JPH0625053A - グリセリルエーテル類の製造方法 - Google Patents

グリセリルエーテル類の製造方法

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JPH0625053A
JPH0625053A JP20020792A JP20020792A JPH0625053A JP H0625053 A JPH0625053 A JP H0625053A JP 20020792 A JP20020792 A JP 20020792A JP 20020792 A JP20020792 A JP 20020792A JP H0625053 A JPH0625053 A JP H0625053A
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JP
Japan
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reaction
acetic acid
ethers
glyceryl
glyceryl ether
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JP20020792A
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English (en)
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Toshiaki Inagi
俊明 稲木
Haruo Morita
治生 森田
Takaaki Goto
崇明 後藤
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YOTSUKAICHI GOSEI KK
Original Assignee
YOTSUKAICHI GOSEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素数 8〜24のアルキル基を有するグリシジ
ルエーテル類の加水分解によるグリセリルエーテル類の
製造において製品の収率及び純度を向上させる。 【構成】 加水分解反応において溶媒として酢酸を用
い、反応生成液をアルカリ水溶液により処理する。 【効果】 反応の速度が増大し、副生物の生成が抑制さ
れ、高純度のグリセリルエーテル類が収率よく得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリセリルエーテル類の
製造方法に関し、詳しくは炭素数が 8〜24の飽和又は不
飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するグリシジル
エーテル類と水とを反応させてグリセリルエーテルを製
造する方法に関するものである。
【0002】本発明によって製造されたグリセリルエー
テル類は、天然には鮫肝油の不ケン化物中にスクワレン
とともに存在し、毒性が低く、刺激性もなく保湿性に富
むので、化粧品又は軟膏などに広く使用されている。
【0003】
【従来の技術】グリセリルエーテル類の製造方法として
は、(1)酸あるいはアルカリの存在下にグリシジルエ
ーテル類を加水分解する方法、(2)相関移動触媒の存
在下、エチレングリコールモノアルキルエ−テルを溶媒
としてグリシジルエーテル類を加水分解する方法(特開
昭63-77833号公報)、(3)アルキルハライドあるいは
アルキルスルホン酸エステルと1,2-0-イソプロピリデン
グリセロールのアルコラートとを反応させた後、加水分
解する方法、(4)グリシジルエーテル類とカルボニル
化合物とを反応させて1,3-ジオキソラン化合物を生成さ
せた後、これを加水分解する方法(特開昭 56-133281号
公報)、(5)グリシジルエーテル類をカルボン酸と反
応さてせグリセロールモノエステル類を生成させた後、
加水分解する方法、(6)グリシジルエーテル類と酸無
水物とを触媒の存在下で反応させグリセロールジエステ
ル類を生成させて加水分解する方法(特開昭 58-134049
号公報)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
公知方法には次に示すいくつかの欠点があり未だ充分な
方法とは言えない。
【0005】すなわち、上記(1)の方法では反応系が
不均一であるため、酸触媒を用いた場合においては目的
とするグリセリルエーテル類の分解が生じ、またアルカ
リ触媒ではグリシジルエーテル類の重合が生じ、酸、ア
ルカリの両者とも目的とするグリセリルエーテル類の収
率が低下するばかりでなく、品質の低下もきたすとされ
ている。
【0006】上記(2)の方法においては、(1)の方
法の欠点は解決されるものの、溶媒のエチレングリコー
ルモノアルキルエーテルとグリシジルエーテル類とが反
応してグリセリルエーテル類の収率が低下するという問
題が生じる。
【0007】(3)の方法においては、不純物、重合物
の副生は抑制され、高い収率でグリセリリエーテルが得
られるが、(a)アルキルハライド、アルキルスルホン
酸エステルの入手が困難なこと、(b)1,2-0-イソプロ
ピリデングルセロールを得るために長時間を要するこ
と、(c)反応を無水状態で行わなければならないこと
等の欠点を有する。
【0008】(4)の方法においては、(3)と同様高
い収率でグリシジルエーテル類が得られるが、1,3-ジオ
キソラン化合物の加水分解反応に際してケトン、アルデ
ヒドが副生し、これらが着色やにおいの原因となる可能
性がある。
【0009】(5)の方法においては、生成したグリセ
リルエステル類にさらにグリシジルエーテル類が反応す
るので、目的とするグリセリルエーテル類を収率よく得
ようとするにはカルボン酸のモル比を大過剰にしなけれ
ばならない。
【0010】(6)の方法においては、(a)ルイス酸
触媒の場合、反応温度を40℃以下に厳密に制御しなけれ
ば暴走反応の恐れがある、(b)酸無水物のモル比を大
過剰にしなければグリシジルエーテル類の重合が生じる
恐れがある等の問題がある。
【0011】以上のように、グリセリルエーテル類を高
収率で且つ簡便な方法で得るには、上記の各公知方法で
は必ずしも十分ではなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはグリシジル
エーテル類の加水分解反応を鋭意検討した結果、グリシ
ジルエーテル類の加水分解反応に際して酢酸を溶媒とし
て加えることにより反応速度が飛躍的に増大することを
見い出した。
【0013】すなわち、本発明は、炭素数が 8〜24の飽
和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するグ
リシジルエーテル類と水とを反応させてグリセリルエー
テル類を製造する方法において、酢酸を溶媒として反応
させた後、アルカリ金属水酸化物水溶液で処理すること
を特徴とするグリセリルエーテル類の製造方法である。
【0014】
【発明の具体的説明】
(グリシジルエーテル類)本発明において原料となるグ
リシジルエーテル類は炭素数が 8〜24の飽和又は不飽和
の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するグリシジルエー
テル類である。炭素数が 8〜24のアルキル基の例として
は、n-オクチル、2-オクチル、2-エチルヘキシル、3,5,
5-トリメチルヘキシル、n-ノニル、2-ノニル、n-デシ
ル、n-ウンデシル、2-ウンデシル、ラウリル、トリメチ
ルノニル、ミリスチル、ヘプタデシル、セチル、14- メ
チルヘキサデシル、ステアリル、16- メチルオクタデシ
ル、エイコシル、18- メチルノナデシル、18- メチルエ
イコシル、ドコシル、20- メチルヘンエイコシル、20-
メチルドコシル、テトラコシル、22- メチルトリコシ
ル、ドデセニル、フィセテリル、ゾーマリル、オレイ
ル、ガドレイル、11- ドコセニル、カタドニル、クルバ
ノドニルなどが挙げられる。
【0015】(水)本発明において水の使用量はグリシ
ジルエーテル類 1モルに対して 3〜10モル、好ましく
は、 5〜7 モルである。 3モル以下の場合、高沸点副生
物が生成し、目的とするグリセリルエーテル類の収率が
低下する恐れがある。また10モル以上の場合には反応系
が不均一となり、反応に長時間を要する。
【0016】(酢酸)本発明において溶媒として使用す
る酢酸の量は、上記グリシジルエーテル類及び水に酢酸
を加えて均一相となることが望ましい。すなわち、原料
グリシジルエーテル類 1重量部に対して 0.5〜5 重量
部、好ましくは 1〜3 重量部である。0.5 重量部以下で
は反応の系が不均一となり、期待される反応速度の増大
が望めない。 5倍重量以上ではグリセリルエーテル類の
酢酸エステルの副生が増大し、アルカリ水溶液処理にお
けるアルカリの必要量が多くなる。溶媒として酢酸以外
の酸は、グリシジルエーテル類と水との反応の系を効率
的に均一化できず、本発明の目的を達成することができ
ない。
【0017】(触媒)本発明においては、酢酸を溶媒と
して用いることにより、容易に反応が進行するが、従来
用いられていた触媒、例えば硫酸、燐酸、パラトルエン
スルホン酸、イオン交換樹脂、活性白土、ゼオライトな
どの酸触媒、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウムなどの塩基触媒を用いてもよ
い。
【0018】(反応条件)反応温度は50〜150 ℃、好ま
しくは70〜120 ℃である。70℃以下では反応に長時間を
要し、 150℃以上では副反応が増大するおそれがある。
【0019】反応時間は反応温度によって大きく異なる
が、慨ね 1〜15時間、好ましくは 3〜10時間である。
【0020】(アルカリ水溶液処理)上記の反応におい
てグリセリルエーテル類の酢酸エステルが20〜50重量%
生成するので、反応終了後、過剰の酢酸及び水を減圧下
で留去した後、適当な溶媒、例えばn-ブタノールを加
え、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムの 5〜30重量
%水溶液を、生成したグリセリルエーテル類の酢酸エス
テルに対して 1.2〜1.7倍モルを加え、20〜70℃で 1〜5
時間処理して酢酸エステルを加水分解する。
【0021】(製品)アルカリ水溶液を分離除去し、有
機層を中和、水洗した後蒸留又は晶析により精製するこ
とにより高純度のグリセリルエーテル類が高収率で得ら
れる。
【0022】〔作用〕本発明で用いられる溶媒の酢酸
は、互いに溶解しないグリシジルエーテル類と水を均一
相とすることができ、お互いの接触をよくするばかりで
なく、触媒としてのプロトン源となり、反応を円滑に進
めることができる。また副生したグリセリルエーテルの
酢酸エステルは、反応終了後アルカリ水溶液処理により
加水分解され、グリセリルエーテル類を高収率でしかも
高純度で得ることができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0024】実施例1 1L四ツ口フラスコにステアリルグリシジルエーテル300
g、酢酸300g、水100gを仕込み、 100℃で 7時間反応さ
せた。反応終了後、酢酸と水を減圧下で留去した。次い
でn-ブタノール200g及び20重量%水酸化ナトリウム 80g
を加え、40℃で 2時間処理した。二層に分離した処理液
より水酸化ナトリウム水溶液を除去し、得られた有機相
を中和水洗し、溶媒のn-ブタノールを減圧下留去した。
【0025】残留液254g(水酸基価 285.0)が得られ、
n-ヘプタン2.4Lで再結晶することによりステアリルグリ
セリルエーテル229.0g(水酸基価 317.3、理論値 325.
6)を得た。収率は74.5モル%であった。
【0026】実施例2 1L四ツ口フラスコにオレイルグリシジルエーテル300g、
酢酸300g、水100g、75重量%及び燐酸0.3gを仕込み、90
℃で 5時間反応させた。反応終了後、減圧下で酢酸と水
を留去した。次いでn-ブタノール200g及び20重量%水酸
化ナトリウム100gを加え、40℃で 2時間処理した。二層
分離により水酸化ナトリウム水溶液を除去した後、有機
層を中和、水洗した後、減圧蒸留して無色透明液体のオ
イレルグリセリルエーテル241.9g(水酸基価322.7 理論
値 327.5)を得た。収率は76.3モル%であった。
【0027】比較例1 1Lグラス製オートクレーブにオレイルグリシジルエーテ
ル300g、p-キシレン300g、水100gを仕込み、p-トルエン
スルホン酸5gを添加した後 135℃で10時間反応させた。
反応終了後、触媒のp-トルエンスルホン酸を20%水酸化
ナトリウム水溶液で中和した。減圧下で脱水した後、析
出した中和塩を濾過により除去した。濾液を減圧蒸留し
たが目的とするオレイルグリセリルエーテルは得られ
ず、留出物のほとんどが原料のオレイルグリシジルエー
テルであった。
【0028】比較例2 1Lグラス製オートクレーブにオレイルグリシジルエーテ
ル300gと水100gを仕込み、硫酸3.5gを添加した後 120℃
で10時間反応させた。反応終了後、触媒の硫酸を20重量
%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和液を減圧下
で脱水した後、析出した中和塩を濾過により除去した。
濾液を減圧蒸留して、無色透明液体のオレイルグリセリ
ルエーテル 55g(水酸基価 308.4)を得た。収率は17.4
モル%であった。蒸留残査の水酸基を測定したところ8
9.4であり、高沸点副生物が生成していた。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、グリシジルエーテル類
と水とを反応させてグリセリルエーテル類を製造するに
際して、溶媒として酢酸を用いて反応させ、その後、ア
ルカリ水溶液により処理することにより目的とするグリ
セリルエーテルを高純度でしかも高収率で製造すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数が 8〜24の飽和又は不飽和の直鎖
    又は分岐鎖のアルキル基を有するグリシジルエーテル類
    と水とを反応させてグリセリルエーテル類を製造する方
    法において、酢酸を溶媒として反応させた後、アルカリ
    金属水酸化物水溶液で処理することを特徴とするグリセ
    リルエーテル類の製造方法。
JP20020792A 1992-07-06 1992-07-06 グリセリルエーテル類の製造方法 Pending JPH0625053A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6437196B1 (en) * 1999-01-25 2002-08-20 Kao Corporation Process for producing glyceryl ether
DE102009032235A1 (de) 2009-07-08 2011-01-20 Schülke & Mayr GmbH Verfahren zur Herstellung von 1-Alkylglycerinethern
KR101878433B1 (ko) * 2018-01-23 2018-07-13 대달산업주식회사 알킬글리세릴 에테르의 제조 방법

Cited By (6)

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EP2277849A1 (en) 2009-07-08 2011-01-26 L'AIR LIQUIDE, Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés Georges Claude Process for the preparation of 1-alkyl glycerol ethers
DE102009032235B4 (de) * 2009-07-08 2012-08-23 Schülke & Mayr GmbH Verfahren zur Herstellung von 1-Alkylglycerinethern
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