JP2729074B2 - 強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子 - Google Patents

強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子

Info

Publication number
JP2729074B2
JP2729074B2 JP1059646A JP5964689A JP2729074B2 JP 2729074 B2 JP2729074 B2 JP 2729074B2 JP 1059646 A JP1059646 A JP 1059646A JP 5964689 A JP5964689 A JP 5964689A JP 2729074 B2 JP2729074 B2 JP 2729074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
ferroelectric
ferroelectric liquid
polymer
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1059646A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02240192A (ja
Inventor
公洋 湯浅
憲次 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP1059646A priority Critical patent/JP2729074B2/ja
Publication of JPH02240192A publication Critical patent/JPH02240192A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2729074B2 publication Critical patent/JP2729074B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示素子、液晶記憶素子、液晶音響素
子等の液晶材料として好適に使用されるグレースケール
(中間調表示)を容易に実現できる強誘電性液晶組成物
及びそれを用いた液晶光学素子に関する。
〔従来の技術〕
近年、液晶材料として強誘電性液晶を用い、これを高
度に配向制御し、かつこの液晶材料を電極が配設された
二枚の基板の間に挟持してなる液晶光学素子が、電界等
の外部刺激に対しての高速応答性、コントラスト等に優
れるなどの優れた特性を有することから注目され、液晶
表示素子、液晶記憶素子等として盛んに利用されるよう
になってきた。
これらの液晶光学素子において、フルカラー化を実現
するためには、グレースケール(中間調表示)が得られ
ることが必要不可欠である。このグレースケールを得る
方法として、特開昭62−131225号公報には電極間に強誘
電性液晶をマルチドメイン化(ドメインが多数同一領域
に存在している状態にする)して存在させることによ
り、1つの画素内の電極上に複数の強誘電体を散在せし
め、印加電圧に比例して明度の制御を行う方法が記載さ
れている。しかしながら、この方法はマルチドメイン化
によりグレースケール化を行うので、得られた液晶光学
素子のコントラストが低く、また電極上に強誘電性液晶
をマルチドメイン化するために強誘電体を設ける工程が
必要であり工程が複雑化するという問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記事情に基づいてなされたもので、電極
面に加工することを何ら必要とせず、液晶光学素子のグ
レースケールを容易に実現することができる強誘電性液
晶組成物とそれを用いた液晶光学素子を得ることを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、強誘電性液晶材料に特定の粒径の微粒子物
質を特定の割合で配合した強誘電性液晶組成物を電極間
に挟持した液晶光学素子が容易にグレースケールが得ら
れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は強誘電性液晶材料及び微粒子物質
からなる強誘電性液晶組成物を提供するものである。
本発明で用いられる強誘電性液晶材料としては、強誘
電性の液晶状態をとるものであれば全てのものを使用す
ることができ、強誘電性高分子液晶、低分子の強誘電性
液晶を単独で使用するものの他、複数の強誘電性高分子
液晶からなるもの、複数の低分子の強誘電性液晶からな
るもの、少なくとも1種の強誘電性高分子液晶と少なく
とも1種の低分子の強誘電性液晶からなるものなども好
適に用いられる。
強誘電性高分子液晶には、例えば、アクリレート主鎖
系液晶重合体、メタクリレート主鎖系液晶重合体、クロ
ロアクリレート主鎖系液晶重合体、オキシラン主鎖系液
晶重合体、シロキサン主鎖系液晶重合体、エステル主鎖
系液晶重合体などが含まれる。
アクリレート主鎖系液晶重合体の繰り返し単位として
は、例えば、 などが挙げられる。
メタクリレート主鎖系液晶重合体の繰り返し単位とし
ては、例えば、 などが挙げられる。
クロロアクリレート主鎖系液晶重合体の繰り返し単位
としては、例えば、 などが挙げられる。
オキシラン主鎖系液晶重合体の繰り返し単位として
は、例えば、 などが挙げられる。
シロキサン主鎖系液晶重合体の繰り返し単位として
は、例えば、 などが挙げられる。
エステル主鎖系液晶重合体の繰り返し単位としては、
例えば、 などが挙げられる。
なお、上記の強誘電性液晶重合体の繰り返し単位は、
側鎖の骨格がビフェニル骨格、フェニルベンゾエート骨
格、ビフェニルベンゾエート骨格、フェニル4−フェニ
ルベンゾエート骨格で置き換えられてもよく、これらの
骨格中のベンゼン環が、ピリミジン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピラジン環、テトラジン環、シクロヘキサ
ン環、ジオキサン環、ジオキサボリナン環で置き換えら
れてもよく、フッ素、塩素などのハロゲン基あるいはシ
アノ基で置換されてもよく、1−メチルアルキル基、2
−フルオロアルキル基、2−クロロアルキル基、2−ク
ロロ−3−メチルアルキル基、2−トリフルオロメチル
アルキル基、1−アルコキシカルボニルエチル基、2−
アルコキシ−1−メチルエチル基、2−アルコキシプロ
ピル基、2−クロロ−1−メチルアルキル基、2−アル
コキシカルボニル−1−トリフルオロメチルプロピル基
などの光学活性基あるいはエステル結合、エーテル結合
を介してこれらの光学活性基で置き換えられてもよく、
またスペーサの長さは、メチレン鎖長が1〜30の範囲で
変化してもよい。
また、上記強誘電性液晶重合体は数平均分子量が1,00
0〜400,000のものが使用できる。
低分子の強誘電性液晶としては、例えばシッフ塩基系
強誘電性低分子液晶化合物、アゾ及びアゾキシ系強誘電
性低分子液晶化合物、ビフェニル及びアロマティックエ
ステル系強誘電性低分子液晶化合物、ハロゲン、シアノ
基等の環置換基を導入した強誘電性低分子液晶化合物、
複素環を有する強誘電性低分子液晶化合物などが挙げら
れる。
シッフ塩基系強誘電性低分子液晶化合物としては、例
えば、次に示す化合物(1)〜(4)が挙げられる。
アゾ及びアゾキシ系強誘電性低分子液晶化合物として
は、例えば次に示す(5)、(6)が挙げられる。
ビフェニル及びアロマティックエステル系強誘電性低
分子液晶化合物としては、例えば、次に示す化合物
(7)、(8)が挙げられる。
ハロゲン、シアノ基等の環置換基を導入した強誘電性
低分子液晶化合物としては、例えば、次に示す化合物
(9)〜(11)が挙げられる。
複素環を有する強誘電性低分子液晶化合物としては、
例えば、次に示す化合物(12)(13)が挙げられる。
なお、前記化合物は、強誘電性低分子液晶化合物の代
表的な化合物であり、本発明の強誘電性低分子液晶化合
物はなんら、これらの構造式に限定されるものではな
い。
本発明の強誘電性液晶材料は全体として強誘電性を示
すものであればよいので、前記の強誘電性高分子液晶、
低分子の強誘電性液晶に加えて、非強誘電性液晶、多色
性色素、減粘剤等の添加剤、接着剤等の添加物が必要に
応じて添加されたものであってもよい。
上記非強誘電性液晶としては、例えばスメクチック
相、ネマチック相、コレステリック相を示す各種の高分
子液晶を挙げることができる。
スメクチック相を示す高分子液晶の代表例として次の
ものを挙げることができる。
(1) ポリアクリレート主鎖を有する高分子液晶 (Y.S.Freidzon,Polymer Commun.,1986,27,190) (2) ポリメタクリレート主鎖を有する高分子液晶 (H.Finkelmann,Makromol.Chem.,1978,179,2451) (3) ポリオキシラン主鎖を有する高分子液晶 (C.Pugh,Polymer Bulletin,1986,16,521) (4) ポリシロキサン主鎖を有する高分子液晶 (H.Richard,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1988,155,141) (6) ポリエステル主鎖を有する高分子液晶 (M.Eich,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,1987,8,59) (渡辺順次、第14回液晶討論会講演予稿集、1988、25
8) ネマチック及びコレステリック高分子液晶としては次
のようなものを挙げることができる。
ネマチック高分子液晶 (1) ポリアクリレート主鎖を有する高分子液晶 (H.Ringsdorf,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,1982,3,
557) (2) ポリメタクリレート主鎖を有する高分子液晶 (H.Finkelmann,Makromol.Chem.,1978,179,273) (3) ポリシロキサン主鎖を有する高分子液晶 (H.Finkelmann,Makromol.Chem.Rapid Commun.,1980,1,
31) コレステリック高分子液晶 (1) ポリアクリレート主鎖を有する高分子液晶 (J.M.Gugllelminetti,Polymer Bull.,1986,16411) (V.P.Shibaev,Pure & Appl.Chem.,1985,6,57) (2) ポリメタクリレート主鎖を有する高分子液晶 (H.Finkelmann,Makromol.Chem.1978,179,829) (3) ポリシロキサン主鎖を有する高分子液晶 (G.M.Janini,Makromol.Chem.Rapid Commun.,1985,6,5
7) (H.Finkelmann,Makromol.Chem.Rapid Commun.,1982,3,
859) なお、上記高分子液晶のメソゲン部分は、低分子液晶
において知られている様々な骨格(例えばビフェニル骨
格、フェニルベンゾエート骨格、ビフェニルベンゾエー
ト骨格、フェニル−4−フェニルベンゾエート骨格)で
置き換えられていてもよい。そして、各骨格中のベンゼ
ン環は、それぞれ、例えば、ピリジミン環、ピリジン
環、ピリダジン環、シクロヘキサン環、ジオキソボリナ
ン環等で置き換えられていてもよく、また、フッ素、塩
素等のハロゲン基を有していてもよい。また、末端基は
例えば直鎖又は分枝状のアルキル基、ハロアルキル基、
又はシアノ基等で置き換えられていてもよい。また、ス
ペーサーの長さはメチレン鎖長1〜30の範囲で変化して
もよい。分子量は1000〜100万が好ましい。また、スメ
クチック高分子液晶は例えば特開昭63−99204号公報、
同63−264629号公報等で知られている強誘電性高分子液
晶中の光学活性基を不活性基に置き換えることにより容
易に得ることができる。
次に、前記多色性色素の例としては、スチリル系、ア
ゾメチン系、アゾ系、ナフトキノン系、アントラキノン
系、メロシアニン系、ベンゾキノン系、テトラジン系の
色素が挙げられる。好ましくはアゾ系、アントラキノン
系である。
これらの色素は強誘電性液晶材料中に通常、0.05〜5
重量%、好ましくは0.1〜2重量%添加される。
次に前記減粘剤等の添加剤は、速度向上、双安定性の
改善のための添加されるもので例えば、非カイラル性の
各種液晶や結晶、各種の電荷移動錯体などを必要に応じ
て混合してもよい。
次に、前記接着剤としては、特に限定されないが、接
着剤として通常用いられている次のような高分子物質、
例えばエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、不飽和ポ
リエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ホットメ
ルト型接着剤、エラストマー型接着剤を挙げることがで
きる。
接着剤は通常強誘電性液晶材料中に0〜50重量%添加
され、液晶光学素子の機能的強度を改善する。
次に、本発明に用いられる微粒子物質は液晶材料と相
溶性を有しないものであれば、有機物質であっても、無
機物質であってもいずれでもよい。微粒子の例としては
金属、金属酸化物、金属塩、プラスチックなどの微粒
子、具体的にはFe、W−Co合金、B4C、Nb、Cu、Ag、A
l、Ni、Co、Sn、Au、Pt、Al2O3、Fe2O3、CaO、MgO、SiO
2、MgAl2O4、Y2O3、TiO2、BaTiO3、ZnFe2O4、Cr2O3、Zr
O2、Al2(SO4、Cr2(SO4、ポリビニルアルコー
ル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフ
ロロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフロ
ロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル
などの微粒子が挙げられる。また、粒子の形状も特に制
限はなく、球やそれ以外の形状のものが用いられる。こ
の粒子の平均粒径は0.3μm以下であることが必要で、
好ましくは0.005〜0.2μmである。粒径が小さすぎると
液晶と混合するときに凝集が起き一様に分散しないこと
があり、0.3μmを超えるとコントラストが低下し、グ
レースケールが得られなくなる。
簡単に入手できる微粒子物質の例としては、SiO2微粒
子があり、例えば日本アエロジル株式会社のAEROSIL
(商品名)が好適に用いられる。
強誘電性液晶材料と微粒子物質の混合比は混合物中に
占める微粒子物質の体積分率を1〜70%、好ましくは5
〜40%とする。微粒子物質が少なすぎるとグレースケー
ルが得られなくなくことがあり、多すぎるとコントラス
トが低下することがある。
混合方法は特に限定しないが、強誘電性液晶材料と微
粒子物質の混合は、強誘電性液晶材料が組成物中の場合
は予め混合して得られた強誘電性液晶材料と微粒子物質
とを混合してもよいし、強誘電性材料の各成分の混合と
微粒子物質との混合を同時に行ってもよい。微粒子物質
の分散が悪い場合には液晶材料を等方相などの粘度が低
くなる温度に加熱したり、微粒子が溶解しない溶媒を用
いて溶液時に混合したり、さらによく知られているよう
に振動、特に超音波振動を加えながら混合することもで
きる。
溶媒としては、メチレンクロライド、クロロホルム、
トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ドなど種々のものが利用できる。
本発明はまた、強誘電性液晶材料及び微粒子物質から
なる強誘電性液晶組成物を少なくとも一方が透明な電極
間に挟持してなる液晶光学素子を提供するものである。
透明電極としては酸化スズを被着させたNESA膜、酸化
スズと酸化インジウムよりなるITO膜等が用いられる。
これらの電極は、公知の各種の手法、例えば、スパッタ
リング法、蒸着法、印刷法、塗布法、メッキ法、接着法
等、又は、これらを適宜組み合わせた手法を用いて、ガ
ラス、プラスチック等の基板上に設けられている。
強誘電性液晶組成物を電極間に挟持して、素子化する
方法はこれまでに知られている方法により行うことがで
き、特に限定されるものでなく、例えば、少なくとも一
方が透明である対向する電極間に一軸配向された液晶組
成物を挟持し、さらに偏光板で挟持して素子化する。色
素を混合してゲストホストタイプの素子とする場合は偏
光板は1枚でよい。
電極の種類、電極の外側に基板があるときはその基板
の種類(ガラス、プラスチック等)、強誘電性液晶材料
の配向方法(ラビング法、斜方蒸着法、温度勾配法、磁
場による法、音波による法、曲げ配向法)などはいずれ
による方法であってもよい。
このうち、大面積、高コントラストの液晶光学素子が
連続的、低コストで製造できることから、プラスチック
基板を用いて、塗布、ラミネート、配向を連続して行う
プロセスが望ましい。
本発明により得られた液晶光学素子は極めて容易にグ
レースケールを実現できる。
〔作用〕
強誘電性液晶は基板界面に特に何の操作もしない場合
はスメクチック相の層構造は第1図に示すようなシェブ
ロン構造をとることが知られている。図の1は液晶分子
である。印加電界の向きを反転したときに起こる液晶分
子の応答は主としてセル界面付近2と層の折れ曲がった
中心部付近3からである(これらは反転核と呼ばれてい
る)。通常、厚さが数μm以下のセルでは双安定性(メ
モリー性)を有するためにクロスニコル下での光透過率
と印加電界の関係は第2図に示すようになる。従って、
閾値電界±Eth付近では光透過率が大きく変化し、その
中間的状態を実現することが難しい。一方、セル厚をよ
り厚くした場合には双安定性は発現しないが液晶分子の
配列がらせん構造をとり、それが安定であるので光透過
率と印加電界の関係は第3図のようになる。従って、中
間的な光透過率をとることが容易になるが、セル厚が厚
くなることに伴って複屈折効果による強い着色が生じ、
また明状態と暗状態の差が極めて小さくなるので実用化
できない。
本発明においてグレースケールが容易に得られる原理
は明らかではないが、強誘電性液晶材料に微粒子物質を
混入することにより液晶分子間にコントラストを劣化さ
せない程度にミクロの欠陥が多数導入され、印加電界の
符号を変化させたときに生じる反転核をその欠陥から生
じせしめるものと考えられる。従って、光透過率−印加
電界曲線は例えば第4図のようになる。このような特性
は非常に薄い(5μm以下)セルでも容易に実現できる
のでグレースケールが容易に得られることになる。ま
た、強誘電性液晶材料に微粒子物質を混合することによ
り粘性が増大し液晶分子の運動が抑制されるため、その
結果明状態と暗状態との間の変化が連続的になりグレー
スケールが容易に得られるとも考えられる。
〔実施例〕 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例 低分子の強誘電性液晶 相転移挙動 〔Cry:結晶相、SmC:カイラルスメクチックC相、Sm
A:スメクチックA相、Iso:等方相〕 上記低分子の強誘電性液晶に日本アエロジル(株)の
AEROSIL(SiO2、平均粒径7nm、見掛比重50g/)を体積
分率15%になるように混合し、液晶が等方相を示す70℃
に加熱して超音波振動を与えながら10分間撹拌した。
上記液晶をPVA(ポリビニルアルコール)膜をコート
してラビングしたITO付きガラス板で挟持し、60℃まで
加熱して5℃/minで室温まで冷却した。こうして作製し
た配向セルの厚みは2.5μmであった。室温でのコント
ラストを測定したところ、クロスニコル下で±5Vの印加
で28であった。
次に0.1Hzの三角波を印加して透過光量−印加電界曲
線を測定したところ第5図の曲線が得られ、グレースケ
ールを容易に得ることができる。
比較例1 実施例1と同じ液晶、セル作製方法を用いて微粒子物
質(AEROSIL)を混合しないでセルを作製した。セルの
厚みは2.2μmであり、室温でのコントラストはクロス
ニコル下で±5Vの印加で34であった。同じ様に0.1Hzの
三角波で透過光量−印加電界曲線を測定すると第6図の
ようになり、実施例1と比較してグレースケールのため
の駆動条件が極めて難しいことがわかる。
実施例2 強誘電性液晶組成物 A:B:C=16:64:20(モル%) 混合液晶の相転移挙動 上記混合液晶に日本アエロジル(株)のAEROSIL(SiO
2とAl2O3の5:1の混合物、平均粒径15nm、見掛比重50g/
)を体積分率30%なるように混合し、ジクロルメタン
に溶解して5分間撹拌した。このときの溶液濃度は10重
量%とした。マイクログラビアコータを用いてこの溶液
をITO付きPES基板に塗布しPES対向基板とラミネート
し、次いで曲げ配向法によって配向処理した。セル厚は
2.4μmとなり、室温でのコントラストを測定したとこ
ろ、クロスニコル下で±5Vの印加で83であった。
このクロスニコル下で0.1Hzの三角波を印加して透過
光量−印加電界曲線を測定したところ第7図の曲線が得
られ、グレースケールを容易に得ることができる。
比較例2 実施例2と同じ液晶、セル作製法を用いて微粒子物質
(AEROSIL)を混合しないでセルを作製した。セルの厚
みは2.6μmであり、室温でのコントラストはクロスニ
コル下で±5Vの印加で95であった。同じ様に0.1Hzの三
角波で透過光量−印加電界曲線を測定すると第8図の曲
線が得られ、実施例2と比較してグレースケールのため
の駆動条件が極めて難しいことがわかる。
〔発明の効果〕
本発明の強誘電性液晶組成物を用いると、電極面への
加工を何ら必要とせず、強誘電性液晶材料と微粒子物質
を混合するだけでグレースケールが得られる液晶光学素
子を製造することができる。また、得られた液晶光学素
子はグレースケールが容易に得られるばかりでなく、コ
ントラストにおいても優れており、液晶表示素子のフル
カラー化を可能とするもので、その工業的価値は極めて
大である。
【図面の簡単な説明】
第1図はスメクチック相の層構造を示す模式的断面図、
第2図〜第8図は液晶光学素子に電界を印加させた場合
の印加電界強度と光透過率との関係を示すグラフであ
る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電性液晶材料及び粒径が0.3μm以下
    の微粒子物質からなり、該微粒子物質の体積分率が1〜
    70%である強誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】強誘電性液晶材料が複数の低分子の強誘電
    性液晶からなる請求項1記載の強誘電性液晶組成物。
  3. 【請求項3】強誘電性液晶材料が複数の強誘電性高分子
    液晶からなる請求項1記載の強誘電性液晶組成物。
  4. 【請求項4】強誘電性液晶材料が少なくとも1種の強誘
    電性高分子液晶と少なくとも1種の低分子の強誘電性液
    晶からなる請求項1記載の強誘電性液晶組成物。
  5. 【請求項5】強誘電性液晶材料及び粒径が0.3μm以下
    の微粒子物質からなり、該微粒子物質の体積分率が1〜
    70%である強誘電性液晶組成物を少なくとも一方が透明
    な電極間に挟持してなる液晶光学素子。
JP1059646A 1989-03-14 1989-03-14 強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子 Expired - Lifetime JP2729074B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1059646A JP2729074B2 (ja) 1989-03-14 1989-03-14 強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1059646A JP2729074B2 (ja) 1989-03-14 1989-03-14 強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02240192A JPH02240192A (ja) 1990-09-25
JP2729074B2 true JP2729074B2 (ja) 1998-03-18

Family

ID=13119185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1059646A Expired - Lifetime JP2729074B2 (ja) 1989-03-14 1989-03-14 強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2729074B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04263217A (ja) * 1990-10-12 1992-09-18 Rudolf Eidenschink 液晶媒体と、それを使用して映像を発生する方法
JP3005102B2 (ja) * 1992-01-29 2000-01-31 シャープ株式会社 空間光変調器
JP2011154269A (ja) 2010-01-28 2011-08-11 Lg Display Co Ltd 液晶表示素子およびその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2839248B2 (ja) * 1987-05-29 1998-12-16 松下電器産業株式会社 液晶パネルの表示方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02240192A (ja) 1990-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI251110B (en) Display device
KR20070001961A (ko) 액정 표시 소자
JP2814157B2 (ja) カイラルスメクチック液晶素子
JP2767505B2 (ja) 液晶素子
JP2729074B2 (ja) 強誘電性液晶組成物及びそれを用いた液晶光学素子
JP3028097B2 (ja) スメクティック液晶材料および液晶光学素子
JPH04161923A (ja) 液晶表示素子
JP3192593B2 (ja) 液晶素子
JP2592957B2 (ja) 液晶素子
JP3187197B2 (ja) 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子及びその階調表示方法
JPH0639586B2 (ja) 液晶組成物
JPH05346585A (ja) 液晶素子
JP2657879B2 (ja) 液晶素子
JP2889656B2 (ja) 液晶表示素子
JP2696555B2 (ja) 強誘電性液晶組成物
JP3221539B2 (ja) 液晶素子及びこれらを使用した液晶装置並びに液晶表示装置
JP2942094B2 (ja) 液晶組成物、液晶素子および液晶装置
JPH10293290A (ja) 液晶装置
JP2998887B2 (ja) 液晶組成物、液晶素子及びこれらを用いた液晶装置、表示装置
JP2784699B2 (ja) 液晶素子
JPH11160712A (ja) 液晶素子
JPH06313901A (ja) 液晶表示素子
JPH028292A (ja) 強誘電性液晶表示素子
JP2001072973A (ja) 反強誘電性液晶組成物
JPH06180448A (ja) 液晶素子