JP3221539B2 - 液晶素子及びこれらを使用した液晶装置並びに液晶表示装置 - Google Patents

液晶素子及びこれらを使用した液晶装置並びに液晶表示装置

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JP3221539B2
JP3221539B2 JP25903294A JP25903294A JP3221539B2 JP 3221539 B2 JP3221539 B2 JP 3221539B2 JP 25903294 A JP25903294 A JP 25903294A JP 25903294 A JP25903294 A JP 25903294A JP 3221539 B2 JP3221539 B2 JP 3221539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶素子並びに液晶表
示装置に関し、さらに詳しくは耐衝撃性が改善された、
コントラストの高い表示画面が得られる液晶組成物を使
用した液晶表示素子や液晶−光シャッター等に利用され
る液晶素子並びに該液晶素子を表示に使用した液晶装
置、特に表示素子として使用した液晶装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、双安定性を有する液晶素子の使用
がクラーク(Clark)およびラガウェル(Lage
rwall)により提案されている(特開昭56−10
7216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。
【0003】双安定性液晶としては、一般にカイラルス
メクチィックC相(SmC* 相)又はH相(SmH*
相)を有する強誘電性液晶が用いられる。
【0004】この強誘電性液晶は電界に対して第1の光
学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双安定状
態を有し、例えば一方の電界ベクトルに対して第1の光
学的安定状態に液晶が配向し、他方の電界ベクトルに対
しては第2の光学的安定状態に液晶が配向されている。
また、この型の液晶は、加えられる電界に応答して、上
記2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加の
ないときはその状態を維持する性質(双安定性)を有す
る。
【0005】以上の様な双安定性を有する特徴に加え
て、強誘電性液晶は高速応答性であるという優れた特徴
を持つ。それは強誘電性液晶の持つ自発分極と印加電場
が直接作用して配向状態の転移を誘起するためであり、
誘電率異方性と電場の作用による応答速度より3〜4オ
ーダー速い。
【0006】また、一般に、液晶の複屈折を利用した液
晶素子の場合、直交ニコル下での透過率は、
【0007】
【数13】 (式中:I0 は入射光強度、Iは透過光強度、θa は以
下で定義される見かけのチルト角、Δnは屈折率異方
性、dは液晶層の膜厚、λは入射光の波長である。)で
表される。
【0008】前述の非らせん構造における見かけのチル
トθa は、第1と第2の配向状態でのねじれ配列した液
晶分子の平均分子軸方向の角度として現われることにな
る。上式によれば、かかる見かけのチルト角θa が2
2.5°の角度の時最大の透過率となり、双安定性を実
現する非らせん構造でのチルト角θa が22.5°にで
きる限り近いことが望ましい。
【0009】しかしながら、これまで用いられてきた配
向方法、特にラビング処理したポリイミド膜による配向
方法を、前述のクラークとラガウエルによって発表され
た双安定性を示す非らせん構造の強誘電性液晶に対して
適用した場合には、下述の如き問題点を有していた。
【0010】即ち、従来のラビング処理したポリイミド
膜によって配向させて得られた非らせん構造の強誘電性
液晶でのみかけのチルト角θa (2つの安定状態の分子
軸をなす角度1/2)が強誘電性液晶でのコーン角(図
3に示す三角錐の頂角の1/2の角度Θ)と較べて著し
く小さくなっていることが判明した。特に、従来のラビ
ング処理したポリイミド膜によって配向させて得た非ら
せん構造の強誘電性液晶でのみかけのチルト角θa は、
一般に3°〜8°程度で、その時の透過率はせいぜい3
〜5%程度であった。
【0011】スメクチック液晶は一般に層構造をもつ
が、SmA相からSmC相又はSmC* 相に転移すると
層間隔が縮むので図2のように21で表される液晶層
が、上下基板の中央で折れ曲がった構造(シェブロン構
造)をとる。折れ曲がる方向は図に示すように高温相か
らSmC* 相に移転した直後に現れる配向状態(C1配
向状態)の部分22における場合と、さらに温度を下げ
た時にC1配向状態に混在して現れる配向状態(C2配
向状態)の部分23における場合の2つが有り得る。
【0012】その後、特定のプレチルトの高い配向膜と
液晶の組み合わせを用いると、 上記のC1→C2転移が起こりにくく、液晶材料に
よっては全くC2配向状態が生じないこと、及び、 C1配向内に従来見出されていた液晶のディレクタ
が上下の基板間でねじれている低コントラストの2つの
安定状態(以下、スプレイ状態と呼ぶ)の他に、コント
ラストの高い別の2つの安定状態(以下、ユニフォーム
状態と呼ぶ)が現れることが発見された。
【0013】また、これらの状態は電界をかけると互い
に遷移する。弱い正負のパルス電界を印加するとスプレ
イ2状態間の遷移が起こり、強い正負のパルス電界を印
加するとユニフォーム2状態間の遷移が起こる。ユニフ
ォーム2状態を用いると従来より明るく、コントラスト
の高い表示素子が実現できる。
【0014】そこで、表示素子として画面全体をC1配
向状態に統一し、且つCI配向内の高コントラストの2
状態を白黒表示の2状態として用いれば、従来より品位
の高いディスプレイが実現できると期待される。上記の
ようにC2配向性状態を生ぜずにC1配向状態を実現す
るためには、以下のような条件を満たすことが必要であ
る。
【0015】即ち、図3に示すようにC1配向及びC2
配向での基板近くのディレクタはそぞれ図3(a)及び
(b)のコーン31上にある。よく知られているように
ラビングによって基板界面の液晶分子は、基板に対して
プレチルトと呼ばれる角度α(図3の基板20と液晶分
子33のなす角度)をなし、その方向はラビング方向
(図2及び図3でいえばA方向)に向かって液晶分子が
頭をもたげる(先端が浮いた格好になる)向きである。
以上のことにより液晶のコーン角Θ、プレチルト角α及
び層傾斜角δ(図3の基板法線32と液晶分子層21と
のなす角度)の間には、
【0016】
【数14】C1配向のとき Θ+δ>α C2配向のとき Θ−δ>α の関係が成り立っていなければならない。
【0017】従って、C2配向を生ぜずC1配向を生じ
させるための条件は、
【0018】
【数15】 Θ−δ<αつまりΘ<α+δ (I) である。
【0019】さらに界面の分子が一方の位置から他方の
位置へ電界によって移るスイッチングの際に受けるトル
クの簡単な考察より、界面分子のスイッチングが起こり
やすい条件として
【0020】
【数16】 α>δ (II) が得られる。
【0021】よって、C1配向状態をより安定に形成さ
せるためには、(I)式の関係に加えて(II)式の関
係を満たすことが効果的である。
【0022】(I)及び(II)式の条件の下でさらに
実験を進めた結果、液晶の見かけのチルト角θa
(I)及び(II)式の条件を満たさない従来の液晶素
子の場合の3°〜8°程度から、(I)及び(II)式
の条件を満たす本発明の場合の8°〜16°程度にまで
増大し、液晶のコーン角Θとの間に、
【0023】
【数17】 Θ>θa >Θ/2 (III) という関係式が成り立つことが経験的に得られた。
【0024】以上のように、(I)、(II)及び(I
II)式の条件を満足すれば高コントラストな画像が表
示されるディスプレイが実現できることが明らかとなっ
た(特開平3−252624号公報)。
【0025】C1配向状態を安定に形成し、良好な配向
性を得るために、上下基板のラビング方向を2°〜25
°(交差角)の範囲でずらしたクロスラビングも極めて
効果がある。
【0026】ところで、カイラルスメクチィック液晶素
子を用いた表示装置は、従来のCRTやTN型液晶ディ
スプレイをはるかに上回る大画面化及び高精細化を可能
とする表示素子であるが、その大画面化・高精細化に伴
い、フレーム周波数(1画面形成周波数)が低周波とな
ってしまい、このため、画面書き換え速度や文字編集や
グラフィックス画面等でのスムーズスクロール、及びカ
ーソル移動等の動画表示の速度が遅くなるという問題点
があった。この問題に対する解決法は、特開昭60−3
1120号公報、特開平1−140198号公報等で開
示されている。
【0027】即ち、走査電極と情報電極とをマトリック
ス配置した表示パネルと、走査電極を全数又は所定数選
択する手段(この手段により選択する場合を全面書込み
という)と、走査電極を全数又は所定数のうちの一部選
択する手段(この手段により選択する場合を部分書込み
という)とを有する表示装置を用いるということであ
る。これによって部分的動画表示を部分書込みで行うこ
とによって高速表示が可能となり、部分書込みと全面書
込みの両立が実現できる。
【0028】以上のように、上述した(1),(II)
及び(III)式の条件を満たす液晶素子を上述の部分
書込みを行える表示装置で駆動すれば大画面、高精細デ
ィスプレイにおいて高コントラストな画像が高速表示で
実現できることが明らかになった。
【0029】このように強誘電性液晶は極めて優れた特
性を潜在的に有しており、このような特性を利用するこ
とよって、従来のTN型素子の問題点の多くに対して、
かなり本質的な改善がなされており、特に高速光学光シ
ャッターや、高密度大画面ディスプレイへの応用が期待
され、強誘電性を持つ液晶材料に関しては広く研究がな
されてきた。
【0030】しかし、現在までに開発された強誘電性液
晶材料は、作動可能温度範囲、応答速度の温度依存性、
耐衝撃性などで液晶素子として用いるのに十分な特性を
持ち合わせているとは言い難い面もあった。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】強誘電性液晶は、それ
を利用及び保存する温度範囲(おおよそ−30°〜70
°)ではスメクチック相を示す為に、明確な層構造を有
しておりネマクチック液晶に比べ流動性に乏しい。従っ
てセル外部からの応力、例えば衝撃力や歪み力に対して
は、比較的脆い性質をもっており、軽度の衝撃に対して
はC1配向とC2配向が混在してしまうジグザグ欠陥が
発生し、更に強い衝撃に対しては、層構造そのものにも
乱れを生じ、代表的にはサンデッドテクスチャーを発生
する。衝撃力によるサンデッドテクスチャーの発生は、
例えば坪山らの米国特許第4674839号で明らかに
されている。
【0032】そこで本発明では、外部からの応力、例え
ば衝撃力あるいは歪み力に対して強い安定度を示す液晶
素子、及びこれらを使用した表示装置を提供することを
目的とする。また更には、液晶素子の表示素子としての
表示能力を高める為にコントラストが大きく、しかも耐
衝撃性に優れた表示素子を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液晶素子
に用いられる強誘電性液晶のスメクチィック相における
層と基板法線とのなす角度を「層の傾斜角δ」、またそ
の「半値幅をWH 」とすれば、基板界面からの配向規制
力がないか或いは弱い状態で測定された時の値δA :W
HAと、実際のセル中で基板界面から強い配向規制力を受
けている時の値δR 、WHRの間にある関係が成り立つ時
に上記の問題が大きく改善され、液晶素子の耐衝撃性を
著しく向上させることができることを新たに見いだし
た。
【0034】即ち本発明は、液晶と、該液晶を挟持して
対向すると共にその対向面に各々上記液晶に電圧を印加
するための電極が形成され、かつ液晶を配向させるため
の一軸性配向軸が互いに所定の角度で交差した配向処理
を施した一対の基板とを備えた液晶素子において、該液
晶は強誘電性液晶組成物であり、かつ該強誘電性液晶組
成物のスメクチック相における層と基板法線のなす角度
を層の傾斜角とすると、該強誘電性液晶組成物の真の層
の傾斜角δ A と実際の層の傾斜角δ R を、 (1)基板界面からの配向規制力をほとんど無視できる
様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持し、
磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相にお
ける25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ A
し、 (2)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための電
極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、一
軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差した
配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラルス
メクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの安
定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液晶
組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値を
実際の層の傾斜角δ R とした時、
【0035】
【数18】 なる関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物
を使用した液晶素子を提供するものである。
【0036】また、本発明は、液晶と、該液晶を挟持し
て対向すると共にその対向面に各々上記液晶に電圧を印
加するための電極が形成され、かつ液晶を配向させるた
めの一軸性配向軸が互いに所定の角度で交差した配向処
理を施した一対の基板とを備えた液晶素子において、
液晶は強誘電性液晶組成物であり、液晶素子のプレチル
ト角α、強誘電性液晶組成物のコーン角Θ、層の傾斜角
δRが各々
【0037】
【数19】Θ<α+δR および α>δR
【0038】で表される関係を満たす配向状態を有し、
かつ該配向状態における液晶が少なくとも2つの光学的
な安定状態を示し、それらの光学軸のなす角度の1/2
で定義される見かけのチルト角θaと、強誘電性液晶組
成物のコーン角Θとが、
【0039】
【数20】Θ>θa >Θ/2
【0040】となる関係を満たしている配向状態を有
し、かつ該強誘電性液晶組成物のスメクチック相におけ
る層と基板法線のなす角度を層の傾斜角とすると、該強
誘電性液晶組成物の真の層の傾斜角δ A と実際の層の傾
斜角δ R を、 (1)基板界面からの配向規制力をほとんど無視できる
様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持し、
磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相にお
ける25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ A
し、 (2)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための電
極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、一
軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差した
配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラルス
メクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの安
定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液晶
組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値を
実際の層の傾斜角δ R とした時、
【0041】
【数21】 なる関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物
を使用した液晶素子を提供するものである。
【0042】また、本発明は、液晶と、該液晶を挟持し
て対向すると共にその対向面に各々上記液晶に電圧を印
加するための電極が形成され、かつ液晶を配向させるた
めの一軸性配向軸が互いに所定の角度で交差した配向処
理を施した一対の基板とを備えた液晶素子において、
液晶は強誘電性液晶組成物であり、かつ該強誘電性液晶
組成物のスメクチック相における層と基板法線のなす角
度を層の傾斜角とすると、該強誘電性液晶組成物の真の
層の傾斜角δ A の半値幅W HA と、実際の層の傾斜角δ R
半値幅W HR を、 (11)基板界面からの配向規制力をほとんど無視でき
る様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持
し、磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相
における25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ
A とし、その傾斜角δ A の半値幅をW HA とし、 (12)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための
電極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、
一軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差し
た配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラル
スメクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの
安定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液
晶組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値
を実際の層の傾斜角δ R とし、その傾斜角δ R の半値幅を
HR とした時、
【0043】
【数22】 なる関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物
を使用した液晶素子を提供するものである。
【0044】また、本発明は、液晶と、該液晶を挟持し
て対向すると共にその対向面に各々上記液晶に電圧を印
加するための電極が形成され、かつ液晶を配向させるた
めの一軸性配向軸が互いに所定の角度で交差した配向処
理を施した一対の基板とを備えた液晶素子において、
液晶は強誘電性液晶組成物であり、液晶素子のプレチル
ト角α、強誘電性液晶組成物のコーン角Θ、層の傾斜角
δRが各々
【0045】
【数23】Θ<α+δR および α>δR
【0046】で表される関係を満たす配向状態を有し、
かつ該配向状態における液晶が少なくとも2つの光学的
な安定状態を示し、それらの光学軸のなす角度の1/2
で定義される見かけのチルト角θaと、強誘電性液晶組
成物のコーン角Θとが、
【0047】
【数24】Θ>θa >Θ/2
【0048】となる関係を満たしている配向状態を有
し、かつ該強誘電性液晶組成物のスメクチック相におけ
る層と基板法線のなす角度を層の傾斜角とすると、該強
誘電性液晶組成物の真の層の傾斜角δ A の半値幅W
HA と、実際の層の傾斜角δ R の半値幅W HR を、 (11)基板界面からの配向規制力をほとんど無視でき
る様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持
し、磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相
における25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ
A とし、その傾斜角δ A の半値幅をW HA とし、 (12)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための
電極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、
一軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差し
た配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラル
スメクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの
安定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液
晶組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値
を実際の層の傾斜角δ R とし、その傾斜角δ R の半値幅を
HR とした時、
【0049】
【数25】 の関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物を
使用した液晶素子を提供することにある。
【0050】また、本発明は上記の液晶素子を具備して
なる液晶装置を提供することにある。さらに、本発明
は、上記の液晶素子と、該液晶素子の駆動手段と、光源
とを具備してなる液晶表示装置を提供することにある。
【0051】一般に、強誘電性液晶が、基板界面からの
配向規制力が無視でき得るような十分に厚いセル厚を持
ったセルに挟持され、磁場配向など何らかの方法で一軸
性を与えられた時のスメクチック相における層の傾斜角
を「真の層の傾斜角δA 」、その半値幅をWH とする
と、δA の値は各液晶組成物特有の値であり、物性値で
ある。そしてこの時、液晶組成物は明確な層構造を有
し、ネマクチック液晶に比べて流動性に乏しい。
【0052】そのために外部からの応力、例えば衝撃力
や歪み力に対しては脆い性質を持っており、該力が印加
された時には、このスメクチック相の層構造に変形、転
移、あるいは破壊が生じ、液晶分子の配向状態に乱れを
生じやすい。
【0053】本発明者らは、様々な種類の骨格構造、側
鎖長の組み合わせ、並びにそれらの混合組成比率を変化
させることにより得られた多くの液晶組成物の物性と、
耐衝撃性を検討した結果、前述したような液晶組成物の
層の傾斜角δの値の比、あるいはその半値幅の比と、衝
撃に対する耐久性が非常に深くかかわっていることを見
いだした。
【0054】つまり、本発明者らの研究によると、液晶
を挟持して対向すると共にその対向面にそれぞれ上記液
晶に電圧を印加するための電極が形成され、かつ液晶を
配向させるための一軸性配向軸を互いに平行、あるいは
所定の角度で交差するように配向処理を施した一対の基
板とを備え、カイラルスメクチック相の螺旋構造を解消
し、少なくとも二つの安定状態を示す実際の液晶素子に
おける層の傾斜角の値を「実際の層の傾斜角δR 」、そ
の半値幅をWHRとすると、δR がδA に比較して大き
く、かつ/あるいはWHRがWHAに比較して大きい場合、
特にδでは1.03倍、WH で1.3倍を越えると、ま
た前述の非常にコントラストの高いユニフォーム配向状
態でもδで1.03倍、WH で1.3倍を超えると著し
く外部からの応力に対して安定となる。
【0055】これは、実際のセル中での層の傾斜角の値
δR が、液晶組成物本来の真の層の傾斜角δA からある
程度ずれることによって、スメクチック相の層構造自体
がルーズとなり、逆に外部からの応力を適度に吸収し
て、衝撃力や、歪み力に対して強くなるためと考えられ
る。この層構造のルーズさは、X線回折でδを測定した
時のδのピークの半値幅が広くなることからも示されて
いる。
【0056】また、更にさまざまな種類の骨格構造、及
びその混合比率を変化させ検討した結果、強誘電性液晶
のスメクチック相の層の傾斜角の特性を前述のごとくに
する有効な手段のひとつとして、強誘電性液晶組成物中
に、次の一般式(A)で表されるインダン化合物および
/または一般式(B)で表されるチオフェン化合物を含
有させることが重要であることがわかった。
【0057】さらに、液晶素子の面からはセルのブレチ
ルトをある程度高くすることによって、ユニフォーム配
向が安定となり、また、衝撃に対する耐久性も向上する
が、それだけではなく、セルと液晶組成物のさまざまな
物性値とのマッチングが重要であり、素子構成と、液晶
材料の両方向からの最適化が必要である。
【0058】次に、強誘電性液晶組成物に含有されるイ
ンダン化合物を下記の一般式(A)に示す。
【0059】
【化15】
【0060】式中、R 、R は炭素原子数1〜1
8の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、X
は単結合、
【0061】
【化16】 であり、A は単結合または
【0062】
【化17】 のいずれかであり、A
【0063】
【化18】 のいずれかを示す。
【0064】一般式(A)で示される液晶性化合物の好
ましい具体的化合物を下記の表に示す。表中におけるア
ルファベットで表わされる略号は下記に示す側鎖基、ま
たは環状基を示す。
【0065】met=CH ,hep=C
15 ,trt=C1327 ,eth=C
,oct=C17 ,tet=C1429
,pro=C ,non=C19
ped=C1531 ,but=C ,de
c=C1021 ,hexd=C1633,pen
=C11 ,und=C1123 ,hepd
=C1735,hex=C13 ,dod=C
1225 ,ocd=C1837,2mb=2−メ
チル−ブチル
【0066】
【化19】
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】次に、強誘電性液晶組成物に含有されるチ
オフェン化合物を下記の一般式(B)に示す。
【0070】
【化20】 式中、R3は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状
のアルキル基であり、X3、X4は単結合、
【0071】
【化21】 であり、A3
【0072】
【化22】 のいずれかを示す。nは3〜16、好ましくは4〜11
の整数を示す。
【0073】一般式(B)で示される液晶性化合物の好
ましい具体的化合物を下記の表に示す。表中におけるア
ルファベットで表わされる略号は下記に示す側鎖基、ま
たは環状基を示す。
【0074】met=CH ,hep=C
15 ,trt=C1327 ,eth=C
,oct=C17 ,tet=C1429
,pro=C ,non=C19
ped=C1531 ,but=C ,de
c=C1021 ,hexd=C1633,pen
=C11 ,und=C1123 ,hepd
=C1735,hex=C13 ,dod=C
1225 ,ocd=C1837,2mb=2−メ
チル−ブチル
【0075】
【化23】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】また、本発明における液晶組成物に含まれ
るのに好ましい液晶性化合物としては、他に下記の構造
を有する液晶性化合物などをあげることができる。これ
らをを主成分として強誘電性液晶組成物を作成し、ま
た、液晶組成物の各液晶性化合物の配合比を、適宜異な
るものとすることができる。
【0079】また、本発明の液晶組成物は、前記一般式
(A)で示される液晶性化合物の少なくとも1種以上
と、前記一般式(B)で示される液晶性化合物の少なく
とも1種以上を各々1〜30重量%、好ましくは1〜2
0重量%を含有するのが望ましい。
【0080】
【化24】
【0081】(式中、m,Lは、0、1、2であって、
0<m+L≦2である。R4 ,R5 は、水素原子、ハロ
ゲン、CN基、または、炭素原子数1〜18の直鎖状ま
たは、分岐状または、環状のアルキル基であり、該アル
キル基中の1つ、もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘ
テロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、−CO
−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡C−によって
置き換えられていてもよく、Wは、ハロゲン、CN、C
3 を示す。また、R4 、R5 は光学活性であっても良
い。)
【0082】
【化25】
【0083】(式中、A4 は、
【0084】
【化26】 を表す。
【0085】X5 は、水素原子またはフッ素原子を表
し、R6 ,R7 は、水素原子、ハロゲン、CN基、また
は、炭素原子数1〜18の直鎖状または、分岐状また
は、環状のアルキル基であり、該アルキル基中の1つ、
もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接し
ない条件で−O−、−S−、−CO−、−CHW−、−
CH=CH−、−C≡C−によって置き換えられていて
もよく、Wは、ハロゲン、CN、CF3 を示す。また、
6 、R7 は光学活性であっても良い。)
【0086】
【化27】 (式中、B1 は、
【0087】
【化28】 を表す。
【0088】R8 ,R9 は、水素原子、ハロゲン、CN
基、または、炭素原子数1〜18の直鎖状または、分岐
状または、環状のアルキル基であり、該アルキル基中の
1つ、もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が
隣接しない条件で−O−、−S−、−CO−、−CHW
−、−CH=CH−、−C≡C−によって置き換えられ
ていてもよく、Wは、ハロゲン、CN、CF3 を示す。
また、R8 、R9 は光学活性であっても良い。)
【0089】
【化29】 (式中、C1 は、
【0090】
【化30】 を表す。Zは、−O−、−S−を表わす。
【0091】R10 ,R11 は、水素原子、ハロゲン、C
N基、または、炭素原子数1〜18の直鎖状または、分
岐状または、環状のアルキル基であり、該アルキル基中
の1つ、もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子
が隣接しない条件で−O−、−S−、−CO−、−CH
W−、−CH=CH−、−C≡C−によって置き換えら
れていてもよく、Wは、ハロゲン、CN、CF3 を示
す。また、R10 、R11は光学活性であっても良い。)
【0092】
【化31】 (式中、R12 ,R13 は、水素原子、ハロゲン、CN
基、または、炭素原子数1〜18の直鎖状または、分岐
状または、環状のアルキル基であり、該アルキル基中の
1つ、もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が
隣接しない条件で−O−、−S−、−CO−、−CHW
−、−CH=CH−、−C≡C−によって置き換えられ
ていてもよく、Wは、ハロゲン、CN、CF3 を示す。
また、R12、R13は光学活性であっても良い。)以下に
(I)〜(IV)の化合物のより好ましい化合物例を下
記に示す。
【0093】(I)の化合物のより好ましい化合物例
【0094】
【化32】
【0095】(II)の化合物のより好ましい化合物例
【0096】
【化33】
【0097】(III)の化合物のより好ましい化合物
【0098】
【化34】
【0099】(IV)の化合物のより好ましい化合物例
【0100】
【化35】
【0101】R、R′は夫々独立して、水素原子、ハロ
ゲン、CN基、または、炭素原子数1〜18の直鎖状ま
たは、分岐状または、環状のアルキル基であり、該アル
キル基中の1つ、もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘ
テロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、−CO
−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡C−によって
置き換えられていてもよく、Wは、ハロゲン、CN、C
3 を示す。また、Rは光学活性であっても良い。X5
は、上述したものと同じである。
【0102】図1は強誘電性を利用した液晶素子の構成
を説明するために、本発明のカイラルスメクチック液晶
層を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。図
1において符号1はカイラルスメクチック液晶層、2は
ガラス基板、3は透明電極、4は配向層、5はスペーサ
ー、6はリード線、7は電源、8は偏光板、9は光源を
示している。
【0103】2枚のガラス基板2は、それぞれIn2
3 、SnO2 あるいはITO(インジウム ティン オ
キサイド;Indium−Tin Oxside)等の
薄膜から成る透明電極3が被覆されている。その上にポ
リイミドの様な高分子の薄膜をガーゼやアセテート植毛
布等でラビングして、液晶をラビング方向に並べる配向
層が形成されている。また、該膜を形成する絶縁物質と
して、例えばシリコン窒化物,水素を含有するシリコン
炭化物,シリコン酸化物,硼素窒化合物,水素を含有す
る硼素窒化物,セリウム酸化物,アルミニウム酸化物,
ジルコニウム酸化物,チタン酸化物やフッ化マグネシウ
ムなどの無機物質絶縁層を形成し、その上にポリビニル
アルコール,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエス
テルイミド,ポリパラキシレン,ポリエステル,ポリカ
ーボネート,ポリビニルアセタール,ポリ塩化ビニル,
ポリ酢酸ビニル,ポリアミド,ポリスチレン,セルロー
ス樹脂,メラミン樹脂,ユリヤ樹脂,アクリル樹脂やフ
ォトレジスト樹脂などの有機絶縁物質を配向制御層とし
て、2層で配向制御層が形成されてもよく、また無機物
質絶縁性配向制御層あるいは有機物質絶縁性配向制御層
単層であっても良い。この配向層が無機系ならば蒸着法
などで形成でき、有機系ならば有機物質を溶解させた溶
液、またはその前駆体溶液(溶剤に0.1〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%)を用いて、スピナ
ー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗
布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件下(例
えば加熱下)で硬化させ形成させることができる。
【0104】配向層の層厚は通常30Å〜1μm、好ま
しくは40Å〜3000Å、さらに好ましくは40Å〜
1000Åが適している。
【0105】この2枚のガラス基板2はスペーサー5に
よって任意の間隔に保たれている。例えば所定の直径を
持つシリカビーズ,アルミナビーズをスペーサーとして
ガラス基板2枚で挟持し、周囲をシール材、例えばエポ
キシ系接着剤を用いて密封する方法がある。その他スペ
ーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用
しても良い。この2枚のガラス基板の間に強誘電性を示
す液晶が封入されている。
【0106】カイラルスメクチック液晶が封入されたカ
イラルスメクチック液晶相1の厚さは、一般には0.5
〜20μm、好ましくは1〜5μmである。
【0107】また、この強誘電性液晶は、室温を含む広
い温度域(特に低温側)でSmC*相(カイラルスメク
チックC相)を有し、かつ素子とした場合には駆動電圧
マージン及び駆動温度マージンが広いことが望まれる。
【0108】また、特に素子とした場合に、良好な均一
配向性を示し、モノドメイン状態を得るには、その強誘
電性液晶は、等方相からCh相(コレステリック相)−
SmA(スメクチック相)−SmC* (カイラルスメク
チックC相)という相転移系列を有していることが望ま
しい。
【0109】透明電極3からはリード線によって外部電
源7に接続されている。
【0110】また、ガラス基板2の外側には偏光板8が
貼り合わせてある。図1は透過型である。さらに本発明
は、上記液晶素子に液晶素子の駆動回路、光源を備えた
液晶表示装置を提供するものである。
【0111】本発明の液晶素子を表示パネル部に使用
し、図4及び図5に示した走査線アドレス情報をもつ画
像情報よりなるデータフォーマット及びSYNC信号に
よる通信同期手段をとることにより、液晶表示装置を実
現する。
【0112】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックスコントローラ102にて行なわれ、図4及び図5
に示した信号転送手段にしたがって表示パネル103に
転送される。グラフィックスコントローラ102は、C
PU(中央演算処理装置、以下GCPU112と略す)
及びVRAM(画像情報格納用メモリ)114を核に、
ホストCPU113と液晶表示装置101間の画像情報
の管理や通信をつかさどっており、本発明の制御方法は
主にこのグラフィックスコントローラ102上で実現さ
れるものである。なお、該表示パネルの裏面には、光源
が配置されている。
【0113】本発明に係るコーン角Θ、見かけのチルト
角θa 、層の傾斜角δ、層の傾斜角δの半値幅WH 及び
プレチルト角αは以下のようして測定した。
【0114】コーン角Θの測定 ±30V〜±50V、100HzのAC電圧を強誘電性
液晶(FLC)素子の上下基板間に印加しながら直交ク
ロスニコル下、その間に配置されたFLC素子を偏光板
と水平に回転させ、フォトマル(浜松フォトニクス
(株)製)で光学応答を検知しながら第1の消光位(透
過率が最も低くなる位置)と第2の消光位を捜す。この
時の第1の消光位から第2の消光位までの角度の1/2
をコーン角Θとした。
【0115】見かけのチルト角θa の測定 液晶の閾値の単発パルスを印加した後、無電界下、且つ
直交クロスニコル下、その間に配置された強誘電性液晶
(FLC)素子を偏光板と水平に回転させ第1の消光位
を捜し、次に上記の単発パルスと逆極性のパルスを印加
した後、無電界下、第2の消光位を捜す。この時の第1
の消光位から第2の消光位までの角度1/2をθa とし
た。
【0116】層の傾斜角δの測定 基本的にはクラークやラガーウォルによって発表された
方法(Japan Display ’86,Sep.
30〜Oct.2,1986,pp.456〜458)
或いは大内らの方法(J.J.A.P.,27,(5)
(1988)pp.L725〜728)と同様の方法を
用いた。
【0117】測定装置は回転対陰極方式のMACサイエ
ンス社製、X線回折装置を用い、銅のKα線を分析線と
した。液晶セルには基板ガラスとしてX線の吸収を極力
低減するために80μm厚ガラス(コーニング社製、商
品名マイクロシート)を用い、その他は通常のセル化工
程をそのまま使用した。まず液晶の層間隔は、バルク液
晶を試料ガラス上に塗り、通常の粉末X線回折と同様に
2θ/θscanを行って求める。
【0118】次に傾斜角δの測定は、前記と同じ80μ
m厚ガラスをスペーサーとして80μmギャップのセル
を形成し、電磁石中で基板と平行な方向に磁場をかけな
がら等方相から徐冷し、水平配向処理を施したセルを用
意した。これに前記層間隔を得た回折角2θにX線検出
器を合わせ、セルをθスキャンし、前記文献に示された
方法でδを算出した。
【0119】次に、「基板界面からの配向規制力をほと
んど無視できるような十分に厚いセル厚」を探る為に、
セル厚を、1.5,20,50,80,100,300
μmと変えて、δのセル厚依存性を考案した結果、セル
厚が50μm以上ならほぼ0.5%以下の精度でセル厚
に関係なく真の層間隔δA が測定できることがわかっ
た。
【0120】なお、この時に測定した液晶組成物は、後
述する液晶組成物Dで、室温での層間隔は約28.9
Å、SmC* ピッチは約9μmである。なお、以下の実
施例では、特別に断らない限り、δA の値は80μmギ
ャップセルを磁場配向させて測定した。
【0121】また、該液晶を挟持して対向すると共にそ
の対向面にそれぞれ上記液晶に電圧を印加するための電
極が形成され、かつ液晶を配向させるための一軸性配向
軸が互いに所定の角度で交差した配向処理を施した一対
の基板とを備え、カイラルスメクチック相の螺旋構造を
解消し、少なくとも2つの安定状態を示す実際の液晶素
子における層の傾斜角δR は、前述の80μm厚ガラス
にITOの薄膜を約1000Åの厚さでスパッタリング
し、その上に絶縁層としてTi−Si膜を約1200Å
の厚さに成膜し、更にその上に配向制御膜として、後に
述べる東レ社製LP64、日立化成社製LQ1802な
どを塗布、焼成して、所定のプレチルト角になる様にラ
ビングを行った後に、ラビング処理軸が互いに略平行で
かつその方向が同一方向となるように、二枚のガラスを
セルギャップ約1.5μmに貼り合わせたものをセルと
して用い、δA と同様の方法で測定した。
【0122】また、スリツト条件はDS:0.5°、S
S:0.5°、RS:0.3°とした。
【0123】層の傾斜角δの半値幅WH の測定 半値幅、前述のδを測定した時に得られるX線回折のプ
ロフィールの回折強度のピーク値が半分になる値の幅を
直接測定して求めた。この回折プロフィールはセル厚が
変われば当然それにほぼ比例して最大ピーク強度、総ピ
ーク面積も変化するが、半値幅自体はほとんど変化がな
く、セル中における強誘電性液晶のスメクチック相の層
構造の秩序度を示すパラメーターとして用いることがで
きる。スリツト条件は前記と同様である。
【0124】プレチルト角αの測定方法 プレチルト角の測定は、クリスタルローテーション法
(Jpa.J.Appl.Phys.Vo.119(1
980).NO.Short Notes 2031)
により求めた。また、プレチルト角の測定用液晶として
は強誘電性液晶(チッソ社製CS−1014)に下記の
構造式で示される化合物を重量比で20%混合したもの
を標準液晶として注入して測定した。
【0125】
【化36】 なおこの混合した液晶組成物は10〜55℃でSmA相
を示した。
【0126】測定手順は、液晶パネルを上下基板に垂直
かつ配向処理軸(ラビング軸)を含む面で回転させなが
ら、回転軸と45°の角度をなす偏向面を持つヘリウム
・ネオンレーザ光を回転軸に垂直な方向から照射して、
その反射側で入射偏向面と平行な透過軸を持つ偏向板を
通してフォトダイオードで透過光強度を測定した。そし
て、干渉によってできた透過光強度のスペクトルに対
し、理論曲線、数式26、27とフィツティングを行う
シュミレーションによりプレチルト角αを求めた。
【0127】
【数26】
【0128】No:常光屈折率 Ne:異常光屈折率
φ:液晶パネルの回転角 T(φ):透過光強度 d:セル厚 λ:入射
光の波長
【0129】
【数27】
【0130】
【実施例】以下実施例により本発明について更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0131】また、以下の実施例において用いた液晶組
成物の相転移温度(°)、約25℃でのコーン角Θ
(度)と真の層の傾斜角δA(度) を示した。なお、CS
−1014、CS−1031はチッソ社製、ZLI−3
041はメルク社製の強誘電性液晶である。
【0132】
【表5】表5 実験に用いた各液晶組成物のの相転移温
度と真の層の傾斜角δA(25℃)
【0133】(注)液晶組成物E〜Gの組成は下記の通
りである。また、液晶組成物A〜Dはフェニルピリミジ
ン系液晶を主成分とする組成物である。
【0134】液晶組成物E
【0135】
【化37】
【0136】
【化38】
【0137】液晶組成物F
【0138】
【化39】
【0139】
【化40】
【0140】液晶組成物G
【0141】
【化41】
【0142】
【化42】
【0143】衝撃試験 衝撃試験用セルは、約1000Å厚のITO膜が設けら
れている1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれの
ガラス板上にTi−Si前駆体溶液をスピンナーで塗
布、熱硬化し、約1200Åの絶縁層とした。
【0144】次に、それぞれのガラス基板上に後述のポ
リイミド配向膜の前駆体をスピンナーで塗布し加熱焼成
後、ラビング処理を行った。ラビングの強度は、各々ラ
ビング布、回転速度、ガラス基板送り速度などを適宜変
化させて、さまざまなプレチルト角度になるように調節
した。その後、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一
方のガラス基板上に散布し、それぞれのラビング処理軸
が互いに略平行で、且つその処理方向が同一方向となる
ように、二枚のガラス基板を重ね合わせてセルとした。
また、セルの大きさは、対角で14インチとした。
【0145】また、衝撃試験は、上記液晶セルに液晶組
成物を注入し吉田精機社製の落下耐久試験機「DT−5
0」(商品名)による衝撃耐久試験を行った。この際、
落下衝撃20G(G:重力加速度9.8m/sec2
から80Gまで10Gづつ増加させるごとにセルの配向
状態が変化したかどうかを観察し、60Gでの試験でも
配向が変化しないものを良いものとした。
【0146】実施例1〜2,比較例1〜6 ここでは配向制御膜として東レ社製LP−64、ラビン
グ布としてアセテート植毛布を用い、プレチルト角αが
約3°のセルを作成した。また、ガラス基板は、衝撃試
験用の1.1mm厚ガラスと、X線測定用に80μm厚
ガラスを使用し2種類のセルを作成したが、両者の配向
状態、スイッチング速度、コントラトスには何ら差は無
かった。
【0147】このセルに前述の液晶組成物を注入し、
δ、WH の測定結果と共に、耐衝撃試験の結果を表6に
示す。
【0148】
【表6】表6 配向膜LP−64を用いたセルでの衝撃
試験 (25℃) (注)配向変化無*は80Gでも配向の変化が無かつた
ことを示す。
【0149】表6に示すように、インダン化合物が8重
量%含まれている液晶組成物DはδR /δA が、インダ
ン化合物が17重量%含まれているEではδR /δA
HR/WHAが各々1.03,1.3を越えている為に8
0Gの衝撃に耐え得るようになっている。
【0150】このように、液晶組成物中にインダン化合
物が含まれることによって、δR /δA 、WHR/WHA
値が大きく、耐衝撃性が向上することがわかる。なお、
C2状態でのコントラストはほぼ5:1以下で、あまり
高いものではなかった。
【0151】実施例3〜5、比較例7〜10 次に、配向制御膜として日立化成社製LQ−1802、
ラビング布としてナイロン植毛布を用いプレチルト角α
が約10°のセルを作成した。また、ガラス基板は、衝
撃試験用の1.1mm厚ガラスと、X線測定用に80μ
m厚ガラスを用いたセル2種類を作成し、これらのセル
に前述の液晶組成物を注入し、δの測定と共に、耐衝撃
試験を行った。その結果を表7に示す。
【0152】
【表7】表 7 配向膜LQ−1802(α=10°)を用いたセルでの
衝撃試験(25℃)
【0153】なお、液晶組成物Eは、C1/C2配向が
ほぼ半々で混在しており衝撃試験未実施
【0154】表7に示すように、配向制御膜LQ−18
02を用いてプレチルト角が約10°と高い場合には、
液晶組成物Dのみならずに、先のLP−64配向膜を用
いた時には、衝撃力に対して弱かった液晶組成物B、C
までが60Gもの衝撃力に対して耐え得るようになって
いる。
【0155】このとき、液晶組成物B,C,Dともにセ
ル内のほとんどの部分で
【0156】
【数28】Θ<α+δR 及び α>δR かつ
Θ>θα>Θ/2
【0157】の関係を満たす約50:1以上のコントラ
ストの高ユニフォーム配向を示しており、δR /δA
値が1.03を越えているために、衝撃に対して非常に
強くなったと考えられる。しかし液晶組成物Eは、C1
配向とC2配向が混在しており、液晶素子全体での均一
配向が得られなかった。
【0158】実施例6〜10、比較例11〜13 次に、先と同じく配向制御膜としてLQ−1802を用
い、ラビングの条件を変化させてプレチルト角αが約1
9°のセルを作成した。前述と同様の方法でδの測定と
共に、耐衝撃試験を行った。その結果を表8に示す。
【0159】
【表8】表8 配向膜LQ−1802(α=19°)を用いた
セルでの衝撃試験(25℃) 但し、ZL1−3041は、C2配向が2割りほど混在
していた。
【0160】表8に示すように、液晶組成物B,C,D
は、前記のプレチルトが10°のセルの時と同様に、更
には液晶組成物E、並びにZLI−3041までも衝撃
に対して強くなっている。
【0161】この場合、液晶組成物B,C,D,Eでは
ほとんどの部分で、またZLI−3041では8割りほ
どの部分が
【0162】
【数29】Θ<α+δR 及び α>δR かつ Θ
>θa >Θ/2
【0163】の関係を満たす約50:1以上のコントラ
ストの高いユニフォーム配向を示しており、δR /δ
A ,WHR/WHAが各々1.03,1.3を越えているた
めに、衝撃に対して非常に強くなっている。
【0164】このように、セルのプレチルトを高くする
ことによってδR /δA の値を大きくすることができ、
液晶素子の衝撃に対する強度を増加させることができる
ことがわかった。
【0165】しかし、前述のプレチルトが約10°の時
の液晶組成物Eや、約19°の時のZLI−3041の
ように、プレチルトを高くすることによって、耐衝撃性
は向上しても、配向の均一性、コントラストの高さなど
表示素子としての品位が逆に損なわれる場合もあるの
で、液晶組成物と、セルの素子構成、例えばプレチルト
などをどう組み合わせるかの条件が重要であることもわ
かる。
【0166】実施例11〜13、比較例14 ここでは液晶組成物中にインダン化合物と、前述の一般
式(B)で表わされるチオフェン化合物を同時に含有さ
せることによって、液晶組成物の層の傾斜角δが、前述
のようになり、耐衝撃性に優れた液晶組成物が得られや
すいことを示す。
【0167】液晶組成物Aはインダン化合物も、チオフ
ェン化合物も含まない液晶組成物である。一方、液晶組
成物Eはインダン化合物を17%、Fはインダン化合物
を16%、チオフェン化合物を5%、Gはインダン化合
物を17%、チオフェン化合物を6%含有している。
【0168】前述したのと同様の方法で、配向制御膜と
してLQ−1802を用い、プレチルト角αが約16°
のセルを作成し、耐衝撃性試験を行った。その結果を表
9に示す。ここでは、液晶組成物E、F、Gにおいて約
50:1以上のコントラストの高いユニフォーム配向が
得られた。
【0169】
【表9】表9 配向膜LQ−1802(α=16°)を
用いたセルでの衝撃試験(25℃)
【0170】表9に示すように、液晶組成物Eは60
G、液晶組成物FとGはいずれも80G以上の衝撃に耐
えている。ここには液晶組成物F、Gだけを示したが、
他にも多くのインダン化合物とチオフェン化合物を同時
に含有する液晶組成物を検討した結果、これらと同様
に、前述のような層の傾斜角δの特性を有した液晶組成
物が多く得られた。
【0171】以上の実施例、比較例から、強誘電性液晶
を用いた液晶素子において、耐衝撃性を向上させるため
には、実際のセルにおいての層の傾斜角δR と、真の層
の傾斜角δA の関係が
【0172】
【数30】 の関係を満たすような液晶組成物を使用する。あるい
は、各々の層の傾斜角の半値幅WHA,WHRが、
【0173】
【数31】 の関係を満たすような液晶組成物を使用する。
【0174】また、前述したユニフォーム配向状態で
は、層の傾斜角δA ,δR の関係が、
【0175】
【数32】 の関係を満たすような液晶組成物を使用する液晶素子を
使用する。あるいは、各々の層の傾斜角の半値幅WHA
HRが、
【0176】
【数33】 の関係を満たすような液晶組成物を使用する液晶素子を
使用すれば良いことがわかった。
【0177】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の液晶組成
物、液晶素子、及びこれらを使用した液晶表示素子は、
従来の液晶組成物に較べ改善された耐衝撃性を有してい
るとともに、コントラストの高いの表示画面を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を示す模式図である。
【図2】C1及びC2配向を示す説明図である。
【図3】C1及びC2配向でのコーン角、プレチルト角
及び層傾斜角間の関係を示す説明図である。
【図4】本発明の液晶装置とグラフィックスコントロー
ラを示すブロック構成図である。
【図5】本発明の液晶装置とグラフィックコントローラ
との間の画像情報通信タイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック液晶層 2 ガラス基板 3 透明電極 4 配向層 5 スペンサー 6 リード線 7 電源 8 偏光板 9 光源 20a,20b 基板面 21 液晶層 22 C1配向 23 C2配向 A ラビング方向 31 コーン 32 基板法線 33 液晶分子 101 強誘電性液晶表示装置 102 グラフィックスコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/02 C09K 19/32 C09K 19/34 C09K 19/42 - 19/46 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶と、該液晶を挟持して対向すると共
    にその対向面に各々上記液晶に電圧を印加するための電
    極が形成され、かつ液晶を配向させるための一軸性配向
    軸が互いに所定の角度で交差した配向処理を施した一対
    の基板とを備えた液晶素子において、該液晶は強誘電性
    液晶組成物であり、かつ該強誘電性液晶組成物のスメク
    チック相における層と基板法線のなす角度を層の傾斜角
    とすると、該強誘電性液晶組成物の真の層の傾斜角δ A
    と実際の層の傾斜角δ R を、 (1)基板界面からの配向規制力をほとんど無視できる
    様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持し、
    磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相にお
    ける25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ A
    し、 (2)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための電
    極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、一
    軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差した
    配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラルス
    メクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの安
    定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液晶
    組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値を
    実際の層の傾斜角δ R とした時、 【数1】 の関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物を
    使用した液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記の各層の傾斜角が、 【数2】 の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の液晶素
    子。
  3. 【請求項3】 液晶と、該液晶を挟持して対向すると共
    にその対向面に各々上記液晶に電圧を印加するための電
    極が形成され、かつ液晶を配向させるための一軸性配向
    軸が互いに所定の角度で交差した配向処理を施した一対
    の基板とを備えた液晶素子において、該液晶は強誘電性
    液晶組成物であり、液晶素子のプレチルト角α、強誘電
    性液晶組成物のコーン角Θ、層の傾斜角δRが各々 【数3】 で表される関係を満たす配向状態を有し、かつ該配向状
    態における液晶が少なくとも2つの光学的な安定状態を
    示し、それらの光学軸のなす角度の1/2で定義される
    見かけのチルト角θaと、強誘電性液晶組成物のコーン
    角Θとが、 【数4】 となる関係を満たしている配向状態を有し、かつ該強誘
    電性液晶組成物のスメクチック相における層と基板法線
    のなす角度を層の傾斜角とすると、該強誘電性液晶組成
    物の真の層の傾斜角δ A と実際の層の傾斜角δ R を、 (1)基板界面からの配向規制力をほとんど無視できる
    様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持し、
    磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相にお
    ける25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ A
    し、 (2)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための電
    極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、一
    軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差した
    配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラルス
    メクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの安
    定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液晶
    組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値を
    実際の層の傾斜角δ R とした時、 【数5】 の関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物を
    使用した液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記の各層の傾斜角が、 【数6】 の関係を満たすことを特徴とする請求項3記載の液晶素
    子。
  5. 【請求項5】 液晶と、該液晶を挟持して対向すると共
    にその対向面に各々上記液晶に電圧を印加するための電
    極が形成され、かつ液晶を配向させるための一軸性配向
    軸が互いに所定の角度で交差した配向処理を施した一対
    の基板とを備えた液晶素子において、該液晶は強誘電性
    液晶組成物であり、かつ該強誘電性液晶組成物のスメク
    チック相における層と基板法線のなす角度を層の傾斜角
    とすると、該強誘電性液晶組成物の真の層の傾斜角δ A
    の半値幅W HA と、実際の層の傾斜角δ R の半値幅W
    HR を、 (11)基板界面からの配向規制力をほとんど無視でき
    る様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持
    し、磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相
    における25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ
    A とし、その傾斜角δ A の半値幅をW HA とし、 (12)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための
    電極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、
    一軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差し
    た配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラル
    スメクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの
    安定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液
    晶組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値
    を実際の層の傾斜角δ R とし、その傾斜角δ R の半値幅を
    HR とした時、 【数7】 の関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物を
    使用した液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記の各層の傾斜角の半値幅が、 【数8】 の関係を満たすことを特徴とする請求項5記載の液晶素
    子。
  7. 【請求項7】 液晶と、該液晶を挟持して対向すると共
    にその対向面に各々上記液晶に電圧を印加するための電
    極が形成され、かつ液晶を配向させるための一軸性配向
    軸が互いに所定の角度で交差した配向処理を施した一対
    の基板とを備えた液晶素子において、該液晶は強誘電性
    液晶組成物であり、液晶素子のプレチルト角α、強誘電
    性液晶組成物のコーン角Θ、層の傾斜角δRが各々 【数9】 で表される関係を満たす配向状態を有し、かつ該配向状
    態における液晶が少なくとも2つの光学的な安定状態を
    示し、それらの光学軸のなす角度の1/2で定義される
    見かけのチルト角θaと、強誘電性液晶組成物のコーン
    角Θとが、 【数10】 となる関係を満たしている配向状態を有し、かつ該強誘
    電性液晶組成物のスメクチック相における層と基板法線
    のなす角度を層の傾斜角とすると、該強誘電性液晶組成
    物の真の層の傾斜角δ A の半値幅W HA と、実際の層の傾
    斜角δ R の半値幅W HR を、 (11)基板界面からの配向規制力をほとんど無視でき
    る様な十分に厚いセル内に強誘電性液晶組成物を挟持
    し、磁場配向で一軸性を与えて測定したスメクチック相
    における25℃での層の傾斜角の値を真の層の傾斜角δ
    A とし、その傾斜角δ A の半値幅をW HA とし、 (12)対向面にそれぞれ液晶に電圧を印加するための
    電極が形成され、該電極上に液晶を配向させるための、
    一軸性配向軸が互いに平行あるいは所定の角度で交差し
    た配向処理を施した一対の基板を、その間隔がカイラル
    スメクチック相の螺旋構造を解消し、少なくとも二つの
    安定状態を示す間隔で対向配置したセル内に強誘電性液
    晶組成物を挟持して測定した25℃での層の傾斜角の値
    を実際の層 の傾斜角δ R とし、その傾斜角δ R の半値幅を
    HR とした時、 【数11】 の関係を満たすことを特徴とする強誘電性液晶組成物を
    使用した液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記の各層の傾斜角の半値幅が、 【数12】 の関係を満たすことを特徴とする請求項7記載の強誘電
    性液晶組成物を使用した液晶素子。
  9. 【請求項9】 前記強誘電性液晶組成物中に下記一般式
    (A)および/または一般式(B)で示される液晶性化
    合物をそれぞれ少なくとも1種類以上含有する請求項
    1,2,5または6のいずれかの項に記載の液晶素子。 【化1】 (式中、R1 、R2 は炭素原子数1〜18の直鎖状ま
    たは分岐状のアルキル基であり、X1 、X2 は単結
    合、 【化2】 であり、A1 は単結合または 【化3】 のいずれかであり、A2 は 【化4】 のいずれかを示す。) 【化5】 (式中、R3は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐
    状のアルキル基であり、X3、X4は単結合、 【化6】 であり、A3は 【化7】 のいずれかを示す。nは3〜16の整数を示す。)
  10. 【請求項10】 前記一般式(A)で示される液晶性化
    合物の少なくとも1種以上と、前記一般式(B)で示さ
    れる液晶性化合物の少なくとも1種以上を各々1〜30
    重量%含有する請求項9記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 下記一般式(A)および/または一般
    式(B)で示される液晶性化合物をそれぞれ少なくとも
    1種類以上含有する強誘電性液晶組成物を使用した請求
    項3,4,7または8のいずれかの項に記載の液晶素
    子。 【化8】 (式中、R 、R は炭素原子数1〜18の直鎖状
    または分岐状のアルキル基であり、X 、X は単
    結合、 【化9】 であり、A は単結合または 【化10】 のいずれかであり、A は 【化11】 のいずれかを示す。) 【化12】 (式中、R3は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐
    状のアルキル基であり、X3、X4は単結合、 【化13】 であり、A3は 【化14】 のいずれかを示す。nは3〜16の整数を示す。)
  12. 【請求項12】 前記一般式(A)で示される液晶性化
    合物の少なくとも1種以上と、前記一般式(B)で示さ
    れる液晶性化合物の少なくとも1種以上を各々1〜30
    重量%含有する請求項11記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 請求項3,4,7,8,11または1
    2のいずれかの項に記載の液晶素子を具備してなる液晶
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項3,4,7,8,11または1
    2のいずれかの項に記載の液晶素子と、該液晶素子の駆
    動手段と、光源とを具備してなる液晶表示装置。
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