JP2727105B2 - オレフインの重合方法 - Google Patents

オレフインの重合方法

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JP2727105B2 JP6338989A JP6338989A JP2727105B2 JP 2727105 B2 JP2727105 B2 JP 2727105B2 JP 6338989 A JP6338989 A JP 6338989A JP 6338989 A JP6338989 A JP 6338989A JP 2727105 B2 JP2727105 B2 JP 2727105B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)産業上の利用分野 本発明は、オレフィン類の重合に供した際に高い性能
を発揮する触媒を用いたオレフィンの製造方法に係わ
り、特に炭素数3以上のα−オレフィンの重合に際して
高い立体規則性の重合体を高収率で得ることの出来るオ
レフィンの製造方法に関する。
(2)従来の技術 従来から、担持型チーグラー触媒の助触媒成分として
エステル類(例えば特開昭48−16986号公報)、有機珪
素化合物(特開昭54−94590号公報、同55−36203号公
報、同57−63312号公報)またはアセタール化合物(特
開昭61−145206号公報、同61−271304号公報、同62−54
705号公報、同62−54706号公報)を用いることはよく知
られている。
しかしながら、我々の知見によれば、担持型チーグラ
ー触媒の助触媒成分として上記の化合物を用いた場合、
それぞれ以下に示すような重大な欠点を有する。
即ちエステル類に関しては、 (a)大量に添加する必要がある。
(b)重合活性の著しい低下をもたらす。
(c)立体規則性が不十分である。
(d)生成ポリマー中に残留するエステルによる悪臭。
また有機珪素化合物については、 (a)重合活性が実用上不十分である。
(b)価格が高価である。
従来のアセタール系に関しては、 (a)大量に添加する必要がある。
(b)重合活性の著しい低下をもたらす。
(c)立体規則性が不十分である。
そこで、上記の問題点をことごとく解決した触媒を開
発することが強く要求されている。
(3)発明が解決しようとする課題 上記の欠点を解決し重合活性、立体規則性が高く、悪
臭がなくかつ比較的安価な助触媒を提供することが本発
明の目的である。
(4)課題を解決するための手段 本発明者らはこれらの課題を解決した助触媒系を得る
べく鋭意検討した結果、 触媒の存在下にオレフィン類を重合させてオレフィン
重合体を製造する方法において、用いる触媒が、 (A)四価のチタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成
分として含有する固体触媒成分、 (B)有機アルミニウム化合物、および (C)下記一般式(I)、 (式中、R1およびR6は炭素水1ないし6のアルキル基で
あり、R2,R3,R4およびR5はそれぞれ水素もしくはハロゲ
ンであるかまたはR2とR3、R4とR5がそれぞれもしくは同
時に芳香環を形成している。)で表されるアセタール化
合物から形成されることを特徴とするオレフィンの重合
方法を見いだし本発明に到達した。
本発明の骨子は、助触媒成分、特に外部ドナーと称さ
れる成分として特定の構造を有するアセタール化合物を
使用することに有り、この特定の構造を有するアセター
ル化合物がこのような効果を持つことは思いがけなかっ
た事である。
以下本発明を具体的に説明する。
本発明に於て使用されるマグネシウム化合物としては
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムのようなハロゲン
化マグネシウム、エトキシマグネシウム、イソプロポキ
シマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム、ラリ
ウル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのよう
なマグネシウムのカルボン酸塩、ブチルエチルマグネシ
ウムのようなアルキルマグネシウム等を例示することが
出来る。また、これらの化合物の2種以上の混合物であ
ってもよい。好ましくはハロゲン化マグネシウムを使用
するもの、もしくは触媒形成時にハロゲン化マグネシウ
ムを形成するものである。更に好ましくは上記のハロゲ
ンが塩素であるものである。
本発明において使用されるチタン化合物としては、下
記一般式で表されるごとき物を挙げることが出来る。
TiXm(OR7)l ここにおいてXはハロゲンであり、R7は炭素数36以下
の炭化水素基を示し、m、lは0ないし4であり、m+
lは4である。
具体的には四塩化チタン、四臭化チタン等のハロゲン
化チタン、チタンブトキシド、チタンエトキシド等のチ
タンアルコキシド、フェノキシチタンクロライドなどの
アルコキシチタンハライド等を例示することが出来る。
またこれらの化合物の2種以上の混合物であってもよ
い。好ましいものは、4価のチタン化合物であって、X
が塩素であるものである。具体的には四塩化チタン、ブ
トキシトリクロロチタン、テトラブトキシチタン等を挙
げうる。
本発明に於て使用されるハロゲンは、弗素、塩素、臭
素、ヨウ素であり、好ましくは塩素である。実際に例示
されるハロゲン源の具体的化合物は、触媒調整法に依存
するが、四塩化チタン、四臭化チタンなどのハロゲン化
チタン、四塩化珪素、四臭化珪素などのハロゲン化珪
素、三塩化燐、五塩化燐などのハロゲン化燐などが代表
的な例であり、調整法によってはハロゲン化炭化水素、
ハロゲン単体、ハロゲン化水素酸(HCl、HBr、HI等)を
用いてもよい。これらはチタン化合物やマグネシウム化
合物と共通であってもよい。
本発明に用いる固体触媒成分(A)を調製するに当た
り、各種電子供与体(内部ドナー)を添加してもよく、
また好ましくもある。電子供与体としては、含酸素化合
物および含窒素化合物等が挙げられる。より具体的には
(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ド
デカノール、オクタデシルアルコール、2−エチルヘキ
シルアルコール、ベンジルアルコール、クミルアルコー
ル、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノールな
どの炭素数1ないし20のアルコール類、(ロ)フェノー
ル、クレゾール、クミルフェノール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフトー
ルなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフ
ェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、シクロヘキサノンなどの炭素数3ないし15のケトン
類、(ニ)アセトアルデヒド、プロピオアルデヒド、ト
ルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし
15のアルデヒド類、(ホ)蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、
酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロ
ソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、プロピオン酸エチル,n
−酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸イソプロピ
ル、吉草酸エチル、吉草酸ブチル、ステアリン酸エチ
ル、クロロ酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、シクロヘキサンカル
ボン酸エチル、フェニル酪酸プロピル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸べンジル、安息香酸セロソル
ブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニ
ス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジネオペンチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロ
ラクトン、クマリン、フタリド、炭酸ジエチル、オルト
蟻酸トリメチル、オルト蟻酸エチルなどの炭素数2ない
し20の有機酸エステル類、(ヘ)ホウ酸メチル、ホウ酸
エチル、珪酸メチル、珪酸エチル、珪酸ブチル、チタン
酸ブチル、燐酸ブチル、亜燐酸トリメチル、亜燐酸ジエ
チル、ジ(2フェニル)ホスホロクロリデイト、硫酸ジ
メチル、硫酸ジエチル等の炭素数30以下の無機酸エステ
ル類、(ト)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テ
トラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、エチレングリコールジフェニル
エーテル、2,2−ジメトキシプロパンなどの炭素数2な
いし25のエーテル類、(チ)酢酸アミド、安息香酸アミ
ド、トルイル酸アミドなどの炭素数2ないし20の酸アミ
ド類、(リ)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、
トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイ
ル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2ないし20の酸ハ
ライド類、(ヌ)無水酢酸、無水フタル酸、などの炭素
数2ないし20の酸無水物類、(ル)モノメチルアミン、
モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリ
ジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどの
炭素数2ないし20のアミン類、(ヲ)アセトニトリル、
ベンゾニトリル、トリニトリルなどの炭素数2ないし20
のニトリル類、(ワ)エチルメルカプタン、ブチルメル
カプタン、フェニルチオールなどの炭素数2ないし20の
チオール類、(カ)ジエチルチオエーテル、ジフェニル
チオエーテルなどの炭素数4ないし25のチオエーテル
類、(ヨ)フェニルメチルスルホン、ジフェニルスルホ
ンなどの炭素数2ないし20のスルホン酸類、(タ)フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、フェニルジメチルモノエトキシシラン、
トリフェニルメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロ
トリシロキサン、トリメチルシラノール、フェニルジメ
チルシラノール、トリフェニルシラノール、ジフェニル
シランジオールなどの炭素数2ないし24の珪素含有化合
物などを挙げることが出来る。
これらの電子供与性化合物は2種以上用いることが出
来る。これらのうちで好ましいものは有機酸エステル
類、無機酸エステル類、珪素含有化合物類等である。
本発明に於て用いられる触媒調製法は特に限定される
物ではないが、たとえば以下のような例を挙げることが
出来る。
ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタン、上記の
電子供与性化合物を共粉砕により、もしくは溶媒中での
分散または溶解により接触させて触媒成分を得る方法、
ハロゲン化マグネシウムと有機または無機化合物(上記
電子供与性化合物を含んでもよい)との複合体をつく
り、これに上記電子供与性化合物とチタン化合物を逐次
的に接触(順は入れ替わってもよい)させて触媒成分を
得る方法、マグネシウム化合物(またはさらにチタン化
合物を含む)に上記電子供与性化合物を接触させ、同時
にもしくはその後段でチタン化合物との接触および/ま
たはハロゲン化処理を行って触媒成分を得る方法(いず
れかの段階でチタン化合物の使用を含んでいること)等
を挙げることが出来る。
上記の触媒成分の製造は、一般に触媒担体として用い
られる物質、例えばシリカやアルミナ上に担持または含
浸させる方法で作られても良い。
成分(A)に於ける各成分の量的関係は、本発明の効
果が認められる限り任意の物であるが、一般的には次の
範囲が好ましい。成分(A)におけるマグネシウムの含
有量はチタンに対するモル比で0.1ないし1000の範囲
内、好ましくは2ないし200の範囲内でよく、ハロゲン
の含有量はチタンに対するモル比で1ないし100の範囲
でよく、電子供与性化合物を使用する場合の含有量はチ
タンに対するモル比で10以下の範囲内、好ましくは0.1
ないし5の範囲内でよい。本発明における有機アルミニ
ウム化合物は、代表的なものの一般式として下式(II)
なしい(IV)で表される。
AlR8R9R10 (II) R11R12Al−O−AlR13R14 (III) (II)式、(III)式、及び(IV)式に於て、R8、R9
およびR10は同一であっても異種であっても良く、炭素
数が多くとも12個の炭化水素基、水素原子、もしくはハ
ロゲンであるが、それらの内少なくとも1個は炭化水素
基であり、R11、R12、R13およびR14は同一でも異種でも
よく、炭素数が多くとも12個の炭化水素基である。また
R15は炭素数が多くとも12個の炭化水素基であり、nは
1以上の整数である。(II)式で示される有機アルミニ
ウム化合物の代表的なものとしては、トリエチルアルミ
ニウム、トリプロピルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウムおよびトリオクチルアルミニウムのごときトリ
アルキルアルミニウム、さらにジエチルアルミニウムハ
イドライドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドのごときアルキルアルミニウムハイドライドならびに
ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウ
ムブロマイドおよびエチルアルミニウムセスキクロライ
ドなどのアルキルアルミニウムハライドが挙げられる。
また(III)式で表される有機アルミニウム化合物の
内、代表的なものとしては、テトラエチルジアルモキサ
ンおよびテトラブチルジアルモキサンのごときアルキル
ジアルモキサン類が挙げられる。また(IV)式は、アル
ミノオキサンを表し、アルミニウム化合物の重合体であ
る。R15はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ルなどを含むが、好ましくはメチル、エチル基である。
nは1ないし10が好ましい。
これらの有機アルミニウム化合物の内、トリアルキル
アルミニウム、アルキルアルミニウムハイドライドおよ
びアルキルアルモキサン類が好ましい結果を与えるので
好適である。
オレフィンの重合に於て、重合系内における有機アル
ミニウムの使用量は、一般に10-4ミリモル/1以上であ
り、10-2ミリモル/1以上が好適である。また、固体触媒
成分中のチタン原子に対する使用割合は、モル比で一般
には0.5以上であり、好ましくは2以上、とりわけ10以
上が好適である。なお、有機アルミニウムの使用量が少
なすぎると重合活性の大幅な低下を招く。重合系内にお
ける有機アルミニウムの使用量が20ミリモル/1以上で且
チタン原子に対する割合が、モル比で1000以上の場合、
更にこれらの値を高くしても触媒性能が更に向上するこ
とはない。
本発明に用いられる触媒の成分(C)は下記一般式
(I)で表される構造を持つアセタール化合物である。
式中、R1およびR6は炭素水1ないし6のアルキル基で
あり、具体例としてはメチル、エチル、プロピル等があ
る。R2,R3,R4およびR5はそれぞれ水素もしくはハロゲン
であるかまたはR2とR3、R4とR5がそれぞれもしくは同時
に芳香環を形成している。ハロゲンとしてはフルオロ、
クロロ、ブロモまたはヨードがある。芳香環を形成する
場合の具体例としては1H−インデン、9H−フルオレン、
1H−ベンズ〔f〕インデン、1,4−メタノビフエニレン
等がある。
このような化合物の具体例は下記に示される物である
が、各々が2分子以上融合した(例えば、ディールスア
ルダー生成物)化合物であっても良い。具体的には、5,
5−ジメトキシ−1,3−シクロペンタジエン、5,5−ジエ
トキシ−1,3−シクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラフ
ルオロ−5,5−ジメトキシ−1,3−シクロペンタジエン、
1,2,3,4−テトラフルオロ−5,5−ジエトキシ−1,3−シ
クロペンタジエン、1,2,3,4−テトラクロロ−5,5−ジメ
トキシ−1,3−シクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラク
ロロ−5,5−ジエトキシ−1,3−シクロペンタジエン、1,
2,3,4−テトラブロモ−5,5−ジメトキシ−1,3−シクロ
ペンタジエン、1,2,3,4−テトラブロモ−5,5−ジエトキ
シ−1,3−シクロペンタジエン、1,1−ジメトキシ−1H−
インデン、1,1−ジエトキシ−1H−インデン、2,3−ジフ
ェニル−1,1−ジメトキシ−1H−インデン、2,3−ジフェ
ニル−1,1−ジエトキシ−1H−インデン、2,3,4,5,6,7−
ヘキサクロロ−1,1−ジメトキシ−1H−インデン、2,3,
4,5,6,7−ヘキサクロロ−1,1−ジエトキシ−1H−インデ
ン、9,9−ジメトキシ−9H−フルオレン、9,9−ジエトキ
シ−9H−フルオレン、3−ブロモ−9,9−ジメトキシ−9
H−フルオレン、3−ブロモ−9,9−ジメトキシ−9H−フ
ルオレン、9,9−ジメトキシ−1,4−メタノビフェニレン
等が挙げられる。
成分(C)の使用量は、モル比で成分(C)/成分
(B)=0.01−5、好ましくは0.02−1である。
重合に使用されるオレフィンとしては、一般には炭素
数が多くとも20個のオレフィンであり、その代表例とし
てはエチレン、プロピレン、ブテン−1,4−メチルペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、スチレンなど
が挙げられる。重合を実施するに当たり、これらのオレ
フィンを単独重合しても良いが、2種以上のオレフィン
を共重合しても良い。(例えば、エチレンとプロピレン
との共重合) 重合を実施するに当たり、本発明の固体触媒成分、有
機アルミニウム化合物およびアセタール化合物は重合容
器に個別に導入しても良いが、それらの内の2種類また
は全部を事前に混合しても良い。
重合は、不活性溶媒中、液体モノマー中あるいは気相
のいずれでも行うことが出来る。また、バッチ式、半連
続式、連続式のいずれでも行う事が出来る。また、実用
可能な溶融流れを有する重合体を得るために、分子量調
節剤(一般には水素)を共存させても良い。重合温度
は、一般には−10℃ないし180℃であり、実用的には20
℃以上130℃以下である。
その他、予備重合の有無、重合反応器の形態、重合の
制御法、後処理方法などについては、本触媒系固有の制
限はなく、公知の全ての方法を適用する事が出来る。
(5)実施例 以下実施例によって本発明を更に詳しく説明する。な
お、実施例および比較的に於て、ヘプタンインデックス
(以下HRと略す)は沸騰n−ヘプタンで、得られた重合
体を6時間抽出した後の残量を%で表した物である。
各実施例に於て、固体触媒成分の製造及び重合に使用
した各化合物(有機溶媒、オレフィン、水素、チタン化
合物、マグネシウム化合物、アセタノール化合物など)
は全て実質的に水分を除去した物である。
また、固体触媒成分の製法及び重合については、実質
的に水分が存在せず、かつ窒素の雰囲気下で行った。
実施例1 [固体チタン触媒成分(A)の調製] 無水塩化マグネシウム1.71g、デカン9mlおよび2−エ
チルヘキシルアルコール8.4mlを130℃で2時間加熱反応
を行い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸0.
39gを添加し、130℃にて更に1時間撹拌混合を行い、無
水フタル酸を該均一溶液にさせる。その様にして得られ
た均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保存された四
塩化チタン72ml中に1時間にわたって全量滴下する。滴
下終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇
温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート
0.96mlを添加し、これより2時間同温度にて撹拌下保持
する。2時間の反応終了後濾過にて固体部分を採取し、
110℃のデカンおよび室温のヘキサンにて、洗浄中に遊
離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した
後、減圧下で乾燥した。
[重合] 1.5のステンレス製オートクレーブに上記の方法で
製造された固体成分(A)20mg、(C)成分として1,2,
3,4−テトラクロロ−5,5−ジメトキシ−1,3−シクロペ
ンタジエン21.5mgおよび(B)成分のトリエチルアルミ
ニウム91mgを入れて、次いで380gのプロピレンおよび0.
03gの水素を導入した。
オートクレーブを昇温し内温を70℃に保った。1時間
後、内容ガスを放出して重合を終結した。その結果217.
1gのポリプロピレン粉末が得られた。重合活性は10900g
/g固体触媒成分・時間であった。このポリプロピレン粉
末のヘプタン抽出残は(HR)96.2%であった。
比較例1−2、実施例2−6 用いた触媒成分(C)の種類を表−1に示すように変
えた以外は実施例1と同様に触媒の調製および重合を行
った。結果を表−1に示す。
実施例7−9 用いた触媒成分(C)の種類および使用量を表−2に
示すように変えた以外は、実施例1と同様に触媒の調製
および重合を行った。結果も同じく表−2に示す。
実施例10−15、比較例3−4 [固体チタン触媒成分(A)の調製] 無水塩化マグネシウム20gと7gの塩化ベンゾイルとを
直径10mmの磁製ボールを見かけ容積で50%充填した。1
の円筒容器にいれ、振動ボールミルを用い9mmの振幅
で12時間共粉砕を行った。
別途、内容積が500mlのフラスコに120mlのトルエン、
83gの四塩化チタン、および65gのジ(2−フェニルフェ
ニル)ホスホロクロリデイトを加え反応させ、60℃に加
熱し均一な溶液とした。この溶液に上記共粉砕固形物を
入れ、60℃の温度で2時間撹拌を行った。
固形分を濾別後、トルエンで洗浄を行い、30℃で減圧
下に乾燥し、固形物を得た。
[重合] (a)成分として上記固体成分を20mg用い、(C)成
分として1,2,3,4−テトラクロロ−5,5−ジメトキシ−1,
3−シクロペンタジエン21.5mg、(B)としてトリエチ
ルアルミニウムを91mgを用い、実施例1と同じ条件下で
プロピレンの重合を行ったところ、重合活性は3800g/g
・固体触媒成分・時間、HRは94.3%であった。(実施例
10)以下(C)成分のみを変えて重合を行った。結果は
表−3に示す。
実施例16 1.5のステンレス製オートクレーブに実施例1で得
られた固体成分(A成分)9mg、トリイソブチルアルミ
ニウム150ml(B成分)、1,2,3,4−テトラクロロ−5,5
−ジメトキシ−1,3−シクロペンタジエン(C成分)15m
gを入れ、次いで400gのイソブタンを入れ70℃で撹拌し
た。この中に水素を分圧が2kg/cm2と成るように添加し
た。さらにエチレンを分圧が5kg/cm2と成るように入
れ、この圧を保つようにエチレンを供給し続けた。
1時間後内容ガスをパージして重合を終了した。白色
無臭のポリエチレン176gを得た。重合活性は3900g/g固
形触媒成分・時間・atmであった。
実施例17−19 用いた触媒成分(C)の種類及びその使用量を表−4
に示すように変えた以外は実施例16と同様に重合を行っ
た。結果を表−4に示す。
(6)効果 以上に示したごとく、本発明の方法により、きわめて
高い立体規則性を有するオレフィン重合体を、著しく高
い収率で得ることが出来る。これはオレフィン重合体の
経済的製造に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる触媒を調製するに当たってのフ
ローチャート図である。
フロントページの続き (72)発明者 柳原 久嘉 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株 式会社大分研究所内 (72)発明者 三宅 重信 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株 式会社大分研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下にオレフィン類を重合させて
    オレフィン重合体を製造する方法において、用いる触媒
    が、 (A)四価のチタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成
    分として含有する固体触媒成分、 (B)有機アルミニウム化合物、および (C)下記一般式(I)、 (式中、R1およびR6は炭素水1ないし6のアルキル基で
    あり、R2,R3,R4およびR5はそれぞれ水素もしくはハロゲ
    ンであるかまたはR2とR3、R4とR5がそれぞれもしくは同
    時に芳香環を形成している。)で表されるアセタール化
    合物から形成されることを特徴とするオレフィンの重合
    方法。
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