JP2728287B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2728287B2
JP2728287B2 JP1007122A JP712289A JP2728287B2 JP 2728287 B2 JP2728287 B2 JP 2728287B2 JP 1007122 A JP1007122 A JP 1007122A JP 712289 A JP712289 A JP 712289A JP 2728287 B2 JP2728287 B2 JP 2728287B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は空気入りラジアルタイヤ、例えば、直線路お
よび曲線路を含む路面上を高速かつ安全に走行して競走
するモータースポーツ用の空気入りラジアルタイヤに関
する。
(従来の技術) 一般に、空気入りラジアルタイヤ、特に、モータース
ポーツ用空気入りラジアルタイヤは、直線路や曲線路を
含む舗装路面を高速走行する車両に装着し、直線路で急
制動、急加速し、曲線路で急旋回する等の激しい走行を
行う。このため、タイヤはコーナリングパワーおよびコ
ーナリングフォースが高いラジアル構造の空気入りラジ
アルタイヤが主に用いられている。
従来の競走用の空気入りラジアルタイヤとしては、例
えば、第6図にその一部断面を示すようなものがある。
第6図において、従来の空気入りラジアルタイヤ1は、
一対のビードコア2間にわたって延在し、ビードコア2
の回りで折り返されたラジアル構造の2枚のカーカス3
と、カーカス3に沿ってサイド部を補強する1枚のスチ
ールコードの補強層4と、カーカス3のクラウン部3aの
外側に周方向に延在するベルト5と、ベルト5の外側を
覆うトレッド6と、ベルト5の端部を覆うようベルト5
とトレッド6との間に介装された2枚のレヤー層7と、
カーカス3のサイド部の外側を覆うサイドウォール8と
を有し、タイヤの赤道面Eに対して左右対称構造であ
る。
この競走用の空気入りラジアルタイヤ1は、車両に装
着される場合、ラジアル構造のタイヤ特性を十分に発揮
するため、第7図、第8図(a)(b)に示すように、
バイアス構造のタイヤの場合に比較し、マイナス方向で
大きいキャンバ角度(いわゆる逆キャンバ)−3゜〜−
6゜で装着される(図には分かり易く実際より大きいキ
ャンバ角度で示している。また、図中の内側および外側
はタイヤを車両に装着時の内側および外側を示し、タイ
ヤの内側およびタイヤの外側という、以下同じ)。この
理由は、空気入りラジアルタイヤはベルト5の剛性が大
きいために、キャンバ角度αが零度で車両に装着する
と、直進走行時には、第9図(a)に示すように、トレ
ッド6は幅方向の全面で路面9に接地しているが、曲線
路を高速走行するコーナリング時には車体の重心に加え
られる大きな遠心力のため荷重移動(ロール)により第
9図(b)に模式的に示すように、タイヤの内側が路面
9から浮き上がり、充分なコーナリング性能が得られな
いからである。したがって、タイヤは予めマイナス方向
で大きいキャンバ角度を有するよう車両に装着すること
により、第8図(b)に示すように、コーナリング時に
トレッド6が路面9に幅広く接地でき、良好なコーナリ
ング性能が得られるようになされている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このようなマイナス方向で大きいキャ
ンバ角度でタイヤを車両に装着すると、タイヤのコーナ
リング性能は良いが、直進時の走行で第8図(a)およ
び第10図(a)に示すように、タイヤの内側のトレッド
端部6aの接地面圧が高くなり、トレッド端部の近傍の摩
耗を促進し、早期摩耗が発生するとともにトレッド端部
の温度が高くなり過ぎるという問題点がある。
また、空気入りラジアルタイヤ1は、ラジアル構造で
あり、第6図に示すように、トレッド6の接地端である
トレッド端部6aとベルト5の端部5aとがほぼ同じ位置に
重なるため、ベルト5の端部5aの剥離故障や破裂故障の
原因になるという問題点もある。
また、タイヤの断面形状を、予め略円錐形状にして、こ
の頂点側を車両の内側にくるように装着するタイヤも提
案されている。しかしながら、これは、直進時にタイヤ
の内側の面圧を低下することは可能であるが、コーナリ
ング時にタイヤの内側が路面から浮き上るか、または、
タイヤの外側の面圧が異常に高くなり好ましい結果は期
待できない。
そこで本発明は、モータースポーツ用の空気入りラジ
アルタイヤの特性を有効に発揮させるために、タイヤを
大きなキャンバ角度で車に装着しても、タイヤのトレッ
ド端部の耐久性能を十分に保持できるとともに、コーナ
リング特性も十分に発揮できる空気入りラジアルタイヤ
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、モータースポーツ用のトレッド模様を
有さない空気入りラジアルタイヤをマイナス方向で大き
いキャンバ角度で車両に装着し、直進路および曲線路を
高速走行する際のタイヤのサイド部の剛性とトラクショ
ン性能、ブレーキ性能および操縦性能等との関係、さら
に、タイヤのサイド部の剛性とタイヤ構造形状、特に、
トレッド端部の厚み、接地面圧および耐久性能との関係
等につき、種々試験、検討を行った。
その結果、タイヤのサイド部の剛性の増加が必要なの
は、曲線路を走行するコーナリング時であることに着目
し、このコーナリング時にタイヤの外側のサイド部の剛
性の増加が効果的であることを見出した。
また、タイヤの内側のサイド部の剛性は、ラジアルタ
イヤの特性を活かすため剛性の増加をしないでおくのが
直進時のトラクション性能およびブレーキ性能を低下さ
せないことを見出した。
さらに、タイヤのサイド部の剛性をタイヤの内側より
タイヤの外側を大きくするとともに、タイヤの両サイド
部の剛性差に対応して両トレッド端部のトレッドの厚み
差および形状差を好適にすると、トレッド端部の接地面
圧を下げ、耐久性能を向上するのにさらに効果的である
ことを見出した。
本発明者らは、さらに鋭意検討を進め本結論に到達し
た。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、一対のビー
ドコア間にわたって延在しビードコアのまわりに折り返
された折返し部を有するカーカスと、カーカスのクラウ
ン部の外側に周方向に延在する非伸張性のベルトと、ベ
ルトの外側を覆うほぼ円筒状のトレッドと、カーカスの
サイド部の外側を覆うサイドウォールとを備えた空気入
りラジアルタイヤにおいて、前記ビードコアの少なくと
も一方のビードコアの近傍から径方向外側に延在し、タ
イヤのサイド部を補強する少なくとも1枚の補強層を設
け、カーカスの折返し部と補強層とを合わせてタイヤの
一方側のサイド部が他方側のサイド部より強く補強さ
れ、タイヤの前記一方側におけるトレッド端部のトレッ
ド厚さがタイヤの前記他方側におけるトレッド端部のト
レッド厚さより1mm以上厚いことを特徴としている。
ここに、タイヤの折返し部と補強層とを合わせたタイ
ヤの一方側のサイド部が他方側のサイド部より強く補強
されるとは、補強するのにカーカスの折返し部のみによ
って、または補強層のみによって補強してもよいし、ま
た、その両方によって補強してもよい。そして、この補
強によって、タイヤの一方側のサイド部が他方側のサイ
ド部よりより強く補強されることをいう。
また、これらのタイヤのサイド部を補強するのには、
前記折返し部および補強層のそれぞれの構造、材質、材
料またはこれらの組み合わせによってもよい。これらの
具体的な方法として、次のようにしてもよい。
(1) タイヤのサイド部のカーカスおよび補強層の構
造により差異をつけるために、補強層の枚数を他方側
より一方側を多くしてもよい。カーカスの折返し部の
ビードコアからトレッド側への折返し高さを他方側より
一方側を高くしてもよい。
(2) 補強層の使用材質および使用材料により差異を
つけるために、他方側より一方側により剛性の高い材
質を使用する。例えば、他方側に有機繊維コードを、一
方側にスチールコードを使用する。また、他方側より
一方側に剛性の高い材料を使用する。例えば、同じ材質
のコードで他方側より一方側にコードの打ち込み数の多
い材料または、コード径の太い材料を使用する。
また、タイヤの一方側におけるトレッド端部のトレッ
ド厚さが他方側におけるトレッド端部のトレッド厚さよ
り1mm以上厚いとしたのは、1mm未満では本発明の効果が
十分に発揮できないからである。また、トレッド厚さは
タイヤの赤道面Eからトレッド幅TWの3/10の位置までは
赤道面Eにおけるトレッド厚さと同じでほぼ左右対称と
し、さらに外側でショルダまではトレッド厚さを次第に
変化して左右非対称とするのが好ましい。ここで、逆
に、他方側におけるトレッド端部のトレッド厚さを一方
側におけるトレッド端部のトレッド厚さより1mm以上薄
くしてもよい。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、マイナス方
向で大きいキャンバ角度で車両に装着する場合、車両の
外側にタイヤの一方側が内側にタイヤの他方側が位置す
るようにする。逆に、プラス方向で大きいキャンバ角度
で車両に装着する場合、車両の内側にタイヤの一方側が
外側にタイヤの他方側が位置するようにする。すなわ
ち、車両のキャンバに合せて装着するものである。
(作用) 本発明の空気入りラジアルタイヤは、タイヤのサイド
部を補強する補強層を有し、カーカスの折返し部と補強
層とを合わせてタイヤの一方側のサイド部が他方側のサ
イド部より強く補強され、かつ、タイヤの前記一方側の
トレッド端部のトレッド厚さが他方側のトレッド端部の
トレッド厚さより1mm以上厚いので、このような空気入
りラジアルタイヤの一方側を車両の外側に、他方側を車
両の内側にして、かつ、マイナス方向で大きいキャンバ
角度で車両に装着し高速走行すると、直進路を走行時に
は、車両の内側でタイヤの他方側のサイド部の剛性は低
く、タイヤの撓みも大きい。かつ、トレッド端部の厚さ
も薄く路面に接地し易く路面への接地面積は大きくな
り、接地面圧は大幅に低下する。このため、内部歪も少
なく発熱は大幅に低下する。
また、曲線路の走行時には、車両の荷重移動(ロー
ル)は起こるが、タイヤの一方側のサイド部の剛性は十
分に大きいので、タイヤの撓みは少なく、タイヤは幅方
向に十分な接地幅を有している。このため、タイヤは十
分なコーナリングパワーおよびコーナリングフォースを
発生し、ラジアル構造としてのトラクション性能および
ブレーキ性能を十分に発揮できる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る空気入りラジアルタイヤの第1
実施例を示す一部断面図である。
まず、構成について説明する。第1図において、11は
空気入りラジアルタイヤであり、タイヤサイズは240/65
5 R17である。空気入りラジアルタイヤ11は一方のビー
ド12の中心のビードコア12A間にわたってほぼ放射方向
に延在し、ビードコア12Aのまわりに折り返された折返
し部を有するカーカス13と、カーカス13のクラウン部13
aの外側に周方向に延在する非伸張性のベルト15と、ベ
ルト15の外側を覆うほぼ円筒状のトレッド16と、カーカ
ス13のサイド部13bの外側を覆うサイドウォール17とを
有している。カーカス13はコード太さ1260d/2のナイロ
ンコードからなり、内側の第1カーカスプライ13Aと、
この外側の第2カーカスプライ13Bを有している。第
1、2カーカスプライ13Aおよび13Bはナイロンコードの
打込数が62.8/5cmで、ナイロンコードは周方向に対して
通常は90゜〜80゜の角度で互いに反対方向に傾斜し交差
するよう配置されている。本実施例では84゜である。空
気入りラジアルタイヤ11を車両にマイナス方向で大きい
キャンバ角度を有するように、装着する時、車両の外側
にくるタイヤの一方側(図の右側、以下同じ)におい
て、第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aaoは、ビード
コア12Aのまわりを内側から外側に折り返され、ベルト
端部15aの内側に達して終焉している。第2カーカスプ
ライ13Bは第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aaoの外
側に配置され、この折返し部13Baoはビードコア12Aの外
側から内側に折り返されビード12の近傍に終焉してい
る。このため、第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aao
はビード12の近傍をビードコア12Aにより固定され、折
返し部13Aaoの終端部13cを第1、2カーカスプライ13
A、13Bおよびベルト15の端部15aにより固定され、いわ
ゆるアンカー効果を出すようにして、カーカス13を強固
に補強している。
空気入りラジアルタイヤ11を車両に装着時に車両の内
側にくるタイヤの他方側(図の左側、以下同じ)におい
て、第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aaiはビードコ
ア12Aのまわりを内側から外側に折り返され、タイヤの
最大幅位置Sよりビード12側で終焉している。第2カー
カスプライ13Bは第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aa
iの外側に配置され、この折返し部13Baiはビードコア12
Aの外側から内側に折り返され、ビード12の近傍に終焉
している。すなわち、一方側における第1カーカスプラ
イ13Aの折返し部13Aaoの終焉の位置は他方側における折
返し部13Aaiの終焉の位置に比較しビード12からより高
い(図の上方にある)位置まで折り返している(以下、
高いという)。
また、タイヤの一方側(図の右側)において、21は第
1補強層、22は第2補強層であり、これらはともにゴム
被覆されたスチールコード層からなっている。第1補強
層21は第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aaoの内側に
沿って、ビードコア12Aの近傍から径方向外側に、か
つ、タイヤの最大幅位置Sを超えて延在している。第2
補強層22は第2カーカスプライ13Bと第1カーカスプラ
イ13Aの折返し部13Aaoとの間で、ビードコア12Aの近傍
から径方向外側に、かつ、タイヤの最大幅位置Sを超え
て延在している。これらの径方向外側端の位置は第2補
強層22が第1補強層21よりトレッド16側にある。第1、
2補強層のスチールコード層は構造が1×5のスチール
コード、打込数が38本/5cmで、タイヤ周方向に対する角
度が約20゜である。また、タイヤの他方側(図で左側)
において、23は第3補強層であり、第3補強層23はゴム
被覆されたケブラーコード層からなり、第1カーカスプ
ライ13Aの折返し部13Aaiの内側に沿って、ビードコア12
Aの近傍から径方向外側に、かつ、タイヤの最大幅位置
Sを超えて延在している。第3補強層のケブラーコード
層は構造が1500d/2、打込数41本/5cm、タイヤ周方向に
対する角度が約22゜である。以下、第1、2、3補強層
21、22、23を代表するときは補強層20とする。
カーカス13の折返し部と補強層20とを合わせた構造に
おいて、タイヤの一方側のサイド部が2枚のカーカス13
の主体部に加えて1枚の高い折返し部13Aaoおよび2枚
のスチールコード層からなる第1、2補強層21および22
で補強しているのに対し、タイヤの他方側のサイド部が
2枚のカーカス13の主体部に加えて、1枚の低い折返し
部13Baiおよびケブラーコード層からなる1枚の第3補
強層のみで補強している。このため、タイヤのサイド部
の補強は一方側のサイド部が他方側のサイド部より強く
補強されており、非対称構造である。
ベルト15は一対のショルダ間にわたって配置された2
枚のベルトプライ15Aおよび15Bを有するとともに、ベル
トプライ15Aおよび15Bのベルト端部15aの外部を覆う一
対の2枚のレヤー層15Cを有している。ベルトプライ15A
および15Bはゴム被覆され構造が1×5のスチールコー
ドをタイヤの周方向に対して角度22゜(打込数38本/5c
m)で互いに反対方向に傾斜するよう配置されている。
レヤー層15Cはコード種1260d/2のナイロンコードからな
り、ベルト端部15aの動きを抑制している。ここに、ベ
ルト15の外側はベルト15の全幅をナイロンコードからな
る1枚のキャッププライで覆い、さらにベルト端部15a
の外側をレヤー層15Cで覆ってもよい。
トレッド16の外郭線16aは、タイヤの赤道面Eからタ
イヤのトレッド幅TWの3/10の位置16bまでは左右対称で
あり、赤道面Eにおけるトレッド厚さD16eと同じ厚さで
形成され、位置16bのタイヤ幅方向外側では左右非対称
である。すなわち、外郭線16aは位置16bからトレッド端
部(ショルダ)16cに近づくに従って、タイヤの一方側
(図の右側)のトレッド厚さD16が他方側(図の左側)
のトレッド厚さD16より厚くなるように次第に変化し、
一方側のトレッド端部16cのトレッド厚さD16cが他方側
のトレッド端部16cのトレッド厚さD16cより1.2mm厚い
(トレッド非対称形状)。トレッド端部16cのトレッド
厚さD16cはタイヤの一方側におけるトレッド16およびサ
イドウォール17のそれぞれの外郭線の延長線の交点25か
らトレッド端部16cを形成する曲線16dの中心に向かう中
心線26上におけるトレッドの厚さである。タイヤの他方
側においては、一方側と対称な交点(図には仮想線にて
示している)25を基準に同様にしたものである。また、
タイヤの一方側のトレッド端部16cにおいて、トレッド1
6の外郭線16aの内側の2点鎖線16fはタイヤの他方側の
外郭線16aと対称な線を示す。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、タイヤのサイド
部の補強が一方側が他方側より強く補強されているの
で、一方側のサイド部11bの剛性は他方側のサイド部11e
の剛性より高い。また、トレッド16の位置16bより外側
でトレッド厚さD16に左右非対称的な変化があり、他方
側のトレッド端部16cの近傍の外郭線16aはトレッド厚さ
D16が薄くなるように滑らかに変化しているので、空気
入りラジアルタイヤを車両にマイナス方向の大きいキャ
ンバ角度を付けて装着した際、他方側(車両の内側)の
トレッド端部16cにおける接地面積は大きくなり、接地
面圧が、第10図(b)に示すように、大幅に低下する。
第2図(a)〜第2図(e)は、空気入りラジアルタ
イヤに正規内圧を充填し、キャンバ角度−6゜にして正
規荷重を負荷した場合において、本発明に対応してサイ
ド部の非対称構造およびトレッドの非対称形状の空気入
りラジアルタイヤおよび従来の空気入りラジアルタイヤ
のそれぞれの接地面圧分布を示す図である。本発明の空
気入りラジアルタイヤは、従来のものよりタイヤの他方
側(内側)の接地面圧の高い部分F1がタイヤ幅方向およ
び周方向ともに小さくなり、かつ接地面圧の低い部分F2
が拡がり、タイヤの他方側の接地面圧が大幅に低下して
いる。
次に、本発明の第2実施例について説明する。第3図
は本発明に係る空気入りラジアルタイヤの第2実施例を
示す図であり、第1実施例と同じ構成には同じ符号を付
ける。
第2実施例の空気入りラジアルタイヤ31においては、
タイヤの一方側(図の右側)のサイド部11bが他方側
(図の左側)のサイド部11cに対してカーカス13の折返
し部の高さを同じかまたは高く(この実施例では高く)
するとともに、補強層20の材質を強くし、枚数を増加
し、高さを高くして強く補強したものである。すなわ
ち、一方側の第1カーカスプライ13Aの折返し部13Aaoの
高さは他方側の折返し部13Aaiの高さより高い。また、
他方側の補強層20(23)がスチールコード1枚であるの
に対し、一方側の補強層20(21、22)はスチールコード
2枚であるとともに、高さも高くすることにより強く補
強している。
次に、本発明の第3実施例について説明する。
第4図は本発明の第3実施例を示す図であり、第1実
施例と同じ構成には同じ符号を付ける。
第3実施例の空気入りラジアルタイヤ41においては、
タイヤの一方側(図の右側)のサイド部11bが他方側
(図の左側)のサイド部11cに対して、第1カーカスプ
ライ13Aの折返し部13Aaoの高さを高くしてアンカー効果
をもたせるとともに、補強層20の材質を強く、高さを高
くして強く補強したものである。
次に、本発明の第4実施例について説明する。第5図
は本発明の第4実施例を示す図であり、第1実施例と同
じ構成には同じ符号を付ける。
第4実施例の空気入りラジアルタイヤ51においては、
タイヤの一方側(図の右側)のサイド部11bが他方側
(図の左側)のサイド部11cに対して第1カーカスプラ
イ13Aの折返し部の高さは同じでともにアンカー効果を
もたせるようにし、補強層20が1枚のスチールコードで
ある第1補強層21のみを入れることにより強く補強した
ものである。
次に、試験タイヤを2種類のタイヤサイズで準備し、
周回コースを高速走行した時、車両の制御の難易さであ
るコントロール性、ブレーキトラクション性およびサイ
ド剛性感をフィーリング試験で実施し、また、ベストラ
ップタイム、故障の発生の有無等につき比較試験した。
第1の試験タイヤはタイヤサイズ240/655 R17で、本
発明のタイヤが前述の第1図に示す第1実施例と同じで
あり、従来タイヤは第6図に示すものと同じである。試
験は試験タイヤをGr−A仕様車(FR車)の前輪および後
輪にそれぞれキャンバ角度−6゜および−4.5゜で装着
し、周回コースを高速走行して比較した。故障の有無は
周回コースを10周毎に調べた。試験結果は、次表に従来
タイヤを100として指数にて示した。数値は大きい程良
いことを示す。
試験結果は、前表に示すように、本発明のタイヤは故
障の発生なく、コントロール性、ブレーキトラクション
性が大幅に向上するとともに、ベストラップタイムも大
幅に向上した。
第2の試験タイヤは、前輪用のタイヤサイズが180/58
0 R15で、本発明タイヤである。これは、前述の第1図
に示す第1実施例において、ベルト15において、ベスト
プライ15Aおよび15Bの外側がベルト15の全幅をナイロン
コードからなる1枚のキャッププライで覆い、さらにベ
ルト端部15aの外側を1枚のレヤー層15Cで覆ったもので
ある。また、後輪用のタイヤサイズが155/580 R15の第
6図に示す従来タイヤである。比較例は前輪用および後
輪用ともに実施例に対応する従来タイヤ(第6図)であ
る。試験はGr−A仕様車(FF車)を用い、前述の第1の
試験タイヤと同様にして行った。試験結果は表2に示
す。数値は大きい程良いことを示す。
試験結果は、前表に示すように、本発明のタイヤは故
障の発生なく、コントロール性、ブレーキトラクション
性が大幅に向上するとともに、ベストラップタイムも大
幅に向上した。
(効果) 以上説明したように、本発明によれば、モータースポ
ーツ用の空気入りラジアルタイヤの特性を有効に発揮さ
せるために、タイヤをマイナス方向の大きなキャンバ角
度で車に装着しても、タイヤのトレッド端部の耐久性能
を十分に保持できるとともに、コーナリング特性も十分
に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る空気入りラジアルタイヤの一部断
面図である。第2図(a)〜第2図(e)はキャンバ角
度−6゜時の接地面の面圧分布を示す図であり、第2図
(a)〜第2図(e)はそれぞれ、サイド対称構造、サ
イド非対称構造、トレッド対称形状、トレッド非対称形
状、本発明タイヤの接地面圧分布を示す図である。第3
〜5図はそれぞれ本発明に係る空気入りラジアルタイヤ
の第2〜4実施例を示す一部断面図である。第6図は従
来タイヤの一部断面図である。第7図はタイヤをマイナ
ス方向の大きいキャンバ角度で車両に装着した際の車両
の前方から見た概略図である。第8図(a)、(b)は
それぞれマイナス方向の大きいキャンバ角度の場合の直
進時およびコーナリング時の接地形状を示す概略図、第
9図(a)、(b)はそれぞれキャンバ角度零度時の直
進時およびコーナリング時の接地形状を示す概略図、第
10図(a)、(b)はそれぞれ、従来タイヤおよび本発
明タイヤの第8図(a)に対応するトレッド端部の接地
面圧を示すグラフである。 11、31、41、51……空気入りラジアルタイヤ、 12……ビード、 13……カーカス、 15……ベルト、 16……トレッド、 17……サイドウォール、 20……補強層、 21……第1補強層、 22……第2補強層、 23……第3補強層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のビードコア間にわたって延在しビー
    ドコアのまわりに折り返された折返し部を有するカーカ
    スと、カーカスのクラウン部の外側に周方向に延在する
    非伸張性のベルトと、ベルトの外側を覆うほぼ円筒状の
    トレッドと、カーカスのサイド部の外側を覆うサイドウ
    ォールとを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前
    記ビードコアの少なくとも一方のビードコアの近傍から
    径方向外側に延在し、タイヤのサイド部を補強する少な
    くとも1枚の補強層を設け、カーカスの折返し部と補強
    層とを合わせてタイヤの一方側のサイド部が他方側のサ
    イド部より強く補強され、タイヤの前記一方側における
    トレッド端部のトレッド厚さがタイヤの前記他方側にお
    けるトレッド端部のトレッド厚さより1mm以上厚いこと
    を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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