JP2719796B2 - ソルビン酸またはそのエステルの製造法 - Google Patents

ソルビン酸またはそのエステルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、クロトンアルデヒドとケテンとの重合反応
生成物であるポリエステルから、ソルビン酸またはその
エステルを工業的に有利に製造する方法に関するもので
ある。
従来の技術 ソルビン酸またはその塩は、抗微生物作用を有するた
め、食品等の保存剤として有用である。
ソルビン酸の製造方法としては種々の方法が知られて
いるが、以下に述べるように、クロトンアルデヒドをケ
テンと反応させることにより中間体としてのβ−ラクト
ンを経てポリエステルを得、ついでこのポリエステルを
該ポリエステルに対し比較的多い量の濃塩酸などの酸で
熱分解してソルビン酸を得るルートが工業的には重要で
ある。
〈ポリエステル〉 本出願人の出願にかかる特公昭42−13849号公報に
は、クロトンアルデヒドとケテンとを反応させる際の反
応触媒として亜鉛、酸化亜鉛、カドリウムまたはニッケ
ルを用いることが示されており、同じく本出願人の出願
にかかる特公昭45−9368号公報には、反応触媒として
銅、酸化銅またはコバルトを用いる方法が示されてい
る。
特公昭45−5789号公報には、クロトンアルデヒド・ケ
テン付加反応物を得る際の反応触媒として亜鉛アセチル
アセトナートまたはその錯塩を用いる方法が示されてお
り、同様に特公昭45−36315公報には、反応触媒として
アセチルアセトンのカドミウム錯塩を用いることが示さ
れている。
上に引用した文献の中で言及されている従来法によれ
ば、クロトンアルデヒドとケテンとを反応させる際の反
応触媒として、従来は三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、フリ
ーデルクラフツ型触媒、イソ吉草酸亜鉛、イソ酪酸亜
鉛、ステアリン酸コバルト、炭素数4〜18の脂肪酸のニ
ッケル・亜鉛・コバルト塩、2価の遷移金属の脂肪酸
塩、炭素数3以下の有機酸の亜鉛塩、ソルビン酸亜鉛な
どが提案されていることがわかる。
〈ソルビン酸〉 上記ポリエステルを該ポリエステルに対し比較的多い
量の濃塩酸などの酸で熱分解すると、加水分解反応、異
性化反応および脱水反応が起きて、2,4−ヘキサジエン
酸の種々の異性体が生成する。反応混合物にはタール状
のハルツが含まれるので、これを適当な手段を講じて精
製すれば、2,4−ヘキサジエン酸の異性体混合物が得ら
れる。この異性体混合物を精留すれば、2,4−ヘキサジ
エン酸のトランス−2,トランス−4型異性体であるソル
ビン酸が得られる。ソルビン酸カリウムを得るときに
は、ソルビン酸を水酸化カリウムと反応させればよい。
上記ポリエステルを濃塩酸などの酸で熱分解したとき
生成する2,4−ヘキサジエン酸の種々の異性体は、ソル
ビン酸(つまりトランス−2,トランス−4型異性体)の
ほか、シス−2,トランス−4型;トランス−2,シス−4
型;シス−2,シス−4型である。以下、ソルビン酸以外
の3異性体を総称して2,4−ヘキサジエン酸のシス異性
体、または単にシス異性体と称することにする。
ソルビン酸中にシス異性体が含まれると、ソルビン酸
の経時安定性が損なわれるので、ソルビン酸に混入する
シス異性体をできるだけ除去するか、シス異性体をソル
ビン酸に異性化することが必要となる。
特公昭42−10487号公報には、シス異性体を元素状硫
黄および/またはガス状塩化水素もしくは濃塩酸で処理
することにより、ソルビン酸に異性化する方法が示され
ている。
特開昭48−86814号公報には、シス異性体を白金族金
属の存在下に接触的に経過させることにより、ソルビン
酸に異性化する方法が開示されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、クロトンアルデヒドとケテンとの重合
反応生成物であるポリエステルを該ポリエステルに対し
比較的多い量の濃塩酸などの酸で熱分解する方法は、タ
ール状のハルツが多く生成するためその除去工程が複雑
になり、工業的には大きな問題点となっている。また、
ハルツが多く生成することは2,4−ヘキサジエン酸の収
率がそれだけ低下することを意味するので、シス異性体
をソルビン酸に異性化する反応を行っても、ソルビン酸
の収率が低くなることを免かれない。
本発明は、このような状況に鑑み、クロトンアルデヒ
ドとケテンとの重合反応生成物であるポリエステルか
ら、ソルビン酸またはそのメチルエステルを工業的に有
利に製造する方法を提供することを目的になされたもの
である。
課題を解決するための手段 本発明のソルビン酸またはそのエステルの製造法は、 クロトンアルデヒドとケテンとの重合反応生成物であ
るポリエステル、該ポリエステル100重量部に対して0.3
〜3重量部の硫酸、および該ポリエステル100重量部に
対して5〜50重量部のメタノールを反応器に仕込み、さ
らにメタノールを吹き込みながら副生する水をメタノー
ルと共に留去させつつ温度50〜130℃にて加メタノール
分解することにより、 (x)2,4−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、 (y)2,5−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、および (z)3−メトキシ−4−ヘキセン酸のエステルの種々
の異性体 を生成させる工程(A)、 前工程(A)の分解反応液を、減圧下にフラッシュ蒸
留または分留して、上記(x),(y)および(z)に
富む留分あるいはその留分のうちの一部の留分を得る工
程(B)、および、 前工程(B)で得た留分にその0.1〜5重量5の酸ま
たはアルカリを添加して、酸添加の場合には50〜130
℃、アルカリ添加の場合には0〜140℃に加熱すること
により、ソルビン酸またはそのエステルに富む生成物を
得る工程(C)、 以下本発明を詳細に説明する。
〈工程(A)〉 工程(A)は、クロトンアルデヒドとケテンとの重合
反応生成物であるポリエステル、該ポリエステル100重
量部に対して0.3〜3重量部の硫酸、および該ポリエス
テル100重量部に対して5〜50重量部のメタノールを反
応器に仕込み、さらにメタノールを吹き込みながら副生
する水をメタノールと共に留去させつつ温度50〜130℃
にて加メタノール分解することにより、 (x)2,4−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、 (y)2,5−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、および (z)3−メトキシ−4−ヘキセン酸のエステルの種々
の異性体 を生成させる工程(A)からなる。
クロトンアルデヒドとケテンとを反応させて、その重
合反応生成物であるポリエステルを得るには、従来の技
術の項でも述べた種々の触媒を用いることができる。
本発明においては、得られたポリエステルをメタノー
ルの存在下に該ポリエステルに対し少量割合の硫酸で分
解する。
反応にあたっては、まず反応器にポリエステル、メタ
ノールおよび硫酸を仕込み、撹拌下に所定の温度まで昇
温し、メタノールを吹き込みながら副生する水をメタノ
ールと共に留出させつつ加メタノール分解する。反応温
度は50〜130℃に設定される。メタノールの吹き込み時
間は1〜12時間程度とすることが多い。
反応器に最初に仕込むメタノールの量は、ポリエステ
ル100重量部に対し5〜50重量部とする。反応中に吹き
込むメタノールの量は、ポリエステル100重量部に対し8
0〜1000重量部、殊に100〜500重量部とするのが適当で
ある。
工程(A)の分解反応におけるポリエステルと硫酸の
割合は、ポリエステル100重量部に対し硫酸を0.3〜3重
量部という少量割合にする。硫酸の割合が余りに小さい
と分解反応が円滑に進まないが反応時間が極端に長くな
り、一方硫酸の割合が余りに大きいとタール状のハルツ
を生じやすくなる。硫酸は反応当初に仕込むのが通常で
あるが、一部を反応中に追加仕込みするようにしてもよ
い。
工程(A)の分解反応における系中の硫酸の濃度は、
仕込み当初ではメタノールが5〜50重量部加わるので0.
15重量%から3重量%弱となるが、メタノールの吹き込
み中もおおむねこの範囲内の割合が保たれるようにする
ことが望ましい。硫酸の濃度が低すぎる場合は分解反応
が円滑に進まないか反応時間が極端に長くなり、一方硫
酸の濃度が高すぎる場合はタール状のハルツが生成しや
すく、またそのハルツの生成量も多くなり、爾後の操作
が行いにくくなる。
従って、硫酸の添加量を上述の範囲内に設定すると共
に、系中の硫酸の濃度もおおむね上述の範囲内となるよ
うにメタノールの量を設定すべきである。
上で述べたポリエステルの分解反応により、 (x)2,4−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、 トランス−2,トランス−4型異性体 (つまりソルビン酸)、 シス−2,トランス−4型異性体、 トランス−2,シス−4型異性体、 シス−2,シス−4型異性体、 (y)2,5−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、および (z)3−メトキシ−4−ヘキセン酸のエステルの種々
の異性体 が生成する。
〈工程(B)〉 工程(B)は、前工程(A)の分解反応液を、減圧下
にフラッシュ蒸留または分留して、上記(x),(y)
および(z)に富む留分あるいはその留分のうちの一部
の留分を得る工程からなる。これにより、未反応物やハ
ルツを含まない目的留分が得られる。
蒸留は、分解液中の溶媒等の初留分、未反応物および
ハルツを除くフラッシュ蒸留、一定の温度巾で留出する
留分ごとに分画する分留法のいずれもが採用される。蒸
留は減圧下に行われ、たとえば60〜120℃/20mmHgの留分
が捕集される。
フラッシュ蒸留の場合の留分の組成(エステル)は、
おおよそ次の如くである。
(x)2,4−ヘキサジエン酸のエステルの異性体 トランス−2,トランス−4型異性体 35〜45重量% シス−2,トランス−4型異性体 10〜20重量% トランス−2,シス−4型異性体 1〜 5重量% シス−2,シス−4型異性体 微量 (y)2,5−ヘキサジエン酸のエステルの異性体 20〜25重量% (z)3−メトキシ−4−ヘキセン酸のエステルの異性
体 80〜15重量% 〈工程(C)〉 工程(C)は、前工程(B)で得た留分にその0.1〜
5重量%の酸またはアルカリを添加して、酸添加の場合
には50〜130℃、アルカリ添加の場合には0〜140℃に加
熱することにより、ソルビン酸またはそのエステルに富
む生成物を得る工程からなる。
酸またはアルカリの添加量の過少は、異性化または脱
アルコール反応速度の低下を招く。酸またはアルカリの
過多は、副反応の増大を招く。
ここで酸としては、塩酸、硫酸、カチオン交換樹脂な
どが用いられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどが用いられる。
反応溶媒としては、通常はメタノールが好適に用いら
れるが、酸添加の場合には反応溶媒の添加を省略するこ
ともできる。
上記留分と反応溶媒との合計量に対する上記留分の割
合は、酸添加の場合には30〜100重量%、アルカリ添加
の場合には30〜80重量%に設定することが多いが、必ず
しもこの範囲に限られない。
反応温度は、上記のように、酸を添加する場合には50
〜130℃程度、アルカリを添加する場合には0〜140℃程
度にそれぞれ設定される。反応時間は、数10分〜数時間
で充分である。
酸を添加するかアルカリを添加するかの選択、酸の添
加量またはアルカリの添加量の設定、反応溶媒の共存量
の設定は、上記留分の組成によって異なるので、上記条
件の中から上記留分の組成に応じた最適の条件を選ぶべ
きである。
〈単離、精製〉 前工程(C)の反応物からのソルビン酸またはそのエ
ステルの単離、精製は、常法に従い蒸留、晶析などの操
作を行うことにより達成される。
作用 工程(A)においてはポリエステルの分解が起こり、
(x)2,4−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
体、(y)2,5−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異
性体、および(z)3−メトキシ−4−ヘキセン酸のエ
ステルの種々の異性体が生成する。分解液には、これら
の生成物のほかに、メタノール、不完全分解物、副反応
物、未反応のポリエステル、ハルツなども含まれる。
工程(B)において分解反応液を蒸留に供すると、上
記の(x),(y),(z)からなる留分が分離され
る。フラッシュ蒸留を行えばこれらの留分全部が含まれ
たものが得られ、分留を行えばこれらの留分のうち一部
の留分に富むものが得られる。
工程(C)においては、異性化(2,4−ヘキサジエン
酸またはそのエステルのシス体からソルビン酸またはそ
のエステルへの異性化、2,5−ヘキサジエン酸またはそ
のエステルから2,4−ヘキサジエン酸またはそのエステ
ルへの異性化)、脱メタノール(3−メトキシ−4−ヘ
キセン酸またはそのエステルから2,4−ヘキサジエン酸
またはそのエステルへの脱水反応)が進行し、ソルビン
酸またはそのエステルあるいは2,4−ヘキサジエン酸ま
たはそのエステルに富む生成物が得られる。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは重量基準で表わしたものであ
る。
実施例1 〈ポリエステルの製造〉 反応器に精製クロトンアルデヒド1450部と亜鉛粉末5
部を仕込み、30〜40℃に保ちながらケテン420部を吹き
込んで反応させた。
反応終了後、30〜40mmHgの減圧下、120℃まで加熱し
て未反応のクロトンアルデヒドおよび副生物を留去し、
ポリエステル1030部を得た。
〈工程(A)〉 上記で得たポリエステル200部に濃硫酸1部とメタノ
ール50部とを加え、撹拌しながら内温が85℃になるまで
昇温した。
以下内温をこの温度に維持し、約4時間半かけてメタ
ノール350部を吹き込みながら常圧で副生水とメタノー
ルを留出させた。
〈工程(B)〉 工程(A)の反応液を、当初は常圧で、ついで減圧下
にフラッシュ蒸留し、主留分205部を得た。
〈工程(C)〉 2,5−ヘキサジエン酸メチル14.7%、ソルビン酸メチ
ル(つまりトランス−2,トランス−4型2,4−ヘキサジ
エン酸メチル)64.7%、2,4−ヘキサジエン酸メチルの
シストランス型異性体(シス−2,トランス−4型および
トランス−2,シス−4型)19.6%、その他1.0%の組成
を有する主留分100部に、メタノール66.7部を加えて主
留分濃度60%のメタノール溶液を調製した。
この溶液にフレーク状の水酸化ナトリウム3.17部を加
え、撹拌下に温度60℃で1時間反応させた。
反応物をガスクロマトグラフィー分析したところ、そ
の組成は、2,5−ヘキサジエン酸メチル0.3%、ソルビン
酸メチル77.7%、2,4−ヘキサジエン酸メチルのシスト
ランス型異性体19.2%、その他2.8%であり、2,5−ヘキ
サジエン酸メチルはほぼ定量的にソルビン酸に異性化し
ていることが判明した。
実施例2 〈ポリエステルの製造〉 実施例1を繰り返した。
〈工程(A)〉 上記で得たポリエステル200部に濃硫酸1.3部とメタノ
ール50部とを加え、撹拌しながら内温が95℃になるまで
昇温した。
以下内温をこの温度に維持し、約6時間かけてメタノ
ール474部を吹き込みながら常圧で副生水とメタノール
を留出させた。
〈工程(B)〉 実施例1と同様にして行った。
〈工程(C)〉 2,5−ヘキサジエン酸メチル23.3%、ソルビン酸メチ
ル(つまりトランス−2,トランス−4型2,4−ヘキサジ
エン酸メチル)60.8%、2,4−ヘキサジエン酸メチルの
シストランス型異性体(シス−2,トランス−4型および
トランス−2,シス−4型)14.9%、その他1.0%の組成
を有する主留分100部に、濃硫酸3.0部を加え、撹拌下に
内温135℃まで昇温してこの温度で2時間反応させた。
反応物をガスクロマトグラフィー分析したところ、そ
の組成は、2,5−ヘキサジエン酸メチル1.9%、ソルビン
酸メチル81.2%、2,4−ヘキサジエン酸メチルのシスト
ランス型異性体16.0%、その他0.9%であり、2,5−ヘキ
サジエン酸メチルはほぼ定量的にソルビン酸に異性化し
ていることが判明した。
実施例3 工程(B)までは実施例1を繰り返した。
工程(B)の主留分を分留して、2,4−ヘキサジエン
酸メチルのシストランス型異性体(シス−2,トランス−
4型85%およびトランス−2,シス−4型15%)を得た。
このシストランス型異性体にメタノールを加えて60%
濃度の溶液とした後、計算量の水酸化ナトリウム(25%
水溶液)、ついで同じく計算量の濃塩酸(36%水溶液)
を加え、フリーの酸に変換した。
このシストランス型異性体酸100部に濃硫酸3.0部を加
え、低沸分を常圧下に留去しながら内温135℃にまで昇
温し、この温度で2時間反応させた。
反応物をガスクロマトグラフィー分析したところ、そ
の組成は、シストランス型異性体5.0%、ソルビン酸95.
0%であり、シストランス型異性体の大部分がソルビン
酸に異性化していることが判明した。
実施例4 工程(B)までは実施例1を繰り返した。
工程(B)の主留分を分留して、3−メトキシ−4−
ヘキセン酸メチル95.0%の純度で含む留分を得た。
この留分166.3部に濃硫酸0.33部を加え、昇温した。
昇温により発生するメタノールを留出させながら内温を
135℃に保ち、1時間反応させた。この間メタノール30
部が留出し、脱メタノールが終了して、ソルビン酸53.5
%、2,4−ヘキサジエン酸のシス−2,トランス−4型異
性体18.0%、トランス−シス型異性体3.5%、2,5−ヘキ
サジエン酸25.0%を含む生成液が得られた。
発明の効果 本発明においては、工程(A)においてポリエステル
をメタノールの存在下に少量の硫酸で分解するように
し、またメタノールを吹き込みながら副生する水をメタ
ノールと共に留去させつつ温度50〜130℃にて加メタノ
ール分解するようにしているので、従来汎用されている
ポリエステルに対し比較的多い量の濃塩酸などの酸によ
る分解方法のようにハルツがタール状とならず、またハ
ルツの生成量も少なく、取り扱いが著しく行いやすくな
る。
ポリエステルの分解により、ソルビン酸またはそのエ
ステルだけでなくヘキセン酸またはヘキサジエン酸ある
いはこれらの誘導体も生成するが、工程(B)の蒸留に
続き工程(C)の異性化反応または脱メタノール反応を
行うようにしたので、異性体または誘導体は収率良くソ
ルビン酸またはそのエステルあるいは2,4−ヘキサジエ
ン酸またはそのエステルに転換し、最終的なソルビン酸
またはそのエステルの収率が向上する。
よって本発明は工業的な意義が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/333 C07C 67/333 69/587 69/587 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロトンアルデヒドとケテンとの重合反応
    生成物であるポリエステル、該ポリエステル100重量部
    に対して0.3〜3重量部の硫酸、および該ポリエステル1
    00重量部に対して5〜50重量部のメタノールを反応器に
    仕込み、さらにメタノールを吹き込みながら副生する水
    をメタノールと共に留去させつつ温度50〜130℃にて加
    メタノール分解することにより、 (x)2,4−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
    体、 (y)2,5−ヘキサジエン酸のエステルの種々の異性
    体、および (z)3−メトキシ−4−ヘキセン酸のエステルの種々
    の異性体 を生成させる工程(A)、 前工程(A)の分解反応液を、減圧下にフラッシュ蒸留
    または分留して、上記(x),(y)および(z)に富
    む留分あるいはその留分のうちの一部の留分を得る工程
    (B)、および、 前工程(B)で得た留分にその0.1〜5重量%の酸また
    はアルカリを添加して、酸添加の場合には50〜130℃、
    アルカリ添加の場合には0〜140℃に加熱することによ
    り、ソルビン酸またはそのエステルに富む生成物を得る
    工程(C)、 からなることを特徴とするソルビン酸またはそのエステ
    ルの製造法。
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