JP2718109B2 - 耐熱容器 - Google Patents

耐熱容器

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱容器に関するものである。更に詳しく
は、電子レンジやオーブン中でも使用できる耐熱食器包
装容器に関するものである。
[従来の技術] 近年、電子レンジ、各種オーブンの普及に伴ない、手
軽に加熱、調理できる食品が急速に広まりつつある。こ
れらの食品は衛生的で、かつ迅速に調理できるよう、容
器に充填して保存され、必要に応じて解凍、再加熱、あ
るいは煮る、焼くといった調理が施される。上記の食品
の開発が進むに従って食品容器の耐熱性向上の要求も増
している。
従来よりこの分野の耐熱容器として、電子レンジ中で
も使用でき、軽量でコストが安いなどの理由から紙を基
体としたものがよく知られている。例えば、ポリエステ
ル(PET)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリ
メチルペンテンなどの樹脂からなるシートを紙と積層し
たものがある。
また結晶化PET(C−PET)を使用したものも知られて
いる。
一方、アルミニウム箔などの金属箔からなる耐熱容
器、または該金属箔の表面に耐熱性を有する樹脂(例え
ばテフロン系の樹脂)をコーティングしたり、別の特殊
な表面処理を施した耐熱容器も知られている。
[発明が解決しようとする課題] 従来の紙を基体とした容器の場合、紙が調理中の熱で
変色(黒化)してしまうという問題点があった。
また、C−PETからなる容器の耐熱性も230℃程度の温
度が限界で、オーブントースターなどの直接加熱には耐
えられない。
一方、金属からなる容器、例えばアルミニウムからな
る容器は、耐熱性に優れるが電子レンジに対する安全性
や塩分を含む食品に対する腐蝕などの問題点を有する。
また該金属の表面に他の樹脂をコーティングしたり、特
殊な表面処理を施した容器もコーティング樹脂などの耐
熱性、ピンホールなどの問題点を有していた。
すなわち、電子レンジ、オーブン、トースターなどの
いずれの調理器でも使用できる容器がないのが実状であ
る。
一方、耐熱フィルムとして2軸配向ポリフェニレンス
ルフィドフィルム(PPSフィルム)が知られている。し
かし、該フィルム単体からなる容器は、250℃程度の温
度で軟化し容器が変形する恐れがある。また、該フィル
ムの引裂き強さが低く、例えばアルミニウム箔などと積
層しても、容器の形に成形するとフィルムが裂けたり、
穴があいたりすることがあった。また該容器をフォーク
などでこすると裂けたりすることがあった。
本発明は、別の基体にPPSフィルムを積層してなる容
器において、上記の問題点を解消し、電子レンジ、オー
ブン中でも使用でき、食品の冷凍保存、解凍、加熱調
理、食事といった一連のことを一個の容器で満足させる
ことのできる耐熱容器を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、少なくとも容器の一部に、2軸配向ポリフ
ェニレンスルフィドフィルムを基体の少なくとも片面に
積層した積層体を用いてなる耐熱容器であって、該2軸
配向ポリフェニレンスルフィドフィルムのキシレン抽出
分が1.5重量%以下であることを特徴とする耐熱容器で
ある。
本発明において2軸配向ポリフェニレンスルフィドフ
ィルム(以下、PPS−BOと略称することがある。)と
は、ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする樹
脂組成物を、溶融成形してシート状とし、2軸延伸、熱
処理してなるフィルムである。
また、該フィルムの厚さは、2〜100μmの範囲が好
ましい。
本発明においてポリ−p−フェニレンスルフィドを主
成分とする樹脂組成物(以下、PPS系組成物と略称する
ことがある。)とは、ポリ−p−フェニレンスルフィド
を90重量%以上含む組成物を言う。
PPSの含有量が90重量%未満では、組成物としての結
晶性、熱転移度等が低くなり、該組成物からなるフィル
ムの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。
該組成物中の残りの10重量%未満はPPS以外のポリ
マ、無機または有機のフィラー、滑剤、着色剤、紫外線
吸収剤などの添加物を含むことも、本発明の目的を害し
ない範囲なら差し支えない。
該樹脂組成物の溶融粘度は、最終的に得られる2軸配
向ポリ−p−フェニレンスルフィドフィルムの、溶融粘
度に等しい。
本発明においてPPSとは、繰り返し単位の70モル%以
上(好ましくは85モル%以上)が構造式 で示される構成単位からなる重合体を言う。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低く
なりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの
特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。
繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未
満であれば共重合可能な単位、限定はされないが例えば
メタフェニレンスルフィド結合、エーテル結合、スルホ
ン結合、ビフェニル結合、ナフチル結合、置換フェニレ
ンスルフィド結合、3官能フェニレンスルフィド結合な
どを含有する単位が含まれることはポリマの結晶性、延
伸性、配向性に影響を与えない範囲で差し支えない また本発明におけるPPS−BOのキシレン抽出分は1.5重
量%以下である。該抽出分は、ソックスレー抽出器を用
いて、PPS−BOをキシレンを溶媒として24時間抽出を繰
り返した後、キシレンの可溶分を乾燥固化して求めたも
のである。該抽出分が1.5重量%を越えると、引裂き強
度が低く、PPS−BOと基体からなる積層体を容器状に成
形すると、PPS−BOが破れやすくなり、特に深絞り成形
が難しくなる。また該容器をフォークなどでこするとPP
S−BOが裂けやすい。
更に本発明のPPSフィルムは、PPSを主成分とする樹脂
組成物中に含まれるすべての金属の標準電極電位E°の
重量平均が、−1.5V以下であり、かつ該金属の含有量の
合計量Y(単位:ppm)が80≦Y≦700で、かつクロロホ
ルム抽出可能な金属の重量X(単位:ppm)ならびに熱水
抽出可能な金属の重量Z(単位:ppm)が、該PPSを主成
分とする樹脂組成物の重量に対して、下記(1)式なら
びに(2)式を満足することが好ましい。
0≦X≦(0.5Y−40) (1) Z≦50 (2) ここで。該フィルム中に含まれる全ての金属とは、IC
P発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分
析法)で分析可能な全ての金属を言う。
また、標準電極電位E°とは、Chemical−Data−Book
(Ed:G.H.Aylward,T.J.V.Findlay)、2nd Ed.(1966)
によるもので、標準状態における金属のイオン化傾向や
電極反応を構成する酸化還元系の酸化力(または還元
力)を示す尺度として定義されるものである。
またクロロホルム抽出の方法は、200〜250メッシュの
粉砕したフィルムあるいはポリマ10gをソックスレー抽
出器に入れ、クロロホルム100gにて110〜120℃の湯浴下
で環流させながら、120時間抽出を行なう方法が用いら
れる。
また、熱水抽出の方法は、200〜250メッシュの粉砕し
たフィルムあるいはポリマ10gを300gのイオン交換水と
ともに1のチタン製オートクレーブに入れ180℃で20
時間攪拌しながら抽出を行なった後、0.5μのフィルタ
ーでろ過し、ろ液を5〜50倍のロータリエバポレータ等
で濃縮する。
本発明における基体とは、アルミニウム、スチールな
どの金属箔、パルプを用いて抄造した単層あるいは多層
の紙、各種の樹脂組成物からなる板状物、シートやフィ
ルムなどを言う。また基体の厚さは、使用する基体によ
って異なるし、また、特に限定されるものではないが、
例えば金属箔を用いたものは10〜500μm、紙を用いた
ものは100〜1000μm、樹脂からなるものは50〜500μm
の範囲内が好ましい。
本発明の耐熱容器は、少なくとも容器の一部が、上記
のPPSフィルムが基体の少なくとも片面に積層された積
層体からなるものである。容器の一部とは、容器本体、
蓋材、底部など容器を構成する部分を意味する。該積層
体の構成厚みは、使用する基体によって異なるが、PPS
−BOの厚さを、A,A′μm、基体の厚さをBμmとする
と、例えば金属箔を基体とする場合は、0.05≦A/B又は
(A+A′)/B≦2.5の範囲が、また、紙を基体とする
場合は、0.006≦A/B≦0.1,0.01≦(A+A′)/B≦0.2
の範囲が、また樹脂組成物からなる基体を用いる場合
は、0.05≦A/B≦(A+A′)/B≦2.5の範囲内が機械特
性、耐熱性、加工性などの点で好ましい。
該積層体は、接着剤を介して積層されていても、介さ
ずに直接熱融着されていてもよい。
該積層体の接着剤としては、ウレタン系、アクリル
系、エポキシ系、ゴム系などの溶剤系のものやポリビニ
ルアルコールを主体とする水系のものなどを用いること
ができる。
また、本発明の耐熱容器は、上記の積層体を例えば皿
形、おわん形などに成形したものがあるが、形や大きさ
は特に限定されない。また該容器に種々の印刷などが施
してあっても、本発明の目的を害しない範囲なら差し支
えない。
本発明の耐熱容器は下記のようにして製造することが
できる。
先ず、ポリ−p−フェニレンスルフィドの重合方法と
しては、硫化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒
中で高温高圧下に反応させる方法を用いる。特に、硫化
ナトリウムとp−ジハロベンゼンをN−メチルピロリド
ン等のアミド系高沸点極性溶媒中で反応させるのが好ま
しい。この場合、重合度を調整するために、水酸化アル
カリ、カルボン酸アルカリ塩等のいわゆる重合助剤を添
加して230℃から280℃の温度下で反応させるのが最も好
ましい。重合系内の圧力及び重合時間は、使用する助剤
の種類や量及び所望する重合度等によって適宜決定され
る。
重合を終ったポリマを水洗、乾燥するとポリ−p−フ
ェニレンスルフィド粉末が得られる。回収したポリマを
必要に応じて例えばジフェニルエーテルのような、ポリ
−p−フェニレンスルフィドと親和性のある有機溶媒で
高温洗浄して、本発明で言うキシレン抽出分を1.5重量
%以下に制御する。
更に、得られたポリマを必要に応じて本発明で言う標
準電極電位を有する金属の酢酸塩等の水溶液中で30〜10
0℃の温度で10〜60分間攪拌処理後、イオン交換水にて3
0〜80℃の温度で数回洗浄を繰り返した後乾燥する。
更に酸素分圧30Torr以下の雰囲気下でN−メチルピロ
リドンにて洗浄後、イオン交換水にて30〜80℃の温度で
数回洗浄を繰り返すことにより、該ポリマからなるフィ
ルムの機械的特性をより向上させるうえで好ましい。
このポリマを2軸配向フィルムに成形するには、周知
の任意の方法を適用し得るが、例えば押出機により溶融
された該樹脂を口金から定量的に金属ドラムの上にキャ
スティングし、急速冷却することによって無配向、非晶
状態のシートを得て、該シートを周知の方法で2軸延
伸、熱処理する。延伸は長手方向、幅方向とも90〜110
℃で3.0〜4.5倍の範囲で行い、熱処理は定長または15%
以下の制御収縮下に1〜60秒間おこなう。さらに、一方
向もしくは二方向にリラックスしてもよい。
以上の工程によってPPSフィルムを得ることができる
が、上記工程の中でキシレン抽出分に影響を与えるもの
は重合温度及び時間、使用助剤の種類及び量、重合後の
有機溶媒による洗浄の有無、時間、温度等であり、これ
らを適当に制御することによって、得られるフィルムの
キシレン抽出分を本発明の範囲以内に制御することがで
きる。
本発明の耐熱容器に用いる積層体は、上記のPPS−BO
と基体とを熱融着又は、接着剤を介して積層する。積層
に先がけてPPS−BOにコロナ処理やプラズマ処理などの
表面処理が行なわれるのが好ましい。
熱融着で積層する一例として、アルミニウム箔との積
層方法について述べる。
PPS−BOとアルミニウム箔を合わせて。230〜270℃の
温度で、1〜10kg/cm2の圧力で熱圧着する。圧着の方法
は、プレスロール、平板プレスなどの方法を用いる。
接着剤を介して積層する場合は、先に述べたような接
着剤をグラビアロール法、リバースコータ法などの周知
の方法で、PPS−BO又は使用する基体に塗布し、加熱し
たプレスロール、平板プレスなどの方法で積層すること
ができる。接着剤の乾燥条件は、用いる溶剤によって異
なり、通常は溶剤の沸点付近の温度で残存溶剤が完全に
なくなる条件が選ばれる。また積層条件も用いる接着剤
によって異なるが、常温〜150℃の温度で1〜5kg/cm2
圧力で積層するのが好ましい。また必要に応じて該接着
剤を硬化させる。
次に上記の積層体をプレス成形、折曲げ成形などの周
知の方法で容器に成形され、耐熱容器を得る。この際食
品と接する面にPPS−BO層がくるよう成形する。また該
容器に種々の印刷やラベル等が施されていることも本発
明の目的を害しない範囲なら差し支えない。
[発明の効果] 本発明の耐熱容器は、以上のような構成にしたため、
従来の耐熱容器に比べて非常に耐熱性が高く、300℃付
近の温度まで使用でき、電子レンジからオーブン、トー
スターまで使用できる容器となった。
また、本発明の耐熱容器は、従来のPPS−BOを用いた
ものに比べて成形性が良く、より深絞りの成形容器が得
られる。
また、PPS−BOとアルミニウムなどの金属箔や樹脂組
成物からなる基体などの積層が熱融着によってできるの
で、接着剤の耐熱性、安全性などに対する心配がない。
[用途] 本発明の耐熱容器は、一般の電子レンジや各種のオー
ブンで容器のまま加熱調理されるのに用いられる食器容
器に適していることは言うまでもなく、電子レンジ、オ
ーブントースターを併用し、保存、解凍、加熱調理、食
事といった一連の事を一個の容器で満足させる食品容器
(例えば機内食に用いる容器)に適している。
[特性の測定方法及び評価の基準] (1)キシレン抽出分 ソックスレー抽出器を用いて、PPS−BOをキシレンを
溶媒として24時間抽出を繰り返した後、キシレンの可溶
分を乾燥固化して求めた。
(2)引裂き強さ JIS P 8112 (3)成形性 直径70mm、深さ30mmの容器を200℃でプレス成形し、
次の基準で成型性を確認した。
○:成型容器のPPS−BOに割れ、破れその他の異常がみ
られない。
△:成型容器の折り曲げ部等PPS−BOが白化したり、き
ずが付いたりしている。
×:成型容器のPPS−BOに割れ、破れなどが発生する。
(4)耐熱温度 成型した容器に調理済みのグラタンを入れ、オーブン
で各温度で20分調理を行ない、容器の変形、溶融、破れ
などを観察し、その限界の温度を耐熱温度とした。
[実施例] 次に本発明を実施例を挙げて詳細に説明する。
実施例1 (1)PPSポリマの準備 50l容量のオートクレーブに水硫化ナトリウム56.25モ
ル、水酸化ナトリウム54.8モル、酢酸ナトリウム16モル
とN−メチルピロリドン(以下、NMPと略称する。)170
モルを仕込み、窒素ガス気流下に攪拌しながら内温を22
0℃まで昇温させ、脱水を行なった。脱水終了後、系を1
70℃まで冷却いた後、55モルのp−ジクロルベンゼンと
0.055モルの1,2,4−トリクロルベンゼンを2.5lのNMPと
共に添加し、窒素気流下に系を2.0kg/cm2まで加圧封入
した。230℃にて1時間、さらに270℃にて3時間攪拌下
に加熱した後、系を冷却し、得られたポリマをジフェニ
ルエーテルで洗浄(温度85℃、洗浄時間1時間で攪拌洗
浄)後、抽出し、低分子量分を除去し、200メッシュの
金網を通して補集し、得られたポリマを8倍の量の水洗
浄を5回繰り返した後、4.9kgのPPSポリマを得た。さら
に、70℃の温度の酢酸リチウムの5重量%溶液にて窒素
気流下で1時間攪拌処理した。さらに、70℃のイオン交
換水で3回洗浄後アセトンで1時間洗浄して乾燥した。
(2)PPS−BOの準備 上記(1)で得られたポリマを320℃にて直径40mmの
エクストルーダーに供給し、10μmカットの金属繊維フ
ィルターを通して250mm幅の直線状リップから30℃の表
面温度を有するキャスティングドラムの上にキャストし
て約240μmの厚さの未配向シートを得た。更に該シー
トを、ロール式の縦延伸装置によって3.7倍延伸し、さ
らにテンターによって3.6倍の横延伸を行ない、同一テ
ンター内で270℃で10秒間の熱処理を行ない、更に幅方
向に8%のリラックスを行ない12μm厚さのPPS−BOを
得た。該フィルムのキシレン抽出分は0.7重量%であっ
た。(フィルム−1とする。) (3)積層体の作成 フィルム−1の片面に6000J/m2のコロナ放電処理を施
し、下記のウレタン系の接着剤を介して、厚さ125μm
のアルミニウム箔の両面に積層した。
接着剤;“アドコート"76P1 (東洋モートン社製) 混合比;主剤/硬化剤=100/8 溶剤:酢酸エチル 上記の接着剤を固形分濃度が32wt%になるよう調整
し、グラビアロール法でフィルム−1のコロナ放電処理
面に塗布し、80℃で1分間乾燥した。また、塗布量は乾
燥後で5μmになるよう調整した。次に温度80℃、圧力
3kg/cm2でフィルム−1とアルミニウム箔を積層した。
更に該積層体のアルミニウム箔側に同条件でフィルム−
1を積層し、80℃で48時間、更に150℃で2時間の条件
で接着剤を硬化せしめた。
(4)耐熱容器の作成 上記の積層体をプレス成形法で直径70mm、深さ30mmの
容器に成形した。成形の温度は200℃であった。
実施例2 実施例1で作成したフィルム−1の片面にアルゴン中
でプラズマ処理を施した。プラズマ処理の条件は、圧力
が0.4Torr、印加電圧1.5kV、処理速度が2.5m/分であっ
た。
上記のフィルムを実施例1で用いたアルミニウム箔の
両面に、温度が250℃、圧力が10kg/cm2の条件で熱圧着
した。該積層体を実施例1の条件で成形し耐熱容器とし
た。
実施例3 実施例1で作成したフィルム−1の片面に同条件でコ
ロナ放電処理を行ない、実施例1の条件で厚さ0.5mmの
クラフトパルプの両面に積層した。更に実施例1の条件
で成形し耐熱容器とした。
比較例1 実施例1の条件で125μm厚さのPPS−BOを得た。更に
実施例1の条件で該フィルムを成形し容器とした。
比較例2 12μm厚さのポリエステルフィルム(東レ(株)製
“ルミラー"P11)を準備し、実施例1の条件でアルミニ
ウム箔と積層し、容器に成形した。
比較例3 市販されているC−PETの容器を準備した。
比較例4 12μm厚さのポリエステルフィルム(東レ(株)製
“ルミラー"P11)を準備し、実施例3の条件でクラフト
パルプと積層し、成形して容器にした。
[評価] 実施例1〜3及び比較例1〜4の容器にグラタンを入
れ調理したときの耐熱限界温度を第1表に示した。
実施例1〜3の本発明の耐熱容器は、調理温度を290
℃に上昇させても、溶融したり、変形したりすることは
ない。また実施例1,2の耐熱容器に冷凍ピザを入れ、電
子レンジで解凍し調理したがマイクロウェーブによるス
パーク等の発生はなかった。
一方、比較例1のPPSフィルム単体からなる容器は、2
50℃を越えると一部が変形した。
また、比較例2のポリエステルフィルムとアルミニウ
ム箔からなる容器は、250℃でフィルムが白化又は一部
溶融した。
また比較例3のC−PETの容器は250℃を越えると変形
が大きくなり、一部が溶融した。
また比較例4のポリエステルフィルムと紙からなる容
器は、250℃でフィルムが白化又は一部溶融した。
実施例4,比較例5,6 重合後のジフェニルエーテルによる洗浄の有無とその
程度(温度、時間)及び5重量%の酢酸リチウム(温度
70℃、窒素気流下)水溶液での攪拌処理(1時間)の有
無およびその後のアセトン洗浄の有無によってキシレン
抽出量の異なった5種類のPPS−BOを得た。製膜の条件
は実施例1の条件を用いた。ポリマ洗浄条件と得られた
5種類のフィルムのキシレン抽出分及び引き裂き強さを
第2表に示す。
また、上記5種類のPPS−BOの実施例1の条件でアル
ミニウム箔及び実施例3の条件でクラフトパルプと積層
し、容器に成形した。該容器の成形性を第2表に示す。
第2表からキシレン抽出分が本発明で言う範囲を越え
ると該フィルムの引裂き強さが低下し、容器を成形する
際にフィルムが割れたり、穴があいたりしやすくなる。
また該容器に食品を入れ、フォークでこすりつけるとPP
S−BOが破れやすい。
実施例4の容器は、そのようなことがない。また、全
て290℃以上の耐熱性を示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも容器の一部に、2軸配向ポリフ
    ェニレンスルフィドフィルムを基体の少なくとも片方の
    面に積層した積層体を用いてなる耐熱容器であって、該
    2軸配向ポリフェニレンスルフィドフィルムのキシレン
    抽出分が1.5重量%以下であることを特徴とする耐熱容
    器。
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