JP2727177B2 - 直流電源装置及びこれを利用した急速充電装置 - Google Patents

直流電源装置及びこれを利用した急速充電装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外部電気・電子
機器を限流用素子として利用する直流電源装置及びこれ
を利用した急速充電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直流電源装置としては、図7に示すよう
な電流源に向く並列形レギュレータ電源があるが、この
種のものは一般的には効率が低いため大容量電源に向か
ないと思われている。また、この回路を使用した装置で
は、コンデンサC1が非常に大きくなり、このため装置
全体をあまり小さくできないと思われている。
【0003】ここで、入力電源:100VAC、出力電
流:1Aの場合についてのコンデンサC1の容量を計算
すると、少なくとも25μfよりも大きなものが必要と
なり、実際に市販されているコンデンサC1の大きさ
(市販品は48×24×38mm)から装置がかなり大
きくなってしまう。
【0004】なお、この直流電源装置は上述したよう
に、装置全体が大きく且つ効率があまり高くないという
問題を有しているが、これを利用した急速充電装置につ
いても同じことがいえる。
【0005】このような状況のもので、電気業界及び需
要者において、小型で効率が高い直流電源装置及びこれ
を利用した急速充電装置の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、小型で効率が高い直流電源装置を提供することを課
題とし、また、前記直流電源装置を利用した急速充電装
置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明の直流電源装置は、交流電源に、順位に並列形制御
スイッチ2、整流回路3、平滑コンデンサ4を並列にし
て成り、前記交流電源と並列形制御スイッチ2相互間に
おける前記交流電源との直列ライン中に、電気・電子機
器9のプラグを接続するコンセントを設けてあり、プラ
グがコンセントに接続された状態では、電気・電子機器
9が限流用インピーダンス素子として機能するようにし
てある。
【0008】また、請求項2記載の発明の直流電源装置
は、交流電源に、順位に整流回路3、並列形制御スイッ
チ2、平滑コンデンサ4を並列にして成り、前記交流電
源と整流回路3相互間における前記交流電源との直列ラ
イン中に、電気・電子機器9のプラグを接続するコンセ
ントを設けてあり、プラグがコンセントに接続された状
態では、電気・電子機器9が限流用インピーダンス素子
として機能するようにしてある。
【0009】これら直流電源装置では、並列形制御スイ
ッチ2を使用していることから効率を高いものとするこ
とができ、また、装置の内部に大きな専有空間を占める
コンデンサを必要としないから装置全体を小さくでき
る。
【0010】ここで、上記した直流電源装置では、この
装置のコンセントに、電気・電子機器(電気を使用する
ところであれば世界中のどこにでもある)のプラグを差
し込むことにより、前記電気・電子機器を限流用インピ
ーダンス素子として機能させることができる。何故なら
ば、電気・電子機器は必ず定格以下の電流しか流れない
からである。また、直流電源に必要とする入力電圧は非
常に低く、並列形制御スイッチング方式は電流を中断す
ることがないため、使用中の電気・電子装置を限流用素
子として利用しても、影響されることがほとんどないと
考えられる。
【0011】他方、請求項3記載の発明の急速充電装置
は、交流電源に、順位に並列形制御スイッチ2、整流回
路3、平滑コンデンサ4、蓄電池Bを並列にして成り、
前記交流電源と並列形制御スイッチ2相互間における前
記交流電源との直列ライン中に、電気・電子機器9のプ
ラグを接続するコンセントを設けてあり、プラグがコン
セントに接続された状態では、電気・電子機器9が限流
用インピーダンス素子として機能するようにしてある。
【0012】また、請求項4記載の発明の急速充電装置
は、交流電源に、順位に整流回路3、並列形制御スイッ
チ2、平滑コンデンサ4、蓄電池Bを並列にして成り、
前記交流電源と整流回路3相互間における前記交流電源
との直列ライン中に、電気・電子機器9のプラグを接続
するコンセントを設けてあり、プラグがコンセントに接
続された状態では、電気・電子機器9が限流用インピー
ダンス素子として機能するようにしてある。
【0013】これら急速充電装置は、上記した直流電源
装置と同様の理由で、効率を高いものとすることがで
き、また、装置全体を小さくできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に従って説明する。
【0015】この実施例の直流電源装置は、図1に示す
ように、商用交流電源に、限流用インピダンス素子1を
直列にすると共に並列形制御スイッチ2を並列にし、更
に、前記交流電源に、平滑コンデンサ4とこれよりも交
流電源側の整流回路3とを並列にして成るものとしてい
る。
【0016】この装置では、並列形制御スイッチ2をO
FFにすると、出力電流はほぼ電流源の定額電流に等し
くなる。商用交流電源定額電圧はUiで、限流用素子の
インピダンスはZiで、総負荷はZL であれば、この定
額電流Iiは:Ii=Ui/(Zi+ZL )になる。こ
こで、並列形制御スイッチ2をONにすると、出力電流
はほぼゼロに等しい。したがって、並列形制御スイッチ
2を開閉することにより、要求する出力電流が得られ
る。それを整流回路3を介して直流パルス電流源にな
る。更に、平滑コンデンサ4を通って、リプルを抑える
と同時に直流低圧電圧源に変換させる。
【0017】次に、図2に示す直流電源装置は上記のも
のとほぼ同様であるが、図1のものでは整流回路3を逆
流阻止用ダイオードとしても機能させているのに対し
て、図2のものでは整流回路3とは別に逆流阻止用ダイ
オード5を具備するものとしてある。
【0018】なお、上記した直流電源装置に具備させた
限流用インピダンス素子1を、図6に示したように、電
気・電子機器9のプラグを接続するコンセントに置き換
えることができ、更に、出力部に蓄電池を接続すること
ができる。
【0019】図3に示す直流電源装置は従来のアメリカ
MAXIM社のMAX610回路に対応する実施例であ
る。この直流電源装置は、基本的にはMAX610回路
(図8参照)であるが、これに出力電圧を検出する比較
回路6とゼロボルト検出回路7を設け、前記比較回路6
の出力信号とゼロボルト検出回路7の出力信号との論理
積出力信号によって、並列形制御スイッチを駆動するも
のとしている。
【0020】更に詳細に説明すると、図3に示すよう
に、ツェナーダイオードDzのところに並列形制御スイ
ッチ用サイリスタSCRで置き替えて、そのツェナーダ
イオードDzを簡単な比較器として図3のように接続す
る。抵抗R3、ダイオードD2及びトランジスタTrで
簡単なゼロボルト検出回路7を構成した。平滑コンデン
サ4の端子電圧がツェナーダイオードDzの電圧を越え
ると、及び整流回路3の出力電圧がゼロになった時点で
サイリスタSCRをONさせる。そのほかは従来と同じ
構成である。なお、R1は突入電流制御用のパワーサー
ミスタであり、R2はコンデンサC1の蓄積電荷放電用
の抵抗である。
【0021】上記ように少ない部品を付加することで、
従来とほぼ同じ仕様を保ち、効率がかなり良くなると共
にノイズが発生しないものとなった。例えばMAX61
0回路の最大損失は0.75Wに対して図3に示す回路
の最大損失は0.2W程度である。言い換えると、同じ
0.75Wの損失で図3の回路は従来と比較して3倍も
の出力電流とすることが可能である(但し、R1,C1
及びシリーズレギュレータ8が変わらなければならな
い)。そして出力電圧はもっと高ければ高い程良くな
る。
【0022】なお、図3に示した直流電源装置に具備さ
せた限流用インピダンス素子1を、図6に示したよう
に、電気・電子機器9のプラグを接続するコンセントに
置き換えることができ、更に、出力部に蓄電池を接続す
ることができる。
【0023】図4は大出力電流、しかも出力電圧が広く
調整できる直流定電圧電源装置である。図3と比較する
と、並列形制御スイッチ2のON時には電流が整流回路
3を流れないし、並列形制御スイッチ2のOFF時には
逆流阻止用ダイオード5が入らないから、より効率的で
ある。また、比較回路6をシリーズレギュレータ8の両
端にかけることによって、任意出力電圧であっても、シ
リーズレギュレータ8の両端の電圧は変わらないように
なった。したがって一つのボリュームW1で広い範囲の
出力電圧を調整することができる。勿論、平滑コンデン
サ4の容量が充分であれば、シリーズレギュレータ8を
省略することができる。
【0024】なお、図4に示した直流電源装置に具備さ
せた限流用インピダンス素子1を、図6に示したよう
に、電気・電子機器9のプラグを接続するコンセントに
置き換えることができ、更に、出力部に蓄電池を接続す
ることができる。
【0025】ここで変形実施例について説明する。図5
は最も簡単な直流電源装置とも言える。平滑コンデンサ
4の端子電圧がブレークオーバ電圧に達するとDIAC
又はSBSが負性抵抗領域に入るため、過電圧を防止す
ることができる。なお、図4に示した直流電源装置に具
備させた限流用インピダンス素子1を、図6に示したよ
うに、電気・電子機器9のプラグを接続するコンセント
に置き換えることができ、更に、出力部に蓄電池を接続
することができる。
【0026】図6は、限流用インピーダンス素子は使用
中電気機器9を利用して成る充電回路である。大きなメ
リットとしては、どの国の電圧にも対応できる、ケ
ース内で限流用インピダンス素子が入らないため、もっ
と小さくできる。
【0027】充電電圧はW1で調整できるが、使用して
いる電気機器にあまり影響を与えないように注意する必
要がある。
【0028】充電電流はW2で調整できるが、使用して
いる電気機器の消費電流に過ぎないことは言うまでもな
い。
【0029】ここで、リレーRYを使用する理由は小さ
くて損失が少ないからである。それが気にならない場合
は、図4に示すようにトライアックに置き換えてもよ
い。また満充電検出回路は電圧検出に限られない。他に
も沢山あるが、省略する。
【0030】図6には、フォトサイリスタLED−SC
Rを使用して、サイリスタを充電中にONし、満充電に
なるとOFFする。それで駆動電流が駆動コイルを流
れ、リレーをONさせ、充電を終わらせる。C1は限流
用コンデンサ、D1は半波整流ダイオード、R1,C2
は瀘波回路と遅延回路を兼ねてつとめる。
【0031】
【発明の効果】この発明は上記構成を有しているから以
下の効果を奏する。 (請求項1、2記載の発明)課題を解決するための手段
の欄に記載した内容から、小型で効率が高い直流電源装
置を提供できた。 (請求項3、4記載の発明)課題を解決するための手段
の欄に記載した内容から、小型で効率が高い急速充電装
置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基礎となる並列形制御スイッチング
電源装置の回路図。
【図2】この発明の基礎となる並列形制御スイッチング
電源装置の回路図。
【図3】この発明をアメリカMAXIM社のMAX61
0回路に施した直流電源装置の回路の説明図。
【図4】この発明を大出力電流、しかも出力電圧が広く
調整できる直流定電圧電源装置の回路の説明図。
【図5】この発明の並列形制御スイッチを二端子スイッ
チで置き換えた回路の説明図。
【図6】この発明の限流用インピーダンス素子を使用中
電気機器で置き換えた回路図。
【図7】従来の並列形レギュレータ電源装置の回路図。
【符号の説明】
1 インピダンス素子 2 並列形制御スイッチ 3 整流回路 4 平滑コンデンサ 5 逆流阻止用ダイオード 6 比較回路 7 ゼロボルト検出回路 8 シリーズレギュレータ 9 電気・電子機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H02H 9/02 H02H 9/02 A

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源に、順位に並列形制御スイッチ
    (2)、整流回路(3)、平滑コンデンサ(4)を並列
    にして成り、前記交流電源と並列形制御スイッチ(2)
    相互間における前記交流電源との直列ライン中に、電気
    ・電子機器(9)のプラグを接続するコンセントを設け
    てあり、プラグがコンセントに接続された状態では、電
    気・電子機器(9)が限流用インピーダンス素子として
    機能するようにしてあることを特徴とする直流電源装
    置。
  2. 【請求項2】 交流電源に、順位に整流回路(3)、並
    列形制御スイッチ(2)、平滑コンデンサ(4)を並列
    にして成り、前記交流電源と整流回路(3)相互間にお
    ける前記交流電源との直列ライン中に、電気・電子機器
    (9)のプラグを接続するコンセントを設けてあり、プ
    ラグがコンセントに接続された状態では、電気・電子機
    器(9)が限流用インピーダンス素子として機能するよ
    うにしてあることを特徴とする直流電源装置。
  3. 【請求項3】 交流電源に、順位に並列形制御スイッチ
    (2)、整流回路(3)、平滑コンデンサ(4)、蓄電
    池(B)を並列にして成り、前記交流電源と並列形制御
    スイッチ(2)相互間における前記交流電源との直列ラ
    イン中に、電気・電子機器(9)のプラグを接続するコ
    ンセントを設けてあり、プラグがコンセントに接続され
    た状態では、電気・電子機器(9)が限流用インピーダ
    ンス素子として機能するようにしてあることを特徴とす
    る急速充電装置。
  4. 【請求項4】 交流電源に、順位に整流回路(3)、並
    列形制御スイッチ(2)、平滑コンデンサ(4)、蓄電
    池(B)を並列にして成り、前記交流電源と整流回路
    (3)相互間における前記交流電源との直列ライン中
    に、電気・電子機器(9)のプラグを接続するコンセン
    トを設けてあり、プラグがコンセントに接続された状態
    では、電気・電子機器(9)が限流用インピーダンス素
    子として機能するようにしてあることを特徴とする急速
    充電装置。
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