図(a)は目標発電機出力P*を、同図(b)は発電機
出力Pgを、同図(c)はガイドベーン実開度aを、同図
(d)は水車回転速度Nを、同図(e)は発電機トルク
Mgおよび水車トルクMtをそれぞれ示すものである。 まず、時刻t0で目標発電機出力P*が値P0 *から値P1 *
ステップ状に増大した場合の水車および発電機の応答を
考えてみる。励磁量の調整は瞬間的に行われるため、発
電機出力PgはP0から、直ちに目標値に一致するように変
化する。その結果、発電機トルクMgと水車トルクMtは、
時刻t0以降はMt<Mgとなるため、水車回転速度Nは低下
する。つまり、回転速度が変化しても、可変速制御水力
発電設備ではサイリスタ式周波数変換装置(以下、サイ
リスタコンバータという)で発電機出力を系統の一定周
波数に変換するため問題が生ずることはない。 ただし、サイリスタコンバータで変換できる周波数
は、サイリスタの容量によって上限並びに下限があるた
め、あまり大きな出力変動あがると回転速度の変化がそ
の上限または下限を超えてしまい、励磁量の制御だけで
は応答できなくなってしまい、ガイドベーン開度も調整
する必要がでてくる。 第9図の例では、時刻t1で水車回転速度Nがサイリス
タで変換できる下限回転速度に近付いたため、すなわ
ち、N<N1となったため、これを条件にガイドベーンに
開度増大指令が送出され、時刻t1以降ガイドベーン実開
度aが増加する。 その結果、水車トルクMtが急激に増加し、時刻t2でMt
>Mgとなるため、水車回転速度Nは再び上昇する。とこ
ろが、こうした状態になるとガイドベーン開度を変化さ
せなければならなくなってしまい、管路系が長い場合は
可変速運転の水車といえども従来の回転速度一定の水車
と同様に水車流量の変化に伴う水撃作用により管路系の
サージングを誘発したり水車入口側の鉄管水圧に過大な
変動を生じたりする恐れがある。 以上の応答過程を水車の特性上で見てみると第10図の
特性図に示すようになる。つまり、点X0、Xt、X1で結ぶ
太い線が時刻t0から時刻t1、t2に至る水車の運転点の軌
跡を示す。なお、曲線a1,a2,a3,a4はガイドベーン実
開度aが各々a1,a2,a3,a4の時の水車回転速度Nと水
車出力Ptの関係を示すものである。また、破線η1
η2,η3,η4は各々等効率曲線である。一方、曲線k0
は各ガイドベーン開度における最高効率点を結んだもの
である。 同図からも明らかなように、時刻t0からt1までは図示
のようにガイドベーン開度一定で水車回転速度Nが低下
する。水車回転速度Nの低下により水車出力Ptも増加す
るが、これは第9図において水車トルクMtの増加で示さ
れている。 第9図において時刻t1で水車回転速度NがN<N1とな
る運転点は、第10図では点Xtに相当する。また、第9図
において、時刻t2以降で、発電機出力Pg、ガイドベーン
開度a、水車の回転速度Nが時間の経過に対して最終的
に変化しなくなった状態は第10図の点X1に相当するが、
この点は、第10図において各ガイドベーン開度の最も効
率の高くなる点を結んだ曲線k0からは、かなりかけ離れ
た位置になってしまう。この場合の最終的な水車出力は
P1となり、かつ水車効率が最も高くなるようにするため
には、最終的な運転点はガイドベーン開度をa4として曲
線k0上の点Xkにならなればならない。 このように、第9図のタイムチャートに示されている
目標発電機出力P*の急激な変化に対して単に発電機の励
磁量を変えて発電機出力Pgを調整するという制御方法で
は最終的に定常状態となった運転点(第10図の点X1)は
そのときのガイドベーン開度におけるポンプ水車の最高
効率点(第10図の点Xk)からかけ離れた点となってしま
う。 一方、特開昭59−72998号公報に示されているよう
に、目標発電機出力P*の変化に対してガイドベーン実開
度aと水車回転速度Nの両方を変化させ、運転点が常に
曲線k0上に来るように制御することもできる。すなわ
ち、第10図の点X0から効率の高い運転点Xkを直接目指す
こともできる。ところが、この方法によれば、発電機励
磁量の調整をいかに速く行ったとしても、ガイドベーン
実開度aが変化するまで発電機出力Pgが変化しないた
め、目標発電機出力P*に対する発電機出力Pgの追従性は
ガイドベーン実開度aの変化スピードに依存することに
なる。したがって、この場合も従来の定速運転の水車と
同様に、水車が変速運転できるとしても、急激な目標発
電機出力P*の変化要求に対しては管路系の問題があり追
従性が悪い。 (発明が解決しようとする問題点) 以上述べたように、発電機出力Pgを時間と共に変化さ
せるAFC運転において、定速運転される水車では管路系
の水撃作用を考慮して急激なガイドベーン開度の変化を
制限されるため、目標発電機出力P*の変化スピードが速
い高速AFC運転には追従させることができない。 一方、変速運転される水車では巻線型誘導発電機の励
磁量を調整すれば水車のガイドベーン開度を変えなくて
も発電機出力Pgを高速で変化させることができるため、
高速AFC運転が可能である。ところが、変速運転される
発電機においても、変速運転の可能な回転速度の幅はサ
イリスタコンバータの容量で制限されるため、あまり大
きな幅の目標発電機出力P*の変動に対しては回転速度の
変化が運転可能範囲から外れてしまい、励磁量の変化だ
けでは目標発電機出力P*の変化に対応できなくなってし
まう。このような場合は、ガイドベーン実開度aを変え
て出力を調整する必要が出てくるが、この場合は定速運
転される水車の場合と同様に、管路系の水撃作用の問題
から高速AFC運転に適応させることができなくなってし
まう。つまり、変速運転される水車は目標発電機出力P*
に対してガイドベーン実開度aと水車回転速度Nの両者
を変化させ、その時の発電機出力Pgに対して最も効率が
良くなるような運転点を選択して運転することができる
が、前述のように、目標発電機出力P*の変化に対してた
だ単に励磁量を変えるだけでは運転点が最高効率点から
外れてしまう。 水車回転速度Nとガイドベーン実開度aの両者を制御
すれば、目標出力がどのように変化しても、運転点を常
にそのガイドベーン開度における最高効率点にセットす
ることができる。ところが、この場合の出力の変化スピ
ードはガイドベーンの変化スピードと等しくなるため、
やはり一定の回転速度で運転される水車と同様に高速AF
C運転には対応できなくなる。 したがって本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、変速運転される水車と発電機を有する水力発電
設備において、発電機出力を高速で変化させる高速AFC
運転を可能にすると共に、与えられた運転落差や目標発
電機出力に対してガイドベーン開度と水車の回転速度を
調整して水車効率が最高になるような高効率運転を可能
とする水力発電設備の制御装置を提供することにある。 より詳細には、本発明の目的は、目標発電機出力が急
激に変化した場合、変速運転が可能な発電機の特徴を活
かして素早く発電機出力を目標出力に一致させるが、時
間が経過した後には、そのときの水車出力に対して最も
水車効率が高くなるガイドベーン開度と回転速度になる
ように水車を制御する制御装置を提供することにある。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 本発明の水力発電設備の制御装置は、発電機の目標出
力P*と水車の運転落差Hとから水車のガイドベーン目標
開度a*を算出する第1の演算手段と、この第1の演算手
段によって算出されたガイドベーン目標開度a*に基づい
て予め定められた時定数で水車のガイドベーン実開度a
を制御する第1の制御手段と、水車の運転落差Hとガイ
ドベーン実開度aとに基づいて最適目標水車回転速度N*
を算出する第2の演算手段と、この第2の演算手段によ
って算出された最適目標水車回転速度N*と水車実回転速
度Nを突き合わせて速度偏差ΔN=N*−Nを算出する第
3の演算手段と、発電機の目標出力P*と実際の発電機出
力Pgとを突き合わせて出力偏差ΔP=P*−Pgを算出する
第4の演算手段と、ガイドベーン目標開度a*とガイドベ
ーン実開度aとの間の差を開度偏差Δaとして算出する
第5の演算手段と、この第5の演算手段によって算出さ
れた開度偏差Δaが予め定められた判定値Δa0を超えた
ときは第4の演算手段によって算出された出力偏差ΔP
を出力し、また開度偏差Δaが判定値Δa0以内のときは
第3の演算手段によって算出された速度偏差ΔNを出力
する切換手段と、この切換手段から選択的に出力される
速度偏差ΔNまた出力偏差ΔPを零にするように発電機
を制御する第2の制御手段とを具備したことを特徴とす
る。 (作用) 本発明の水力発電設備の制御装置は、ガイドベーン目
標開度a*とガイドベーン実開度aとの差である開度偏差
Δaに応じて速度偏差ΔNまたは出力偏差ΔPを選択的
に制御することにより、目標出力の緩慢な変化に対して
は目標出力P*に追従するだけでなく、その出力で最も効
率が高くなるような制御を実施する。また、目標出力の
急激な変化に対して変速運転可能な発電機の特徴を活か
して素早く目標出力に追従するような制御を実施する。 すなわち、目標出力P*の緩慢な変化に対しては開度偏
差Δaが判定値Δa0以内になるため、出力偏差ΔPによ
る制御よりも速く度偏差ΔNによる制御が優先され、結
果として水車の出力はガイドベーンの開閉により目標値
に調整される。他方、水車の回転速度Nはそのときのガ
イドベーン開度と落差に対応する最も効率の高い回転速
度に調整される。また目標出力P*の急激な変化に対して
は開度偏差Δaが判定値Δa0を越えるため、速度偏差Δ
Nによる制御よりも出力偏差ΔPによる制御が優先さ
れ、結果として水車の出力はガイドベーンの開閉によっ
てではなく、回転速度の変化により目標出力に追従する
ように調整される。 (実施例) 以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。 第1図は本発明の一実施例に係る水力発電設備の制御
装置のブロック図である。同図において示すように発電
機1は巻線型誘導機からなっており、水車2と直結され
ている。水車2に流れ込む水の流量はガイドベーン3に
よって調節することができる。変速装置4は後述の速度
偏差ΔNまたは出力偏差ΔPが零になるように発電機1
の励磁量を調節し、発電機出力Pgまたは回転速度Nを制
御する。AFC運転においては、その時の水車の運転落差
Hと目標発電機出力P*から開度設定器5によって予め求
められている水車の特性より、最適と思われるガイドベ
ーン開度をガイドベーン目標開度a*として求める。ガイ
ドベーン制御器6は水車の実際のガイドベーン開度、つ
まりガイドベーン実開度aがガイドベーン目標開度a*
一致するように水車のガイドベーン3に制御する。ただ
し、急激なガイドベーン実開度aの変化は水撃作用によ
り管路系の過大な圧力変動、サージング等を誘発するた
め、ガイドベーン制御器6は適宜時定数を持つ一次遅れ
系として、ガイドベーン目標開度a*がいかに急激に変化
してもガイドベーン実開度aは所定の変化率以上にはな
らないように制御する。ガイドベーン実開度aと運転落
差Hは速度設定器7にも入力され、予め求められている
水車の特性より最適と思われる目標水車回転速度N*が算
出される。ガイドベーン目標開度a*とガイドベーン実開
度aとの差すなわち開度偏差Δa=a*−aと予め定めら
れた判定値Δa0とを開度差判定器8が比較し、その比較
信号MによりΔa≧Δa0のときは切換器9を接点A側に
切換え、Δa<Δa0のときは切換器9を接点B側に切換
える。なお、ここで開度差判定器8の判定値Δa0は零で
はないが、100%ガイドベーン開度の2〜5%程度の小
さな値とする。切換器9の接点Bには、目標水車回転速
度N*と実際の水車回転速度Nとの差、すなわち速度偏差
ΔN=N*−Nが入力され、接点Aには、目標発電機出力
P*と実際の発電機出力Pとの差、すなわち出力偏差ΔP
=P*−Pが入力される。切換器9の可動子は変速装置4
に導かれている。したがって、Δa<Δa0のときは切換
器9は接点B側に切換えられ、変速装置4を介してΔN
=0となるように発電機1が制御される。また、Δa≧
Δa0のときは切換器9は接点A側に切換えられ、変速装
置4を介してΔP=0となるように発電機1が制御され
る。 第1図の装置において、目標発電機出力P*が時刻t0
おいてP*からP1 *に変化した場合の応答を第2図のタイ
ムチャートに示す。同図(a)は目標発電機出力P*を、
同図(b)は水車出力Pt並びに発電機出力Pgを、同図
(c)はガイドベーン目標開度a*並びにガイドベーン実
開度aを、同図(d)は切換器9の接点位置を、同図
(e)は目標水車回転速度N*並びに水車回転速度Nを、
同図(f)は水車トルクMt並びに発電機トルクMgをそれ
ぞれ示すものである。 今、時刻t0で目標発電機出力P*が同図(a)示すよう
にステップ状に変化すると目標発電機出力P*が入力され
ている開度設定器5の出力、つまりガイドベーン目標開
度a*も同図(c)に破線で示すように瞬間的に変化す
る。ところが、ガイドベーン目標開度a*とガイドベーン
実開度aとの間にはガイドベーン制御器6が介在されて
おり、ガイドベーン目標開度a*の急激な変化が緩和され
るため、ガイドベーン実開度aは同図(c)に実線で示
すように徐々にしか変化しない。時刻t0以前ではa=a*
すなわちΔa=0であるため切換器9の接点B側である
が、時刻t0以降ではガイドベーン目標開度a*とガイドベ
ーン実開度aの間に差が発生してΔa≧Δa0となり切換
器9の接点に示されるように時刻t0の少し後にA側に切
換わる。切換器9の接点がA側に切換わると、可変速装
置4には目標発電機出力P*と実際の発電機出力Pgとの差
すなわち出力偏差ΔPが入力され、これを零とするよう
に発電機1の励磁量が制御される。巻線型誘導発電機と
サイリスタコンバータの応答性は非常に速いため、発電
機1の出力、つまり発電機出力Pgは同図(b)に示すよ
うにほぼ瞬間的に変化する。一方、ガイドベーン3の開
度すなわちガイドベーン実開度aは同図(c)に示すよ
うに時刻t0から徐々に増大するため、水車出力Ptも同図
(b)に示すように徐々に変化する。この場合、水車ト
ルクMtと発電機トルクMgはそれぞれ同図(f)に示すよ
うに変化し、時刻t0からt1の間にはMt<Mgのため、水車
回転速度Nは同図(e)に示すように低下する。このよ
うに、水車回転速度Nが低下し、併せてガイドベーン実
開度aが大きくなると、水車トルクMtの増加し、時刻t1
では発電機トルクMgを上回るようになるため、時刻t1
降は水車回転速度Nは増加する。ガイドベーン実開度a
がさらに増加し、時刻t2でガイドベーン目標開度a*との
差すなわち開度偏差Δaが判定値Δa0を下回ると、開度
差判定器8が動作して切換器9の接点がB側に切換わ
る。その結果、以降の制御は水車回転速度Nが目標水車
回転速度N*と一致するように発電機1の回転速度が制御
され、時刻t3で最終的な目標状態、すなわち発電機出力
Pg=P1 *、水車回転速度N=N1となる。 以上の制御過程における水車の運転点の変化を第3図
の特性図に示す。同図は従来技術の説明に用いた第10図
の特性図に対応するものである。ここで、第3図の運転
点X0は時刻t0における運転点に相当する。時刻t1で速度
Nが最低となる運転点は点X1である。時刻t3における最
終的な運転点は点X1である。なお、運転点の軌跡を二点
鎖線で示す。このように、本実施例における制御装置に
よれば、目標出力の急激な変化に即応できるだけでな
く、最終的には水車の運転点を最高効率となる運転点、
つまり線k0上に持って行くことができる。 第4図は目標発電機出力P*の比較的緩慢な変化に対す
る応答を示すタイムチャート、第5図は目標発電機出力
P*の比較的急激な変化に対する応答を示すタイムチャー
トである。各図において、(a)は目標発電機出力P
*を、(b)は発電機出力Pgを、(c)はガイドベーン
目標開度a*並びにガイドベーン実開度aを、(d)は切
換器9の切換位置を、(e)は目標水車回転速度N*並び
に水車回転速度Nをそれぞれ示すものである。 第4図は目標発電機出力P*の緩慢な変化に対する応答
を示すものである。この場合、目標発電機出力P*の変化
が緩慢であるためガイドベーン目標開度a*とガイドベー
ン実開度aとの差すなわち開度偏差はほとんどない。そ
の結果、第1図の切換器9の接点は常に接点B側である
ため発電機1の励磁量の調整は目標水車回転速度N*と実
際の水車回転速度Nとの差すなわち速度偏差ΔNを零に
するように制御するため、水車回転速度Nはその時の運
転点が第3図の線k0で示される特性で推移する。つま
り、この場合、水車回転速度Nは各出力において最高効
率状態になるように、ごくわずかに調整されるだけであ
る。なお、発電機出力Pgの調整は主としてガイドベーン
開度の変化のみで行われる。 一方、第5図の場合は目標発電機出力P*の急速な変化
に対する応答を示すものである。この場合、目標発電機
出力P*の変化が大きく速いため、ガイドベーン目標開度
a*とガイドベーン実開度aとの差が大きくなり、Δa≧
Δa0となる。その結果、開度差判定器8を介して切換器
9が接点A側に切換わる。ガイドベーン目標開度a*は周
期的に変化するため、ある瞬間では第5図(c)に示さ
れているように目標開度a*と実開度aの特性線が交差す
る。すなわち、ガイドベーン目標開度a*=ガイドベーン
実開度aとなる点が周期的に現れるため、その瞬間は切
換器9は接点B側に切換えられるが、それ以外は接点A
側にあって、目標発電機出力P*と発電機出力Pgの差すな
わち出力偏差ΔPの値に応じて発電機1の励磁量が調整
される。その結果、目標発電機出力P*の変化が速く大き
いにもかかわらず、実際の発電機出力Pgを図示のように
ほぼ目標発電機出力P*に追従させることができる。その
結果、発電機トルクMgと水車トルクMtとの間に差が発生
するため、その不平衡トルクに応じて水車回転速度Nは
図示のように変化する。一方、ガイドベーン実開度a
は、ガイドベーン目標開度a*が図示のように大きく変化
するにもかかわらず、その変化はガイドベーン制御器6
で緩和されるため、その動きはそれ程大きくない。この
ため、発電機出力Pgの変化が大きく早いにもかかわら
ず、ガイドベーン実開度aの変化は少ないため、管路系
の圧力変動やサージングを問題とならないレベルに抑制
することができる。 このように、本実施例によれば、可変速制御水力発電
設備において、緩慢なAFC運転の要求に対しては高効率
の運転、高速のAFC運転の要求に対しては速い応答性の
運転が可能となる。 第6図は本発明の他の実施例に係る水力発電設備の制
御装置のブロック図である。同図構成の第1図の構成と
異なる点は、切換器9で変速装置4に入力される信号を
選択する代わりに、第1のゲイン可変増幅器10および第
2のゲイン可変増幅器11を介して変速装置4に制御信号
を与えていることである。同図において、第1のゲイン
可変増幅器10および第2のゲイン可変増幅器11はガイド
ベーン目標開度a*とガイドベーン実開度a間の開度偏差
Δaによってゲインを変える作用を有し、第1のゲイン
可変増幅器10は目標発電機出力P*と発電機出力Pg間の出
力偏差ΔPに開度差Δaに応じたゲインG1を乗じてG1
ΔPとして送出し、第2のゲイン可変増幅器11は目標水
車回転速度N*と水車回転速度N間の速度偏差ΔNに開度
差Δaに応じたゲインG2を乗じてG2・ΔNとして送出す
る。ここで、第1のゲイン可変増幅器10のゲインG1並び
に第2のゲイン可変増幅器11のゲインG2をそれぞれ第7
図に示すように設定することにより、実質的に第1図の
切換器9に相当する機能を実現することができる。 第7図に示すように、|Δa|<|Δa0|の範囲では第
1のゲイン可変増幅器10のゲインG1をほぼ零とし、|Δ
a|≧|Δa0|の範囲では第2のゲイン可変増幅器11ゲイ
ンG2をほぼ零としている。その結果、変速装置4に入力
される信号は|Δa|<|Δa0|の範囲では速度偏差ΔN
となり、|Δa|≧|Δa0|の範囲では出力偏差ΔPとな
る。 なお、第1,第2のゲイン可変増幅器10,11のゲイン
G1,G2は第7図の特性に限定されるものではなく、例え
ば“0"と“1"の間の変化を緩やかなものとしてもよく、
またゲインの設定範囲を“1.0"以上にとるようにしても
よい。 上記各実施例においては、目標発電機出力P*と発電機
出力Pg間の出力偏差ΔPを変速装置4に入力するに際し
て、ガイドベーン目標開度a*とガイドベーン実開度a間
の開度偏差Δaの間に応じて切換器9または第1のゲイ
ン可変増幅器10によって調整しているが、第2図に示す
ように、出力偏差ΔPの値は目標出力P*が急激に変化し
た時のみ大きな値になり、他の場合はほとんど零に近
い。このため、出力偏差ΔPが常に変速装置4に入力さ
れていても、第2図に示した各状態量の変化はそれ程変
らない。したがって、制御系の簡略化のために、切換器
9または第1のゲイン可変増幅器10を省略してもほぼ同
様の効果を得ることができる。 〔発明の効果〕 本発明によれば変速制御される水力発電設備におい
て、発電機出力を高速で変化させる高速AFC運転を可能
にすると共に、与えられた運転落差や目標発電機出力に
対して水車効率が最も高くなるようにガイドベーン開度
と水車回転速度を調整することにより、高効率運転を可
能とした水力発電設備の制御装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例に係る水力発電設備の制御装
置のブロック図、第2図は第1図の装置の動作を説明す
るためのタイムチャート、第3図は第1図の装置におけ
る動作特性を説明するための動作特性図、第4図、第5
図は第1図の装置において目標発電機出力の変化が緩慢
な場合と急激な場合の動作を説明するためのタイムチャ
ート、第6図は本発明の他の実施例に係る水力発電設備
の制御装置のブロック図、第7図(a),(b)は第6
図の装置における第1および第2のゲイン可変増幅器の
ゲイン特性図、第8図は従来の水力発電設備の制御概念
を説明するためのタイムチャート、第9図は従来の水力
発電設備の高速AFC運転の概念を説明するためのタイム
チャート、第10図は従来の水力発電設備の高速AFC運転
の運転特性を説明するための運転特性図である。 1…発電機、2…水車、3…ガイドベーン、4…変速装
置、5…開度設定器、6…ガイドベーン制御器、7…回
転速度設定器、8…開度差判定器、9…切換器、10,11
…ゲイン可変増幅器。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.回転速度を予め定められた範囲内で任意の値に設定
    できる水車に発電機を連結してなる水力発電設備を制御
    する水力発電設備の制御装置において、 前記発電機の目標出力P*と前記水車の運転落差Hとから
    前記水車のガイドベーン目標開度a*を算出する第1の演
    算手段と、この第1の演算手段によって算出されたガイ
    ドベーン目標開度a*に基づいて予め定められた時定数で
    前記水車のガイドベーン実開度aを制御する第1の制御
    手段と、前記水車の運転落差Hとガイドベーン実開度a
    とに基づいて最適目標水車回転速度N*を算出する第2の
    演算手段と、この第2の演算手段によって算出された最
    適目標水車回転速度N*および水車実回転速度Nを突き合
    わせて速度偏差ΔNを算出する第3の演算手段と、前記
    発電機の目標出力P*および実際の発電機出力Pgを突き合
    わせて出力偏差ΔPを算出する第4の演算手段と、ガイ
    ドベーン目標開度a*およびガイドベーン実開度aの間の
    差を開度偏差として算出する第5の演算手段と、この第
    5の演算手段によって算出された開度偏差Δaが予め定
    められた判定値Δa0を超えたときは前記第4の演算手段
    によって算出された出力偏差ΔPを出力し、また開度偏
    差Δaが判定値Δa0以内のときは前記第3の演算手段に
    よって算出された速度偏差ΔNを出力する切換手段と、
    この切換手段から選択的に出力される速度偏差ΔNまた
    は出力偏差ΔPを零にするように前記発電機を制御する
    第2の制御手段とを備えたことを特徴とする水力発電設
    備の制御装置。 2.特許請求の範囲第1項記載の制御装置において、前
    記第5の演算手段によって算出された開度偏差Δaに基
    づいて前記第2の制御手段の制御ゲインを設定する手段
    を備えたことを特徴とする水力発電設備の制御装置。
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