JP2004109204A - 走査光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体レーザーアレイ10の個々の発光点から発してコリメートレンズ11によって平行光束にされたレーザー光束は、1/4波長板12によって円偏光にされた後に、複像部材13によって、互に直交する直線偏光成分からなる一対のレーザー光束に分離される。そして、当該一対のレーザー光束は、シリンドリカルレンズ14によってポリゴンミラー16の反射面近傍において副走査方向に収束される。各反射面によって反射された一対のレーザー光束は、主走査方向に動的に偏向されつつ結像光学系20を透過して、走査対象面S上に、副走査方向にずれて互いに重なる一対の走査線を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の発光点から発光した複数の光束を、夫々、線像形成レンズによって偏向器の反射面の近傍において副走査方向に収束させるとともに、この偏向器によって主走査方向へ動的に偏向し、結像光学系によって走査対象面上に点状に収束させる走査光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の走査光学系(以下、「マルチビーム走査光学系」という)によると、偏向器の一反射面による走査によって同時に複数本の走査線を走査対象面上に描画することができるので、各光束を夫々変調することによって、高速な印字が可能になる。
【0003】
このような走査光学系の光源としては、特開昭57−54914号公報第10図に示される様に、複数の発光点を有する単一の素子を用いることも可能であるし、特開昭60−126620号公報に示される様に、夫々一個の発光点を有する複数の素子を用いることも可能である。
【0004】
何れの光源を採用する場合であっても、光源を構成する各発光点同士の間隔を狭めるには自ずから限度がある。従って、これらの光源の各発光点を、偏向器による走査方向(主走査方向)に直交する副走査方向に一列に配列すると、各発光点から発して線像形成レンズ及び結像光学系を透過して走査対象面上に収束された各光束からなる走査線同士が、互いに分離してしまい、最終的に走査対象面上に形成される画像の品質を劣化させてしまう。
【0005】
そのため、従来、マルチビーム走査光学系によって走査対象面上に形成される走査線同士を重なり合わせるための様々な手段が、開発されている。その第一は、光源における発光点の並び方向を副走査方向に向けたまま、線像形成レンズの瞳位置に配置された開口によって各光束を絞ることによって、走査対象面上における各光束のスポット径を拡げる方法である。また、その第二は、光源における発光点の並び方向を主走査方向から僅かに傾けた方向へ向けることによって、走査対象面上における各光束のスポット形成位置を副走査方向に圧縮する方法である。なお、走査光学系全体の副走査方向における横倍率を拡大する手段は、走査対象面上における各光束のスポット径を拡げるが、各光束の中心同士の間隔をも拡げてしまうので、走査線同士を重なり合わせることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の手段のうち、第1の手段によると、各発光点から発した光エネルギーのうちの大きな部分が開口によって遮断されるので、走査光学系全体としての効率が悪くなるという問題点を生ずる。他方、第2の手段によると、走査光学系として好ましい長径方向(即ち、副走査方向)と半導体レーザーのファーフィールドの長径方向が略直交してしまうため、走査対象面上におけるファーフィールドパターン(各光束のスポット形状)の長径方向を副走査方向に向けるにはアナモフィックな光束径変換手段やスリット状の開口が必要となる。その結果、アナモフィックな光束径変換手段を用いた場合には走査光学系全体としてのコストアップを招き、スリット状の開口を用いた場合には走査光学系全体としての効率が悪くなるという問題点を生じてしまう。
【0007】
本発明は、従来の手段による上記した問題点を解決し、光エネルギーの損失を伴うことなく、また、高価なアナモフィックな光束径変換手段を用いることなく、走査対象面上に形成される走査線同士を実質的に重なり合わせることができる走査光学系の提供を、課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために案出された本発明による走査光学系は、光源から発した複数の光束を走査対象面上で主走査方向に走査する走査光学系であって、夫々光束を発散光として発する複数の発光点を有するとともにこれら複数の発光点が前記主走査方向に直交する副走査方向に並ぶように設置された前記光源としての半導体レーザアレイと、この半導体レーザアレイの各発光点から発した光束を、略平行光とするコリメートレンズと、このコリメートレンズによって略平行光とされた前記光束を副走査方向に収束させて線像を形成する線像形成レンズと、この線像形成レンズによって前記光束が副走査方向において収束される位置近傍において、前記光束を主走査方向へ動的に偏向する偏向器と、この偏向器によって動的に偏向された前記光束を前記主走査方向及び前記主走査方向において前記走査対象面に収束させる結像光学系と、前記光束を副走査方向に分離することによって同一の光束に基づく一対の線像を前記線像形成レンズにより形成させるために前記コリメートレンズと前記偏向器との間に配置された複像部材とを、備えたことを特徴とする。
【0009】
このように構成された走査光学系によると、半導体レーザーアレイの各発光点から発した個々の光束が、複像部材によって副走査方向に分離されるので、偏向器の反射面近傍には、線像形成レンズによって、夫々副走査方向にずれた線像対が副走査方向に複数対並んで形成される。そのため、走査対象面上では、同一の光束に基づいて形成させれた走査線対が、副走査方向に複数対並んで形成される。これら各走査線対は、同一の光束に基づいて形成されているが故に同時に変調されるので、同一の走査線を構成するとして差し支えない。言い換えると、一本の走査線を副走査方向に太らせたのと同じ効果が得られる。その結果、副走査方向に隣り合う走査線同士(別個に変調される走査線同士)が重なり合えるようになるので、最終的に形成される画像の品質が向上する。
【0010】
本発明において、複像部材は、分離後の光束対の射出方向に副走査方向の角度差を与えることによって光束を分離させるものであっても良いし、分離後の光束対を平行にシフトさせることによって光束を分離させるものであっても良い。前者の場合、複像部材の設置場所は、コリメートレンズと偏向器との間のどこでも良いが、後者の場合には、線像形成レンズと偏向器との間である必要がある。
【0011】
また、複像部材は、光束を均等に分離することが望ましいが、複像部材による光束の分離比率は入射光束の偏光方向に依存するので、複像部材の前に、光束の偏光方向を調整する移相子を配置することが望ましい。このような機能を担う移相子としては、複像部材に入射する前記光束の偏光方向を円偏光に変換するための1/4波長板や、複像部材に入射する前記光束の偏光方向を前記複像部材の光学軸方向に対して45°傾いた方向に振動する直線偏光に変換するための1/2波長板を、用いることが可能である。
【0012】
また、複像部材によって分離された各光束の偏光方向は直線偏光のままであっても良いが、偏向器による各光束に対する反射特性を均一とするには、分離後の各光束の偏光方向を円偏光に変換するための移相子を複像部材と偏向器との間に配置することが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる走査光学系の実施の形態を説明する。
【0014】
【実施形態1】
図1は、本発明の第1の実施形態による走査光学系1の後述する副走査方向における構成を示す光学構成図であり、図2は、後述する主走査方向における構成を示す光学構成図である。これら図1及び図2に示すように、この走査光学系1は、光源側から順番に、夫々レーザー光束を発する複数(図1においては一のみ図示)の発光点を有する半導体レーザーアレイ10,この半導体レーザーアレイ10から夫々発したレーザー光束を平行光にするコリメートレンズ11,このコリメートレンズ11からの各レーザー光束の偏光方向を円偏光に変換する移相子である1/4波長板12,この1/4波長板12を通過した個々のレーザー光束を分離して互いに異なる方向へ出射する複像部材13,この複像部材13から射出された複数(発光点数の倍)のレーザー光束を夫々後述する副走査方向にのみ線状に収束するシリンドリカルレンズ14,シリンドリカルレンズ14から射出された各光束の偏光方向を夫々円偏光に変換する移相子である1/4波長板15,その各側面がレーザー光を反射する反射面として形成された正多角柱形状を有するともにその中心軸16aを中心に回転する偏向器であるポリゴンミラー16,回転するポリゴンミラー16の各反射面にて反射されることによって動的に偏向された各レーザー光束を夫々収束させる結像光学系20,及び、その外周面が走査対象面Sとして機能する感光ドラムから、構成されている。なお、以下の説明において、「主走査方向」とはポリゴンミラー16の中心軸16aに直交する面と平行な方向であり、「副走査方向」とは中心軸16aと平行な方向である。
【0015】
半導体レーザーアレイ10は、副走査方向(図1の上下方向)に並ぶように形成された各発光点から夫々レーザー光束を発散光として射出する単一素子からなるモノリシックマルチビームレーザーダイオードである。
【0016】
コリメートレンズ11は、その前側焦点が、半導体レーザーアレイ10における各発光点同士を結ぶ線の中心に合致するように、配置されている。従って、各発光点から発散光として発した各レーザー光束は、コリメートレンズ11を透過することによって平行光になるとともに、その後側焦点にて互いに交差するように進行する。
【0017】
1/4波長板12は、所定方向の直線偏光として半導体レーザーアレイ10から発したレーザー光束の偏光方向を、図3に示すように、円偏光に変換する。
【0018】
複像部材13は、一軸性結晶からなり、図4に示すように、コリメートレンズ11の光軸を含んで副走査方向に向いた面内において頂角αを有する光学楔形状を、有している。この複像部材33は、自己に入射するレーザー光束を、その光学軸方向の直線偏光成分(常光o)と、その光学軸方向に直交した直線偏光成分(異常光e)とに分離する(図3参照)。但し、本実施形態において複像部材13に入射する光は円偏光であるので、この複像部材13の光学軸方向如何に依らず、この複像部材13によって一つのレーザー光束から分離された常光oからなるレーザー光束及び異常光eからなるレーザー光束のエネルギーは、相互に同一である。そして、この複像部材33は、分離後の異常光eからなるレーザー光束,及び、常光oからなるレーザー光束を、副走査方向において、相互に一定の角度(偏角差)ずれた方向へ射出する。
【0019】
シリンドリカルレンズ14は、副走査方向にのみ収束作用をもつ線像形成レンズである。従って、同一のレーザー光束から分離された後の各レーザー光束は、このシリンドリカルレンズ14を透過することにより、副走査方向において、シリンドリカルレンズ14の焦点面(シリンドリカルレンズ14の後側焦点を含みコリメートレンズ11の光軸に直交する面)に収束して、一対の線像を形成する。
【0020】
上述したように、シリンドリカルレンズ14の後方に配置された1/4波長板15は、透過する各レーザー光束の偏光方向を共に円偏光に変換する(図3参照)。従って、その後各レーザー光束がポリゴンミラー16の反射面によって同時に反射される際における反射特性が、互いに一致するようになる。
【0021】
ポリゴンミラー16は、シリンドリカルレンズ14から射出された各レーザー光束が、常時何れかの反射面に対して主走査方向において斜めに入射するとともに、その反射面の近傍にて副走査方向に収束するように、配置されている。このポリゴンミラー16は、その中心軸16aを中心として回転するので、ある反射面に入射した各レーザー光束は、ポリゴンミラー16の回転に伴ってその反射面に対する主走査方向の入射角が変化することによって、主走査方向へ動的に偏向される。
【0022】
ポリゴンミラー16によって動的に偏向された各レーザー光束は、主走査方向においては平行光束のまま、副走査方向においては収束点から発散しつつ、結像光学系20に入射する。この結像光学系20は、主走査方向においては、入射した各レーザー光束を、走査対象面S上における光軸からy=k・θ(k:走査係数,θ:光軸を基準としたレーザー光束の傾斜角)離れた位置に収束させ、副走査方向においては、入射した各レーザー光束を、光軸に対して反転させて走査対象面S上に収束させる。従って、各レーザー光束によって走査対象面S上に形成されたスポットは、この走査対象面S上を、主走査方向に等速度に走査する。また、副走査方向において、結像光学系20によってポリゴンミラー16の各反射面と走査対象面Sとがほぼ共役関係となっているために、各レーザー光束がポリゴンミラー16のどの反射面によって反射されても、各反射面の僅かな傾き(いわゆる「面倒れ」)の有無に拘わらず、ポリゴンミラー16の反射面近傍に形成された各線像が走査対象面Sにおける夫々に対応する所定高さ位置に再結像される。その結果、光源10の個々の発光点から発した同一のレーザー光束から複像部材13によって分離された一対のレーザー光束による一対の走査線が、走査対象面S上において、副走査方向に相互に一定量ズレて形成される。更に、走査対象面S上において、光源10の各発光点から発した複数のレーザー光束に基づく複数の走査線対が、一定のピッチにて形成される。
【0023】
なお、結像光学系20は、走査レンズ21とこの走査レンズ21よりも走査対象面S側に配置される面倒れ補正レンズ22とから、構成される。このうち、走査レンズ21は、主に主走査方向にレーザー光束を収束させるパワーを有する(主走査方向の結像作用を担う)レンズであり、面倒れ補正レンズ22は、主に副走査方向にレーザー光束を収束させるパワーを有する(副走査方向の結像作用を担う)とともに、副走査像面湾曲を補正する機能をも負担するレンズである。結像光学系20の光軸は、主走査方向においては、各反射面の中央にて反射されたレーザー光束のビーム軸と重なり、副走査方向においては、ポリゴンミラー16の中心軸16aの中央に直交している。
【0024】
次に、本実施形態による走査光学系の作用を、実施例に基づいて説明する。
【0025】
【実施例1】
本実施形態の一実施例による走査光学系1の各部の具体値は、以下の通りである。
半導体レーザーアレイ10の各発光点同士の間隔:14μm
半導体レーザーアレイ10の発光点数:4個
コリメートレンズ11の焦点距離:16.2mm
シリンドリカルレンズ14の副走査方向における焦点距離:50mm
結像光学系20の主走査方向における焦点距離:200mm
結像光学系20の副走査倍率:−0.98倍
結像光学系20の走査幅:300mm
このような数値構成を有する実施例1によると、光源10の各発光点から発した複数のレーザー光束に基づく複数の走査線対毎のピッチ(即ち、複像部材13がないとした場合に形成される走査線同士のピッチ)は42.3μmとなり、副走査方向におけるスポット径は45μmとなる。
【0026】
また、本実施例において、複像部材13は水晶からなるので、その常光・異常光の屈折率差は9×10−3程度であり、その頂角αは2.6°である。従って、同一のレーザー光束から分離される一対のレーザー光束同士の偏角差は、0.408mradとなる。その結果、各対のレーザ光束によってポリゴンミラー16の反射面近傍に形成される一対の線像同士の副走査方向における間隔は、20.4μmとなり、走査対象面S上に形成される一対の走査線同士の副走査方向におけるズレ量は、20μmとなる。
【0027】
図5は、本実施例において複像部材13が無いと仮定した場合における走査対象面S上での副走査方向の光量分布を示すグラフ(同図a)及び或る瞬間に同時に走査対象面S上に形成される複数のビームスポット(ピーク値に対して所定比率以上の光量を有する領域)を示す平面図(同図b)である。この図5には、夫々45μmの幅を有するビームスポットが42.3μmのピッチで形成されている状態が表されている。この図5から理解されるように、複像部材13が無ければ、各レーザー光束によるビームスポット同士は、略点接触するのみで重なり合っていないので、最終的に形成される画像品質が劣化することになる。
【0028】
これに対して、複像部材13を備えた本実施例の走査光学系1による走査対象面S上での副走査方向の光量分布及びビームスポットの状態は、図6a及びbに示すようになる。この図6に示すように、各レーザー光束に基づく複数の走査線対毎のピッチは42.3μmのままであり、各対の走査線同士のズレ量は20μmとなる。
【0029】
この時、各対のレーザー光束同士の位相が常時相互に90°ずれている為に干渉し合うことがないので、各対の走査線の光量分布は、単純に足し合わされ得ることになる。そのように各走査線対毎にその光量分布を合算して示すグラフ及びレーザースポットの平面図が、図7である。図7に示すように、隣り合う走査線対同士は、20μmの幅で相互に重なり合っているので、結果として、複数の発光点から発した各レーザービーム同士の間隔を拡げることなく各レーザービームによって形成されるビーム径を太らせたのと実質的に同じ効果が、得られているのである。よって、本実施例の走査光学系1によると、走査対象面S上に形成された各走査線同士が分離していないので、最終的に得られる画像品質が劣化しない。
【0030】
なお、第1実施形態において、1/4波長板12の代わりに、半導体レーザーアレイ10から発した各レーザー光束の偏光方向を複像部材13の光学軸方向に対して45°傾いた方向へ回転させるようにその光学軸が向けられた1/2波長板が用いられても、同じ効果が得られる。
【0031】
【実施形態2】
図8は、本発明の第2の実施形態による走査光学系1の副走査方向における構成を示す光学構成図であり、図9は、主走査方向における構成を示す光学構成図である。これら図8及び図9に示すように、この走査光学系1は、光源側から順番に、夫々レーザー光束を発する複数(図1においては一のみ図示)の発光点を有するレーザー光源30,このレーザー光源30から夫々発したレーザー光束を平行光にするコリメートレンズ31,このコリメートレンズ31からの各レーザー光束の偏光方向を回転させる移相子である1/2波長板32,この1/2波長板32を通過した個々のレーザー光束を夫々副走査方向にのみ線状に収束するシリンドリカルレンズ34,このシリンドリカルレンズ34を通過した個々のレーザー光束を互いに直交した二つの直線偏向成分に分離する複像部材33,この複像部材33から射出された複数(発光点数の倍)のレーザー光束の偏光方向を夫々円偏光に変換するための1/4波長板35,その各側面がレーザー光を反射する反射面として形成された正多角柱形状を有するともにその中心軸36aを中心に回転する偏向器であるポリゴンミラー36,回転するポリゴンミラー36の各反射面にて反射されることによって動的に偏向された各レーザー光束を夫々収束させる結像光学系40,及び、その外周面が走査対象面Sとして機能する感光ドラムから、構成されている。
【0032】
本第2実施形態に用いられるレーザー光源30,コリメートレンズ31,シリンドリカルレンズ34,1/4波長板35,ポリゴンミラー36,結像光学系40(走査レンズ41,像面湾曲補正レンズ42)は、第1実施形態のものと同じものであるので、その説明を省略する。
【0033】
1/2波長板32の進相軸は、レーザー光源30から直線偏光として夫々発した各レーザー光束の偏光方向を複像部材33の光学軸方向に対して45°傾いた方向へ回転させる方向へ、向けられている(図10参照)。
【0034】
複像部材33は、平行平板状の復屈折結晶からなる。上述したように、この複像部材33の復屈折軸方向は、1/2波長板32による回転後におけるレーザー光束の直線方向に対して45°傾いているので、この復屈折部材33は、自己に入射するレーザー光束を、その復屈折軸方向の直線偏光成分(常光o)と、その復屈折軸方向に直交した直線偏光成分(異常光e)とに、均等に分離する(図10参照)。そして、図11に示すように、この複像部材33は、コリメートレンズ11の光軸に直交する面から副走査方向に角度β傾いて設置されているので、分離後の異常光eからなるレーザー光束を常光oからなるレーザー光束に対して副走査方向において一定量δシフトさせて、各レーザー光束を相互に平行に射出する。上述したように、この複像部材33は、レーザー光束が収束する位置に配置されているので、分離後の一対のレーザー光束は、夫々、ポリゴンミラー36の反射面近傍に、線像を形成する。
【0035】
ポリゴンミラー36によって動的に偏向された各レーザー光束は、主走査方向においては平行光束のまま、副走査方向においては収束点から発散しつつ、結像光学系40に入射する。光源30の個々の発光点から発した同一のレーザー光束から複像部材33によって分離された一対のレーザー光束が結像光学系40によって収束されることにより、走査対象面S上において、一対の走査線が、副走査方向に相互に一定量ズレて形成される。更に、走査対象面S上において、光源10の各発光点から発した複数のレーザー光束に基づく複数の走査線対が、一定のピッチにて形成される。
【0036】
次に、本実施形態による走査光学系の作用を、実施例に基づいて説明する。
【0037】
【実施例2】
本実施形態の一実施例による走査光学系の各部の具体値は、複像部材33についてのものを除き、上述した実施例1のものと同じである。従って、実施例2によると、光源30の各発光点から発した複数のレーザー光束に基づく複数の走査線対同士のピッチ(即ち、複像部材33がないとした場合に形成される走査線同士のピッチ)は42.3μmとなり、副走査方向におけるスポット径は45μmとなる。
【0038】
また、本実施例において、複像部材13は水晶からなるので、その常光・異常光の屈折率差は9×10−3程度であり、厚さ1.5mmの平行平面板に加工し、光軸に直交する方向からの副走査方向における傾斜角βは3.6°、光学軸を副走査方向に向けて配置してある。従って、同一のレーザー光束から分離される一対のレーザー光束同士の光路ズレ量δは、20.4μmとなる。その結果、各対のレーザ光束によってポリゴンミラー36の反射面近傍に形成される一対の線像同士の副走査方向における間隔も、20.4μmとなり、走査対象面S上に形成される一対の走査線同士の副走査方向におけるズレ量は、20μmとなる。従って、図7に示すように、走査対象面S上において、隣り合う走査線対同士は、20μmの幅で相互に重なり合うので、結果として、複数の発光点から発した各レーザービーム同士の間隔を拡げることなく各レーザービームによって形成されるビーム径を太らせたのと実質的に同じ効果が、得られる。よって、本実施例の走査光学系によると、走査対象面S上に形成された各走査線同士が分離していないので、最終的に得られる画像品質が劣化しない。
【0039】
なお、第2実施形態において、1/2波長板32の代わりに、1/4波長板が用いられても、同じ効果が得られる。
【0040】
また、サバール板で知られるように、光学軸の方向設定により、平行平面を傾けなくても、本実施形態と同じ作用が得られる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の走査光学系によれば、複像部材によって光束を副走査方向に分離することによって、実質的に、走査対象面における副走査方向のスポット径を広げているので、光エネルギーの損失を伴うことなく、また、高価なアナモフィックな光束系変換手段を用いることなく、走査対象面上に形成される走査線同士を実質的に重なり合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による走査光学系の副走査方向における光学構成を示す光学構成図
【図2】本発明の第1実施形態による走査光学系の主走査方向における光学構成を示す光学構成図
【図3】レーザー光束の偏光状態を示す説明図
【図4】複像部材の説明図
【図5】走査対象面上での光量分布図
【図6】走査対象面上での光量分布図
【図7】走査対象面上での光量分布図
【図8】本発明の第2実施形態による走査光学系の副走査方向における光学構成を示す光学構成図
【図9】本発明の第2実施形態による走査光学系の主走査方向における光学構成を示す光学構成図
【図10】レーザー光束の偏光状態を示す説明図
【図11】複像部材の説明図
【符号の説明】
1 走査光学系
10,30 レーザー光源
11,31 シリンドリカルレンズ
12,15,35 1/4波長板
13,33 複像部材
14,34 コリメートレンズ
16,36 ポリゴンミラー
20,40 結像光学系
32 1/2波長板
S 走査対象面
Claims (8)
- 光源から発した複数の光束を走査対象面上で主走査方向に走査する走査光学系であって、
夫々光束を発散光として発する複数の発光点を有するとともにこれら複数の発光点が前記主走査方向に直交する副走査方向に並ぶように設置された前記光源としての半導体レーザアレイと、
この半導体レーザアレイの各発光点から発した光束を、略平行光とするコリメートレンズと、
このコリメートレンズによって略平行光とされた前記光束を副走査方向に収束させて線像を形成する線像形成レンズと、
この線像形成レンズによって前記光束が副走査方向において収束される位置近傍において、前記光束を主走査方向へ動的に偏向する偏向器と、
この偏向器によって動的に偏向された前記光束を前記主走査方向及び前記副走査方向において前記走査対象面近傍に収束させる結像光学系と、
前記光束を副走査方向に分離することによって同一の光束に基づく一対の線像を前記線像形成レンズにより形成させるために、前記コリメートレンズと前記偏向器との間に配置された複像部材と
を備えたことを特徴とする走査光学系。 - 前記複像部材は、副走査方向において、出射角度に差を与えることによって前記光束を分離する
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。 - 前記複像部材は、前記コリメートレンズと前記線像形成レンズとの間に配置されている
ことを特徴とする請求項2記載の走査光学系。 - 前記複像部材は、副走査方向において、前記光束を平行にシフトさせることによって分離する
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。 - 前記複像部材は、前記線像形成レンズと前記偏向器との間に配置されている
ことを特徴とする請求項4記載の走査光学系。 - 前記複像部材に入射する前記光束の偏光方向を円偏光に変換するための移相子を更に備える
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。 - 前記複像部材に入射する前記光束の偏光方向を、前記複像部材の光学軸方向に対して45°傾いた方向に振動する直線偏光に変換するための移相子を更に備える
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。 - 前記複像部材によって分離された各光束の偏光方向を円偏光に変換するための移相子を前記複像部材と前記偏向器との間に更に配置した
ことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。
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