JP2718390B2 - 線対称図形整形装置 - Google Patents

線対称図形整形装置

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JP2718390B2 JP7054961A JP5496195A JP2718390B2 JP 2718390 B2 JP2718390 B2 JP 2718390B2 JP 7054961 A JP7054961 A JP 7054961A JP 5496195 A JP5496195 A JP 5496195A JP 2718390 B2 JP2718390 B2 JP 2718390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は線対称図形整形装置に関
し、より詳細には、入力図形から直交した1組の線対称
軸を算出し、その各々の軸に線対称となるように入力図
形を整形する線対称図形整形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワードプロセッサ,パーソナルコンピュ
ータ等の図形を処理する機能を有する図形処理装置にお
いて、キーボードやマウス或いはペンなどを使用して手
書きで図形を描く場合、ラフな図形は容易に作成できる
が、例えば直交した1組の軸の各々に関して線対称とな
るような図形を描く場合には苦労する。このようなと
き、図形処理装置自体が入力図形の対称性を認識し、線
対称となるように自動的に修正してくれると有り難い。
しかし、このような機能を持つ図形処理装置は現在のと
ころ知られていない。このため、入力図形から直交した
1組の線対称軸を算出し、その各々の軸に線対称となる
ように入力図形を整形する線対称図形整形装置が待ち望
まれている。
【0003】このような線対称図形整形装置を実現する
には、その前提として、入力図形の線対称性を自動的に
認識する機能が必要となる。
【0004】従来、入力図形の対称性を認識する方式と
しては、以下のような方式が知られている。
【0005】(A)第1の従来方式 シンボル毎に予め対称かどうかを定義したシンボルテー
ブルを用意しておき、入力図形をパターンマッチング
法,特徴マッチング法等の方法で認識して何れのシンボ
ルであるか否かを判定し、判定したシンボルについてシ
ンボルテーブルを参照して対称性を持つことが定義され
ていた場合には、入力図形が対称性を有するものと認識
する方式(特開昭62−111369号公報参照)。以
下、図20のブロック図および図21のフローチャート
を参照して、同公報に記載されている技術を説明する。
【0006】図20において、認識対象画像(シンボル
要素)は認識処理部101に入力され、パターンマッチ
ング法等の認識処理が行われ(ステップV1)、予め定
められた何れのシンボルであるかを示す認識結果1aが
生成される(ステップV2)。次に、対称形判定部11
1において、各シンボルが対称性を有するシンボルであ
るか否かを定義したシンボルテーブル102が参照さ
れ、当該認識結果1aのシンボルが対称形である旨定義
されていたときは対称形と判定し、それ以外は非対称形
と判定する(ステップV3)。
【0007】なお、上記公報は、本発明が対象とするよ
うな線対称図形整形に関するものではなく、設計図面な
どを自動的に読み取ってそれに描かれている図形シンボ
ルを認識する技術に関するものである。即ち、対称形の
シンボルの場合には、1度の読み取りでは誤認識する確
率が高いので、対称形と判定したシンボルを対称変換部
103で対称に変換後(ステップV4)、再び認識処理
を行い(ステップV5,V6)、今回の認識結果2aと
前回の認識結果1aとを比較器112で比較し(ステッ
プV7)、同じであれば認識結果1aを結果として出力
し(ステップV8)、異なれば認識不能としてリジェク
トする(ステップV9)、といった処理を行っている。
【0008】(B)第2の従来方式 入力図形中に描かれた対称軸となる可能性のある対称軸
候補線分(中心線)を抽出し、入力図形中の各頂点から
上記の対称候補軸線分の方向に垂直に引いた線分の全て
が、対称軸候補線分によってほぼ等分された場合に、入
力図形が対称性を有するものと認識する方式(特開昭6
3−261481号公報参照)。以下、図22のブロッ
ク図および図23のフローチャートを参照して、同公報
に記載されている技術を説明する。
【0009】同公報は、本発明が対象とするような線対
称図形への整形に関するものではなく、簡略記法に基づ
いて描かれた図面を認識し、描かれている図面の内容か
ら図面に記述されていない寸法などを補完するためのも
のである。先ず、図形認識装置201において、読み取
り処理部211から入力された図面200は画像データ
格納部212に格納される。ベクトル処理部213は、
画像データ格納部212に格納された画像データに対し
て折れ線近似を行い、ベクトルデータに変換してベクト
ル分類処理部214に入力する。
【0010】ベクトル分類処理部214は、ベクトルデ
ータから記号,文字および線分に分類したベクトルデー
タを記号認識処理部215,線分識別処理部216およ
び文字認識処理部217にそれぞれ出力する。線分識別
処理部216は、線分を示すベクトルデータを形状線,
中心線などに分類して、認識結果格納部218に格納す
る。また、記号認識処理部215と文字認識処理部21
7は、文字と記号を識別し、その結果に基づく属性を付
して認識結果格納部218に格納する。
【0011】次に、対称候補線分抽出手段202は、認
識結果格納部218からデータをロードし(ステップW
1)、対称となる可能性のある中心線をそのデータから
抽出してその数を計数し(ステップW2)、抽出した各
中心線について、その中心線と交叉する形状線あるいは
上下左右に孤立した形状線があるか否かを調べる(ステ
ップW3)。形状線と交叉する中心線あるいは両側に孤
立形状を有するような中心線があれば(ステップW4で
「あり」)、垂直線分設定手段203および演算手段2
04で形状線あるいは孤立形状の対称性が識別される
(ステップW5)。
【0012】対称性の判定方法を図24を用いて説明す
る。垂直線分設定手段203は、例えばベクトルの端点
P2から中心線bに垂線L2を降ろし、演算手段204
は、端点P2と中心線bとの距離l2を求める。更に、
垂線L2の延長線と交叉するベクトルc上の交点X2と
中心線bとの距離m2を求める。そして、この2つの距
離l2,m2の差を計算し、一定の閾値(Δl/2)に
対して、 |l2−m2|<Δl/2 …(1) が満足されれば、他の端点についても同様の計算を行
う。
【0013】そして、全ての端点について式(1)が満
足されると共に、各距離の差の総和が一定の閾値Qに対
して、 Σ|ln−mn|<Q …(2) を満足したとき、その形状線は中心線bに対称であると
判定される(ステップW6で「あり」)。
【0014】全ての中心線について対称性判定を行った
後、図面情報設定手段205は、対称性を有する形状線
に記された一部の図面情報に基づいて、省略された図面
情報を設定する(ステップW7)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、入力図
形の対称性を認識すること自体は従来から行われていた
が、第1の従来方式にあっては、対称図形と判定すべき
図形全てを予め定義してシンボルテーブルに登録してお
く必要があるため、定義されていない対称図形が入力さ
れた場合には、対称性の判定が行えず、本発明が実現し
ようとするような線対称図形整形装置には到底採用でき
ない。
【0016】これに対し第2の従来方式では、入力図形
中に描かれた対称軸となる可能性のある対称候補線分
(中心線)を抽出し、以降の処理ではこの抽出した対称
候補線分に基づいて対称性の判定を進める為、対称図形
と判定すべき図形を予め定義しておく必要はない。しか
しながら、入力図形中に描かれた中心線といった対象候
補線分を抽出するものであるため、そのような対称候補
線分が描かれていない場合には対処できない。従って、
利用者は、図形の入力時にその対称軸をも別途に記入し
ておく必要がある。
【0017】そこで本発明の目的は、対称図形を限定せ
ずに、かつ、対称軸を利用者が意識することなく描かれ
た図形について、直交対称軸を自動的に抽出し、更にそ
の抽出した直交対称軸の各々の対称軸で線対称になるよ
うに入力図形を整形する線対称図形整形装置を提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の線対称図形整形装置は、線対称に整形す
べき入力図形について算出された特徴量に基づいてその
入力図形の頂点数を算出して偶数であるか否かを判定す
る多角形頂点数算出手段と、該多角形頂点数算出手段で
頂点数が偶数と判定された入力図形の特徴量に基づいて
その図形の直交対称軸となる可能性のある全ての対称軸
候補組を算出して1つずつ出力する直交対称軸候補算出
手段と、該直交対称軸候補算出手段から出力された対称
軸候補組の各々の対称軸候補に対して、対称性を判定す
るために組となる入力図形上の点の組を算出し、該算出
したそれぞれの組の点どうしを直線で結んだ対称性判定
線分を算出する対称性判定線分算出手段と、該対称性判
定線分算出手段で算出された対称性判定線分の中点と、
その対称性判定線分を用いて対称性を判定しようとする
対称軸候補との距離を算出する対称軸距離算出手段と、
前記対称性判定線分算出手段で算出された対称性判定線
分と、その対称性判定線分を用いて対称性を判定しよう
とする対称軸候補とのなす角度を求め、90度との差を
算出する対称軸角度算出手段と、前記直交対称軸候補算
出手段から出力された対称軸候補組の各々の対称軸候補
について各対称性判定線分毎に前記対称軸距離算出手段
および前記対称軸角度算出手段で求められた距離および
角度差を総合的に判断して、入力図形が当該対称軸候補
組を直交対称軸として線対称か否かを判定し、線対称の
場合にはその対称軸候補組を出力し、線対称でない場合
には前記直交対称軸候補算出手段に対し次の対称軸候補
組の出力を指示する対称性判定手段と、前記対称性判定
手段から出力された対称軸候補組の各々の対称軸候補を
対称軸として線対称となるように入力図形を整形する対
称化処理手段とを備えている。
【0019】ここで、入力図形の特徴量に基づいてその
図形の直交対称軸となる可能性のある全ての対称軸候補
組を算出する方法としては、例えば、入力図形の各頂点
とその対向頂点とを結ぶ線分および各辺の中点と対向辺
の中点とを結ぶ線分のうち、互いにほぼ直交する線分の
組を対称軸候補組とする方法が採用できる。
【0020】また、対称性判定線分の算出方法として
は、例えば、対称軸候補が入力図形と交叉する一方の点
から他方の点に向かって、当該対称軸候補の両側に位置
するそれぞれ対応する頂点の組を算出し、該算出したそ
れぞれの組の頂点どうしを直線で結んだ線分をそれぞれ
対称性判定線分とする方法が採用できる。
【0021】対称化処理手段では、対称性判定手段から
最初に対称性ありとして出力された対称軸候補組の各々
の対称軸候補を対称軸として入力図形を整形するように
しても良く、また、直交対称軸候補算出手段で算出され
た全ての対称軸候補組に関する対称性判定手段による判
定が終了した時点で、対称性判定手段から対称性ありと
して出力された対称軸候補組のうち最も対称性の良い対
称軸候補組を選択して出力する最適対称軸判定手段を設
け、対称化判定手段では、最適対称軸判定手段から出力
された対称軸候補組を用いて線対称となるよう入力図形
を整形するようにしても良い。
【0022】また、直交対称軸候補算出手段が算出した
対称軸候補組中に入力図形が入力された画面上で水平ま
たは垂直となる対称軸候補を有する組が存在する場合
に、そのような水平または垂直となる対称軸候補組から
優先的に処理させる優先軸候補判定手段や、1つの対称
性判定線分について対称軸距離算出手段および対称軸角
度算出手段で距離および角度差が算出される毎に、それ
らの算出値に基づいて当該対称性判定線分の当該対称軸
候補に対する対称性を判定し、対称性なしと判定した場
合には、当該対称軸候補組に関する処理を中断せしめ
て、次の対称軸候補組の処理に移行せしめる頂点組妥当
性判定手段や、対称化処理手段が対称性判定手段から出
力された対称軸候補組を対称軸として線対称となるよう
に入力図形を整形する際に、整形の基準となる要素を利
用者から受け付けて対称化処理手段に指示する整形参照
指示手段や、対称化判定手段で線対称となる直交対称軸
候補組がないと判定された場合に、少なくとも1つの線
対称となる対称軸候補があれば、その対称軸候補を対称
軸として入力図形を整形する一軸対称化処理手段を備え
ている。
【0023】
【作用】本発明の線対称図形整形装置においては、先
ず、多角形頂点数算出手段が、線対称に整形すべき入力
図形について算出された特徴量に基づいてその入力図形
の頂点数を算出して偶数であるか否かを判定する。偶数
でなかった場合には直交対称軸をもつ可能性がないので
整形は行われない。また、頂点数が偶数であった場合
は、直交対称軸候補算出手段が、入力図形の特徴量に基
づいてその図形の直交対称軸となる可能性のある全ての
対称軸候補組を算出して1つずつ出力し、対称性判定線
分算出手段が、直交対称軸候補算出手段から出力された
対称軸候補組の各々の対称軸候補に対して、対称性を判
定するために組となる入力図形上の点の組を算出し、該
算出したそれぞれの組の点どうしを直線で結んだ対称性
判定線分を算出し、対称軸距離算出手段が、算出された
対称性判定線分の中点とその対称性判定線分を用いて対
称性を判定しようとする対称軸候補との距離を算出する
と共に、対称軸角度算出手段が、算出された対称性判定
線分とその対称性判定線分を用いて対称性を判定しよう
とする対称軸候補とのなす角度を求めて90度との差を
算出し、対称性判定手段が、直交対称軸候補算出手段か
ら出力された対称軸候補組の各々の対称軸候補について
各対称性判定線分毎に前記対称軸距離算出手段および前
記対称軸角度算出手段で求められた距離および角度差を
総合的に判断して、入力図形が当該対称軸候補組を直交
対称軸として線対称か否かを判定する。そして、線対称
の場合にはその対称軸候補組を出力し、線対称でない場
合には直交対称軸候補算出手段に対し次の対称軸候補組
の出力を指示する。入力図形が或る対称軸候補組を対称
軸として直交線対称であると認識されると、その対称軸
候補組中の各々の対称軸候補を対称軸として線対称とな
るように、対称化処理手段が入力図形を整形する。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
詳細に説明する。
【0025】図1は本発明の第1の実施例のブロック図
である。図1を参照すると、本発明の第1の実施例の線
対称図形整形装置は、キーボードやマウス或いはペンな
どによって表示装置の画面上に利用者が図形を入力する
ための入力手段1と、プログラム制御により動作するデ
ータ処理装置2と、図形情報や特徴量を記憶する記憶手
段3と、特徴量に基づいて図形を再生してディスプレイ
装置などの表示装置に出力する出力手段4とから構成さ
れる。また、データ処理装置2は、以下のような手段を
備えている。
【0026】○入力された図形から頂点の座標や辺の長
さなどの特徴量を算出して記憶手段3に記憶する特徴量
算出手段21 ○記憶手段3に記憶されている入力図形の特徴量を入力
して、入力図形の頂点の数を算出して偶数か否かを判定
する多角形頂点数算出手段22 ○多角形頂点数算出手段22で頂点数が偶数と判定され
た入力図形の特徴量に基づいて、その図形の直交対称軸
となる可能性のある全ての対称軸候補組を算出して1つ
ずつ出力する直交対称軸候補算出手段39 ○直交対称軸候補算出手段39から出力された対称軸候
補組の各々の対称軸候補に対して、対称性を判定するた
めに組となる入力図形上の点の組を算出し、該算出した
それぞれの組の点どうしを直線で結んだ対称性判定線分
を算出する対称性判定線分算出手段35 ○対称性判定線分算出手段35で算出された対称性判定
線分の中点と、その対称性判定線分を用いて対称性を判
定しようとする対称軸候補との距離を算出する対称軸距
離算出手段36 ○対称性判定線分算出手段35で算出された対称性判定
線分と、その対称性判定線分を用いて対称性を判定しよ
うとする対称軸候補とのなす角度を求め、90度との差
を算出する対称軸角度算出手段37 ○直交対称軸候補算出手段39から出力された対称軸候
補組の各々の対称軸候補について各対称性判定線分毎に
対称軸距離算出手段36および対称軸角度算出手段37
で求められた距離および角度差を総合的に判断して、入
力図形が当該対称軸候補組を直交対称軸として線対称か
否かを判定し、線対称の場合にはその対称軸候補組を出
力し、線対称でない場合には直交対称軸候補算出手段3
9に対し次の対称軸候補組の出力を指示する対称性判定
手段38 ○対称性判定手段38から出力された対称軸候補組の各
々の対称軸候補を対称軸として線対称となるように入力
図形を整形すべく、記憶手段3に記憶された入力図形の
特徴量を変更する対称化処理手段34
【0027】そして、本実施例においては、直交対称軸
候補算出手段39は、直交軸判定手段23と第1の対称
軸候補算出手段24と第2の対称軸候補算出手段29と
から構成され、対称性判定線分算出手段35は、第1の
対称性判定線分算出手段25と第2の対称性判定線分算
出手段30とで構成され、対称軸距離算出手段36は、
第1の対称軸距離算出手段26と第2の対称軸距離算出
手段31とで構成され、対称軸角度算出手段37は、第
1の対称軸角度算出手段27と第2の対称軸角度算出手
段32とで構成され、対称性判定手段38は、第1の対
称性判定手段28と第2の対称性判定手段33とで構成
されている。
【0028】第1の対称軸候補算出手段24は、多角形
頂点数算出手段22で入力図形の頂点数が偶数であるこ
とが判定された時点で、記憶手段3に記憶されている入
力図形の特徴量に基づいて、その図形の対称軸となる可
能性のある対称軸候補を算出して1つずつ直交軸判定手
段23および第2の対称軸候補算出手段29に出力し、
その後に、直交軸判定手段23から渡された対称軸候補
を、今回処理すべき直交対称軸候補組中の第1の対称軸
候補として第1の対称性判定線分算出手段25,第1の
対称軸距離算出手段26および第1の対称軸角度算出手
段27に出力する。
【0029】第2の対称軸候補算出手段29は、第1の
対称軸候補算出手段24から入力した対称軸候補と直交
すべき対称軸候補を、記憶手段3に記憶されている入力
図形の特徴量に基づいて算出して直交軸判定手段23に
出力し、その後に、直交軸判定手段23から渡された対
称軸候補を、今回処理すべき直交対称軸候補組中の第2
の対称軸候補として第2の対称性判定線分算出手段3
0,第2の対称軸距離算出手段31および第2の対称軸
角度算出手段32に出力する。
【0030】直交軸判定手段23は、第1の対称軸候補
算出手段24で算出された対称軸候補とそれに直交すべ
きものとして第2の対称軸候補算出手段29で算出され
た対称軸候補との組を全て入力し、各々の組における双
方の対称軸候補のなす角度を求めて、それが90度に近
い或る範囲内であれば、その組を対称軸候補組とし、そ
れ以外は対称軸候補組から外す。そして、各対称軸候補
組の対称性を更に判定すべく、順次に各組の一方の対称
軸候補を第1の対称軸候補として第1の対称軸候補算出
手段24を通じて第1の対称性判定線分算出手段25,
第1の対称軸距離算出手段26および第1の対称軸角度
算出手段27に出力し、また、他方の対称軸候補を第2
の対称軸候補として第2の対称軸候補算出手段29を通
じて第2の対称性判定線分算出手段30,第2の対称軸
距離算出手段31および第2の対称軸角度算出手段32
に出力する。
【0031】対称性判定線分算出手段35においては、
第1の対称性判定線分算出手段25が第1の対称軸候補
算出手段24から出力された第1の対称軸候補に対して
対称性を判定するための対称性判定線分を算出し、第2
の対称性判定線分算出手段30が第2の対称軸候補算出
手段29から出力された第2の対称軸候補に対して対称
性を判定するための対称性判定線分を算出する。
【0032】対称軸距離算出手段36においては、第1
の対称軸距離算出手段26が第1の対称性判定線分算出
手段25で算出された対称性判定線分の中点と第1の対
称軸候補との距離を算出し、第2の対称軸距離算出手段
31が第2の対称性判定線分算出手段29で算出された
対称性判定線分の中点と第2の対称軸候補との距離を算
出する。
【0033】対称軸角度算出手段37においては、第1
の対称軸角度算出手段27が第1の対称性判定線分算出
手段25で算出された対称性判定線分と第1の対称軸候
補とのなす角度を求めて90度との差を算出し、第2の
対称軸角度算出手段32が第2の対称性判定線分算出手
段29で算出された対称性判定線分と第2の対称軸候補
とのなす角度を求めて90度との差を算出する。
【0034】対称性判定手段38において、第1の対称
性判定手段28は、第1の対称軸候補について各対称性
判定線分毎に第1の対称軸距離算出手段26および第1
の対称軸角度算出手段27で求められた距離および角度
差を総合的に判断して、入力図形が当該第1の対称軸候
補を対称軸として線対称か否かを判定し、その結果を直
交軸判定手段23に通知すると共に、対称性ありの場合
には対称軸候補を対称化処理手段34に通知する。ま
た、第2の対称性判定手段33は第2の対称軸候補につ
いて各対称性判定線分毎に第2の対称軸距離算出手段3
1および第2の対称軸角度算出手段32で求められた距
離および角度差を総合的に判断して、入力図形が当該第
2の対称軸候補を対称軸として線対称か否かを判定し、
線対称であればその対称軸候補を対称化処理手段34に
通知し、線対称でなければその旨を直交軸判定手段23
に通知する。
【0035】図2は図1に示した第1の実施例における
データ処理装置2の処理の流れを示すフローチャート、
図3は1本の対称軸候補について入力図形の線対称性を
判定するための処理の流れを示すフローチャート、図4
は入力図形と整形後の図形の具体例を示す図、図5は第
1の対称軸候補算出手段24および第2の対称軸候補算
出手段29で算出された互いに直交すべき対称軸候補組
の例を示す図、図6は図4(a)で示す入力図形から算
出される全ての対称軸候補組を示す図、図7は1本の対
称軸候補について算出される対称性判定線分の例を示す
図、図8は1本の対称軸候補に対する対称性を判定する
際に対称性判定線分について算出される距離,角度差の
説明図である。以下、図1乃至図8を参照して第1の実
施例の動作について説明する。
【0036】入力手段1によって入力された図形(多角
形図形)は、通常の図形作成ツールに見られる場合と同
様に特徴量算出手段21において、頂点の座標,隣接す
る辺のなす角度や辺の長さ,直線や曲線等の線の種別な
どの特徴量が算出される(ステップA1)。なお、算出
された特徴量は、入力された図形の情報とともに記憶手
段3に記憶される。
【0037】次に、多角形頂点数算出手段22は、記憶
手段3に記憶されている入力図形の頂点の数を算出し、
偶数か否かを判定する(ステップA2)。ここで、頂点
数が奇数の場合、当該入力図形は直交対称軸をもつ可能
性はないと判定され、線対称図形への整形は行われな
い。他方、頂点数が偶数の場合はその可能性があるの
で、直交対称軸候補算出手段39が起動される。
【0038】直交対称軸候補算出手段39においては、
入力図形の特徴量に基づいて、その入力図形の直交対称
軸となる可能性のある全ての対称軸候補組を算出する
(ステップA3)。これは以下のようにして行われる。
先ず、第1の対称軸候補算出手段24は、記憶手段3に
記憶されている図形の特徴量を参照して、対称軸が通る
可能性のある頂点もしくは辺の中点を組み合わせ、それ
ぞれの組を対称軸候補とする。即ち、各頂点とその対向
する頂点とを結ぶ線と、各辺の中点とその対向する辺の
中点とを結ぶ線とを、それぞれ対象軸候補とする。そし
て、これらの対称軸候補を1つずつ直交軸判定手段23
および第2の対称軸候補算出手段29に通知する。第2
の対称軸候補算出手段29は、第1の対称軸候補算出手
段24から通知された対称軸候補に直交する可能性のあ
る対称軸を算出し、これを直交軸判定手段23に通知す
る。直交軸判定手段23は、第1の対称軸候補算出手段
24から通知された対称軸候補と、これと直交すべきも
のとして第2の対称軸候補算出手段29で算出された対
称軸候補とが実際にほぼ直交するか否かを調べ、ほぼ直
交する場合には、それらを直交対称軸候補組とする。以
上の処理が第1の対称軸候補算出手段24で算出された
全ての対称軸候補について繰り返されることにより、対
称軸候補組が求められる。なお、対称軸候補組の2本の
対称軸候補のうち、第1の対称軸候補算出手段24で算
出された対称軸候補を対称軸候補a,第2の対称軸候補
算出手段29で算出された対称軸候補を対称軸候補bと
して以下説明する。
【0039】例えば図4(a)のような入力図形の場
合、図5に示す六角形の頂点a1,a2を通る直線を第
1の対称軸候補算出手段24が対称軸候補aとして算出
した場合、第2の対称軸候補算出手段29は、対称軸候
補aが通る一方の点a1から他方の点a2に向かって、
対称軸候補aの両側にある頂点と中点とをそれぞれたど
っていく。そして、他方の点a2がn番目にたどった点
であったとすると、n/2番目にたどった点どうしを結
ぶ直線を、対称軸候補aと直交すべき対称軸候補bとす
る。次に、この対称軸候補bと先の対称軸候補aとのな
す角度が直交軸判定手段23で求められ、その角度が9
0度に近い一定の角度内であればそれらが1つの対称軸
候補組とされ、それ以外は対称軸候補組から外される。
図4(a)の入力図形の場合には、図6に示すようにJ
1からJ3の3組の直交対称軸の組が算出される。
【0040】次に、以上のようにして算出された対称軸
候補組から1つの組が選択され、この選択された対称軸
候補組の対称性が判定される。この判定処理は、当該対
称軸組のうちの対称軸候補aについて入力図形が線対称
か否かを判定する処理(ステップA5)と、対称軸候補
bについても入力図形が線対称か否かを判定する処理
(ステップA6)とからなる。
【0041】対称軸候補aについての判定処理は以下の
ように行われる。先ず、第1の対称性判定線分算出手段
25は、当該対称軸候補aが通る一方の頂点(または中
点)から、他方の頂点(または中点)に向かって、その
対称軸候補aの両側にある頂点を順番にたどっていく。
このとき、n番目(n=1,2,…)にたどった2つの
頂点を1組として、それらの頂点を結ぶ線分を対称性判
定線分とする(図3のステップB1)。この算出された
全ての対称性判定線分は第1の対称軸距離算出手段26
および第1の対称軸角度算出手段27に順次通知され
る。
【0042】なお、この実施例では上述のような2つの
頂点の組を結ぶ線分を対称性判定線分とした。これは入
力図形が直線の線分から構成される多角形図形に適して
いる。しかし、本発明はこのような対称性判定線分だけ
ではなく、他の方法で算出した対称性判定線分を用いる
こともできる。例えば、今回の対称軸候補aが通る一方
の頂点(または中点)から、他方の頂点(または中点)
に向かって、その対称軸候補aの両側にある辺の中点を
順番に求めていき、このとき、n番目(n=1,2,
…)に求めた2つの中点を1組として、それらの組の中
点を結ぶ線分を対称性判定線分とすることも可能であ
る。また、今回の対称軸候補aが通る一方の頂点(また
は中点)から他方の頂点(または中点)迄に至る一方の
側の図形線を予め定められた個数に等分すると共に、他
方の側の図形線も同じ個数に等分し、両側の図形線上の
それぞれ対応する等分点どうしを結ぶ線分を対称性判定
線分とすることも可能である。これらの方法は、円弧等
の直線でない線分が含まれている入力図形の対称性の判
定に有効である。
【0043】さて、第1の対称軸距離算出手段26は、
通知された対称性判定線分の中点の座標を算出し、この
中点と今回の対称軸候補aとの距離を算出する(ステッ
プB3)。また、第2の対称軸角度算出手段27は、通
知された対称性判定線分と今回の対称軸候補aとのなす
角度を算出し(ステップB4)、この角度と90度との
差(絶対値)を算出する(ステップB5)。
【0044】以上のステップB3〜B5の処理を、第1
の対称性判定線分算出手段24で算出された全ての対称
性判定線分に対して実行し終えると(ステップB2)、
第1の対称性判定手段28は、距離および角度差のばら
つき具合を算出する(ステップB6)。このばらつき具
合の算出には、例えば、距離および角度差毎にその平均
を算出する方法、分散を算出する方法がある(平均や分
散を利用した場合は、平均値,分散値が0に近いほどば
らつき具合が少なく、対称性が高い)。そして、距離お
よび角度差のばらつき具合が予め定められた一定の閾値
以内に収まっている場合、第1の対称性判定手段28
は、入力図形は今回の対称軸候補aに対して線対称図形
であると判定する(ステップB7)。
【0045】第1の対称性判定手段28において線対称
図形でないと判定された場合(ステップB7でNO)、
当該対称軸組は直交対称軸になる可能性がないので、残
りの対称軸組の処理に進む。他方、線対称図形であると
判定された場合は(ステップB7でYES)、対称軸候
補bについても入力図形が線対称か否かが判定される
(ステップA6)。この処理は、第2の対称性判定線分
算出手段30,第2の対称軸距離算出手段31,第2の
対称軸角度算出手段32および第2の対称性判定手段3
3により、対称軸候補aと同様に行われる。
【0046】そして、第2の対称性判定手段33におい
て線対称図形であると判定されると、対称化処理手段3
4は、今回の対称軸候補a,対称軸候補bの両方に対し
て入力図形が線対称になるように、記憶手段3に記憶さ
れている入力図形の頂点の座標等の特徴量を変更する
(図1のステップA7)。即ち、その対称軸候補a,b
を境界とする4象限のうち予め定められた象限内の頂点
の座標を基準にして、他の象限内の頂点の座標をそれに
合わせることで直交する2つの対称軸候補a,bに対し
それぞれ線対称な図形に整形する。このような整形が終
了すると、出力手段4は変更後の特徴量に基づき図形を
再生してディスプレイ装置等の表示装置に表示する。
【0047】なお、対称軸候補bについて線対称図形で
ないと判定された場合は、残りの対称軸候補組について
ステップA5〜A7の処理を繰り返す。全ての対称軸候
補組について、線対称図形でないと判定された場合は、
入力された図形は直交軸に対して線対称図形ではないと
判定され、その整形は行われない。
【0048】次に上記の第1の実施例の理解を深めるた
めに、例を挙げてより具体的に説明する。例としては図
4(a)に示すような六角形を取り上げる。
【0049】利用者によって図4(a)に示すような図
形(六角形)が入力手段1から入力されると、特徴量算
出手段21は、この入力図形の頂点座標,辺の長さ,辺
の直線/曲線の種別などの特徴量を算出する。算出され
た特徴量は、図形の情報(六角形)と共に記憶手段3に
記憶される。この時点では出力手段4の表示装置には入
力された図形がそのまま表示されている。次に、入力図
形の頂点数は6で偶数なので、第1の対称軸候補算出手
段24および第2の対称軸候補算出手段29により、特
徴量算出手段21において算出された頂点座標から、図
6に示すようなJ1〜J3の3組の対称軸候補組を算出
し、直交軸判定手段23において各々の組の対称軸候補
のなす角度が予め定められた範囲内に収まるか否かを判
定する。そして、今の例において、各対称軸候補組の何
れもが90度に近い或る角度(例えば85度,95度程
度)であり、例えば80度〜100度の範囲内であれば
許容できるものとすると、これら3つの対称軸候補組J
1〜J3について処理が進められる。
【0050】先ず、J1が対称性判定を行う今回の対称
軸候補組とされ、この対称軸候補組を構成する2本の対
称軸候補のうち、一方の対称軸候補aが第1の対称軸候
補算出手段24から出力される。今、図7の頂点a1,
a2を通る直線を対称軸候補aとすると、以下のような
処理が行われる。先ず、第1の対称性判定線分算出手段
25は、図7に示すように、対称軸候補aの通る頂点a
1から対向辺の中点a2に向かい、対称軸候補aの両側
の頂点を順にたどっていく。このとき、1番目にたどり
着いたそれぞれの頂点を直線で結ぶことによってT1−
t1の対称性判定線分を算出し、2番目にたどり着いた
それぞれの頂点を直線で結ぶことによってT2−t2の
対称性判定線分を算出する。即ち、この例の場合は2本
の対称性判定線分が算出される。
【0051】次に、図8に示すように、対称性判定線分
T1−t1について、第1の対称軸距離算出手段26は
T1−t1の中点C1の座標を求め、対称軸候補aとの
距離I1を算出する。また第1の対称軸角度算出手段2
7は、対称性判定線分T1−t1と対称軸候補aとのな
す角度α’1を求め、90度との差α1を算出する。同
様に対称性判定線分T2−t2について、距離I2,角
度差α2を算出する。
【0052】次に、第1の対称性判定手段28におい
て、I1,I2のばらつきと、α1,α2のばらつきを
算出する。例えば、I1=6,I2=0,α1=5,α
2=3とすると、ばらつきの値として平均を求めた場
合、I1,I2の平均値は3、α1,α2の平均値は4
となる。それぞれの値が0に近い一定値、例えば5以下
であるときに入力図形が当該対称軸候補について線対称
であると判定するものとすると、図4(a)に示す入力
図形は今回の対称軸候補aについて線対称であると判定
される。
【0053】対称軸候補aについて線対称であると判定
すると、対称軸候補bについても同様の処理を行う。
【0054】そして、対称軸候補aおよび対称軸候補b
の両方の対称軸について線対称であると判定された場
合、対称化処理手段34は、対称軸候補組J1の両方の
対称軸について線対称となるように、入力図形の頂点の
座標等の特徴量を補正すべく記憶手段3を更新する。こ
のとき生成される図形は、例えば図4(b)に示すもの
となる(図中の破線は除く)。なお、この例では、対称
軸候補組J1によって形成される4象限のうち左上の象
限(図7の点T1が含まれる象限)に存在する頂点を基
準にして他の象限に存在する頂点の座標を補正してい
る。このような整形処理が終了すると、出力手段4によ
って図4(a)の図形の代わりに図4(b)に示す図形
が表示装置に表示される。
【0055】この第1の実施例によれば、利用者が入力
した図形から自動的に直交対称軸を抽出して、任意の角
度の直線対称軸組の1組について正確に線対称な図形に
整形することができる。
【0056】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。
【0057】図9を参照すると、本発明の第2の実施例
は、データ処理装置5が、図1に示した第1の実施例に
おけるデータ処理装置2の構成に加え、第1の頂点組妥
当性判定手段40と第2の頂点組妥当性判定手段41と
から構成される頂点組妥当性判定手段45を有する点で
異なる。第1の頂点組妥当性判定手段40は、1つの対
称性判定線分について第1の対称軸距離算出手段26お
よび第1の対称軸角度算出手段27で距離および角度差
が算出される毎に、それらの算出値を予め定められた閾
値と比較することにより、当該対称性判定線分の当該対
称軸候補aに対する対称性を判定し、若し、対称性なし
と判定された場合には、当該対称軸候補aを含む対称軸
候補組に関する処理を中断して、次の対称軸候補組の処
理に移すべく直交対称軸候補算出手段39にその旨を通
知する手段である。同様に、第2の頂点組妥当性判定手
段41は、1つの対称性判定線分について第2の対称軸
距離算出手段31および第2の対称軸角度算出手段32
で距離および角度差が算出される毎に、それらの算出値
を予め定められた閾値と比較することにより、当該対称
性判定線分の当該対称軸候補bに対する対称性を判定
し、若し、対称性なしと判定された場合には、当該対称
軸候補bを含む対称軸候補組に関する処理を中断して、
次の対称軸候補組の処理に移すべく直交対称軸候補算出
手段39にその旨を通知する手段である。
【0058】図10は、第2の実施例における1本の対
称軸候補について入力図形の線対称性を判定するための
処理の流れを示すフローチャートであり、ステップC1
が追加されている点が図3のフローチャートと相違して
いる。以下、図9,図10を参照し、また第1の実施例
のフローチャートである図2を参照して本実施例の動作
を説明する。
【0059】図9において、特徴量算出手段21,多角
形頂点数算出手段22,直交対称軸候補算出手段39,
対称軸距離算出手段36,対称軸角度算出手段37,対
称性判定手段38,対称化処理手段34の基本的な動作
(図2のステップA1〜A4,A7,A8,図12のス
テップB1〜B7)は第1の実施例と同じである。第1
の実施例では、対称軸候補a,bに対して、全ての対称
性判定線分にかかる距離,角度差を算出してから第1の
対称性判定手段28,第2の対称性判定手段33によ
り、当該対称軸候補a,bの妥当性を判定していた。こ
の第2の実施例では、それに加えて、1本の対称性判定
線分について距離と角度差とが算出される毎に、第1の
頂点組妥当性判定手段40,第2の頂点組妥当性判定手
段41は、その算出された距離および角度差の各々が或
る一定の閾値を超える値であるか否かを判定する。そし
て、或る一定の閾値以下であった場合は、当該対称性判
定線分(当該入力図形)は当該対称軸候補a,bについ
て対称である可能性が高いとして、残りの対称性判定線
分についての距離,角度差の算出を続行する(図12の
ステップC1でYES)。一方、或る一定の値を超えた
場合は、入力図形は、当該対称軸候補a,bに対して線
対称図形ではないとして、当該対称軸候補組についての
処理を中断すべく、新たな対称軸候補組についての処理
へ進む(ステップC1でNO)。
【0060】この第2の実施例によれば、対称性をもた
ない対称軸候補組を早い段階で切り捨てることができる
ため、第1の実施例よりも処理速度が改善される。
【0061】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。
【0062】図11を参照すると、本発明の第3の実施
例は、データ処理装置6が、図1に示した第1の実施例
におけるデータ処理装置2の構成に加え、最適対称軸判
定手段42を有する点と、対称性判定手段38は、直交
対称軸候補算出手段39で算出された全ての対称軸候補
組についてとりあえず対称性の判定を試みる点で異な
る。最適対称軸判定手段42は、算出された全ての対称
軸候補組に関する対称性判定手段38による判定が終了
した時点で、第1および第2の対称性判定手段28,3
3から共に対称性ありとされた対称軸候補組のうち、最
も対称性の良い対称軸候補組を選択して対称化処理手段
34に出力する手段である。
【0063】図12は図11のデータ処理装置6の処理
例を示すフローチャートであり、図2と同一符号のステ
ップは同一の処理ステップを示し、D1〜D4は新たに
追加されたステップを示す。また、図13は図11のデ
ータ処理装置6において、1本の対称軸候補について入
力図形の線対称性を判定するための処理の流れを示すフ
ローチャートである。以下、図11乃至図13を参照し
て第3の実施例の動作を説明する。
【0064】図11において、特徴量算出手段21,多
角形頂点数算出手段2,直交対称軸候補算出手段39,
対称軸距離算出手段36,対称軸角度算出手段37の基
本的な動作は第1の実施例と同様である。第1の実施例
では、或る対称軸候補組の2つの対称軸候補a,bにつ
いて各対称性判定線分との関連で算出された距離および
角度のばらつきが、或る一定の閾値に収まる場合には、
その対称軸候補a,bを用いて直ちに線対称整形を行っ
ていた。
【0065】この第3の実施例では、第1の対称性判定
手段28は、今回の対称軸候補aの対称軸としての妥当
性を判定して、若し妥当性があった場合には今回の対称
軸候補に関して求められた距離および角度差のばらつき
量と共にその対称軸候補を対称整形可能な対称軸候補と
して記憶手段3に記憶する(ステップE1)。同様に、
第2の対称性判定手段33は、今回の対称軸候補bの対
称軸としての妥当性を判定して、若し妥当性があった場
合には今回の対称軸候補に関して求められた距離および
角度差のばらつき量と共にその対称軸候補を対称整形可
能な対称軸候補として記憶手段3に記憶する(ステップ
E1)。
【0066】そして、直交対称軸候補算出手段39で算
出された全ての対称軸候補組についての対称性判定手段
38の処理が終了した時点で(ステップA4でNO)、
最適対称軸判定手段42は、対称整形可能な対称軸候補
a,bの組が記憶手段3に記憶されているか否かを調べ
(ステップD1)、記憶されていれば、そのうちの最も
対称性の高い対称軸候補組を算出し(ステップD2)、
対称化処理手段34は、この算出された対称軸候補組に
ついて線対称となるように入力図形の特徴量を変更する
(ステップD3)。なお、対称整形可能な対称軸候補組
が存在しなかった場合には(ステップD1でNO)、入
力図形は直交対称軸について線対称図形ではないと判定
する。
【0067】この第3の実施例によれば、最も対称性の
高い直交対称軸について線対称整形することができるた
め、最も入力図形に近い形状に整形された線対称図形が
得られる。
【0068】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。
【0069】図14を参照すると、本発明の第4の実施
例は、データ処理装置7が、図1に示した第1の実施例
におけるデータ処理装置2の構成に加え、優先軸候補算
出手段43を有する点で異なる。優先軸候補算出手段4
3は、直交軸判定手段23で算出された対称軸候補組中
に図形が入力された画面上で水平または垂直となる対称
軸候補を有する組が存在するか否かを判定し、存在する
場合にはそのような対称軸候補組が優先的に処理される
べく、対称軸候補組の処理順序を決定するものである。
【0070】図15は図14のデータ処理装置7の処理
例を示すフローチャートであり、図2と同一符号のステ
ップは同様の処理ステップを示し、F1,F2は新たに
追加されたステップを示す。以下、図14および図15
を参照して、第4の実施例の動作を説明する。
【0071】図14において、特徴量算出手段21,多
角形頂点数算出手段22,対称軸距離算出手段36,対
称軸角度算出手段37,対称性判定手段38および対称
化処理手段34の基本的な動作は第1の実施例と同様で
ある。直交対称軸候補算出手段39における直交軸判定
手段23は、全ての対称軸候補組を算出すると、優先軸
候補算出手段43を用いて、算出した対称軸候補組中に
図形が入力された画面上で水平または垂直な対称軸候補
が存在するか否かを判定する(ステップF1)。そし
て、水平または垂直な対称軸候補が存在した場合には、
それらを含む対称軸候補組が優先して処理されるよう
に、対称軸候補組の処理順序を決定する(ステップF
2)。即ち、水平または垂直な対称軸候補を含む対称軸
候補組から先に出力する。これにより、水平または垂直
な対称軸候補を有する対称軸候補組から優先的にステッ
プA5以降の処理が行われることになる。
【0072】この第4の実施例によれば、対称軸が画面
に水平または垂直になるような直交対称軸候補組を優先
して処理することによって、対称軸が水平,垂直な2本
の直交対称軸について線対称な図形を容易に得ることが
できる。一般に、2本の軸にそれぞれ線対称な図形を手
書きで入力する利用者は、その2本の軸を水平と垂直に
設定することが多いので、本実施例によれば、そのよう
な対称軸を効率良く検出し、利用者が望むような形状に
整形することが可能である。
【0073】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。
【0074】図16を参照すると、本発明の第5の実施
例は、データ処理装置8が、図1に示した第1の実施例
におけるデータ処理装置2の構成に加え、一軸対称化処
理手段44を有する点と、対称性判定手段38は、第1
の対称性判定手段28で対称軸候補aについて入力図形
が線対称であると判定した場合、その対称軸候補aと線
対称性の情報(算出された距離および角度差のばらつ
き)とを対称化処理手段34に通知すると共に記憶手段
3に記憶しておくようにした点で相違する。一軸対称化
処理手段44は、直交対称軸について線対称でなかった
入力図形であっても、或る対称軸候補について線対称で
あった場合には、その対称軸候補を対称軸として線対称
に入力図形を整形する手段である。
【0075】図17は図16のデータ処理装置8の処理
例を示すフローチャートであり、以下、図16および図
17を参照して第5の実施例の動作を説明する。
【0076】図16において、特徴量算出手段21,多
角形頂点数算出手段22,直交対称軸候補算出手段3
9,対称軸距離算出手段36,対称軸角度算出手段37
の基本的な動作は第1の実施例の同様である。
【0077】対称性判定手段38の第1の対称性判定手
段28は、対称軸候補aについて入力図形が線対称であ
ると判定した場合(図17のステップA5)、その対称
軸候補aと線対称性の情報とを記憶手段3に記憶する
(ステップG1)。
【0078】全ての対称軸候補組について、入力図形が
線対称図形でないと判定された場合(ステップA4)、
その旨が対称化処理手段34から一軸対称化処理手段4
4に通知される。一軸対称化処理手段44は、記憶手段
3を参照して、入力図形が或る対称軸候補について線対
称整形可能かどうかを調べる(ステップG2)。整形可
能な場合、一軸対称化処理手段44は、その線対称整形
可能な対称軸候補のうちの最も対称性の良い対称軸候補
を対称軸として線対称になるように、記憶手段3中の入
力図形の頂点の座標等の特徴量を変更する(ステップG
3)。なお、線対称となる対称軸が1本もなかったとき
は、その入力図形は線対称図形ではないと判定する(ス
テップG4)。
【0079】この第5の実施例によれば、直交軸2本の
両方について線対称ではない図形でも、1本の対称軸候
補について線対称であれば線対称整形を行うことによっ
て、整形可能な図形がより多くなる。
【0080】次に、本発明の第6の実施例について説明
する。
【0081】図18を参照すると、本発明の第6の実施
例は、図1に示した第1の実施例の構成に加え、整形参
照指示手段11を有する点で異なる。この整形参照指示
手段11は、対称化処理手段34が線対称となるように
入力図形を整形する際に、整形の基準となる要素を利用
者から受け付けて対称化処理手段34に指示する手段で
ある。
【0082】図19は図18のデータ処理装置2の処理
例を示すフローチャートであり、図2と相違するところ
はステップH1の箇所である。以下、図18および図1
9を参照して第6の実施例について説明する。
【0083】図18において、対称化処理手段34を除
くデータ処理装置2の残りの手段の基本的な動作は図1
に示した実施例の同様である。対称化処理手段34は、
対称整形可能な対称軸候補組が得られた時点で、整形参
照指示手段11に対して整形するために基準となる要素
の指示を問い合わせる。
【0084】整形参照指示手段11は、この問い合わせ
があると、整形するために基準となる要素の指示を利用
者から受け付け、この受け付けた指示を対称化処理手段
34に通知する。整形するために基準となる要素の指示
方法としては、例えば、当該対称軸候補組を表示装置上
の入力図形に重ねて一時的に表示して、その2本の対称
軸候補a,bを境界とする4象限のうち、どの象限の頂
点の座標を基準とするかを、マウスやキーボード等から
指示させる方法が採用できる。
【0085】対称化処理手段34は、整形参照指示手段
11からの指示に従って、図形の整形を行う(ステップ
H1)。
【0086】この第6の実施例によれば、対称化処理時
に整形する基準を指示できるため、より利用者の意図に
沿った線対称図形への整形が可能となる。
【0087】以上、本発明を幾つかの実施例を挙げて説
明したが、本発明は以上の実施例にのみ限定されずその
他各種の付加変更が可能である。例えば、以下のような
実施例も本発明に含まれる。
【0088】図1の実施例に対し、図9で説明した頂点
組妥当性判定手段45,図14で説明した優先軸候補算
出手段43,図16で説明した一軸対称化処理手段4
4,図18で説明した整形参照指示手段11のうち、任
意の2つの手段あるいは3つの手段あるいは4つ全てを
組み入れる。
【0089】図11の実施例に対し、図9で説明した頂
点組妥当性判定手段45,図14で説明した優先軸候補
算出手段43,図16で説明した一軸対称化処理手段4
4,図18で説明した整形参照指示手段11のうち、任
意の1つ,2つ,3つ或いは4つを組み入れる。なお、
優先軸候補算出手段43を組み合わせる場合、最適対称
軸判定手段42は、水平または垂直となる対称軸候補が
あればその中から最も対称性の良い対称軸候補を選択
し、水平または垂直となる対称軸候補がなければ、他の
対称軸候補の中から最も対称性の良い対称軸候補を選択
するように変形される。
【0090】なお、上記の各実施例においては、1つの
対称軸候補組の各々の対称軸候補a,bの処理に関し
て、直交軸距離算出手段36に第1,第2の対称軸距離
算出手段を設けたが、これらを1つの算出手段に統合し
て両方の対称軸候補a,bの距離に共通に使用するよう
にしても良い。同様に、直交軸角度算出手段37中に設
けた第1,第2の対称軸距離算出手段を統合し、また対
称性判定手段28中の第1,第2の対称性判定手段を統
合するようにしても良い。
【0091】
【発明の効果】以上説明した本発明の線対称図形整形装
置によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0092】入力図形の頂点の座標などの特徴量に基づ
いて、その図形の直交対称軸となる可能性のある全ての
対称軸候補組を算出し、これらの中から実際に直交対称
軸となる1組の対称軸候補組を求め、それに従って入力
図形を線対称に整形するので、対称軸を利用者が意識す
ることなく描かれた任意の図形を、互いに直交する1組
の対称軸それぞれに線対称な図形に自動的に整形するこ
とができる。
【0093】対称化処理手段が対称性判定手段から最初
に出力された対称軸候補組を対称軸として整形処理する
構成によれば、迅速な処理が可能になる。また、これに
優先軸候補判定手段を付加した構成によれば、図形が入
力された画面上で水平または垂直な直交対称軸が存在す
れば、その直交対称軸に線対称な図形を優先的かつ効率
良く生成することができる。
【0094】最適対称軸判定手段を備え、対称化処理手
段がその最適対称軸判定手段で選択された最も対称性の
良い対称軸候補組を対称軸として整形処理する構成によ
れば、最も入力図形に近い線対称図形を得ることができ
る。また、これに優先軸候補判定手段を付加した構成に
よれば、水平または垂直な直交対称軸が存在すれば、そ
の直交対称軸に線対称な図形を優先的に生成することが
できる。
【0095】頂点組妥当性判定手段を備える構成では、
対称性をもたない対称軸候補組を早い段階で排除できる
ため、より高速な処理が可能となる。
【0096】整形参照指示手段を備える構成では、より
利用者の意図に沿った線対称図形を得ることができる。
【0097】一軸対称化処理手段を備える構成では、互
いに直交する2本の軸にそれぞれ線対称ではない図形で
あっても、1本の軸について線対称であれば線対称整形
を行うことができ、整形可能な図形がより多くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるデータ処理装置
の処理例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施例における1本の対称軸候
補について入力図形の線対称性を判定するための処理の
流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例の動作説明に用いる入力
図形と整形後の図形の一例を示す図である。
【図5】対称軸候補算出手段で算出された互いに直交す
べき対称軸候補組の例を示す図である。
【図6】図4(a)で示す入力図形から算出される全て
の対称軸候補組を示す図である。
【図7】1本の対称軸候補について算出される対称性判
定線分の例を示す図である。
【図8】1本の対称軸候補に対する対称性を判定する際
に対称性判定線分について算出される距離,角度差の説
明図である。
【図9】本発明の第2の実施例のブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施例におけるデータ処理装
置の処理例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施例のブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施例におけるデータ処理装
置の処理例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施例における1本の対称軸
候補について入力図形の線対称性を判定するための処理
の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施例のブロック図である。
【図15】本発明の第4の実施例におけるデータ処理装
置の処理例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第5の実施例のブロック図である。
【図17】本発明の第5の実施例におけるデータ処理装
置の処理例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第6の実施例のブロック図である。
【図19】本発明の第6の実施例におけるデータ処理装
置の処理例を示すフローチャートである。
【図20】第1の従来例のブロック図である。
【図21】第1の従来例の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図22】第2の従来例のブロック図である。
【図23】第2の従来例の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図24】第2の従来例における対称性判定方法の説明
図である。
【符号の説明】
1…入力手段 2,5,6,7,8…データ処理装置 3…記憶手段 4…出力手段 11…整形参照指示手段 21…特徴量算出手段 22…多角形頂点数算出手段 23…直交軸判定手段 24…第1の対称軸候補算出手段 25…第1の対称性判定線分算出手段 26…第1の対称軸距離算出手段 27…第1の対称軸角度算出手段 28…第1の対称性判定手段 29…第2の対称軸候補算出手段 30…第2の対称性判定線分算出手段 31…第2の対称軸距離算出手段 32…第2の対称軸角度算出手段 33…第2の対称性判定手段 34…対称化処理手段 35…対称性判定線分算出手段 36…対称軸距離算出手段 37…対称軸角度算出手段 38…対称性判定手段 39…直交対称軸候補算出手段 40…第1の頂点組妥当性判定手段 41…第2の頂点組妥当性判定手段 42…最適対称軸判定手段 43…優先軸候補算出手段 44…一軸対称化処理手段 45…頂点組妥当性判定手段

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線対称に整形すべき入力図形について算
    出された特徴量に基づいて、その入力図形の頂点数を算
    出して偶数であるか否かを判定する多角形頂点数算出手
    段と、 該多角形頂点数算出手段で頂点数が偶数と判定された入
    力図形の特徴量に基づいて、その図形の直交対称軸とな
    る可能性のある全ての対称軸候補組を算出して1つずつ
    出力する直交対称軸候補算出手段と、 該直交対称軸候補算出手段から出力された対称軸候補組
    の各々の対称軸候補に対して、対称性を判定するために
    組となる入力図形上の点の組を算出し、該算出したそれ
    ぞれの組の点どうしを直線で結んだ対称性判定線分を算
    出する対称性判定線分算出手段と、 該対称性判定線分算出手段で算出された対称性判定線分
    の中点と、その対称性判定線分を用いて対称性を判定し
    ようとする対称軸候補との距離を算出する対称軸距離算
    出手段と、 前記対称性判定線分算出手段で算出された対称性判定線
    分と、その対称性判定線分を用いて対称性を判定しよう
    とする対称軸候補とのなす角度を求め、90度との差を
    算出する対称軸角度算出手段と、 前記直交対称軸候補算出手段から出力された対称軸候補
    組の各々の対称軸候補について各対称性判定線分毎に前
    記対称軸距離算出手段および前記対称軸角度算出手段で
    求められた距離および角度差を総合的に判断して、入力
    図形が当該対称軸候補組を直交対称軸として線対称か否
    かを判定し、線対称の場合にはその対称軸候補組を出力
    し、線対称でない場合には前記直交対称軸候補算出手段
    に対し次の対称軸候補組の出力を指示する対称性判定手
    段と、 前記対称性判定手段から出力された対称軸候補組の各々
    の対称軸候補を対称軸として線対称となるように入力図
    形を整形する対称化処理手段とを備えることを特徴とす
    る線対称図形整形装置。
  2. 【請求項2】 前記直交対称軸候補算出手段は、入力図
    形の各頂点とその対向頂点とを結ぶ線分および各辺の中
    点と対向辺の中点とを結ぶ線分のうち、互いにほぼ直交
    する線分の組を対称軸候補組とすることを特徴とする請
    求項1記載の線対称図形整形装置。
  3. 【請求項3】 前記対称性判定線分算出手段は、対称軸
    候補が入力図形と交叉する一方の点から他方の点に向か
    って、当該対称軸候補の両側に位置するそれぞれ対応す
    る頂点の組を算出し、該算出したそれぞれの組の頂点ど
    うしを直線で結んだ線分をそれぞれ前記対称軸候補の対
    称性判定線分とすることを特徴とする請求項2記載の線
    対称図形整形装置。
  4. 【請求項4】 前記対称化処理手段は、前記対称性判定
    手段から最初に出力された対称軸候補組を対称軸として
    入力図形を整形することを特徴とする請求項2または3
    記載の線対称図形整形装置。
  5. 【請求項5】 前記直交対称軸候補算出手段が算出した
    対称軸候補組中に入力図形が入力された画面上で水平ま
    たは垂直となる対称軸候補を有する組が存在する場合
    に、水平または垂直となる対称軸候補組から優先的に処
    理させる優先軸候補判定手段を備えることを特徴とする
    請求項4記載の線対称図形整形装置。
  6. 【請求項6】 前記直交対称軸候補算出手段で算出され
    た全ての対称軸候補組に関する前記対称性判定手段によ
    る判定が終了した時点で、前記対称性判定手段から出力
    された対称軸候補組のうち最も対称性の良い対称軸候補
    組を選択して出力する最適対称軸判定手段を備え、且
    つ、 前記対称化判定手段は、前記最適対称軸判定手段から出
    力された対称軸候補組を対称軸として線対称となるよう
    に入力図形を整形することを特徴とする請求項2または
    3記載の線対称図形整形装置。
  7. 【請求項7】 前記直交対称軸候補算出手段が算出した
    対称軸候補組中に入力図形が入力された画面上で水平ま
    たは垂直となる対称軸候補を有する組が存在する場合
    に、水平または垂直となる対称軸候補組から優先的に処
    理させる優先軸候補判定手段を備え、 前記最適対称軸判定手段は、水平または垂直となる対称
    軸候補組を他の対称軸候補組より優先的に選択すること
    を特徴とする請求項6記載の線対称図形整形装置。
  8. 【請求項8】 1つの対称性判定線分について前記対称
    軸距離算出手段および前記対称軸角度算出手段で距離お
    よび角度差が算出される毎に、それらの算出値に基づい
    て当該対称性判定線分の当該対称軸候補に対する対称性
    を判定し、対称性なしと判定した場合には、当該対称軸
    候補組に関する処理を中断せしめて、次の対称軸候補組
    の処理に移行せしめる頂点組妥当性判定手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項4または6記載の線対称図形整形
    装置。
  9. 【請求項9】 前記対称化処理手段が前記対称性判定手
    段から出力された対称軸候補組を対称軸として線対称と
    なるように入力図形を整形する際に、整形の基準となる
    要素を利用者から受け付けて前記対称化処理手段に指示
    する整形参照指示手段を備えることを特徴とする請求項
    4または6記載の線対称図形整形装置。
  10. 【請求項10】 前記対称化判定手段で線対称となる直
    交対称軸候補がないと判定された場合に、少なくとも1
    つの線対称となる対称軸候補があれば、その対称軸候補
    を対称軸として入力図形を整形する一軸対称化処理手段
    を備えることを特徴とする請求項4または6記載の線対
    称図形整形装置。
  11. 【請求項11】 前記対称性判定手段は、前記対称軸候
    補算出手段から出力された対称軸候補について各対称性
    判定線分毎に前記対称軸距離算出手段および前記対称軸
    角度算出手段で求められた距離および角度差の各々平均
    値を算出し、予め定められた閾値と比較して対称性を判
    断することを特徴とする請求項4,5,6,7,8,9
    または10記載の線対称図形整形装置。
  12. 【請求項12】 前記対称性判定手段は、前記対称軸候
    補算出手段から出力された対称軸候補について各対称性
    判定線分毎に前記対称軸距離算出手段および前記対称軸
    角度算出手段で求められた距離および角度差の分散値を
    算出し、予め定められた閾値と比較し対称性を判断する
    ことを特徴とする請求項4,5,6,7,8,9または
    10記載の線対称図形整形装置。
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