JP2730808B2 - 電子写真用有機感光体 - Google Patents

電子写真用有機感光体

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JP2730808B2
JP2730808B2 JP6143691A JP6143691A JP2730808B2 JP 2730808 B2 JP2730808 B2 JP 2730808B2 JP 6143691 A JP6143691 A JP 6143691A JP 6143691 A JP6143691 A JP 6143691A JP 2730808 B2 JP2730808 B2 JP 2730808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、レーザプリン
ター等に使用される電子写真用有機感光体に関するもの
で、より詳細には、正帯電や両帯電が可能で、感度や残
留電位の改善された電子写真用有機感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル光学系を用いた電子写真複写に
は、通常700nm以上の波長を有する光源が使用され
ている。この波長領域に感度を有する感光体として、有
機感光体(OPC)、アモルファスシリコン(α−S
i)、一部のセレン感光体等が知られているが、感度、
コスト等の総合的見地から、この分野ではOPCを使用
するケースが多い。
【0003】有機感光体としては、電荷発生層(CG
L)と電荷輸送層(CTL)とを積層した所謂機能分離
型の有機感光体、即ち積層型の感光体が多いが、電荷輸
送物質の媒質中に電荷発生物質を分散させた単層分散型
の有機感光体も既に知られている。
【0004】この種の感光体の電荷輸送物質としては、
キャリヤ移動度の高いものが要求されているが、キャリ
ヤ移動度の高い電荷輸送剤は殆どが正孔輸送性であるた
め、実用に供せられているものは負帯電型の有機感光体
に限られている。しかしながら、負帯電型の有機感光体
では、負極性コロナ放電を利用するためオゾンの発生量
が多く、環境を汚染する、感光体を劣化する等の問題が
あり、これを防止するため、オゾンを発生させない格別
の帯電システムや、生成オゾンを分解するシステム、装
置内のオゾンを排気するシステム等、格別のシステムを
必要とし、プロセスやシステムが複雑化するという欠点
がある。また、積層型感光体では感光層の二度塗りが必
要であったり、感光体層に電荷発生層と電荷輸送層との
界面が存在するため、干渉縞が発生しやすいという光学
上の問題がある。
【0005】電子輸送能を有する電荷輸送物質の数少な
い例として、特開平1−206349号公報には、ジフ
ェノキノン構造を有する化合物が電子写真感光体用電荷
輸送剤として提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】前述した、ジフェノ
キノン誘導体は結着剤樹脂との相性性も良く、良好な電
子輸送能を示すと言われているが、このジフェノキノン
誘導体を用いた積層感光体では、未だ残留電位が高く、
実用面での感度が十分でないという欠点がある。
【0007】一方、感光体の帯電極性について言えば、
正帯電或いは更に負帯電との両方に用いることができれ
ば、感光体の応用範囲を更に広げることができ、前述し
た種々の欠点を解消し得る点で著しく有利である。ま
た、有機感光体を単層の分散型で使用できれば感光体の
製造を容易にし、被膜欠陥の発生を防止し、光学的特性
を向上させる上でも、多くの利点が達成される。
【0008】本発明者等は、正孔輸送剤としてイオン化
ポテンシャルが特定の範囲にあるものを選択し、これを
電子輸送剤としてのジフェノキノン誘導体、特に非対称
置換型のものと組み合わせ、樹脂媒質中に分散させて単
層分散型有機感光体とすると、感光体の残留電位を低下
させ、感度を向上させ得ることを見い出した。
【0009】本発明の目的は単層分散型で正帯電或いは
両帯電が可能で、残留電位が低いレベルに抑制され、し
かも上記帯電に対して優れた感度を示す電子写真用有機
感光体を提供するにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、導電
性基体上に有機感光層を設けた電子写真用有機感光体に
おいて、有機感光層が、樹脂媒質中に分散された電荷発
生剤、電子輸送剤としてのジフェノキノン誘導体及びイ
オン化ポテンシャが5.3乃至5.6eVの範囲にある
正孔輸送剤からなる組成物である有機感光体が提供され
る。
【0011】本発明によればまた、上記感光体であつ
て、電荷発生剤が5.3乃至5.6eVのイオン化ポテ
ンシャルを有する電荷発生顔料から成ることを特徴とす
る有機感光体が提供される。
【0012】用いるジフェノキノン誘導体は非対称置換
型のもの、特に前記「化1」「化2」または「化3」で
示されるものが好ましい。
【0013】
【作用】既に指摘した通り、本発明によれば、正孔輸送
剤の内でも、イオン化ポテンシャル(その測定は大気下
光電子分析装置(理研計器株式会社製、AC−1)によ
る)が5.3乃至5.6eV、特に5.32乃至5.5
6eVの範囲にあるものを選択し、これをジフェノキノ
ン誘導体、特に非対称置換型ジフェノキノン誘導体と組
み合わせ、電荷発生剤と共に樹脂媒質中に分散させる
と、残留電位が少なく、感度の向上した単層分散型有機
感光体となる。
【0014】本発明者等の研究によると、ジフェノキノ
ン誘導体と組み合わせる正孔輸送剤のイオン化ポテンシ
ャルと、感光層の残留電位(低い程見掛けの感度が増大
する)との間には一定の関係があり、イオン化ポテンシ
ャルが一定の範囲で、残留電位が最小値乃至その近傍の
値を示すことがわかった。
【0015】図1は、電荷発生剤、ジフェノキノン誘導
体及び種々の正孔輸送剤を一定の量比で樹脂中に含む単
層分散型有機感光体(詳細は後述する実施例参照)につ
いて、正孔輸送剤のイオン化ポテンシャルと帯電露光時
残留電位との関係をプロットしたものである。この図1
から、ジフェノキノン誘導体と組み合わす正孔輸送物質
のイオン化ポテンシャルを本発明で規定した範囲とする
ことにより、それ以外の場合に比して残留電位を小さい
レベルに抑制し、感度を向上させ得ることが了解され
る。
【0016】本発明の電子写真用有機感光体における電
荷像生成原理を説明する図2において、導電性基体1上
には、単層分散型の有機感光体層2が設けられており、
この有機感光体層2には電荷発生剤CG、ジフェノキノ
ン誘導体から成る電子輸送剤ET及び正孔輸送剤HTが
分散している。露光に先立った帯電工程により、有機感
光体層2の表面には正(+)に帯電されており、導電性
基体表面には負電荷(−)が誘導されている。この状態
で光線(hν)を照射すると、電荷発生剤CGには電荷
が発生し、電子は電子輸送剤ECに注入され、有機感光
体層2の表面に移動して、正電荷(+)を打ち消す。一
方、正孔(+)は正孔輸送剤HTに注入されて、途中で
トラップされることなく、導電性基体1の表面に移動し
て負電荷(−)により打ち消される。
【0017】本発明で電子輸送剤ETとしてジフェノキ
ノン誘導体を使用するのは、このものが電子輸送性に優
れていることに基づくものであり、これは分子鎖両端末
に電子受容性に優れたキノン系酸素原子が結合してお
り、また分子鎖全体にわたって共役に二重結合があつ
て、構造内の電子の移動が容易で、しかも電子の授受が
容易に行われることに関係しているものと思われる。
【0018】本発明において、正孔輸送剤HTとして、
イオン化ポテンシャルが前記範囲内にあるものを用いる
ことによって、残留電位を低下させ、感度を向上させ得
るのは現象として見いだされたものであり、必ずしも以
下の説明に限定されないが、次のようなものと考えられ
る。即ち、電荷発生剤CGから正孔輸送剤HTへの電荷
の注入のし易さは、正孔輸送剤HTのイオン化ポテンシ
ャルと密接に関連しており、正孔輸送剤HTのイオン化
ポテンシャルが本発明範囲よりも大きい場合には、電荷
発生材CGから正孔輸送剤HTへの電荷の注入の程度が
低くなるか、或いは正孔輸送剤HT間での正孔の授受の
程度が低くなるため感度の低下が生じるものと認められ
る。
【0019】一方、電荷輸送剤として、正孔輸送剤HT
と電子輸送剤ETとが共存する系では、両者の間の相互
作用、一層具体的には電荷移動錯体の形成に注意する必
要がある。両者の間にこのような錯体が形成されると、
正孔と電子との間に再結合が生じ、全体として電荷の移
動度が低下する。正孔輸送剤HTのイオン化ポテンシャ
ルが本発明の範囲よりも小さい場合には、電子輸送剤E
Tとの間に錯体を形成する傾向が大きくなり、電子−正
孔の再結合が生じるために、見掛の量子収率が低下し、
感度の低下に結びつくものと思われる。
【0020】本発明において、ジフェノキノン誘導体と
して非対称置換型のジフェノキノン、特に「化1」「化
2」または「化3」のジフェノキノンを用いることは、
二重の利点をもたらす。第1に、ジフェノキノンはあま
りにも対称的でしかも剛直な分子構造を有するため、感
光層形成に用いる溶媒に対する溶解性が低く、感光層媒
質となる樹脂に対しても相溶性が低いという問題がある
が、このジフェノキノン類に対してアルキル基又はアリ
ール基等の置換基を導入し、しかもこの導入の仕方を非
対称のものとすることにより、溶媒に対する溶解性や、
樹脂媒質に対する相溶性を向上させて、高濃度の電子輸
送剤を分散させることにより、電子輸送性を向上させる
ことができる。第二にジフェノキノン類に置換基、特に
嵩高な置換基を導入することにより、この誘導体に立体
障害性が付与され、正孔輸送剤HTとの間の錯体形成傾
向が抑制され、感度を向上させることができる。
【0021】本発明においては、ジフェノキノン誘導体
と組み合わせる正孔輸送剤として、イオン化ポテンシャ
ルが5.3乃至5.6eVのものを使用することに関連
して、電荷発生剤としても、正孔輸送剤とバランスした
イオン化ポテンシャルを有するもの、具体的にはイオン
化ポテンシャルが5.3乃至5.6eV、特に5.32
乃至5.38eVのものを用いるが、残留電位の抑制、
感度の向上の点で望ましい。
【0022】
【発明の好適態様】本発明に用いるジフェノキノン誘導
体としては、下記一般式
【化4】 式中、R1 、R2 、R3 及びR4 の各々は水素原子、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基等である、で表されるものが使用される。その適当な
例は、これに限定されないが、3,5−ジメチル−
, ,5, −ジtert−ブチルジフェノキノン、3,
, −ジメチル−5,5, −ジtert−ブチルジフェ
ノキノン、3,5, −ジメチル−3, ,5−ジtert
−ブチルジフェノキノン、3,5,3, ,5, −テトラ
メチルジフェノキノン、3,5,3, ,5, −テトラt
ert−ブチルジフェノキノン、3,5,3, ,5,
テトラフェニルジフェノキノン、3,5,3, ,5,
テトラシクロヘキシルジフェノキノン、等を挙げること
ができるが、下記式〔I〕、〔II〕あるいは式〔III〕
の関係を満足させる置換基を有するジフェノキノン誘導
体は、分子の対称性が低いため分子間の相互作用が小さ
く、溶解性に優れているために好ましい。
【数1】 (R1の炭素数=R3の炭素数)>(R2の炭素数=R4の炭素数)・・・〔I〕
【数2】 (R1の炭素数=R2の炭素数)>(R3の炭素数=R4の炭素数)・・・〔II〕
【数3】 (R1の炭素数=R4の炭素数)>(R2の炭素数=R3の炭素数)・・・〔III〕 これらのジフェノキノン誘導体は、一種または二種以上
混合して用いることもできる。
【0023】正孔輸送剤としては、前述した条件を満足
する限り、任意の正孔輸送剤が使用され、例えばオキサ
ジアゾール系化合物、スチリル化合物、カルバゾール系
化合物、有機ポリシラン系化合物、ピラゾリン化合物、
ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン系化合物、イン
ドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系
化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、
トリアゾール系化合物等の含窒素乾式化合物、縮合多環
式化合物の内、イオン化ポテンシャルが5.3乃至5.
6eVのものが使用される。また、電界強度3×105
V/cmで1×10-6 cm 2 /V・sec以上移動度を
有するものが特によい。
【0024】好適な正孔輸送剤は、これに限定されない
が、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4ジフェニル−1,3−ブタジエン、N,N’−ビ
ス(o,p−ジメチルフェニル)−N,N’−ジフェニ
ルベンジジン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,
N’−テトラキス−4−メチルフェニル(1,1’−ビ
フェニル)−4,4’−ジアミン、N−エチル−3−カ
ルバゾリルアルデヒド−N,N’−ジフェニルヒドラゾ
ン、4−[N,N−ビス(p−トルイル)アミノ]−β
−フェニルスチルベン等である。
【0025】電荷発生剤としては、例えば、セレン、セ
レン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、
アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、
フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔
料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系
顔料、キナクリドン系顔料等が例示され、所望の領域に
吸収波長域を有するよう、一種または二種以上混合して
用いられる。イオン化ポテンシャルが5.3乃至5.6
の範囲にあるものが好適であり、特に好適なものとし
て、次のものが例示される。X型メタルフリーフタロシ
アニン、オキソチタニルフタロシアニン。
【0026】また、上記の各剤を分散させる樹脂媒質と
しては、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチレン系重
合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、
アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、
アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、
フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型
樹脂等、各種の重合体が例示できる。これらの結着樹脂
は、一種または二種以上混合して用いることもできる。
好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合体、
スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル、アルキッ
ド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等である。
【0027】本発明の感光体において、電荷発生剤は固
形分当たり0.1乃至5重量%、特に0.25乃至2.
5重量%の量で感光層中に含有されるのがよく、またジ
フェノキノン誘導体(ET)は、固形分当たり5乃至5
0重量%、特に10乃至40重量%、一方正孔輸送剤
(HT)は、固形分当たり5乃至50重量%、特に10
乃至40重量%で夫々感光層中に含有されるのがよい。
更にET:HTの重量非は1:9乃至9:1、特に2:
8乃至8:2の範囲にあるのが最もよい。
【0028】本発明の感光体形成用組成物には、電子写
真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲で、それ自体公知
の種々の配合剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、
一重項クエンチャー、UV吸収剤、軟化剤、表面改質
剤、消 剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、
アクセプター、ドナー等を配合させることができる。
【0029】本発明によれば、全固形分当たり0.1乃
至50重量%の立体障害性フェノール系酸化防止剤を配
合すると、電子写真学的特性に悪影響を与えることな
く、感光層の耐久性を顕著に向上させ得ることがわかっ
た。適当な酸化防止剤は次の通りである。
【0030】BHT 2,6−ジt−ブチル−p−クレ
ゾール;イルガノックス245;
【化5】
【0031】イルガノックス1010;
【化6】
【0032】イルガノックス1076;
【化7】
【0033】ヨシノックスBB;
【化8】
【0034】ヌビン144;
【化9】
【0035】スミライザーGM;
【化10】
【0036】MARK A0−80:
【化11】
【0037】塗布液を形成するのに使用する溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示さ
れ、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の
固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
【0038】導電性基板としては、導電性を有する種々
の材料が使用でき、例えば、アルミニウム、銅、錫、白
金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミ
ウム、チタン、ニッケル、インジウム、ステンレス鋼、
真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネート
されたプラスック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化錫、
酸化インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0039】本発明の感光体では、単層分散型の感光体
であり、干渉稿等の発生がないことから、通常のアルミ
ニウム素管、特に膜厚が1乃至50μmとなるようにア
ルマイト処理を施した素管を用い得ることも利点の一つ
である。
【0040】尚、塗布液を形成するには、電荷発生材料
等と結着樹脂等を、従来公知の方法、例えば、ロールミ
ル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェイカーある
いは超音波分散器等を用いて調製し、従来公知の塗布手
段により塗布、乾燥すればよい。感光層の厚みは、特に
制限されないが、一般に5乃至100μm、特に10乃
至50μmの範囲にあることが望ましい。
【0041】
【実施例】以下に、実施例に基づき、本発明をより詳細
に説明する。 電荷発生剤 I :X型メタルフリーフタロシアニン(IP=5.38
ev) II :β型メタルフリーフタロシアニン(IP=5.32
ev) III:オキソチタニルフタロシアニン(IP=5.32e
v) IV :1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ
−(3,4−c)ピロロピロール(IP=5.46e
v) V :N,N,−ビス(3’,5’−ジメチルフェニル)
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシルジイ
ミド(IP=5.60ev) VI :2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロ
フェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレ
ノン(IP=5.90ev) VII:Mgフタロシアニン(IP=5.16ev) 尚、IPはイオン化ポテンシャルの略である。
【0042】正孔輸送剤 (a) 1,1−ビス(P−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン (IP=5.32ev、ドリフト移動度=7.5×10
^-6cm^2 /V・sec) (b) N,N’−ビス(O,P−ジメチルフェニル)−
N,N’−ジフェニルベンジジン (IP=5.43ev、ドリフト移動度=2.8×10
^-5cm^2 /V・sec) (c) 3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラ
キス−4−メチルフェニル(1,1’−ビフェニル)−
4,4’−ジアミン (IP=5.56ev、ドリフト移動度=5.1×10
^-5cm^2 /V・sec) (d) N−エチル−3−カルバゾリルアルデヒド−N,
N’−ジフェニルヒドラゾン (IP=5.53ev、ドリフト移動度=3.2×10
^-5cm^2 /V・sec) (e) 4−〔N,N−ビス(p−トルイル)アミノ〕−β
−フェニルスチルベン (IP=5.53ev、ドリフト移動度=3.5×10
^-5cm^2 /V・sec) (f) N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェ
ニル)−1,3−ジアミノベンゼン (IP=5.63ev、ドリフト移動度=3.0×10
^-5cm^2 /V・sec) (g) N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニ
ルヒドラゾン (IP=5.26ev、ドリフト移動度=1.0×10
^-6cm^2 /V・sec) (h) N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジフェニ
ルヒドラゾン (IP=5.32ev、ドリフト移動度=2.0×10
^-7cm^2 /V・sec)
【0043】電子輸送剤 (A)3,5,3, ,5, −テトラフェニルジフェノキ
ノン (B)3,5,3, ,5, −テトラtert−ブチルジ
フェノキノン (C)3,5−ジメチル−3, ,5, −ジtert−ブ
チルジフェノキノン (D)3,3, −ジメチル−5,5, −ジtert−ブ
チルジフェノキノン (E)トリニトロフルオレノン(TNF)
【0044】実施例1〜実施例12および比較例1〜比
較例2 電荷発生剤として表1、表2に示す化合物1重量部、正
孔輸送剤として表1に示す化合物60重量部、電子輸送
剤として表1に示すジフェノキノン誘導体40重量部、
結着剤としてのポリカーボネート100重量部および溶
媒として所定量のジメクロロメタンを、ボールミルで混
合分散して単層型感光層用塗布液を調整し、この調整液
をアルミニウム箔上にワイヤーバーにて塗布した後、6
0℃で60分間熱風乾燥することにより膜厚15〜20
μmの単層型電子写真用感光体を作成した。
【0045】実施例13 電荷発生剤として表1に示す化合物を0.2重量部とし
たこと以外は実施例3と同様にして単層型電子写真用感
光体を作成した。
【0046】実施例14 電荷発生剤として表1に示す化合物を0.5重量部とし
たこと以外は実施例3と同様にして単層型電子写真用感
光体を作成した。
【0047】実施例15 電荷発生剤として表1に示す化合物を2重量部としたこ
と以外は実施例3と同様にして単層型電子写真用感光体
を作成した。
【0048】実施例16 電荷発生剤として表1に示す化合物を3.5重量部とし
たこと以外は実施例3と同様にして単層型電子写真用感
光体を作成した。
【0049】実施例17 電荷発生剤として表1に示す化合物を5重量部としたこ
と以外は実施例3と同様にして単層型電子写真用感光体
を作成した。
【0050】実施例18 電荷発生剤として表2に示す化合物を10重量部とした
こと以外は実施例3と同様にして単層型電子写真用感光
体を作成した。
【0051】実施例19〜実施例21 電子輸送剤として表2に示すジフェノキノン誘導体を3
0重量部としたこと以外は実施例3と同様にして単層型
電子写真用感光体を作成した。
【0052】実施例22 単層型感光層の膜厚を約10μmとしたこと以外は実施
例3と同様にして単層型電子写真用感光体を作成した。
【0053】実施例23 単層型感光層の膜厚を約30μmとしたこと以外は実施
例3と同様にして単層型電子写真用感光体を作成した。
【0054】実施例24 単層型感光層の膜厚を約40μmとしたこと以外は実施
例3と同様にして単層型電子写真用感光体を作成した。
【0055】実施例25 酸化防止剤としての2,6−ジ−tert−ブチル−p
−クレゾールを10重量部添加したこと以外は実施例3
と同様にして単層型電子写真用感光体を作成した。
【0056】比較例3 電子輸送剤としてTNFを5部用いたこと以外は実施例
3と同様にして単層型電子写真用感光体を作成した。
【0057】比較例4 電子輸送剤を用いなかったこと以外は実施例3と同様に
して単層型電子写真用感光体を作成した。
【0058】比較例5 正孔輸送剤を用いなかったこと以外は実施例3と同様に
して単層電子写真用感光体を作成した。 [電子写真感光体の評価]静電複写試験装置(川口電気
社製、EPA−8100)を用いて、各実施例及び各比
較例で得られた感光体に印加電圧を加えて正に帯電さ
せ、光源として白色ハロゲン光を用いて電子写真特性を
測定し、その結果を表1及び表2に示した。なお表中V
1(V)は電圧を印加して、感光体を帯電させた時の感光体
の初期表面電位を示し、またE1/2(μJ/cm^2)は
表面電位V1(V)の1/2になるのに要した時間より算出
した半減露光量を示す。また、表中のV2(V)は露光開始
後5秒経過後の表面電位を残留電位として測定したもの
である。
【0059】実施例26〜実施例30 実施例1〜実施例5で得られた感光体を負に帯電させた
こと以外は、上記電子写真感光体の評価と同様にして測
定を行った。結果は表2に示す。
【0060】耐刷性 実施例3、実施例25および比較例1で得られた感光体
を複写機に装着し、1000サイクルの複写工程を行っ
た後の表面電位V1000(V) を測定した。結果は表3に示
す。
【0061】表1,2より明らかなように、本発明の電
子写真感光体は残留電位が少なく、感度の向上したもの
である。さらに表3より明らかなように、本発明の電子
写真感光体において立体障害性フェノール系酸化防止剤
を含有した実施例25の電子写真感光体は、1000回
の繰り返し使用において帯電特性が良好なものであるこ
とがわかる。これに対して正孔輸送剤としてイオン化ポ
テシャルが5.3乃至5.6eVから外れた比較例2の
電子写真感光体は残留電位が多く、感度の悪化したもの
であり、比較例1の電子写真感光体は表3から明らかな
ように1000回の繰り返し使用において帯電特性の低
下するものであった。また、電子輸送剤としてジフェノ
キノン誘導体を使用しなかった比較例3,4および正孔
輸送剤を使用しなかった比較例5の電子写真感光体は、
何れも残留電位が多いばかりか露光により減衰しないも
のであった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、正孔輸送剤の内でも、
イオン化ポテンシャルが5.3乃至5.6eV、特に
5.32乃至5.56eVの範囲にあるものを選択し、
これをジフェノキノン誘導体特に非対称置換型ジフェノ
キノン誘導体と組み合わせ、電荷発生剤と共に樹脂媒質
中に分散させると、残留電位が少なく、感度の向上した
単層分散型有機感光体が得られ、この感光体は正帯電域
或いは両帯電の用途に有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷発生剤、ジフェノキノン誘導体及び種々の
正孔輸送剤を一定の量比で含んだ単層分散型有機感光体
の正孔輸送剤のイオン化ポテンシャルと残留電位との関
係をプロットした図
【図2】本発明の電子写真用有機感光体を示す図
【符号の説明】
1…導電性基体 2…有機感光体層

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に有機感光層を設けた電子写
    真用有機感光体において、有機感光層が、樹脂媒質中に
    分散された電荷発生剤、電子輸送剤としてのジフェノキ
    ノン誘導体及びイオン化ポテンシャルが5.3乃至5.
    6eVの範囲にある正孔輸送剤から成る組成物である感
    光体。
  2. 【請求項2】電荷発生剤が5.3乃至5.6eVのイオ
    ン化ポテンシャルを有する電荷発生剤である請求項1記
    載の有機感光体。
  3. 【請求項3】電荷発生剤がX型無金属フタロシアニンで
    ある請求項1記載の有機感光体。
  4. 【請求項4】電荷発生剤が固形分当たり0.1乃至5重
    量%の量で有機感光層中に存在する請求項1記載の有機
    感光体。
  5. 【請求項5】ジフェノキノン誘導体が非対称置換型ジフ
    ェノキノン誘導体である請求項1記載の有機感光体。
  6. 【請求項6】 ジフェノキノン誘導体が式 【化1】 【化2】 または 【化3】 式中、R1 及びR2 の各々はアルキル基、又はアリール
    基であって、基R1 に比して基R2 の方が大きい炭素数
    を有するものとする で表されるジフェノキノン誘導体である請求項1に記載
    の有機感光体。
  7. 【請求項7】正孔輸送剤がアルキル置換トリフェニルジ
    アミンである請求項1記載の有機感光体。
  8. 【請求項8】正孔輸送剤が電界強度3×105 V/cm
    1×10-6 cm 2 V・sec以上の正孔移動度を示
    すものである請求項1記載の有機感光体。
  9. 【請求項9】有機感光層が5乃至50μmの膜厚を有す
    る請求項1記載の有機感光体。
  10. 【請求項10】有機感光層が全固形分当たり0.1乃至
    50重量%の立体障害性フェノール系酸化防止剤を含有
    する請求項1記載の有機感光体。
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