JP2723983B2 - キャップ締め角度検査装置 - Google Patents

キャップ締め角度検査装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、容器のキャップの開栓トルクの良否を非破
壊で検査するキャップ締め角度検査装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来より、瓶等の容器のキャップには締め込み式のも
のが知られているが、その締め込み状態によっては、開
栓するときのトルク値が高くなって、開栓不良や開栓困
難な製品が市場に流出する虞れがある。そこで、従来は
開栓トルクが適正であるか否かを、製造ロットの抜き取
り検査により、トルクメータを用いて、実際にキャップ
を開栓して判定していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の技術における開栓トルクが
適正か否かの抜き取り検査は、破壊検査であるため製品
のロスが生じ、しかもトルクメータを用いるため手数が
かかるという問題点がある。
従って、製品の全数を連続的に検査することは不可能
であった。
本発明は、上記問題点を解決するために創案されたも
ので、容器のキャップの締め込み状態を非破壊でかつ手
数をかけることなく検査することができるキャップ締め
角度検査装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明のキャップ締め角
度検査装置の構成は、 一定姿勢の容器の締め込みキャップ表面の凹凸または
表記や模様と凹凸のない平坦な部分または表記や模様の
ない部分とを識別可能に画像上で2値化する手段と、 上記画像上の基準のウインドウ内に存在する凹凸また
は表記や模様を示す画素であってキャップの締め角度で
動く画素が所定数以下であるか否かでキャップの開栓ト
ルクが許容値内であるか否かを判定する手段とを有する
ことを特徴とする。
[作用] 本発明は、容器のキャップの締め込み角度と開栓トル
ク値の間に相関があることに着目し、適正範囲の開栓ト
ルクに対応するキャップの締め込み角度を、画像処理の
手段で判定することにより、開栓トルクが適正であるか
否かを非接触,非破壊で手数をかけることなく判定す
る。上記画像処理の手数のうち判定する手段は、2値化
画像上の基準のウインドウにおいて、キャップの表面の
凹凸または表記や模様を示す画素を検出し、その画素が
所定数以下であるか否かで、締め込み角度が適正範囲に
入っているか否かを判定する。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。
本実施例は、社名マークや絵柄等が色変化のないキャッ
プ表面にレリーフ状の凹凸で表現されている場合を例と
する。図において、1は瓶に内容物を詰めた製品、2は
製品1の製造ラインのコンベア、3は製品1の瓶のキャ
ップ、4は製品1を検出するための光電管、5は光電管
4の光電変換信号により製品1の到来を示す検出信号を
作成するセンサーコントローラ、6はキャップ3の表面
を照明する照明装置、7は照明装置6の発光をコントロ
ールするストロボコントローラ、8はキャップ3の表面
を撮影するカメラ、9は画像処理を行う画像処理装置で
ある。
以下、画像処理装置の構成を述べると、91はセンサー
コントローラ5から製品1の検出信号を受けてストロボ
コントローラ7へ発光を指示するとともに、カメラ8か
らの画像の取り込みを指示したり、画像処理装置9の各
部を統括的に制御したりする制御部、92は上記画像の取
り込みの指示によりカメラ8の画像を2値化してメモリ
等に取り込む2値化画像取込部、93は2値化画像取込部
92が取り込んだ2値化画像上に1または2以上の基準の
ウィンドウを生成するウィンドウ生成部、94は上記ウィ
ンドウ内における2値化画像のレリーフエッジを示す暗
部の画素数を面積のカウントにより算出する画素数カウ
ント部、95は画素数カウント部94が算出した各ウィンド
ウ内の暗部画素数が所定数以下であるか否かによってキ
ャップの締め込み角度が適正な開栓トルク値を持たらす
範囲であるか否かを判定するキャップ締め良否判定部、
96は2値化画像の表示やウィンドウの表示、その他判定
結果等を表示するモニタディスクプレイである。
カメラ8の原画像は、照明装置6の照明によって凹凸
のある段差部分(レリーフエッジ)は暗く平坦な部分は
明るく撮像され、それぞれ階調を有する多値画像である
が、2値化処理ではある基準の輝度をさかいに明暗の2
つに区分する。本実施例の2値化画像取込部92における
画像の2値化処理においては、キャップ3表面の凹凸の
段差部分(レリーフエッジ)と平坦な空白部分とが明確
に識別できるように、上記基準の輝度を設定する。本実
施例では、2値化の際に、レリーフエッジ部分を黒画素
(暗部)とし、凹凸のない平坦な部分を白画素(明部)
で表わすものとする。ただし、これとは逆であっても良
いことはもちろんである。
第2図(a),(b)は上記照明装置6の構成図であ
る。(a)は落射照明を可能にした照明装置の断面図を
示し、(b)は入手容易なリング光源で構成した照明装
置の断面図である。(a)において、61はキャップ3に
対向する円筒状のフード、62はフード61の上方外周にそ
の照射面を設けたファイバーリング照明器、63は照明器
62の照明光を下方のキャップ3の表面に反射させる逆円
錐形状の中空の反射板である。落射照明とは照明光の照
射方向がカメラの光軸と一致することを言い、この落射
照明によれば、レリーフエッジに対する方向性がなくな
り、キャップ3のレリーフエッジがきれいに識別可能に
2値化できる。上記において、反射板63の傾斜はカメラ
8の光軸に対しほぼ45゜に設定することにより、キャッ
プ3への入射光の照射方向をカメラ8の光軸と一致させ
る。キャップ3からの反射光は、反射板63の中空部を通
してカメラ8に入射させる。次に(b)においては、一
般に標準品として市販されているリング形状のリング光
源64を使用し、キャップ3を照射し、そのリング状の中
空部を通してキャップ3からの反射光をカメラ8へ入射
させるように構成したものである。この構成によって
も、実用上十分な2値化画像を得ることができる。本実
施例の照明装置6としては、(a)の落射照明と(b)
のリング照明のいずれを使用しても良い。
第3図は、上記実施例における画像処理の処理フロー
図である。以下、第1図を参照して説明を行う。まず、
光電管3がコンベア2で搬送されてくる製品1を検出し
たことを契機として、照明装置6を発光させ、カメラ8
によるキャップ3の画像を2値化して取り込む。次に、
取り込んだキャップ3の2値化画像の例えば上端,左端
を基準位置として検出し、続いてその基準位置に基づい
て2値化画像の所定位置に、予め設定しておいた検査ウ
ィンドウを生成する。検査ウィンドウの位置は、所定範
囲の角度を越える異常な締め込み角度の場合にはレリー
フ(暗部)がかかるように設ける。上記の条件が後記す
るように1個のウィンドウでは満たされない場合には、
複数のウィンドウを設ける。上記の締め込み角度とは、
製品1の瓶の基準点とそのキャップ3の基準点との角度
を意味するものであり、本実施例では製品1の姿勢がラ
ベル等を貼着する必要上、一定の姿勢に位置決めされて
いるので、瓶の基準点は一定となっていることを前提と
している。
以下の処理は、検査ウィンドウとして2つ設けた場合
を例とする。まず、各ウィンドウW1,W2毎にウィンドウ
内の黒画素(レリーフの凹凸のエッジ部分に対応する画
素)の面積をカウントする。これにより、黒画素数が設
定値SET1,SET2以上であるかを各ウィンドウW1,W2毎に判
定し、ウィンドウのモードMOD1,MOD2を決定する。即ちW
1≧SET1(またはW2≧SET2)であればMOD1=1(またはM
OD2=1)としW1<SET1(またはW2<SET2)であればMOD
1=0(またはMOD2=0)とする。このことは、ウィン
ドウW1,W2にレリーフの凹凸のエッジ部分がかかるよう
な場合にウィンドウモードMOD1,MOD2が1となり、かか
らない場合にウィンドウモードMOD1,MOD2が0となるこ
とを意味する。最後に、各ウィンドウのモードMOD1,MOD
2の論理積(MOD1∧MOD2)を取り、その結果が1のとき
に不良とし、その製品1を取り除く。このことは、レリ
ーフ部分とレリーフのない空白部分がそれぞれ2つあ
り、両方のウィンドウW1,W2にレリーフがかかっている
場合に不良とすることを意味する。ウィンドウを設ける
キャップの円周上にレリーフが1つしかないような場合
においては、上記論理積に替えて論理和MOD1∨MOD2を取
り、その値が1の時に、即ちいずれかのウィンドウにレ
リーフがかかったときに不良とすれば良い。
以上のように構成した実施例の作用を述べる。第4図
はキャップの締め込み角度と開栓トルク値との相関を示
す測定分布図、第5図は上記実施例を適用するキャップ
表面の説明図、第6図(a),(b),(c)は本実施
例のキャップ締め込み角度の検出状態図である。
第4図において、横軸はキャップの締め込み角度、縦
軸は締め込みを行ってから1日後の開栓トルク(Kg・c
m)を示し、各ドットは段階的な角度でキャップの締め
込みを行ったときの開栓トルク値の分布を示している。
この測定分布図からキャップの締め込み角度の大きいも
のは、開栓トルク値が大きいことが判明し、キャップの
締め込み角度と開栓時のトルク値の間には相関のあるこ
とが分かった。この関係から一定の締め込み角度を越え
る製品を除去すれば、トルク値の高いために開栓不良や
開栓困難となる製品が市場に流出することはなくなると
予想できる。
そこで本実施例は、第5図に示す2つの文字レリーフ
L1,L2が図に示す角度でキャップ3周辺の円周上に配置
されている場合において、第6図(a)の正常締め込み
角度のキャップの2値化画像3aに対して2つのウィンド
ウW1,W2を設け、このウィンドウW1,W2の暗部(レリーフ
エッジ部分)の画素数でウィンドウにレリーフがかかっ
ていることを示すウィンドウモードを決定し、各ウィン
ドウW1,W2のモードの論理積を第6図(b),(c)に
示すように両者のウィンドウW1,W2にレリーフがかかっ
たときに不良と判定する。このように、本実施例では、
画像処理によって非接触,非破壊で開栓トルクの良否の
判定を行う。
上記においてウィンドウの設定は、文字レリーフL1,L
2の角度や文字レリーフの数によって、種々に影響を受
ける。キャップの締め込み角度の判定としては、第5図
に示すように、1つのウィンドウW1′またはW2″で行う
ことも、場合によっては可能である。ウィンドウW1
は、文字レリーフL1,L2までの空白部分(明部)に文字
レリーフL1,L2までの右ずれ,左ずれ許容幅l1,l2をとっ
て設けたものであり、この場合にはウィンドウW1′内に
ずれの許容幅l1,l2を越えて文字レリーフL1またはL2
かかった場合にその文字レリーフL1またはL2の画素数
(面積積)が一定値以上の場合位置ずれと判定する。ま
た、ウィンドウW1″は文字レリーフL1またはL2を検出す
る場合であって、右ずれ、左ずれの許容幅l1,l2をとっ
て文字レリーフ上に設定する。この場合には、許容範囲
内の位置ずれであればウィンドウW1″内に空白部分の画
素が現れない。しかし、このように1つのウィンドウで
キャップの締め過ぎ,ゆるみ過ぎを検出しようとする
と、検出範囲が制限を受けたり、ウィンドウの大きさが
制限を受けて判定が困難になる場合が出る。即ち、第5
図に示すように、左右のずれの許容幅l1+l2は、ウィン
ドウW1′の場合、空白部分の角度より小でなければなら
ず、本実施例のようにl1+l2≒90゜(空白部分の角度90
゜)であるような場合、ウィンドウW1′設けることは不
可能であり、また、例えばウィンドウW1′が設けられて
いる場合でも、その大きさが非常に小さくなり、判定が
困難になる。さらに、ウィンドウW1″では空白部分の明
部を検出して不良を判定するので、すべて暗部となるよ
うな照明装置の劣化やランプの球切れの場合には良品と
判定され、フェールセーフでなくなる。
本実施例では、第6図(a)に示すように、文字レリ
ーフL1から右ずれの許容幅l1をとったウィンドウW1と文
字レリーフL1から左ずれの許容幅l2をとったウィンドウ
W2とを文字レリーフのない空白部分(明部)に設けるこ
とにより、締め過ぎ,ゆるみ過ぎをそれぞれ別々のウィ
ンドウを用い、レリーフエッジの暗部を検出して検査す
ることにより、l1+l2≒90゜の良品範囲を設定可能にす
るとともに、照明不良においてフェールセーフとなるよ
うにする。第6図(b)はゆるみ過ぎの検出状態を示
し、l1以上ゆるく締まれば、ウィンドウW1には上の文字
レリーフL1がかかるようになり、ウィンドウW2には下の
文字レリーフL2がかかるので、ウィンドウモードの論理
積から不良が判定できる。第6図(c)は締め過ぎの検
出状態を示し、l2以上締め過ぎると、ウィンドウW1には
下の文字レリーフL2がかかり、ウィンドウW2には上に文
字L1がかかるので、同様にウィンドウモードの論理積か
ら不良が判定できる。締め込み状態が許容範囲内にある
ときは、ウィンドウW1,W2のどちら一方または両方に暗
部が検出されないので不良とは判定されない。
なお、上記実施例ではキャップ表面のレリーフの凹凸
を利用して検出する例を示したが、明暗が画像で識別可
能であれば配色による表記や模様とその空白部分を利用
して行うことも可能である。また、このようなレリーフ
や表記,模様がないキャップにおいては、本発明を適用
可能に特別のレリーフや模様等を設けても良い。また、
上記実施例ではキャップの上面の表面で識別を行う例を
示したが、キャップの側面の表面においても実施できる
ことは当然である。このように、本発明はその趣旨に沿
って種々に応用され、種々の実施態様を取り得るもので
ある。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明のキャップ締
め角度検査装置によれば、画像処理の手法により、キャ
ップの締め込み角度と開栓トルクとの相関を用いて、容
器のキャップの締め込み状態を含有するようにしたの
で、その検査を、非破壊で手数をかけることがなくで
き、製品の全数検査が可能となって、開栓不良や開栓困
難な製品の確実に取り除くことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図
(a),(b)は照明装置の構成図、第3図は画像処理
の処理フロー図、第4図はキャップの締め込み角度と開
栓トルク値の相関を示す測定分布図、第5図はキャップ
表面の説明図、第6図(a),(b),(c)はキャッ
プの締め込み角度の検出状態図である。 1……製品、3……キャップ、6……照明装置、8……
カメラ、9……画像処理装置、92……2値化画像取込
部、93……ウィンドウ生成部、94……画素数カウント
部、95……キャップ締め良否判定部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定姿勢の容器の締め込みキャップ表面の
    凹凸または表記や模様と凹凸のない平坦な部分または表
    記や模様のない部分とを識別可能に画像上で2値化する
    手段と、 上記画像上の基準のウインドウ内に存在する凹凸または
    表記や模様を示す画素であってキャップの締め角度で動
    く画素が所定数以下であるか否かでキャップの開栓トル
    クが許容値内であるか否かを判定する手段とを有するこ
    とを特徴とするキャップ締め角度検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のキャップ締め角度検査装
    置において、 判定する手段がウィンドウを2以上有し、各ウィンドウ
    による判定結果の論理積または論理和によりキャップの
    開栓トルクが許容値内であるか否かを判定することを特
    徴とするキャップ締め角度検査装置。
JP18198989A 1989-07-14 1989-07-14 キャップ締め角度検査装置 Expired - Lifetime JP2723983B2 (ja)

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