JP2832973B2 - 耐熱容器 - Google Patents

耐熱容器

Info

Publication number
JP2832973B2
JP2832973B2 JP1012694A JP1269489A JP2832973B2 JP 2832973 B2 JP2832973 B2 JP 2832973B2 JP 1012694 A JP1012694 A JP 1012694A JP 1269489 A JP1269489 A JP 1269489A JP 2832973 B2 JP2832973 B2 JP 2832973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
container
heat
aromatic polyamide
metal foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1012694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02193618A (ja
Inventor
伸明 伊藤
泰一 黒目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP1012694A priority Critical patent/JP2832973B2/ja
Publication of JPH02193618A publication Critical patent/JPH02193618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2832973B2 publication Critical patent/JP2832973B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cookers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子レンジやオーブンさらにはオーブント
ースター中でも使用できる耐熱容器に関するものであ
る。
[従来の技術] 近年、電子レンジ、各種オーブンまたはオーブントー
スターの普及に伴い、手軽に加熱、調理できる食品が急
速に広まりつつある。これらの食品は、衛生的で温か
く、かつ迅速に、また大量に提供できるよう、容器に充
填して保存され、必要に応じて、解凍、再加熱、あるい
は煮る、焼くといった調理が施される。
従来よりこの分野の耐熱容器として、軽量でコストが
安いなどの理由から紙を基体としたものがよく知られて
いる。例えば、ポリエステル(PET)、アクリル系樹
脂、ポリカーボネート、ポリメチルペンテンなどの樹脂
からなるシートを紙と積層したものがある。
また結晶化PET(C−PET)を使用したものも知られて
いる。
一方、アルミ箔などの金属箔からなる耐熱容器、また
は該金属箔の表面にアクリル、エポキシなどの樹脂層を
コーティングした耐熱容器も知られている。
[発明が解決しようとする課題] 従来の紙を基体とした容器の場合、調理温度が高いと
紙が調理中の熱で変色(炭化)することがあり、容器自
身の変形がなくても変色による匂いが発生し、味覚を損
なう場合があった。
また、C−PETからなる容器の耐熱性も230℃程度の温
度が限界で、オーブントースターなどの直接加熱には耐
えられない。
一方、金属からなる容器、例えばアルミニウムからな
る容器は、耐熱性に優れるが塩分を含む食品に対する腐
食などの問題点を有するため、該金属の表面に他の樹脂
をコーティングしたりフィルムを積層したりして使用さ
れるのが一般的であるが、樹脂の耐熱性が不足していた
り、ピンホールが多いなどの問題点を有していた。
本発明は上記のような問題点を解決し、電子レンジ、
オーブンやさらにはオーブントースターでも使用できる
耐熱容器を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、クロロホルムに抽出される抽出物質が0.2w
t%以下である芳香族ポリアミド層と金属箔からなるこ
とを特徴とする耐熱容器に関するものである。
本発明の芳香族ポリアミドとは、基本構成単位HN−
Ar1−NHOC−Ar2−COを50モル%以上含む重合体からな
るもので、融点がないか、あってもポリマの分解温度よ
り高く、溶媒に溶解しないとフイルムあるいは層状に成
形できないものをいう。ここでAr1、Ar2は下記の
(1)、(2)の構造のものである。
ここで、R、Xはハロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のア
ルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、 p、m、nは0〜3、lは0又は1を表わす。
ここで、Sはハロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキ
ル基、C1〜C3のアルコキシ基、qは0〜4。
これらのうち、RはSにハロゲン(特に塩素)やアル
キル基(特にメチル基)などの置換基を有するポリマ、
あるいはXやYにアルキル基や−CH2−を有するポリマ
は置換基のないものより吸湿率が低く、食品中の水分を
吸収しにくいため、加熱時に発泡の問題がなく好まし
い。例えば、 などを50モル%以上含むポリマが挙げられる。この芳香
族ポリアミドは酸クロリドとジアミンの反応、あるいは
イソシアネートとカルボン酸との反応で得られる。
酸クロリドとジアミンの組合せを例にとると、単量体
としては、酸クロリド側は、テレフタル酸クロリド、イ
ソフタル酸クロリド、およびこれらの芳香族に、ハロゲ
ン、ニトロ、アルキル、アルコキシ基を有するもの、例
えば、2−クロルテレフタル酸クロリド、2−クロルイ
ソフタル酸クロリド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロ
リド、2−ニトロテレフタル酸クロリド、2−メチルイ
ソフタル酸クロリドなどがある。またジアミン側は、p
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4′−ジアミノジフェニルケトン、3,3′−ジアミノジフ
ェニルケトン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、ベンチジン、お
よびこれらの芳香核に上記の置換基を有するもの、例え
ば、2−クロル−p−フェニレンジアミン、2−クロル
−メタフェニレンジアミン、2−メチル−メタフェニレ
ンジアミン、3,3′−ジメチルベンチジンなどがある。
またイソシアネートとカルボン酸の組合せを例にとる
と、イソシアネート側は、フェニレン−1,4−ジイソシ
アネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、ジフ
ェニルケトン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテ
ル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−
4,4′−ジイソシアネート、およびこれらの芳香核に上
記の置換基を有するもの、例えば、トルイレン−2,6−
ジイソシアネート、トルイレン−2,4−ジイソシアネー
トなどがある。またカルボン酸側は、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、およびこれらの芳香核に上記の置換基を有
するものなどがある。
本発明は上記の一般式で示される基本構成単位を50モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上含むことが必要であ
る。上記範囲より少ないと機械特性が低下し、また耐熱
性も低下して本発明の目的を達成することができない。
50モル%未満の共重合成分は特に限定されるものではな
く、エステル結合、ウレタン結合、イミド結合、複素環
結合などを含有していてもよい。
また本発明の芳香族ポリアミドには物性を損わない程
度に、滑剤、酸化防止剤、その他の添加剤等や、また他
の樹脂がブレンドされていてもよい。
本発明の芳香族ポリアミド層は、上記の樹脂を有機溶
媒中に溶解させて、その溶液を金属箔の上に塗布し、有
機溶媒を除去して形成してもよいし、予め製膜した芳香
族ポリアミドフイルムを金属箔と積層してもよい。フイ
ルムの積層の方法は限定されないが、熱圧着や接着剤に
よる積層などがある。
更に、芳香族ポリアミド層から、クロロホルムに抽出
される抽出物質は、0.2wt%以下でなければならない。
好ましくは0.1wt%以下である。0.2wt%より多いと、調
理中にこれらの物質が食品との間にしみ出し、焦げ付き
や、離型性を悪化させるなどの問題を引き起こす。
この芳香族ポリアミド層の厚みは、1〜20μmが好ま
しく、より好ましくは2〜15μmである。1μmより薄
いと、機械特性が低下し、容器に加工する際に破れた
り、また容器として使用する際には、ナイフやフォーク
などで穴があくことがある。またピンホールが発生しや
すい。20μmより厚いと芳香族ポリアミドの樹脂量が増
して経済的にも不利である。
また本発明の芳香族ポリアミド層の引張り伸度は10%
以上が好ましく、より好ましくは20%以上である。10%
より小さいと容器に加工する際に破れたり、またナイフ
やフォークで穴があきやすくる。なお、この層の引張り
強度は20kg/mm2以上が好ましく、引張り弾性率は300kg/
mm2以上、より好ましくは400kg/mm2以上がよい。
また、芳香族ポリアミド層は、25〜350℃の温度範囲
における収縮応力がMD、TD方向とも2.0kg/mm2以下であ
ることが好ましく、より好ましくは1.0kg/mm2以下であ
る。2.0kg/mm2より大きいと、加熱して容器に成形する
場合や、調理時に樹脂層が収縮して容器が変形したり、
金属箔から樹脂層が剥離したりすることがある。
さらに、本発明の芳香族ポリアミド層は、耐加水分解
性の良好なものが良く、加水分解試験後の伸度保持率が
70%以上、より好ましくは80%以上であることが望まし
い。70%より小さいと、調理中に高温にさらされて食品
中の水分で樹脂層が劣化し、破れや剥離が起きやすくな
る。
本発明の金属箔とは、アルミニウム、スチールなどで
あり、表面に金属メッキや酸化処理の施されたものも含
む。本発明の容器は、形状の安定性や剛性を主としてこ
の金属箔によって保つものであり、金属箔の厚みは10〜
500μmが好ましく、より好ましくは20〜300μmであ
る。
本発明の好ましい態様は、芳香族ポリアミド層がフィ
ルムから成るものであり、金属箔の少なくとも片面に該
フィルムが積層されたものである。この積層体は、接着
剤を介していても、介さずに熱圧着されたものでもよ
い。
接着剤としては、ウレタン系、アクリル系、エポキシ
系、ゴム系などの溶剤系のものや、ポリビニルアルコー
ルに代表される水系のものなどが使用できる。
次に本発明の耐熱容器の製造方法について説明する
が、これに限定されるものではない。
芳香族ポリアミド層は、予め製膜した芳香族ポリアミ
ドフイルムを金属箔と積層して形成する方法が、本発明
を達成する上で好ましいが、このフイルムの製造方法と
しては、公知の溶液製膜法が採用できる。
まず、芳香族ポリアミドは、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ヘキサメチ
ルホスホルアミド(HMPA)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトンなどの有
機溶媒中に、単量体を添加して行なう溶液重合法、ある
いは水系媒体を使用する界面重合法などによって重合さ
れる。また、特にジイソシアネートとジカルボン酸から
重合する方法もあり、この場合には触媒を添加すること
もある。
重合後のポリマ溶液をそのまま製膜用原液として使用
する場合は、単量体として、酸クロリドとジアミンを使
用するとハロゲン化水素が発生するのでこれを中和する
必要がある。中和剤としては、無機塩基を主体とするこ
とが一般であり、この場合には、塩化リチウム、塩化カ
ルシウムなどが製膜用原液に含有されるため湿式法ある
いは、乾湿式法で製膜することが好ましい。
湿式法では、製膜用原液を口金から直接凝固浴中に押
し出すか、一旦ドラムやベルト等の支持体上に流延し、
支持体ごと浴中に導入する方法が採用される。この凝固
浴は一般に水系媒体からなるが、水の他に有機溶媒や無
機塩等を混合しておく場合もある。特に不純物の除去効
率を上げるには、水温を50℃以上に上げたり、有機溶媒
の浴を設けてこの中を通すことが有効である。有機溶媒
としては、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素や、アルコール、エーテル、ケトン類などが
ある。凝固浴中では製膜用原液中の有機溶媒や無機塩、
オリゴマなどの抽出が行なわれ、水を含有するゲルフィ
ルムが成形される。ゲルフィルムは次にテンターなどに
おいて乾燥され、熱処理が行なわれて最終フィルムとな
る。
乾湿式法では、製膜用原液を口金からドラム、エンド
レスベルト等の支持体上に流延し、熱風等によって加熱
して溶媒を蒸発させ、原液が自己保持性を持ったゲルフ
ィルムとなるまで乾燥を行ない、このゲルフィルムを支
持体から剥離する。この際、表面から急激に溶媒が蒸発
しないように調整する必要があり、一般には室温〜300
℃、60分間以内で乾燥条件は設定される。乾式工程を終
えたゲルフィルムは、水を主体とする浴中で湿式法と同
様に溶媒、塩の抽出が行なわれ、次いでテンター内で乾
燥、熱処理されて最終フィルムとなる。
ポリマの基本構成単位、あるいは単量体の種類によっ
ては、無機塩を含有しない製膜用原液を調製することも
でき、この場合には乾式法で製膜することも可能であ
る。乾式法は乾湿式法における溶媒等の水抽出を省いた
方法であり、有機溶媒を加熱によって蒸発させフイルム
化する方法である。
ただし、乾式法は、溶媒が高温にさらされて変質物が
発生しやすく、又オリゴマ等の低分子量物が除去されに
くい等の欠点もある。その点、本発明を達成するには湿
式法、乾湿式法がより好ましい。
以上の方法で成形されるフィルムは、製膜工程中で、
延伸および熱処理が施されるが、具体的には、延伸倍率
は面倍率で0.9〜15倍(面倍率とは延伸後のフィルム面
積を延伸前のフィルム面積で除した値であり、ここで1.
0未満の値は収縮を意味する)、熱加熱は250℃〜400
℃、0.1秒〜30分間であり、これらの延伸、熱処理条件
をポリマの基本構成単位に応じて設定することにより良
好な芳香族ポリアミドフィルムが得られる。
以上のような方法で得られたフイルムは、接着剤を用
いるか、あるいは接着剤なしで金属箔と積層することが
できる。この際必要に応じてフイルムにコロナ放電処理
やグロー放電処理を行なってもよい。
一方、フイルム化をしないで直接金属箔上に芳香族ポ
リアミド層を設けることもできる。この場合には、ポリ
マ溶液を金属箔上へ流延し、上記のようなフイルムを製
膜するプロセス、即ち湿式、乾湿式、乾式法のいずれの
方法でも製造できる。溶媒は、高沸点のものが多く、熱
風等の加熱だけでは、層から蒸発しにくいため、湿式あ
るいは乾湿式法で溶媒を抽出除去することが好ましい。
またオリゴマ等の除去効率が高い点からも湿式、乾湿式
法が好ましい。
次に上記のようにして得られた積層体は、容器に成形
されるが、成形方法としては、プレス成形や折曲げ成形
等の周知の方法が採用できる。この際、食品と接する面
に芳香族ポリアミド層がくるように成形して防水性、防
油性等をもたせる。更に必要に応じて、蓋の接着のため
に、接着面にヒートシール剤や接着剤を設けておくこと
もある。
[発明の効果] 本発明の耐熱容器は、実質的に融点がない芳香族ポリ
アミド層と金属箔からなるため、非常に高い耐熱性を有
し、電子レンジ、オーブンさらにはオーブントースター
での使用が可能である。金属箔の代りに紙を用いたもの
も耐熱性はかなり優れるが、調理温度が高いと容器の変
形はなくても変色(炭化)して臭気が発生する場合があ
る。この点、本発明の耐熱容器はこういう問題がなくよ
り優れている。
更に本発明の芳香族ポリアミド層は、抽出物が少ない
ため、食品の焦げつきが少なく味覚を損うことがない。
このように高温にさらされても食品から発生する焦げた
匂いや容器の変質による臭気などの発生がなく、美味な
食品を調理できる容器を提供できる。
さらに、芳香族ポリアミド層の引張り伸度が大きく、
基体として金属箔を使用するため、容器への加工性、特
に絞り成型性が良好である。この絞り成型ができること
により容器の蓋材との密閉性が良くなり食品の保存性が
非常に優れるなどの効果も出てくる。
[特性の測定方法] (1) 収縮応力 試幅10mm、試長100mmになるようにサンプルを切出
し、0.25kg/mm2の初期荷重をかけ、定長に保つ。これを
加熱炉で10℃/分の昇温速度で25℃から350℃まで昇温
して昇温時の応力をチャートに書かせる。初期荷重をか
ける前を零点として収縮応力を求める。
(2) クロロホルム抽出物量 細断したサンプルをソックスレ−抽出器に仕込み、こ
の中へ精製したクロロホルムを入れて10時間、加熱抽出
を行なう。つぎにこの液をロータリーエバポレータに移
し、45〜50℃に保つよう減圧度を調節しながら恒量にな
るまで濃縮し、残留物の重量を測定して求める。
(3) 強度、伸度 ASTM−D−882によるテンシロン型引張試験機に試幅1
0mm、試長50mmとなるようにセットし、引張速度300mm/
分で引張ってフィルムが破断するときの強度、伸度を測
定する。雰囲気は25℃、55%RHである。
(4) 加水分解性 オートクレーブの下部に少量の水を入れ、この上にサ
ンプルを入れて密閉する。これを155℃で1日加熱後サ
ンプルを取り出してサンプルの伸度を測定し、試験前の
伸度で除して伸度保持率を求める。
[実施例] 以下に実施例に基づいて本発明を説明するが、これら
に限定されるものではない。
実施例1 2−クロルパラフェニレンジアミン80モルと、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル20モルをアミン成分と
し、2−クロルテレフタル酸クロリド100モルを酸成分
としてNMP300kg中で重合した。さらに水酸化カルシウム
を発生塩化水素に対し当量加え中和を完結させて均一な
ポリマ溶液を得た。
この溶液をエンドレスベルト上へ均一に流延して自己
保持性を持つまで乾燥した。このフィルムをベルトから
剥離し、60℃の水槽中に連続的に15分間浸漬しながらMD
方向へ1.2倍延伸した。次にこれをテンターへ導入し320
℃で5分間乾燥し、TD方向に1.2倍延伸して厚さ4μm
の機械物性のバランスしたフィルムを得た。このフィル
ムはヤング率が1050kg/mm2、強度55kg/mm2、伸度60%で
あり、収縮応力、クロロホルム抽出物量は第1表の通り
である。また加水分解後の伸度保持率は98%であった。
このフィルムの片面をコロナ放電処理し、この面にウ
レタン系接着剤を乾燥後で5μmになるように塗布し、
80℃で2分間乾燥した。次に厚さ125μmのアルミ箔と
接着剤面を重ね合わせ、80℃、圧力2kg/cm2で積層し、
さらに80℃で40時間、次に150℃で2時間加熱して接着
剤を硬化せしめた。
この積層体をフィルムが内側になるようにプレス成型
機で250℃の温度で直径10cm、深さ3cmの容器に成型し
た。この中にグラタンを入れ、オーブントースターで10
分間加熱して調理を行なった。この調理を行なう際に容
器の近傍に温度計を入れて温度測定をしたところ、温度
は最高320℃まで上昇した。調理後のグラタンの表面に
は程よく焦げ目がついていたが容器は形態や色の変化は
なかった。また容器の底の焦げつきもなかった。
実施例2 ジアミノジフェニルメタンをアミン成分とし、2−ク
ロルテレフタル酸クロリドを酸成分としてNMP中で重合
し、更に水酸化カルシウムで中和してポリマ溶液を得
た。これを実施例1と同様に乾湿式法で製膜し、6μm
のフイルムを得た。延伸倍率は、MD方向が1.2倍、TD方
向が1.3倍、テンター温度は320℃である。また得られた
フイルムは、ヤング率380kg/mm2、強度30kg/mm2、伸度8
0%で、収縮応力、クロロホルム抽出物量は第1表のよ
うである。また、加水分解テスト後の伸度保持率は、96
%である。
これを実施例1と同様にアルミ箔の片面に積層し、更
に容器に成型してグラタンの調理を実施例1と同様に行
なったが、容器の変形や変色、グラタンの焦げつきもな
く、耐熱性、強度とも優れた容器であった。
実施例3 実施例1で得られたフィルムを、125μm厚みのアル
ミ箔の両面に貼合せ、さらにこれをプレス成型して容器
を作製した。この中にグラタンを入れ、一旦冷凍保存し
た。次にこれを電子レンジで解凍したが、マイクロウェ
ーブによるスパークはなかった。さらにこれをオーブン
トースターへ移して実施例1と同様に調整したが、容器
の変形や変色もなく耐熱性の非常に良好なものであっ
た。
比較例1 実施例2で得られたポリマ溶液を水中へ投入してポリ
マを再沈し、単離し、これをDMAcに再溶解した。この溶
液をエンドレスベルト上へ流延し、乾燥後、MD方向に1.
3倍延伸してテンターへ導入し、6μmのフイルムを得
た。テンター温度は330℃、TD方向の延伸倍率は1.5倍で
ある。このフイルムはクロロホルム抽出物量が第1表の
ように、本発明より多いものである。
このフイルムを用いて実施例2と同様に積層体と容器
をつくり、実施例2と同様に調理したところ、容器の変
形はなかったが、容器の底部でグラタンが焦げついてい
た。
比較例2 実施例1で得られたフィルムを、0.5mmの厚紙(クラ
フトパルプ)とウレタン系接着剤で貼合わせ、折曲げ成
型して容器を作製した。ここでフィルムは食器と接する
側(内側)になるように成型した。
これを実施例1と同様にグラタンを入れてオーブント
ースターで調理したところ、容器の変形はほとんどなか
ったが、グラタンの接していない容器の上側は紙が変色
(黄色から茶色)しており、紙の焦げた匂いがグラタン
に付いていた。
比較例3 市販のC−PETからなるトレーに、実施例1と同様に
グラタンを入れ、ガスオーブンで260℃、20分加熱して
調理を行なったところ、トレーが変形してしまい、グラ
タンがこぼれ出していた。この調理後のトレーは衝撃で
容易に欠ける程に機械特性が低下していた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 36/02 B32B 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロホルムに抽出される抽出物質が0.2w
    t%以下である芳香族ポリアミド層と金属箔からなるこ
    とを特徴とする耐熱容器。
  2. 【請求項2】芳香族ポリアミド層の厚みが1〜20μm
    で、引張り伸度が10%以上、かつ25〜350℃の温度範囲
    における収縮応力が2.0kg/mm2以下であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の耐熱容器。
JP1012694A 1989-01-20 1989-01-20 耐熱容器 Expired - Lifetime JP2832973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1012694A JP2832973B2 (ja) 1989-01-20 1989-01-20 耐熱容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1012694A JP2832973B2 (ja) 1989-01-20 1989-01-20 耐熱容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02193618A JPH02193618A (ja) 1990-07-31
JP2832973B2 true JP2832973B2 (ja) 1998-12-09

Family

ID=11812487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1012694A Expired - Lifetime JP2832973B2 (ja) 1989-01-20 1989-01-20 耐熱容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2832973B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2616711B2 (ja) * 1994-09-14 1997-06-04 東レ株式会社 磁気記録媒体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6399231A (ja) * 1986-06-11 1988-04-30 Nippon Steel Corp 可溶性耐熱コポリアミド
JPS63111829U (ja) * 1987-01-14 1988-07-18

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
食品包装法規研究会「食品包装と衛生規格」(1989−1−5)日報 p.16−17,21,276−281,351−353

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02193618A (ja) 1990-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3179634A (en) Aromatic polyimides and the process for preparing them
US6379784B1 (en) Aromatic polyimide laminate
US4463029A (en) Baking and cooking tray sheet and its manufacturing method
CN108047978B (zh) 绝缘包覆材料及其制造方法、绝缘缆线及其制造方法
CN101027340A (zh) 粘接性改善的新型聚酰亚胺薄膜
KR100975625B1 (ko) 폴리이미드 필름의 제조방법
KR102055630B1 (ko) 연성동박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성동박적층판
JPS63118329A (ja) イソイミド含有オリゴマ−
CN102027044A (zh) 聚酯酰亚胺前体及聚酯酰亚胺
JPH04261466A (ja) ポリイミドフィルム
JP2832973B2 (ja) 耐熱容器
JP4967465B2 (ja) ポリイミド樹脂、ポリイミドフィルム及びポリイミド積層体
RU2238285C2 (ru) Полиимидный сополимер и металлический ламинат, содержащий его
JP2564834B2 (ja) 耐熱容器
US6277495B1 (en) Polyimide film, a method for its manufacture and a polyimide film containing metal laminated plate
TW201035169A (en) Aromatic polyester amide copolymer, polymer film, prepreg, prepreg laminate, metal clad laminate and printed circuit board
US5608013A (en) Polyimides and thermosetting resin compositions containing the same
KR100573214B1 (ko) 신규한 폴리이미드 공중합체
JP5567283B2 (ja) ポリイミドフィルム
EP0358783A1 (en) Polyimide molecular weight enhancement by solvent extraction
JPH0528727B2 (ja)
WO2009094375A1 (en) Fumaric acid/polyol polyesters and their manufacture and use
JP2773382B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルムの熱処理方法
JPS60203638A (ja) ポリイミドフイルム
JPH0673209A (ja) 改良された接着力をもたらす金属塩コーティングを有するポリイミドフィルム