JP2718552B2 - 曲げ加工における加工開始点と終了点の検出方法 - Google Patents

曲げ加工における加工開始点と終了点の検出方法

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JP2718552B2 JP25240989A JP25240989A JP2718552B2 JP 2718552 B2 JP2718552 B2 JP 2718552B2 JP 25240989 A JP25240989 A JP 25240989A JP 25240989 A JP25240989 A JP 25240989A JP 2718552 B2 JP2718552 B2 JP 2718552B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、プレス加工機またはプレスブレーキ等の
ベンディングマシンにおいて、電導体である金属板の曲
げ加工を行う際、加工の開始点と終了点とを検出する曲
げ加工における加工開始点と終了点の検出方法に関す
る。
(従来の技術) 従来の機械圧による曲げ加工機では、パンチとダイが
相対的に、どれくらい近づいたかを知るために、リニヤ
スケールまたはロータリエンコーダ等を利用していた。
また、油圧駆動による曲げ加工機の場合では、シリン
ダや油圧回路内に圧力の変化を圧力センサ等で検出して
板材(ワーク)に加わる圧力を代用値として検出してい
た。
また、油圧力の検出に代わる方法としては、パンチや
ダイ、または曲げ加工機の、その他の部分に圧力を電気
変換器に変換あるいは変位を電気変換器等に変換するな
どの手段を利用して板材に加わる圧力を間接的に検出し
ていた。
すなわち、上記のような手段で検出した検出値が一定
値に至ったとき、あるいは一定値に至ったときから、特
定の時間後、あるいは特定の時間前を曲げ加工の開始点
や終了点として扱っていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述のような従来の検出方法では、パ
ンチが下降してパンチの最下端が板材を加圧すると、板
材の被加圧部は押圧されてV形溝内に下降するが、板材
の両端は逆に、はね上がる。とくに板材の厚さが薄い場
合で、かつ、はね上がりがほとんど発生しない点(ほ
ぼ、パンチの最下端に等しい点)を曲げ加工の開始点と
していた場合には、次のような事が課題となり、検出が
困難である。
開始点におけるパンチ先端部が受ける圧力は非常に小
さいものであるので、その検知に高感度の圧力センサが
必要となる。
しかし、高感度の圧力センサを、パンチの先端形状を
変えることなく、先端部に取付けることは困難である。
それでは、パンチの先端部ではなく、もっと上方に、
例えばパンチの付け値部等に高感度の圧力センサを取付
けると、圧力センサ以下、パンチ先端までの質量(重
量)による慣性で圧力センサが開始点に至ったと同様レ
ベルの出力を機械本体や地盤の振動によって発生させて
しまう結果となるという課題があった。
なお、高感度の圧力センサは曲げ加工全体における加
圧力の最大値に耐えられない。
また、リニアスケールあるいはロータリエンコーダ等
によりダイの上面より板材の厚さ分だけ上方にパンチの
先端を位置決めし、開始点として扱うと、パンチの高さ
のバラツキ,パンチ先端のR形状のバラツキ,ダイの高
さのバラツキ,板材の厚さのバラツキなどによって、本
当の曲げ開始点に対しては大きな誤差を生じる。また、
パンチやダイを交換する都度、パンチの位置決めを行っ
ている制御装置のプログラムを変更する必要があるなど
の課題があった。
また、油圧駆動による曲げ加工機において、シリンダ
内や油圧回路内の圧力を圧力センサ等をもって検出しよ
うとする場合では、シリンダ内のオイルシール等がシリ
ンダ内面との間で発生させる摩擦力の変動や、機械の可
動テーブルが案内面との間でもつ摩擦力の変動等の外乱
があり、感度よく曲げ開始点を検出することが困難であ
るという課題があった。
また、上記の方法では、加工される板材の曲げ長さ
や、板厚毎に圧力センサより得られる信号のどのレベル
の開始点とするかを変更しなければならない等の課題が
あった。
なお、曲げ長さや板厚が変っても、一定のレベルで開
始点をとらえようとすると、板材が変わる毎に、両端の
はね上がりが変化してしまうことになる。
また、曲げ加工の終了点を検出する場合においても、
特別な場合を除き、曲げ角度は、パンチ先端がV型溝の
下降端に至った角度より少し大きくなる(スプリングバ
ック量を含む角度)が、そのときの先端の位置が終了点
であり、前記開始点の場合と、ほぼ同様の課題を生ず
る。
この発明の目的は上記課題を解決するため、パンチ先
端部と板材、およびダイ両肩部と板材の3点がすべて接
触した点を開始点とし、また、前記3接触点の内、いづ
れか1つが接触しなくなった点を終了点とし、または、
時間の開始点と終了点として、これらの点を電気信号に
より検出することによって、スプリングバック量を考慮
した正確な曲げ角度を保持した板材の曲げ加工の実現を
図った曲げ加工における加工開始点と終了点の検出方法
を提供するにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、この発明は、V型の溝を
もつダイと、それに対向するパンチとの間に板材を挿入
し、パンチとダイとの協働によって板材に加圧力を加え
て行なう曲げ加工において、パンチ先端部とダイ両肩部
の3個所を、それぞれ電気的に絶縁された3部分に分
け、それら3つの部分が板材と接触する部分を3つの電
気的接点とし、曲げ加工が開始した点および終了した点
を位置として、または、時間の開始点と終了点として検
出する曲げ加工における加工開始点と終了点の検出方法
である。
(作用) この発明の曲げ加工における加工開始点と終了点の検
出方法では、パンチ先端部と板材およびダイ両肩部と板
材の3点がすべて接触した点を開始点とし、また前記3
接触点の内、いづれか1つが接触しなくなった点を終了
点とし、または時間の開始点を終了点として、これらの
点を電気信号により検出することによってスプリングバ
ック量を考慮した正確な曲げ角度を保持した板材の曲げ
加工の実現が図られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図を参照するに、総括的に示す符号1はプレスブ
レーキの如き折曲げ機を示すものである。
この折曲げ機1はダイ3を支承した下部フレーム5を
備えると共に、パンチ7を支承したパンチホルダー9
を、さらにパンチホルダー9に連設したテーブル11を備
えている。
折曲げ機1は、ダイホルダー5あるいはテーブル11の
少なくとも一方を昇降するものであるが、本実施例にお
いては、テーブル11の上部に設けた油圧シリンダ13の作
動によってテーブル11が昇降する場合を例示しているも
のである。
第1図は、本実施例の主要部を示し、第2図における
II−II線に沿った斜視図である。
第1図において、パンチ7は常にパンチホルダー9に
固定され、その下端は先尖りの形状をなしている。
パンチホルダー9は、上部ホルダー9aと下部ホルダー
9bとに分割され、その接合部に電気絶縁体15が挿設され
ている。
この電気絶縁体15を通して前記したパンチ尖端部の接
触点を検出すべく電気信号を引出すため前記上部ホルダ
ー9aにはコネクター17を介して導線19が連結されてい
る。
ダイ3は、ダイホルダ5に固定され、板材Wを介して
常にパンチ7によって強力なプレスを受けるが、その圧
延個所には取替歯であるP接点用コマ21PとQ接点用コ
マ21Qが植設されている。
このP,Q接点用コマ21P,21Qは、例えばマンガン鋼の如
き強力な耐衝撃力と高い硬度を有する素材によって作ら
れ、上面にはパンチ7の尖端形状に合致したV型の溝21
Vが形成されている。
P,Q接点用コマ21P,21Qとダイ本体3aとの間に電気絶縁
体23が挿設されており、この電気絶縁体23を通し導電25
P,25Qを介して2個のコンタクタ27P,27Qがダイ本体3aの
下部に設けられている。
ダイホルダー5の上部に穿設した溝29に2本の導線レ
ール31P,31Qを設け、この導線レール31P,31Qを通じて導
線33P,33Qの一端がコンタクタ27P,27Qに接続されてお
り、ダイ3のV型両肩部3537の接触点を検出すべく電気
信号を引出すため、導線33P,33Qの他端がコネクター39
を介して導線41に連結されている。
なお、ダイホルダー5に導線レール25P,25Qを設けた
のは、ダイ3の取付け位置を変更しても常に電気信号が
取出させるためである。
次に、パンチ7に電気絶縁体15の挿設例が第3図に、
またダイ3に電気絶縁体23の挿設例が第4図に示されて
いる。すなわち、第3図(a)はパンチ7内に、第3図
(b)はパンチホルダー9内に、第3図(c)はテーブ
ル11内に、それぞれ絶縁体15が挿設された例を示すもの
であり、また第4図(a)はダイ3内に、第4図(b)
はダイホルダー5とダイ3を通して、第4図(c)は固
定テーブル43からダイホルダー5とダイ3を通して、そ
れぞれ絶縁体23が挿設された例を示すものである。
第5図はパンチ7とワークW,ダイ3の両肩部35,37と
ワークWとの接触状態が、第6図はこの検出方法におけ
る電気回路のブロック図,第7図は第6図における論理
回路内部の基本的論理の系統図である。また、第8図は
この実施例を他の検出器に対する2つのトリガ(開始点
と終了点)として利用する場合の処理例を示す線図であ
る。
第5図において、ワークWにパンチ7の先端が接触し
た点をOとし、ワークWがダイ3の両肩部35,37に接触
した点をそれぞれP,Qとしている。
第6図および第7図におけるP接点信号およびQ接点
信号とは、第5図に示したごとく、ワークWがダイ3の
両肩部35および37の点P,Qに接触して引出された電気信
号であり、またO接点信号とはワークWが、パンチ7の
先端部の点Oに接触して引出された電気信号である。
すなわち、第6図において電気回路45は、、ディテク
ター,チャタリング防止回路47,電源49および論理回路5
1とで構成されている。したがって、P,O,Q接点信号はデ
ィテクター,チャタリング防止回路47を経て論理回路51
に取込まれる。
論理回路51では第7図に示すごとく、処理される。す
なわち、P接点信号とO接点信号がアンド回路53に取込
まれると共に、O接点信号とQ接点信号がアンド回路55
に取込まれる。アンド回路53,55で処理された信号がア
ンド回路57に取込まれて、R信号として出力されること
になる。
第8図の(a),(b),(c)における3つの線図
である曲線,,は、それぞれ次のごとき意味合い
を示すものである。
すなわち、第8図(a)において曲線は、第6図に
示す電気回路45におけるR信号を示す。線図は正論理で
示しており、開始点はR信号の立上り、終了点はR信号
の立下がりによって得られるものである。
第8図(b)において曲線、はパンチ7がパンチホ
ルダー9を介して取付けられているテーブル11の移動量
を検出するために、曲げ加工機に取付けられているリニ
ヤスケール,ロータリエンコーダ等の出力によって得ら
れるパンチ7の先端部の実際の移動量(mm)を示す。0
点はパンチ7の先端の上昇端を示す。
また、テーブル11のストロークエンドとは、パンチ7
の先端が、ダイ3のV形溝の最下端まで折り曲げられた
板材(ワーク)Wの表面に至った点を示す。
第8図(c)において、曲線は、本発明を実施した
曲げ加工機に曲げ角度検出器が取付けられており、その
検出器よりの信号によって曲げ加工中のリアルタイムな
曲げ角度が得られる場合の、上記曲線の線図の各位置
における板材Wの角度を示している。
なお、αは板材最下端表面位置にパンチ7の最下端が
至ったときの板材の曲げ角度,βは板材の最終的な曲げ
角度である。
以上説明してきたように本実施例の曲げ加工における
加工開始点と終了点の検出方法では上述のように、パン
チ7の先端部と板材Wおよびダイ両肩部35,37と板材W
の3点がすべて接触した点を開始点とし、また前記3接
触点の内、いづれか1つが接触しなくなった点を終了点
とし、または時間の開始点と終了点として、これらの点
を電気信号により検出するものである また、第8図(b),(c)に示した曲線,の線
図にするトリガ点として利用することによって次のよう
な効果を得ることができる。
開始点をトリガとして利用して曲線のA点でパンチ
7の先端の位置をゼロにリセットすることにより曲げ加
工の開始点(曲線におけるA点)より折曲げられた板
材最下端の表面位置(曲線におけるB点)までの距離
(曲線におけるD)を正確に検出することができる。
また、曲線におけるB点より終了点におけるパンチ
7の先端の位置(曲線におけるC点)までの距離D′
を正確に検出することができる。
また、曲線に対し、開始点をトリガとして利用する
ことにより曲げ角度検出開始点であるG点を得ることが
できる。
また、板下端の表面位置に、パンチ7の最下端が至っ
た点(曲線におけるE点)より曲線に対して終了点
をトリガとして利用して得られるF点までの角度によっ
てスプリングバック量を正確に検出することができる。
本発明は上述のように電気信号により板材の曲げ加工
の開始点と終了点を検出することによって、スプリング
バック量を考慮した正確な曲げ角度を保持した板材の曲
げ加工の実現を図ることができるという効果を得ること
ができる。
なお、この発明は前述した実施例に限定されることな
く、適宜の変更を行なうことにより、その他の態様で実
施し得るものである。
[発明の効果] 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、こ
の発明によれば、パンチ先端部とダイ両肩部の3個所
を、それぞれ電気的に絶縁された3部分に分け、それら
3つの部分が板材と接触する部分を3つの電気的接点と
し、曲げ加工が開始した点および終了した点を位置とし
て、または、時間の開始点と終了点を電気信号により容
易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の主要部を示し、第2図におけるII−II
矢視の斜視図,第2図は本発明を実施するための板材折
曲げ機の正面図,第3図はパンチとダイによってO接点
を作り出すためのパンチに電気絶縁体を挿設した他の実
施例図,第4図はダイに電気絶縁体を挿設した他の実施
例図,第5図はワークとパンチ,ダイとの接触を示す説
明図、第6図は本発明の検出方法における電気回路のブ
ロック図,第7図は第6図における論理回路内部の基本
的論理の系統図,第8図(a),(b),(c)は本発
明を他の検出器に対する2つのトリガとして利用する場
合の処理例を示す線図である。 1……折曲げ機、3……ダイ 7……パンチ、35,37……ダイの肩部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V型の溝をもつダイと、それに対向するパ
    ンチとの間に板材を挿入し、パンチとダイとの協働によ
    って板材に加圧力を加えて行なう曲げ加工において、パ
    ンチ先端部とダイ両肩部の3個所を、それぞれ電気的に
    絶縁された3部分に分け、それら3つの部分が板材と接
    触する部分を3つの電気的接点とし、曲げ加工が開始し
    た点および終了した点を位置として、または、時間の開
    始点と終了点として検出することを特徴とする曲げ加工
    における加工開始点と終了点の検出方法。
JP25240989A 1989-09-29 1989-09-29 曲げ加工における加工開始点と終了点の検出方法 Expired - Lifetime JP2718552B2 (ja)

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