JP2722627B2 - シリカ核粒子の成長方法 - Google Patents

シリカ核粒子の成長方法

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JP2722627B2 JP1064076A JP6407689A JP2722627B2 JP 2722627 B2 JP2722627 B2 JP 2722627B2 JP 1064076 A JP1064076 A JP 1064076A JP 6407689 A JP6407689 A JP 6407689A JP 2722627 B2 JP2722627 B2 JP 2722627B2
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    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シリカの微粒子が分散されている有機溶媒
中で、この有機溶媒に加えられたアルキルシリケートを
加水分解させることによる当該シリカ微粒子の径を増大
せしめる、所謂シリカ核粒子の成長方法の改良に関す
る。
本発明のシリカ核粒子の成長方法は、特に、粒子径0.
05〜5ミクロン程度の大きさを有する単分散球状のシリ
カ粒子の工業生産に有用である。
(従来の技術) 有機溶媒中に溶解されたアルキルシリケートを、酸又
は塩基の触媒の存在下加水分解させることによって、こ
の有機溶媒中にコロイダルシリカを生成させるという方
法は古くからよく知られている。
加水分解触媒としてアンモニアを用いると、有機溶媒
のアルコール中に生成したコロイダルシリカ粒子は粒子
径がよく揃った球形であるという、所謂単分散球状シリ
カ粒子が得られることは、著者ステーバー等によって、
「ミクロンサイズ範囲にある単分散シリカ球の制御され
た成長」と題する報文(JOURNAL OF COLLOID AND INTER
FACE SCIENCE第26巻第62〜69頁(1968年))に発表され
ている。
この報文には、アルキルシリケートの加水分解方法と
して、先ず、アルコールとアンモニアと水との混合液を
調製し、この混合液にアルキルシリケートを加える方法
が記載されている。更にこの報文には、溶媒の種類、ア
ルキルシリケートの種類、混合液中の水濃度、アンモニ
ア濃度、アルキルシリケート濃度等による生成シリカ粒
子径、アルキルシリケートの反応速度等への影響も記載
され、これら条件によって粒子径0.2〜2μのシリカ球
が得られるとの実験結果が説明されている。
更にこの報文では、アルシルシリケートとしてペンチ
ルシリケートを用いたときには、液中その濃度が高い
と、反応器底部に分相を形成し、上層の加水分解層への
ペンチルシリケートの連続的供給が起り、粒子径は3μ
にも成長するが、同時にこの分相から連続的に新たな縮
合核が供給されるために、粒子核は不揃いとなる旨説明
されている。
粒子径が揃ったシリカ粒子の製造方法として、特開昭
62−52119号公報には、アルコール溶媒と、水及びアン
モニアからなる反応液として、水濃度を0.5〜50モル/
およびアンモニア濃度を1〜10モル/とし、これら
濃度が反応初期の濃度に対し±50%を越えて変動しない
ように、この反応液に水とアンモニアを加えながらアル
キルシリケートを小量ずつ供給する方法が示されてい
る。そしてこの方法によると、粒子径0.05〜50μのシリ
カ球が変動係数10%以下で得られると説明されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記ステーバー等の報文に記載のシリカ球の製造方法
は、アルコールとアンモニアからなる混合液にアルキル
シリケートを一時に加えてその加水分解と粒子成長を行
わせることによるものである。この方法を工業生産に応
用すると、特にその生産能率を高めることを意図して、
加えるアルキルシリケートの添加量を増大させるときに
は、成長したシリカ球の粒子径が不揃いとなり易い。ス
テーバー等は、上記報文中でペンチルシリケートを加水
分解することによる実験に基いて、多量に加えたペンチ
ルシリケートが上層の加水分解反応系から分相して反応
器底部に溜るが、上層で加水分解の進行につれて上層中
のペンチルシリケート量が減少すると、この溜った下層
のベンチルシリケートが徐々に上層の加水分解反応系に
移行するために、ペンチルシリケートが反応系に連続的
に供給されることによっても3μもの大きいシリカ球に
成長することを教えているが、このペンチルシリケート
の移行によってペンチルシリケートが加水分解される
と、また新たな核粒子も発生し、その成長が起っても先
に成長したシリカ球との粒径差が生じ、その結果、得ら
れたシリカ球は不揃いとなるという点を改良する方法を
教えてはいない。
これに対し、特開生62−52119号公報では、アルコー
ルと水とアンモニアからなる反応液に、アルキルシリケ
ートを連続的に供給すると共に、その反応液中の水とア
ンモニアの濃度がそれぞれ一定となるように、これらを
も反応系に連続的に供給することによって、成長シリカ
球の粒径を揃える方法を提案している。この方法は、反
応液中のシリカ濃度が低いときには好結果が得られが、
シリカ濃度が高い場合には生成シリカ粒子の形状が球形
に揃わずに、球の合体した形状のものが副生したり、場
合によってはゲルの発生を伴うこともあり、生成シリカ
量に対する使用溶媒量の比が大となり効果的ではない。
更に反応系に加えられるアンモニア量も多量であって、
この加えられたアンモニアは、製造現場環境を悪化させ
易い。
更にこの特開昭62−52119号公報には、アルコール中
水とアンモニアの濃度が一定に保たれた反応液中に、ア
ルキルシリケートを連続供給することによって得られた
シリカ球分散の反応液中に、再びその水とアンモニアの
濃度を一定に保ちながらアルキルシリケートを連続的に
供給することによってシリカ球に成長を起させ、粒子径
が増大したシリカ球を得る実施態様も開示しているが、
この方法でも、大規模の工業生産に応用しようとして反
応系中シリカ濃度を高めると、やはり上記と同様に歪形
状粒子の副生やゲル発生が起ったり、或いは高濃度アン
モニアによる環境悪化の問題を起す。
本発明は、アルキルシリケートを溶媒中でアンモニア
にによって加水分解させ、シリカ粒子の成長を起させる
際に、溶媒中に予め加えられたシリカ核粒子の他には、
アルキルシリケートの加水分解生成物による新核等を発
生させないで、この予め加えられたシリカ核粒子の表面
にのみアルキルシリケートの加水分解によるシリカの沈
着を起させ、そしてこのシリカ核粒子の成長中にはそれ
らシリカ粒子の合体、凝集、ゲル化等も起させないで、
高精度に粒子の大きさが制御されたシリカ粒子を効率よ
く製造する方法を提供しようとするものであり、更に、
用いられたアンモニアによる作業環境の悪化も殆ど起さ
せないで効率よくシリカ粒子を製造する方法を提供しよ
うとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明のシリカ核粒子の成長方法は、エタノールとこ
れに対し1〜20重量%量のメタノールとの混合溶媒と、
それぞれこの混合溶媒に対し0.2〜2重量%量のアンモ
ニアと、5〜50重量%量の水と、SiO2として0.005〜10
重量%量のシリカ核粒子とからなるシリカ核粒子の分散
液に、この核粒子の表面積1m2当たり、SiO2に換算して2
g/時以下の速さでアルキルシリケートを供給することを
特徴とする。
この本発明の方法に用いられるアルキルシリケートと
しては、メチルシリケートSi(OCH3、エチルシリケ
ートSi(OC2H5、メチルエチルシリケートSi(OC
H3(CO2H54-n(但し、nは1〜3の整数を表わ
す。)、或いは重合度6以下のこれらアルキルシリケー
トのポリマーであるメチルポリシリケート、エチルポリ
シリケート、メチルエチルポリシリケート等が例示され
る。これらアルキルシリケートは混合して用いてもよ
い。
本発明の方法に用いられるエタノール、メタノール、
アンモニア等は市販の工業製品でよいが、なるべくダス
トを含まない純度の高いものが好ましい。メタノール変
性エタノールも用いることができる。用いられる水も工
業用水でよいが、なるべくダストを含まない純度の高い
ものが好ましい。アンモニアはアンモニア水として用い
ることもできる。
本発明の方法に用いられるシリカ核粒子は、この粒子
表面にシロキサン結合を介してシリカの沈着が起るもの
であればよく、通常、反応活性を示す表面シラノール基
を有するものである。このようなシリカ核粒子は、公知
の種々の方法によって得られる。例えば、前記ステーバ
ー等の報文に記載の如きアルキルシリケートの加水分解
による方法、特開昭62−52119号公報に記載の如きアル
キルシリケートの連続供給と加水分解による方法、沈澱
シリカをアルカリで解膠する方法、ナトリウム水ガラス
等可溶性珪酸塩の水溶液からその中の陽イオンを水素イ
オンで交換した後、アルカリ安定下にコロイダルシリカ
に成長させる方法等により容易に得られる。また、本発
明の方法により得られたシリカ粒子も再びシリカ核粒子
として用い得る。このシリカ核粒子の大きさとしては、
特に制限はなく、通常5ミクロン以下、10ミクロン〜1
ミクロン程度のものが好ましく用いられる。このシリカ
核粒子の大きさ及び形状は、電子顕微鏡による撮影写真
によって容易に求めることができる。また、このシリカ
核粒子の大きさ及び比表面積は、電子顕微鏡観察による
粒子系d(mμ)からS=2720/d(m2/g)の式により、
或いは、窒素ガス吸着法(以下、BET法という。)によ
って容易に求められる。本発明に用いられるこのシリカ
核粒子の形状には特に制限はないが、生成シリカ粒子に
径に揃った形状を望むときには、このシリカ核粒子とし
てなるべく径の揃った球状のものが好ましい。このよう
に、用いられるシリカ核粒子の大きさ及び形状は、目的
とする成長後のシリカ粒子の大きさ及び形状に適合する
ように選ばれる。また、大きさの異なる2種以上のシリ
カ核粒子を組合せて、或いは形状の異なる2種以上のシ
リカ核粒子を組合せて、或いは更に大きさ及び形状のい
ずれも異なる2種以上のシリカ核粒子を組合せて用いる
こともできる。アルコール中でエチルシリケートから上
記加水分解法によって生成した単分散球状シリカは、そ
のまま溶媒に分散された状態でシリカ核粒子として好ま
しく用いられる。
本発明の方法に用いられるシリカ核粒子の分散液は、
上記エタノールとこれに対し1〜20重量%量のメタノー
ルとの混合溶媒と、この混合溶媒に対しそれぞれ0.2〜
2重量%のアンモニアと、5〜50重量%量の水と、SiO2
として0.005〜10重量%量の上記シリカ核粒子とからな
る。その調製方法は任意でよく、例えば、上記シリカ核
粒子のエタノール分散液に、メタノールと水とアンモニ
アとを加えて混合する方法等により容易に行うことがで
きる。
このシリカ核粒子分散液中のシリカ核粒子を成長させ
ることは、この分散液に、この分散液中のシリカ核粒子
の表面積1平方メートル当り、上記アルキルシリケート
をSiO2に換算して1時間に2グラム以下の速さで供給す
ることによって容易に行うことができる。このアルキル
シリケートは、他の物質と混合しないで単度で供給して
もよく、或いはエタノール溶液、メタノール溶液又はエ
タノールとメタノールの混合溶液として供給してもよ
い。或いは更に、このアルキルシリケートの供給の際
に、これと同時に水、アンモニア又はそれらの混合物を
供給してもよい。けれども、いずれの供給方法において
も、シリカ核粒子の分散液組成が上記比率に維持される
ようにアルキルシリケートは供給される。
このアルキルシリケートの供給は、シリカ核粒子分散
液の充分な撹拌下に行うのが好ましく、そしてこの供給
を続ける間シリカ核粒子分散液の温度は変動しない方が
好ましい。この温度は、5〜60℃でよいが、20〜40℃が
好ましい。このアルキルシリケートの供給時間には特に
制限はないが、目的とする成長度、即ち、用いられたシ
リカ核粒子の大きさと成長後のシリカ粒子の大きさとの
差に応じて定められ、また、工業生産の場合には、操業
の利便を考慮して定められる。更に、このアルキルシリ
ケートの供給は、連続的、間けつ的のいずれでもよい。
連続的に供給する場合には、数時間或いはそれ以上にわ
たり供給を続けることができる。そしてこの供給を停止
した後は、通常1〜3時間程度尚液の撹拌を続けるのが
好ましい。かくして本発明の方法により成長したシリカ
粒子をSiO2濃度として1〜20重量%程度、好ましくは3
〜15重量%含有する生成液が得られる。この生成液中に
は、0.05〜5μ程度の成長したシリカ粒子の他に溶媒の
エタノール及びメタノール、水及びアンモニアが含まれ
ているので、この成長したシリカ粒子の用途目的及び使
用形態に合わせて、必要な処理が施される。
例えば、この生成液中のアンモニア及び水が有害であ
る用途には、蒸留法等通常の方法によりそれらを除くこ
とができ、必要に応じ回収することができる。成長した
シリカ粒子の粉末品は、上記生成液をそのまま又はこの
液から成長したシリカ粒子を沈降法等によれ分離した
後、乾燥することによって得られる。
更に上記生成液は、通常の限界濾過法、蒸留法等によ
り濃縮することによって、SiO2濃度を高めて用いること
もできる。また、この生成液を水酸基型陰イオン交換樹
脂と接触させることにより、この液からアンモニアを除
くこともできる。更に蒸留置換法等により生成液中の溶
媒を他の溶媒に置換することもできる。
(作 用) アンモニア触媒によるアルキルシリケートの加水分解
生成物をシリカ核粒子の成長に利用する際、このアルキ
ルシリケートの溶媒として作用し、同時にシリカ核粒子
の分散媒としても作用するアルコール溶媒として、エタ
ノールとこれに対し1〜20重量%量のメタノールとの混
合溶媒を用いると共に、このシリカ核粒子の表面積1m2
当り、アルキルシリケートをSiO22/換算2g/時以下の速
さで供給して加水分解させると、このシリカ核粒子の分
散液中にはアルキルシリケートの加水分解生成物である
新たなシリカ核粒子の発生が起こらずに、そのアルキル
シリケートの加水分解生成物は用いられたシリカ核粒子
の表面にのみシロキサン結合を介して一様に沈着するこ
とが見出された。このことは、このシリカ核粒子とし
て、単分散球状シリカの粒子を用いると、本発明の方法
による成長の結果、生成シリカ粒子はやはり単分散球状
であることによって裏付けられる。けれども、アルキル
シリケートの加水分解の結果に基く新たなシリカ核粒子
の発生を更に厳密に防ぐには、上記アルキルシリケート
の供給速度の制限と共に、これが供給されるシリカ核粒
子分散液中の水の濃度とアンモニア濃度の制限も必要で
あって、それらの好ましい範囲が、上記混合溶媒に対し
アンモニアは0.2〜2重量%であり、水は5〜50重量%
であることが見出された。
SiO2、水及びアンモニア濃度が本発明に用いられるも
のと同じであるシリカ核粒子のエタノール分散液を30℃
で撹拌することを続けても、そのシリカ核粒子の大きさ
及び形状は変化しない。従って、このシリカ核粒子のエ
タノール分散液で、これに加えられたアルキルシリケー
トの制御されていない加水分解の結果生じた生成物が、
シリカ核粒子又は生長を始めたシリカ核粒子の合着、凝
集、ゲル化等を起させ易くしたり、或いは新たな核粒子
を生起させ易くしていると考えられる。
シリカ核粒子の分散液中のアンモニア濃度として混合
溶媒に対し0.2重量%以下ではアルキルシリケートの縮
合反応速度が小さく、シリカの微粒子が発生し易い。反
対にアンモニアの濃度を混合溶媒に対し2重量%以上に
も高めると、アルキルシリケートの加水分解縮合反応が
促進され過ぎるために、やはり成長中のシリカ核粒子へ
の一様なシリカの沈着が起りにくく、生成シリカ粒子の
形状が変動し易く、更にゲルの発生すら起ることもあ
る。これを避けるためにアルキルシリケートの供給速度
を低下させると、シリカ核粒子の成長速度が小さくな
り、生産能率が低下する。
アルキルシリケートの加水分解に必要な化学量論的水
の量比は、アルキルシリケート1モルに対し水2モルの
比率であるが、この加水分解を促進するにはこの量比以
上の水が必要である。シリカ核粒子の分散液中の水濃度
が混合溶媒に対し5重量%以下では、この水分解の促進
が充分でなく、シリカ核粒子の成長速度が小さくなり、
生産能率が低下する。反対に混合溶媒に対する水の量が
50重量%以上では、新たな微粒子が発生したり、生成シ
リカ粒子の形状が変動し易く、シリカ核粒子表面へのシ
リカの一様な沈着が起りにくい。また、水濃度がこのよ
うに高過ぎる場合にはゲルの発生が起ることもある。
シリカ核粒子の分散液に用いられる溶媒組成が、シリ
カ核粒子表面にアルキルシリケートの加水分解生成物を
一様に沈着させるのに重要であることが意外なことに見
出された。エタノールに対しこれに混合されるメタノー
ルの量が1重量%以下では、シリカ核粒子は成長中に合
着し易く、また、20重量%以上にも多いと、加えられた
アルキルシリケートの加水分解の結果に基く新たなシリ
カ核粒子の発生が起り易い。これらはいずれも、生成シ
リカ粒子の形状及び大きさを不揃いにするものである。
シリカ核粒子の分散液中にこのシリカ粒子の濃度とし
て、混合溶媒に対し0.005重量%以下では、アルキルシ
リケートの供給速度が小さくなり、その結果生産効率が
低下するので、この濃度は高い程好ましいが、10重量%
を越えて高過ぎると成長中のシリカ核粒子間で合着が下
り易くなり、得られたシリカ粒子は形状が変動し易い。
このシリカ核粒子の分散液に供給されるアルキルシリケ
ートの供給速度も重要である。アルキルシリケートの供
給速度が大き過ぎると、このアルキルシリケートの加水
分解結果に基く新たなシリカ核粒子が発生し易く、生成
シリカ粒子の大きさが変動し易い。このことは、供給さ
れたアルキルリケートがシリカ核粒子の成長のみに消費
されていないことを意味し、目的とする成長シリカ粒子
の生産能率を低下させる。このアルキルシリケートのSi
O2換算臨界的供給速度は、シリカ核粒分散液中のシリカ
核粒子の表面積1m2当り、1時間にほぼ2gという速さで
あることが見出された。この速さ以下であれば、その速
さの大きい程大きい速度で、シリカ核粒子表面上にシリ
カの一様な沈着が続いて起り、シリカ核粒子は効率的に
成長する。また、反応温度が高い程この供給速度を高め
ることができる。シリカ核粒子表面にシリカの沈着が起
ると、その結果成長した核粒子が生成し、この成長した
核粒子は再び上記同様にして成長を繰り返す。アルキル
シリケートの供給速度としては、満足すべき生産能率の
ためには、シリカ核粒子の表面積1m2当り、SiO2に換算
し0.005g/時以上が好ましい。本発明により、このアル
キルシリケートの供給を続けることにより、その供給時
間経過後には、供給されたアルキルシリケートの全量が
SiO2に変換されて元のシリカ核粒子表面上に一様に沈着
し、元のシリカ核粒子の粒径を増大させることができ
る。従って、このシリカ核粒子の粒径の増加はアルキル
シリケートの供給量によって定まり、例えば、元のシリ
カ核粒子の大きさが数十ミリミクロンであっても、数時
間後にもその数倍の粒子径のシリカ粒子を得ることがで
きる。
(実施例) 実施例1 (イ)シリカ核粒子の調製 ガラス製反応フラスコ中にエタノール1と水400gと
28重量%アンモニア水13.3mlとを投入し、液温を30℃に
保って充分に撹拌した。次いで、この液中に、撹拌下市
販品のテトラエトキシシランを74.9g一時加え、液温を3
0℃に保ちながら3時間撹拌を続けたところ、外観とし
てわずかに濁ったシリカゾルが得らた。
この得られたゾル中のSiO2濃度は1.69重量%であっ
た。また、このゾル中のシリカ粒子は、電子顕微鏡観察
によると平均粒子径が40mμであり、最小粒子の径は30m
μ、最大粒子の径は60mμであった。このシリカ核粒子
の比表面積は、S=2720/dの式にdとして40mμを代入
する。ことにより、68m2/gと算出される。更にこのシリ
カゾルの組成は、上記SiO2量1.69重量%の他に、エタノ
ール67.1重量%、残存水30.9重量%、残留アンモニア0.
26重量%と算出される。
(ロ)シリカ核粒子の成長 エタノールとこれに対し5重量%のメタノールとの混
合溶媒158.6gと、水30.8gと、28重量%のアンモニア水8
mlと、上記(イ)で得られたシリカゾル3.94gとを500ml
のガラス製反応フラスコに撹拌下投入した。次いで、フ
ラスコ内の液を35℃に保ちながら、撹拌下この液中へ8.
27g/時の供給速度の上記と同じエチルシリケートと、3.
6g/時の供給速度の水を、夫々別の供給口から連続的に
6時間にわたって投入し続けた。このアルキルシリケー
トの供給速度は、供給開始時点でSiO2に換算して、シリ
カ核粒子の表面線1m2当り、0.53g/時と算出される。上
記投入6時間経過時点でエチルシリケートと水の投入を
止めた。従って投入されたエチルシリケートの全量は4
9.6gであり、そして水の全投入量は21.6gである。この
アルキルシリケートと水の投入停止後もフラスコ内の液
温を35℃に保ったまま、更に3時間撹拌することによ
り、SiO2濃度5.3重量%の白濁液を得た。
次いで、この白濁液をガラス繊維製のフィルター(GA
−100)で観察した後、液中のシリカ粒子を電子顕微鏡
観察したところ、このシリカ粒子は真球状であって、平
均粒子径0.25μ、最小粒子径0.24μ、最大粒子径0.27μ
であり、小粒子、合着粒子のいずれも存在せず、よく揃
っていた。また、上記ガラスフィルター上の濾過残渣を
水で洗った後、100℃で乾燥したところ、その重量は上
記投入エチルシリケートの換算SiO2に対し0.09重量%で
あった。
実施例2〜5 シリカ核粒子は、実施例1(イ)で得られたシリカゾ
ルが用いられた。シリカ核粒子の成長には、実施例1で
用いられたものとは異なるアルキルシリケートが用いら
れた。このアルキルシリケートは、メトキシ基含有エチ
ルシリケートであって、その分析値は、モノメトキシト
リエトキシシラン25.5重量%、ジメトキシジエトキシシ
ラン1.重量%、テトラエトキシシラン70.3重量%、エタ
ノール2重量%、メチルエチルポリシリケート1重量%
以下であった。このアルキルシリケートが完全に加水分
解されると、そのメトキシ基とエトキシ基から生成した
エタノールとメタノールとは、エタノール100重量部に
対しメタノール6重量部の比率の混合溶媒を形成する。
実施例2では、用いられたシリカゾルは4.53gに増量
され、当初加えられた水は27.2gに減量された。アルキ
ルシリケートは、供給速度9.92g/時で5時間供給が続け
られたが、この間水は全く供給されなかった。その他は
実施例1の(ロ)と同様にしてシリカ核粒子の成長を行
わせることにより白濁液を得た。
実施例3では、用いられたシリカゾル量4.53g、当初
に加えられた水量22.2g、アルキルシリケートの供給速
度9.92g/時、水の供給速度1.72g/時としてこれらの供給
を5時間続けた他は実施例として1の(ロ)と同様にし
てシリカ核粒子の成長を行わせることにより白濁液を得
た。
実施例4では、用いられたシリカゾル量4.53g、当初
に加えられた水量22.2g、当初に加えられたアンモニア
水量10ml、アルキルシリケートの供給速度11.02g/時、
水の供給速度1.47g/時として、これらの供給を4.5時間
続けた他は実施例1の(ロ)と同様にしてシリカ核粒子
の成長を行わわることにより白濁液を得た。
実施例5では、用いられたシリカゾル量9.06g、当初
に加えられた水量22.2g、アルキルシリケートの供給速
度18.04g/時、水の供給速度3.2g/時として、これらの供
給を5.5時間続けた他は実施例1の(ロ)と同様にして
シリカ粒子の成長を行わせることにより白濁液を得た。
次いで、これらの実施例2〜5で得られた白濁液につ
いて、SiO2濃度、ガラスフィルター上の濾過残渣量、生
成シリカ粒子の電子顕微鏡観察を行ったところ、第1表
記載の結果が得られた。
この実施例2〜5で得られた生成シリカ粒子はいずれ
も真球であり、粒子径がよく揃っていて、小粒子及び合
着粒子は混在していなかった。
比較例1 シリカ核粒子を成長させる際に、溶媒として混合溶媒
を用いずに、エタノールのみの溶媒とした他は実施例1
と同様にしてシリカ核粒子の成長を行わせた。生成白濁
液の濾過残渣が0.52重量にも増加し、また生成シリカ粒
子の電子顕微鏡観察では、合着を起こした形状の粒子が
混在していた。
比較例2 シリカ核粒子を成長させる際に、混合溶媒としてエタ
ノールとこれに対し2.5重量%量のメタノールとの混合
溶媒を用いた他は、実施例1た同様にしてシリカ核粒子
の成長を行わせた。生成白濁液と濾過残渣が0.05重量%
であったが、生成シリカ粒子の電子顕微鏡観察では、平
均粒子径が0.22μと小さくなり、更にこれら粒子よりも
かなり小さな粒子が多数混在していた。この小さな粒子
は、アルキルシリケートの加水分解の際に新核が発生し
たことによりものと考えられる。
比較例3 シリカ核粒子を成長させる際に、溶媒に加えられる当
初の水の量を21.8gとし、アンモニア水の添加量を22ml
に増加させた他は、実施例1と同様にしてシリカ核粒子
を成長させた。濾過残渣が0.41重量%にも増加し、生成
シリカ粒子の電子顕微鏡観察によると、合着した形状の
粒子がかなり混在していた。
実施例6 (イ)シリカ核粒子の調製 実施例1の(イ)と同様であるが、加える水量は154g
に、アンモニア水の量は40mlに、エチルシリケートの量
は124gに、そして液温は25℃に変更された。3時間の撹
拌後乳白色のシリカゾルが得られた。その生成シリカ粒
子を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径は0.20μ
であり、最小粒子径0.19μ、最大粒子径0.21μであっ
た。また、そのシリカ粒子の比表面積は13.6m2/gと算出
された。更にこの液は、SiO2濃度3.23重量%、エタノー
ル81.5重量%、水14.3重量%、アンモニア0.91重量%の
組成を有する。
(ロ)シリカ核粒子の成長 エタノールとこれに対し3重量%のメタノールとの混
合溶媒を用い、実施例6の(イ)で得られたシリカゾル
の使用量を25.7gとし、エチルシリケートの供給速度を1
2g/時とし、更に水の供給速度を5.2g/時として、25℃で
これらの供給を5時間続けた他は実施例1の(ロ)と同
様にしてシリカ核粒子の成長を行わせた。白濁液が得ら
れた。この液中は、SiO2が5.9重量%含まれていた。濾
過残渣は0.09重量%であった。この生成液中のシリカ粒
子を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径0.55μで
径はよく揃っていて球状であり、小粒子及び合着粒子の
いずれも存在していなかった。
比較例4 シリカの核粒子を成長させる際、溶媒として混合溶媒
は用いずにエタノールのみからなる溶媒を用いた他は、
実施例6の(ロ)の同様にしてシリカの核粒子を成長さ
せたところ、生成液は濾過残渣が0.63重量%に増加し、
生成シリカの電子顕微鏡観察によると平均粒子径は0.55
μであったが、合着粒子が混在していた。
(発明の効果) 本発明のシリカ核粒子の成長方法によると、小粒子及
び合着による大粒子の副生のいずれも起らず、またフィ
ルターで除去すべき濾過残渣も極めて微量である。更
に、加水分解触媒のアンモニア量も著しく少ないから、
シリカ粒子の製造環境の悪化も殆ど起らない。更に加水
分解に供されるアルキルシリケートは殆ど全量シリカ核
粒子の成長のみに消費され、そして液中シリカ濃度を高
めてシリカ核粒子を成長させることができるので、効率
よくシリカ粒子を製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エタノールとこれに対し1〜20重量%量の
    メタノールとの混合溶媒と、それぞれこの混合溶媒に対
    し、0.2〜2重量%量のアンモニアと、5〜50重量%量
    の水と、SiO2として0.005〜10重量%量のシリカ核粒子
    とからなるシリカ核粒子の分散液に、この核粒子の表面
    積1m2当たり、SiO2に換算して2g/時以下の速さでアルキ
    ルシリケートを供給することを特徴とするシリカ核粒子
    の成長方法。
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