JP2720383B2 - 画像内濃淡領域検出装置 - Google Patents

画像内濃淡領域検出装置

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JP2720383B2 JP62055578A JP5557887A JP2720383B2 JP 2720383 B2 JP2720383 B2 JP 2720383B2 JP 62055578 A JP62055578 A JP 62055578A JP 5557887 A JP5557887 A JP 5557887A JP 2720383 B2 JP2720383 B2 JP 2720383B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明は、二次元画像から、一定の面積を有する濃淡
画像領域を検出する装置に関する。本発明は、例えば、
X線画像から、周辺に比べて暗い部分として表れるX線
高吸収域である癌等の病巣を検出する自動診断装置に応
用できる。また、超音波断層画像、サーモグラフィによ
る温度分布画像等から、一定面積を有した特徴的領域を
検出して、異物の混入、内部異常、その他特異領域を自
動検出及び自動測定する装置に応用できる。 特に本装置は、雑音やゆらぎを含む不鮮明な画像の中
から、全体の濃度分布には依存せず局所的にみて周辺の
画像に対し区別できる一定の面積を有した濃淡領域を検
出する装置に有効である。 【従来技術】 従来、高周波及び低周波の雑音成分を有した画像から
濃淡領域を検出する方法として概略次の方法が知られて
いる。 第1は、帯域フィルタを用いて画像信号から雑音成分
を除去した後、その信号を閾値に対し明と暗の何れかの
レベルに2値化し、一方のレベルに有る画素を領域内の
画素として検出する方法である。 第2は、画像信号を1次微分し、その微分値の大きい
画素を輪郭線として抽出し、その内部にある画素を領域
内の画素として検出する方法である。 【発明が解決しようとする問題点】 しかし、単に帯域フィルタを用いる方法には、雑音成
分の除去のみを行っているため、信号と雑音のレベル比
(S/N比)が小さく、両者の周波数が接近している時
は、2値化の為の適切な閾値を決定することが困難であ
るという問題がある。また、1の閾値で2値化を行うと
変化分が微小である濃淡領域を検出できないという問題
がある。 また、一次微分法により検出領域の輪郭線を抽出する
方法には、高周波の雑音成分が多く含まれる場合には、
多数の場所で微分値が大きな値を示すため、検出すべき
領域に関する輪郭線だけを抽出するのは困難であるとい
う問題がある。したがって、明確な所望の輪郭線が得ら
れる場合は、輪郭線のところで、信号レベルが急峻に変
化する場合に限られていた。 かかる従来技術の欠点は、画像に含まれる高周波及び
低周波(ゆらぎ)の雑音成分と、検出対象となる信号成
分との明確な分離が困難であること、検出の対象となる
濃淡領域の急峻度を加味した信号の処理が行われていな
いこと、検出領域の2次元的な広がりに関する特徴を加
味した信号の処理が行われていないことに起因するもの
である。 そこで、本発明者等は、高周波及び低周波の雑音成分
を含む画像信号から検出対象となる信号成分のみを選択
して所定の変換を施すことにより画像の濃淡をその急峻
度に応じて強調し、しかる後、明度が走査方向に連続し
て近傍の明度から定まる閾値を越える連続画素を線分と
して抽出し、しかも、係る線分が、近傍の明度から定ま
る変動許容値を越えることなく相互に隣接し、一定の隆
起部として検出される画素領域を検出すれば、明確に一
定の面積を有した濃淡領域を検出することが可能である
ことを見い出した。 したがって、本発明の目的とするところは、雑音成分
と信号線分とが、レベル、周波数に於いて接近してお
り、検出の対象となる濃淡領域の輪郭が明確でない様な
画像からでも、局所的に一定の広がりを有した濃淡領域
を確実に検出することを可能とすることである。 【問題点を解決するための手段】 上記問題点を解決するための発明の構成は、次の通り
である。その概略の構成図が第1図に示されている。 本発明は、画像撮影装置により撮影される画像の濃淡
レベルを各画素毎に多値化して成る画像データを入力し
記憶装置に記憶する原画入力装置1と、 前記画像データを処理して、濃淡画像領域を検出する
領域検出装置2と、 前記濃淡画像領域に関する情報を出力する出力装置3
と、から成る画像内濃淡領域検出装置であって、 前記領域検出装置2は、 前記画像データを一次元画素方向に走査して、画像デ
ータの値が走査線方向に連続して所定の閾値を越えてい
る画素区間と、画像データの値が連続して所定の閾値を
越えていない画素区間とを、各々、強調対象区間とし、
その区間の勾配に関連した値を、各強調対象区間の前記
画像データに乗ずることにより、画像の濃淡を強調した
強調画像データを作成する画像強調手段4と、 前記強調画像データの値が走査線方向に連続して所定
の閾値を所定の符号の方向に越えている画素区間を線分
として抽出し、抽出された1の線分を基準として、相互
に連接し二次元領域を構成する線分を順次抽出すること
により、連続領域を検出する領域探査手段5と、 を具備することを特徴とするものである。 【作用】 原画入力装置1により入力された画素毎の明度の多値
化信号から成る画像データは、画像強調手段4により信
号成分のみ選択的に所定の変換が施される。その結果、
画像の濃淡が強調された強調画像が得られる。画像強調
手段4は、画像データを、走査線上において画像データ
の値が走査線方向に連続して所定の閾値を越えている画
素区間と、画像データの値が連続して所定の閾値を越え
ていない画素区間とを、各々、強調対象区間とし、各区
間の勾配から一意に定まる係数を、その区間の画像デー
タに乗ずることにより画像の濃淡を強調する。こうして
得られた強調画像は領域探査手段5により処理され、走
査線上に於いて連続して所定の閾値を越える画素区間を
検出することにより領域を構成する線分が抽出され、か
かる線分が、相互に連接し、周辺に対して隆起部として
2次元的に連続している画素領域が検出される。かかる
領域は、その位置等に関する情報として出力装置3によ
り表示される。 【効果】 本発明は、一次元画素方向において、画像データの値
が走査線方向に連続して所定の閾値を越えている画素区
間と、画像データの値が連続して所定の閾値を越えてい
ない画素区間における明度をその区間の明度勾配に応じ
て強調する画像強調手段を有しており、区間の最小単位
を適切に選択して高周波成分を除去し、勾配の緩やかな
ゆらぎの成分は強調せず、濃淡領域を構成する信号成分
の変化分のみを強調する事が出来るので、領域を構成す
る線分と背景の分離が精確に行われる。 又、本発明は、強調された画像データから、走査線方
向の線分を検出し、その2次元的な連続性から所定領域
を抽出する領域探査手段を有している。したがって、強
調画像から線分を抽出し、それらの連続性を連接関係に
より判断するという簡単な処理の為、領域の検出が迅速
且つ確実となり、しかも、装置の構成が簡単になる。 【実施態様の説明】 上述した発明には、更に望ましい態様が考えられるの
で、以下に説明する。 (実施態様1)前記画像強調手段が、前記勾配に関連し
た値を、前記強調対象区間の平均勾配を用いて演算す
る。 平均勾配を用いることにより、区間内の全画像データ
の勾配状況を反映した強調を行うことができる。 (実施態様2)第2図に示すように、前記画像強調手段
4が、前記画像データの値が走査線方向に連続して所定
の閾値を越えている画素区間と、前記画像データの値が
連続して所定の閾値を越えていない画素区間とを、各
々、前記強調対象区間と設定する区間設定手段41を有す
る。 所定の閾値で区間分割することにより、前記強調対象
区間を明確に設定することが可能となる。 (実施態様3)第3図に示す様に、前記画像強調手段4
は、前記強調対象区間における前記画像データの値の平
均勾配を演算し、その平均勾配値から予め設定された評
価関数に従って、強調係数を演算する強調係数演算手段
42を有する。 前記画像データの値が小さい区間と前記画像データの
値が大きい区間とで異なる評価関数を設定すれば、性質
の異なる強調係数が得られ、各区間を更に強調して分離
することができる。 (実施態様4)第4図に示す様に、前記領域探査手段5
は、前記の基準として抽出した線分の前記強調画像デー
タから、予め設定された評価関数に従って、少なくと
も、相互に連接する線分を抽出する条件となる前記閾値
を含む前記連続領域検出の条件値を演算する検査基準演
算手段52を有する。 基準となる線分毎に異なる閾値を設定できるので、画
像全体の濃淡レベルに左右されず、局所的な濃淡領域を
構成する線分を抽出できる。 (実施態様5)第5図に示す様に、前記領域探査手段5
は、前記の相互に連接し2次元領域を構成する線分の前
記画像データが全て所定の変動許容値を所定の符号の方
向に越えていない時には連続領域と判定する連続領域導
出手段53を有する。 変動許容値を用いることにより、前記基準となる線分
が、抽出対象となるデータ値の3次元形状が丘陵状を示
す連続領域の山頂付近にある時のみ抽出でき、斜面上の
こぶ状となる連続領域の検出を抑える効果を有する。 (実施態様6)第6図に示す様に、第5図の構成に加え
て、前記領域探査手段5は、前記の基準として抽出した
線分の前記強調画像データから、予め設定された評価関
数に従って、連続領域判定の条件となる前記変動許容値
を演算する検査基準演算手段52を有する。 基準となる線分毎に異なる変動許容値を設定できるの
で、画像全体の濃淡レベルに左右されず、局所的にみ
て、前記こぶ状とみなせる連続領域の抽出を抑えること
ができる。 (実施態様7)第7図に示す様に、前記領域探査手段5
は、前記の相互に連接し、2次元領域を構成する線分数
が、前記の抽出され基準となる1の線分の走査線方向の
画素区間長に対し所定の割合範囲にある時に、抽出領域
とする領域性検査手段54を有する。 割合範囲の設定により、抽出する領域形状の縦横比を
任意のものだけに限ることができ、目的とする領域以外
の抽出を抑えることができる。 (実施態様8)第8図に示す様に、前記領域探査手段5
は、順次導出される前記連続領域の内、その領域を構成
する前記強調画像データの値を基に、予め設定された評
価関数により一意に定まる評価値が、所定の閾値を越え
ている領域のみを選択する領域選別手段55を有する。 評価値が閾値を越えるもののみを選択することによ
り、抽出する領域内の画像データの状態を任意のものだ
けに限ることができ、目的とする領域以外の領域の抽出
を抑えることができる。 (実施態様9)第9図に示す様に、前記領域検出装置2
は、前記原画入力装置1により入力された画像データの
内、予め設定された評価関数に従って決定される背景に
あたる画素部分以外の処理対象となる画素範囲の位置情
報を検出し、前記画像強調手段4と前記領域探査手段5
の処理対象画素範囲を制限する関心領域検出手段6を有
する。 背景部分を除去して処理対象範囲を制限することによ
り、領域検出の処理速度を向上させることができる。 (実施態様10)第10図に示す様に、前記領域検出装置2
は、前記画像データを入力し、画像の平面空間における
ノイズ成分の除去、ゆらぎの補正、濃淡レベルの正規化
を施した修正画像データを前記画像強調手段4に入力す
べき新たな画像データとする画像補正手段7を有する。 雑音及びゆらぎの成分を除去することにより、前記画
像強調区間4での区間分割を容易にし、また、勾配を安
定させることができるので、アーチファクトによる強調
を妨げることが出来る。 【実施例】 実施例1 A構成 本装置は、本発明装置を用いた乳癌自動診断装置に関
するものであり、第11図に示すように、大きく分けて、
原画入力装置1と領域検出装置2と出力装置3とからな
る。 (1)原画入力装置 原画入力装置1は、X線撮影装置により撮影されたア
ナログX線画像をデジタル化して得られる一枚分の画像
データをデジタルメモリに保存する装置である。 X線撮影装置により、乳房部位にX線を照射し、透過
X線を撮像装置に受光して、受光面の潜像を映像信号と
して取り出し、それをディスプレイ上に可視化すれば、
二次元の可視画像(第12図(a))が得られる。以下、
前記潜像は可視画像により対応されるものとして、両者
を区別することなく「X線画像」という。 このX線画像は、良く知られたように、撮像物体の透
視画像となり、X線を多く受けた画素程明るくなる。即
ち、多くのX線を透過する物体の箇所は、X線画像上で
は明るく写り、逆に透過量の少ない箇所は暗く写る。従
って、X線画像のうち乳房部(第12図(a)斜線部)以
外は鉛遮蔽の背景面または胸壁となり乳房部に比べ暗く
なる。また、癌等の病巣は暗く写される。 X線画像は、撮像装置の出力する映像信号を画素毎に
サンプリングし0〜255のレベルに量子化してA/D変換す
ることにより、各画素の明度を数値で表した画像データ
(以下「デジタルX線画像」という)に変換される。画
素は、X線画像上の512×512の格子として取られてい
る。デジタルX線画像は、各画素内の平均明度を画素ご
とに表しており、512×512の画素成分から成る。(第12
図(b))。 このデジタルX線画像は、1ライン当たり512個のレ
ジスタから成るライン数512のデジタルメモリに保存さ
れる。走査線方向(X軸)の画素アドレスはレジスタ番
号に対応し、走査線に垂直な方向(Y軸)の画素アドレ
スはライン番号に対応している。即ち、画像の左上隅の
画素(第12図(b)中ア)はライン番号1でレジスタ番
号1、右上隅の画素(第12図(b)中イ)はライン番号
1でレジスタ番号512、左下隅の画素(第12図(b)中
ウ)はライン番号512でレジスタ番号1、右下隅の画素
(第12図(b)中エ)はライン番号512でレジスタ番号5
12にそれぞれ対応している。以下、画素アドレスは、ラ
イン番号Lとレジスタ番号Nにより特定され、必要に応
じて、(L,N)として参照される。 (2)領域検出装置 領域検出装置2は、大きく分けて、関心領域検出手段
6と画像補正手段7と画像強調手段4と領域探査手段5
とから成る。 領域検出装置2は、デジタルX線画像から、極端に偏
平でない一定の広がりを有した形状をした濃淡領域、即
ち、癌病巣を検出する装置である。 (a)関心領域検出手段 関心領域検出手段6は、処理速度を向上させるため
に、処理の対象領域を制限するための装置であり、上限
探査器61と下限探査器62と左右端探査器63とから成る。 乳房部は、X線画像において、背景に比べれば明るい
ため、一定の閾値(背景よりやや明るい値)を設定し
て、デジタルX線画像を判定すれば、乳房部を構成する
画素のアドレスを検出することができる。 以下、本手段の構成装置を個々に説明する。 上限探査器61は、乳房部の内、最上部の画素(第13図
中ア)のライン番号を検出する装置である。X線デジタ
ル画像において、ライン番号1から順に1ラインずつレ
ジスタを探査し、背景に対し区別し得る画素が、一つで
も見つかれば、そのライン番号が記憶される。 下限探査器62は、乳房部の内、最下部の画素(第13図
中イ)のライン番号を検出する装置である。1ライン中
の全ての画素の明度が閾値に対し背景明度と同じ側に有
る時、そのライン番号が記憶される。 左右端探査器63は、乳房部の輪郭線の存在する画素ア
ドレスを上記の上限ラインと下限ライン間の各ラインに
対し求める装置である。デジタルX線画像を各ライン毎
に走査して、背景と区別し得る画素の内、最左端と最右
端の画素(第13図中ウエ)に対応したレジスタ番号がそ
れぞれ記憶される。 この様にして、処理対象領域である乳房部の輪郭を構
成する画素アドレスが検出される。以下、この処理対象
領域を「関心領域」という。 (b)画像補正手段 画像補正手段7は、デジタルX線画像の内、関心領域
の画像の雑音成分を除去し、ゆらぎを補正し、レベルを
正規化した画像データ(以下「補正画像」という)を記
憶する装置であり、雑音除去器71とゆらぎ補正器72とレ
ベル補正器73と補正画像記憶装置74とから成る。 デジタルX線画像には、画像空間(画像データを走査
し時系列信号とすれば、時空間に対応する)において、
高周波の雑音成分と低周波のゆらぎが含まれている。こ
れらの雑音成分及びゆらぎは、ローパスフィルタとハイ
パスフィルタにより除去される。この処理を走査して得
られる映像信号に類似させ、等価的にアナログ信号で表
示すれば、第14図のようになる。但し、横軸は画素アド
レスと対応する時間軸であり、縦軸は明度を示す軸であ
る。このようにして得られた補正画像は暗い画素程数値
が大きいものとなる。 以下、本手段の構成装置を個々に説明する。 雑音除去器71は、高周波成分をローパスフィルタによ
り除去する装置である(第14図(a)−(b))。 ローパスフィルタは、関心領域内に於いて、注目する
1画素に対しそれと同一ラインの隣接する複数個の画素
の値を平均し、その平均値をその注目する画素の補正値
とする演算を各画素に付き順次行い結果を出力する装置
である。 ゆらぎ補正器72は、雑音除去器71により雑音成分の除
去されたデータから更にハイパスフィルタにより低周波
成分を除去する装置である(第14図(b)−(c))。 ハイパスフィルタは、関心領域内に於いて、雑音除去
器71の出力するデータから、注目する1画素に対しそれ
と同一ラインの隣接する複数個の画素の前記補正値を平
均し、その平均値を注目する画素の前記補正値から引い
た値をその注目する画素の新補正値として出力する処理
を画素毎に順次実行する装置である。この平均される画
素数を変化させることにより、検出される領域の大きさ
を制限することができる。 レベル補正器73は、雑音除去器71及びゆらぎ補正器72
により雑音成分が除去され、ゆらぎが補正された値に、
スイッチで設定される負の係数を乗じて明度の反転と正
規化を行う装置である。第14図(c)−(d))。 ゆらぎ補正器72の出力する、画素アドレスIに対応す
る各画素のデジタル値Z(I)と、スイッチで設定され
る値Y(負の値)から、次式の演算により正規化され
て、各画素の補正画像Wが演算される。 W(I)=Z(I)×Y ……(1) ここで、補正画像W(I)は、周辺の画素の明るさの
平均に比べて暗い方向に大きく変化している画素程正の
大きい値をとり、周辺の画素の明るさの平均に比べて暗
い方向に大きく変化している画素程負で絶対値の大きな
値をとり、周辺の画素の明るさの平均と同一の明るさの
画素または明度の変曲点に当たる画素は0となる。 その演算結果、W(I)は補正画像記憶装置74に記憶
される。補正画像記憶装置74は、デジタルX線画像を記
憶する装置と同様に、1ライン当たり512個のレジスタ
から成る512ラインのデジタルメモリから成る。レベル
補正器73から出力されない関心領域以外の画素部分に対
応するレジスタには、0が記憶される。 (c)画像強調手段 画像強調手段4は、関心領域の補正画像において、同
一ライン中、周辺に対し画素のデジタル値が大きい区間
(第15図(a)中アウオ)は、その値に、その区間の平
均勾配と区間内の値の大小とから一意的に定まる係数を
乗じ(第15図(b))、周辺に対して値が小さい区間
(第15図(a)中イエ)は、その値に、その区間の平均
勾配と区間内の値の大小とから一意的に定まる係数を乗
ずる装置である(第15図(b))。そして、この装置に
より、周辺に対して値の大きい区間はその区間の急峻度
に応じて値をより大きく、周辺に対して値の小さい区間
はその区間の急峻度に応じて値をより小さくして画像は
強調される。このようにして強調された画像(以下「強
調画像」という)は、画素アドレスに対応して、強調画
像記憶装置432に記憶される。 係る装置は、大きくは区間設定手段41と強調係数演算
手段42と強調乗算手段43とから成る。 I区間設定手段 区間設定手段41は、補正画像のうちの関心領域に対応
する各ライン毎に、ライン中で周辺に対して値の大きい
区間(高値区間)と、周辺に対して値の小さい区間(低
値区間)の境界となるレジスタ番号を検出する装置であ
る。その装置は、強調位置設定器411と連続区間検出器4
12とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 強調位置設定器411は、連続区間検出器412に対し、補
正画像のうちの関心領域に対応する各ライン毎のデータ
の読出を指示する制御信号を順次出力する装置である。
上限探査器61により検出される関心領域の上端に当たる
ライン番号から下限探査器62により検出される関心領域
の下端に当たるライン番号までを、各ラインについて、
左右端探査器63により検出される関心領域の左端に当た
るレジスタ番号と右端に当たるレジスタ番号とともに、
一定の時間間隔で出力する。更に、出力が関心領域の下
端に当たるラインに達した時から一定時間経過後、探査
位置設定器511を駆動する制御信号T1を出力する。 連続区間検出器412は、補正画像記憶装置74に保存さ
れている補正画像のうち、強調位置設定器411の出力す
るライン番号のラインの左端のレジスタ番号のレジスタ
から右端のレジスタ番号のレジスタまでのデジタル値を
入力し、隣接するレジスタのデジタル値が連続して正符
号である区間を高値区間、連続して負符号である区間を
低値区間とし、ライン番号及び各区間の両端のレジスタ
番号とその区間の高低の別を出力する装置である。 II強調係数演算手段 強調係数演算手段42は、区間設定手段41により検出さ
れる各ライン毎の高値区間と低値区間の位置の情報を基
に、補正画像の各デジタル値の平均勾配を演算し、その
定数倍の値を出力する装置である。その装置は平均勾配
演算器421と逓倍器422とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 平均勾配演算器421は、連続区間検出器412の出力する
画素アドレス範囲に相当するデータを補正画像記憶装置
74から入力し、隣接レジスタのデジタル値の差の絶対値
の総和を区間の幅(区間の右端のレジスタ番号−区間の
左端のレジスタ番号)で除算した値を各区間について出
力する装置である。 逓倍器422は、平均勾配演算器421が各区間について出
力する値に、連続区間検出器412の出力する区間の高低
の別が高値区間である区間に相当する区間のときは、ス
イッチにより設定される定数Aを乗算し、低値区間に相
当するときは、別のスイッチにより設定される定数Bを
乗算し、出力する装置である。 III強調乗算手段 強調乗算手段43は、区間設定手段41により検出される
各ライン毎の高値区間と低値区間の位置の情報を基に、
補正画像の各デジタル値に対し、強調係数演算手段42の
出力する各区間に対応する値を乗算し、メモリに保存す
る装置である。その装置は強調係数乗算器431と強調画
像記憶装置432とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 強調係数乗算器431は、連続区間検出器412の出力する
画素アドレス範囲に相当するデータを補正画像記憶装置
74から入力し、連続区間検出器412の出力する各区間に
対応する逓倍器422の出力値を乗算し、出力する。 強調画像記憶装置432は、512個のレジスタを持つ512
ラインのデジタルメモリから成り、強調係数乗算器431
の出力する強調画像を記憶する装置である。 (d)領域探査手段 領域探査手段5は、前記強調画像データが走査線方向
に連続して正の値を持つ画素区間のデジタル値から、所
定の評価関数により閾値と変動許容値を演算し、その区
間中の前記強調画像データが、走査線方向に連続して前
記閾値を越えている画素区間を、線分として抽出し、抽
出された1の線分を基準として、相互に連接する線分中
のデジタル値が、前記変動許容値を越えることなく2次
元領域を構成するものを抽出し、抽出された領域のう
ち、縦横比及び強度等が、設定した基準内にあるものを
検出する装置である。 係る装置は、大きくは検査基準区間設定手段51と、検
査基準演算手段52と、連続領域導出手段53と、領域性検
査手段54と、領域選別手段55とから成る。 I検査基準区間設定手段 検査基準区間設定手段51は、前記強調画像データの関
心領域の中から、所定の条件を満たす走査線方向に連続
した区間を、連続領域の認否を検査する基準となる区間
として順次設定する装置であり、検査位置設定器511と
連続正区間検出器512とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 検査位置設定器511は、連続正区間検出器512に対し、
強調画像のうちの関心領域に対応するレジスタのデータ
の読出を指示する制御信号を順次出力する装置である。
レジスタの画素アドレスを示すポインタメモリを一組持
っており、初期値は、関心領域演算手段6により検出さ
れる上端ラインの左端位置に設定される。出力は強調位
置設定器411の出力する制御信号T1または領域性評価器5
41の出力する制御信号S1または連続性検査器534の出力
する制御信号S6により開始され、ポインタメモリの値を
順次出力し続け、連続正区間検出器の出力する制御信号
S2により一旦停止する。ポインタメモリの値は出力され
る度に、レジスタ番号を1加え、右端に達したら、次の
ラインの左端に設定される。更に、下端ラインの右端に
達したら、領域選別手段55を駆動する制御信号S3を出力
する。 連続正区間検出器512は、強調画像データが走査線方
向に連続して正の値を持つ区間(第16図中ア−イ)を検
出する装置である。区間の左端の画素アドレス値を保持
するメモリと、正区間検出中であるとき1の値を示し、
検出中でないとき0の値を示す初期値0のフラグメモリ
を持つ。検査位置設定器511の出力する画素アドレスに
相当する強調画像のデジタル値を強調画像記憶装置432
から読出し、正の値のときで且つフラグメモリが0のと
き、フラグメモリを1にし、そのときの画素アドレス
(第16図中ア)を区間の左端としてメモリに保持し、強
調画像のデジタル値が負の値のときで且つフラグメモリ
が1のとき、フラグメモリを0にし、そのときの画素ア
ドレス(第16図中イ)を区間の右端とし、メモリに保持
されている区間の左端と共に、区間境界として出力す
る。区間境界の出力と同時に検査位置設定器511の出力
を一旦停止させる制御信号S2を出力する。 II検査基準演算手段 検査基準演算手段52は、検査基準区間設定手段51によ
り設定される基準区間に相当する強調画像データの値か
ら、連続領域導出手段53で使用する検査区間の初期値と
線分抽出の閾値と領域認識の条件となる変動許容値を演
算する装置であり、連続性評価値演算器521と基準位置
記憶装置522とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 連続性評価値演算器521は、連続正区間検出器512の出
力する区間に相当する強調画像データを強調画像記憶装
置432より読出し、その中での最大値(第16図中a)に
スイッチにより設定される2種類の係数をそれぞれ乗
じ、閾値(第16図中b)及び変動許容値(第16図中c)
として出力し、更に読み出したデータのうち前記閾値を
越える区間(第16図中ウ−エ)を基準線分とし、その区
間の境界画素アドレス値を出力する装置である。 基準位置記憶装置522は、連続性評価値演算器521の出
力する基準線分の区間境界画素アドレス値をメモリに保
持する装置である。 III連続領域導出手段 連続領域導出手段53は、検査基準演算手段52により設
定された前記基準線分に、前記閾値及び前記変動許容値
に基づく条件を満たして、線分が相互に連接する2次元
領域を検出する装置であり、検査ライン記憶装置531と
検査区間記憶装置532と検査ライン抽出器533と連続性検
査器534とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 検査ライン記憶装置531は、検査する二つの線分(以
下「検査線分」という。また、上下の検査線分を区別す
る場合には「上検査線分」、「下検査線分」という。)
のライン番号をそれぞれ保持する上ラインメモリと下ラ
インメモリの二組を持ち、各メモリの値を出力する装置
である。また、それらのメモリの初期値には、連続性評
価値演算器521の出力する基準線分のライン番号±1が
それぞれ設定され、以後、連続性検査器534の出力する
制御信号S5による駆動で、その値を前記基準線分のライ
ン番号±2、±3と、±1ずつ変化させる。 検査区間記憶装置532は、上検査線分の検査区間(以
下「上検査区間」という)の左端位置と右端位置を記憶
する上ライン区間メモリと、下検査線分の検査区間(以
下「下検査区間」という)の左端位置と右端位置を記憶
する下ライン区間メモリを有する。また、それらのメモ
リの初期値には、連続性評価値演算器521の出力する基
準線分の左端及び右端のレジスタ番号が設定され、以
後、連続性検査器534によりその内容が書き換えられ
る。 検査ライン抽出器533は、検査ライン記憶装置531の出
力する検査線分のライン番号に相当する強調画像のデジ
タル値を強調画像記憶装置432から読出し、出力する装
置である。 連続性検査器534は、検査ライン抽出器533の出力する
上検査線分のデータ(第17図中A2)から、連続性評価値
演算器521の出力する前記閾値を走査線方向に連続して
越える区間のうちで、検査区間記憶装置532の上ライン
区間メモリに記憶されている値から決定される上検査区
間(第17図中ア−イ)と一部重複する区間(第17図中ウ
−イ)を検出し、その検出された区間の左端位置と右端
位置のレジスタ番号を検査区間記憶装置532の上検査区
間メモリに新たに書込む。また、下検査線分についても
同様に処理され、下ライン区間メモリに記憶されている
値から決定される下検査区間と一部重複する区間が検出
され、その検出された区間が新たに下検査区間メモリに
設定される。そして、検査ライン記憶装置531を駆動す
る制御信号S5を出力する。各検査線分が上検査区間と下
検査区間のそれぞれについて一部でも重複する区間を有
しない時は、対応する検査ライン記憶装置531のライン
区間メモリの書換えを停止する。上ライン区間メモリと
下ライン区間メモリとの両者共に書換え停止と成ったと
き、領域性評価器541に出力する制御信号S4により、領
域性評価の実行を促す。また、上検査区間または下検査
区間(第17図中ウ−イ)のデータの値が一つでも、連続
性評価値演算器521の出力する変動許容値C(第16図)
を越えていた時は、連続領域導出の処理を中断し制御信
号S6により検査位置設定器511を駆動し次の基準線分を
抽出する。 IV領域性検査手段 領域性検査手段54は、連続領域導出手段53により検出
された連続領域の縦横比が条件を満たしているか否かを
検査し、条件に合う連続領域を保持する装置であり、領
域性評価器541と領域記憶装置542とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 領域性評価器541は、連続性検査器534の出力する制御
信号S4により駆動され、検査ライン記憶装置531と基準
位置記憶装置522からデータを読み出す。そして、この
ときに上ラインメモリに記憶されている値(以下「上限
ライン番号」という)と、下ラインメモリに記憶されて
いる値(以下「下限ライン番号」という)との差から検
出連続領域の縦幅(第18図中イ)を、基準線分の左端及
び右端のレジスタ番号の差から検出連続領域の横幅(第
18図中ア)を演算し、演算した縦幅と横幅の比が、スイ
ッチにより設定する値範囲にあるとき、その領域の位置
情報として、基準線分の左端及び右端のレジスタ番号
と、上限ライン番号と下限ライン番号を領域記憶装置54
2のメモリに書き込む。また、縦横比と前記設定値との
比較が終了したとき、検査位置設定器511を駆動する制
御信号S1を出力する。 領域記憶装置542は、領域性評価器541により検出され
る領域の位置情報を保持するメモリを持っており、新た
に位置情報が書き込まれる領域が、すでにメモリに位置
情報が保持されている領域と一定面積以上重なる場合
は、それら二つの領域を併せて、両者を包含する領域に
変換し、その領域の位置情報を記憶する装置である。両
者を包含する領域の位置情報は、領域の上限及び左端に
ついては、両者の位置情報のうち最小値を、領域の下限
及び右端については、両者の位置情報のうち最大値とし
て演算される。 V領域選別手段 領域選別手段55は、領域性検査手段54が保持する検出
された領域のうち、領域に対応する強調画像のデータか
ら、領域の特徴を示す評価値を演算し、演算した評価値
が所定の条件を満たす時、その領域の位置情報及び評価
値等を出力する装置であり、領域演算器551と異常領域
判別器552とから成る。 次にそれらの装置を個々に説明する。 領域演算器551は、検査位置設定器511の出力する制御
信号S3により駆動され、領域記憶装置542に保持されて
いる領域性評価器541により選択された検出領域の位置
情報を順次読出し、読み出した位置情報に対応する強調
画像のデータを強調画像記憶装置432より読出し、強調
画像のデータ値の領域内平均値及び最大値及び分散を演
算し、位置情報と共に出力する装置である。 異常領域判別器552は、領域演算器551の出力する、領
域の位置情報及び前記領域内平均値及び最大値及び分散
が、それぞれスイッチにより設定される値範囲にあると
き、その領域の位置情報等を出力する装置である。 (3)出力装置 出力装置3は、乳癌検出処理の結果として、領域検出
装置2により検出された領域を表示する装置であり、検
出された癌病巣の位置と大きさと強度を表示し、領域検
出装置2の出力がない即ち癌病巣が検出されなかった時
は、正常である旨を表示する。 B作用 上述の構成より成る本実施例装置は、原画入力装置1
により乳房X線画像がデジタル信号として入力される
(第12図)。処理速度を向上させるために、関心領域検
出手段6によりデジタルX線画像のうち乳房が撮影され
ている範囲が検出され、処理対称範囲は、この乳房部の
範囲に限定される。一のX線画像は、高周波の雑音と、
照射中心部が最も強く周辺部へ行くに従って弱くなると
いうX線の強度分布に起因する低周波のゆらぎと、乳房
の厚みが場所により異なることに起因するゆらぎを持っ
ている。また、撮影される画像毎にX線強度が異なる。
そのため、デジタルX線画像を、画像補正手段7により
雑音を取り除き正規化した補正画像に変換する(第14
図)。 乳癌部位は、周辺に対してX線吸収率が高いという特
徴を有する。補正画像のデジタル値で言えば、周辺に対
して値が高い部分に対応する。この周辺に対して値が高
い部分を強調し、明確にするために、画像強調手段4に
よって補正画像を1ライン毎に周辺に対して値の大きい
区間と、周辺に対して値の小さい区間とのそれぞれにつ
いて、区間内の平均勾配からそれぞれ求まる係数を乗じ
(第15図)、近傍の勾配変化に応じて強調された強調画
像に変換する。高値区間と低値区間の境界は、補正画像
において、その補正方法から零値を示す点は、走査線方
向の波形中の変化のほとんどない点または変曲点である
ことから、正の値を連続して持つ区間を高値区間とし、
負の値を連続して持つ区間を低値区間とし、区間設定手
段41により設定する。 癌部位に相当するものは、一定の形状を持っており、
局所的なピークを持つ丘陵を形成していることから、局
所的なピークを持つ2次元的な連続領域を検出し、その
形状及び強度が条件を満たすものを、癌部位として抽出
する。そのために、まず、検査基準区間設定手段51によ
り連続領域を検出する基準となる走査線方向に連続して
正の値を持つ区間が順次導出される。その区間を局所的
なピーク位置であると仮定し、検査基準演算手段52は、
導出された区間内のデータの最大値から、その基準区間
についての閾値と変動許容値を演算すると共に、その区
間のうち閾値を越える区間を基準線分として抽出する
(第16図)。連続領域導出手段53では、基準線分が局所
的なピーク位置であるという仮定が正しいかどうかの検
証と共に、正しい時の連続領域を検出する。連続領域を
構成する線分は、連続性評価値演算器521により基準線
分の明度に応じて設定される閾値を越える線分で、かつ
先に検出された領域を構成する線分より短い線分として
認識され、基準線分と連続関係のある線分の中に変動許
容値を越えるものがある場合は、基準線分は局所的なピ
ークではないため連続領域の検出を停止する。一方、変
動許容値を越える線分がない場合は、検出された線分の
集合として連続領域を検出する。 また、極端に細長いものは癌部位ではないため、領域
性検査手段54により、縦横比が一定割合範囲のものだけ
を残し、更に、その強度分布が異常陰影としての条件を
満たすか否かを、領域選別手段55により調べ、満たすも
のだけを検出する。 検出結果は出力装置3により表示され、次の乳房X線
画像の入力待ちとなる。 C実施例装置の利点 上述の作用を有する本実施例装置は、乳癌の集団検診
の多量X線画像において医師の視察判断を最小限にし、
疑わしいものと疑わしくないものを振り分け、医師に有
効な情報を提供する乳癌自動診断装置として機能する。 即ち、関心領域検出手段6は、自動診断検出対象を乳
房のみに制限するので、処理速度が向上し、多量のX線
画像を次々に処理することが可能となる。 生のX線画像は一般に画質が悪く、高周波雑音を多く
含み、また、X線の強度分布Nが、照射中心部が最も強
く、周辺部は弱いために、低周波のゆらぎを含み、更
に、乳房の厚みが場所により異なることに起因するゆら
ぎを含む。加えて、X線強度は画像毎に異なるため、X
線吸収率による絶対的な定量評価ができない。画像補正
手段7は、画像から高周波雑音と低周波ゆらぎを取り除
き、レベルの補正を行うので、画質が向上し、レベルの
絶対的定量評価が可能になる。また、補正後の値が零と
なるのは、近傍の変化がほとんどない箇所または波形の
変曲点であるので、画像強調手段4での区間分けを容易
にする効果を有する。 画像強調手段4は、癌部位はX線吸収率が高く、X線
画像で言えば周囲に対して少し暗いという医師の知識を
装置として実現し、高値区間と低値区間の差を各区間の
平均勾配に応じて強調するので、ゆらぎによる変動と癌
部位との分離を行うことが可能となり、画像の中で癌部
位を選択的に浮き上がらせる効果を持つ。 領域探査手段5は、癌部位の形状は一定の形状を持
ち、その強度分布に特徴を持つという医師の知識経験を
装置として実現し、一定範囲の縦横比で、強度分布が一
定の条件を満たす部分のみを検出することを可能にす
る。局所的な閾値と変動許容値で連続領域を捜すので、
画像全体の強度分布に左右されずに、局所的に丘陵状に
ひろがる陰影を抽出できる効果を有する。 実施例2 次に、本発明装置をコンピュータを用いたシステムで
実現した第2実施例装置につき説明する。 本実施例のコンピュータは最小限の構成として、X線
撮影装置により得られるアナログ信号をデジタル値に変
換するA/D変換器と、プログラムの実行及び各種演算及
び入出力制御を行う中央演算制御装置と、プログラムや
データを格納する主記憶装置及び補助記憶装置と、プロ
グラムの実行を指令したり、コンピュータの応答を表示
したりする操作端末と、検出結果を出力する画像出力装
置とを備えている(第19図)。 このコンピュータにより第20図のフローチャートに従
ったプログラムが実行される。即ち、原画読込の機能
(ステップ100(以下単に100と記す。他のステップも同
様))により、原画を二次元配列に取り込む。原画の乳
房部の上限、下限、左右端を関心領域として検出する
(102)。この関心領域の各値に対して雑音除去演算、
ゆらぎ除去演算、レベル補正演算を施し、補正画像を得
る(104〜108)。 強調区間初期設定の機能により、強調対象となるライ
ンを乳房部の上限に設定する(110)。区間内平均勾配
演算により、ライン上の正値が連続する区間と負値が連
続する区間のそれぞれについて、 区間内での隣接画素間の差の絶対値の総和/区間長 なる演算を行い(112)、その値に対し、正区間のも
のには定数を乗じ、負区間のものには0を乗ずることに
より、強調係数を演算し(114)、各区間の各値に乗ず
る(116)。強調対象となるラインを一つ進め(118)、
関心領域の下端を越えていないか判定し(120)、越え
ていないならばステップ112の区間内平均勾配演算に戻
る。 次に、領域性を検査するための検査位置を関心領域の
上限左端に初期設定する(122)。検査位置を移動させ
ながら、連続して正値である区間を検出する(124)。
検出した区間内最大値に一定係数を掛けることにより、
閾値と変動許容量を演算し、検出区間のうち、閾値以上
となる区間を基準線分とする(126)。次に、検査線分
のライン番号を基準線分のライン番号±1に初期設定
し、検査区間を基準線分の区間に初期設定する(12
8)。検査線分中で検査区間に内包される閾値以上とな
る区間があるか否かを判定し(130)、その区間が検出
されなければステップ136の領域性評価演算に移行す
る。その区間が検出されれば、その区間中の最大値が変
動許容値以上であるか判定し(132)、以上のときステ
ップ138の次検査位置設定に移行し、許容値以下なら
ば、その区間を新たに検査区間とし、検査線分のライン
番号を±1だけ更新し(134)、ステップ130の連続性終
了判定へ戻る。 領域性評価演算(136)の機能により、基準線分の幅
と領域の縦幅との縦横比が条件範囲である場合、その領
域の位置をメモリに記憶する。 また、次検査位置設定(138)の機能により、検査位
置を関心領域内の次の位置に進め、関心領域の下限右端
に達しているかを判定し(140)、達していなければス
テップ124の連続正区間検出演算に戻る。 次に、メモリに記憶されている領域位置の各々につい
て、領域内最大値、平均値、分散等を演算し(142)、
その値が設定条件範囲内にあるものを結果として出力す
る(144)。 応用例 (1)超音波均質性検査装置 非破壊検査の一手法として、超音波エコーを利用する
方法がある。超音波はその伝搬の過程で物性の違うもの
があると一部反射するため、その反射波の強度と超音波
発射後の遅れ時間とから、超音波発射方向の物性の一次
元情報を得ることが出来る。この一次元情報を各方向に
ついて入手し、並べて二次元画像とし、物体の奥行き方
向の物性を検査する既存の超音波装置が多種ある。本装
置は、生産現場の検査部門で均質な物体の製品内への異
物混入を自動的に判別するのに使用され、超音波装置に
より得られる画像を処理し、物体の中に異物が混入して
いるかどうかを自動判別し、異物が混入している場合は
その情報を表示する装置とし機能する。 超音波画像は分解能が悪く、多重エコーなどのために
画質が悪く、異物が存在しても、ぼんやりとしか写らな
い。本装置は、異物に対応する部分の周辺が境界となる
ためエコーが強くなり、異物に対応する部分は周辺に対
してエコーが弱いということと、極端に細長いものは多
重エコーの影響であり異物ではないという事実を実現し
たものである。 装置の構成は第21図のものとなる。即ち、原画入力手
段1により、超音波画像を二次元デジタル信号として装
置に取り込む。画像補正手段7により画像の雑音を取り
除き、エコーの強い所は低値に、エコーの弱い所は高値
になるようレベルの補正を行う。画像強調手段4により
低値区間は0を、高値区間は区間内の平均勾配を乗ず
る。但し、画像の端部は背景とみなし、高値区間のうち
区間の左端が画像の左端に一致する場合と、区間の右端
が画像の右端に一致する場合は、その区間は背景として
値0を乗ずる。領域探査手段5により、連続高値領域を
検索する。連続領域が存在すれば異物が混入しているこ
とを示すので、その連続領域の位置、大きさ等を出力装
置3により表示し、連続領域がなければ均質であるとい
う表示をする。 従来は、目視により異物混入の判断をおこなっきた
が、本装置により、容易に異物を認識ができ、検査の自
動化が可能となる。 (2)サーモグラフィ温熱治療効果検査装置 サーモグラフィは、赤外線を利用して対象物の温度分
布を画像にする。本装置はサーモグラフィにより得られ
る画像を処理する装置である。 温熱治療の分野において、その治療効果は、対象部位
の発熱量を見ることによっても知ることができ、治療効
果のあるときは対象部位は周辺より発熱する事が知られ
ている。そこで対象部位をサーモグラフィにより画像化
し、温度分布を検査することによって、治療効果をみる
ことが可能である。本装置はサーモグラフィ画像から周
辺よりも発熱している部分を検出し、その部分の情報を
演算することにより、治療効果を測定する情報を提供す
る装置として機能する。 サーモグラフィ画像は分解能が悪く、対象とする温度
変化は微小なものであるため検出対象はぼんやりとした
ものになる。本装置は、対象部位は周辺に対して発熱し
ていることと、一定の大きさを持つ形状を示すという事
実を装置として実現し、対象部位を自動的に検索し、そ
の情報を提供する。 装置の構成は第21図のものとなる。即ち、原画入力装
置1により、サーモグラフィ画像を二次元デジタル信号
として装置に取り込む。画像補正手段7により画像の雑
音を取り除き、温度の高い所は高値に、温度の低い所は
低値になるようレベルの補正を行う。画像強調手段4に
より低値区間は0を、高値区間は区間内平均勾配を乗ず
る。領域探査手段5により、連続高値領域を検索する。
連続領域について位置、大きさ、領域内平均温度、最高
温度を演算し、出力装置3により表示する。 本装置により得られた情報から、治療しようとしてい
る位置と高温領域の位置とが一致しているかどうかを確
認し、その治療効果を調べることが可能となる。また、
検出部位の大きさから、治療対象部位の周辺への治療に
よる影響を知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の構成を示したブロックダイヤグラ
ム、第2図、第3図、第4図、第5図、第6図、第7
図、第8図、第9図、第10図は、それぞれ、望ましい実
施態様の構成を示したブロックダイヤグラム、第11図
は、本発明の一具体的な実施例装置の構成を示したブロ
ックダイヤグラム、第12図は、X線画像、デジタルX線
画像を示した説明図。第13図は、関心領域を特定する方
法を示した説明図、第14図は、画像補正手段の機能を示
した説明図、第15図は、画像強調手段の機能を示した説
明図、第16図は、検査基準演算手段の機能を示した説明
図、第17図は、検査基準演算手段及び連続領域導出手段
の機能を示した説明図、第18図は、領域性検査手段の機
能を示した説明図である。第19図は、他の実施例に係る
装置の構成を示したブロックダイヤグラム、第20図は、
その装置の作用を示したフローチャート、第21図は、他
の実施例装置の構成を示したブロックダイヤグラムであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−245084(JP,A) 特開 昭59−62033(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.画像撮影装置により撮影される画像の濃淡レベルを
    各画素毎に多値化して成る画像データを入力し記憶装置
    に記憶する原画入力装置と、 前記画像データを処理して、濃淡画像領域を検出する領
    域検出装置と、 前記濃淡画像領域に関する情報を出力する出力装置と、
    から成る画像内濃淡領域検出装置であって、 前記領域検出装置は、 前記画像データを一次元画素方向に走査して、前記画像
    データの値が走査線方向に連続して所定の閾値を越えて
    いる画素区間と、前記画像データの値が連続して所定の
    閾値を越えていない画素区間とを、各々、強調対象区間
    とし、その区間の勾配に関連した値を、各強調対象区間
    の前記画像データに乗ずることにより、画像の濃淡を強
    調した強調画像データを作成する画像強調手段と、 前記強調画像データの値が走査線方向に連続して所定の
    閾値を所定の符号の方向に越えている画素区間を線分と
    して抽出し、抽出された1の線分を基準として、相互に
    連接し二次元領域を構成する線分を順次抽出することに
    より、連続領域を検出する領域探査手段と、 を具備することを特徴とする画素内濃淡領域検出装置。 2.前記画像強調手段は、前記勾配に関連した値を、前
    記強調対象区間の平均勾配を用いて演算することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の画像内濃淡領域検出
    装置。 3.前記画像強調手段は、前記強調対象区間における前
    記画像データの値の平均勾配を演算し、その平均勾配値
    から予め設定された評価関数に従って、強調係数を演算
    する強調係数演算手段を有することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の画像内濃淡領域検出装置。 4.前記領域探査手段は、前記の基準として抽出した線
    分の前記強調画像データから、予め設定された評価関数
    に従って、少なくとも、相互に連接する線分を抽出する
    条件となる前記閾値を含む前記連続領域の検出の条件値
    を演算する検査基準演算手段を有することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の画像内濃淡領域検出装置。 5.前記領域探査手段は、前記の相互に連接し二次元領
    域を構成する線分の前記強調画像データが全て所定の変
    動許容値を所定の符号の方向に越えていない時に連続領
    域と判定する連続領域導出手段を有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の画像内濃淡領域検出装
    置。 6.前記領域探査手段は、前記の基準として抽出した線
    分の前記強調画像データから、予め設定された評価関数
    に従って、連続領域判定の条件となる前記変動許容値を
    演算する検査基準演算手段を有することを特徴とする特
    許請求の範囲第5項記載の画像内濃淡領域検出装置。 7.前記領域探査手段は、前記の相互に連接し二次元領
    域を構成する線分数が、前記の抽出され基準となる1の
    線分の走査線方向の画素区間長に対し所定の割合範囲に
    ある時に、抽出領域とする領域性検出手段を有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の画像内濃淡領
    域検出装置。 8.前記領域探査手段は、順次導出される前記連続領域
    の内、その領域を構成する前記強調画像データの値を基
    に、予め設定された評価関数により一意に定まる評価値
    が、所定の閾値を越えている領域のみを選択する領域選
    別手段を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の画像内濃淡領域検出装置。 9.前記領域検出装置は、前記原画入力装置により入力
    された画像データの内、予め設定された評価関数に従っ
    て決定される背景にあたる画素部分以外の処理対象とな
    る画素範囲の位置情報を検出し、前記画像強調手段と前
    記領域探査手段の処理対象画素範囲を制限する関心領域
    検出手段を有することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の画像内濃淡領域検出装置。 10.前記領域検出装置は、前記画像データを入力し、
    画像の平面空間におけるノイズ成分の除去、ゆらぎの補
    正、濃淡レベルの正規化を施した修正画像データを前記
    画像強調手段に入力すべき新たな画像データとする画像
    補正手段を有することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の画像内濃淡領域検出装置。
JP62055578A 1987-03-11 1987-03-11 画像内濃淡領域検出装置 Expired - Fee Related JP2720383B2 (ja)

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