JP2730355B2 - ブラシレス直流モータの駆動回路 - Google Patents

ブラシレス直流モータの駆動回路

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JP2730355B2
JP2730355B2 JP3292713A JP29271391A JP2730355B2 JP 2730355 B2 JP2730355 B2 JP 2730355B2 JP 3292713 A JP3292713 A JP 3292713A JP 29271391 A JP29271391 A JP 29271391A JP 2730355 B2 JP2730355 B2 JP 2730355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電機子巻線の端子電圧
から回転子の位置を検出し、検出位置に応じて3相イン
バータの通流状態を切り換えるブラシレス直流モータの
駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の駆動回路として、例えば
図5(A)に示すようなものが知られている(特開昭52
−144727号公報)。この駆動回路は、夫々還流ダ
イオード36a〜36fをもつ6個のトランジスタTr1
〜Tr6を3相フルブリッジに接続してなり、電源32
に接続されるインバータ回路31と、このインバータ回
路31により給電される3相に結線された電機子巻線3
7a〜37cおよび永久磁石の回転子38からなるブラシ
レス直流モータ33と、上記電機子巻線37a〜37cの
端子電圧から回転子38の位置を検出する誘起電圧検出
手段34と、この検出手段34で検出された回転子の位
置に応じて上記インバータ回路31のトランジスタTr
1〜Tr6を順次切り換え導通して、回転子38を同期
回転させる制御手段35で構成される。上記誘起電圧検
出手段34は、図5(B)に示すように、抵抗と接地コン
デンサからなり、上記端子電圧から高調波を除去する1
次形のローパスフィルタ39a〜39cと、この各出力信
号から直流成分を除去する結合コンデンサおよび接地抵
抗と、各結合コンデンサからの出力を非反転入力端子+
に受ける一方、上記出力を3相Y接続された抵抗40の
中性点41から反転入力端子−に受ける比較器42a〜
42cで構成される。
【0003】3つの電機子巻線37a〜37cの端子電圧
は、図6の43−a,43−b,43−cに示すように12
0°(電気角)ずつ位相がずれた3相平衡電圧であり、ロ
ーパスフィルタ39a〜39cと結合コンデンサを通過す
ることにより高調波および直流成分が除去されるととも
に、端子電圧つまりモータ運転の基本周波数の所定範囲
において端子電圧に対して略90°だけ位相が遅れて、
図6の44−a〜44−cに示すような三角波信号とな
る。これらの三角波信号は、中性点41で重畳されて図
6の45で示すような信号となって各比較器の−端子に
入力され、比較器42a〜42cは、この信号45と+端
子に入力される上記信号44−a〜44−cの大小を比較
して、夫々図6の46−a〜46−cに示すような位置信
号を出力する。次いで、制御手段35は、この位置信号
を受けてその立ち上がりまたは立ち下がりエッジで、イ
ンバータ回路31のトランジスタTr1〜Tr6を順次オ
ン,オフする図6の47で示すような転流制御信号を出
力して、ブラシレス直流モータ33の回転子38を同期
回転させるのである。
【0004】ところが、上記従来の駆動回路の誘起電圧
検出手段34を構成するローパスフィルタ39や結合コ
ンデンサと抵抗からなる直流成分除去フィルタは、その
周波数特性が平坦でないので、出力信号の位相がモータ
33の全運転周波数に亘って正確に入力信号に対して9
0°遅れるものではなく、出力信号44−a〜44−c
は、入力信号(端子電圧)に対して丁度90°遅れた図7
の実線で示す三角波信号に対して、位相が破線三角波の
如く進んだり、一点鎖線三角波の如く遅れたりする。そ
のため、上記位置信号46−a〜46−cおよび制御手段
35からインバータ回路31に出力される転流制御信号
47の位相にも進みや遅れが生じて、ブラシレス直流モ
ータ33を最適効率で運転することができないという問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題を解決する
には、制御手段35により、位置信号が進み位相のとき
に遅れ補正を、遅れ位相のときに進み補正を行なう手法
が考えられる。即ち、例えばTr1を導通させる場合、
比較器42bからの進み位相の位置信号は、図6の46
−bに対して僅かに左側へシフトして、図7の遅れ補正
46−bの如くなる。そこで、最も近い位置信号46−b
の立ち下がりエッジを検出して、その時点でタイマをス
タートさせ、そのときのモータの運転周波数に応じて予
め実験で求められている進み位相角に対応する所定時間
を図中の矢印48で示すように計時し、計時終了と同時
にTr1に図示の転流制御信号47を出力するのであ
る。しかし、この手法は、計時時間が短くなるため、制
御手段35内での信号の遅延やタイマの分解能の制約に
より正確な補正ができず、また、同じ立ち下がりエッジ
を用いて図中の矢印49の如く進み補正によりTr6を
導通させる場合との間で制御の切り換えが必要になり、
切り換え時に大きな過渡的変化が生じるという欠点があ
る。
【0006】そこで、遅れ補正のいま一つの手法とし
て、1つ手前の位置信号46−cの立ち上がりエッジを
検出して、矢印50の如く同様の所定時間を計時し、計
時終了と同時にTr1を導通させることが考えられる。
ところが、この手法では、図中の矢印50と同じ多くの
矢印が時間的に重なっていることから判るように、Tr
1〜Tr6の駆動には少なくとも2個のタイマが必要に
なるうえ、計時時間が電気角で60゜以上と長くなっ
て、タイマによる時間遅れの増大で制御性が悪化すると
いう欠点がある。一方、比較器42bからの遅れ位相の
位置信号は、図6の46−bに対して僅かに右へシフト
して、図7の進み補正46−bの如くなる。この場合、
位置信号46−bの立ち下がりエッジは、Tr1に代えて
Tr6の導通制御に用い(矢印49参照)、位置信号46
−cの立ち上がりエッジから所定時間を計時してTr1を
導通させている。この手法では、進み補正である限り、
計時時間も比較的短く、計時の重なりがなくてタイマが
1個で済むが、モータの運転周波数により遅れ補正が必
要となると、上述と同じ欠点が現われる。
【0007】そこで、本発明の目的は、誘起電圧検出手
段の比較器の結線を工夫して、インバータ回路のトラン
ジスタをオン,オフする計時の起点となる立ち上がりま
たは立ち下がりエッジの位相が、従来よりも30゜進ん
だ位置信号を得ることによって、タイマが1つで済み、
タイマにおける時間遅れも殆んどなく、良好な制御性で
もって全運転周波数に亘ってモータを最適効率で駆動で
きるブラシレス直流モータの駆動回路を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載のブラシレス直流モータの駆動回路
は、図1,図5に例示するように、永久磁石の回転子3
8と3相に結線された電機子巻線37a〜37cを有する
同期モータ33を、上記電機子巻線37a〜37cの端子
電圧43−a〜43−cから回転子38の位置を検出し、
6個の半導体スイッチング素子Tr1〜Tr6を3相ブリ
ッジ接続したインバータ回路31の通流状態を、検出さ
れた上記回転子38の位置に応じて順次切り換えて駆動
するものにおいて、上記電機子巻線37a〜37cの夫々
に接続され、結合コンデンサを有して入力される1相の
端子電圧43−a〜43−cから高調波を除去して位相が
90°を中心として所定の角度範囲で遅れた信号を出力
する3個のローパスフィルタ2a〜2cと、これら3個
のローパスフィルタ2a〜2cから2個ずつ取った組合
せの夫々の出力に接続され、2つのローパスフィルタ2
a〜2cから入力される2相の信号を比較して、比較結果
を残りの1相の位置信号として出力する3個の比較器3
a〜3cとを備え、これらの比較器3a〜3cの出力に
基づいて上記インバータ回路31を所定の通流状態に切
り換えることを特徴とする。また、請求項2に記載のブ
ラシレス直流モータの駆動回路は、上述と同様のものに
おいて、上記電機子巻線37a〜37cの夫々に接続さ
れ、結合コンデンサを有して入力される1相の端子電圧
43−a〜43−cから高調波を除去して位相が90°を
中心として所定の角度で遅れた信号を出力する3個のロ
ーパスフィルタ2a〜2cと、これら3個のローパスフ
ィルタ2a〜2cから2個ずつ取った組合せの夫々の出
力に接続され、2つのローパスフィルタ2a〜2cから入
力される2相の信号を比較して、比較結果を残りの1相
の位置信号として出力する3個の比較器3a〜3cと、こ
の比較器3a〜3cからの位置信号11−a〜11−cの間
隔を計測する第1タイマ8と、この第1タイマ8の計測
結果が表わす周波数に応じて上記ローパスフィルタ2a
〜2cが特性値として有する所定の位相角の進みまたは
遅れを算出する位相差算出手段7と、算出された位相角
の進みまたは遅れに対応する所定時間を、上記比較器3
a〜3cからの位置信号11−a〜11−cの最寄りの立ち
上がりまたは立ち下がりエッジから計時する第2タイマ
9と、この第2タイマ9の計時終了時に上記インバータ
回路31を上記3個の比較器3a〜3cの出力に応じた所
定の通流状態に切り換える制御手段7を備えたことを特
徴とする。
【0009】
【作用】請求項1の駆動回路において、電機子巻線37
a〜37cから各ローパスフィルタ2a〜2cを経て濾波
された各相の端子電圧44−a〜44−cは、高調波が
除去され、かつ結合コンデンサにより濾波前の信号43
−a〜43−cよりも位相が90°遅れた信号に対し
て、フィルタの周波数特性よりモータ33の運転周波数
の高,低に応じて位相が遅れ,進みする。3つの比較器3
a〜3cは、いずれも上記出力信号44−a〜44−cを受
けてそのうちの2相を比較して残りの1相の位置信号を
出力するので、3つの位置信号11−a〜11−c全体で
みればその立ち上がり,立ち下がりエッジの位相は、従
来の位置信号46−a〜46−cの立ち上がり,立ち下が
りエッジの位相よりも30゜進む。従って、モータ33
の運転周波数の高,低による位相の遅れ,進みに対する進
み,遅れ補正のいずれにおいても、位置信号11−a〜1
1−cの最寄りのエッジから30゜前後にあたる短時間の
計時で、どの半導体スイッチング素子Tr1〜Tr6をも
オン,オフできる。また、請求項2の駆動回路では、ロ
ーパスフィルタ2a〜2cの出力信号は、高調波が除去
されるとともに、入力信号である電機子巻線37a〜3
7cの端子電圧43−a〜43−cよりも結合コンデンサ
により90゜位相が遅れた信号に対して、ローパスフィ
ルタ2a〜2cの周波数特性によりモータ33の運転周
波数の高,低に応じて位相が遅れ,進みする。3つの比較
器3a〜3cは、いずれも上記出力信号44−a〜44−c
を受けてそのうちの2相を比較して残りの1相の位置信
号を出力するので、3つの位置信号11−a〜11−c全
体でみればその立ち上がり,立ち下がりエッジの位相
は、従来の位置信号46−a〜46−cの立ち上がり,立
ち下がりエッジの位相よりも30゜進む。次いで、第1
タイマ8は、比較器3a〜3cからの上記位置信号11−
a〜11−cの間隔を計測し、位相差算出手段7は、この
第1タイマ8の計測結果が表わす周波数に応じて上記ロ
ーパスフィルタ2a〜2cが特性値として有する上記9
0゜遅れ信号に対する所定の位相角の進みまたは遅れを
算出する。さらに、第2タイマは、算出された位相角の
進みまたは遅れに対応する所定時間を、従来例より30
゜進んだ上記位置信号11−a〜11−cの最寄りの立ち
上がり,立ち下がりエッジから計時する。そして、この
計時が終了すると同時に、制御手段7はインバータ回路
31を3つの比較器3a〜3cの出力に応じた所定の通流
状態に切り換える。こうして、モータ33の運転周波数
の高,低による位相の遅れ,進みに対する進み,遅れ補正
のいずれにおいても、位置信号11−a〜11−cの最寄
りのエッジから30゜前後にあたる短時間の計時で、ど
の半導体スイッチング素子Tr1〜Tr6をもオン,オフ
できる。従って、計時の重なりがなくなって第2タイマ
9が1つで済むとともに、タイマにおける時間遅れも殆
んどなくなり、インバータ回路31を正確なタイミング
で転流制御して、モータ33を全運転周波数に亘って最
適効率で駆動することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。本発明のブラシレス直流モータの駆動回路は、
誘起電圧検出回路と制御手段が異なる点を除いて図5で
述べた従来例と同じ構成であり、同一部材についての説
明は省略する。上記誘起電圧検出回路1は、図1(A)に
示すように、電機子巻線37a〜37c(図5参照)の各端
子電圧43−a〜43−c(図2参照)を受ける3つのロー
パスフィルタ2a,2b,2cと、これらのフィルタからの
三角波の出力信号44−a〜44−c(図2参照)を受ける
3つの比較器3a,3b,3cで構成される。各ローパスフ
ィルタ2a,2b,2cは、図1(B)に示すように、図5
(B)で述べたと同様の高調波を除去するローパスフィル
タ39と、直流成分を除去する結合コンデンサおよび接
地抵抗と、ノイズを除去する抵抗および接地コンデンサ
からなるローパスフィルタから、あるいは図1(C)に示
すように、上記前2者を前後逆に接続したものからな
る。一方、各比較器3a,3b,3cは、ローパスフィルタ
2からの2相の入力を比較して残りの1相の位置信号を
出力するようになっている。即ち、比較器3aは、ロー
パスフィルタ2b,2cから夫々+,−入力端子に入力され
る信号を比較して、位置信号11−aを出力し、比較器
3bは、ローパスフィルタ2c,2aからの同様の信号を比
較して、位置信号11−bを出力し、比較器3cは、ロー
パスフィルタ2a,2bからの同様の信号を比較して、位
置信号11−cを出力する(図2参照)。
【0011】一方、上記制御手段4は、図1(D)に示す
ように、インターフェース5を経て受けた上記位置信号
11−a〜11−cを処理し、転流制御信号47(図2参
照)としてドライブ部6を経てインバータ回路31に出
力する位相差算出手段および制御手段としてのCPU7
と、このCPU7に付属する第1タイマ8,第2タイマ
9およびメモリ10で構成される。上記第1タイマ8
は、位置信号11−a〜11−cのエッジからエッジの間
隔を計測する。計測された位置信号の間隔は、電機子巻
線37の端子電圧の周波数ひいてはモータ33の回転数
に対応するが、この周波数に対してローパスフィルタ2
が特性値として有する出力信号の位相角の進みまたは遅
れは、予め実験で図4のように求まっている。同図から
出力信号の位相は、図6で述べた入力信号よりも90゜遅
れた位相に対して、周波数100Hzを境にそれ以下で
は進み側に、それ以上では遅れ側にシフトすることが判
る。上記メモリ10には、この図4で示す周波数と位相
遅れ角のデータが格納される。なお、図1(B),(C)の
出力側のローパスフィルタを省略すれば、上記位相の遅
れは90°以上になることはない。
【0012】上記CPU7は、位相差算出手段として、
第1タイマ8が計測した時間間隔から周波数を求め、こ
の周波数に対応する位相遅れ角をメモリ10のデータか
ら求めて、この位相遅れ角から第2タイマ9にセットす
べき所定時間を算出する。この所定時間は、例えばロー
パスフィルタ2の出力信号の位相が入力信号に対して丁
度90゜遅れている場合、図2の11−a〜11−c中の
矢印で示す時間になる。そして、オン,オフ制御しよう
とするトランジスタに1対1に対応する位置信号11−
a〜11−cの最寄りの立ち上がりまたは立ち下がりエッ
ジから上記所定時間の計時を開始させる。例えば、トラ
ンジスタTr1に対応するのは、図2から判るように位
置信号11−aの立ち下がりエッジである。かくて、C
PU7は、以上の処理を繰り返すべく、端子電圧の周波
数を再び求めるために第1タイマ8をリセットする(図
3(A)参照)。
【0013】さらに、上記CPU7は、制御手段とし
て、第2タイマ9による上記所定時間の計時終了時に、
3つの位置信号11−a〜11−cの論理レベルの組合せ
に応じて、オン,オフすべきトランジスタを判断し、そ
のトランジスタに転流制御信号を出力する。図2から判
るように、例えば上記論理レベルの組合せが、「L,H,
L」 ならトランジスタTr1をオンにし、「L,L,H」 な
らトランジスタTr1をオフにする転流制御信号とな
る。この処理も、上述の図3(A)の処理と同様、繰り返
される(図3(B)参照)。
【0014】上記構成のブラシレス直流モータの駆動回
路の動作を次に説明する。モータ33の3つの電機子巻
線37a〜37cの端子電圧は、図2の43−a,43−b,
43−cに示すように120゜ずつ位相がずれている。こ
の端子電圧は、図1(A)に示す誘起電圧検出回路1の対
応するローパスフィルタ2a,2b,2cに入力されて、高
調波および直流成分が除去されるとともに、位相が例え
ば90゜遅れた図2の44−a〜44−cの如き三角波信
号となる。なお、上記位相の遅れは、図4に示すよう
に、フィルタの周波数特性により端子電圧の周波数の
高,低に応じて遅れ,進み側に変化する。上記ローパスフ
ィルタからの各三角波信号は、比較器3a,3b,3cで比
較されるが、いずれの比較器も、他の2相の入力信号の
比較結果をその相の位置信号として出力するので、例え
ば比較器3aの位置信号11−aは、三角波信号44−b
が44−cよりも大きくなる図2中の縦線51で示す時
点で立ち上がる。この立ち上がり時点は、従来の比較器
42b(図5(B)参照)からの位置信号46−bの立ち上が
り時点、即ち図6中の縦線52で示す時点よりも位相が
30゜進んでいる。他の比較器3b,3cについても同様に
位相が30゜進むので、3つの位置信号11−a〜11−
c全体でみれば、その立ち上がり,立ち下がりエッジの位
相は、従来の位置信号46−a〜46−cの立ち上がり,
立ち下がりエッジの位相よりも30゜進むことになる。
【0015】さて、制御手段4の第1タイマ8は、CP
U7の制御下で上記位置信号11−a〜11−cのエッジ
からエッジの間隔を計測し、CPU7は、この計測値を
図3(A)のステップS1で示すように読み込み、ステッ
プS2で、計測値から周波数を求め、この周波数に応じ
てメモリ10に格納した図4に示す周波数と位相遅れ角
のデータに基づき、位相補正量を算出する。次いで、ス
テップS3で、上記位相補正量を第2タイマ9にセット
し、オン,オフ制御すべきトランジスタTr1〜Tr6(図
5参照)に1対1に対応する位置信号11−a〜11−c
の最寄りの立ち上がりまたは立ち下がりエッジから第2
タイマ9をスタートして計時を開始させる。タイマスタ
ート時点は、例えばトランジスタTr4に対しては、図
2から判るように位置信号11−aの立ち上がりエッジ
である。なお、図2では各ローパスフィルタ2a〜2cの
出力(三角波)信号が入力信号に対して丁度90゜遅れて
いて、図中の矢印で示す位相補正量が30゜の場合を示
したが、この位相補正量が三角波信号の遅れ具合に応じ
て増減するのはいうまでもない。そして、CPU7は、
ステップS4で以上の処理を繰り返すべく、端子電圧4
3−a〜43−cの周波数を再び求めるために、第1タイ
マ8をリセットして計時を再スタートさせる。
【0016】さらに、CPU7は、第2タイマ9が位相
補正量に対応する時間の計時を終了したとき(図2中の
矢印の先端参照)、図3(B)の処理に移り、ステップS
11で、その時点の3つの位置信号11−a〜11−cの
論理レベルの組合せに応じてオフ,オフすべきトランジ
スタを判断し、ステップS12で、ドライブ部6(図1
(D)参照)を介してそのトランジスタに転流制御信号4
7を出力する。例えば、論理レベルの組合せが 「H,L,
H」 なら、トランジスタTr4をオンにする転流制御信
号となる。この処理も、上述の図3(A)の処理と同様、
繰り返される。
【0017】こうして、ブラシレス直流モータ33の運
転周波数の高,低によりローパスフィルタ2a〜2cの周
波数特性に起因して生じる出力信号の遅れ,進みを、比
較器3a〜3cの結線を工夫して従来よりも30゜進んだ
位置信号11−a〜11−cを得て、その最寄りのエッジ
から位相補正量を計時することにより、進み補正では1
0゜程度の、遅れ補正でも30゜程度の夫々短時間の計時
にて、どのトランジスタTr1〜Tr6をもオン,オフす
ることができる。従って、図2の矢印からも判るように
計時の重なりがなくなって、従来例と異なり第2タイマ
9が1つで済むとともに、第2タイマ9における時間遅
れも少なくなって、インバータ回路31を正確なタイミ
ングで転流制御して、良好な制御性でもって全運転周波
数に亘ってブラシレス直流モータ33を最適効率で駆動
することができる。
【0018】上記実施例では、CPU7に位相差検出手
段と制御手段の役割を兼ねさせ、このCPU7で第1,
第2タイマ8,9およびメモリ10の制御も行なうよう
にしているので、構成の簡素化,低廉化を図れるという
利点がある。なお、上記実施例では、遅れ補正のみを説
明したが、進み補正も同様に行なえるのは勿論である。
また、上記実施例では、直流成分を除去する結合コンデ
ンサやノイズ除去用のローパスフィルタも備えたローパ
スフィルタ2を用いたが、これを高調波のみを除去する
ローパスフィルタだけにすることもできる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
請求項1に記載のブラシレス直流モータの駆動回路は、
電機子巻線から各ローパスフィルタを経て濾波された各
相の端子電圧のうちの2相を各比較器で比較して比較結
果を残りの1相の位置信号として出力し、この出力に基
づいてインバータ回路を所定の通流状態に切り換えるよ
うにしているので、エッジの位相が従来よりも30°進
んだ位置信号が得られ、このエッジを用いて従来よりも
短時間の計時で正確な通流状態の制御ができるから、モ
ータを全運転周波数に亘って良好に駆動することができ
る。また、本発明の請求項2に記載のブラシレス直流モ
ータの駆動回路は、電機子巻線の各相の端子電圧からロ
ーパスフィルタで高調波を除去し、その2相の出力を各
比較器で比較して残りの1相の位置信号として出力する
一方、この位置信号の間隔を第1タイマで計測し、計測
結果が表わす周波数に応じてローパスフィルタが特性値
としてもつ所定の位相角の進み,遅れを位相差算出手段
で算出するとともに、算出した位相角の進み,遅れに対
応する所定時間を第2タイマにより比較器からの位置信
号の最寄りの立ち上がり,立ち下がりエッジから計時
し、この計時終了時にインバータ回路の半導体スイッチ
ング素子を、制御手段により比較器の出力に応じた所定
の通流状態に切り換えるようにしているので、第2タイ
マが1つで済み、タイマにおける時間遅れも少なくなっ
て、正確なタイミングの転流制御で、モータを良好な制
御性でもって全運転周波数に亘って最適効率で駆動する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘起電圧検出回路,この回路のフィ
ルタおよび制御手段の一例を夫々示す図である。
【図2】 上記一例の端子電圧,フィルタの出力たる三
角波信号,比較器の出力たる位置信号および転流制御信
号を夫々示すタイミングチャートである。
【図3】 上記制御手段の信号処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図4】 上記制御手段のメモリに記憶される上記フィ
ルタの周波数と位相遅れの関係を示す特性曲線である。
【図5】 従来のブラシレス直流モータの駆動回路を示
す全体図および誘起電圧検出回路の詳細図である。
【図6】 上記従来例の端子電圧,フィルタの出力たる
三角波信号,この出力の中性点の信号,比較器の出力たる
位置信号および転流制御信号を夫々示すタイミングチャ
ートである。
【図7】 図6における信号の遅れ,進みおよび遅れ補
正,進み補正を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…誘起電圧検出回路、2a〜2c…ローパスフィルタ、
3a〜3c…比較器、4…制御手段、7…CPU、8…第
1タイマ、9…第2タイマ、10…メモリ、31…イン
バータ回路、32…電源、33…ブラシレス直流モー
タ、37a〜37c…電機子巻線、38…回転子、39…
ローパスフィルタ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石の回転子(38)と3相に結線さ
    れた電機子巻線(37a〜37c)を有する同期モータ(3
    3)を、上記電機子巻線(37a〜37c)の端子電圧(43
    −a〜43−c)から回転子(38)の位置を検出し、6個
    の半導体スイッチング素子(Tr1〜Tr6)を3相ブリッ
    ジ接続したインバータ回路(31)の通流状態を、検出さ
    れた上記回転子(38)の位置に応じて順次切り換えて駆
    動するブラシレス直流モータの駆動回路において、 上記電機子巻線(37a〜37c)の夫々に接続され、結合
    コンデンサを有して入力される1相の端子電圧(43−a
    〜43−c)から高調波を除去して位相が90°を中心と
    して所定の角度範囲で遅れた信号を出力する3個のロー
    パスフィルタ(2a〜2c)と、これら3個のローパスフ
    ィルタ(2a〜2c)から2個ずつ取った組合せの夫々の
    出力に接続され、2つのローパスフィルタ(2a〜2c)か
    ら入力される2相の信号を比較して、比較結果を残りの
    1相の位置信号として出力する3個の比較器(3a〜3
    c)とを備え、これらの比較器(3a〜3c)の出力に基
    づいて上記インバータ回路(31)を所定の通流状態に切
    り換えることを特徴とするブラシレス直流モータの駆動
    回路。
  2. 【請求項2】 永久磁石の回転子(38)と3相に結線さ
    れた電機子巻線(37a〜37c)を有する同期モータ(3
    3)を、上記電機子巻線(37a〜37c)の端子電圧(43
    −a〜43−c)から回転子(38)の位置を検出し、6個
    の半導体スイッチング素子(Tr1〜Tr6)を3相ブリッ
    ジ接続したインバータ回路(31)の通流状態を、検出さ
    れた上記回転子(38)の位置に応じて順次切り換えて駆
    動するブラシレス直流モータの駆動回路において、 上記電機子巻線(37a〜37c)の夫々に接続され、結合
    コンデンサを有して入力される1相の端子電圧(43−a
    〜43−c)から高調波を除去して位相が90°を中心と
    して所定の角度範囲で遅れた信号を出力する3個のロー
    パスフィルタ(2a〜2c)とこれら3個のローパスフ
    ィルタ(2a〜2c)から2個ずつ取った組合せの夫々の
    出力に接続され、2つのローパスフィルタ(2a〜2c)か
    ら入力される2相の信号を比較して、比較結果を残りの
    1相の位置信号として出力する3個の比較器(3a〜3c)
    と、この比較器(3a〜3c)からの位置信号(11−a〜1
    1−c)の間隔を計測する第1タイマ(8)と、この第1タ
    イマ(8)の計測結果が表わす周波数に応じて上記ローパ
    スフィルタ(2a〜2c)が特性値として有する所定の位
    相角の進みまたは遅れを算出する位相差算出手段(7)
    と、算出された位相角の進みまたは遅れに対応する所定
    時間を、上記比較器(3a〜3c)からの位置信号(11−a
    〜11−c)の最寄りの立ち上がりまたは立ち下がりエッ
    ジから計時する第2タイマ(9)と、この第2タイマ(9)
    の計時終了時に上記インバータ回路(31)を上記3個の
    比較器(3a〜3c)の出力に応じた所定の通流状態に切り
    換える制御手段(7)を備えたことを特徴とするブラシレ
    ス直流モータの駆動回路。
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