JP2729634B2 - ラジエータの為のスナップオンフィラーネックアセンブリ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は例えば、自動車のラジエータの如き熱交換器
に関し、詳しくはそうした熱交換器の為のフィラーネッ
クアセンブリに関する。

〔従来技術の説明〕

過去10年間程に渡って自動車のエネルギー効率に対す
る関心が増大した結果、とりわけ自動車の重量を減じ燃
料消費量のずっと少ないもっと小さいエンジンでこれを
推進可能とする為の種々の試みが成されて来た。事実
上、自動車の全ての構成部品が重量低減の為に検討さ
れ、そしてエンジン冷却の為の熱交換器或は所謂ラジエ
ータも例外ではなかった。

ラジエータの重量低減に於ては、ラジエータ或はその
付属物品に材料密度の小さいものを使用することに焦点
が当てられた。結局、今日使用される多くのラジエータ
は、同じ形状での重量がずっと小さいことから、銅真鍮
構造よりはむしろアルミニウム製部品が使用される。同
様に、金属タンク及び或はタンク／ヘッダ組体は従来の
金属タンクよりもっと重量の小さい成形プラスチップラ
スチックタンクに取替えられた。

こうした変化は実際に重量低下を実現したが、同時に
これら構造に特有の新しい問題をもたらした。

例えば、アルミニウム製ラジエータを考慮するに、
管、フィン、ヘッダ及びヘッダ／タンク、フィラーネッ
ク等を含む種々の部品は代表的に互いに蝋付けされてい
る。蝋付けは勿論、アセンブリを高温にしそれがアルミ
ニウム金属を部分的或は全体的に焼鈍させる結果を引き
起こす。これはアルミニウム製ラジエータの多くの部品
にとって問題とはならないが、フィラーネックにとって
は問題となる。フィラーネックに於て焼鈍された材料は
勿論、焼鈍されない材料よりはずっと軟かく、従って製
造プロセス期間中或はラジエータの自動車への組付けプ
ロセスに於て容易に損傷を受ける程に柔らかい。更に
は、フィラーネックに於て焼鈍された材料はフィラーネ
ックを自動車に取付けた後での圧力キャップの付け外し
に際しての乱暴な取扱いにより損傷し得る。

プラスチックタンクの使用に於ては、プラスチックタ
ンクは典型的に成型され且つ射出成形プロセスによって
形成される。しばしば、異なる形式のラジエータコア毎
に独特の形状のタンクが取付けられラジエータとして完
成される。このことは結局、複雑な成形を含む加工を異
なる形状のタンク毎に行なわなければならないことを意
味する。

典型的なタンクに於ては、加工に最も経費を必要とす
るのはタンクと一体のフィラーネックである。従って、
プラスチックタンクは重量低減は実現するが、加工の複
雑さそして異なるタンクモデルの種類の多さにより非常
に多くの異なる工具が必要であるという事実によって、
所望される以上に費用がかかる。

本発明は上述の問題の１つ以上を解決することを意図
している。

〔発明の目的〕

本発明の主たる目的は、新規且つ改良されたフィラー
ネックアセンブリを提供することにある。

詳しくは、本発明の目的はアルミニウム製ラジエータ
と結合して有益に使用し得、そうしたアセンブリが従来
遭遇した強度問題を排除し及び或は成型プラスチックタ
ンクと結合して有益に使用し得、そうしたタンクの為の
加工費用を低減するフィラーネックアセンブリを提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

本発明の具体例は、その端どうし間に内側シール表面
を具備する中空の胴部を含む構造のフィラーネックに於
て前述の目的を達成する。内側シール表面は圧力キャッ
プ内部のシールと係合するようになっており、胴部の一
方の端部に軸方向に対面している。胴部の前記一方の端
部には外側フランジが設けられ、該外側フランジは、圧
力キャップのシールを前記シール表面と係合させて圧力
キャップを前記一方の端部上で保持する為の圧力キャッ
プ保持表面をそこに具備する。胴部の他方の端部からは
弾性フィンガが伸延される。該弾性フィンガはフィラー
ネック取付け要素の開口端部との衝接状態を保持する為
の、一体の、一般に半径方向に可動の保持表面を有し、
胴部とフィラーネック取付け要素との間の中間部分をシ
ールする為のシールと協動する為の外側のシール表面
が、胴部の端部どうし間の中間部に配置される。

こうした構成から、アルミニウム製ラジエータその他
の場合に於ては、ラジエータが蝋付けされた後、フィラ
ーネックはラジエータのフィラーネック取付け要素にぱ
ちんと嵌ることによって取付けられる。フィラーネック
はろう付けの熱を受けないことから実質的な強度を有し
且つ容易に損傷を受けることがない。

プラスチック製ヘッダその他の場合には、ヘッダはタ
ンクに開口を提供するだけの為の加工によって形成し
得、全ての形式のプラスチックタンクを同様に加工し得
る。１つのフィラーネックアセンブリを普遍的なフィラ
ーネックアセンブリとして作成し、これを全ての形式の
タンクに適用しそれによってそうしたタンクの各々の加
工費用を実質的に低減し得る。

好ましい具体例に於ては、フィラーネックの胴部の一
方の端部と内側のシール表面との間には通気口が含まれ
る。

本発明では、外側のシール表面は内側のシール表面と
軸方向に対面する。好ましくは、外側のシール表面は、
前記胴部の中間部分に沿って伸延する周囲フランジの側
面によって画定される。周囲フランンジは、フィラーネ
ック取付け要素における合致する抗回転手段と協動する
為の抗回転手段を更に具備する。

更に好ましい具体例に於ては、抗回転手段はフランジ
上で半径方向に差し向けられた構成を有する。代表的
に、そうした手段は突出体及び或は突出体を受ける為の
長孔を有する。

本発明はフィラーネックとフィラーネック取付け要素
との組合せを意図しており、この場合、フィラーネック
取付け要素は胴部を受ける為の一方の開口端と、フィン
ガと係合して保持作用を成す為の他方の開口端とを具備
する中空のカップリングを含む。中空のカップリングは
更に、胴部の外側のシール表面に対面する内側のシール
表面を具備し、これらシール表面どうし間には、シール
表面とシール係合状態でシールが配置される。

本発明の１つの具体例に従えば、中空のカップリング
はタンクに結合された別要素であり得、他の具体例に於
てはタンクと一体に形成され得る。

他の目的及び利益は付随する図面を参照しての以下の
説明によって明らかである。

〔実施例の説明〕

本発明に従って作成されたフィラーネックアセンブリ
の具体例が第１図及び第２図に例示され、細長の、全体
を参照番号10で示される中空の胴部を含んでいる。代表
的に、胴部10は例えばナイロン、グラスファイバー強化
プラスチックの如きプラスチックから形成される。胴部
10は第１の開口端或は比較的大きい開口端12及び第２の
開口端或は比較的小さい開口端14を具備する。胴部10の
内部には、減径された通路16が、開口端14から直径の拡
開された通路18に向けて伸延し、通路18は開口端12へと
伸延する。胴部10内部の軸方向に面する肩部20が通路16
及び18を相互に結合し、従来通りの圧力キャップ24にお
けるシール要素22（第１図参照）とシール状態で係合す
る為の、胴部内部の内側のシール表面として作用する。

胴部10の内側のシール表面即ち肩部20と開口端12との
間には、一般に半径方向に伸延する一体型の導管26が設
けられ、該導管26は従来様式の通気口として作用する。
即ち、導管26はホースに結合し得、該ホースは結局、使
用される特定の冷却システムに依存して大気或はリザー
バに対して開口される。通気導管26は勿論、胴部10内側
と流体連通常体にあり、フィラーネックが使用される熱
交換器内部の過剰圧力状況に際しての冷却剤送達の為の
手段を提供する。更には、仮にリザーバに結合された場
合、通気導管26は新しい冷却材をシステムに送通する手
段を提供する。

胴部10の開口端には、外側フランジ28が設けられ、該
外側フランジは圧力キャップ24の保持タブ34の為の従来
様式の保持手段を提供する為に、胴部10の各側に於て参
照番号30及び32の位置が切り欠かれている。

開口端14は、軸方向に伸延し半径方向に可動の複数の
弾性フィンガ36によって形成される。各弾性フィンガ36
は半径方向外側を向いたフック38に於て終端する。そし
て２つ以上の弾性フィンガ36は、今後記載される目的の
為の半径方向内側を向いた内側レッジ40を具備する。

胴部10の開口端12及び14の中間部分には外側周囲フラ
ンジ42が設けられる。外側周囲フランジ42の、内側の肩
部20からは離間し且つ開口端14へと軸方向に向いた一方
側面44は、今後説明されるＯリングシール或はガスケッ
ト46と係合する為の外側のシール表面として作用する。
そして更に、外側周囲フランジ42の周囲の等角度間隔位
置における前記一方側面44には、半径方向に伸延する突
出部48が設けられこれが抗回転手段の一部として作用す
る。

フィラーネックアセンブリには、第１図に全体を参照
番号50で示されるようなフィラーネック取付け要素或は
カップリングも又含まれる。カップリング50は任意の適
宜の材料から形成し得、タンク或はそれが最終的に装着
されるヘッダ／タンク組体と一体或はそこから離間させ
得る。第１図及び２図の具体例ではカッリング50は、ヘ
ッダ／タンク組体52から分離された状態で示されている
が、最終的には第２図に示される如く、ろう付け等によ
って番号54の位置に結着される。カップリング50は、典
型的にはアルミニウムの如き金属から形成され、胴部10
の比較的小さい開口端14を受ける拡開端部56を具備す
る。拡開端部56は等角度間隔に設けられた凹所57を有し
それら凹所は外側周囲フランジ42の突出部48と整列しそ
れを受取り自在である。従ってこうした構造が胴部10及
びカップリング50間の相対回転を防止する。カップリン
グ50は小径端部58をも具備する。カップリング50は更
に、拡開端部56に隣合う大直径開口62に軸方向に面する
肩部64によって結合された小直径通路60を含む。小直径
通路60の直径は、フック38を無視した場合に胴部10の開
口端14の直径と概略等しく、従って胴部10が第２図に例
示されるようにカップリング50に挿入された場合は先ず
弾性フィンガ36が最初に半径方向内側に弾性偏位され、
次いでカップリング50の小径端部58に到達したところで
外側にぱちんと係合し、第２図に示される様に小径端部
58の下側でフック38を係止する。

この配列構成は、前述の如く組立てられた場合にＯリ
ングシール46が圧縮状態に置かれ、肩部64だけでなく外
側周囲フランジ42の前記一方側面44とシール状態で係合
し、それによって胴部10とカップリング50との中間部を
シールする。これに関し、小径端部58から肩部64にかけ
てのカップリング50の長さ部分は実質的な支柱強度を提
供しこれが、フック38が構造体の一部を変形させＯリン
グシール46にシール洩れが発生する恐れを排除する。そ
うした変形力の発生源はＯリングシール46が圧縮された
際に該Ｏリングシール46によって周囲フランジ42に加え
られるばね力と、内側の通常運転圧力とであり得る。弾
性フィンガ36が半径方向内側に移動してフック38がカッ
プリング50の小径端部58から脱係合するのを防ぐ為に、
胴部10の開口端14の内径と概略等しい外径を有する可動
の錠止リング70を胴部10に挿入し、そして弾性フィンガ
36の内側レッジ40と係合させ得る。斯くして錠止リング
70が弾性フィンガ36の半径方向内側への移動を阻止する
一方、内側レッジ40が錠止リング70を然るべき位置に保
持する。しかし錠止リング70は通路16及び18を通して移
動可能とされそれによって胴部10をカップリング50から
取り外し可能とする。

胴部10をカップリング50に組付ける以前にカップリン
グ50は、タンク開口72、即ち、第１図に示されるよう
に、冷却材を担持する複数の楕円管74が従来形式で配列
されてなるヘッダ／タンク組体の開口72の内部に配置さ
れる。次いで構成部品が金属である場所にろう付けの如
き結合プロセスが使用される。然しながら、もしプラス
チック部品が使用される場合にはその他プロセスを使用
し得る。例えば、カップリング50をタンクに接着結合
し、或は溶着し得る。別様には、種々のプラスチック溶
接技術を使用し得る。

別様には、第３図に例示されるように、全体を50′で
例示されるカップリングをプラスチックタンク76に一体
的に形成し得る。プラスチックタンク76はメタルヘッダ
プレート82の周囲溝80内部に受容される周囲フランジ78
を具備する。メタルヘッダプレート82は冷却剤担持管84
も受ける。シール86が周囲フランジ78及び溝80間に配置
されて圧縮され、そしてメタルヘッダプレート82の周囲
88が保持目的の為に周囲フランジ78を覆って曲げ付けら
れる。

この場合、プラスチックタンク76の内側壁90の部分5
8′が、セパレート型のカップリング50の場合に於ける
端部58の相当部分として作用する。内側壁90の部分58′
と、カップリング50の場合の肩部64に相当する肩部64′
との間の間隔が、先に言及したような所望の支柱強度を
提供する。

胴部10とタンク76との間での相対回転を阻止するため
に、カップリング50′の部分の拡開端部56′には、突出
部48を受けるための凹所57′が軸方向に開口される。

以上の説明から、本発明に従って作成されたフィラー
ネックアセンブリが自動車のラジエータのフィラーネッ
クその他の製造中、自動車への組みつけ期間中或は使用
期間中における損傷の恐れを最小限化し、従って強度不
足に基づく損傷が特に問題であるアルミニウム製ラジエ
ータに使用する為に理想的であることを認識されよう。
更には、本発明に従って製造される或るフィラーネック
アセンブリを全てのシリーズのプラスチックタンクの為
に規格化することにより、所定のタンクの為の各成形に
於て現在要求される複雑な形状の殆どが排除される。従
って、本発明のフィラーネックは成形プラスチックタン
ク製造に必要な加工費用を最小限化する為に理想的なも
のである。

以上本発明を具体例を参照して説明したが、本発明の
内で多くの変更を成し得ることを理解されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従うフィラーネックアセンブリの分解
図であり、圧力キャップ及びヘッダータンクコンビネー
ションを含む熱交換器の一部が示される。 第２図は第１図を組立てた状態を示す側面図である。 第３図は成形プラスチックタンクに適用された本発明の
フィラーネックアセンブリを例示する部分断面側面図で
ある。 尚、図中主な部分の名称は以下の通りである。 10:胴部 12,14:開口端 20:肩部 22:シール要素 24:圧力キャップ 26:導管 28:周囲フランジ 36:弾性フィンガ 38:フック 40:内側レッジ 46:Oリングシール 48:突出部 50:カップリング 56:拡開端部 57:凹所 58:小径端部 60:小直径通路 62:大直径開口 70:錠止リング

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器のタンクの為のフィラーネックで
   あって、 中空の胴部と、 該中空の胴部の端部どうしの中間部に形成された内側の
   シール表面にして、圧力キャップのシールと係合するよ
   うになっており前記胴部の一端に軸方向に面する内側の
   シール表面と、 前記胴部の一端に形成された外側フランジにして、前記
   圧力キャップを、それを前記内側のシール表面とシール
   係合させる状態でもって前記一方の端部に保持する為の
   圧力キャップ保持表面を具備する外側フランジと、 前記胴部の他方の端部から伸延された弾性フィンガにし
   て、前記フィラーネック取付けの為のフィラーネック取
   付け要素の開口端部との衝接状態を保持する為の、一体
   の、全体に半径方向に可動の保持表面を具備する弾性フ
   ィンガと、 前記胴部の端部どうしの中間部に形成され、前記胴部及
   びフィラーネック取付け要素の間部分をシールする為の
   シールと協働する外側のシール表面とを具備してなる熱
   交換器のタンクの為のフィラーネック。
2. 【請求項２】胴部は内側のシール表面及び胴部の一方の
   端部間に通気口を含んでいる特許請求の範囲第１項記載
   の熱交換器のタンクの為のフィラーネック。
3. 【請求項３】外側のシール表面は内側のシール表面と軸
   方向で反対方向を向いている特許請求の範囲第１項記載
   の熱交換器のタンクの為のフィラーネック。
4. 【請求項４】外側のシール表面は胴部の端部どうしの中
   間部分の周囲に沿って設けられた外側周囲フランジの側
   面によって形成され、前記外側周囲フランジは抗回転手
   段にして、フィラーネック取付け要素における抗回転手
   段と協働する為の抗回転手段を更に担持している特許請
   求の範囲第３項記載の熱交換器のタンクの為のフィラー
   ネック。
5. 【請求項５】フィラーネック取付け要素は、胴部を受容
   する為の第１の開放端と、弾性フィンガの可動の保持表
   面との係合を維持する為の、前記開放端と対向する第２
   の開放端とを具備する中空のカップリングと、前記胴部
   の外側のシール表面に対面する内側のシール表面と、該
   内側のシール表面と前記胴部の外側のシール表面との間
   部分に位置付けられ且つそれらシール表面とシール係合
   するシールとを具備してなる特許請求の範囲第１項記載
   の熱交換器のタンクの為のフィラーネック。
6. 【請求項６】弾性フィンガの可動の保持表面は、半径方
   向外側に差し向けられたフックと、該フックとは反対方
   向に半径方向内側に差し向けられた内側レッジを形成す
   る手段と、胴部を貫いて挿入自在の錠止リングにして、
   前記弾性フィンガの半径方向内側への移動を阻止する為
   に前記内側レッジに配置される錠止リングとを具備して
   なる特許請求の範囲第１項記載の熱交換器のタンクの為
   のフィラーネック。