JP2724644B2 - 演奏機能を備えた動作玩具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は人の接近によりユニーク
な動きに加え、音楽を聞かせる演奏機能を備えた動作玩
具に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】従来の動作玩具として、例え
ば変形可能な素材によって形成された人形、動物などの
形態を有する玩具本体内にモータを動力源とする動作機
構を納め、該動作機構の動作によって上記玩具本体を動
作させる動作玩具が知られている。

【０００３】しかしながら、上記動作玩具はその動きが
特定された単純なものであるから、面白みに欠けるとと
もに、すぐに飽きられてしまう嫌いがあり、この点の解
決が望まれていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであって、特に人の接近に伴なって
ユニークな動きをするとともに、音楽を奏でる演奏機能
を備えた動作玩具を提案することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明にかかる演奏機能を備えた動作玩
具は、基台と、該基台に可動状態に設けられたキャラク
ター人形と、演奏装置とから構成される、下記要件を備
えることを特徴とする。 （イ）上記基台には人の接近を感知する焦電センサと、
該焦電センサの感知信号により作動する駆動装置と、該
駆動装置に連係される駆動力伝達手段及び演奏装置とが
設けられ、上記駆動力伝達手段は１つの回転運動を、上
記キャラクター人形内の同軸上に配置された回動部材の
回動運動と回転部材の回転運動とに変換するように形成
されていること （ロ）上記回転部材は動作機構を介して上記キャラクタ
ー人形の腕部を上下動させ、上記回動部材は上記キャラ
クター人形の体全体を左右に回動させるように形成され
ていること

【０００６】

【発明の作用、効果】上記構成のように、本発明に係る
演奏機能を備えた動作玩具によれば、人の接近を焦電セ
ンサが感知することにより駆動装置が作動して駆動力伝
達手段を動作させ、回転運動をキャラクター人形内に配
置された回動部材の回動運動と、回転部材の回転運動と
に変換させることができる。そして、上記回転部材には
キャラクター人形の腕部を上下動させる動作機構が連係
され、上記回動部材には上記キャラクター人形そのもの
が連係されているので、人形そのものを左右に回動させ
ながら該人形の腕部を同時に動作させることができる。
また、人形の動作を人形内の同軸上に配置された回動部
材と回転部材を介して行なっているので、キャラクター
人形を動作させる機構をコンパクトにまとめることがで
き、小さなキャラクター人形でありながら体を左右に回
動しながら腕部を上下動する複数の動作を同時に行わせ
ることができ、ユニークな動きを楽しむことができる。

【０００７】また、キャラクター人形のユニークな動き
とともに、演奏装置の動作により音楽が奏でられるの
で、その場の雰囲気をやわらげることができる。

【０００８】さらに、人の接近を感じて動作と音楽とを
奏でるので警報手段として利用することもでき、その利
用範囲の拡大にもつながる。

【０００９】

【実施例】以下、図面によって本発明の実施態様の一例
について説明する。

【００１０】図１において、符号Ａは本発明に係る演奏
機能を備えた動作玩具を示し、該演奏機能を備えた動作
玩具Ａは基台１と基台１の上部に着脱自在に配置したキ
ャラクター人形２、２とによって主に外観が形成されて
いる。

【００１１】基台１の内部にはメインスイッチ３と、電
源電池４と、焦電センサ５と、該焦電センサ５の作動に
より動作する駆動装置６と、該駆動装置６に連係される
駆動力伝達手段７と演奏装置８とが設けられている。

【００１２】メインスイッチ３は基台１の底部から操作
することができ、また、焦電センサ５は上記基台１の正
面より一部が露出されている。そして、該焦電センサ５
は人が接近したときに遠赤外線を感知し作動するもので
ある。

【００１３】駆動装置６はモータ１０を駆動源とする複
数の減速歯車からなり且つ該減速歯車の一つの歯車１１
は大歯車１２に噛合されている。そして、該大歯車１２
の上面には無端状で所望に折曲した案内溝１３が刻設さ
れている。大歯車１２はモータ１０が作動制御されるこ
とにより回転する。

【００１４】駆動力伝達手段７は上記大歯車１２の上部
に配置された支持部材１５の裏面両側に左右方向に移動
可能に支持されたスライド部材１６、１６と該スライド
部材１６、１６に連係される二つの伝達部２０、２０と
から構成されている。

【００１５】スライド部材１６、１６は平面長方形状を
有するとともに、前方裏面には上記大歯車１２の上面に
刻設した案内溝１３に係合される係合軸１７、１７が突
設されている。これによって、大歯車１２が回転するこ
とでその上面に形成された案内溝１３に案内されている
係合軸１７、１７が移動することによりスライド部材１
６、１６は左右方向にスライド動作する。また、該スラ
イド部材１６、１６の略中央には長方形の貫通孔１８、
１８が形成され且つ該貫通孔１８、１８の長手一側には
歯部１９、１９が刻設されている。

【００１６】伝達部２０、２０は図２及び図３に示すよ
うに、上記支持部材１５の上面に位置される有底で筒状
の回動部材２１、２１と該回動部材２１、２１内の同軸
上に配される六角形の回転部材２２とによって形成され
ている。そして、上記回動部材２１、２１の底部中央に
は上記スライド部材１６、１６の貫通孔１８、１８に刻
設した歯部１９、１９に噛合する歯車２３、２３が固定
されている。また、上記回転部材２２、２２の底部中央
に突設した支軸２４、２４は上記回動部材２１、２１及
び歯車２３、２３の中央に穿設した貫通孔内を貫通し該
歯車２３、２３の下部に突出されるとともに、上記大歯
車１２に噛合される歯車２５、２５が固定されている。
これによって、回動部材２１、２１はスライド部材１
６、１６が左右方向にスライドすることにより回動し、
また、回転部材２２、２２は大歯車１２が回転すること
により回転するように形成されている。

【００１７】演奏装置８はオルゴールによって形成され
るとともに、該演奏装置８のドラム２７の支軸には歯車
２８が固定されている。そして、該歯車２８には複数の
歯車から成る減速歯車部２９の一つの歯車３０が噛合さ
れるとともに、上記減速歯車部２９の他の一つの歯車３
１は上記大歯車１２に噛合されている。これによって、
大歯車１２の回転により演奏装置８を動作させることが
できる。

【００１８】次に、キャラクター人形２は図３に示すよ
うにウサギを模して形成されるとともに、胴体部３３に
対し腕部３４、３４が支軸３５、３５によって可動状態
に軸支されている。そして、該支軸３５、３５の先端に
は図４に示すように、三角形で板状の支持片３６、３６
が固定されるとともに、該支持片３６、３６間の上部に
は平行に棒部材３７、３７が固定されている。また、上
記胴体部３３から脚部３８にかけて動作機構が設けられ
るとともに、該動作機構は胴体部３３と脚部３８との中
央縦方向に配した回転芯材３９と、該回転芯材３９の上
端に固定された円板４０の表面外周近傍に立設した係合
軸４１と下端に固定された嵌合凹部４２とによって形成
されている。そして、上記係合軸４１の先端は上記支持
片３６、３６間に平行に固定された棒部材３７、３７の
間隙に位置され、また、嵌合凹部４２は上記脚部３８の
底面に形成された嵌合凹部４３内に位置されている。

【００１９】上記キャラクター人形２は脚部３８に設け
た嵌合凹部４３が上記伝達部２０の回動部材２１に嵌合
されるとともに、胴体部３３内の動作機構の一部を構成
する嵌合凹部４２は該伝達部２０の六角形の回転部材２
２に嵌合された状態で、上記基台１の上面に配置され
る。これによって、回動部材２１の回動でキャラクター
人形２自体を回動させることができるとともに、回転部
材２２の回転で腕部３４、３４が支軸３５、３５を支点
に上下動する。

【００２０】演奏機能を備えた動作玩具Ａは上述のよう
に構成されているので、その使用にあたっては、焦電セ
ンサ５が人の接近により遠赤外線を感知し作動すること
でモータ１０が作動制御され駆動装置６を動作させる。
次に駆動装置６が動作すれば大歯車１２が回転するとと
もに、該大歯車１２の上面に形成された案内溝１３には
スライド部材１６、１６の前部に突出した係合軸１７、
１７が係合されているので、該係合軸１７、１７は上記
案内溝１３に案内され左右に移動するのと同様に上記ス
ライド部材１６、１６も移動する。

【００２１】ところで、伝達部２０、２０を構成する回
動部材２１、２１の底部に固定された歯車２３、２３は
上記スライド部材１６、１６の貫通孔１８、１８の長手
一側に設けた歯部１９、１９に噛合されており、また、
回転部材２２、２２の底部に突設した支軸２４、２４の
先端に固定した歯車２５、２５は上記大歯車１２に噛合
されているから、上記スライド部材１６、１６の左右方
向の移動で伝達部２０、２０を構成する回動部材２１、
２１が回動し、大歯車１２の回転で回転部材２２、２２
が回転する。そして、上記回動部材２１、２１にはキャ
ラクター人形２、２の脚部３８、３８に設けた嵌合凹部
４３、４３が嵌合されるとともに、上記回転部材２２、
２２には胴体部３３、３３内の動作機構の一部を構成す
る嵌合凹部４２、４２が嵌合されているので、これによ
って、キャラクター人形２、２全体の回動動作に加え、
腕部３４、３４を上下動させることができる。

【００２２】また、上記キャラクター人形２、２の動作
とともに、上記大歯車１２に噛合されている減速歯車部
２９の一つの歯車３０を介してオルゴールから成る演奏
装置８のドラム２７が回転して音楽を奏でる。

【００２３】上述のように演奏機能を備えた動作装置Ａ
によれば、大歯車１２の回転運動は駆動力伝達手段７を
介して同軸上に配置された回動部材２２と回転部材２１
とで回動運動と回転運動とに変換され、キャラクター人
形２の全体の動きと腕部３４、３４との動きをつかさど
っているので、キャラクター人形を動作させる機構をコ
ンパクトにまとめることができ、小さなキャラクター人
形であってもその動きがユニークとなり見る者に驚きを
伴なう変化を与えることができる。また、これに加え演
奏装置８から音楽が奏でられるので、その場の雰囲気を
なごませることができる。さらに、人の接近によりキャ
ラクター人形２が動作し且つ音楽が奏でられるので、警
報手段として利用することができる。

【００２４】なお、キャラクター人形２はこれに限ら
ず、例えば人物、ロボットなどであってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る演奏機能を備えた動作玩具の斜視
図である。

【図２】動作玩具の内部構造を示す説明図である。

【図３】キャラクター人形と駆動力伝達手段との関係を
示す説明図である。

【図４】腕部と動作機構との関係を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 演奏機能を備えた動作玩具 １ 基台 ２ キャラクター人形 ５ 焦電センサ ６ 駆動装置 ７ 駆動力伝達手段 ８ 演奏装置 ２０ 伝達部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−80080（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−163498（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−12921（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台と、該基台に可動状態に設けられた
   キャラクター人形と、演奏装置とから構成される、下記
   要件を備えることを特徴とする演奏機能を備えた動作玩
   具。 （イ）上記基台には人の接近を感知する焦電センサと、
   該焦電センサの感知信号により作動する駆動装置と、該
   駆動装置に連係される駆動力伝達手段及び演奏装置とが
   設けられ、上記駆動力伝達手段は１つの回転運動を、上
   記キャラクター人形内の同軸上に配置された回動部材の
   回動運動と回転部材の回転運動とに変換するように形成
   されていること （ロ）上記回転部材は動作機構を介して上記キャラクタ
   ー人形の腕部を上下動させ、上記回動部材は上記キャラ
   クター人形の体全体を左右に回動させるように形成され
   ていること