JPH09144645A - 水力発電所の水槽水位制御装置 - Google Patents

水力発電所の水槽水位制御装置

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JPH09144645A
JPH09144645A JP7305964A JP30596495A JPH09144645A JP H09144645 A JPH09144645 A JP H09144645A JP 7305964 A JP7305964 A JP 7305964A JP 30596495 A JP30596495 A JP 30596495A JP H09144645 A JPH09144645 A JP H09144645A
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Toshio Umeji
俊夫 梅地
Hiroaki Ikegami
裕章 池上
Hideo Yada
秀夫 矢田
Toshiharu Yamashita
俊治 山下
Tadashi Konnai
忠 近内
Keijirou Yabuta
圭二郎 藪田
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Control Of Water Turbines (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水槽への水の流入が少ない渇水期においても
高水位で運転することができる水力発電所の水槽水位制
御装置を提供する。 【構成】 複数の基準水位を設定する基準水位設定手段
(51〜55)と、水槽へ流入する水の流入量を算出す
る流入量算出手段(11)と、流入量と、水車を回転さ
せる水の流量とが等しくなるよう最適な基準水位を選択
する基準水位選択手段(A1〜A5)と、水車発電機の
出力範囲の下限値以下に一定時間継続して水車発電機の
出力が低下した場合に、一段高い基準水位に切り替えて
水車発電機の目標出力値を減少させ、或いは、選択され
た基準水位より定まる水車発電機の出力範囲の上限値に
発電機の出力が到達した場合に、一段低い基準水位に切
り替えて水車発電機の目標出力値を増加させる水位制御
手段(11,13〜17,A1〜A5)とを具備した水
力発電所の水槽水位制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、水力発電所にお
ける水槽の水位変動を抑制する水力発電所の水槽水位制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水力発電所においては、水槽への水の流
入量と水車の使用水量とを同じにして、水槽水位を一定
範囲内に保つよう制御を行なう水槽水位制御装置が設け
られている。
【0003】図11は、水力発電所に用いられる従来の
第1の水槽水位制御装置の概略構成を示す図である。同
図に示すように、水槽1に蓄えられた水は、圧力鉄管2
及びガイドベーン3を介して、水車4に供給される。水
車4には、水車軸5を介して発電機6が接続されてお
り、この発電機6は、ガイドベーン3動作のレターン信
号を発電機出力として、図示しない有効電力変換器を介
して水位調整器装置7に出力する。
【0004】また、水槽1には、水槽1の水位を検出す
る水槽水位計8が設けられており、この水槽水位計8に
は、水位調整器装置7が接続されている。水位調整器装
置7は、水槽水位計8から出力された水位信号と発電機
6から出力された発電機出力とから発電機出力偏差指令
値を演算し、ガイドベーン3の開閉信号として調速機制
御装置9に出力するものである。
【0005】調速機制御装置9は、水位調整器装置7か
ら出力されたガイドベーン3の開閉信号を、油圧信号に
変換して油圧サーボモータ10に出力するものであり、
この油圧サーボモータ10は、調速機制御装置9からの
油圧信号に基づいて、ガイドベーン3の開度を調整し
て、水車4に流入する水量を制御するものである。
【0006】図12は、水位調整器装置7の動作を説明
するための制御ブロック図である。同図に示すように、
水位調整器装置7には、水槽水位計8で検出された水槽
水位11と、予め定められた水槽1の基準水位12との
偏差を出力する差分器13と、この差分器13から出力
される水位偏差に発電機出力定格を乗算し、さらに水位
調定率で除算して発電機の目標出力を演算して出力する
目標出力演算器14と、この目標出力演算器14から出
力された発電機の目標出力と発電機6の発電機出力15
との偏差を演算して、発電機出力偏差指令値17として
出力する差分器16とが設けられている。
【0007】次に、上述の如く構成された水槽水位制御
装置の動作について説明する。まず、水槽水位計8に
て、水槽1の水位が検出され、水槽水位が水位調整器装
置7に出力される。また、発電機6から、発電機出力
が、図示しない有効電力変換器を介して、水位調整器装
置7に出力される。
【0008】水位調整器装置7においては、差分器13
にて水槽水位計8から出力された水槽水位と、予め定め
られた水槽1の基準水位12との偏差が取られ、水位偏
差として出力される。この水位偏差は、目標出力演算器
14にて発電機出力定格と乗算され、さらに水位調定率
で除算され、発電機の目標出力として出力される。
【0009】この目標出力は、差分器16にて発電機6
から出力された発電機出力15との偏差が取られ、発電
機出力偏差指令値17として出力され、ガイドベーン3
の開閉信号として調速機制御装置9に出力される。
【0010】このガイドベーン3の開閉信号は、調速機
制御装置9にて、油圧信号に変換され、この油圧信号に
基づいて、油圧サーボモータ10にて、ガイドベーン3
の開度調整が行なわれる。
【0011】ガイドベーン3の開閉動作により、水車4
への水の流入量が変化し、水エネルギーが水車軸5を介
して、発電機6に伝達され、上述のように、図示しない
有効電力変換器を介してガイドベーン開閉動作のレター
ン信号が発電機出力として、水位調整器装置7にフィー
ドバックされる。
【0012】水槽1の水槽水位が応水起動水位以上の場
合は、図示しない制御装置より、応水起動指令が出力さ
れ、水車発電機6が起動して系統に並列投入される。発
電機6が系統に並列投入されると、水位調整器装置7が
活かされ、上述のように、水槽水位計8から出力された
水槽水位と発電機6から出力された発電機出力とから発
電機出力偏差指令値が演算され、ガイドベーン3の開閉
信号として調速機制御装置9に出力される。
【0013】そして、調速機制御装置9は、水位調整器
装置7から出力されたガイドベーン3の開閉信号を、油
圧信号に変換して油圧サーボモータ10に出力し、油圧
サーボモータ10は、調速機制御装置9から出力される
油圧信号に基づいて、ガイドベーン3の開閉制御が行な
われる。
【0014】ガイドベーン3の開閉制御によって、水車
4へ流入する水の流量が変化し、水エネルギーが水車軸
5を介して発電機6に伝達され、図示しない有効電力変
換器を介して、発電機出力としてガイドベーン開閉動作
のレターン信号が、水位調整器装置7に出力される。
【0015】すると、発電機6の発電機出力15の値が
変化して目標出力との差が縮まる。この差がゼロ近辺と
なるまでガイドベーン3への発電機出力偏差指令値17
は無くならない。
【0016】目標発電機出力と発電機出力15との差が
ゼロ近辺となった場合には、発電機出力偏差指令値17
が図示しない不感帯以内となり制御が安定したと判断し
て、ガイドベーン3の制御が行なわれなくなる。
【0017】今、図13に示すように、水槽1の水槽水
位が基準水位で安定した状態で制御されていた場合に、
水槽1への水の流入量が減少して水槽水位がA点位置ま
で低下したとすると、図12に示したように、水槽水位
11と基準水位12との水位偏差が大きくなる。
【0018】そして、この水位偏差には、目標出力演算
器14により、発電機出力定格が乗算され、さらに水位
調定率で除算されて発電機の目標出力とし出力され、こ
の目標出力と発電機出力15との差が発電機出力偏差指
令値17として出力される。
【0019】発電機出力偏差指令値17の量は、図13
に示すように、発電機出力100%とB点との差の偏差
量となる。ここでは、発電機出力偏差指令値17の偏差
量は、ガイドベーン3の閉方向の指令となり、この発電
機出力偏差指令値17は、調速機制御装置9により油圧
信号に変換され、油圧サーボモータ10に出力される。
【0020】油圧サーボモータ10は、調速機制御装置
9から出力される油圧信号に基づいて、ガイドベーン3
を閉方向に動作させて、発電機6の出力を減少させる。
その結果、図13に示すように、発電機出力100%と
B点との差の偏差量が減少して、B点で発電機出力が安
定する。
【0021】図14は、水力発電所に用いられる従来の
第2の水槽水位制御装置の概略構成を示す図である。な
お、図11と同一部分には、同一符号を付して、その説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0022】すなわち、上述の図11に示す従来の水力
発電所に用いられる水槽水位制御装置と異なる点は、発
電機6から発電機出力を水位調整器装置7に出力するの
ではなく、ガイドベーン3の開度位置を検出して水位調
整器装置7に出力する位置変換器21を設けたことにあ
る。
【0023】図15は、水位調整器装置7の動作を説明
する制御ブロック図である。同図に示すように、水位調
整器装置7には、水槽水位計8で検出された水槽水位3
1と、予め定められた水槽1の基準水位32との偏差を
出力する差分器33と、この差分器33から出力される
水位偏差にガイドベーン開度定格出力を乗算し、さらに
水位垂下率で除算して目標ガイドベーン開度を演算して
出力する目標ガイドベーン開度演算器34と、この目標
ガイドベーン開度演算器34から出力された目標ガイド
ベーン開度と、位置変換器21からのガイドベーン3の
開度を示すガイドベーン開度35との偏差を演算して、
ガイドベーン開度偏差指令値37として出力する差分器
36とが設けられている。
【0024】次に、上述の如く構成された水槽水位制御
装置の動作について説明する。まず、水槽水位計8に
て、水槽1の水位が検出され、水槽水位が水位調整器装
置7に出力される。また、位置変換器21から、ガイド
ベーン3の開度を示すガイドベーン開度が、図示しない
有効電力変換器を介して、水位調整器装置7に出力され
る。
【0025】水位調整器装置7においては、差分器33
にて水槽水位計8から出力された水槽水位と、予め定め
られた水槽1の基準水位33との偏差が取られ、水位偏
差として出力され、この水位偏差は、目標ガイドベーン
開度演算器34にてガイドベーン開度定格出力と乗算さ
れ、さらに水位垂下率で除算され、目標ガイドベーン開
度として出力される。
【0026】この目標ガイドベーン開度は、差分器36
にて位置変換器21から出力されたガイドベーン開度と
の偏差が取られ、ガイドベーン開度偏差指令値37とし
て出力され、ガイドベーン3の開閉信号として調速機制
御装置9に出力される。
【0027】このガイドベーン3の開閉信号は、調速機
制御装置9にて、油圧信号に変換され、この油圧信号に
基づいて、油圧サーボモータ10にて、ガイドベーン3
の開度調整が行なわれる。
【0028】ガイドベーン3の開閉動作により、水車4
への水の流入量が変化し、水エネルギーが水車軸5を介
して、発電機6に伝達される。また、位置変換器21か
ら出力されるガイドベーン3の開度を示す開度信号が、
水位調整器装置7にフィードバックされる。
【0029】水槽1の水槽水位が応水起動水位以上の場
合は、図示しない制御装置より、応水起動指令が出力さ
れ、水車発電機6が起動して系統に並列投入される。発
電機6が系統に並列投入されると、水位調整器装置7が
活かされ、上述のように、水槽水位計8から出力された
水槽水位と、位置変換器21から出力されるガイドベー
ン3の開度を示すガイドベーン開度とからガイドベーン
開度偏差指令値が演算され、ガイドベーン3の開閉信号
として調速機制御装置9に出力される。
【0030】そして、調速機制御装置9は、水位調整器
装置7から出力されたガイドベーン3の開閉信号を、油
圧信号に変換して油圧サーボモータ10に出力し、油圧
サーボモータ10は、調速機制御装置9から出力される
油圧信号に基づいて、ガイドベーン3の開閉制御が行な
われる。
【0031】ガイドベーン3の開閉制御によって、水車
4へ流入する水の流量が変化し、水エネルギーが水車軸
5を介して発電機6に伝達される。また、位置変換器2
1から出力されるガイドベーン3の開度を示すガイドベ
ーン開度が、図示しない有効電力変換器を介して、水位
調整器装置7に出力される。
【0032】すると、ガイドベーン3のガイドベーン開
度が変化して目標出力との差が縮まる。この差がゼロ近
辺となるまでガイドベーン3へのガイドベーン開度偏差
指令値37は無くならない。
【0033】目標ガイドベーン開度信号とガイドベーン
開度信号35との差がゼロ近辺となった場合には、ガイ
ドベーン開度偏差指令値37が図示しない不感帯以内と
なり制御が安定したと判断して、ガイドベーン3の制御
が行なわれなくなる。
【0034】今、図13に示すように、水槽1の水槽水
位が基準水位で安定して制御されていた場合に、水槽1
への水の流入量が減少して水槽水位がA点位置まで低下
したとすると、図12に示すように、水槽水位11と基
準水位12との水位偏差が大きくなる。
【0035】そして、この水位偏差には、目標ガイドベ
ーン開度演算器34により、ガイドベーン開度定格出力
が乗算され、さらに水位垂下率で除算されて目標ガイド
ベーン開度が出力され、この目標ガイドベーン開度と、
位置変換器21から出力されるガイドベーン3の開度を
示すガイドベーン開度との差がガイドベーン開度偏差指
令値37として出力される。
【0036】ガイドベーン開度偏差指令値37の量は、
図13に示すように、ガイドベーン開度100%とB点
との差の偏差量となる。ここでは、ガイドベーン開度偏
差指令値37の偏差量は、ガイドベーン3の閉方向の指
令となり、このガイドベーン開度偏差指令値37は、調
速機制御装置9により油圧信号に変換され、油圧サーボ
モータ10に出力される。
【0037】油圧サーボモータ10は、調速機制御装置
9から出力される油圧信号に基づいて、ガイドベーン3
を閉方向に動作させて、ガイドベーン3の開度を減少さ
せる。
【0038】その結果、図13に示すように、ガイドベ
ーン開度100%とB点との差の偏差量が減少して、B
点でガイドベーン開度が安定する。また、水槽1への水
の流入量が増加して水槽水位が上昇しても同様の制御を
行ない、水槽1の水位変動を抑制する制御が行なわれ
る。なお、上述の従来の水槽水位制御装置においては、
油圧サーボモータについて説明したが、電動サーボモー
タが用いられる場合もある。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水槽水位制御装置は、渇水期において、水槽1への水の
流入量が減少し水槽1の水位が低下することから、水車
発電機6が低落差で運転し続けることになる。その結
果、水車4は、効率の低い所で運転が行なわれ、水の有
効利用を図ることができない。
【0040】また、水位調定率(水位垂下率)の運転範
囲以下の水槽水位で水車発電機が停止している場合、水
槽への水の流れ込みが少ないことから水槽水位が水車発
電機6の起動水位に到達するまでに多くの時間を要す
る。
【0041】水車発電機6の起動水位に到達すると水車
発電機6が運転を開始して目標出力(目標ガイドベーン
開度)を取るように制御されて、水槽1の水が圧力鉄管
2を通して水車4から流出される。そのため、水槽1へ
流入する水の流量より多い水量が水槽1から流出し、急
激に水槽1の水位が低下して、水位調定率(水位垂下
率)範囲以下になり水車発電機6が停止してしまう。
【0042】従って、水車発電機6は短時間しか運転を
継続することができず、運転停止を何回も繰り返すこと
になる。しかしながら、水車発電機6の起動・停止を繰
り返すと、発電所内の各種装置の動作、復帰を繰り返し
行なうことになり、各種装置の寿命を縮めることになっ
てしまう。また、余分に所内電源を消費し、水力発電所
を維持する費用が多額になってしまう。さらに、運転員
の水槽水位制御装置の監視業務が複雑になってしまうと
いう問題があった。
【0043】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、水槽への水の流入が少ない渇水期においても高
水位で運転することができ、その結果、水エネルギーを
電気エネルギーに効率よく変換し、水の有効利用を図る
ことができる水力発電所の水槽水位制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0044】また、水車発電機運転開始時の目標出力
(目標ガイドベーン開度)を低くし、水車発電機を継続
して運転させるとともに、無負荷(無負荷開度)以下の
水槽への流入量での起動を防止することができる水力発
電所の水槽水位制御装置を提供することを目的とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】従って、まず、上記目的
を達成するために請求項1に係る発明は、水車発電機の
水車を駆動させる水を貯蔵する水槽の水位と、予め定め
られた前記水槽の基準水位との水位偏差から前記水車発
電機の目標出力値を演算し、この目標出力値と前記水車
発電機の出力との偏差に基づいて水車発電機の出力を制
御することにより前記水槽の水位を制御する水力発電所
の水槽水位制御装置において、前記水槽の互いに異なる
複数の段階的な基準水位を設定する基準水位設定手段
と、前記水車発電機の停止時に、前記水槽の越流水位か
ら前記水槽へ流入する水の流入量を流入量特性に基づい
て算出する流入量算出手段と、前記流入量算出手段にて
算出された流入量と、前記水車を駆動させる水の流量と
が等しくなるよう前記基準水位設定手段にて設定された
複数の基準水位の中から一つの基準水位を選択する基準
水位選択手段と、前記基準水位選択手段により選択され
た基準水位より定まる前記水車発電機の出力範囲の下限
値以下に一定時間継続して前記水車発電機の出力が低下
した場合に、前記選択された基準水位より高い基準水位
に切り替える上方水位切替手段と、前記基準水位選択手
段により選択された基準水位より定まる前記水車発電機
の出力範囲の上限値に前記水車発電機の出力が到達し、
且つ前記水槽から水が越流している場合に、前記選択さ
れた基準水位より低い基準水位に切り替える下方水位切
替手段とを具備した水力発電所の水槽水位制御装置であ
る。
【0046】また、請求項2に係る発明は、請求項1記
載の水力発電所の水槽水位制御装置において、前記流入
量算出手段で算出された流入量が前記水車発電機の無負
荷以下の流入量の場合、前記水車発電機が再起動するの
を防止する再起動防止手段とを具備した水力発電所の水
槽水位制御装置である。
【0047】さらに、請求項3に係る発明は、水車発電
機の水車を駆動させる水を貯蔵する水槽の水位と、予め
定められた前記水槽の基準水位との水位偏差から前記水
車発電機の水車に供給される水の流量を制御するガイド
ベーンの開度目標値を演算し、この目標値と前記ガイド
ベーンの開度との偏差に基づいて前記ガイドーベーンの
開度を制御することにより前記水槽の水位を制御する水
力発電所の水槽水位制御装置において、前記水槽の互い
に異なる複数の段階的な基準水位を設定する基準水位設
定手段と、前記水車発電機の停止時に、前記水槽の越流
水位から前記水槽へ流入する水の流入量を流入特性に基
づいて算出する流入量算出手段と、前記流入量算出手段
にて算出された流入量と、前記水車を駆動させる水の流
量とが等しくなるよう前記基準水位設定手段にて設定さ
れた複数の基準水位の中から一つの基準水位を選択する
基準水位選択手段と、前記基準水位選択手段により選択
された基準水位より定まる前記ガイドベーンの開度範囲
の下限値以下に一定時間継続して前記ガイドベーンの開
度が閉じた場合に、前記選択された基準水位より高い基
準水位に切り替える上方水位切替手段と、前記基準水位
選択手段により選択された基準水位より定まる前記ガイ
ドベーンの開度範囲の上限値に前記ガイドベーンの開度
が到達し、且つ前記水槽から水が越流している場合に、
前記選択された基準水位より低い基準水位に切り替える
下方水位切替手段とを具備した水力発電所の水槽水位制
御装置である。
【0048】さらに、請求項4に係る発明によれば、請
求項3記載の水力発電所の水槽水位制御装置において、
前記流入量算出手段で算出された流入量が前記水車発電
機の無負荷開度以下の流入量の場合、前記水車発電機が
再起動するのを防止する再起動防止手段とを具備した水
力発電所の水槽水位制御装置である。
【0049】
【作用】請求項1に係る発明は、基準水位選択手段によ
り、流入量算出手段にて算出された流入量と、水車を駆
動させる水の流量とが等しくなるよう基準水位設定手段
にて設定された複数の基準水位の中から一つの基準水位
を選択し、上方水位切替手段により、基準水位選択手段
により選択された基準水位より定まる水車発電機の出力
範囲の下限値以下に一定時間継続して前記発電機の出力
が低下した場合に、選択された基準水位より高い基準水
位に切り替えて前記水車発電機の目標出力値を減少さ
せ、下方水位切替手段により選択された基準水位より定
まる水車発電機の出力範囲の上限値に発電機の出力が到
達し、且つ前記水槽から水が越流している場合に選択さ
れた基準水位より低い基準水位に切り替えて水車発電機
の目標出力値を増加させるよう制御を行なうので、水槽
への水の流入が少ない渇水期においても高水位で運転す
ることができ、その結果、水エネルギーを電気エネルギ
ーに効率よく変換し、水の有効利用を図ることができ
る。
【0050】請求項2に係る発明は、請求項1記載の水
力発電所の水槽水位制御装置において、再起動防止手段
により、流入量算出手段で算出された流入量が水車発電
機の無負荷以下の流入量の場合、水車発電機が再起動す
るのを防止するので、水車発電機の起動・停止が連続し
て行なわれるのを防止することができる。
【0051】請求項3に係る発明は、基準水位選択手段
により、流入量算出手段にて算出された流入量と、水車
を駆動させる水の流量とが等しくなるよう基準水位設定
手段にて設定された複数の基準水位の中から一つの基準
水位を選択し、上方水位切替手段により、基準水位選択
手段により選択された基準水位より定まるガイドベーン
の開度範囲の下限値以下に一定時間継続してガイドベー
ンの開度が閉じた場合に、選択された基準水位より高い
基準水位に切り替えてガイドベーンの開度目標値を減少
させ、下方水位切替手段により、選択された基準水位よ
り定まるガイドベーンの開度範囲の上限値にガイドベー
ンの開度が到達し、且つ水槽から水が越流している場合
に選択された基準水位より低い基準水位に切り替えてガ
イドベーンの開度目標値を増加させるよう制御するの
で、水槽への水の流入が少ない渇水期においても高水位
で運転することができ、その結果、水エネルギーを電気
エネルギーに効率よく変換し、水の有効利用を図ること
ができる。
【0052】請求項4に係る発明は、請求項3記載の水
力発電所の水槽水位制御装置において、再起動防止手段
により、流入量算出手段で算出された流入量が水車発電
機の無負荷開度以下の流入量の場合、水車発電機が再起
動するのを防止するので、水車発電機の起動・停止が連
続して行なわれるのを防止することができる。
【0053】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係る水槽
水位制御装置の概略構成を示す図である。なお、図11
と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0054】すなわち、本実施例の水槽水位制御装置と
従来の水槽水位制御装置と異なる点は、従来の水位調整
器装置7に代えて、異なる機能を有する水位調整器装置
41を設けたことにある。
【0055】図2は、本実施例に係る水位調整器装置4
1の動作を説明する制御ブロック図である。なお、図1
2と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0056】すなわち、本実施例の水槽水位制御装置に
おける水位調整器装置41には、No.1基準水位設定
器51〜No.5基準水位設定器55と、No.1発電
機出力リミッタ61〜No.5発電機出力リミッタ65
と、基準水位切替スイッチA1〜A5と、リミッタ71
とが設けられている。
【0057】No.1基準水位設定器51〜No.5基
準水位設定器55は、図3に示す複数の段階的な基準水
位が設定されたものである。No.1発電機出力リミッ
タ61〜No.5発電機出力リミッタ65は、No.1
基準水位設定器51〜No.5基準水位設定器55で設
定された基準水位に対応して、目標出力演算器14から
出力される発電機目標出力を制限する制限値が設定され
たものである。
【0058】基準水位切替スイッチA1〜A5は、各N
o.1基準水位設定器51〜No.5基準水位設定器5
5で設定された基準水位を差分器13に出力させるとと
もに、各No.1基準水位設定器51〜No.5基準水
位設定器55で設定された基準水位に対応するNo.1
発電機出力リミッタ61〜No.5発電機出力リミッタ
65にて設定された制限値を出力させるものである。
【0059】リミッタ71は、No.1発電機出力リミ
ッタ61〜No.5発電機出力リミッタ65にて設定さ
れた制限値により目標出力演算器14から出力される目
標出力を制限するものである。
【0060】次に、上述の如く構成した本実施例の水位
調整器装置41の動作について、図4のフロチャートを
参照して説明する。水車発電機停止中は、水位調整器装
置41のNO.1基準水位切替スイッチA1〜NO.5
基準水位切替スイッチA5のいずれかが水車発電機解列
前の状態で保持され(step101)、応水起動指令
があるか否かの判断状態になっている(step10
2)。
【0061】step102において、水槽水位が応水
起動水位以上となり、応水起動指令が出力された判断さ
れると、一定時間水車発電機の起動をロックし水槽越流
水位を監視する処理が行なわれる(step103)。
【0062】一定時間経過後、図5に示す越流〜水槽へ
の流入量特性表から現在の水槽の越流点を検出して、水
槽への水の流入量を算出し(step104)、水車発
電機にて使用できる流量が求められる。
【0063】次に、算出された水槽への水の流入量が無
負荷流量以上か否かを判断する(step105)。s
tep105において、水槽への水の流入量が無負荷流
量以下と判断された場合には、step103の処理に
戻る。一方、水槽への水の流入量が無負荷流量以上であ
ると判断された場合には、予め記憶されている図5に示
す発電機出力〜水車流量特性表から水槽への流入量と水
車流量が同じ流量になる発電機出力が算出される(st
ep106)。
【0064】step106の処理において、算出され
た発電機出力に基づいて、基準水位切替スイッチA1〜
A5のいずれか1つを選択し、基準水位切替スイッチA
1〜A5に選択指令を出力する(step107)。そ
して、この選択指令に基づいて、基準水位切替スイッチ
A1〜A5のいずれか1つが「ON」とされる(ste
p108)。
【0065】ここでは、NO.3基準水位切替スイッチ
A3がONとされているものとして説明する。水車発電
機6が系統に並列投入されると、水位調整器装置41が
活かされる。基準水位切替スイッチA3がONとされて
いることから、差分器13にて水槽水位11と、NO.
3基準水位設定器53にて設定された基準水位との水位
偏差が演算されて出力される。
【0066】この水位偏差は、目標出力演算器14に
て、発電機出力定格と乗算され、さらに水位調定率で除
算されて発電機の目標出力として出力される。この目標
出力は、NO.3発電機出力リミッタ63にて設定され
た制限値が格納されたリミッタ71によって制限され、
図3に示すように、C点以下の水位が目標出力の範囲と
して演算される。
【0067】この目標出力と、発電機出力15との差が
発電機出力偏差指令値17となって、調速機制御装置9
に出力される。この発電機出力偏差指令値17は、調速
機制御装置9により、電気制御信号から油圧制御信号に
変換されて、油圧サーボモータ10に出力される。
【0068】そして、油圧サーボモータ10により、こ
の油圧制御信号に基づいて、ガイドベーン3を開方向又
は閉方向動作させるような制御が行なわれる。水車4へ
供給される水の流量が水槽1へ流入する水の流入量と同
じ量に近づくと、発電機出力偏差指令値17が図示しな
い不感帯以内になって、発電機出力偏差指令17からの
指令がなくなり、発電機出力の制御は、図3に示す水位
調定率のC点以下の所で安定する。
【0069】水槽1への水の流入量が減少すると、図2
に示した制御ブロック図に基づいて、目標出力が演算さ
れ、図3に示したNO.3基準水位に従って発電機出力
が低下させられる。
【0070】発電機出力が低下し、発電機出力がNO.
2発電機出力リミッタ+α以下で、且つ一定時間経過し
たことを条件に、基準水位切替スイッチ選択処理(st
ep106、step107)にて、NO.3基準水位
切替スイッチA3は、NO.2基準水位切替スイッチA
2に切り替えられる。
【0071】これにより、発電機の目標出力が演算され
て、図3に示すNO.2基準水位に従って、発電機出力
が減少するとともに、水槽水位が上昇する。そして、こ
の水位上昇に従って発電機出力が増加する方向に制御さ
れ、水槽への水の流入量と同じ所で安定した制御が行な
われる。ここで、安定水位はNO.3基準水位の場合よ
りも高くなる。
【0072】水槽1への水の流入量が増加すると、図2
に示す制御ブロック図に基づいて、発電機の目標出力が
演算され、図3のNO.3基準水位に従って発電機出力
が増加させられる。
【0073】発電機出力が増加し、発電機出力がNO.
3発電機出力リミッタ63以上で水槽から越流している
条件に、基準水位切替スイッチ選択処理(step10
6、step107)にて、NO.3基準水位切替スイ
ッチA3は、NO.4基準水位切替スイッチA4に切り
替えられる。
【0074】これにより、発電機の目標出力が演算され
て、図3に示すNO.4基準水位に従って、発電機出力
が増加するとともに、水槽水位が低下する。そして、こ
の水位低下に従って発電機出力が減少する方向に制御さ
れて水槽への流入量と同じ所で発電機出力が安定する。
ここで、安定水位では水槽水位からの越流はなくなる。
【0075】従って、本実施例の水槽水位制御装置によ
れば、水車発電機6の起動前に水槽1の越流水位から水
槽1への水の流入量を求められる機能を水位調整器装置
41に持たせることにより、水槽1への水の流入量が少
ない渇水期において、水車発電機6の運転開始時の目標
出力を低く設定することができるので、水車発電機6を
長く運転することができる。
【0076】また、水位調整器装置41にて、発電機6
の停止中に水槽1の越流水位から水槽1への水の流入量
を求め、使用できる流量を演算できる機能を持たせ、水
槽1への水の流入量に応じて水車発電機起動時の目標出
力を可変させることができるので、水槽1への水の流入
量が少ない場合でも水車発電機を高い水位で運転するこ
とができ、水エネルギーを電気エネルギーに変換する効
率を上げることができる。
【0077】さらに、水槽1への水の流入量が減少した
ときには、運転範囲の狭い高い基準水位に切り替え、水
槽1の水位を高くし、有効落差を確保して水車発電機6
を高い効率で運転させるこができ、水槽1への水の流入
量が増加したときには、運転範囲の広い低い基準水位に
切り替えて水車発電機6の出力を多くとることができ
る。
【0078】さらに、水槽1への水の流入量が無負荷以
下のときは、水車発電機6を起動しないようにするの
で、無駄な起動停止の繰り返しをなくすことができる。
図6は、本発明の第2の実施例に係る水槽水位制御装置
の概略構成を示す図である。なお、図14と同一部分に
は、同一符号を付し、その説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0079】すなわち、本実施例の水槽水位制御装置と
従来の水槽水位制御装置と異なる点は、従来の水位調整
器装置7に代えて、異なる機能を有する水位調整器装置
81を設けたことにある。
【0080】図7は、本実施例に係る水位調整器装置8
1の動作を説明するための制御ブロック図である。な
お、図15と同一部分には、同一符号を付し、その説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0081】すなわち、本実施例の水槽水位制御装置に
おける水位調整器装置81には、No.1基準水位設定
器91〜No.5基準水位設定器95と、No.1ガイ
ドベーン開度リミッタ101〜No.5ガイドベーン開
度リミッタ105と、基準水位切替スイッチB1〜B5
と、リミッタ111とが設けられている。
【0082】No.1基準水位設定器91〜No.5基
準水位設定器95は、図8に示す複数の異なる段階的な
基準水位が設定されたものである。No.1ガイドベー
ン開度リミッタ101〜No.5ガイドベーン開度リミ
ッタ105は、No.1基準水位設定器91〜No.5
基準水位設定器95で設定された基準水位に対応して、
目標ガイドベーン開度演算器34から出力される目標ガ
イドベーン開度を制限する制限値が設定されたものであ
る。
【0083】基準水位切替スイッチB1〜B5は、各N
o.1基準水位設定器91〜No.5基準水位設定器9
5で設定された基準水位を差分器33に出力させるとと
もに、各No.1基準水位設定器91〜No.5基準水
位設定器95で設定された基準水位に対応するNo.1
ガイドベーン開度リミッタ101〜No.5ガイドベー
ン開度リミッタ105にて設定された制限値を出力させ
るものである。
【0084】リミッタ111は、No.1ガイドベーン
開度リミッタ101〜No.5ガイドベーン開度リミッ
タ105にて設定された制限値によりガイドベーン開度
演算器34から出力されるガイドベーン開度を制限する
ものである。
【0085】次に、上述の如く構成した本実施例の水槽
水位制御装置の動作について、図9のフロチャートを参
照して説明する。水車発電機停止中は、水位調整器装置
81のNO.1基準水位切替スイッチB1〜NO.5基
準水位切替スイッチB5のいずれかが水車発電機解列前
の状態で保持され(step201)、応水起動指令が
あるか否かの判断状態になっている(step20
2)。
【0086】step202の処理において、水槽水位
が応水起動水位以上となり、応水起動指令が出力された
判断されると、一定時間水車発電機の起動をロックし水
槽越流水位を監視する処理が行なわれる(step20
3)。
【0087】一定時間経過後、図10に示す越流〜水槽
への流入量特性表から現在の水槽からの越流点を検出し
て水槽への流入量を算出し(step204)、水車発
電機にて使用できる流量が求められる。
【0088】次に、算出された水槽への水の流入量が無
負開度荷流量以上か否かを判断する(step20
5)。step205において、水槽への水の流入量が
無負荷開度流量以下と判断された場合には、step2
03の処理に戻る。一方、水槽への水の流入量が無負荷
開度流量以上であると判断された場合には、予め記憶さ
れている図10に示すガイドベーン開度〜水車流量特性
表から水槽への流入量と水車流量が同じ流量になるガイ
ドベーン開度が算出される(step206)。
【0089】step206の処理において、算出され
たガイドベーン開度に基づいて、基準水位切替スイッチ
B1〜B5のいずれか1つを選択し、基準水位切替スイ
ッチB1〜B5に選択指令を出力する(step20
7)。そして、この選択指令に基づいて、基準水位切替
スイッチB1〜B5のいずれか1つが「ON」とされる
(step208)。
【0090】ここでは、NO.3基準水位切替スイッチ
B3がONとされているものとして説明する。水車発電
機6が系統に並列投入されると、水位調整器装置81が
活かされる。基準水位切替スイッチB3がONとされて
いることから、差分器33にて水槽水位31と、NO.
3基準水位設定器93にて設定された基準水位との水位
偏差が演算される。
【0091】この水位偏差は、目標ガイドベーン開度演
算器34にて、ガイドベーン開度と乗算され、さらに水
位垂下率で除算されて目標ガイドベーン開度として出力
される。
【0092】この目標ガイドベーン開度は、NO.3ガ
イドベーン開度リミッタ103にて設定された制限値が
格納されたリミッタ111によって制限され、図8に示
すように、C点以下の水位が目標出力の範囲として演算
される。
【0093】この目標ガイドベーン開度と、ガイドベー
ン開度35との差がガイドベーン開度偏差指令値37と
なって、調速機制御装置9に出力される。このガイドベ
ーン開度偏差指令値37は、調速機制御装置9により、
電気制御信号から油圧制御信号に変換されて、油圧サー
ボモータ10に出力される。
【0094】そして、この油圧制御信号に基づいて、油
圧サーボモータ10により、ガイドベーン3を開方向又
は閉方向動作させるような制御が行なわれる。水車4へ
供給される水の流量が水槽1へ流入する水の流入量と同
じ量に近づくと、ガイドベーン開度偏差指令値37が図
示しない不感帯以内になって、ガイドベーン開度偏差指
令値37からの指令がなくなり、ガイドベーンの制御
は、図8に示す水位垂下率のC点以下の所で安定する。
【0095】水槽1への水の流入量が減少すると、図7
に示した制御ブロック図に基づいて、目標出力が演算さ
れ、図8に示したNO.3基準水位に従ってガイドベー
ンの開度が閉方向に制御される。
【0096】ガイドベーン開度が低下し、ガイドベーン
の開度がNO.2ガイドベーン開度リミッタ+α以下
で、且つ一定時間経過したことを条件に、基準水位切替
スイッチ選択処理(step206、step207)
にて、NO.3基準水位切替スイッチB3は、NO.2
基準水位切替スイッチB2に切り替えられる。
【0097】これにより、目標ガイドベーン開度が演算
されて、図8に示すNO.2基準水位に従って、ガイド
ベーン開度が減少させられるとともに、水槽水位が上昇
し、その水位上昇に従ってガイドベーン開度が増加する
方向に制御され、水槽への水の流入量と同じ所で安定し
た制御が行なわれる。ここで、安定水位はNO.3基準
水位の場合よりも高くなる。
【0098】水槽1への水の流入量が増加すると、図7
に示す制御ブロック図に基づいて、目標ガイドベーン開
度が演算され、図8のNO.3基準水位に従ってガイド
ベーン開度が増加させられる。
【0099】ガイドベーン開度が増加し、ガイドベーン
開度がNO.3ガイドベーン開度リミッタ103以上で
水槽から越流している条件に、基準水位切替スイッチ選
択処理(step206、step207)にて、N
O.3基準水位切替スイッチB3は、NO.4基準水位
切替スイッチB4に切り替えられる。
【0100】これにより、目標ガイドベーン開度が演算
されて、図8に示すNO.4基準水位に従って、ガイド
ベーン開度が増加させられるとともに、水槽水位が低下
させられ、その水位低下に従ってガイドベーン開度が減
少する方向に制御されて水槽への流入量と同じ所でガイ
ドベーンの安定な制御が行なわれる。ここで、安定水位
では水槽水位からの越流はなくなる。
【0101】従って、本実施例の水槽水位制御装置によ
っても上述の第1の実施例と同様に、水車発電機6の起
動前に水槽1の越流水位から水槽1への水の流入量を求
められる機能を水位調整器装置81に持たせることによ
り、水槽1への水の流入量が少ない渇水期において、ガ
イドベーン3の運転開始時の開度を低く設定することが
できるので、水車発電機6を長く運転することができ
る。
【0102】また、水位調整器装置81にて、発電機6
の停止中に水槽1の越流水位から水槽1への水の流入量
を求め、使用できる流量を演算できる機能を持たせ、水
槽1への水の流入量に応じて水車発電機起動時の目標ガ
イドベーン開度を可変させることができるので、水槽1
への水の流入量が少ない場合でも水車発電機を高い水位
で運転することができ、水エネルギーを電気エネルギー
に変換する効率を上げることができる。
【0103】さらに、水槽1への水の流入量が減少した
ときには、運転範囲の狭い高い基準水位に切り替え、水
槽1の水位を高くし、有効落差を確保して水車発電機6
を高い効率で運転させるこができ、水槽1への水の流入
量が増加したときには、運転範囲の広い低い基準水位に
切り替えて水車発電機6の出力を多くとることができ
る。
【0104】さらに、水槽1への水の流入量が無負荷以
下のときは、水車発電機6を起動しないようにするの
で、無駄な起動停止の繰り返しをなくすことができる。
なお、高落差の発電所においては水位調定率の幅で水位
変動があっても発電機出力−水車流量特性は影響を受け
ないため、フィードバック信号として発電機出力を用
い、低落差の発電所においては水位変動によって発電機
−水車流量特性が変化するためフィードバックとしてガ
イドベーン開度を用いることが多い。
【0105】ただし、高落差の発電所においてフィード
バック信号としてガイドベーン開度を用いる場合、低落
差の発電所でフィードバック信号として発電機出力を用
いる場合でも本発明は適用可能である。
【0106】また、上述の第1及び第2の実施例の水槽
水位制御装置においては、油圧サーボモータを用いて説
明したが、電動サーボモータに置き換えて構成してもよ
い。さらに、基準水位の個数は任意に設定可能であり、
出力リミッタもこの基準水位に対応して任意に設定する
ことが可能である。
【0107】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
水槽への水の流入が少ない渇水期においても高水位で運
転することができ、その結果、水エネルギーを電気エネ
ルギーに効率よく変換し、水の有効利用を図ることがで
きる水力発電所の水槽水位制御装置を提供することがで
きる。
【0108】また、水車発電機運転開始時の目標出力
(目標ガイドベーン開度)を低くし、水車発電機を継続
して運転させるとともに、無負荷(無負荷開度)以下の
水槽への流入量での起動を防止することができる水力発
電所の水槽水位制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る水槽水位制御装置
の概略構成を示す図である。
【図2】同実施例における水槽水位制御装置の水位調整
器装置の動作を説明する制御ブロック図である。
【図3】水槽水位と発電機出力との関係を示す図であ
る。
【図4】同実施例における水位調整器装置の動作を説明
するフロチャートである。
【図5】水槽水位、水槽への水の流入量、水車流量及び
発電機出力との関係を示すである。
【図6】本発明の第2の実施例に係る水槽水位制御装置
の概略構成を示す図である。
【図7】同実施例における水槽水位制御装置の水位調整
器装置の動作を説明する制御ブロック図である。
【図8】水槽水位とガイドベーン開度との関係を示す図
である。
【図9】同実施例における水位調整器装置の動作を説明
するフロチャートである。
【図10】水槽水位、水槽への水の流入量、水車流量及
びガイドベーン開度との関係を示すである。
【図11】水力発電所に用いられる従来の第2の水槽水
位制御装置の概略構成を示す図である。
【図12】従来の水位調整器装置の動作を説明するため
の制御ブロック図である。
【図13】水槽水位の制御状態を説明するための図であ
る。
【図14】水力発電所に用いられる従来の第2の水槽水
位制御装置の概略構成を示す図である。
【図15】水位調整器装置の動作を説明する制御ブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1…水槽、2…圧力鉄管、3…ガイドベーン、4…水
車、5…水車軸、6…発電機、8…水槽水位計、9…調
速機制御装置、10…油圧サーボモータ、13…差分
器、14…目標出力演算器、16…差分器、21…位置
変換器、41…水位調整器装置、51〜55…基準水位
設定器、61〜65…発電機出力リミッタ、71…リミ
ッタ、81…水位調整器装置、91〜95…基準水位設
定器、101〜105…ガイドベーン開度リミッタ、1
11…リミッタ、A1〜A5…基準水位切替スイッチ、
B1〜B5…基準水位切替スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢田 秀夫 広島県三次市十日市西5丁目10番30号 中 国電力株式会社内 (72)発明者 山下 俊治 広島県三次市十日市西5丁目10番30号 中 国電力株式会社内 (72)発明者 近内 忠 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 藪田 圭二郎 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水車発電機の水車を駆動させる水を貯蔵
    する水槽の水位と、予め定められた前記水槽の基準水位
    との水位偏差から前記水車発電機の目標出力値を演算
    し、この目標出力値と前記水車発電機の出力との偏差に
    基づいて水車発電機の出力を制御することにより前記水
    槽の水位を制御する水力発電所の水槽水位制御装置にお
    いて、 前記水槽の互いに異なる複数の段階的な基準水位を設定
    する基準水位設定手段と、 前記水車発電機の停止時に、前記水槽の越流水位から前
    記水槽へ流入する水の流入量を流入量特性に基づいて算
    出する流入量算出手段と、 前記流入量算出手段にて算出された流入量と、前記水車
    を駆動させる水の流量とが等しくなるよう前記基準水位
    設定手段にて設定された複数の基準水位の中から一つの
    基準水位を選択する基準水位選択手段と、 前記基準水位選択手段により選択された基準水位より定
    まる前記水車発電機の出力範囲の下限値以下に一定時間
    継続して前記水車発電機の出力が低下した場合に、前記
    選択された基準水位より高い基準水位に切り替える上方
    水位切替手段と、 前記基準水位選択手段により選択された基準水位より定
    まる前記水車発電機の出力範囲の上限値に前記水車発電
    機の出力が到達し、且つ前記水槽から水が越流している
    場合に、前記選択された基準水位より低い基準水位に切
    り替える下方水位切替手段とを具備したことを特徴とす
    る水力発電所の水槽水位制御装置。
  2. 【請求項2】 前記流入量算出手段で算出された流入量
    が前記水車発電機の無負荷以下の流入量の場合、前記水
    車発電機が再起動するのを防止する再起動防止手段とを
    具備したことを特徴とする請求項1記載の水力発電所の
    水槽水位制御装置。
  3. 【請求項3】 水車発電機の水車を駆動させる水を貯蔵
    する水槽の水位と、予め定められた前記水槽の基準水位
    との水位偏差から前記水車発電機の水車に供給される水
    の流量を制御するガイドベーンの開度目標値を演算し、
    この目標値と前記ガイドベーンの開度との偏差に基づい
    て前記ガイドーベーンの開度を制御することにより前記
    水槽の水位を制御する水力発電所の水槽水位制御装置に
    おいて、 前記水槽の互いに異なる複数の段階的な基準水位を設定
    する基準水位設定手段と、 前記水車発電機の停止時に、前記水槽の越流水位から前
    記水槽へ流入する水の流入量を流入量特性に基づいて算
    出する流入量算出手段と、 前記流入量算出手段にて算出された流入量と、前記水車
    を駆動させる水の流量とが等しくなるよう前記基準水位
    設定手段にて設定された複数の基準水位の中から一つの
    基準水位を選択する基準水位選択手段と、 前記基準水位選択手段により選択された基準水位より定
    まる前記ガイドベーンの開度範囲の下限値以下に一定時
    間継続して前記ガイドベーンの開度が閉じた場合に、前
    記選択された基準水位より高い基準水位に切り替える上
    方水位切替手段と、 前記基準水位選択手段により選択された基準水位より定
    まる前記ガイドベーンの開度範囲の上限値に前記ガイド
    ベーンの開度が到達し、且つ前記水槽から水が越流して
    いる場合に、前記選択された基準水位より低い基準水位
    に切り替える下方水位切替手段とを具備したことを特徴
    とする水力発電所の水槽水位制御装置。
  4. 【請求項4】 前記流入量算出手段で算出された流入量
    が前記水車発電機の無負荷開度以下の流入量の場合、前
    記水車発電機が再起動するのを防止する再起動防止手段
    とを具備したことを特徴とする請求項3記載の水力発電
    所の水槽水位制御装置。
JP7305964A 1995-11-24 1995-11-24 水力発電所の水槽水位制御装置 Expired - Lifetime JP2894978B2 (ja)

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JP2010150943A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Kayaba Ind Co Ltd 水力発電システム
JP2011234547A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発電機駆動システム
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CN111810345A (zh) * 2020-07-22 2020-10-23 河南郑大水利科技有限公司 一种径流式水电站前池水位调平方法及系统

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