JP2723485B2 - 球状塩化ビニル樹脂顆粒 - Google Patents

球状塩化ビニル樹脂顆粒

Info

Publication number
JP2723485B2
JP2723485B2 JP19419395A JP19419395A JP2723485B2 JP 2723485 B2 JP2723485 B2 JP 2723485B2 JP 19419395 A JP19419395 A JP 19419395A JP 19419395 A JP19419395 A JP 19419395A JP 2723485 B2 JP2723485 B2 JP 2723485B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
granules
vinyl chloride
chloride resin
spherical
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19419395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0848719A (ja
Inventor
恭司 宇久
正博 上田
哲也 村上
典夫 廣川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP19419395A priority Critical patent/JP2723485B2/ja
Publication of JPH0848719A publication Critical patent/JPH0848719A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2723485B2 publication Critical patent/JP2723485B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、懸濁重合あるいは乳化
重合でえられた塩化ビニル樹脂の水性分散液から製造し
た特定の粒径分布を有するペースト加工用に用いる球状
塩化ビニル樹脂顆粒に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より塩化ビニル樹脂顆粒が製造され、使用されている。
【0003】塩化ビニル樹脂顆粒は、塩化ビニルまたは
塩化ビニルを主体とするモノマー混合物を、界面活性剤
の存在下、懸濁重合または乳化重合させ、樹脂の水性分
散液を製造し、該樹脂の水性分散液を噴霧乾燥により造
粒することにより製造されている。
【0004】製造された顆粒が、たとえばペースト加工
用塩化ビニル樹脂として使用されるばあい、可塑剤と混
合され、ゾルにされたのち(これはゾル化と呼ばれる)
成形加工され、ゲル化とよばれる硬化工程(加熱工程)
を経て最終製品にされるが、塩化ビニル樹脂などがゾル
化しにくかったり、ゾル中にゾル化していない大きな粒
子がのこっていたりすると、成形加工時の作業性に問題
が生じたり、最終製品の品質を落としたりするという問
題が生じる。それゆえ、微粉砕して使用されるため、顆
粒の形状がどのようなものであっても粉砕されたペース
ト加工用塩化ビニル樹脂となった段階では製品と直接関
係がなく、これまで顆粒の形状について注目されること
はほとんどなかった。
【0005】本発明者らが塩化ビニル樹脂顆粒の形状に
ついてしらべたところ、種々の形状のもの、たとえば中
空粒子に大きな穴のあいたようなもの、中空粒子がわれ
たような形状の顆粒は、必ずしも粉体特性(たとえば流
れ特性など)のよいものではないことを見出した。ま
た、このような顆粒はかさ比重も低く、単位容積当りの
重量も小さく、輸送コストのかかるものである。
【0006】なお、粉砕された微粉の形態をとっている
ペースト加工用塩化ビニル樹脂は、加工時のゾル化工程
において、開袋時の粉塵の発生などによる作業環境の悪
化や、粉体の自動計量供給が実施できないなどの問題を
有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のごとき
粉体特性およびかさ比重が低いという問題の解消された
塩化ビニル樹脂顆粒を製造するためになされたものであ
り、ペースト加工用に用いる球状塩化ビニル樹脂顆粒で
あって、安息角が30〜38度であり、全質量中にしめる直
径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上であり、
平均径が35〜120μmであり、かさ比重(ゆるめ)0.53
〜0.58g/cc、水分率0.01〜1重量%の球状塩化ビニル
樹脂顆粒に関する。
【0008】本発明の塩化ビニル樹脂顆粒は球状のもの
である。
【0009】前記球状とは、真球状のものはもちろん長
軸/短軸の比が 1.1程度以下の回転楕円体、前記真球状
や回転楕円体のある程度変形したものをも含む概念であ
る。
【0010】また、前記顆粒とは、前記水性分散液中で
分散している塩化ビニル樹脂が、粒状に集合したものの
ことである。
【0011】本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒を構成す
る塩化ビニル樹脂にはとくに限定はなく、従来から使用
されている塩化ビニル樹脂または塩化ビニルを主体とす
る樹脂であるかぎりとくに限定はない。
【0012】本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒は、ペー
スト加工用に用いる球状の顆粒であるから、ゾル化性の
点から直径の上限としては200 μm程度のものが好まし
く、前記直径が20μm以上、さらには40μm以上、とく
には50μm以上の球状顆粒の割合が全質量の60%(重量
%、以下同様)以上、さらには70%以上、とくには90%
以上であるのが粉体特性などの点から好ましい。顆粒の
平均径としては35〜120 μmのものが好ましい。
【0013】このように本発明の塩化ビニル樹脂は顆粒
状でかつ球状であるため、ころがりやすく、安息角で代
表される流れ特性がよくなり、空気による輸送やローリ
ー輸送が容易に行なえる、使用時に自動計量供給がなん
の問題もなく容易に行なえる、さらにかさ比重が大きく
なり、単位容積当りの重量が増加するため輸送コストが
低くなり、かつ微粉砕されていないため、微粉砕により
生じ、製品袋の開袋時の粉塵の発生などによる作業環境
の悪化の原因となる微粉末が少なくなるなどの効果がえ
られる。一般に、前記のような大きさの球状顆粒が前記
のような割合で含有されるばあいには、安息角は30〜38
度となる。
【0014】なお、球状顆粒の大きさは粉体特性の向上
という観点からすれば大きい方が好ましいが、ゾル化性
のよい球状顆粒をうるという観点からは小さい方が好ま
しく、前記のごとき粒径分布を有するばあいには、粉体
特性およびゾル化性のいずれの特性をも満足させる球状
顆粒をうることができる。
【0015】前記直径とは、円形等価径(ヘイウッド
径)およびふるい分け径のことであり、前記顆粒を水に
分散せしめ、コールターカウンターで測定したり、JIS
標準ふるいなどのふるいを用いるふるい分け法で測定さ
れるものである。
【0016】本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒の水分率
としては、 0.01 〜1%程度であるのが好ましく、とく
に 0.1〜 0.5%程度であるのが好ましい。前記水分率が
0.01%未満ではゾル化性がわるくなりがちになり、1%
をこえるとこれから製造されるゾルの水分率が高くな
り、ゾルの粘度などに悪影響がでやすくなったり、製造
されるフィルムなどの製品の平滑性などが良好でなくな
ったりしやすくなる。該顆粒の水分率は、カールフィッ
シャー水分計、赤外線水分計などを用いて測定すればよ
い。
【0017】つぎに本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒の
製法の一例について説明する。
【0018】本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒は、塩化
ビニルまたは塩化ビニルを主体とするモノマー混合物
を、界面活性剤の存在下、懸濁重合または乳化重合によ
りえられる塩化ビニル樹脂の水性分散液をスプレー乾燥
機で乾燥・造粒せしめることにより製造される。
【0019】前記界面活性剤にもとくに限定はなく、通
常の陰イオン系、非イオン系などの界面活性剤を用いる
ことができる。
【0020】前記陰イオン系界面活性剤の具体例として
は、たとえばアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、
アルキルカルボン酸塩、アルキル燐酸塩、アルキルコハ
ク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルアリール硫酸塩など、非イオン系界
面活性剤の具体例としては、たとえばポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステルなどがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0021】前記水性分散液の濃度などにもとくに限定
はないが、通常20〜65%程度、好ましくは40〜60%程度
の水性分散液が使用される。
【0022】前記水性分散液の製造に際し、重合開始剤
がモノマーに対して 0.01 〜5%程度使用される。水性
分散液が懸濁重合によりえられるばあいの重合開始剤の
具体例としては、たとえばジエチルパーオキシジカーボ
ネート、ジ -2-エチルヘキシルジパーオキシジカーボネ
ート、ジ -2-エトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソ
ブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカ
ーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベン
ゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオ
キサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイドなどのジアシルパー
オキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバ
レロニトリルなどのアゾ化合物などの油溶性重合開始剤
など、乳化重合によりえられるばあいの重合開始剤の具
体例としては、たとえば過硫酸のアンモニウム塩、ナト
リウム塩もしくはカリウム塩、過酸化水素、過硫酸塩と
アルカリ金属重亜硫酸塩、チオ硫酸塩もしくはハイドロ
サルファイトとの混合物からなるレドックス系などの水
溶性重合開始剤などがあげられる。
【0023】このようにして調製された水性分散液を乾
燥・造粒するために用いるスプレー乾燥機にもとくに限
定はなく、一般に使用されている、たとえば「スプレイ
・ドライイング・ハンドブック(SPRAY DRYING HANDBOO
K) 」(ケイ・マスタース(K.Masters)著、3版、1979
年、ジョージ・ゴッドウィン社(George Godwin Limite
d) より出版)121 頁の第4.10図に記載のごとき各種ス
プレー乾燥機があげられる。
【0024】スプレー乾燥機で塩化ビニル樹脂の水性分
散液を造粒する際、まず水性分散液がスプレー乾燥機内
のアトマイザーで噴霧され、ついで乾燥せしめられて球
状顆粒(造粒体)が製造され、系外に取出される。
【0025】なお、えられた造粒体はペースト加工用に
用いるが、このときの乾燥温度が高いほど可塑剤中に分
散させるのに要する時間は長くなる。
【0026】本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒において
は、前記水性分散液をスプレー乾燥機で乾燥・造粒させ
る際に、たとえば絶対湿度0.008 〜0.012 kg水/kg空気
の空気を用い、該乾燥用空気の入口温度を100 ℃以下、
好ましくは60℃以上、出口温度を50℃以下、好ましくは
40℃以上になるようにすると、ペースト加工用に適した
球状塩化ビニル樹脂顆粒がえられる。
【0027】前記入口温度とは、乾燥機入口における乾
燥用空気の温度のことであり、出口温度とは、乾燥機出
口における空気の温度のことであり、通常の温度計で測
定された温度である。
【0028】前記絶対湿度が0.008 kg水/kg空気より低
い空気のばあい、水性分散液の乾燥という点からは好ま
しいが、ゾル化性がわるくなり、一方、0.012 kg水/kg
空気より高くなると造粒体に残留する水分が多くなり、
この造粒体を用いて調製されるゾルの水分率も高くな
り、前述したように良好な特性を有するゾルがえられな
くなったり、製造されるフィルムなどの製品の平滑性な
どが低下したりする。
【0029】なお、前記絶対湿度は、セラミック湿度計
(たとえば日本カノマックス(株)製のモデル6802)を
用いて測定すればよい。
【0030】前記乾燥用空気入口温度が 100℃をこえた
り、出口温度が50℃をこえたりすると、えられる造粒体
をペースト加工用に用いるばあいには可塑剤中に分散さ
せるのに要する時間が長くなる。
【0031】造粒体を可塑剤中に分散させる時間を短く
するという観点からは、乾燥温度は低い方が好ましい
が、これにより乾燥に要する空気量は増大し、とくに乾
燥用空気の湿度が高いばあい、造粒体に残留する水分が
多くなり、前記と同様に良好な特性を有するゾルがえら
れにくくなったりしやすくなるため、過度に低温にしな
い方が好ましい。
【0032】本発明の球状顆粒の他の製法としては、本
発明と同日付にて出願せる発明の名称「粒子状ペースト
加工用塩化ビニル樹脂の製造方法」や「粒子状ペースト
加工用塩化ビニル樹脂の製法」の各明細書(特開平2-13
3429号公報および特開平2-134215号公報参照)に記載の
方法、さらにはこれら明細書に記載の方法や前記方法の
2種以上を組合わせた方法などの方法があげられる。
【0033】このようにしてえられる本発明の球状塩化
ビニル樹脂顆粒は、従来からの塩化ビニル樹脂顆粒と異
なり、球状であるため流れ特性がよく、空気による輸送
やローリー輸送が容易に行なえる、使用時に自動計量供
給が容易に行なえる、さらにかさ比重が大きく単位容積
当りの重量が増加するため、輸送コストが低くなるなど
の効果が達成される。さらに本発明の球状塩化ビニル樹
脂顆粒は顆粒のままペースト加工用に使用されるため、
従来の微粉砕されたペースト加工用塩化ビニル樹脂が有
する開袋時の粉塵の発生などによる作業環境の悪化や粉
体の自動計量供給ができないなどの問題の解決されたも
のとなる。
【0034】
【実施例】つぎに本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒を実
施例にもとづき説明する。
【0035】なお、発塵性、顆粒平均径など(顆粒平均
径、顆粒径20μm以上の割合、40μm以上の割合)、顆
粒の安息角、流動性、かさ比重の評価は下記の方法で行
なった。
【0036】(発塵性)球状顆粒20gを 100ccの栓つき
ガラス製のサンプル管に入れ、軸方向に振幅約20cmで5
秒間に10回振盪後、30秒してから栓を開けてサンプル管
から発生する粉塵量を肉眼で観察し、評価する。
【0037】多:発塵が肉眼で観察される 少:発塵が肉眼で観察されない (顆粒平均径など)ふるいとコールターカウンターを併
用して粒径分布を測定し、50%がふるいを通過するとき
のふるいの径を顆粒平均径とする。このようにしてえた
粒径分布から、顆粒径20μm以上、40μm以上の割合を
求める。
【0038】(顆粒安息角、かさ比重(ゆるめ)) (株)細川粉体研究所製、パウダーテスターで測定す
る。かさ比重(ゆるめ)の測定は以下の手順で行なう。 パウ
ダーテスターの固定シュート(かさ比重測定用ロート)
の真下に見掛比重測定用カップ(内容積100cc)を
おき、20〜30秒でカップが山盛りになるように測定
用粉体を流出させる。山盛りになった粉体の山盛りの部
分をブレードを垂直に立ててすり切ったのち秤量し、粉
体の重量÷100を求める。この操作を3回くりかえ
し、平均値を求めることにより、かさ比重(ゆるめ)を
求める。
【0039】(顆粒流動性)JIS K 6721のか
さ比重測定用ロートに顆粒60gを入れ、ダンパーを引
き抜いてから顆粒が全量落下するのに要する時間を測定
する。
【0040】実施例1〜3 塩化ビニル樹脂 100部(重量部、以下同様)に対しラウ
リル硫酸ナトリウムを1.0部含有する固形分濃度47%の
水性分散液を、回転円盤式のアトマイザー(直径、 8.4
cm)を有するスプレー乾燥機(塔径 2.75 m、塔長は直
胴部が 3.0m、円錐部が 2.2m、円錐部角度が60度)で
乾燥、造粒した。このとき、回転円盤の回転数は 18000
rpm 、16000rpm、5000rpm(それぞれ実施例1、2および
3)とした。また、乾燥に用いる空気は除湿機を通して
湿度を 0.01 kg水/kg気としたのち加熱して80℃で乾燥
機に供給し、排風温度が45℃になるように乾燥用空気量
を調整した。その他の条件ならびにえられた球状顆粒の
特性の評価結果を表1に示す。
【0041】また、実施例1〜3でえられた顆粒を電子
顕微鏡(約900 倍)で観察し、球状であることを確認し
た。なお、実施例1でえられた球状顆粒を約 900倍に拡
大した電子顕微鏡写真で、顆粒が球状の構造のものであ
ることを示す写真を図1に示す。
【0042】比較例1 回転円盤の回転数を22000rpmに変えたほかは、実施例1
と同じ条件で顆粒を製造し、評価した。
【0043】安息角が40度と著しくわるかった。また、
流動性もわるく、顆粒はかさ比重測定用ロートから落下
しなかった。結果を表1に示す。
【0044】えられた顆粒を電子顕微鏡(約180 倍)で
観察したところ、球状ではなかった。なお、えられた顆
粒を約 180倍に拡大した電子顕微鏡写真で、顆粒の構造
を示す写真を図2に示す。
【0045】比較例2 実施例1でえられた球状顆粒を粉砕したものを製造し、
評価した。安息角、流動性、発塵性とも実施例1〜3の
ものにくらべて劣ったものであった。結果を表1に示
す。
【0046】えられた樹脂を約 900倍に拡大した電子顕
微鏡写真で、粉砕された球状顆粒の構造を示す写真を図
3に示す。
【0047】比較例3 除湿機を通さない空気(0.015kg水/kg空気)を乾燥に
用いた他は実施例3と同じ条件で顆粒を製造し、評価し
た。安息角は42度と著しくわるかった。また、流動性も
わるく、顆粒はかさ比重測定用ロートから落下しなかっ
た。結果を表1に示す。
【0048】えられた顆粒を電子顕微鏡(約100倍)で
観察したところ、球状ではなかった。なお、えられた顆
粒の電子顕微鏡写真で、顆粒の構造を示す写真を図4に
示す。
【0049】比較例4 100ccのステンレスカップに比較例2で製造した粉砕樹
脂20gを仕込み、直径3cmのペラで20℃、400rpmで撹拌
を開始した。そののち、バインダーとしてDOP 2g
を約2分かけて加え、ひき続き30分間撹拌を続けること
により顆粒をえ、評価した。安息角は42度と著しくわる
かった。また、流動性もわるく、顆粒はかさ比重測定用
ロートから落下しなかった。結果を表1に示す。
【0050】えられた顆粒を光学顕微鏡(約100倍)で
観察したところ、球状ではなかった。なお、えられた顆
粒の光学顕微鏡写真で、顆粒の構造を示す写真を図5に
示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の球状塩化ビニル樹脂顆粒は、平
均径が35〜120 μmであり、ゾル化性が良好で、流れ性
のよい球状顆粒であり、粉体特性が良好で、かさ比重の
大きいものである。したがって、空気輸送、ローリー輸
送、さらには自動計量供給などが容易に行なえる。ま
た、輸送コストの低減などをもはかりうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩化ビニル樹脂の粒子構造を示すための電子顕
微鏡写真であり、実施例1でえられた本発明の球状塩化
ビニル樹脂顆粒を約 900倍に拡大した電子顕微鏡写真で
ある。
【図2】塩化ビニル樹脂の粒子構造を示すための電子顕
微鏡写真であり、比較例1でえられた球状でない塩化ビ
ニル樹脂顆粒を約 180倍に拡大した電子顕微鏡写真であ
る。
【図3】塩化ビニル樹脂の粒子構造を示すための電子顕
微鏡写真であり、実施例1でえられた球状顆粒を粉砕し
てえられた比較例2の安息角50度の塩化ビニル樹脂を約
900倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
【図4】塩化ビニル樹脂の粒子構造を示すための電子顕
微鏡写真であり、比較例3でえられた球状でない塩化ビ
ニル樹脂顆粒を約100倍に拡大した電子顕微鏡写真で
ある。
【図5】塩化ビニル樹脂の粒子構造を示すための電子顕
微鏡写真であり、比較例5でえられた塩化ビニル樹脂顆
粒を約100倍に拡大した光学顕微鏡写真である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペースト加工用に用いる球状塩化ビニル
    樹脂顆粒であって、安息角が30〜38度であり、全質量中
    にしめる直径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以
    上であり、平均径が35〜120 μmであり、かさ比重(ゆ
    るめ)0.53〜0.58g/cc、水分率0.01〜1重量%の球状
    塩化ビニル樹脂顆粒。
  2. 【請求項2】 全質量中にしめる直径40μm以上の球状
    顆粒の割合が70重量%以上である請求項1記載の球状塩
    化ビニル樹脂顆粒。
JP19419395A 1995-07-05 1995-07-05 球状塩化ビニル樹脂顆粒 Expired - Lifetime JP2723485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19419395A JP2723485B2 (ja) 1995-07-05 1995-07-05 球状塩化ビニル樹脂顆粒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19419395A JP2723485B2 (ja) 1995-07-05 1995-07-05 球状塩化ビニル樹脂顆粒

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63288608A Division JPH0672169B2 (ja) 1988-11-14 1988-11-14 球状塩化ビニル樹脂顆粒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0848719A JPH0848719A (ja) 1996-02-20
JP2723485B2 true JP2723485B2 (ja) 1998-03-09

Family

ID=16320504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19419395A Expired - Lifetime JP2723485B2 (ja) 1995-07-05 1995-07-05 球状塩化ビニル樹脂顆粒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2723485B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4059929B2 (ja) * 1997-07-07 2008-03-12 新第一塩ビ株式会社 ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法
JP2007119791A (ja) * 2007-02-08 2007-05-17 Shin Dai-Ichi Vinyl Corp ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0848719A (ja) 1996-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Vonk et al. Growth mechanisms of high-shear pelletisation
WO1989000183A1 (en) Non-scattering particulate dye
Chitu et al. Rheology, granule growth and granule strength: Application to the wet granulation of lactose–MCC mixtures
US4892910A (en) Polymer powders of low fines content and method for making the same by spray drying
Obraniak et al. The effects of viscoelastic properties of the wetting liquid on the kinetics of the disc granulation process
Fu et al. An experimental study of the variability in the properties and quality of wet granules
JPH0160049B2 (ja)
JP2723485B2 (ja) 球状塩化ビニル樹脂顆粒
Reynolds et al. High shear granulation
US5378786A (en) Spherical vinyl chloride granules for paste molding
JPH0672169B2 (ja) 球状塩化ビニル樹脂顆粒
Parker et al. Dissolution kinetics of polymer powders
JP6499781B1 (ja) カーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物の製造方法
EP2711378B1 (en) Saponification product of vinyl ester/ethylenic unsaturated carboxylic acid ester copolymer and method for producing same
Barbosa-Canovas et al. Powder characteristics of preprocessed cereal flours
JPS6121492B2 (ja)
JP2956122B2 (ja) カーボンブラックの湿式造粒法
JPH02133409A (ja) 顆粒状ペースト加工用塩化ビニル樹脂
JPS62174231A (ja) 溶解性改良ゼラチンの製法
JPH0655831B2 (ja) 粒子状ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造法
JP4059929B2 (ja) ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法
JPH0789754A (ja) セメント着色用材料及びその製造法
JPH09241387A (ja) 粒状ポリテトラフルオロエチレン粉末の造粒方法
JP2005239865A (ja) 洗剤添加用粒子群及び洗剤組成物
JPS5843227A (ja) 分散液粒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

EXPY Cancellation because of completion of term