JPH0532583A - ソルビン酸又はその塩の製造法 - Google Patents

ソルビン酸又はその塩の製造法

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JPH0532583A
JPH0532583A JP21473291A JP21473291A JPH0532583A JP H0532583 A JPH0532583 A JP H0532583A JP 21473291 A JP21473291 A JP 21473291A JP 21473291 A JP21473291 A JP 21473291A JP H0532583 A JPH0532583 A JP H0532583A
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acid
alkali
lower alcohol
sorbic acid
reaction
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JP21473291A
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Takehiko Kakimoto
本 武 彦 柿
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、クロトンアルデヒドとケテンとの
重合反応生成物であるポリエステルから、ソルビン酸又
はそのアルカリ塩を工業的に有利に製造する方法を提供
する。 【構成】(A)上述のポリエステルを低級アルコールの
存在下に希薄な酸で分解する工程、(B)前記の(A)
工程の分解液を蒸留する工程、(C)水と低級アルコー
ルとの混合溶媒中で、前記の(B)工程の目的留分をア
ルカリでアルカリ塩完全中和物とする工程、(D)前記
の(C)工程のアルカリ塩溶液をアルカリの存在下に低
級アルコールを留去しながら加熱し、異性化する工程か
らなることを特徴とする。 【効果】(C)工程で、2,4−ヘキサジエン酸異性体
類を完全にアルカリ塩にした後にソルビン酸へ異性化す
ることによって、ハルツ分を少なくし、ソルビン酸又は
その塩の収率を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロトンアルデヒドと
ケテンとの重合反応生成物であるポリエステルから、ソ
ルビン酸またはそのアルカリ塩を工業的に有利に製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソルビン酸またはその塩は、抗微生物作
用を有するため、食品等の保存剤として有用である。ソ
ルビン酸の製造法としては種々の方法が知られている
が、以下に述べるように、クロトンアルデヒドをケテン
と反応させることにより中間体としてのβ−ラクトンを
経てポリエステルを得、ついでこのポリエステルを酸で
分解してソルビン酸を得るルートが工業的には重要であ
る。ポリエステルの製造に関し、本出願人の出願にかか
る特公昭42−13849号公報には、クロトンアルデ
ヒドとケテンとを反応させる際の反応触媒として亜鉛、
酸化亜鉛、カドミウムまたはニッケルを用いることが示
されており、同じく本出願人の出願にかかる特公昭45
−9368号公報には、反応触媒として銅、酸化銅また
はコバルトを用いる方法が示されている。
【0003】特公昭45−5789号公報には、クロト
ンアルデヒド・ケテン付加反応物を得る際の反応触媒と
して亜鉛アセチルアセトナートまたはその錯塩を用いる
方法が示されており、同様に特公昭45−36315号
公報には、反応触媒としてアセチルアセトンのカドミウ
ム錯塩を用いることが示されている。上に引用した文献
の中で言及されている従来法によれば、クロトンアルデ
ヒドとケテンとを反応させる際の反応触媒として、従来
は三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、フリーデルクラフツ型触
媒、イソ吉草酸亜鉛、イソ酪酸亜鉛、ステアリン酸コバ
ルト、炭素数4〜18の脂肪族のニッケル・亜鉛・コバ
ルト塩、2価の遷移金属の脂肪酸塩、炭素数3以下の有
機酸の亜鉛塩、ソルビン酸亜鉛などが提案されていたこ
とがわかる。
【0004】上記ポリエステルを酸で分解してソルビン
酸とする方法としては、従来、濃塩酸で熱分解する方法
が行われてきたが、タール状のハルツが多く生成すると
いう問題を生じるので、本出願人は特開平2−9103
9号公報で、該ポリエステルをアルコールで分解する方
法、即ちポリエステルを低級アルコールの存在下に希薄
な酸で分解する方法を提案した。従来の濃塩酸法では加
水分解反応、異性化反応および脱水反応が連続して進行
するので、反応生成液中に2,4−ヘキサジエン酸の種
々の異性体が存在していてもソルビン酸(2,4−ヘキ
サジエン酸のトランス−2,トランス−4型異性体)が
かなり多量に生成しているので、これを単離すれば工業
的には充分採算がとれるのであるが、前記アルコール分
解法では分解液中の異性体化合物におけるソルビン酸の
含量が少ないので、分解液に酸又はアルカリを加えて異
性化反応を行うことが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該製造
法では、前述のポリエステル分解に濃塩酸を使用しない
のでハルツ分は著しく減少させることはできるものの、
新たな工程である異性化中にもかなりのハルツ分の生成
が認められ、かかるハルツ分を減少させれば更にソルビ
ン酸の収率を向上させえることが判明した。本発明はか
かる観点に基づき、異性化工程を改善し、更に全体とし
てのソルビン酸の収率を向上させる製造法を提供するこ
とを目的になされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、前記
アルコール分解法におけるハルツ生成の原因が異性体混
合物中の2,4−ヘキサジエン酸類が遊離酸の型、アル
カリ部分中和型あるいはエステル型であるための知見を
得、該酸を異性化する前にアルカリにより完全にアルカ
リ塩中和物としておくとハルツ分の生成が減少すること
を見いだし、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、「(A)クロトンアルデ
ヒドとケテンとの重合反応生成物であるポリエステル
を、低級アルコールの存在下に希薄な酸で分解して、ヘ
キセン酸又はヘキサジエン酸あるいはこれらの低級アル
キルエステルを生成させる工程、(B)前記(A)工程
で得られる分解液を蒸留に供し、目的留分を得る工程、
(C)水と低級アルコールとの混合溶媒中で、前記
(B)工程で得られる留分をアルカリでヘキセン酸又は
ヘキサジエン酸のアルカリ塩とする工程、(D)前記
(C)工程のアルカリ塩溶液をアルカリの存在下に低級
アルコールを留去しながら加熱し、異性化する工程の組
合わせからなることを特徴とするソルビン酸又はその塩
の製造法。」である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 ○(A)工程 本発明の(A)工程は、クロトンアルデヒドとケテンと
の重合反応生成物であるポリエステルを、低級アルコー
ルの存在下に希薄な酸で分解して、ヘキセン酸又はヘキ
サジエン酸あるいはこれらの低級アルキルエステルを生
成させる工程からなる。クロトンアルデヒドとケテンと
を反応させて、その重合反応生成物であるポリエステル
を得るには、従来の技術の項でも述べた種々の触媒を用
いることができる。本発明においては、得られたポリエ
ステルを低級アルコールの存在下に希薄な酸で分解す
る。
【0009】典型的な反応操作にあっては、まず反応器
にポリエステル、低級アルコールおよび酸を仕込み、撹
拌下に所定の温度まで昇温し、低級アルコールを吹き込
みながら副生する水を低級アルコールと共に留出させる
ようにする。反応温度は50〜130℃程度、低級アル
コールの吹き込み時間は1〜12時間程度とすることが
多い。場合によっては、低級アルコールを一括仕込みし
て反応を行うことも可能である。
【0010】低級アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが
あげられ、通常はメタノールを用いる。反応器に最初に
仕込む低級アルコールの量はポリエステル100重量部
に対し0〜100重量部、殊に5〜50重量部、反応中
に吹き込む低級アルコールの量は、ポリエステル100
重量部に対し80〜1000重量部、殊に100〜50
0重量部とするのが適当である。ただしこの範囲は典型
的な場合であり、この範囲外でも反応は進む。酸として
は、塩酸、硫酸、カチオン交換樹脂などが用いられ、特
に硫酸が重要である。
【0011】(A)工程の分解反応におけるポリエステ
ルと酸の割合は、ポリエステル100重量部に対し酸を
0.1〜5重量部、殊に0.3〜3重量部の割合で用いる
ことが好ましく、酸の割合が余りに小さいと分解反応が
円滑に進まないか反応時間が極端に長くなり、一方酸の
割合が余りに大きいとタール状のハルツを生じやすくな
る。酸は反応当初に仕込むのが通常であるが、一部を反
応中に追加仕込みするようにしてもよい。 (A)工程の分解反応における系中の酸の濃度は、仕込
み当初で0.1〜10重量%、殊に0.2〜3重量%とす
るのが適当であり、低級アルコールの吹き込み中もおお
むねこの範囲内の割合が保たれるようにすることが望ま
しい。酸の濃度が低すぎる場合は分解反応が円滑に進ま
ないか反応時間が極端に長くなり、一方酸の濃度が高す
ぎる場合はタール状のハルツが生成しやすく、またその
ハルツの生成量も多くなり、その後の操作が行いにくく
なる。
【0012】従って、酸の添加量を上述の範囲内に設定
すると共に、系中の酸の濃度も上述の範囲内となるよう
に低級アルコールの量を設定すべきである。上で述べた
ポリエステルの分解反応により、ヘキセン酸またはヘキ
サジエン酸あるいはこれらの低級アルキルエステル、さ
らに詳しくは、 2,4−ヘキサジエン酸またはそのエステルの種々
の異性体 トランス−2,トランス−4型異性体(つまりソルビン
酸)、シス−2,トランス−4型異性体、トランス−
2,シス−4型異性体、シス−2,シス−4型異性体、 2,5−ヘキサジエン酸またはそのエステルの種々
の異性体、 3−メトキシ−4−ヘキセン酸またはそのエステル
の種々の異性体、 などが生成する。
【0013】○(B)工程 (B)工程は、前記の(A)工程の分解液を蒸留に供
し、目的留分を得る工程からなる。 (A)工程の分解液を蒸留に供することにより、未反応
物やハルツを含まない目的留分が得られる。蒸留は、分
解液中の溶媒等の初留分、未反応物およびハルツを除く
フラッシュ蒸留、一定の温度巾で留出する留分ごとに分
画する分留法のいずれもが採用される。通常、蒸留は減
圧下に行われ、例えば60〜120℃/20mmHgの留分
が補集される。
【0014】該蒸留により得られる留分の組成(エステ
ル)は、おおよそ次の如くである。 2,4−ヘキサジエン酸異性体 トランス−2,トランス−4型異性体 35〜45重量% シス−2,トランス−4型異性体 10〜20重量% トランス−2,シス−4型異性体 1〜5重量% シス−2,シス−4型異性体 微量 2,5−ヘキサジエン酸異性体 20〜25重量% 3−メトキシ−4−ヘキセン酸異性体 80〜15重量% (B)工程で得られた留分をそのまま使用して、次の
(C)工程に供してもよく、各留分をさらに分留して次
の(C)工程に供してもよい。
【0015】○(C)工程 (C)工程は水と低級アルコールとの混合溶媒中で、前
記(B)工程の目的留分をアルカリでヘキセン酸又はヘ
キサジエン酸のアルカリ塩完全中和物とする工程からな
る。低級アルコール溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが好適
に用いられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等が実用的に使用される。かかるアルカ
リは、通常、水溶液として使用され、アルカリの濃度が
30重量%以上、好ましくは40〜50重量%のものが
良い。30重量%未満の水溶液では異性化時にハルツ化
しやすくなる。
【0016】アルカリの添加量としては、目的留分に対
し1.0〜1.50倍モル、好ましくは1.0〜1.20倍
モルである。かかる範囲より小さい場合は異性化収率が
低下する。またかかる範囲を越えて添加しても本工程に
おいてはあまり効果をしめさず、あまりに加えすぎると
次工程で副反応がおこる恐れがある。 目的留分、水及びアルコール溶媒の混合比率は、重量比
で1:(0〜0.6):(0〜0.6)、好ましくは1:
(0〜0.4):(0〜0.4)である。通常は(B)工
程で得られた目的留分の0〜0.4倍重量の低級アルコ
ールを混合し、かかる溶液に前述の濃度30重量%以上
のアルカリ水溶液を加え、目的留分、水及び低級アルコ
ールの混合比率が前記の範囲になるようにする。水及び
低級アルコールが上述の範囲を逸脱すると後工程で異性
化収率が低下する。反応温度は0〜50℃、好ましくは
10〜40℃である。0℃未満にするのは設備的に実用
的ではなく、50℃を越えると、目的留分が完全にアル
カリ塩にならないうちに異性化がはじまり、ハルツ分の
生成が多くなる。反応時間は通常、0〜30分である。
【0017】○(D)工程 (D)工程は、前記(C)工程のアルカリ塩溶液をアル
カリの存在下に低級アルコールを留去しながら加熱し、
異性化する工程である。アルカリとしては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が用いられ、前(C)工程で
用いられたものと同じ条件のアルカリ水溶液が通常使用
される。アルカリの添加量はアルカリ塩に対し0.01
〜0.5倍モル、好ましくは0.05〜0.35倍モルで
ある。アルカリの添加量が少ないと異性化または脱アル
コール反応速度の低下を招き、多いと副反応やハルツ分
の増大を招く。また該(D)工程で必要なアルカリは
(C)工程で一緒に加えておくことも可能である。
【0018】(D)工程の反応温度は60〜140℃、
好ましくは100〜120℃であり、反応時間は1〜5
時間、好ましくは2〜3時間である。(D)工程では低
級アルコールを留分しながら反応することも必須であ
る。留去する低級アルコールの量としては、系中のアル
コール量が10重量%以下になる様コントロールする。
10重量%以上のアルコールの存在下で異性化を行って
も収率は向上しない。
【0019】○単離、精製 前記(D)工程でソルビン酸のアルカリ塩が得られる。
通常は該ソルビン酸アルカリ塩を硫酸、塩酸、酢酸等の
酸でソルビン酸とし、常法に従い、晶析などの操作を行
ってソルビン酸結晶を単離する。ソルビン酸塩を得る場
合には、通常、かかるソルビン酸を水媒体中もしくは有
機溶媒中においてアルカリと反応させ、晶析法、噴霧乾
燥法等の常法に従い固体状として取り出す。または場合
によっては(C)工程で目的とするソルビン酸アルカリ
塩が生成する様にアルカリを選択し、(D)工程終了
後、反応液から直接上述の常法によりソルビン酸塩とし
て取り出してもよい。
【0020】
【作 用】(A)工程においてはポリエステルの分解
が起こり、2,4−ヘキサジエン酸またはその低級アル
キルエステルの種々の異性体、2,5−ヘキサジエン酸
またはその低級アルキルエステルの種々の異性体、3−
メトキシ−4−ヘキセン酸またはその低級アルキルエス
テルの種々の異性体などが生成する。分解液には、これ
らの生成物の他に、低級アルコール、不完全分解物、副
反応物、未反応のポリエステル、ハルツなども含まれ
る。
【0021】(B)工程において分解物を蒸留に供する
と、2,4−ヘキサジエン酸またはその低級アルキルエ
ステルの種々の異性体、2,5−ヘキサジエン酸または
その低級アルキルエステルの種々の異性体、3−メトキ
シ−4−ヘキセン酸またはその低級アルキルエステルの
種々の異性体からなる目的留分が分離される。フラッシ
ュ蒸留を行えばこれらの目的留分全部が含まれたものが
得られ、分留を行えばこれらの留分のうち特定成分に富
むものが得られる。
【0022】(C)工程においては、主として、(B)
工程で得られたヘキセン酸やヘキサジエン酸の低級アル
キルエステルをアルカリによって中和又は加水分解を行
い、アルカリ塩完全中和物を得る。 (D)工程においては、2,4−ヘキサジエン酸アルカ
リ塩のシス体からソルビン酸アルカリ塩への異性化、
2,5−ヘキサジエン酸アルカリ塩から2,4−ヘキサジ
エン酸アルカリ塩へ、更にはソルビン酸アルカリ塩への
異性化、3−メトキシ−4−ヘキセン酸アルカリ塩から
2,4−ヘキサジエン酸アルカリ塩へ、更にはソルビン
酸アルカリ塩への異性化が起こり、ソルビン酸アルカリ
塩に富む生成物が得られる。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。以下「%」とあるのは重量基準で表したものであ
る。 実施例1 〈ポリエステルの製造〉反応器に精製クロトンアルデヒ
ド1450kgと亜鉛粉末5kgを仕込み、30〜40℃に
保ちながらケテン420kgを吹き込んで反応させた。反
応終了後、30〜40mmHgの減圧下、120℃まで加熱
して未反応のクロトンアルデヒドおよび副生物を留去
し、ポリエステル1030kgを得た。
【0024】〈(A)工程〉上記で得たポリエステル2
00kgに濃硫酸1kgとメタノール50kgとを加え、撹拌
しながら内温が85℃になるまで昇温した。以下内温を
この温度に維持し、約4時間半かけてメタノール350
kgを吹き込みながら常圧で副生水とメタノールを留出さ
せた。
【0025】〈(B)工程〉(A)工程の反応液を、当
初は常圧で、ついで減圧下にフラッシュ蒸留し、下記組
成の主留分205kgを得た。 ☆主留分の組成(ガスクロマトグラフィー分析値) ◎2,4−ヘキサジエン酸メチル ○トランス−2,トランス−4型(すなわちソルビン酸
メチル)35.0% ○トランス−2,シス−4型 2.5% ○シス−2,トランス−4型 12.5% ○シス−2,シス−4型 1.5% ◎5−メトキシ−3−ヘキセン酸メチル ○トランス型 22.5% ◎3−メトキシ−4−ヘキセン酸メチル ○トランス型 22.5% ◎3,5−ジメトキシヘキサン酸メチル 1.5% ◎その他 2.0%
【0026】〈(C)工程〉上記の組成を有する主留分
85.0kg(総モル数583.12モル)にメタノール2
7.4kgを加えてメタノール溶液とし、撹拌下、温度6
0℃で48.6%水酸化ナトリウム水溶液を主留分に対
して1.01倍モル(48.5kg)加え、30分間反応さ
せた。混合溶媒の重量比は留分:水:メタノール=1:
0.293:0.322であった。
【0027】〈(D)工程〉前記(C)工程のアルカリ
塩の溶液に、更に48.6%水酸化ナトリウム水溶液を
アルカリ塩に対して0.10倍モル(4.7kg)加え、撹
拌下に温度110℃に昇温し、110℃に到達後メタノ
ールを留去していった。60分間でメタノールを38.
1kg留出させ、その後2時間110℃で反応させ、スラ
リー液を得た。反応終了後、水40kgを加え該塩を溶解
し、濃硫酸でPH3.0に中和した。中和後、結晶を濾
過し、粗ソルビン酸60.0kg(536.49モル)を得
た。 (C)工程の主留からのソルビン酸の収率は92.0%
であった。
【0028】実施例2 (A)、(B)工程は実施例1と同様に行った。 〈(C)工程〉主留分85.0kgにメタノール8.5kgを
加えてメタノール溶液とし、撹拌下、温度60℃で5
0.0%水酸化カリウム水溶液を主留分に対して1.02
倍モル(66.7kg)加え、30分間反応させた。混合
溶媒の重量比は留分:水:メタノール=1:0.39
2:0.10であった。
【0029】〈(D)工程〉アルカリとして50.0%
水酸化カリウム水溶液をアルカリ塩に対して0.30倍
モル(19.6kg)使用した以外は実施例1の(D)工
程と同じ方法を行った。また留出させるメタノールの量
を20.0kgに変更した。その結果、粗ソルビン酸59.
76kg(533.55モル)を得た。 (C)工程の主留からのソルビン酸の収率は91.5%
であった。
【0030】実施例3 (A)、(B)工程は実施例1と同様に行った。 〈(C)工程〉主留分85.0kgにメタノール33kgを
加えてメタノール溶液とし、撹拌下、温度60℃でフレ
ーク状の水酸化ナトリウムを主留分に対して1.10倍
モル(25.7kg)を加え、30分間反応させた。混合
溶媒の重量比は留分:水:メタノール=1:0:0.3
88であった。 〈(D)工程〉フレーク状の水酸化ナトリウムをアルカ
リ塩に対して0.2倍モル(4.7kg)使用し、留出させ
るメタノールの量を44.0kgにする他は実施例1の
(D)工程と同様の操作を行い、粗ソルビン酸58.8
5kg(525.39モル)を得た。 (C)工程の主留からのソルビン酸の収率は90.1%
であった。
【0031】実施例4 (A)、(B)工程は実施例1と同様に行った。 〈(C)工程〉主留分85.0kgに撹拌下、温度60℃
で45.0%水酸化ナトリウム水溶液を主留分に対して
1.18倍モル(61.2kg)加え、30分間反応させ
た。混合溶媒の重量比は留分:水:メタノール=1:
0.396:0であった。 〈(D)工程〉45.0%水酸化ナトリウム水溶液をア
ルカリ塩に対して0.02倍モル(1.0kg)使用し、留
出させるメタノールの量を10.1kgにする他は実施例
1の(D)工程と同様の操作を行い、粗ソルビン酸5
9.84kg(534.22モル)を得た。(C)工程の主
留からのソルビン酸の収率は91.6%であった。
【0032】実施例5 (A)、(B)工程は実施例1と同様に行った。 〈(C)工程〉主留分85.0kgにメタノール5.0kgを
加えてメタノール溶液とし、撹拌下、温度80℃で5
0.0%水酸化カリウム水溶液を主留分に対して1.01
倍モル(66.1kg)を加え、30分間反応させた。混
合溶媒の重量比は留分:水:メタノール=1:0.38
9:0.059であった。
【0033】〈(D)工程〉前記(C)工程のアルカリ
塩の溶液に、更に50.0%水酸化カリウム水溶液をア
ルカリ塩に対して0.02倍モル(1.3kg)加え、撹拌
下に温度110℃に昇温し、110℃に到達後メタノー
ルを留去していった。60分間でメタノールを15kg留
出させ、その後2時間110℃で反応させた。反応終了
後、反応終了液を減圧下(30mmHg)、ジャケット温
(130℃〜140℃)で、連続濃縮してドライアップ
した(設備、ドラムドライヤー)。得られたケーキ88
kgをメタノール(85%)/水(15%)系溶媒で40
%溶液とし、再結晶して、ソルビン酸カリウム52.8k
g(352.00モル)を得た(純度99.8%)。
(C)工程の主留からのソルビン酸カリウムの収率は6
0.4%であった。
【0034】実施例6 実施例1の(B)工程で得られた留分を使用し、主留分
85.0kgにメタノール27.4kgを加えてメタノール溶
液とし、撹拌下、温度80℃で48.6%水酸化ナトリ
ウム水溶液を主留分に対して1.30倍モル(62.4k
g)加え、〔(D)工程に必要なアルカリもこの工程で
一括仕込みした〕、30分間反応させた。混合溶媒の重
量比は留分:水:メタノール=1:0.377:0.32
2であった。続いて温度を110℃に昇温し、110℃
に到達後、60分間でメタノールを38.0kg留出させ
ながら反応を行い、その後2時間110℃で反応を続け
た。反応終了後、得られたスラリー液に水40kgを加え
溶解し、濃硫酸でPH3.0に中和する。中和後、濾過
し、粗ソルビン酸59.43kg(530.64モル)を得
た。主留からのソルビン酸の収率は91.0%であっ
た。
【0035】対照例 実施例5で48.6%水酸化ナトリウムの添加量を主留
分に対して、0.36倍モル(17.5kg)に加え主留分
を部分中和にとどめ、更に水を18.3kg加える以外は
同例に準じて実験を行った結果、ソルビン酸の収率は8
8.0%であった。
【0036】
【効 果】本発明においては、(A)工程においてポリ
エステルを低級アルコールの存在下に希薄な酸で分解す
るようにしているので、従来汎用されている濃塩酸によ
る分解方法のようにハルツがタール状とならず、またハ
ルツの生成量も少なく、取り扱いが著しく行いやすくな
る。ポリエステルの分解により、ソルビン酸またはその
エステルだけでなくヘキセン酸またはヘキサジエン酸あ
るいはこれらの低級アルキルエステルも生成するが、
(B)工程の蒸留に続き、(C)工程でこれらのヘキセ
ン酸またはヘキサジエン酸等を完全にアルカリ塩とし、
(D)工程で異性化反応を行うようにしたので、ソルビ
ン酸またはそのアルカリ塩の収率が向上する。よって本
発明は産業上極めて有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)クロトンアルデヒドとケテンとの重
    合反応生成物であるポリエステルを、 低級アルコールの存在下に希薄な酸で分解して、ヘキセ
    ン酸又はヘキサジエン酸あるいはこれらの低級アルキル
    エステルを生成させる工程、 (B)前記(A)工程で得られる分解液を蒸留に供し、
    目的留分を得る工程、 (C)水と低級アルコールとの混合溶媒中で、前記
    (B)工程で得られる留分をアルカリでヘキセン酸又は
    ヘキサジエン酸のアルカリ塩とする工程、 (D)前記(C)工程のアルカリ塩溶液をアルカリの存
    在下に低級アルコールを留去しながら加熱し、異性化す
    る工程の組合わせからなることを特徴とするソルビン酸
    又はその塩の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000018819A1 (fr) * 1998-09-29 2000-04-06 Daicel Chemical Industries, Ltd. Procedes de production de polyester et d'acide sorbique
JP2002187940A (ja) * 2000-12-21 2002-07-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリエステルの連続的製造法
JP2014503476A (ja) * 2010-10-29 2014-02-13 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー ソルビン酸無水物の製造方法及びその食品保存料としての使用

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