JP2729265B2 - カード式乗車券チェッカ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は路線バス等の輸送機関の乗車時における乗
車賃を、読み書き可能な磁気カード式乗車券により精算
を行うカード式乗車券精算システムの中のカードの有効
性をチェックするチェッカ装置に関する。

〔数来の技術〕

路線バス等の輸送機関では、乗降時の運賃精算を簡単
にするため、カード式乗車券システムが導入されてい
る。このシステムはあらかじめ決められた金額の預託乗
車券を購入しておき、以降有効期間内または有効金額内
であればその購入金額まで何回でもその預託乗車券を使
用できるシステムである。その乗車運賃の精算は、磁気
ストライプに記録された有効金額から乗車賃の減算処理
を行なう。

カード式乗車券精算装置は、従来使用されていた回数
券の代用品として使用されるため、その預託乗車券の有
効金額内では、何回でも使用され、使用回数が多い。ま
た不特定多数の乗客が乗車時使用するため、乗客のア
セ、手アカ、ゴミが預託乗車券に付着する。この付着し
たヨゴレによって磁気情報が正常に書き込まれない場合
が発生する。

この場合、ゴミの付いた状況によって磁気信号レベル
が不安定になるため、数多くあるカード式乗車券精算装
置の中にはバラツキのために処理できたり、処理できな
いといった不安定状況が発生し、乗客との間でトラブル
となる。

この発明は、カード情報が正常に読取りできない異常
が発生した時、そのカードが数多くあるカード式乗車券
精算装置のいずれにも使用できるかをチェックするため
のカードチェッカ装置に関するものであり、カード情報
の判定レベルを変化させるために、カードの搬送速度を
各段階で変化させ、各段階でカード情報が正常に読取れ
るかどうかをチェックして車上側カード式乗車券精算装
置に使用できるかを判定するための地上側に設置するた
めのカードチェッカ装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この発明のカードチェッカ装置では、カード式乗車券
が挿入されるとカード挿入検出手段により検出され、そ
の挿入が検出されたカード式乗車券はカード搬送手段に
より読取り／書替え部に搬送される。その読取り／書替
え部でカード式乗車券に対する記録情報の読取りを行
う。カード情報が正常レベルで書込されているかどうか
のチェックはカードの搬送速度を変えて読取りを行う。
その搬送速度を変える事により磁気ヘッドで読取られた
磁気信号のレベルは、その搬送速度により変化する。

カード情報が正常に読取りできない異常内容は、カー
ドに書込まれた磁気信号のレベルが低い、信号の切り換
り部に不規則な変化が発生した等がある。しかしレベル
の低下や不規則な変化の量が少ない場合、装置のバラツ
キによって正常と判定することもある。これは書込み磁
気信号レベルが低く異常が発生したカードにおいても、
搬送速度を速くすれば読み出し磁気信号レベルが見かけ
上高くなり、正常に判定されるからである。

また信号のかわり目で発生した不規則なレベルの変化
については、搬送速度を遅くする事により読み出された
磁気信号レベルを低くし、不規則なレベルをカットし、
正常に判定することができる。

このように預託乗車券の読み取り速度を段階的に変え
て、いずれの読取り速度でも正常に読取れた預託乗車券
のみを有効な（正常な）預託乗車券と判定する。

〔実施例〕

以下この発明によるカード式乗車券のチェッカ装置の
実施例を、図面を参照して詳細に説明する。

この発明のカード式乗車券チェッカ装置は、第１図
（ａ）に示すように地上側に設けられている。管理者あ
るいは乗客が預託乗車券11を挿入するとその預託乗車券
11に記録されている金額、有効期間等の情報を読取り、
有効であるか異常であるかを報知手段22により表示す
る。

次にカード式乗車券チェッカ装置21の詳細について第
１図（ｂ）を参照して説明する。カード式乗車券チェッ
カ装置21はカード挿入口23から挿入された預託乗車券11
をカード検出手段24により検出する。そのカード挿入が
検出されると搬送手段25が駆動され、挿入された預託乗
車券は磁気ヘッド26へ移送される。磁気ヘッド26で読み
出された記憶情報は、変調復調回路27により復調され
る。

制御器28は、読み出された記録情報を比較し、記録情
報を判定し、預託乗車券11を搬送手段25により、カード
挿入口23へ排出する。

第２図に預託乗車券11のデータ例を示す。預託乗車券
11に書き込まれたデータには、例えば固定情報29とし
て、発行番号、発行日、販売金額等が、可変情報30とし
ては、預託金額、使用日、使用回数等が書き込まれてい
る。上記のデータは、０及び１の磁気情報として書き込
まれている。

第３図に預託乗車券11の書き込みデータとその読み出
された磁気情報の波形の関連を示す。（ａ）は書込まれ
たデータを示す。各データは、０又は１のビット信号パ
ターンとして書き込まれる。（ｂ）に正常に書き込まれ
た時の読み出し波形を示す。（ｃ），（ｄ）にゴミ等の
磁気ヘッドに付着して書き込まれた時の読み出し波形を
示す。書き込み中に磁気ヘッド26と預託乗車券11の間に
ゴミ等が入った場合、（ｃ）の様に書き込まれる。信号
が切り替わる時に、（ｃ）の様な波形の変化31が発生す
ると、データの変換点として判定され、データが異なり
異常カードとなる。

次に電圧変動等により、書込み磁気信号レベルが低下
した場合は、（ｄ）の様になる。この場合も復調後のデ
ータが異常となり異常カードとなる。

（ｃ）の波形の場合は、搬送手段25のカード送り速度
を遅くして読み出すと、この時の波形は（ｅ）になる。
搬送手段25のカード送り速度を遅くすると、読み出され
た波形はレベルが低くなり異常波形が判定されなくな
る。

（ｄ）の様にレベルが低い場合は、搬送手段のカード
送り速度を早くして読み出すと、（ｆ）の波形となり、
正常な波形として判定される。

この様に搬送スピードの変化により、特に異常波形で
は時として異常になったり正常になったりする。この発
明ではこのような関連を利用して、預託乗車券11を各種
の送り速度で読み出し、いずれの場合も正常な読み出し
結果が得られた場合にのみ、その預託乗車券11を正常
（有効）なものと判定する。における預託乗車券の処理
動作を、第４図の動作流れ図によって説明する。

動作の開始は、カード検出手段24によるカード挿入検
出であり（S1）、預託乗車券11の挿入を検出するとカー
ド搬送手段25が働き預託乗車券11を取り込む。この時は
第１段階の搬送スピードである。次に磁気情報を読み出
し（S2）、異常な場合は（S3）すぐにエラー表示するの
ではなく例えば、情報の書替え（S5）を試み、書込み情
報の照合を行い（S6）、正常と判定した場合（S7）、有
効表示後（S8）、搬送手段25によりカードを排出するこ
ともよい（S9）。

磁気情報の読み出しが正常の場合（S3）、カードの搬
送スピードを早く（遅く）し（S10）、磁気情報の読み
出しを行う（S11）。この時の磁気情報が正常と判定し
た場合は（S12）、搬送スピードを遅く（早く）して（S
13）、磁気情報の読み出しを行う（S14）。この時の磁
気情報が異常と判定した場合は（S15）、情報の書替処
理（S5）を続行する。

搬送スピードが早い／遅いで正常と判定された場合は
（S15）、有効表示後（S16）、カードを返却する。

〔発明の効果〕

この発明によれば、書き込み異常の発生した預託乗車
券を搬送スピードを変えて読み出しを行うことにより、
正常な出力レベルが得られるカードであるかを判定可能
となる。

これにより、再度異常カードが車上側で使われる不良
が減少し、乗客とのトラブルが減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）はカード式乗車券チェッカ装置の概略を示
すブロック図、第１図（ｂ）はカード式乗車券チェッカ
装置の詳細例を示すブロック図、第２図はカード書込み
情報例を示す図、第３図（ａ）は書込みデータ、同図
（ｂ）は正常書込み波形、同図（ｃ），（ｄ）は異常書
込み波形、同図（ｅ）は遅い搬送スピード時の波形、同
図（ｆ）は早い搬送スピード時の波形を示す図、第４図
はカード式乗車券チェッカ装置の動作例の流れを示す流
れ図である。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気カードによる預託乗車券の有効金額等
   の情報の記録状況をチェックする装置において、 上記預託乗車券に記録された情報の読取りを、その預託
   乗車券の搬送スピードを段階的に変化させて行う手段
   と、 上記各搬送スピードでの読取り情報が正常か否かを判断
   する判断手段と、 上記各搬送スピードのいずれでも読取り情報が正常と判
   断されるとその預託乗車券を有効なものと判断する判定
   手段と、 を具備するカード式乗車券チェッカ装置。
2. 【請求項２】上記各搬送スピードのいずれでしか情報が
   正常と判断できない場合は、異常表示するとともに情報
   の内容を表示する手段を含む請求項１記載のカード式乗
   車券チェッカ装置。
3. 【請求項３】上記各搬送スピードのいずれでしか情報が
   正常と判断できない場合は、その読取った情報で情報の
   書替処理（修復処理）をする手段を含む請求項１又は２
   記載のカード式乗車券チェッカ装置。