JP3354729B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低分子量成分の含量が
極めて少ないポリオレフィンの製造方法及び触媒に関す
るものである。低分子量成分の中でも特に、重合体の剛
性低下の原因となる沸騰アセトン可溶成分の含量が、極
めて少ないポリオレフィンの製造方法及び触媒に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】担持型チーグラー触媒の助触媒成分とし
て有機ケイ素化合物を用いると、生成ポリマーの立体規
則性が向上することが知られている。立体規則性が高い
ポリオレフィンは、剛性の高い材料となり得るため、大
変有用である。それ故、これまでに多数の有機ケイ素化
合物が高立体特異性を発現する助触媒成分として提案さ
れている。しかしながら、提案されている有機ケイ素化
合物の中には、合成にコストがかかるもの、人体に有害
な物質を生成するようなもの、重合体の収量が低いもの
等があり、実用的でかつ良好な性能を示すものは極めて
少ない。
【0003】実用的かつ良好な性能を示す助触媒成分と
して上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が提
案されている(特開平5-287019)。しかしながら、ごく
少量含まれる低分子量成分が、得られた重合体の剛性を
低下させているとされており、近年の高剛性材料へのニ
ーズに応えるには、さらに低分子量成分の少ないオレフ
ィン重合体が要求されていた。低分子量成分の中でも、
沸騰アセトンに可溶な成分が重合体の剛性を特に低下さ
せるとされている。このような低分子量成分の除去方法
として、有機溶剤によって洗浄する方法が良く知られて
いる。しかしながら、洗浄工程はコストがかかるため、
それを必要としない低分子量成分の除去方法の開発が望
まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、担持
型チーグラー触媒を用いたポリオレフィンの製造方法に
おいて、重合体の洗浄工程を経ることなく、低分子量成
分の含量が極めて少ない重合体を製造する方法を提供す
ることである。具体的には、沸騰アセトン可溶成分の含
量が極めて少ないポリオレフィンを重合工程に於いて製
造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するべく担持型チーグラー触媒に用いる助触
媒、特に重合時に添加する電子供与体(外部ドナー)に
ついて鋭意検討を行った結果、触媒の存在下にオレフィ
ン類を重合させてオレフィン重合体を製造する方法にお
いて、用いる触媒が、 成分(A) チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成
分として含有する固体触媒成分 成分(B) 有機アルミニウム化合物 成分(C) 一般式(1)で表される有機ケイ素化合
物、及び
【化3】 (ここで、R1 は炭素数が1〜4の炭化水素基、R 2
3 及びR4 は炭素数が1〜6の炭化水素基である。R
2 、R3 及びR4 は同一でも相異なっていてもよい。) 成分(D) 一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
【化4】 (ここで、R5 は炭素数が1〜4の炭化水素基、R6
炭素数が2〜6の炭化水素基であり、R7 及びR8 は炭
素数が1〜6の炭化水素基あるいは水素原子であり、R
6 、R7 及びR8 は同一でも相異なっていてもよい。)
からなるオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重
合した結果、前記のごとき課題を解決して、沸騰アセト
ン可溶成分の含量が極めて少ない重合体が得られること
を見いだし本発明に到達した。
【0006】本発明の効果は助触媒、特に外部ドナーと
して特定の構造を有する複数種の有機ケイ素化合物を使
用することによってはじめて得られるものである。その
原因は、種々の現象から、少量添加した成分(D)(一
般式(2)で表される有機ケイ素化合物)が、低分子量
成分を生成するであろう活性点を被毒するため、ないし
は該活性点を高分子量成分を生成する活性点へ変換する
ためと予想されるが、その詳細な理由については不明で
ある。
【0007】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
において使用されるマグネシウム化合物としては、塩化
マグネシウム、臭化マグネシウムのようなハロゲン化マ
グネシウム;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマ
グネシウムの様なアルコキシマグネシウム;ラウリル酸
マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムの様なマグネ
シウムのカルボン酸塩;ブチルエチルマグネシウムの様
なアルキルマグネシウム等を例示することができる。ま
た、これらの化合物の2種類以上の混合物であってもよ
い。好ましくは、ハロゲン化マグネシウムを使用するも
の、もしくは触媒形成時にハロゲン化マグネシウムを形
成するものである。さらに好ましくは、上記のハロゲン
が塩素であるものである。
【0008】本発明に於て使用されるチタン化合物とし
ては、四塩化チタン、三塩化チタン等のハロゲン化チタ
ン;チタンブトキシド、チタンエトキシド等のチタンア
ルコキシド;フェノキシチタンクロライドなどのアルコ
キシチタンハライド等を例示することが出来る。また、
これらの化合物の2種以上の混合物であってもよい。本
発明において使用されるハロゲン含有化合物は、ハロゲ
ンが沸素、塩素、臭素、またはヨウ素、好ましくは塩素
であり、実際に例示される具体的化合物は四塩化チタ
ン、四臭化チタンなどのハロゲン化チタン、四塩化ケイ
素、四臭化ケイ素などのハロゲン化ケイ素、三塩化リ
ン、五塩化リンなどのハロゲン化リンなどが代表的な例
であるが、調製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロ
ゲン分子、ハロゲン化水素酸(例、HCl,HBr,HI等)を用
いても良い。これらはチタン化合物やマグネシウム化合
物と共通であっても良い。
【0009】本発明に用いる固体触媒成分(A)を調製
するにあたり、各種電子供与体(内部ドナー)を添加し
ても良く、また好ましくもある。電子供与体としては、
含酸素化合物および含窒素化合物等が挙げられる。より
具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オク
タノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、2
−エチル−ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、
クミルアルコール、ジフェニルメタノール、トリフェニ
ルメタノールなどの炭素数1ないし20のアルコール
類、(ロ)フェノール、クレゾール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフ
ェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭
素数6ないし25のフェノール類、
【0010】(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサ
ノンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、トルアルデヒ
ド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15のアル
デヒド類、
【0011】(ホ)ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シ
クロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソル
ブ、プロピオン酸エチル、n−酪酸メチル、イソ酪酸メ
チル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸イソプロピル、吉草酸
エチル、吉草酸ブチル、ステアリン酸エチル、クロロ酢
酸メチル、ジクロロ酢酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサ
ンカルボン酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酪
酸メチル、フェニル酪酸プロピル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トル
イル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、
エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジネ
オペンチル、マロン酸ジエチル、イソプロピルイソペン
チルマロン酸ジエチル、ジイソブチルマロン酸ジエチ
ル、γ−ブチロラクトン、γ−パレロラクトン、クマリ
ン、フタリド、炭酸ジエチル、オルトぎ酸メチル、オル
トぎ酸エチル、などの炭素数2ないし20の有機酸エス
テル類、
【0012】(へ)メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸
エチル、メトキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸フェニル、
エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢
酸ブチル、エトキシ酢酸フェニル、n-プロポキシ酢酸エ
チル、i-プロポキシ酢酸エチル、n-ブトキシ酢酸メチ
ル、i-ブトキシ酢酸エチル、n-ヘキシルオキシ酢酸エチ
ル、sec-ヘキシルオキシ酢酸オクチル、2−メチルシク
ロヘキシルオキシ酢酸メチル,3−メトキシプロピオン
酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メト
キシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エ
チル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシ
プロピオン酸n-オクチル、3−エトキシプロピオン酸ド
デシル、3−エトキシプロピオン酸ペンタメチルフェニ
ル、3−(i−プロポキシ)プロピオン酸エチル、3−
(i−プロポキシ)プロピオン酸ブチル、3−(n−プ
ロポキシ)プロピオン酸アリル、3−(n−ブトキシ)
プロピオン酸シクロヘキシル、3−ネオペンチルオキシ
プロピオン酸エチル、3−(n−オクチルオキシ)プロ
ピオン酸ブチル、3−(2,6−ジメチルデシルオキ
シ)プロピオン酸オクチル、4−エトキシ酢酸エチル、
4−エトキシ酪酸シクロヘキシル、5−(n−プロポキ
シ)吉草酸オクチル、12−エトキシラウリン酸エチ
ル、3−(1−インデノキシ)プロピオン酸エチル、3
−メトキシアクリル酸メチル、2−エトキシアクリル酸
メチル、3−フェノキシアクリル酸エチル、2−メトキ
シプロピオン酸エチル、2−(i−プロポキシ)酪酸n
−ブチル、2−エトキシイソ酪酸メチル、2−シクロヘ
キシルオキシイソ吉草酸フェニル、2−エトキシ−2−
フェニル酢酸ブチル、3−ネオペンチルオキシ酪酸アリ
ル、3−エトキシ−3−(o−メチルフェニル)プロピ
オン酸メチル、3−エトキシ−2−(o−メチルフェニ
ル)プロピオン酸エチル、4−エトキシ−2−メチル−
1−ナフチルノナン酸エチル、2−メトキシシクロペン
タンカルボン酸エチルエステル、2−エトキシシクロヘ
キサンカルボン酸ブチルエステル、3−(エトキシメチ
ル)テトラリン−2−酢酸イソプロピルエステル、8−
ブトキシ−デカリン−1−カルボン酸エチルエステル、
3−エトキシノルボルナン−2−カルボン酸メチルエス
テル、2−(フェノキシ)酢酸メチル、3−(p−クレ
ゾキシ)プロピオン酸エチル、4−(2−ナフトキシ)
酪酸メチル、5−カルバロキシ吉草酸ブチル、2−フェ
ノキシプロピオン酸メチル、3−(4−メチルフェノキ
シ)−2−フェニルプロピオン酸エチル、2−フェノキ
シシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル、チオフェ
ン−3−オキシ酢酸エチル、2−(2−ピコリノキシメ
チル)−シクロヘキサンカルボン酸エチル、3−フルフ
リルオキシプロピオン酸エチル等のアルコキシエステル
類、
【0013】(ト)アセチル酢酸メチル、アセチル酢酸
エチル、アセチル酢酸ブチル、プロピオニル酢酸メチ
ル、アセチル酢酸フェニル、プロピオニル酢酸エチル、
プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸フェニル、
プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸エチル、i−ブ
タノイル酢酸エチル、ペンタノイル酢酸エチル、3−ア
セチルプロピオン酸メチル、3−アセチルプロピオン酸
エチル、3−アセチルプロピオン酸ブチル、3−プロピ
オニルプロピオン酸エチル、3−プロピオニルプロピオ
ン酸ブチル、3−プロピオニルプロピオン酸n−オクチ
ル、3−プロピオニルプロピオン酸ドデシル、3−プロ
ピオニルプロピオン酸ペンタメチルフェニル、3ー(i
−プロピオニル)プロピオン酸エチル、3−(i−プロ
ピオニル)プロピオン酸ブチル、3−(i−プロピオニ
ル)プロピオン酸アリル、3−(i−プロピオニル)プ
ロピオン酸シクロヘキシル、3−ネオペンタノイルプロ
ピオン酸エチル、3−n−ラウリルプロピオン酸ブチ
ル、3−(2,6−ジメチルヘキサノイル)プロピオン
酸メチル、4−プロピオニル酪酸エチル、4−プロピオ
ニル酪酸シクロヘキシル、5ーブチリル吉草酸オクチ
ル、12−ブチリルラウリン酸エチル、3−アセチルア
クリル酸メチル、2−アセチルアクリル酸メチル、3−
ベンゾイルプロピオン酸エチル、3−ベンゾイルプロピ
オン酸メチル、3−メチルベンゾイルプロピオン酸エチ
ル、3−トルイル酪酸ブチル、o−ベンゾイル安息香酸
エチル、m−ベンゾイル安息香酸エチル、p−ベンゾイ
ル安息香酸エチル、o−トルイル安息香酸ブチル、o−
トルイル安息香酸エチル、m−トルイル安息香酸エチ
ル、p−トルイル安息香酸エチル、o−(2,4,6−
トリメチルベンゾイル)安息香酸エチル、m−(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)安息香酸エチル、p−
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)安息香酸エチ
ル、o−エチルベンゾイル安息香酸エチル、o−アセチ
ル安息香酸エチル、o−プロピオニル安息香酸エチル、
o−ラウリル安息香酸エチル、o−シクロヘキサノイル
安息香酸エチル、o−ドデシル安息香酸エチル等のケト
エステル類、
【0014】(チ)ホウ酸メチル、チタン酸ブチル、リ
ン酸ブチル、亜リン酸ジエチル、ジフェニルホスホロク
ロリデイト等の無機酸エステル類、
【0015】(リ)メチルエーテル、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテ
ル、テトラヒドロフランアニソール、ジフェニルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールジフェニルエーテル、2,2−ジメトキシプロ
パン、1,3−ジメトキシプロパン、1,3−ジエトキ
シプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−
1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−
1,3−ジメトキシプロパンなどの炭素数2ないし25
のエーテル類、
【0016】(ヌ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トル
イル酸アミド等の炭素数2ないし20の酸アミド類、
(ル)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイ
ル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イ
ソ塩化フタロイルなどの炭素数2ないし20の酸ハライ
ド類、(ヲ)無水酢酸、無水フタル酸などの炭素数2な
いし20の酸無水物類、(ワ)モノメチルアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピ
ペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、
ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどの炭素数
1ないし20のアミン類、(カ)アセトニトリル、ベン
ゾニトリル、トリニトリルなどの炭素数2ないし20の
ニトリル類、
【0017】(ヨ)エチルチオアルコール、ブチルチオ
アルコール、フェニルチオールなどの炭素数2ないし2
0のチオール類、(タ)ジエチルチオエーテル、ジフェ
ニルチオエーテルなどの炭素数4ないし25のチオエー
テル類、
【0018】(レ)硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの
炭素数2ないし20の硫酸エステル類、(ソ)フェニル
メチルスルホン、ジフェニルスルホンなどの炭素数2な
いし20のスルホン酸類、(ツ)フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、
フェニルジメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルト
リシロキサン、トリメチルシラノール、フェニルジメチ
ルシラノール、トリフェニルシラノール、ジフェニルシ
ランジオール、ケイ酸低級アルキル(特にケイ酸エチ
ル)などの炭素数2ないし24のケイ素含有化合物など
を挙げることができる。これらの電子供与性化合物を2
種以上用いることができる。これらのうちで好ましいも
のは有機酸エステル類、アルコキシエステル類、ケトエ
ステル類等である。
【0019】本発明において用いられる固体触媒成分の
調製法は特に限定されるものではないが、例えば以下の
ような例をあげることができる。ハロゲン化マグネシウ
ム、ハロゲン化チタン、上記電子供与性化合物を共粉砕
により、もしくは溶媒中での分散または溶解により接触
させて触媒成分を得る方法。ハロゲン化マグネシウムと
有機または無機化合物(上記電子供与性化合物を含んで
もよい)との複合体を作り、これにハロゲン化チタンま
たはそれと上記電子供与性化合物の複合体を接触させて
触媒成分を得る方法。ハロゲン化マグネシウムと有機ま
たは無機化合物(上記電子供与性化合物を含んでもよ
い)との複合体を作り、これに上記電子供与性化合物と
チタン化合物を逐次的に接触(順は入れ替わっても可)
させて触媒成分を得る方法。マグネシウム化合物(また
はさらにチタン化合物を含む)に上記電子供与性化合物
を接触させ、同時にもしくはその後段でチタン化合物と
の接触及びまたはハロゲン化処理を行って触媒成分を得
る方法(いずれかの段階でチタン化合物の使用を含んで
いること)。
【0020】上記の触媒成分の製造は、一般に触媒担体
として用いられる物質、例えばシリカやアルミナ上に担
持または含浸させる方法で作られても良い。
【0021】成分(A)に於ける各成分の量的関係は、
本発明の効果が認められる限り任意のものであるが、一
般的には次の範囲が好ましい。成分(A)に於けるマグ
ネシウムの含量は、チタンに対するモル比で0.1〜1
000の範囲内、好ましくは2〜200の範囲内でよ
く、ハロゲンの含量はチタンに対するモル比で1〜10
0の範囲内でよく、電子供与性化合物を使用する場合に
その含量はチタンに対するモル比で10以下の範囲内、
好ましくは0.1〜5の範囲内でよい。
【0022】本発明に於て用いられる固体触媒成分の平
均粒径は本発明の効果が認められる限り任意のものであ
るが、一般的には0.1〜200ミクロンの範囲内、好
ましくは1〜100ミクロン、より好ましくは10〜1
00ミクロンである。
【0023】本発明における有機アルミニウム化合物
は、代表的なものの一般式として下式(3)式ないし
(5)式で表される。 AlR91011 ‥‥‥(3) R1213Al−O−AlR1415 ‥‥‥(4)
【化5】 (3)式、(4)式及び(5)式において、R9 、R10
およびR11は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも
12個の炭化水素基であり、R12、R13、R14、および
15は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも12個
の炭化水素基である。またR16は、炭素数が多くとも1
2個の炭化水素基であり、nは1以上の整数である。
【0024】(3)式で示される有機アルミニウム化合
物のうち代表的なものとしては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウ
ム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
ム及びトリオクチルアルミニウムのごときトリアルキル
アルミニウム、さらにジエチルアルミニウムハイドライ
ドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライドのごと
きアルキルアルミニウムハイドライドならびにジエチル
アルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマ
イドおよびエチルアルミニウムセスキクロライドおよび
エチルアルミニウムセスキクロライドなどのアルキルア
ルミニムハライドがあげられる。
【0025】また、(4)式で示される有機アルミニウ
ム化合物のうち、代表的なものとしては、テトラエチル
ジアルモキサンおよびテトラブチルジアルモキサンのご
ときアルキルジアルモキサン類があげられる。
【0026】また、(5)式は、アルミノオキサンを表
し、アルミニウム化合物の重合体である。R9 はメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジルなどを含む
が、好ましくはメチル、エチル基である。nは、1〜1
0が好ましい。これらの有機アルミニウム化合物のう
ち、トリアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウム
ハイドライドおよびアルキルアルモキサン類が特に好ま
しい結果をあたえるため好適である。
【0027】オレフィンの重合において、重合系内にお
ける有機アルミニウム使用量は、一般に10-4ミリモル
/l以上であり、10-2ミリモル/l以上が好適であ
る。また、固体触媒成分中のチタン原子に対する使用割
合は、モル比で一般には0. 5以上であり、好ましくは
2以上、とりわけ10以上が好適である。なお、有機ア
ルミニウムの使用量が小さ過ぎる場合には、重合活性の
大幅な低下を招く。なお、重合系内に於ける有機アルミ
ニウムの使用量が20ミリモル/l以上で且つチタン原
子に対する割合が、モル比で1000以上の場合、更に
これらの値を高くしても触媒性能が更に向上することは
見られない。
【0028】本発明に用いられる触媒の成分(C)は、
一般式(1)で表される構造を有する有機ケイ素化合物
である。
【化6】 (ここで、R1 は炭素数が1〜4の炭化水素基、R 2
3 及びR4 は炭素数が1〜6の炭化水素基である。R
2 、R3 及びR4 は同一でも相異なっていてもよい。)
【0029】このような化合物の具体例は下記に示され
るものである。−ブチルトリメトキシシラン、t−ブ
チルトリエトキシシラン、t−ブチルトリプロポキシシ
ラン、t−ブチルトリイソプロポキシシラン、テキシル
トリメトキシシラン(2,3−ジメチル−2−トリメト
キシシリルブタン)、テキシルトリエトキシシラン、テ
キシルトリプロポキシシラン、テキシルトリイソプロポ
キシシラン、2,3−ジメチル−2−トリメトキシシリ
ルペンタン、2,3−ジメチル−2−トリエトキシシリ
ルペンタン、2,3−ジメチル−2−トリプロポキシシ
リルペンタン、2,3−ジメチル−2−トリイソプロポ
キシシリルペンタン、2−メチル−3−エチル−2−ト
リメトキシシリルペンタン、2−メチル−3−エチル−
2−トリエトキシシリルペンタン、2−メチル−3−エ
チル−2−トリプロポキシシリルペンタン、2−メチル
−3−エチル−2−トリイソプロポキシシリルペンタ
ン、2,3,4−トリメチル−2−トリメトキシシリル
ペンタン、2,3,4−トリメチル−2−トリエトキシ
シリルペンタン、2,3,4−トリメチル−2−トリプ
ロポキシシリルペンタン、2,3,4−トリメチル−2
−トリイソプロポキシシリルペンタン、2,3−ジメチ
ル−2−トリメトキシシリルヘキサン、2,3−ジメチ
ル−2−トリエトキシシリルヘキサン、2,3−ジメチ
ル−2−トリプロポキシシリルヘキサン、2,3−ジメ
チル−2−トリイソプロポキシシリルヘキサン、2,4
−ジメチル−3−エチル−2−トリメトキシシリルペン
タン、2,4−ジメチル−3−エチル−2−トリエトキ
シシリルペンタン、2,4−ジメチル−3−エチル−2
−トリプロポキシシリルペンタン、2,4−ジメチル−
3−エチル−2−トリイソプロポキシシリルペンタン、
2,4−ジメチル−3−イソプロピル−2−トリメトキ
シシリルペンタン、2,4−ジメチル−3−イソプロピ
ル−2−トリエトキシシリルペンタン、2,4−ジメチ
ル−3−イソプロピル−2−トリプロポキシシリルペン
タン、2,4−ジメチル−3−イソプロピル−2−トリ
イソプロポキシシリルペンタン等が挙げられる。この中
で、特に好ましくはテキシルトリメトキシシランであ
る。成分(C)の使用量は、モル比で成分(C)/成分
(B)=0.001〜5が好ましく、より好ましくは
0.01〜1である。
【0030】本発明に用いられる触媒の成分(D)は、
一般式(2)で表される構造を有する有機ケイ素化合物
である。
【化7】 (ここで、R5 は炭素数が1〜4の炭化水素基、R6
炭素数が2〜6の炭化水素基であり、R7 及びR8 は炭
素数が1〜6の炭化水素基あるいは水素原子であり、R
6 、R7 及びR8 は同一でも相異なっていてもよい。)
【0031】このような化合物の具体例は下記に示され
るものである。−ブチルトリメトキシシラン、n−ブ
チルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシ
ラン、n−ブチルトリイソプロポキシシラン、2,3−
ジメチルブチル−トリメトキシシラン、2,3−ジメチ
ルブチル−トリエトキシシラン、2,3−ジメチルブチ
ル−トリプロポキシシラン、2,3−ジメチルブチル−
トリイソプロポキシシラン、2,3−ジメチルペンチル
−トリメトキシシラン、2,3−ジメチルペンチル−ト
リエトキシシラン、2,3−ジメチルペンチル−トリプ
ロポキシシラン、2,3−ジメチルペンチル−トリイソ
プロポキシシラン、2−メチル−3−エチルペンチル−
トリメトキシシラン、2−メチル−3−エチルペンチル
−トリエトキシシラン、2−メチル−3−エチルペンチ
ル−トリプロポキシシラン、2−メチル−3−エチルペ
ンチル−トリイソプロポキシシラン、2,3,4−トリ
メチルペンチル−トリメトキシシラン、2,3,4−ト
リメチルペンチル−トリエトキシシラン、2,3,4−
トリメチルペンチル−トリプロポキシシラン、2,3,
4−トリメチルペンチル−トリイソプロポキシシラン、
2,3−ジメチルヘキシル−トリメトキシシラン、2,
3−ジメチルヘキシル−トリエトキシシラン、2,3−
ジメチルヘキシル−トリプロポキシシラン、2,3−ジ
メチルヘキシル−トリイソプロポキシシラン、2,4−
ジメチル−3−エチルペンチル−トリメトキシシラン、
2,4−ジメチル−3−エチルペンチル−トリエトキシ
シラン、2,4−ジメチル−3−エチルペンチル−トリ
プロポキシシラン、2,4−ジメチル−3−エチルペン
チル−トリイソプロポキシシラン、2,4−ジメチル−
3−イソプロピルペンチル−トリメトキシシラン、2,
4−ジメチル−3−イソプロピルペンチル−トリエトキ
シシラン、2,4−ジメチル−3−イソプロピルペンチ
ル−トリプロポキシシラン、2,4−ジメチル−3−イ
ソプロピルペンチル−トリイソプロポキシシラン等が挙
げられる。
【0032】成分(D)は、成分(C)の構造異性体の
中から選ばれる1つであることが好ましい。従って、成
分(D)の選択は、成分(C)との組み合わせで考える
ことが好ましい。特に好ましい組み合わせは、成分
(C)としてテキシルトリメトキシシランを用い、成分
(D)として2,3−ジメチルブチル−トリメトキシシ
ラン(2,3−ジメチル−1−トリメトキシシリル−ブ
タン)を用いた組み合わせである。成分(D)の使用量
は、モル比で成分(D)/成分(C)=0.001〜
0.1、好ましくは、0.01〜0.05である。
【0033】重合に使用されるオレフィンとしては、一
般には炭素数が多くとも12個のオレフィンであり、そ
の代表例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1などがあげられるが、これらの混合物、及びエチレ
ンとそれらの混合物のような3個以上の炭素原子を含有
するα−オレフィンの立体特異性重合に有利である。さ
らに好ましくは、プロピレンまたは最高約20モル%の
エチレンまたは高級α−オレフィンとプロピレンとの混
合物の立体特異性重合に特に有効であるが、プロピレン
単独重合が最も好適である。
【0034】重合を実施するに当たり、本発明の固体触
媒成分、有機アルミニウム化合物あるいはこれらと有機
ケイ素化合物は重合容器に個別に導入してもよいが、そ
れらのうちの二種類または全部を事前に混合してもよ
く、典型的には窒素で置換した滴下ロートに、後述する
不活性溶媒、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素
化合物を加え混合し一定時間以上(約1分以上)経過
後、この混合物を固体触媒成分と接触させ、さらに一定
時間以上(約1分以上)反応させた後、重合反応容器内
へ添加することが好ましい。なお、この際使用する不活
性溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n−
オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン及びメチルシ
クロヘキサンのようなアルカン及びシクロアルカン;ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン、エチルトルエン、n−プロピルベンゼン、ジエチ
ルベンゼンおよびモノ又はジアルキルナフタレンのよう
なアルキル芳香族炭化水素;クロロベンゼン、クロロナ
フタレン、オルトジクロロベンゼン、テトラヒドロナフ
タレン、デカヒドロナフタレンのようなハロゲン化及び
水素化芳香族炭化水素;高分子量液状パラフィンまたは
それらの混合物を用いることが出来る。
【0035】本発明によるオレフィンの重合は、大気圧
または大気圧以上のモノマー圧力で行われる。気相重合
ではモノマー圧力は重合させるオレフィンの重合温度に
於ける蒸気圧を下回ってはならないけれども、一般には
モノマー圧力は約20ないし600PSIの範囲にあ
る。重合は、不活性溶媒中、液体モノマー(オレフィ
ン)中あるいは気相のいずれでも行うことができる。ま
た、重合を、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法
に於いても行うことができる。さらに、重合を、反応条
件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。実用可
能の溶融流れを有する重合体を得るために、分子量調節
剤(一般には、水素)を共存させてもよい。重合時間
は、回分法の場合には、一般に30分ないし数時間であ
り、連続法の場合には相当する平均滞留時間である。オ
ートクレーブ型反応では約1時間ないし6時間にわたる
重合時間が典型的である。
【0036】スラリー法では、重合時間は30分ないし
数時間にわたる重合時間が好ましい。スラリー重合で用
いるのに適当な希釈溶媒には、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン
及びメチルシクロヘキサンのようなアルカン及びシクロ
アルカン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソ
プロピルベンゼン、エチルトルエン、n−プロピルベン
ゼン、ジエチルベンゼンおよびモノ又はジアルキルナフ
タレンのようなアルキル芳香族炭化水素;クロロベンゼ
ン、クロロナフタレン、オルトジクロロベンゼン、テト
ラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンのようなハ
ロゲン化及び水素化芳香族炭化水素;高分子量液状パラ
フィンまたはそれらの混合物、及び他の周知の希釈溶媒
がある。
【0037】本発明が有用である気相重合法は、撹拌槽
反応器、流動層反応器システム等を用いることが出来
る。典型的な気相オレフィン重合反応器システムは、オ
レフィンモノマー及び触媒成分を加えることができ、撹
拌装置を備えた反応容器よりなり、触媒成分は1つ以上
の弁調節口から一緒にまたは別々に反応容器に加えられ
る。オレフィンモノマーは、典型的には、排ガスとして
除かれる未反応モノマー及びフレシュな供給モノマーが
混合されて反応容器に圧入されるリサイクルガスシステ
ムを通じて反応器に供給される方法である。
【0038】一般には必要としないが、重合の完了時ま
たは重合の停止あるいは本発明の不活性化を行う場合に
は、触媒毒として既知である水、アルコール、アセトン
または他の適当な触媒不活性化剤と接触することにより
可能である。重合温度は、一般には−10℃ないし18
0℃であるが、良好な触媒性能および高生産速度を得る
見地から20℃ないし100℃が好適であり、より好適
には、50℃ないし80℃の範囲である。
【0039】予重合 予備重合は必ずしも必要とはしないが、予備重合を行う
ことは好ましくもあり、通常前記固体触媒成分(A)を
前記有機アルミニウム化合物成分(B)のすくなくとも
一部と組み合わせて用いる。この時、有機ケイ素化合物
あるいはアセタール化合物を共存させておくことができ
る。このような有機ケイ素化合物は前記触媒成分(C)
または(D)として用いられた化合物に限定されるもの
ではない。予備重合における固体触媒成分(A)の濃度
は後述する不活性炭化水素溶媒1リットル当り、チタン
原子換算で、通常0.01ないし200ミリモルの範囲
とすることが望ましい。有機アルミニウム化合物成分
(B)の量は、固体チタン触媒成分(A)1g当り0.
1ないし500gの重合体が生成するような量であれば
よく、好ましくは0.1ないし300gの重合体が生成
するような量である。予備重合は、不活性炭化水素溶媒
にオレフィンおよび上記の触媒成分を加え、温和な条件
下に行うことが好ましい。この際用いられる不活性炭化
水素溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ケロシンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環
族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物等を挙げる
ことができる。これらの不活性炭化水素溶媒のうちで
は、とくに脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。予
備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使
用されるオレフィンと同一であっても、また異なっても
よい。予備重合の反応温度は、生成する予備重合体が実
質的に不活性炭化水素溶媒中に溶解しないような温度で
あればよく、通常約−10℃ないし100℃、好ましく
は約−10℃ないし80℃である。なお、予備重合にお
いては、水素のような分子量調節剤を用いることもでき
る。予備重合は回分式あるいは連続式で行うことが出来
る。
【0040】そのほか、重合の制御法、後処理方法など
については、本触媒系固有の制限はなく、公知のすべて
の方法を適用することができる。
【0041】
【実施例】ポリマー中の沸騰アセトン可溶成分の含量
(A-sol )の測定は、以下の方法で行った。まず、得ら
れたポリマーをバキュームオーブン内で真空下、60℃
で8時間以上乾燥させた。このサンプルを既知量取り、
これをソックスレー抽出装置内に入れ、沸騰アセトンで
6時間抽出した。続いて、バキュームオーブン内で充分
に乾燥させ、抽出後のポリマー重量を測定した。A-sol
(wt%)は、次の式より算出した。
【数1】 重合活性の値は、次の式より算出した。
【数2】 なお、実施例および比較例において、荷重が2.16k
gにおけるメルトフローレート(すなわち、MFR)は
JIS K−6758−1968にしたがって測定し
た。曲げ初期弾性率(FM)はASTM−D−790−
66に準じて行った。各実施例において、固体触媒成分
の製造および重合に使用した各化合物(有機溶媒、オレ
フィン、水素、チタン化合物、マグネシウム化合物、ケ
イ素化合物など)はすべて実質的に水分を除去したもの
である。また、固体触媒成分の製造および重合について
は、実質的に水分が存在せず、かつ窒素の雰囲気下で行
った。重合時に用いる有機アルミニウム化合物及び有機
ケイ素化合物はそれぞれ1.0M/l及び0.1M/l
ヘキサン溶液として使用した。
【0042】実施例1 [固体Ti触媒成分(A)の調整]無水塩化マグネシウ
ム1.71g、デカン9mlおよび2−エチルヘキシル
アルコール8.4mlを130℃で3時間加熱反応を行
い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸0.3
9gを添加し、130℃にて更に2時間撹拌混合を行
い、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させる。この様に
して得られた均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に
保持された四塩化チタン72ml中に1時間にわたって
全量滴下装入する。装入終了後、この混合液の温度を4
時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところ
でジイソブチルフタレート0.95gを添加し、これよ
り2時間同温度にて撹拌下保持する。2時間の反応終了
後熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を72mlT
iCl4 にて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、
加熱反応を行う。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を
採取し、デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタ
ン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄後減圧下で乾
燥した。 [重合]1.5リットルのステンレス製オートクレーブ
に、以上の方法で製造された固体成分を5.8mg、テ
キシルトリメトキシシラン5.4mg(0.1M/lの
ヘキサン溶液0.8ml)と2,3−ジメチルブチル−
トリメトキシシラン0.11mg(2.0mM/lのヘ
キサン溶液0.8ml)、トリエチルアルミニウム91
mg(1M/lのヘキサン溶液0.8ml)をいれて、
次いで340gのプロピレン及び0.03gの水素を入
れた。オートクレーブを昇温し、内温を80℃に保っ
た。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結した。結
果を表1に示した。
【0043】比較例1および2、実施例2〜4 用いた触媒成分(C)、触媒成分(D)の種類を表1に
示す様に変えた以外は実施例1と同様に固体触媒成分の
調製及び重合を行った。結果を表1に示す。
【0044】実施例5 [固体Ti触媒成分(A)の調製]窒素気流下、充分乾
燥した300mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネ
シウム5g 、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸
エチル1. 22g及び塩化メチレン25mlを加えた。
還流下1時間撹拌し、次にこの懸濁液を室温の200m
l TiCl4 中へ圧送した。徐々に110℃まで昇温
して2時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、析出
固体を濾別し、110℃のn-デカン200mlで3回洗
浄した。新たにTiCl4 200mlを加え、120℃
で2時間反応させた。反応終了後、析出固体を濾別し、
n−デカン200mlで3回洗浄し、室温下、n−ヘキ
サンで塩素イオンが検出されなくなるまでヘキサンで洗
浄した。 [重合]1.5リットルのステンレス製オートクレーブ
に、以上の方法で製造された固体成分を2.3mg、テ
キシルトリメトキシシラン5.4mg(0.1M/lの
ヘキサン溶液0.8ml)と2,3−ジメチルブチル−
トリメトキシシラン0.11mg(2.0mM/lのヘ
キサン溶液0.8ml)、トリエチルアルミニウム91
mg(1M/lのヘキサン溶液0.8ml)をいれて、
次いで340gのプロピレン及び0.03gの水素を入
れた。オートクレーブを昇温し、内温を80℃に保っ
た。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結した。結
果を表1に示した。
【0045】比較例3 触媒成分(D)を用いなかったこと以外は実施例5と同
様に固体触媒成分の調製及び重合を行った。結果を表1
に示す。
【0046】実施例6 [固体Ti触媒成分(A)の調製]金属マグネシウム1
2.8g 、オルト蟻酸エチル88ml(0.53mo
l)及び反応開始剤として1,2−ジブロモエタン0.
5mlを加えて懸濁液を55℃に保ち、更にヘキサン1
00mlにn−ブチルクロリド80ml(0.80mo
l)を溶解した溶液を5ml加えて50分間撹拌し、残
りを80分かけて滴下した。撹拌下70℃で4時間反応
を行ない固体状生成物を得た。50℃でヘキサンにより
6回洗浄した。該固体生成物6.3g及びデカン50m
lを反応器に入れ室温で2,2,2−トリクロロエタノ
ール2.0mlとデカン11mlの混合溶液を30分で
滴下し、終了後80℃で1時間撹拌した。固体物を漉別
後ヘキサン100mlで4回洗浄しさらにトルエン10
0mlで2回洗浄した。該固体物にトルエン40ml、
四塩化チタン60mlを加え90℃に昇温し、イソプロ
ピルイソペンチルマロン酸ジエチル2.04g(0.0
075mol)とトルエン5mlの溶液を5分間で滴下
した後、120℃で2時間撹拌した。その後、固体物を
90℃で漉別しトルエンで2回90℃で洗浄した。さら
に該固体物にトルエン40ml、四塩化チタン60ml
を加え120℃で2時間撹拌し得られた固体物を110
℃で漉別し室温下ヘキサン100mlで7回洗浄して固
体状チタン触媒成分を得た。 [重合]1.5リットルのステンレス製オートクレーブ
に、以上の方法で製造された固体成分を4.0mg、テ
キシルトリメトキシシラン5.4mg(0.1M/lの
ヘキサン溶液0.8ml)と2,3−ジメチルブチル−
トリメトキシシラン0.11mg(2.0mM/lのヘ
キサン溶液0.8ml)、トリエチルアルミニウム91
mg(1M/lのヘキサン溶液0.8ml)をいれて、
次いで340gのプロピレン及び0.03gの水素を入
れた。オートクレーブを昇温し、内温を80℃に保っ
た。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結した。結
果を表1に示した。
【0047】比較例4 触媒成分(D)を用いなかったこと以外は実施例6と同
様に固体触媒成分の調製及び重合を行った。結果を表1
に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の方法により、低分子量成分が極
めて少ないポリオレフィンが容易に得られるようにな
り、その結果、剛性の優れたオレフィン重合体を経済的
に製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−248009(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 CA(STN) EUROPAT(QUESTEL) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下に、オレフィン類を重合さ
    せて、オレフィン重合体を製造する方法において用いる
    触媒が、 成分(A) チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成
    分として含有する固体触媒成分 成分(B) 有機アルミニウム化合物 成分(C) 一般式(1)で表される有機ケイ素化合
    物、及び 【化1】 (ここで、R1 は炭素数が1〜4の炭化水素基、R 2
    3 及びR4 は炭素数が1〜6の炭化水素基である。R
    2 、R3 及びR4 は同一でも相異なっていてもよい。) 成分(D) 一般式(2)で表される有機ケイ素化合物 【化2】 (ここで、R5 は炭素数が1〜4の炭化水素基、R6
    炭素数が2〜6の炭化水素基であり、R7 及びR8 は炭
    素数が1〜6の炭化水素基あるいは水素原子であり、R
    6 、R7 及びR8 は同一でも相異なっていてもよい。)
    からなるオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】 成分(C)として使用され、一般式
    (1)で表される有機ケイ素化合物のR1 が炭素数1〜
    4の炭化水素基、かつR2 、R3 及びR4 が炭素数1〜
    3のアルキル基であることを特徴とする請求項1記載の
    オレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】 成分(D)として使用され、一般式
    (2)で表される有機ケイ素化合物のR5 が炭素数1〜
    4の炭化水素基、かつR6 が炭素数2または3のアルキ
    ル基であり、R7 及びR8 が炭素数1〜3のアルキル基
    もしくは水素原子であることを特徴とする請求項1また
    は2記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 成分(D)として使用される有機ケイ素
    化合物が、成分(C)として使用される有機ケイ素化合
    物の構造異性体の中から選ばれる1つであることを特徴
    とする請求項13のいずれかに記載のオレフィン重合
    用触媒。
  5. 【請求項5】 成分(C)がテキシルトリアルコキシシ
    ランであることを特徴とする請求項14のいずれかに
    記載のオレフィン重合用触媒。
  6. 【請求項6】 成分(D)が2,3−ジメチルブチルト
    リアルコキシシランであることを特徴とする請求項1
    5のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
  7. 【請求項7】 成分(C)がテキシルトリメトキシシラ
    ンであることを特徴とする請求項16のいずれかに記
    載のオレフィン重合用触媒。
  8. 【請求項8】 成分(D)が2,3−ジメチルブチルト
    リメトキシシランであることを特徴とする請求項1
    のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
  9. 【請求項9】 成分(C)と成分(D)とのモル比(成
    分(D)/成分(C))が、0.0001〜0.1の値であるこ
    とを特徴とする請求項18のいずれかに記載のオレフ
    ィン重合用触媒。
  10. 【請求項10】 触媒の存在下に、プロピレンを重合さ
    せて、プロピレン重合体を製造する方法において、請求
    項19のいずれかに記載の触媒を用いることを特徴と
    するプロピレン重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 プロピレン重合体の沸騰アセトン可溶
    成分が、0.05wt% 以下であることを特徴とする請求項1
    0記載のプロピレン重合体の製造方法。
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