JP2722009B2 - 積層板用樹脂組成物及び積層板の製造法 - Google Patents

積層板用樹脂組成物及び積層板の製造法

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JP2722009B2
JP2722009B2 JP2230568A JP23056890A JP2722009B2 JP 2722009 B2 JP2722009 B2 JP 2722009B2 JP 2230568 A JP2230568 A JP 2230568A JP 23056890 A JP23056890 A JP 23056890A JP 2722009 B2 JP2722009 B2 JP 2722009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、電気特性、特に誘電特性に優れ、しかも耐
熱性の良いプリント配線基板用の積層板用樹脂組成物及
び積層板の製造法に関する。
<従来の技術> 近年、電子素子の高密度化、信号の高速化、高周波数
化に伴い信号の遅延と装置の発熱が問題になってきてい
る。信号の遅延時間は比誘電率の平方根に比例して大き
くなるため、高速電子機器のプリント配線板としては、
誘電率の低いものが求められている。一般に広く用いら
れているガラス布を基材とするエポキシ樹脂積層板は、
誘電率が4.5〜5.0とかなり大きく、高速電子機器用、高
周波機器用としては不十分である。
一方、誘電率を低くするために、ポリエチレン、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリフェニレンオキサイド、
ポリスルホンなどを用いた積層板が開発されている。し
かしながら、これらは熱可塑性樹脂であるため、強度又
は半田耐熱性等が十分でないという問題がある。
更にエポキシ化ポリブタジエンとフェノール化合物と
を用いた電気特性に優れた積層板が提案されている(特
開昭60−86134、特開昭61−192720)。しかしこれらは
誘電率は低いものの、ガラス転移温度(以下Tgと略す)
が低く、またプリプレグに粘着性があるために、工業的
には生産性が悪いという問題点がある。
更にまた、フェノール類付加ブタジエン重合体とエポ
キシ化合物を配合したプリプレグと、粘着性がない積層
板も知られている。(特開昭61−126162、特開平1−16
3256)。該積層板は、Tgが100〜165℃と比較的高く、電
気特性にも優れているものの、最近の電子機器において
は、表面実装が増加しているので、少なくとも170℃以
上のTgが必要となりつつあり、更にTgが高い積層板の開
発が望まれている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、Tgが高く、誘電率、誘電特性などの
電気特性に優れ、しかも耐熱性、耐湿性、難燃性などの
特性にも優れた積層板用樹脂組成物及び積層板の製造法
を提供することにある。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明によれば、(A)数平均分子量500〜5
000であり、結合しているブタジエンユニットの50%以
上が1,2−結合であるブタジエン重合体あるいは共重合
体に、フェノール類を付加させた、常温で固体であるフ
ェノール類付加ブタジエン重合体あるいは共重合体100
重量部、(B)臭素化エポキシ樹脂50〜100重量部、
(C)1分子中に2個以上のマレイミド基を有する化合
物75〜125重量部および(D)硬化促進剤0.05〜5.0重量
部を構成成分として含む積層板用樹脂組成物が提供され
る。
また本発明によれば、前記組成物を有機溶媒に溶解し
てワニスとし、次いで基材にワニスを含浸させた後に、
乾燥させることにより積層板用プリプレグを作製し、得
られたプリプレグを熱圧プレス法により成形加工する、
積層板の製造法が提供される。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明の積層板用樹脂組成物は、(A)特定のフェノ
ール類付加ブタジエン重合体あるいは共重合体(以下、
(A)成分と称す)、(B)臭素化エポキシ樹脂(以
下、(B)成分と称す)、(C)特定のマレイミド基を
有する化合物(以下、(C)成分と称す)及び(D)硬
化促進(以下、(D)成分と称す)を特定割合で配合し
た成分を含む組成物である。
本発明において、(A)成分は、数平均分子量500〜5
000、好ましくは700〜3000であり、結合しているブタジ
エンユニットの50%以上が1,2−結合であるブタジエン
重合体あるいは共重合体にフェノール類を付加させた、
常温で固体である重合体あるいは共重合体である。前記
(A)成分の出発原料であるブタジエン重合体あるいは
共重合体の数平均分子量が500未満の場合には、得られ
る積層板の強度が弱く、耐熱性も低下する。また数平均
分子量が5000を超える場合には流動性が悪くなるので積
層板の成型性が悪くなる。また結合しているブタジエン
の1,2−結合が50%未満の場合には、フェノール類の付
加反応の際に一部ゲル状物が生成するなどの問題が生じ
る。前記ブタジエン重合体あるいは共重合体を調製する
には、例えば、アルカリ金属または有機アルカリ金属化
合物を触媒として炭素数4〜10の共役ジオレフィン単独
あるいはこれらの混合物又は共役ジオレフィンに対して
50モル%以下の量の芳香族ビニルモノマー、具体的には
例えばスチレン、α−メチルスチレン又はビニルトルエ
ン等を、0〜100℃の温度でアニオン重合または共重合
させる方法等の公知の方法で製造することができる。こ
の際重合体又は共重合体の分子量を制御し、ゲル分など
の少ない淡色の低重合体を得るためには、例えばベンジ
ルナトリウム等の有機アルカリ金属化合物を触媒とし、
アルキルアリール基を有する化合物、例えばトルエン等
を連鎖移動剤とする連鎖移動重合法(特公昭54−1558
6)、テトラヒドロフラン溶媒中でナフタレン等の多環
芳香族化合物を活性剤とし、ナトリウム等のアルカリ金
属を触媒とするリビング重合法(特公昭42−17485、特
公昭43−27432)、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素を溶媒とし、ナトリウム等のアルカリ金属の分散体
を触媒とし、ジオキサン等のエーテル類を添加して分子
量を制御する重合法(特公昭32−7446、特公昭34−1018
8、特公昭38−1245)又は例えばコバルトニッケル等の
第8族金属のアセチルアセトナート化合物およびアルキ
ルアルミニウムハロゲニドを触媒とする配位アニオン重
合法(特公昭45−507、特公昭46−80300)等により行う
ことができる。
本発明の(A)成分に用いるフェノール類としては、
例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメ
チルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノー
ル、ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、アミ
ルフェノール、ヘキシルフェノール、ノニルフェノー
ル、ドデシルフェノールなどの一価のフェノール化合物
等が挙げられ、特に経済性を考慮するとフェノール、ク
レゾール、キシレノール等を好ましく挙げることができ
る。
該フェノール類の前記ブタジエン重合体あるいは共重
合体への付加量は、ブタジエン重合体あるいは共重合体
100gに対し、通常0.1〜1モル、好ましくは0.2〜0.5モ
ルである。フェノール類の付加量が0.1モル未満では、
硬化物の架橋密度が小さくなってTgが低下し、1モルを
超えると生成物の流動性が悪くなり成型性が低下するの
で好ましくない。
本発明において、(A)成分を調製するには、例えば
硫黄、過塩素酸、p−トルエンスルホン酸、塩化アルミ
ニウム、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・エーテル錯
体、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、好ましくは三フ
ッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・エーテル錯体、三フッ化
ホウ素・フェノール錯体及びこれらの混合物等から成る
群より選択される化合物を触媒とし、前記ブタジエン重
合体あるいは共重合体に、フェノール類を過剰に、好ま
しくは付加量の3〜5倍量付加反応させることにより得
ることができる。該付加反応は、溶媒を用いて行うこと
もできるが、使用する溶媒量が多いと高分子量化などの
副反応が生じるので好ましくない。また前記フェノール
類を過剰に用いるのは、フェノール類の付加量を多くす
ることができ、しかも高分子量化などの副反応を抑制す
ることができるからである。前記付加反応させる際の反
応温度は0〜120℃、特に50〜100℃であるのが好まし
い。反応温度が120℃より高いと高分子量化などの副反
応が生じ、また0℃未満では、反応温度が低すぎて、反
応が遅延し、経済的に不利であるので好ましくない。
本発明において用いる前記(A)成分には、例えばノ
ボラック型フェノール樹脂、臭素化ノボラック型フェノ
ール樹脂、ポリビニルフェノール、臭素化ポリビニルフ
ェノール、テトラブロモビスフェノールAなどの多価フ
ェノール化合物等を含有させることもできる。これらの
含有量は(A)成分100重量部に対し100重量部以下、好
ましくは50重量部以下が望ましい。この際100重量部を
超えると誘電率が高くなるので好ましくない。
本発明に用いる(B)成分としては例えば、テトラブ
ロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、商品名
「エポトートYDB−400」(東都化成(株)製)、商品名
「エピクロン165」(大日本インキ化学工業(株)製)
等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名
「BREN−S」(日本化薬(株)製)等の臭素化ノボラッ
ク型エポキシ樹脂等が挙げられ、使用に際しては単独若
しくは混合物として用いることができる。また該(B)
成分に多官能エポキシ樹脂を含有させることもできる。
該多官能エポキシ樹脂としては、例えば商品名「YH−
434」、「YDCN−704」(以上、東都化成(株)製)、商
品名「エピコート1031(S)」、「エピコート1032H6
0」(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、商品名「B
REN−S」(日本化成(株)製)等が挙げられる。該多
官能エポキシ樹脂の含有量は(B)成分100重量部に対
して、通常0〜80重量部、好ましくは20〜60重量部であ
るのが望ましい。
さらに(B)成分には、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂あるいはノボラック型エポキシ樹脂等を難燃性を低
下させない程度に含有させることもでき、また難燃性を
向上させるために三酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、ホウ酸亜鉛等の無機難燃剤を含有させることもでき
る。
前記(B)成分の配合割合は、(A)成分100重量部
に対して50〜100重量部、好ましくは60〜90重量部であ
り、特に組成物中の臭素含有量が15〜25重量%になるよ
うに用いるのが難燃性を達成するために好ましい。この
際(B)成分の配合割合が50重量部未満では架橋密度及
び耐熱性が低下し、さらに難燃性も不十分である。また
100重量部を超える場合には、耐熱性が低下する。
本発明の(C)成分は、1分子中に2個以上のマレイ
ミド基を有する化合物である。該1分子中に2個以上の
マレイミド基を有する化合物としては、例えば下記一般
式(I) (式中、R1およびR2は、同一若しくは異なる基であっ
て、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す)
で表されるマレイミド基を1分子中に2個以上有する化
合物であり、具体的には例えばビスマレイミド(三菱油
化(株)製、商品名「MB−3000H」、「MB−7000」)、
多官能マレイミド(三菱油化(株)製、商品名「MP−20
00X」)などが挙げられる。前記(C)成分の配合割合
は、(A)成分100重量部に対して75〜125重量部、好ま
しくは90〜110重量部である。配合割合が75重量部未満
ではTgが低下し、また125重量部を超える場合には、流
動性が悪くなり、また経済的に不利であるなどの問題が
生じる。
本発明の(D)成分としては、第三級ホスフィン類、
第三級アミン類、イミダゾール類等を挙げることがで
き、使用に際しては単独若しくは混合物として用いるこ
とができる。具体的には、前記第三級ホスフィン類とし
ては、下記一般式(II) (式中、R3,R4およびR5は同一若しくは異なる基であっ
て、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリー
ル基を示す)で表される化合物、例えばトリエチルホス
フィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ンなどを挙げることができる。また第三級アミン類とし
ては、例えばジメチルエタノールアミン、ジメチルベン
ジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノ
ール、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7な
どを挙げることができる。イミダゾール類としては、例
えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチ
ルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘ
プタデシルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミ
ダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、2
−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウン
デシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒ
ドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベン
ジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどを挙げる
ことができ、特に2−メチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチル
イミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾールを好ましく用いることができ
る。前記(D)成分の使用量は(A)成分100重量部に
対して0.05〜5.0重量部、好ましくは0.1〜2.5重量部で
ある。(D)成分の使用量が5.0重量部を超えると、初
期の硬化速度は速いが、得られる硬化物の耐熱性が劣
る。また0.05重量部未満では、硬化反応が十分に行われ
ないために耐熱性が低下する。
本発明の積層板用樹脂組成物は、以上に述べた
(A),(B),(C)および(D)成分を含有するも
のであるが、特に積層板用樹脂組成物の硬化物のガラス
転移温度がTMA法で、通常170℃以上であることが望まし
い。Tgが170℃未満では、積層板の耐熱性が表面実装用
としては劣るために好ましくない。
本発明の樹脂組成物を用いて積層板、即ち樹脂組成物
の硬化物を製造するためには、まず本発明の樹脂組成物
を適当な有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミドな
どに溶解してワニスとし、次いで基材にワニスを含浸さ
せた後、乾燥させることにより積層板用プリプレグを作
製することができる。該基材としては、例えばガラス
布、ガラス不織布、合成繊維布、合成繊維不織布、紙、
綿布などが用いられる。また基材にワニスを含浸させる
方法は特に限定はされないが、通常基材をワニスに浸漬
する方法等により含浸させることができる。このように
して得られるプリプレグは粘着性がなく、取り扱いやす
いものである。
得られたプリプレグを積層板に成型加工するには通常
の熱圧プレス法等を用いることができる。具体的には例
えば、成型温度150〜200℃、成型圧力20〜100kg/cm2
成型時間30〜300分の条件で熱圧プレスを行うのが好ま
しい。
特に該成型加工の際にはプリプレグを重ね、その上に
銅箔を重ねて上記の成型加工をすると、非常にきれいな
銅張積層板が得られる。得られる積層板は電気特性、と
りわけ誘電特性に優れ、ガラス転移温度が高く、かつ吸
湿性、耐化学薬品性、耐熱性にも優れたものである。
<発明の効果> 本発明の積層板用樹脂組成物は、特に1分子中に2個
以上のマレイミド基を有する化合物を特定量含有するの
で、該組成物を硬化させてなる硬化物はTgが高く、電気
特性に優れ、しかも耐熱性、耐湿性、難燃性等に優れた
ものである。
<実施例> 以下に具体例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1 o−クレゾール2700gとトルエン300gを還流冷却器と
リービッヒコンデンサー付きの5反応器に仕込み、17
0℃に加熱し、トルエン250gを留出し、系内の水分が60p
pmになるまで脱水した。そして系を80℃にし、三フッ化
ホウ素・フェノール錯体35gを添加し均一にした後、反
応温度を80℃に制御しながらポリブタジエン(日本石油
化学(株)製、数平均分子量1000、ブタジエンユニット
の65%が1,2−結合、商品名、日石ポリブタジエン「B
−1000」)1000gを3時間かけて徐々に滴下した。滴下
終了後80℃で30分反応を続けた後、水酸化カルシウム35
gを添加し、30分撹拌し触媒を失活吸着させた後、セラ
イトを敷き詰めた濾紙を用いて反応生成物を濾過した。
得られた透明な炉液を230℃で減圧蒸留し、本発明の
(A)成分であるo−クレゾール付加ブタジエン重合体
(A−1)を得た。
得られたo−クレゾール付加ブタジエン重合体(A−
1)は軟化点が170℃で、フェノール性水酸基の含有量
は樹脂100g当たり300ミリモルであった。またIR分析お
よびNMR分析から、このo−クレゾール付加ブタジエン
重合体には不飽和結合がほとんど含まれていないことが
分かった。しかもGPC分析からo−クレゾール付加量に
相当する程度しか高分子量化していないことも明らかに
なった。以上のことからo−クレゾールの付加反応と平
行してブタジエン重合体の二重結合の分子内環化反応が
生じているものと推定される。
実施例1 合成例1で製造したo−クレゾール付加ブタジエン重
合体(A−1)100gに対し、臭素化エポキシ樹脂商品名
「YDB−400」(東都化成(株)製)79.4g、4官能エポ
キシ樹脂商品名「YH−434」(東都化成(株)製)26.5
g、ビスマレイミド商品名「MB−7000」(三菱油化
(株)製)88.2gおよび2−フェニル−4−ベンジル−
5−ヒドロキシメチルイミダゾール1.8gと1−シアノエ
チル−2−エチル−4−メチルイミダゾール1.5gとを、
ジメチルホルムアミド120gとメチルエチルケトン120gと
の混合溶剤に溶解し、含浸用ワニスを得た。このワニス
にガラス布基材(日東紡績(株)製、商品名「WE 18W
105」)を浸漬し、引き上げた後、150℃で15分間乾燥
し、粘着性のないプリプレグを得た。このプリプレグを
8枚重ね、そして両面に厚さ35μmの電解銅箔(日鉱グ
ールドフォイル(株)製)を敷き、温度200℃、成型圧
力30kg/cm2で4時間積層成型を行い、厚さ1.6mmの両面
銅張積層板を得た。
この積層板の性能を表1に示す。なお、この積層板の
各種性能はJIS C 6481およびUL規格に従って測定し
た。
比較例1 ビスマレイミドを配合しない以外は実施例1と全く同
じ方法で積層板を作製した。性能を表1に示す。
比較例2 ビスマレイミドの添加量を合成例1で製造したo−ク
レゾール付加ブタジエン重合体(A−1)100g当たり5
2.6gに減らしたこと以外は実施例1と全く同じ方法で積
層板を作製した。性能を表1に示す。
実施例2 合成例1で製造したo−クレゾール付加ブタジエン重
合体(A−1)100g、臭素化エポキシ樹脂商品名「YDB
−400」(東都化成(株)製)80.0g、ノボラックエポキ
シ樹脂商品名「YDCN−704」(東都化成(株)製)27.0
g、多官能マレイミド品名「MP−2000 X」(三菱油化
(株)製)90.0g及び2−フェニル−4−ベンジル−5
−ヒドロキシメチルイミダゾール1.8gと1−シアノエチ
ル−2−エチル−4−メチルイミダゾール1.5gとを、ジ
メチルホルムアミド120gとメチルエチルケトン120gとの
混合溶剤に溶解し、含浸用ワニスを得た。
このワニスにガラカ布基材(日東紡績(株)製、商品
名「WE 18 W 105」)を浸漬し、引き上げた後、150
℃で15分間乾燥し、粘着性のないプリプレグを得た。こ
のプリプレグを8枚重ね、その両面に厚さ35μmの電解
銅箔(日鉱グールドフォイル(株)製)を敷き、温度20
0℃、成型圧力30kg/cm2で4時間積層成型を行い、厚さ
1.6mmの両面銅張積層板を得た。
この積層板の性能を表2に示す。なお、この積層板の
各種性能はJIS C 6481およびUL規格に従って測定し
た。
比較例3 多官能マレイミドを配合しない以外は実施例2と全く
同じ方法で積層板を作製した。性能を表2に示す。
比較例4 多官能マレイミドの添加量を合成例1で製造したo−
クレゾール付加ブタジエン重合体(A−1)100g当たり
50.0gに減らした以外は実施例1と全く同じ方法で積層
板を作製した。性能を表2に示す。
表1および表2から明らかなように、比較例1および
比較例3のように1分子中に2個以上のマレイミド基を
有する化合物を配合していない組成物は電気特性、吸水
率、難燃性などは優れているがTgが低い。また比較例2
及び比較例4のように1分子中に2個以上のマレイミド
基を有する化合物の配合量の少ない組成物は、電気特
性、吸水率、難燃性などは優れているがTgが低い。それ
に対して実施例1および実施例2のように1分子中に2
個以上のマレイミド基を有する化合物を適当量配合した
組成物は電気特性、吸水率、難燃性などの性能を低下さ
せることなくTgを高くすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 15/00 C08L 15/00 63/00 63/00 A H05K 1/03 630 H05K 1/03 630G (72)発明者 榎本 政美 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本 石油株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−163256(JP,A) 特開 平2−132155(JP,A) 特開 平2−187461(JP,A) 特開 平2−202910(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)数平均分子量500〜5000であり、結
    合しているブタジエンユニットの50%以上が1,2−結合
    であるブタジエン重合体あるいは共重合体に、フェノー
    ル類を付加させた、常温で固体であるフェノール類付加
    ブタジエン重合体あるいは共重合体100重量部、 (B)臭素化エポキシ樹脂50〜100重量部、 (C)1分子中に2個以上のマレイミド基を有する化合
    物75〜125重量部および (D)硬化促進剤0.05〜5.0重量部を構成成分として含
    む積層板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の積層板用樹脂組成物を有機
    溶媒に溶解してワニスとし、次いで基材にワニスを含浸
    させた後に、乾燥させることにより積層板用プリプレグ
    を作製し、得られたプリプレグを熱圧プレス法により成
    形加工する、積層板の製造法。
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