JP3340266B2 - プロピレン重合用触媒 - Google Patents

プロピレン重合用触媒

Info

Publication number
JP3340266B2
JP3340266B2 JP29322694A JP29322694A JP3340266B2 JP 3340266 B2 JP3340266 B2 JP 3340266B2 JP 29322694 A JP29322694 A JP 29322694A JP 29322694 A JP29322694 A JP 29322694A JP 3340266 B2 JP3340266 B2 JP 3340266B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ethyl
methoxy
propionate
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29322694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08151407A (ja
Inventor
正樹 伏見
伸太郎 稲沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP29322694A priority Critical patent/JP3340266B2/ja
Priority to US08/535,514 priority patent/US6015867A/en
Priority to EP95115360A priority patent/EP0704424B1/en
Priority to DE69506980T priority patent/DE69506980T2/de
Publication of JPH08151407A publication Critical patent/JPH08151407A/ja
Priority to US09/221,849 priority patent/US6118019A/en
Priority to US09/499,353 priority patent/US6121483A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3340266B2 publication Critical patent/JP3340266B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレンの単独
合体を製造するためのプロピレン重合用触媒に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】塩化マグネシウム担持型チーグラー触媒
の助触媒成分として電子供与性化合物を用いることは良
く知られている。電子供与性化合物としては、安息香酸
エステル類、ピペリジン類、アセタール類あるいは有機
ケイ素化合物類(アルコキシシラン)が有効であること
が多数報告されている。ところが、上記化合物のうち、 (1)安息香酸エステル類あるいはピペリジン類は特有
の臭気を有しているため、これらの化合物を電子供与性
化合物として使用した場合、製品中の残臭が問題になる
ことが多い。 (2)アセタール化合物は、触媒活性の失活が激しいた
め、触媒コストが高い。従って、通常は有機ケイ素化合
物(アルコキシシラン)が上記の目的に使用されること
が多いが、一般に有機ケイ素化合物、とりわけアルコキ
シシラン化合物は空気中の水分などにより容易に加水分
解して、対応するシラノール化合物あるいはシロキサン
化合物を与えることが良く知られている。従って、触媒
の電子供与性化合物として有機ケイ素化合物を使用した
場合、重合体内にシラノール化合物あるいはシロキサン
化合物が含まれることが多い。
【0003】従来、このような触媒残等は脱灰プロセス
で除去されていたが、近年のプロピレン重合用プラント
では、無脱灰かつノンペレタイズプロセスが主流となり
つつあるため、触媒残などがそのまま製品重合体内に残
存した状態で市場に出されることが多くなってきた。と
ころが、重合体内にミクロ分散したシラノール化合物あ
るいはシロキサン化合物は、重合体の物性、とりわけそ
の剛性を低下させる一因となる場合が多いため、該重合
体が本来有する物性を必ずしも100 %発現することがで
きなかった。従って、プロピレン重合用触媒の電子供与
性化合物成分としてシラノール化合物あるいはシロキサ
ン化合物の発生源となる有機ケイ素化合物を用いること
なく、かつ高い性能を発現する新たな触媒系の出現が切
望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、担持
型チーグラー触媒を用いたポリプロピレンの製造法にお
いて高活性かつ高立体規則性を発現し、なおかつ重合体
の物性、とりわけ剛性の低下をもたらすシラノール化合
物あるいはシロキサン類の発生源となる有機ケイ素化合
物を使用しないプロピレン重合用触媒を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するべく担持型チーグラー触媒に用いる電子供
与性化合物について鋭意検討を行った結果、触媒の存在
下に、プロピレンを重合させてポリプロピレンを製造す
る方法において、 成分(A) チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成
分として含有する固体触媒成分 成分(B) 有機アルミニウム化合物、及び 成分(C) 一般式(1)
【化2】 (ここで、R1 は炭素数が1 〜10の炭化水素基、R2
炭素数が1 〜20の炭化水素基、R3 は炭素数が1 〜20の
炭化水素基、R4 は炭素数が3 以上の分岐状炭化水素基
である。)で表される電子供与性化合物から形成される
ことを特徴とするプロピレン重合用触媒を用いてプロピ
レンを重合した結果、前記のごとき課題をことごとく解
決して、実用的に優れた重合体を収率良く得られること
を見いだし本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】 以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明において使用されるマグネシウム化合物とし
ては塩化マグネシウム、臭化マグネシウムのようなハロ
ゲン化マグネシウム;エトキシマグネシウム、イソプロ
ポキシマグネシウムの様なアルコキシマグネシウム;ラ
ウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムの様
なマグネシウムのカルボン酸塩;ブチルエチルマグネシ
ウムの様なアルキルマグネシウム等を例示することがで
きる。また、これらの化合物の2 種類以上の混合物であ
ってもよい。好ましくは、ハロゲン化マグネシウムを使
用するもの、もしくは触媒形成時にハロゲン化マグネシ
ウムを形成するものである。さらに好ましくは、上記の
ハロゲンが塩素であるものである。
【0007】本発明に於て使用されるチタン化合物とし
ては、四塩化チタン、三塩化チタン等のハロゲン化チタ
ン;チタンブトキシド、チタンエトキシド等のチタンア
ルコキシド;フェノキシチタンクロライドなどのアルコ
キシチタンハライド等を例示することが出来る。また、
これらの化合物の2 種以上の混合物であってもよい。本
発明において使用されるハロゲン含有化合物は、ハロゲ
ンが沸素、塩素、臭素、またはヨウ素、好ましくは塩素
であり、実際に例示される具体的化合物は四塩化チタ
ン、四臭化チタンなどのハロゲン化チタン、四塩化ケイ
素、四臭化ケイ素などのハロゲン化ケイ素、三塩化リ
ン、五塩化リンなどのハロゲン化リンなどが代表的な例
であるが、調製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロ
ゲン分子、ハロゲン化水素酸(例えば、HCl,HBr,HI等)
を用いても良い。これらはチタン化合物やマグネシウム
化合物と共通であっても良い。
【0008】本発明に用いる固体触媒成分(A)を調製
するにあたり、各種電子供与体(内部ドナー)を添加し
ても良く、また好ましくもある。電子供与体としては、
含酸素化合物および含窒素化合物等が挙げられる。より
具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オク
タノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、2-
エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、クミ
ルアルコール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメ
タノールなどの炭素数1 ないし20のアルコール類、
(ロ)フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プ
ロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフェノー
ル、ナフトールなどのアルキル基を有していてもよい炭
素数6 ないし25のフェノール類、
【0009】(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサ
ノンなどの炭素数3 ないし15のケトン類、(ニ)アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、トルアルデヒド、
ナフトアルデヒドなどの炭素数2 ないし15のアルデヒド
類、
【0010】(ホ)ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シ
クロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソル
ブ、プロピオン酸エチル、n−酪酸メチル、イソ酪酸メ
チル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸イソプロピル、吉草酸
エチル、吉草酸ブチル、ステアリン酸エチル、クロロ酢
酸メチル、ジクロロ酢酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサ
ンカルボン酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酪
酸メチル、フェニル酪酸プロピル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トル
イル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、
エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジネ
オペンチル、γ−ブチロラクトン、γ−パレロラクト
ン、クマリン、フタリド、炭酸ジエチル、オルトぎ酸メ
チル、オルトぎ酸エチルなどの炭素数2 ないし20の有機
酸エステル類、
【0011】(へ)メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸
エチル、メトキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸フェニル、
エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢
酸ブチル、エトキシ酢酸フェニル、n-プロポキシ酢酸エ
チル、i-プロポキシ酢酸エチル、n-ブトキシ酢酸メチ
ル、i-ブトキシ酢酸エチル、n-ヘキシルオキシ酢酸エチ
ル、sec-ヘキシルオキシ酢酸オクチル、2-メチルシクロ
ヘキシルオキシ酢酸メチル,3-メトキシプロピオン酸メ
チル,3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロ
ピオン酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エ
トキシプロピオン酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸n-
オクチル、3-エトキシプロピオン酸ドデシル、3-エトキ
シプロピオン酸ペンタメチルフェニル、3-(i-プロポキ
シ)プロピオン酸エチル、3-(i-プロポキシ)プロピオ
ン酸ブチル、3-(n-プロポキシ)プロピオン酸アリル、
3-(n-ブトキシ)プロピオン酸シクロヘキシル、3-ネオ
ペンチルオキシプロピオン酸エチル、3-(n-オクチルオ
キシ)プロピオン酸ブチル、3-(2,6-ジメチルデシルオ
キシ)プロピオン酸オクチル、4-エトキシ酢酸エチル、
4-エトキシ酪酸シクロヘキシル、5-(n-プロポキシ)吉
草酸オクチル、12- エトキシラウリン酸エチル、3-(1-
インデノキシ)プロピオン酸エチル、3-メトキシアクリ
ル酸メチル、2-エトキシアクリル酸メチル、3-フェノキ
シアクリル酸エチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、
2-(i-プロポキシ)酪酸n-ブチル、2-エトキシイソ酪酸
メチル、2-シクロヘキシルオキシイソ吉草酸フェニル、
2-エトキシ-2- フェニル酢酸ブチル、3-ネオペンチルオ
キシ酪酸アリル、3-エトキシ-3- (o- メチルフェニル)
プロピオン酸メチル、3-エトキシ-2-(o-メチルフェニ
ル)プロピオン酸エチル、4-エトキシ-2- メチル-1- ナ
フチルノナン酸エチル、2-メトキシシクロペンタンカル
ボン酸エチルエステル、2-エトキシシクロヘキサンカル
ボン酸ブチルエステル、3-(エトキシメチル)テトラリ
ン-2- 酢酸イソプロピルエステル、8-ブトキシ- デカリ
ン-1- カルボン酸エチルエステル、3-エトキシノルボル
ナン-2- カルボン酸メチルエステル、2-(フェノキシ)
酢酸メチル、3-(p-クレゾキシ)プロピオン酸エチル、
4-(2-ナフトキシ)酪酸メチル、5-カルバロキシ吉草酸
ブチル、2-フェノキシプロピオン酸メチル、3-(4-メチ
ルフェノキシ)-2- フェニルプロピオン酸エチル、2-フ
ェノキシシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル、チ
オフェン-3- オキシ酢酸エチル、2-(2-ピコリノキシメ
チル)- シクロヘキサンカルボン酸エチル、3-フルフリ
ルオキシプロピオン酸エチル、2,2-ジイソブチル-3- メ
トキシ−プロピオン酸エチル、2-イソプロピル-2- イソ
ペンチル-3- メトキシ−プロピオン酸メチル、2-イソプ
ロピル-2- イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸エ
チル、2-イソプロピル-2- シクロペンチル-3-メトキシ-
プロピオン酸メチル、2-イソプロピル-2- シクロペン
チル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-シクロペン
チル-2- イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸メチ
ル、2-シクロペンチル-2- イソペンチル-3- メトキシ-
プロピオン酸エチル、2,2-ジシクロペンチル-3- メトキ
シ- プロピオン酸メチル、2,2-ジシクロペンチル-3- メ
トキシ- プロピオン酸エチル等のアルコキシエステル
類。
【0012】(ト)アセチル酢酸メチル、アセチル酢酸
エチル、アセチル酢酸ブチル、プロピオニル酢酸メチ
ル、アセチル酢酸フェニル、プロピオニル酢酸エチル、
プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸フェニル、
プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸エチル、i-ブタ
ノイル酢酸エチル、ペンタノイル酢酸エチル、3-アセチ
ルプロピオン酸メチル、3-アセチルプロピオン酸エチ
ル、3-アセチルプロピオン酸ブチル、3-プロピオニルプ
ロピオン酸エチル、3-プロピオニルプロピオン酸ブチ
ル、3-プロピオニルプロピオン酸n-オクチル、3-プロピ
オニルプロピオン酸ドデシル、3-プロピオニルプロピオ
ン酸ペンタメチルフェニル、3-(i-プロピオニル)プロ
ピオン酸エチル、3-(i-プロピオニル)プロピオン酸ブ
チル、3-(i-プロピオニル)プロピオン酸アリル、3-
(i-プロピオニル)プロピオン酸シクロヘキシル、3-ネ
オペンタノイルプロピオン酸エチル、3-n-ラウリルプロ
ピオン酸ブチル、3-(2,6-ジメチルヘキサノイル)プロ
ピオン酸メチル、4-プロピオニル酪酸エチル、4-プロピ
オニル酪酸シクロヘキシル、5-ブチリル吉草酸オクチ
ル、12-ブチリルラウリン酸エチル、3-アセチルアクリ
ル酸メチル、2-アセチルアクリル酸メチル、3-ベンゾイ
ルプロピオン酸エチル、3-ベンゾイルプロピオン酸メチ
ル、3-メチルベンゾイルプロピオン酸エチル、3-トルイ
ル酪酸ブチル、o-ベンゾイル安息香酸エチル、m-ベンゾ
イル安息香酸エチル、p-ベンゾイル安息香酸エチル、o-
トルイル安息香酸ブチル、o-トルイル安息香酸エチル、
m-トルイル安息香酸エチル、p-トルイル安息香酸エチ
ル、o-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)安息香酸エチ
ル、m-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)安息香酸エチ
ル、p-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)安息香酸エチ
ル、o-エチルベンゾイル安息香酸エチル、o-アセチル安
息香酸エチル、o-プロピオニル安息香酸エチル、o-ラウ
リル安息香酸エチル、o-シクロヘキサノイル安息香酸エ
チル、o-ドデシル安息香酸エチル等のケトエステル類。
【0013】(チ)ホウ酸メチル、チタン酸ブチル、リ
ン酸ブチル、亜リン酸ジエチル、ジ(2-フェニルフェニ
ル)ホスホロクロリデイト等の無機酸エステル類、
(リ)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒ
ドロフランアニソール、ジフェニルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジフ
ェニルエーテル、2,2-ジメトキシプロパンなどの炭素数
2 ないし25のエーテル類、(ヌ)酢酸アミド、安息香酸
アミド、トルイル酸アミド等の炭素数2 ないし20の酸ア
ミド類、(ル)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリ
ド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタ
ロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2 ないし20の
酸ハライド類、(ヲ)無水酢酸、無水フタル酸などの炭
素数2 ないし20の酸無水物類、(ワ)モノメチルアミ
ン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルア
ミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピ
リジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなど
の炭素数1 ないし20のアミン類、(カ)アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどの炭素数2 ない
し20のニトリル類、(ヨ)エチルチオアルコール、ブチ
ルチオアルコール、フェニルチオールなどの炭素数2 な
いし20のチオール類、(タ)ジエチルチオエーテル、ジ
フェニルチオエーテルなどの炭素数4 ないし25のチオエ
ーテル類、(レ)硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの炭
素数2 ないし20の硫酸エステル類、(ソ)フェニルメチ
ルスルホン、ジフェニルスルホンなどの炭素数2 ないし
20のスルホン酸類、(ツ)フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェ
ニルジメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシ
ラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシ
ロキサン、トリメチルシラノール、フェニルジメチルシ
ラノール、トリフェニルシラノール、ジフェニルシラン
ジオール、ケイ酸低級アルキル(特にケイ酸エチル)な
どの炭素数2 ないし24のケイ素含有化合物などを挙げる
ことができる。これらの電子供与性化合物を2 種以上用
いることができる。これらのうちで好ましいものは有機
酸エステル類、アルコキシエステル類、ケトエステル類
等である。
【0014】本発明において用いられる触媒調製法は特
に限定されるものではないが、例えば以下のような例を
あげることができる。ハロゲン化マグネシウム、ハロゲ
ン化チタン、上記電子供与性化合物を共粉砕により、も
しくは溶媒中での分散または溶解により接触させて触媒
成分を得る方法。ハロゲン化マグネシウムと有機または
無機化合物(上記電子供与性化合物を含んでもよい)と
の複合体を作り、これにハロゲン化チタンまたはそれと
上記電子供与性化合物の複合体を接触させて触媒成分を
得る方法。ハロゲン化マグネシウムと有機または無機化
合物(上記電子供与性化合物を含んでもよい)との複合
体を作り、これに上記電子供与性化合物とチタン化合物
を逐次的に接触(順は入れ替わっても可)させて触媒成
分を得る方法。マグネシウム化合物(またはさらにチタ
ン化合物を含む)に上記電子供与性化合物を接触させ、
同時にもしくはその後段でチタン化合物との接触及びま
たはハロゲン化処理を行って触媒成分を得る方法(いず
れかの段階でチタン化合物の使用を含んでいること)。
上記の触媒成分の製造は、一般に触媒担体として用いら
れる物質、例えばシリカやアルミナ上に担持または含浸
させる方法で作られても良い。
【0015】成分(A)に於ける各成分の量的関係は、
本発明の効果が認められる限り任意のものであるが、一
般的には次の範囲が好ましい。成分(A)に於けるマグ
ネシウムの含量は、チタンに対するモル比で0.1 〜1000
の範囲内、好ましくは2 〜200 の範囲内でよく、ハロゲ
ンの含量はチタンに対するモル比で1 〜100 の範囲内で
よく、電子供与性化合物を使用する場合にその含量はチ
タンに対するモル比で10以下の範囲内、好ましくは0.1
〜5 の範囲内でよい。本発明に於て用いられる固体触媒
成分の平均粒径は本発明の効果が認められる限り任意の
ものであるが、一般的には0.1 〜200 ミクロンの範囲
内、好ましくは1 〜100 ミクロン、より好ましくは10〜
100 ミクロンである。
【0016】本発明における有機アルミニウム化合物
は、代表的なものの一般式として下式(2)式ないし
(4)式で表される。 AlR567 ‥‥‥(2) R89 Al−O−AlR1011 ‥‥‥(3)
【化3】
【化4】 (2)式、(3)式及び(4)式において、R5 、R6
およびR7 は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも
12個の炭化水素基であり、R8 、R9 、R10、およびR
11は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも12個の炭
化水素基である。またR12は、炭素数が多くとも12個の
炭化水素基であり、nは1 以上の整数である。(2)式
で示される有機アルミニウム化合物のうち代表的なもの
としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミ
ニウム、トリヘキシルアルミニウム及びトリオクチルア
ルミニウムのごときトリアルキルアルミニウム、さらに
ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジイソブチル
アルミニウムハイドライドのごときアルキルアルミニウ
ムハイドライドならびにジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムブロマイドおよびエチルアル
ミニウムセスキクロライドなどのアルキルアルミニウム
ハライドがあげられる。また、(3)式で示される有機
アルミニウム化合物のうち、代表的なものとしては、テ
トラエチルジアルモキサンおよびテトラブチルジアルモ
キサンのごときアルキルジアルモキサン類があげられ
る。また、(4)式は、アルミノオキサンを表し、アル
ミニウム化合物の重合体である。R12はメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ベンジルなどを含むが、好まし
くはメチル、エチル基である。nは、1 〜10の値が好ま
しい。これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリア
ルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハイドライ
ドおよびアルキルアルモキサン類が特に好ましい結果を
あたえるため好適である。
【0017】プロピレンの重合において、重合系内にお
ける有機アルミニウム使用量は、一般に10-4ミリモル/
l以上であり、10-2ミリモル/l以上が好適である。ま
た、固体触媒成分中のチタン原子に対する使用割合は、
モル比で一般には0.5 以上であり、好ましくは2 以上、
とりわけ10以上が好適である。なお、有機アルミニウム
の使用量が小さ過ぎる場合には、重合活性の大幅な低下
を招く。なお、重合系内に於ける有機アルミニウムの使
用量が20ミリモル/l以上で且つチタン原子に対する割
合が、モル比で1000以上の場合、更にこれらの値を高く
しても触媒性能が更に向上することは見られない。
【0018】本発明に用いられる触媒の成分(C)は、
一般式(1)式で表される構造を有する有機エステル化
合物である。
【化5】 式中、R1 は炭素数が1 〜10の炭化水素基、好ましくは
炭素数が1 〜5 の炭化水素基、更に好ましくは炭素数が
1 〜3 の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチ
ル基あるいはプロピル基である。R2 は炭素数が1 〜20
の炭化水素基、好ましくは炭素数が1 〜15の炭化水素
基、更に好ましくは炭素数が1 〜10の炭化水素基であ
り、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イ
ソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、
2-エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等である。R3 は炭素数が1 〜20の炭化水素基、好
ましくは炭素数が1 〜15の炭化水素基、具体的にはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル
基、デシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等である。R4 は炭素数が3 以上の分岐
状炭化水素基であり、具体的にはイソプロピル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基、イソペンチ
ル基、sec-ペンチル基、tert- ペンチル基、2-エチルヘ
キシル基、テキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等である。
【0019】上記の様な化合物としては、2-メチル-2-
イソプロピル-3- メトキシ- プロピオン酸メチル、2-メ
チル-2- イソプロピル-3- メトキシ- プロピオン酸エチ
ル、2-メチル-2- イソプロピル-3- メトキシ- プロピオ
ン酸(iso-ブチル)、2-メチル-2- イソプロピル-3- メ
トキシ- プロピオン酸(tert- ブチル)、2-メチル-2-
イソプロピル-3- メトキシ- プロピオン酸(2-エチルヘ
キシル)、2-メチル-2- イソプロピル-3- エトキシ- プ
ロピオン酸メチル、2-メチル-2- イソプロピル-3- エト
キシ- プロピオン酸エチル、2-メチル-2- イソプロピル
-3- エトキシ−プロピオン酸ブチル、2−エチル-2- イ
ソプロピル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-エチ
ル-2- イソプロピル-3- エトキシ- プロピオン酸ブチ
ル、2-エチル-2- イソプロピル-3- メトキシ- プロピオ
ン酸(tert- ブチル)、2-エチル-2-イソプロピル-3-
メトキシ- プロピオン酸(2-エチルヘキシル)、 2,2-
ジイソプロピル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、
2,2- ジイソプロピル-3- メトキシ- プロピオン酸ブチ
ル、2-イソプロピル-2- イソブチル-3- メトキシ- プロ
ピオン酸メチル、2-イソプロピル-2- イソブチル-3- メ
トキシ- プロピオン酸エチル、- イソプロピル-2- イソ
ブチル-3- メトキシ- プロピオン酸ブチル、2-イソプロ
ピル-2- イソブチル-3- メトキシ- プロピオン酸(2-エ
チルヘキシル)、2-イソプロピル-2- イソペンチル-3-
メトキシ- プロピオン酸メチル、2-イソプロピル-2- イ
ソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-イソ
プロピル-2-イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸
ブチル、2-イソプロピル-2- イソペンチル-3- メトキシ
- プロピオン酸(2-エチルヘキシル)、2-イソプロピル
-2- シクロペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸メチ
ル、2-イソプロピル-2- シクロペンチル-3- メトキシ-
プロピオン酸エチル、2-イソプロピル-2- シクロペンチ
ル-3- メトキシ- プロピオン酸ブチル、2-イソプロピル
-2- シクロペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸(2-エ
チルヘキシル)、2-ブチル-2- イソプロピル-3- メトキ
シ- プロピオン酸(2-エチルヘキシル)、2-ブチル-2-
イソブチル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-ブチ
ル-2- イソブチル-3- メトキシ- プロピオン酸(2-エチ
ルヘキシル)、2-ブチル-2- イソペンチル-3- メトキシ
- プロピオン酸エチル、2-ブチル-2- イソペンチル-3-
メトキシ- プロピオン酸(2-エチルヘキシル)、2-ブチ
ル-2- シクロペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸エチ
ル、 2,2- ジイソブチル-3- メトキシ- プロピオン酸エ
チル、 2,2- ジイソブチル-3-メトキシ- プロピオン酸
(2-エチルヘキシル)、2-イソブチル-2- イソペンチル
-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-イソブチル-2-
イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸(2-エチルヘ
キシル)、2-イソブチル-2- シクロペンチル-3-メトキ
シ- プロピオン酸エチル、2-イソブチル-2- シクロペン
チル-3- メトキシ- プロピオン酸(2-エチルヘキシ
ル)、2-シクロペンチル-2- イソペンチル-3-メトキシ-
プロピオン酸メチル、2-シクロペンチル-2- イソペン
チル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-シクロペン
チル-2- イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸ブチ
ル、2-シクロペンチル-2- イソペンチル-3- メトキシ-
プロピオン酸(2-エチルヘキシル)、 2,2- ジシクロペ
ンチル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル等が例示でき
る。成分(C)の使用量は、モル比で成分(C)/成分
(B)=0.001 〜5 、好ましくは0.01〜1 である。
【0020】
【0021】重合方法およびその条件 重合を実施するに当たり、本発明の固体触媒成分、有機
アルミニウム化合物あるいはこれらと有機ケイ素化合物
は重合容器に個別に導入してもよいが、それらのうちの
二種類または全部を事前に混合してもよく、典型的には
窒素で置換した滴下ロートに、後述する不活性溶媒、有
機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物を加え混
合し一定時間以上(約1分以上)経過後、この混合物を
固体触媒成分と接触させ、さらに一定時間以上(約1分
以上)反応させた後、重合反応容器内へ添加することが
好ましい。なお、この際使用する不活性溶媒としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n-オクタン、イソオク
タン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンのよう
なアルカン及びシクロアルカン;トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエ
ン、n−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびモ
ノ又はジアルキルナフタレンのようなアルキル芳香族炭
化水素;クロロベンゼン、クロロナフタレン、オルトジ
クロロベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロ
ナフタレンのようなハロゲン化及び水素化芳香族炭化水
素;高分子量液状パラフィンまたはそれらの混合物を用
いることが出来る。
【0022】本発明の触媒によるプロピレンの重合は、
大気圧または大気圧以上のモノマー圧力で行われる。気
相重合ではモノマー圧力は重合させるプロピレンの重合
温度に於ける蒸気圧を下回ってはならないけれども、一
般にはモノマー圧力は約20ないし3600psi の範囲にあ
る。重合は、不活性溶媒中、液体モノマー(プロピレ
)中あるいは気相のいずれでも行うことができる。ま
た、重合を、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法
に於いても行うことができる。さらに、重合を、反応条
件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。実用可
能の溶融流れを有する重合体を得るために、分子量調節
剤(一般には、水素)を共存させてもよい。重合時間
は、回分法の場合には、一般に30分ないし数時間であ
り、連続法の場合には相当する平均滞留時間である。オ
ートクレーブ型反応では約1 時間ないし6 時間にわたる
重合時間が典型的である。
【0023】スラリー法では、重合時間は30分ないし数
時間にわたる重合時間が好ましい。スラリー重合で用い
るのに適当な希釈溶媒には、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、n-オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン及び
メチルシクロヘキサンのようなアルカン及びシクロアル
カン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン、エチルトルエン、n-プロピルベンゼン、
ジエチルベンゼンおよびモノ又はジアルキルナフタレン
のようなアルキル芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ク
ロロナフタレン、オルトジクロロベンゼン、テトラヒド
ロナフタレン、デカヒドロナフタレンのようなハロゲン
化及び水素化芳香族炭化水素;高分子量液状パラフィン
またはそれらの混合物、及び他の周知の希釈溶媒があ
る。
【0024】本発明の触媒が有用である気相重合法は、
撹拌槽反応器、流動層反応器システム等を用いることが
出来る。典型的な気相プロピレン重合反応器システム
は、プロピレンモノマー及び触媒成分を加えることがで
き、撹拌装置を備えた反応容器よりなり、触媒成分は1
つ以上の弁調節口から一緒にまたは別々に反応容器に加
えられる。プロピレンモノマーは、典型的には、排ガス
として除かれる未反応モノマー及びフレシュな供給モノ
マーが混合されて反応容器に圧入されるリサイクルガス
システムを通じて反応器に供給される方法である。一般
には必要としないが、重合の完了時または重合の停止あ
るいは本発明の不活性化を行う場合には、触媒毒として
既知である水、アルコール、アセトンまたは他の適当な
触媒不活性化剤と接触することにより可能である。重合
温度は、一般には−10℃ないし180 ℃であるが、良好な
触媒性能および高生産速度を得る見地から20℃ないし10
0 ℃が好適であり、より好適には、50℃ないし80℃の範
囲である。
【0025】予備重合は必ずしも必要とはしないが、予
備重合を行うことは好ましくもあり、通常前記固体触媒
成分(A)を前記有機アルミニウム化合物成分(B)の
少なくとも一部と組み合わせて用いる。この時、有機ケ
イ素化合物あるいはアセタール化合物を共存させておく
ことができる。このような有機ケイ素化合物は前記触媒
成分(C)として用いられた化合物に限定されるもので
はない。予備重合における固体触媒成分(A)の濃度は
後述する不活性炭化水素溶媒1リットル当り、チタン原
子換算で、通常0.01ないし200 ミリモルの範囲とするこ
とが望ましい。有機アルミニウム化合物成分(B)の量
は、固体チタン触媒成分(A)1g当り0.1 ないし500
gの重合体が生成するような量であればよく、好ましく
は0.1 ないし300 gの重合体が生成するような量であ
る。予備重合は、不活性炭化水素溶媒にプロピレンおよ
び上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことが好
ましい。この際用いられる不活性炭化水素溶媒として
は、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ケロシン
などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレ
ンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素、あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。
これらの不活性炭化水素溶媒のうちでは、とくに脂肪族
炭化水素を用いることが好ましい。予備重合の反応温度
は、生成する予備重合体が実質的に不活性炭化水素溶媒
中に溶解しないような温度であればよく、通常約−10℃
ないし100 ℃、好ましくは約−10℃ないし80℃である。
なお、予備重合においては、水素の様な分子量調節剤を
用いることもできる。予備重合は回分式あるいは連続式
で行うことが出来る。そのほか、重合の制御法、後処理
方法などについては、本触媒系固有の制限はなく、公知
のすべての方法を適用することができる。
【0026】
【実施例】ポリマーの室温でのキシレン可溶分(%)
(XSRT% )は、135 ℃でキシレン200 mlにポリマー2 g
を溶解した後、溶液を室温まで冷却することにより析出
するポリマーを減圧濾過し、濾液をロータリーエバポレ
ーターを用いることにより溶媒を留去し、さらにこれを
乾燥して得られる残査を測定した。XSRT% は、次の式に
より計算した。
【数1】 重合活性の値は、次の式により計算した。
【数2】 なお、実施例および比較例において、荷重が2.16 Kg に
おけるメルトフローレート(すなわち、MFR )はJIS K-
6758-1968 にしたがって測定した。曲げ初期弾性率(F
M)は、ASTM-D-790-6600 に従って測定した。重合体中
に含まれるケイ素原子含量は蛍光X線分析装置により測
定した。各実施例において、固体触媒成分の製造および
重合に使用した各化合物(有機溶媒、オレフィン、水
素、チタン化合物、マグネシウム化合物、電子供与性化
合物など)はすべて実質的に水分を除去したものであ
る。また、固体触媒成分の製造および重合については、
実質的に水分が存在せず、かつ窒素の雰囲気下で行っ
た。重合時に用いる有機アルミニウム化合物及び電子供
与性化合物はそれぞれ1.0M/L及び0.1M/Lヘキサン溶液と
して使用した。
【0027】実施例1 [固体Ti触媒成分(A)の調整]無水塩化マグネシウ
ム1.71 g、デカン9 mlおよび2-エチルヘキシルアルコー
ル8.4 mlを130 ℃で3 時間加熱反応を行い均一溶液とし
た後、この溶液中に無水フタル酸0.39 gを添加し、130
℃にて更に2 時間撹拌混合を行い、無水フタル酸を該均
一溶液に溶解させる。この様にして得られた均一溶液を
室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン72
ml 中に1 時間にわたって全量滴下装入する。装入終了
後、この混合液の温度を4 時間かけて110 ℃に昇温し、
110 ℃に達したところでジイソブチルフタレート0.91 g
を添加し、これより2 時間同温度にて撹拌下保持する。
2 時間の反応終了後熱濾過にて固体部を採取し、この固
体部を72 ml 四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び11
0 ℃で2 時間、加熱反応を行う。反応終了後、再び熱濾
過にて固体部を採取し、デカン及びヘキサンにて、洗液
中に遊離のチタン化合物が検出されなくなる充分洗浄後
減圧下で乾燥した。 [重合]6.0 リットルのステンレス製オートクレーブ
に、以上の方法で製造された固体成分を4.8 mg、2-イソ
プロピル-2- イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸
エチル1.6 ml(0.1 M/L のヘキサン溶液)、トリエチル
アルミニウム1.6 ml(1.0M/L のヘキサン溶液)をいれ
て、次いで1020 gのプロピレン及び0.09 gの水素を入れ
た。オートクレーブを昇温し、内温を 770℃に保った。
2 時間後、内容ガスを放出して重合を終結した。結果を
表1に示した。
【0028】比較例1 用いた触媒成分(C)の種類を表1に示す様に変えた以
外は実施例1と同様に触媒の調製及び重合を行った。結
果を表1に示す。
【0029】実施例2 [固体Ti触媒成分(A)の調製]窒素気流下、充分乾
燥した300ml の丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウ
ム5 g 、3-メトキシ-2-tert-アミル- プロピオン酸エチ
ル1.30 g及び塩化メチレン25 ml を加えた。還流下1 時
間撹拌し、次にこの懸濁液を室温の200 ml四塩化チタン
中へ圧送した。徐々に110 ℃まで昇温して2 時間撹拌し
ながら反応させた。反応終了後、析出固体を濾別し、11
0 ℃のn-デカン 200 ml で3 回洗浄した。新たに四塩化
チタン 200 ml を加え、120 ℃で2 時間反応させた。反
応終了後、析出固体を濾別し、n-デカン 200 ml で3 回
洗浄し、室温下、n-ヘキサンで塩素イオンが検出されな
くなるまでヘキサンで洗浄した。 [重合]6.0 リットルのステンレス製オートクレーブ
に、以上の方法で製造された固体成分を5.2 mg、2-イソ
プロピル-2- イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸
エチル1.6 ml(0.1 M/L のヘキサン溶液)、トリエチル
アルミニウム1.6 ml(1.0M/L のヘキサン溶液)をいれ
て、次いで340 g のプロピレン及び0.09 gの水素を入れ
た。オートクレーブを昇温し、内温を80℃に保った。2
時間後、内容ガスを放出して重合を終結した。結果を表
1に示した。
【0030】比較例2、実施例3〜5 用いた触媒成分(C)の種類を表1に示す様に変えた以
外は実施例と同様に触媒の調製及び重合を行った。結
果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の触媒により、重合体の物性に大
きな影響を与えるシラノール化合物あるいはシロキサン
類を含有せず、その結果、実用上優れた性能を有する
リプロピレンを製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒を調整するに当ってのフロー
チャート図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 CA(STN) EUROPAT(QUESTEL) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下に、プロピレンを重合させ
    て、ポリプロピレンを製造する方法において用いる触媒
    が、 成分(A) チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成
    分として含有する固体触媒成分 成分(B) 有機アルミニウム化合物、及び 成分(C) 一般式(1) 【化1】 (ここで、R1 は炭素数が1 〜10の炭化水素基、R2
    炭素数が1 〜20の炭化水素基、R3 は炭素数が1 〜20の
    炭化水素基、R4 は炭素数が3 以上の分岐状炭化水素基
    である。)で表される電子供与性化合物からなるプロピ
    レン重合用触媒。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される電子供与性化合
    物のR1 がメチル基、エチル基あるいはプロピル基、R
    2 が炭素数1 〜10の炭化水素基、R3 がメチル基、エチ
    ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペン
    チル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
    クチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基、ペンタデシ
    ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、かつR4
    がイソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert
    - ブチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-
    ペンチル基、2-エチルヘキシル基、テキシル基、シクロ
    ペンチル基、シクロヘキシル基のうちのいずれかである
    ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン重合用触
    媒。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される電子供与性化合
    物が、2,2-ジイソブチル-3- メトキシ−プロピオン酸エ
    チル、2-イソプロピル-2- イソペンチル-3-メトキシ−
    プロピオン酸メチル、2-イソプロピル-2- イソペンチル
    -3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2-イソプロピル-2
    - シクロペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸メチル、
    2-イソプロピル-2- シクロペンチル-3- メトキシ- プロ
    ピオン酸エチル、2-シクロペンチル-2- イソペンチル-3
    - メトキシ- プロピオン酸メチル、2-シクロペンチル-2
    - イソペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸エチル、2,
    2-ジシクロペンチル-3- メトキシ- プロピオン酸メチ
    ル、あるいは、2,2-ジシクロペンチル-3- メトキシ- プ
    ロピオン酸エチルから選ばれる化合物の少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項1または2記載のプロピ
    レン重合用触媒。
JP29322694A 1994-09-28 1994-11-28 プロピレン重合用触媒 Expired - Fee Related JP3340266B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29322694A JP3340266B2 (ja) 1994-11-28 1994-11-28 プロピレン重合用触媒
US08/535,514 US6015867A (en) 1994-09-28 1995-09-28 3-alkoxypropionic ester derivative, olefin polymerization catalyst, and process for preparation of polyolefin
EP95115360A EP0704424B1 (en) 1994-09-28 1995-09-28 3-Alkoxypropionic ester derivative, olefin polymerization catalyst, and process for preparation of polyolefin
DE69506980T DE69506980T2 (de) 1994-09-28 1995-09-28 3-Alkoxypropionsäureesterderivat, Olefinpolymerisierungskatalysator und Verfahren zum Herstellen eines Polyolefins
US09/221,849 US6118019A (en) 1994-09-28 1998-12-29 3-alkoxypropionic ester derivative
US09/499,353 US6121483A (en) 1994-09-28 2000-02-08 3-alkoxypropionic ester derivative, olefin polymerization catalyst, and process for preparation of polyolefin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29322694A JP3340266B2 (ja) 1994-11-28 1994-11-28 プロピレン重合用触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08151407A JPH08151407A (ja) 1996-06-11
JP3340266B2 true JP3340266B2 (ja) 2002-11-05

Family

ID=17792064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29322694A Expired - Fee Related JP3340266B2 (ja) 1994-09-28 1994-11-28 プロピレン重合用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3340266B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116023546A (zh) * 2021-10-27 2023-04-28 中国石油化工股份有限公司 一种烯烃聚合催化剂组分及其制备方法和烯烃聚合催化剂及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08151407A (ja) 1996-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0717053B1 (en) Catalyst for olefin polymerization and process for producing polyolefin using the same
JP2879391B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造法
US20050131172A1 (en) Propylene polymers
US5693729A (en) Catalyst for polymerization of olefin and process for the preparation of olefin polymer
JP3354729B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法
JP3284319B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造法
JP3361579B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造法
JP3340266B2 (ja) プロピレン重合用触媒
JP3133780B2 (ja) オレフィン重合体製造用触媒
JP3426664B2 (ja) オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィンの重合方法
CA2207467C (en) Catalyst for olefin polymerization and method for preparing polyolefins
JPH059209A (ja) オレフイン重合用触媒
JP3748968B2 (ja) オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法
JP2727105B2 (ja) オレフインの重合方法
JP3010309B2 (ja) オレフィン重合用触媒
JP3408596B2 (ja) オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィンの重合方法
JP2964425B2 (ja) オレフィン重合用触媒
JP2652217B2 (ja) オレフィンの重合法
JPH1112315A (ja) オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法
JP2001163914A (ja) オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法
JP3279349B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH06271612A (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法
JPH05117318A (ja) オレフイン重合触媒およびオレフイン重合体の製造法
JPH10298224A (ja) チタン錯化合物、チタン錯化合物を用いたオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法
JPH08188613A (ja) 重合用改良固体触媒成分およびエチレン系重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees