JP2725811B2 - ソルブルコーヒーの製造方法 - Google Patents

ソルブルコーヒーの製造方法

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JP2725811B2 JP63320337A JP32033788A JP2725811B2 JP 2725811 B2 JP2725811 B2 JP 2725811B2 JP 63320337 A JP63320337 A JP 63320337A JP 32033788 A JP32033788 A JP 32033788A JP 2725811 B2 JP2725811 B2 JP 2725811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コーヒーの製造工程ででてくるコーヒーの
芳香物質に富んだ濃厚な水性コーヒーを噴霧乾燥するこ
とによって、かおりの良いソルブルコーヒーを製造する
方法に関する。以下の説明において、「%」は、特に断
らない限り、「重量%」を意味する。
(先行技術および発明が解決しようとする課題) ハステ(Huate)らの米国特許第3,245,182号には、噴
霧乾燥中の揮発性物質の保持率を高めかつ水性コーヒー
抽出物の固形物濃度を高める方法が開示されている。し
かし、この方法を用いるよりも、抽出物中の可溶性物質
の収量は高いが固形物濃度は低くなるような高いドロー
オフ値を適用したコーヒーパーコレーターを使用するほ
うがより経済的である。従って、コーヒーパーコレータ
ーを使用して得られる濃度の薄い抽出物をより効果的に
濃縮する方法を開発することが望まれている。また、濃
縮を行うと一般に失われてしまうコーヒーの揮発性芳香
物質を捕獲して保持する方法を開発することも望まれて
いる。
本発明は、ハウエス(Hawes)らの米国特許第4,474,8
20号に開示されている工程の代わりに使用してもよいも
のである。該特許に記載されている工程は、冷却したコ
ーヒー抽出物を使用して吸着カラム内で揮発性の高い芳
香物質を抽出し、その後濃縮物とあわせて噴霧乾燥する
ものである。
リウ(Liu)の1983年4月5日付米国特許第4,379,172
号には、低温で蒸気中に放散した芳香物質を集めた後コ
ーヒー抽出物を濃縮する方法が開示されている。
米国特許第3,248,233号には、真空ポンプを用いて芳
香物質を集めることが開示されている。本発明は、吸収
カラムを使用して揮発性コーヒー風味および芳香物質を
捕獲し保持することに関する。具体的には、構造化パッ
キンを入れて8〜24段階で分離するようにしたスクラバ
ーを用いて、希薄コーヒー抽出物の製造および、濃縮中
にでてくる芳香物質を冷水中に吸収させることによって
これを捕獲し保持するものである。また、スクラバー中
の液体とガスの比は0.1/1〜30/1とすることができる
が、好ましくは8/1〜16/1とする。さらに好ましくは、
水とガスの比を10/1〜14/1とする。製造工程中に吸収カ
ラムを使用することによって所望のコーヒー風味と芳香
物質をさらに回収して、20%未満であった固形物の濃度
を噴霧乾燥前に40%、好ましくは50%以上の濃縮した濃
縮物に加える。これらの風味と揮発性芳香物質は濃縮し
たコーヒー抽出物とあわせて高粘度噴霧乾燥を行うこと
によって乾燥コーヒー固形物中に保持される。回収する
芳香物質はパーコレーターから目盛付きタンクに排出し
た抽出物からでた芳香物質および抽出物を濃縮する直前
に使用するストリッパーから回収した芳香物質である。
揮発性芳香物質には、パーコレーションおよびパーコレ
ーションした抽出物のストリッピングで得られる凝縮し
ない風味と芳香物質を含んでいるのが好ましい。
揮発性の高いコーヒー風味と芳香物質は冷水中に回収
されうるものであるが、吸収条件が適当であれば冷水中
に吸収されることもある。本発明はかかる発見に基づい
て完成されたものである。
吸収カラムを風味成分を選択的に除去するために応用
して、抽出物のストリッピングででてきたコーヒーの芳
香物質のうち約50%、好ましくは75〜90%がその吸収カ
ラムによって回収されるようにする。
また、ストリッパーに供給された抽出物のわずか20
%、好ましくは12%未満を芳香物質として回収すること
によって、濃縮する抽出物にあるフルフラルの回収率を
60%未満に抑えるように蒸留器を操作する。
芳香物質は精製して吸収し、さらに固形物量50%以上
の濃厚な抽出物とあわせて噴霧乾燥する。
また、揮発性芳香物質を十分に有している焙炒し粉砕
したコーヒーを使用すれば、パージしトラップしたとき
のガスクロマトグラフ総検出量が2500μg/g以上、揮発
性芳香物質が1000μg/g以上となる抽出物を目盛付きタ
ンク内に調製するのに有効であることを発見した。ガス
クロマトグラフ総検出量を2500μg/g以上とするひとつ
の方法として、30%、好ましくは40%のアラビカコーヒ
ーを使って、後にコーヒーに元来存在していた芳香物質
をストリッピングによって回収してよく混合することに
なるワインとバターの風味を備えた最初の抽出物をつく
る方法がある。
従来は、気体状態の芳香物質収集装置として、コスト
の高いものを使用していた。例えば、ボーテーターのよ
うなブラインで冷却したフィルムによる蒸気−液体接触
器または液体窒素凝縮器のようなものを使用していた。
しかし、本発明では、比較的低コストの機器を使用す
る。また本発明は、凝縮しない風味と芳香物質を捕獲し
て最終生成物中に保持するのが望ましい場合に幅広く応
用がきくという利点もある。
(課題を解決するための手段) 焙炒し粉砕したコーヒーから得られる濃厚な水性コー
ヒー抽出物を噴霧乾燥してソルブルコーヒーを製造する
方法が見いだされた。この方法によれば、最終生成物た
る乾燥コーヒー中に凝縮しないコーヒーの揮発性芳香物
質を捕獲し保持することができる。具体的には、 (a)バージしてトラップする方法による、コーヒー固
形物1gあたりガスクロマトグラフ総検出量が2500μg以
上(揮発性芳香物質は1000μg)であるコーヒー抽出物
を焙炒し粉砕したコーヒーの新しいカラムから流しだ
し; (b)目盛付きタンクに抽出物を集め; (c)水封を有する真空ポンプを使用して、タンク中に
ある揮発性芳香物質を水封中に濃縮して集め; (d)目盛付きタンクからでた芳香物質を蒸気でストリ
ップして、冷却器を使用して凝縮しうる芳香物質を集
め、一方で工程(c)の真空ポンプ中に凝縮しない芳香
物質の一部を集め; (e)前記ストリップした水性コーヒー抽出物を減圧条
件で蒸留して、固形物量を約40重量%以上、好ましくは
50重量%、より好ましくは55%とし; (f)工程(c)の封水および工程(d)で凝縮しスト
リップした芳香物質を、4〜48の段階まではプレートを
有しL/V比が0.1/1〜1/30である冷水吸収器に導入し; (g)吸収物の一部を工程(c)の真空ポンプの水封中
に戻し; (h)工程(f)の吸収物を工程(e)の濃厚な抽出物
の部分とあわせ;そして (i)工程(h)で混合したストリップを経た抽出物と
噴霧乾燥する; 各工程からなる。
工程(e)の蒸留濃縮は、単一作用型または多作用型
真空蒸留器またはこの他のスクレープドフィルム蒸留器
等適当な濃縮器で行ってもよい。
噴霧乾燥器に供給する工程(h)で混合したストリッ
プを経た抽出物の固形物量は約35〜60%、好ましくは50
〜60%である。
本発明は、揮発性芳香物質をとり出すためにストリッ
ピング機器を使用し、ストリッピングによってでてきた
凝縮しない芳香物質およびそれ以外の揮発性芳香物質を
捕獲するためにガス吸収カラム中に冷水吸収媒体を流
し、さらに乾燥コーヒー中に揮発性芳香物質をもたせる
ために高粘度噴霧乾燥を行うものである。
揮発性芳香物質のうち凝縮しない蒸気ガスは、構造化
パッキンによって8〜48段階になっているカラム(例え
ば、グード−カラムを入れたグリッシュカラム)を使用
して水中に捕獲する。揮発性芳香物質は、吸収カラム中
の液体とガス流れとの比が0.1/1〜30/1、より好ましく
は4/1または8/1〜24/1といった大きい条件で接触する。
第1図は、本発明の工程の流れ図を示したものであ
る。185℃の熱水1を一連のパーコレーターカラム2に
供給する。水は一般に一番使い古したコーヒー粉砕物か
らもっとも新しいコーヒー粉砕物に向けて流す。2本以
上のカラムを通した後、オートクレーブ中にあったコー
ヒー固形物を含有する供給水は、抽出物温度を100℃以
下に冷却するカラム間冷却器4によって冷却される。そ
の後、抽出物は一般に3に示すような新しいコーヒーを
入れた1本以上のカラムに導く。その際、良質の芳香物
質とコーヒー抽出物をできるだけ多く得るためにカラム
の数は2本以上とするのが好ましい。第1図では、3本
のオートクレーブガラムと3本の新しいカラムかあるい
は大気条件のカラムを使用している。最後のカラムから
でくるた抽出物は、一般に5に示すような抽出タンクま
たは目盛り付タンクに集められる。大気条件のカラムか
ら押し出されてでたガス中の凝縮しない揮発性ガス(ベ
ントガス)は、目盛り付タンク中(ヘッドスペース)の
抽出物からでかガスとともに、一般に6に示す水封を有
する真空ポンプを使用して管7を通して除去する。水封
用の水は冷却吸収器の水を管8を通して導くことによっ
て供給される。定常状態になっていさえすればその水に
は収集した芳香物質が含まれている。しかし、最初は吸
収器を通った新しい水が供給される。
目盛り付タンク5内の抽出物は管10を通してストリッ
パー9に供給し、ノズル12を用いて噴霧する。この噴霧
した抽出物の下方から蒸気11をストリッパー中に導入す
る。蒸気によって芳香物質と水の多くが冷水器14中に除
かれる。冷水器14からでる凝縮しない芳香物質は管15を
通して真空ポンプ6に送られる。また、凝縮した液体の
芳香物質は吸収器またはスクラバー18に導かれる。吸収
器またはスクラバー18に供給される水は最初は構造化パ
ッキンの上に噴霧する。そして、8〜24段階のパッキン
からなる吸収器を通ってタンク22に入る。これによっ
て、芳香物質は吸収されてタンク22に集められることに
なる。また、一方で水の一部は管8を通って真空ポンプ
の水封に戻される。
ストリッパー9でストリップを経た抽出物は、管23を
通って蒸流器24に導かれる。そして、固形物量を好まし
くは50〜70%とした抽出物を管25を通して導き、管26を
通ってきた芳香物質と混合して、27で噴霧乾燥する。
第2図は、揮発性芳香物質の物質収支を示したもので
ある。数値は固形物1gあたりの芳香物質量をppmで示し
たもの、あるいはソルブルコーヒー1gあたりの芳香物質
量をμgで示したものである。これらの数値は、本明細
書で後述するように試料をパージしトラップしてキャピ
ラリーカラムクロマトグラフィーを用いて分析すること
によって得たものである。一般にこれらの数値は±50%
の範囲で変わってもよいが、その範囲は好ましくは±25
%、より好ましくは±15%である。図より明らかなよう
に、ベントガス約88ppm、目盛り付タンク5のヘッドス
ペースガス88ppmおよびストリッパー9からでる凝縮し
ない揮発性芳香物質206ppmを真空ポンプによって水封6
中に集める。水封中の水は凝縮した芳香物質とともにス
クラバーまたは吸収器18中に導かれる。吸収器に入った
芳香物質は、8〜24段階の構造化パッキン中に冷水を通
すことによって集められる。
抽出物で満たされた新しいカラムからおしだされてき
たベントガスには、抽出物中の総揮発性芳香物質の約5
〜15%が含まれている。
ヘッドスペースにある二酸化炭素中の芳香物質は抽出
物中に溶けて、目盛り付タンクの中で放出される。こう
して放出される芳香物質の量はベントガスの芳香物質の
量と等しい。
抽出物の処理に使用するストリッパー9は減圧状態で
作動させる。このストリッパー9は開放室からなってお
り、噴霧用ノズルを使用して頂部付近から抽出物を噴霧
し蒸気の中を下降させる。こうして、ストリッパーに導
かれた抽出物中に存在する揮発性芳香物質の70〜95%と
ともにストリッパー中に導かれた抽出物の20%以下、好
ましくは12%以下、より好ましくは3〜12%が除去され
る。ストリップした芳香物質は冷水器中で凝縮する。冷
水器中では水蒸気の約99%が除去されるが、揮発性芳香
物質は70〜90%しか除去されない。残りの揮発性芳香物
質の大部分は真空ポンプでひかれて、スクラバー18から
導かれる芳香物質を含んだ冷水を有するポンプの水封6
中に捕獲される。なお、抽出物からストリップされる蒸
気の量は、操作条件によって変わることはいうまでもな
い。
使用する真空ポンプ6は、凝縮しないかおりを捕獲す
るために水封中に管を通した市販の液体リングの真空ポ
ンプである。真空ポンプには一定の速度で水が供給さ
れ、この水は羽根車によって上げられ遠心力によって羽
根車の外被にとばされる。外被の水に完全に浸かってい
る羽根と回転していて先端部のみが浸かっている羽根と
の間にキャビティーが形成される。ポンプは、このキャ
ビティーと端板上の入口とが符号するように設計されて
おり、系の水がポンプに入るようになっている。
これと類似する逆方向に働く力によって、空気はポン
プと逆の端にある端板の口の外に出される。このように
空気をポンプを通って移動することによって十分な混合
がおこり、凝縮しない芳香物質が吸収される。
吸収器またはスクラバー18には、0〜10℃、好ましく
は0〜5℃の水を向流に流す。その際のガスと液体との
比(L/V)は、0.1:1〜30:1、好ましくは4:1〜24:1とす
る。スクラバーの直径は、圧力降下が最小限となるよう
な大きさとする。スクラバーの上方には構造化パッキン
を詰め込み約4〜48段階のスクラバーとなるようにす
る。これと類似の効果を有する、圧力降下がさほど大き
くならないような市販パッキンもまた使用に適してい
る。
ストリッパーからでる凝縮した芳香物質は吸収器また
はスクラバーに導かれ、芳香物質を回収して定常状態の
平衡とバッチの保全性を維持するのを助ける。
スクラバー中に水を使用することの利点は、洗浄が容
易で微生物による問題がないことにある。スクラバー
は、効率を良くするために50psig以下の圧力で操作して
もよい。
吸収器からでてきた芳香物質は冷却したタンク22に蓄
えられ、蒸留器24から導いた濃厚な抽出物中に戻され
る。
ストリップした抽出物はAPV社で製造されているよう
な多段階蒸留器24の中で蒸留する。固形物量10〜20%の
抽出物を、固形物量40%以上、好ましくは50%以上に濃
縮する。蒸留器は、各々の流出溝の真空調節をすること
によって70、60および50℃の3段階に切り替えて3つの
効果を生ずるようにすることができるものである。最初
の段階は蒸気で加熱することによって達成され、二番目
と最後の段階はその蒸気をさらに使用することによって
達成される。各々の段階で得られる抽出物には、望まし
くない風味成分を無視し得ない量有するかおりが含まれ
ている。望ましくない風味成分の大部分はフルフラール
である。フルフラールは、ソルブルコーヒーの製造工程
において物質収支から外れた量生成する傾向にある。ス
トリップを行うことによって、所望の芳香物質をより自
然な物質収支で保持することができるようになった。蒸
留器中で得られた濃縮物は排水口に導かれる。
タンクに入った芳香物質を直列静的混合機を用いて濃
厚な抽出物と連続的に混合する。噴霧乾燥器への供給ポ
ンプの入り口で、計量型ポンプを使って芳香物質を抽出
物供給管に回収する。両者の比は噴霧乾燥器に供給され
た固定物量に基づいて調整される。混合による回収は通
常100%であるが100%以下となる場合もある。
芳香物質を有する抽出物は、高粘度噴霧乾燥器を使用
して噴霧する。具体的には、55%の抽出物を2500psiで
暖かいガス中に小粒子をとばすための噴霧ノズルを用い
て噴霧する。粒径が小さいために抽出物は芳香物質を吸
収しながら迅速に乾燥する。通常の乾燥抽出物よりも水
分が0.5〜1.5%多くなるように(最終生成物の水分量は
3〜5%)、噴霧乾燥器の入り口の温度が250〜270℃で
あり、出口の温度が105〜120℃、好ましくは110℃以下
になるように制御する。こうすることによって、望まし
くない調理済みのカラメル風味がでてくるのを防ぐこと
ができる。
最終製造物たる乾燥コーヒーは塊状、フレーク状であ
ってもよくまた、他のコーヒーとブレンドしてもよい。
あるいは、さらに処理して有用なコーヒー製造物として
もよい。
パージしてトラップする方法によるコーヒー成分の分
析方法は、ソルブルコーヒー、コーヒー抽出物、入れた
コーヒーまたは水性液中の芳香物質からコーヒーの揮発
性物質を集めることによって行う。この操作は、表面ダ
イナミックサーマルストリッパーのモデル1260多層吸収
型トラップを用いて、不活性ガスで揮発性物質を追い出
すことによって行う。
トラップに吸収した芳香物質は熱で脱着して、エンバ
イアロケム(Envirochem)社のユニコン810A濃縮器に入
れ、揮発物質を小さな試料プラグからFIDまたはこれと
同様のものを備えたパーキンエルマーシグマ(Perkin E
lmer Sigma)1ガスクロマトグラフに導く。
試料は、100mlのフラスコ中で固形物量約1重量%の
ものを調製する。フラスコの内容物は65℃ダイナミック
サーマルストリッパーで制御されたオーブン中にヘリウ
ムとともに60ml/分でスパージする。揮発物質はソーベ
ントチューブモデル(Sorbent Tube Model)ST031中に
集められる。揮発性物質を集めるのに使用するチューブ
は、ガラスビーズ/テナックス(Tenax)TA/アンバーソ
ーブ(Ambersorb)/木炭を含んでいる。3mlの水に溶か
した0.1%の4−メチルチアゾールを外部標準として使
用した。
収集用チューブで集めた揮発性物質は、230℃でユニ
コン濃縮器に移す。ユニコン濃縮器で揮発性物質を濃縮
して、クロンパック(Chrompack)またはサイエンチフ
ィック(Scientific)社のCPSi15(ノミナルラムフィル
ムシックネス)で被覆したシリカWCOTキャピラリーを有
するクロマトグラフのカラム(25mx0.32mm)にチャージ
する。検出器の温度は250℃、インジェクターの温度は2
30℃とした。オーブンの温度は6分間0℃とし、その後
は6℃/分で200℃に昇温するようにセットし、200℃で
5分間保持した。
分析結果は以下に示す通りである。
フルフラール、揮発性芳香物質および分子量の大きい
化合物を含んだイオン炎検出器(FID)による総検出量
は4280であった。ここでいう揮発性芳香物質とは、アセ
トアルデヒド、イソブチルアセトアルデヒド(IBA)、
イソバレリルアセトアルデヒド(IVA)、2−メチルブ
タノール、フラン、2−メチルフラン、ジアセチル、2,
3−ペンタンジオンの総量である。
本発明によって製造される噴霧乾燥した製造物は、凍
結乾燥したコーヒーと似ており、ワイン、バターの芳香
を有することを特徴とする滑らかでよく丸まった粉末で
ある。
実施例 100%アラビカ豆のブレンドを煎って55煎色として粗
挽きし、パーコレーション工程を施して濃厚約15%のコ
ーヒー抽出物とした。焙炒し粉砕したコーヒー660kgを
各々のカラムに300kg/m3で満たした。
コーヒーの入った新しいカラムをとなりの新しいカラ
ムからでた抽出物で満たしているときに、移動ガスをベ
ントラインを通してかおり回収系に導いた。このガスの
体積は、パーコレーターカラムの体積の約66%である
が、本実施例の場合は1.45m2であった。
カラムが一杯になった後、コーヒー抽出物を目盛り付
タンクに流し出した。その間は、抽出物の温度が35℃未
満となるように冷却した。タンクに内っているとき、抽
出物はガスを放出した。そのガスはベントラインを通っ
て芳香物質回収系に導いた。目盛り付タンク中の抽出物
の総重量は1サイクルあたり1980kg(DOF3.0)であっ
た。1サイクルは各々約35分間で行った。
ベンドガスは両方とも煎ったときにでてくる揮発性芳
香物質を含有しており、パーコレーション系で焙炒し粉
砕したコーヒーを湿ませて抽出することによって放出さ
れた。
この抽出物は続いてストリッパーに8000kg/hrで送っ
た。低圧蒸気は約225kg/hrの速度でストリッパーに供給
した。ストリッパーをわずかに吸引して、かおりを含有
する蒸気を320kg/hrで凝縮器に入れた。
この4%ストリップが形成されているとき、目的とす
る揮発性芳香物質の約75%が抽出物からストリップされ
た。そのうち、約75%は蒸気とともに凝縮して、残りの
25%は真空ポンプを通して凝縮器から出ていった。
抽出物は、3段階APV蒸留器中で蒸留して濃度を約60
%とした。
ストリッパー凝縮器からでてきた凝縮しないガスはパ
ーコレーターカラムおよび目盛り付タンクから出てきた
ベントガスとともにスクラビングカラムに導いた。新し
い冷水(5℃)を80kg/hrでカラムの頂部から供給し
た。カラム中に水とガスを向流で流し、揮発性芳香物質
の90〜95%を液体流の中に吸収させた。
ストリップ系からでた濃厚なストリップした芳香物質
はパッキンの下のスクラビングカラムにも導いた。これ
によって、二つの芳香物質を含有した流れは均一に混合
して封水の緩衝剤として働いた。スクラバーから出てき
た芳香物質は5℃に冷却した。流れの一部は封水として
真空ポンプ中に入り、再度スクラアーへ導いた。
芳香物質はジャケットしたタンク中に貯蔵し、計量型
ポンプを用いて噴霧乾燥器中に供給された抽出物中に入
れた。液体の芳香物質は噴霧乾燥器中に供給される固形
物を基準にして100%回収された。この実施例では、噴
霧乾燥器に供給される可溶性固形物3kgごとに、1kgの液
体の芳香物質が加えもどされた。
芳香物質を回収した抽出物は、芳香性のある乾燥粉末
とするために、入口温度を260℃、出口温度を110℃以下
にした噴霧乾燥器中で乾燥した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製造工程の流れを示したものであ
る。 第2図は、揮発性芳香物質の物質収支を示したものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デービッド・カガノフ アメリカ合衆国ニューヨーク州10040, ニューヨーク,ベネット・アベニュー 160

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ガスクロマトグラフによる検出量
    が、可溶性コーヒー固形物1gあたり2500μg以上である
    コーヒー抽出物を得て; (b)焙炒し粉砕した新しいコーヒーから前記抽出物を
    流しだし; (c)冷水封を有する真空ポンプを用いて、前記抽出物
    からでる揮発性芳香物質を冷水封中に凝縮して集め; (d)工程(b)の抽出物を蒸気中に放散して、冷却器
    を使用しさらに工程(c)の真空ポンプで凝縮しない芳
    香物質を集めることによって、20重量%以下の凝縮しう
    る芳香物質を集め; (e)工程(d)で放散した抽出物を減圧条件下で蒸発
    して固形物質を40重量%以上とし; (f)工程(c)の水封中の芳香物質と工程(d)の凝
    縮した芳香物質とを、4〜48のプレートを有する吸収装
    置中に導入して、これらの芳香物質を液体とガスの比が
    0.1対1〜30対1となる条件で冷水と10℃以下で接触
    し; (g)工程(f)で吸収されたかおりを、工程(e)で
    濃縮した抽出物と組合わせ;そして (h)できた濃縮物を噴霧乾燥して芳香性乾燥ソルブル
    コーヒーにする; 各工程からなる芳香性乾燥ソルブルコーヒーの製造方
    法。
  2. 【請求項2】独特のぶどう酒とバターの風味を有する噴
    霧乾燥した最終製造物を製造するために、工程(a)の
    抽出物を、30重量%以上のアラビカコーヒーを含有する
    焙炒し粉砕したコーヒーから製造する請求項1の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1の製造方法によって製造される芳
    香性乾燥ソルブルコーヒー。
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