JP2721240B2 - 血圧計におけるカフ圧制御方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は血圧計におけるカフ圧の制御方法及び装置に
関し、特に非侵入型（non−invasive type）の血圧計に
おけるカフ圧の制御方法及び装置に関する。

本発明において、カフ圧を制御するメカニズムは１つ
若しくはそれ以上のバルブからなり、バルブの動作は制
御要素により、バルブが心臓のパルス周波数以上のパル
ス周波数で動作するように制御される。

〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕

血圧は一般に患者の腕に巻かれたカフ（Cuff）に空気
をポンプで送り込むことにより測定される。カフ圧が動
脈流を停止させるに充分に高いとき、カフ圧の減少が開
始する。カフ圧が降下すると、所謂Korotkoff音が聞こ
える。音が可聴範囲になると、心臓収縮圧の読取が行わ
れる。圧力の低下が続くとKorotkoff音は徐々に消え
る。心臓拡張圧の読取は可聴範囲の音が消える瞬間に得
られる。

フィンランド特許第853781号は、自動血圧測定装置を
開示している。この装置はカフと、ポンプと、スロット
ル要素を備えた少なくとも２つの磁気バルブと、マルチ
プロセッサを具備する。スロットル要素は薄いチューブ
からなり、この薄いチューブの長さにより圧力減少率の
効果を得る。通常、１つの装置に複数のスロットル要素
を用い、各スロットル要素は異なる長さのチューブに留
められる。各スロットル要素はそれ自身の磁気バルブに
より制御される。磁気バルブはマルチプロセッサにより
制御され、マルチプロセッサは、一定の瞬間に線型のカ
フ空気圧の減少率を保持するため最適なスロットル要素
に依存して所定の磁気バルブを開放する。この場合、必
要に応じて数個の磁気バルブが同時に開放される。

しかしながら、この形式の自動血圧測定装置は磁気バ
ルブやスロットル要素等の構成要素が非常に大きくな
り、従って、直線的なカフ圧減少率を得ることが困難で
ある。さらに、バルブの頻繁な開閉動作は精密な測定を
阻害する。

カフ圧の減少はステップモータ駆動のニードルバルブ
により制御することもできる。均一な圧力効果を保持す
るため、バルブは測定中に調整しなければならない。し
かしながら、この形式の装置は製造工程が複雑であり、
非常にコストアップとなる欠点がある。

本発明の目的は、簡素な構造と低コストと小型化され
たカフ圧制御装置と制御方法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、血圧計に使用されカフ（３）の圧力を制御
するカフ圧制御装置であって、１つ若しくはそれ以上の
バルブ（４）と、前記バルブ（４）が心臓のパルス周波
数よりも高い周波数で開閉動作するように前記バルブ
（４）を制御する１つ若しくはそれ以上の制御要素
（５）とを具備することを特徴とする。

〔作用〕

本発明はパルス制御の高速バルブを使用することを基
本とし、カフ圧の降下は完全に直線的な形態で行うこと
ができる。バルブの制御はカフ圧測定要素、例えば、圧
力センサからの検出信号に基づき行われる。

測定値の処理とこれによるバルブ制御にため、アナロ
グ若しくはデジタル回路からなる特定の制御手段を必要
とする。最も最適にはマルチプロセッサである。マルチ
プロセッサにはパルス幅変調された出力を供給する。

アナログ制御の場合では、圧力センサからの信号はバ
ッファ増幅器において不均一に降下するアナログ制御信
号と比較される。バッファ増幅器の出力はパルス幅変調
によりバルブを制御する。

本発明の顕著な特徴は圧力センサからの検出信号に基
づきバルブ制御を行う制御要素が、パルスの所定期間の
時間周期と周波数に基づきバルブの開閉を制御すること
にある。

アナログ若しくはデジタル回路から送られたパルス幅
を調整することにより、単位時間にバルブを流れるガス
若しくは液体の量を直線的に調節することが可能とな
る。実際には、これは所定の時間周期でバルブを開放
し、かつカフに含まれたガス又は液体が所定の時間周期
でバルブを閉鎖するように流入する。この連続する開閉
サイクルの期間は圧力センサからの検出信号によりこれ
らの回路にて自動的に制御される。従って、カフ圧力降
下は自在に調整することができる。充分に高いパルス周
波数により圧力ショックによる血圧測定中の混乱を回避
する事ができる。最適なパルス周波数は35〜60Hzであ
る。しかしながら、このパルス周波数は心臓のパルス周
波数よりも高い必要がある。これは実際の血圧測定を混
乱させないためである。

本発明の装置はバルブが一定のパルス周波数と可変す
るパルス幅において動作するか、若しくはバルブが可変
する周波数と一定のパルス幅で動作するかの点である。
さらに、血圧測定中にパルス周波数も幅も可変する場合
も可能である。さらに、バルブのパルス周波数も幅も一
定に保持されることもできる。

本発明の実施は、１つのバルブで充分である。勿論、
複数のバルブを並列に設けることもでき、この場合、個
々のバルブの寿命を延ばすことができる。適切なバルブ
としてソレノイドバルブ、圧電バルブ、磁歪バルブがあ
る。この場合、ソレノイドバルブは非常に故障が少ない
点で血圧測定用として最適である。圧電バルブの耐久性
はソレノイドバルブよりあるが高い電圧で動作させると
きは適切ではない。

バルブは血圧測定装置のいずれの場所にも設置できる
が、より適切にはポンプからカフに通じるチューブの付
近が良い。又、カフ自身に配置しても良い。

本発明のカフ圧制御装置は、バルブ自身がカフ圧の直
線的な降下を制御できるのでスロットル要素を除去する
こともできる。

〔実施例〕

以下、図面に沿って本発明を詳細に説明する。

第１図において、１はポンプ、２はチューブ、３はカ
フ（Cuff）、４はバルブ、５は制御要素、６は圧力セン
サである。ポンプ１はチューブ２を介してカフ３に通じ
ている。チューブ２は圧力の減少のためバルブ４に取り
付けられる。バルブ４は制御要素５により制御され、制
御要素５はカフ３に取り付けられた圧力センサ６からの
検出信号により動作する。制御要素５はポンプ３の動作
も制御する。

ポンプ１はカフに充分高い圧力を与えるためのもので
ある。圧力が減少すると、パルス制御され高速動作する
バルブ４は血圧測定サイクルの間、数回開放と閉鎖を繰
り返す。バルブを調節する制御要素５の使用により、カ
フ３の圧力低下を完全に線型な方法で調節することがで
きる。圧力の低下率はバルブ４を調節する制御要素５に
より自在に制御できる。バルブ４の動作は主として下記
の４つの異なる方法（１）〜（４）により制御要素５に
より制御される。即ち、 （１）バルブ４のパルス周波数は一定に保持されるが、
パルス幅は可変される。カフ３の圧力が高いとき、バル
ブ４は１オン／オフサイクルについて短い時間だけ開放
する。圧力が初期の圧力より低いとき、バルブ４は１オ
ン／オフサイクルについてより長い時間だけ開放する。
これは単位時間に流出する空気量が、カフ３の圧力がよ
り高いときに流出する空気量より少ないからである。バ
ルブ４の開放回数の頻度は変化せず保持する。

（２）バルブ４のパルス幅は一定に保持されるが、パル
ス周波数は可変される。この場合、連続するオン／オフ
サイクルにおける開放時間は血圧測定中を通して同じで
ある。実際に、バルブ４はカフ３における圧力の低下が
低ければ低い程より頻繁にある単位時間で開放する。

（３）バルブ４のパルス幅も周波数も可変される。この
場合、連続するオン／オフサイクルにおけるバルブ４の
開放時間と開放回数の頻度は可変することができる。

（４）バルブ４のパルス幅も周波数も、血圧測定に必要
な全期間に対しても、又は測定中に必要な一部の時間に
対しても、一定に保持する。従って、前者の場合、連続
するオン／オフサイクルにおけるバルブ４の開放時間は
一定に保持し、バルブ４の開放回数の頻度に適用され
る。後者の場合、連続するオン／オフサイクルにおける
バルブ４の開放時間はバルブ４の開放回数の頻度と同様
にある時間周期に対し一定に保持するが、バルブ４の開
放時間及び開放回数の頻度又はその両方とも測定サイク
ルのある一定周期において可変することもできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、簡素な構造と
低コストと小型化されたカフ圧制御装置を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の基本構成ブロック図である。 （符号の説明） １……ポンプ、 2,7……チューブ ３……カフ、 ４……バルブ、 ５……制御要素、 ６……圧力センサ、

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】血圧計に使用され患者に装着されるカフの
   内部圧力を制御するカフ圧制御装置において、 前記カフ（３）内に空気を送るポンプ（１）と、 前記カフと前記ポンプを連通する第１のチューブ（２）
   と、 前記カフ内の圧力を検出するために前記カフに結合され
   る圧力センサ（６）と、 少なくとも前記第１のチューブの途中に設けられ、パル
   ス状に開閉動作する１つ若しくはそれ以上のバルブ
   （４）と、 前記圧力センサからの検出圧力に基づいて、前記バルブ
   が少なくとも35Hz又はそれ以上のパルス周波数で、かつ
   患者の心臓のパルス周波数より高い周波数で動作するよ
   うに、前記バルブの開閉を制御する１つ若しくはそれ以
   上の制御要素（５）と、 を具備することを特徴とするカフ圧制御装置。
2. 【請求項２】前記バルブ（４）はソレノイドバルブ、圧
   電バルブ、若しくは磁歪バルブである請求項１に記載の
   カフ圧制御装置。
3. 【請求項３】前記バルブ（４）のパルス周波数は35乃至
   60Hzの範囲である請求項１に記載のカフ圧制御装置。
4. 【請求項４】前記制御要素（５）はアナログ回路で構成
   される請求項１に記載のカフ圧制御装置。
5. 【請求項５】前記制御要素（５）はマイクロプロセッサ
   で構成される請求項１に記載のカフ圧制御装置。
6. 【請求項６】前記マイクロプロセッサの出力はパルス幅
   変調される請求項５に記載のカフ圧制御装置。
7. 【請求項７】血圧計に使用され、患者に装着されるカフ
   （３）と、前記カフに空気を送るポンプ（１）と、前記
   ポンプと前記カフの間を連通するチューブ（２）の途中
   に設けられたバルブ（４）と、前記カフ内の圧力を検出
   する圧力センサ（６）と、前記圧力センサからの検出出
   力に基づいて前記バルブの開閉動作を制御する制御要素
   （５）とを備えたカフ圧制御装置のカフ圧制御方法にお
   いて、 前記制御要素に前記圧力センサの検出出力を入力し、 前記バルブは前記制御要素の制御のもとで、少なくとも
   35Hz又はそれ以上のパルス周波数で、かつ患者の心臓の
   パルス周波数より高い周波数において繰返し開閉動作
   し、 前記制御要素は前記バルブの開閉動作に基づく前記カフ
   内の圧力の変化を前記圧力センサにより検出し、前記カ
   フ内の圧力を適切に制御する、 ことを特徴とするカフ圧制御方法。
8. 【請求項８】前記バルブ（４）のパルス周波数は一定に
   保持され、そのパルス幅が可変される請求項７に記載の
   カフ圧制御方法。
9. 【請求項９】前記バルブ（４）のパルス周波数が可変さ
   れ、そのパルス幅が一定に保持される請求項７に記載の
   カフ圧制御方法。
10. 【請求項１０】前記バルブ（４）のパルス周波数及びそ
    のパルス幅が可変される請求項７に記載のカフ圧制御方
    法。
11. 【請求項１１】前記バルブ（４）のパルス周波数及びそ
    のパルス幅が、血圧測定中に必要な時間に対しても、若
    しくは血圧測定中に必要な一部の時間に対しても、常に
    一定に保持される請求項７に記載のカフ圧制御方法。