JP2727580B2 - 光走査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は光走査装置に関し、特に複数のレーザー光束
を用いて各々の像担持体である被走査面を光走査するよ
うにした。例えばカラーレーザービームプリンター等の
装置に好適な光走査装置に関するものである。

（従来の技術） 従来よりカラーレーザービームプリンター（カラーLB
P）等の光走査装置においては複数のレーザー光束を用
いて像担持体面上を光走査して画像の読み込みや読み出
し等を行っている。

一般にはこれらの装置は単一の多面鏡より成る光偏向
器の異なる偏向面に各々単一のレーザー光束を入射さ
せ、偏向面で反射したレーザー光束に対して各々ｆ−θ
レンズを設けている。そしてｆ−θレンズからの光束を
偏向面の倒れ補正を行ったアナモフィック面を利用して
像担持体面を光走査するように構成されている。この場
合１つのレーザー光束に対して１組の走査用光学系を設
けている為、装置全体が大型化、複雑化する傾向があっ
た。

これに対して例えば特開昭61−92917号公報や特開昭5
8−79215号公報では偏光特性の異なる２つの光を利用し
たり、又異なる２つの波長の光を利用して２つのレーザ
ー光束を１本に混合し、その後レーザー光束数の半分の
レンズ系によりレーザー光束を集光させ被走査面近傍に
導光した後、偏光ビームスプリッター、又はダイクロイ
ックミラー等によりレーザー光束を２つに分離し、次い
で各々の像担持体面上を光走査するように構成してい
る。

しかしながらこの方法は２本のレーザー光束を混合
し、その後分離している為に、装置全体が複雑になり、
又被走査面上の光走査角が大きくなると光を混合したり
分離したりする際の偏光ビームスプリッターやダイクロ
イックミラーの入射角特性により光もれを起こしてく
る。この為光走査角をあまり大きくとることができない
等の問題点があった。

この他、特開昭56−151566号公報や実開昭57−160118
号公報では多面鏡より成る単一の光偏向器の単一の偏向
面に複数のレーザー光束を被走査面の光走査方向に対し
て直角方向に画角をつけ斜入射させている。そして球面
系より成るｆ−θレンズにより集光させ、該レーザー光
束から離れた位置に配置したミラー系等の光学装置によ
り複数の光束に分割した後、像担持体面上に導光して光
走査を行っている。

この場合ｆ−θレンズに斜入射したレーザー光束はｆ
−θレンズの光学性能により像担持体面上で走査線の湾
曲を起こす。この為従来は像担持体面の前方にシリンド
リカルレンズを配置して像面湾曲を補正していた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながらこの方法は光束が走査角（走査方向の画
角）を持ってシリンドリカルレンズに入射する為、走査
角が大きくなる程、シリンドリカルレンズの見かけの屈
折力が強くなり、レーザー光束は被走査面前方で結像す
るようになり、即ち像面湾曲が大きくなり走査範囲の中
心部と周辺部とではレーザー光束のスポット径が異って
くるという問題点があった。

本発明は複数のレーザー光束を１つの走査用の偏向器
に導光し、複数の被走査面上を光走査する際、走査範囲
を拡大しても走査用のレーザー光束のスポット径を走査
範囲全般にわたり均一にすることができ、かつ像面湾曲
の少ない良好なる光学性能を有しつつ光走査することが
できる光走査装置の提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明の光走査装置は、複数のレーザー光束を単一の
光走査用の光偏向器に導光し、偏向させた後、各々異な
る角度で第１集光レンズに入射させ、次いで各レーザー
光束毎に設けた第２集光レンズで再び集光させて各々対
応する被走査面上に導光して光走査する光走査装置にお
いて、該第２集光レンズの少なくとも２つのレンズ面を
トーリック面より構成することにより、該第１集光レン
ズへの光束の斜入射による走査線の湾曲を補正すること
を特徴としている。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例の概略図である。図中、1
a,1bは各々レーザー発振器、2a,2bはシリンドリカルレ
ンズであり、レーザー発振器からの光束を後述する被走
査面の走査方向と直交する方向に集光している。３は光
偏向器としてのポリゴン多面鏡であり、矢印の方向に一
定速度で回転している。４は第１集光レンズであり、球
面系より成り、ｆ−θ特性を有している。5a,5bはミラ
ー、6a,6bは第２集光レンズであり、少なくとも１つの
レンズ面はトーリック面より成っている。7a,7bは被走
査面であり、矢印Sa,Sbは走査方向を示している。

レーザー発振器1a（1b）からのレーザー光束はシリン
ドリカルレンズ2a（2b）によりポリゴン多面鏡３の偏向
面上に走査方向Sa（Sb）と直角方向に集光され、同方向
に所定の画角を持って入射する。ポリゴン多面鏡３で反
射したレーザー光束はｆ−θ特性を有する第１集光レン
ズ４により集光された後、２つのミラー5a,5bで反射し
２つの光束に分離され、各々第２集光レンズ6a（6b）に
より走査方向Sa（Sb）には発散され、走査方向Sa（Sb）
と直角方向には集光されて被走査面7a（7b）上に集光さ
れる。そしてポリゴン多面鏡３を矢印の方向に回転させ
ることにより被走査面7a（7b）上に集光される。そして
ポリゴン多面鏡３を矢印の方向に回転させることにより
被走査面7a（7b）上を矢印Sa（Sb）方向に光走査してい
る。

次に被走査面7aと7bは全く同じに光走査されている為
に以下被走査面7aの方を例にとり説明する。

第２図（Ａ）はこのときの被走査面7a上の走査方向を
一平面上に展開したときの要部概略図、第２図（Ｂ）は
被走査面7a上の走査方向と直角方向を一平面上に展開し
たときの要部概略図である。

第２図（Ｂ）に示すようにレーザー発振器1aからのレ
ーザー光束はシリンドリカルレンズ2aによりポリゴン多
面鏡３の偏向面3a上に走査方向と直角方向集光され、そ
の後第１集光レンズ４と第２集光レンズ6aとにより被走
査面7a上に集光している。

ここでポリゴン多面鏡の偏向面3aと被走査面7aとは第
１集光レンズ４と第２集光レンズ6aとを介して共役関係
となるようにし、これによりポリゴン多面鏡３の偏向面
が傾いても被走査面7a上の走査位置が変化しないように
している。

又、本実施例ではレーザー光束をポリゴン多面鏡３の
偏光面3aに対して走査方向と直角方向に所定画角を持っ
て斜入射させている為、走査線が第１集光レンズ４のｆ
−θ特性により湾曲して、例えば第２図（Ｇ）の曲線Ａ
のように走査する。これを第２集光レンズ6aにより走査
線Ｃのように補正している。

つまり第１集光レンズ４の射出主平面をポリゴン多面
鏡３の偏向面近傍に設けることにより被走査面の前方の
第２集光レンズ6aによりポリゴン多面鏡３の偏向面の傾
き（第２図（Ｇ）の曲線Ｂ）、第１集光レンズ４に光束
が斜入射するために起こる光束の湾曲（第２図（Ｇ）の
曲線Ａ）の双方を共に補正している。

これに対して第２図（Ａ），（Ｂ）と対応して示す第
３図（Ａ），（Ｂ）の従来の光走査装置であっても走査
線の湾曲、ポリゴン多面鏡13の偏向面の傾きに対してｆ
−θ特性を有する第１集光レンズ14の射出主平面をポリ
ゴン多面鏡の偏向面近傍に配置すれば補正できる。しか
しながら走査角（走査方向に画角）を持ってシリンドリ
カルレンズ16に光束を入射させると第２集光レンズ16の
見かけの屈折力が大きくなり軸上光束は第３図（Ｃ）に
示すように被走査面17上に集光するが軸外光束は第３図
（Ｄ）に示すように被走査面17よりも前方に光束が集光
してしまう。この為被走査面17上での光束のスポット径
は軸上光束は第３図（Ｅ）に示すように小さくなるが軸
外光束は第３図（Ｆ）に示すように増大してきてしま
う。

本実施例ではこのような軸外光束のスポット径の増大
を防止する為に第２図（Ａ）に示すように第２集光レン
ズ6aの少なくとも１つのレンズ面をトーリック面とする
ことにより、被走査面の全面にわたり光束のスポット径
が小さくなるようにしている。

即ち、第２図（Ｃ），（Ｄ）に示すように被走査面の
走査方向及び走査方向と直角方向の双方において被走査
面上に光束が集光するようにし、第２図（Ｅ），（Ｆ）
に示すように走査線の中心部と周辺部で光束のスポット
径が均一でしかも小さくなるようにしている。

又、ポリゴン多面鏡の偏向面の傾き、第１集光レンズ
への光束の斜入射による走査線の湾曲を良好に補正し、
かつ簡易な構成で複数のビームの同時光走査ができるよ
うにしている。

尚、本実施例においては２つの光束を用い、例えば２
色刷り用のレーザービームプリンター等の装置に適用し
た場合を示したが３つ以上の光束を斜入射させるように
して用いても良い。

例えば４つの光束を用いイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック現象に対応させカラーレーザービームプリ
ンター等の装置に適用しても良い。

又、本実施例においてレーザー発振器1a,1bとシリン
ドリカルレンズ2a,2bを単一素子のマルチレーザービー
ム発振器より構成しても良い。第２集光レンズを１枚の
レンズより成る場合について示したが２枚以上複数のレ
ンズより構成しても良い。

（発明の効果） 本発明によれば前述のように第２集光レンズの少なく
とも１つのレンズ面をトーリック面より構成することに
より、被走査面上における像面湾曲を補正し、走査線の
中心部と周辺部との光束のスポット径の均一化を図りつ
つ、ポリゴン多面鏡の偏向面の傾きによる走査線の変動
やｆ−θ特性を有する第１集光レンズへの光束の斜入射
による走査線の湾曲等を共に良好に補正することのでき
る複数のレーザー光束を用いた光走査装置を達成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概略図、第２図（Ａ），
（Ｂ）は第１図の被走査面上の走査方向とそれと直角方
向の要部概略図、第２図（Ｃ），（Ｄ）は第２図（Ａ）
の走査線の中心部と周辺部の一部分の光路図、第２図
（Ｅ），（Ｆ）は第２図（Ａ）の走査線の中心部と周辺
部の光束のスポット径の説明図、第２図（Ｇ）は本発明
における走査線の補正を示す説明図、第３図（Ａ），
（Ｂ）は従来の光走査装置の走査方向とそれと直角方向
の要部概略図、第３図（Ｃ），（Ｄ）は第３図（Ａ）の
走査線の中心部と周辺部の１部分の光路図、第３図
（Ｅ），（Ｆ）は第３図（Ａ）の走査線の中心部と周辺
部の光束のスポット径の説明図である。 図中、1a,1bはレーザー発振器、2a,2bはシリンドリカル
レンズ、３は光偏向器、４は第１集光レンズ、5a,5bは
ミラー、6a,6bは第２集光レンズ、7a,7bは被走査面であ
る。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のレーザー光束を単一の光走査用の光
   偏向器に導光し、偏向させた後、各々異なる角度で第１
   集光レンズに入射させ、次いで各レーザー光束毎に設け
   た第２集光レンズで再び集光させて各々対応する被走査
   面上に導光して光走査する光走査装置において、該第２
   集光レンズの少なくとも１つのレンズ面をトーリック面
   より構成することにより、該第１集光レンズへの光束の
   斜入射による走査線の湾曲を補正することを特徴とする
   光走査装置。