JP2564834B2 - 耐熱容器 - Google Patents

耐熱容器

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JP2564834B2
JP2564834B2 JP18082787A JP18082787A JP2564834B2 JP 2564834 B2 JP2564834 B2 JP 2564834B2 JP 18082787 A JP18082787 A JP 18082787A JP 18082787 A JP18082787 A JP 18082787A JP 2564834 B2 JP2564834 B2 JP 2564834B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子レンズやオーブン中で使用できる耐熱
容器に関するものである。
[従来の技術] 近年、電子レンジ、各種オーブンの普及に伴い、手軽
に加熱、調理できる食品の急速に広まりつつある。これ
らの食品は、衛生的で温かく、かつ迅速に、また大量に
提供できるように、容器に充填して保存され、必要に応
じて、解凍、再加熱、あるいは煮る、焼くといった調理
を施して、容器ごと提供される。例えば、機内食や“TV
ディナー”と称される冷凍調理食品などがある。
これらの食品容器としては、紙を基体としたものや、
結晶化PET(C−PETと呼ばれる)を使用したものなどが
ある。紙を基体とした場合、防水性、防湿性、耐油性、
耐薬品性などを付与するために、紙の上に合成樹脂を積
層したものが一般的である。合成樹脂としては、熱可塑
性樹脂、特にPETが多いが、他にPBT、アクリル系樹脂、
ポリマーボーネート、ポリメチルペンテン(三井石油化
学工業の商品名“TPX")なども開発されている。
これら樹脂は、加熱溶融して紙と積層され、更に打ち
抜きし、プレスすることにより、トレーなどの容器に成
形される。この紙を基体とした容器の利点としては、次
の点があげられる。
(1) アルミ箔を積層した場合には、マイクロ波を反
射するため、電子レンジで使用することが難しいが、合
成樹脂を使用するため電子レンジでも使用できる。ま
た、200℃程度の温度なら耐え得るため、温度調節が十
分できれば、オーブン中でも使用できる。
(2) プラスチック等の容器より均一加熱でき、短時
間が調理できる。
(3) 耐油性、耐水性が優れているため、食品の種類
を選ばない。
(4) 調理した後そのまま容器から食べられ、そして
使用後の廃棄や焼却が容易である。
(5) 軽量でかつコストが安い。
一方、結晶化PET(C−PET)を使用した耐熱容器が調
理済み冷凍食品市場で急速に使用され始めてきた。この
C−PETは、220〜230℃の加熱に耐えるため、上記の紙
を基耐にした容器より高温の調理が可能で、電子レンジ
と汎用のオーブンで使用できる(デュアルオーブナブ
ル)利点を有している。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、紙を基体とした容器の場合、紙の耐熱
性は、非常に優れているが、これと積層する合成樹脂は
熱可塑性で融点があったり、熱変形温度が低かったりす
るため、耐熱的には、限界があり、使用できる温度は、
高々200℃である。
また、C−PETからなる容器では、紙を使用したもの
より、耐熱性はやや良いが、やはり、樹脂自身が融点を
もっているため、使用できる温度には限界があり、220
〜230℃が限界である。更に耐熱性を付与するために、
結晶化度を上げなければならず、製造方法が難しいこ
と、結晶化度を上げているために容器が欠けやすいこと
使用樹脂量が多いため、容器のコストが高いなどの問題
があった。
本発明は上記のような問題点を解決し、電子レンジは
もちろんのこと、電気、ガスオーブン、更にはオーブン
トースターでも使用できる耐熱容器を提供することを目
的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、クロロホルムに抽出される抽出物質が0.2w
t%以下である芳香族ポリアミド層と基紙からなること
を特徴とする耐熱容器に関するものである。
本発明の芳香族ポリアミドは、基本構成単位HN−Ar
1−NHOC−Ar2−COを50モル%以上含む重合体からなる
もので、融点がないか、あってもポリマの分解温度より
高く、溶媒に溶解しないとフイルムあるいは層状に成形
できないものをいう。。ここでAr1、Ar2は下記の
(1)、(2)の構造のものである。
(1) Ar1: ここで、R、Xはハロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のア
ルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、Yは −CH2−、−O−、−SO2−。
p、m、nは0〜3、lは0又は1を表わす。
(2) Ar2: ここで、Sはハロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキ
ル基、C1〜C3のアルコキシ基、qは0〜4。
これらのうち、RやSにハロゲン(特に塩素)やアル
キル基(特にメチル基)などの置換基を有するポリマ、
あるいはXやYにアルキル基や−CH2−を有するポリマ
は置換基のないものより吸湿率が低く、食品中の水分を
吸収しにくいため、加熱時に発泡の問題がなく好まし
い。例えば、 などを50モル%以上含むポリマが挙げられる。この芳香
族ポリアミドは酸クロリドとジアミンの反応、あるいは
イソシアネートとカルボン酸との反応で得られる。
酸クロリドとジアミンの組合せを例にとると、単量体
としては、酸クロリド側は、テレフタル酸クロリド、イ
ソフタル酸クロリド、およびこれらの芳香核に、ハロゲ
ン、ニトロ、アルキル、アルコキシ基を有するもの、例
えば、2−クロルテレフタル酸クロリド、2−クロルイ
ソフタル酸クロリド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロ
リド、2−ニトロテレフタル酸クロリド、2−メチルイ
ソフタル酸クロリドなどがある。またジアミン側は、p
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4′−ジアミノフェニルケトン、3,3′ジアミノジフェニ
ルケトン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−
ジアミのジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′
−ジアミノジフェニルエーテル、ベンチジン、およびこ
れらの芳香核に上記の置換基を有するもの、例えば、2
−クロル−p−フェニレンジアミン、2−クロル−メタ
フェニレンジアミン、2−メチル−メタフェニレンジア
ミン、3,3′−ジメチルベンチジンなどがある。
またイソシアネートとカルボン酸の組合せを例にとる
と、イソシアネート側は、フェニレン−1,4−ジイソシ
アネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、ジフ
ェニルケトン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテ
ル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−
4,4′−ジイソシアネート、およびこれらの芳香核に上
記の置換基を有するもの、例えば、トルイレン−2,6−
ジイソシアネート、トルイレン−2,4−ジイソシアネー
トなどがある。またカルボン酸側は、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、およびこれらの芳香核に上記の置換基を有
するものなどがある。
本発明は上記の一般式で示される基本構成単位を50モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上含むことが必要であ
る。上記範囲より少ないと機械特性が低下し、また耐熱
性も低下して本発明の目的を達成することができない。
50モル%未満の共重合成分は特に限定するものではな
く、エステル結合、ウレタン結合、イミド結合、複素環
結合などを含有していてもよい。なお機械特性、耐熱性
の優れた芳香族ポリアミド層を得るにはポリマとして固
有粘度(ポリマ0.5gを臭化リチウム2.5wt%を含むN−
メチルピロリドンで100mの溶液として30℃で測定した
値)は0.5〜6.0が好ましい。
また本発明の芳香族ポリアミドには物性の損わない程
度に、滑剤、酸化防止剤、その他の添加剤等や、また他
の樹脂がブレンドされていてもよい。
本発明の芳香族ポリアミド層は、上記の樹脂を有機溶
媒中に溶解させて、その溶液を基紙の上に塗布し、有機
溶倍を除去して形成してもよいし、予め製膜した芳香族
ポリアミドフィルムを基紙と積層してもよい。フイルム
の積層の方法が限定されないが、熱圧着や接着剤による
積層などがある。
更に、芳香族ポリアミド層から、クロロホルムに抽出
される抽出物質は、0.2wt%以下でなければならない。
好ましくは0.1wt%以下である。0.2wt%より多いと、調
理中にこれらの物質が食品との間にしみ出し、焦げ付き
や、離型性を悪化させるなどの問題を引き起こす。
この芳香族ポリアミド層の厚みは、1〜30μmが好ま
しく、より好ましくは2〜15μmである。1μmより薄
いと、機械特性が低下し、容器に加工する際に破れた
り、また容器として使用する際には、ナイフやフォーク
などで穴があくことがある。30μmより厚い紙容器とし
ての効果が薄れ、また芳香族ポリアミドの樹脂量が増し
て経済的にも不利である。
また、芳香族ポリアミド層は、25〜300℃の温度範囲
における収縮応力がMD、TD方向とも2.0kg/mm2以下であ
ることが好ましく、より好ましくは1.0kg/mm2以下であ
る。2.0kg/mm2より大きいと、加熱して容器に成形する
場合や、調理時に樹脂層が収縮して容器が変形したり、
基紙から樹脂層が剥離したりすることがある。
また、本発明の芳香族ポリアミド層は、耐加水分解性
の良好なものが良く、加水分解試験後の伸度保持率が70
%以上、より好ましくは80%以上であることが望まし
い。70%より小さいと、調理中に高温にさらされて食品
中の水分で樹脂層が劣化し、破れや剥離が起きやすくな
る。
本発明に用いる基紙は、パルプを用いて抄造した単層
あるいは多層の紙である。耐熱性を向上させる上で、バ
ージンパルプから成るものが好ましく、漂白硫酸塩パル
プ(クラフトパルブ)がより好ましい。これらの紙は、
融点や熱変形温度がなく、耐熱的には非常に優れたもの
であり、300℃以上で徐々に炭化をすることはあって
も、調理中の短時間ならほとんど変色や変形の問題がな
い。本発明の耐熱容器は、形状の安定性や剛性を主とし
て基紙によって保つものであり、基紙の厚みは100〜200
0μmが好ましく、より好ましくは150〜1000μmであ
る。
本発明の好ましい態様は、芳香族ポリアミド層がフィ
ルムから成るものであり、このフイルムを接着剤で基板
と貼合わせたものである。フイルムを使用することによ
り、防水性、耐熱性、ガスバリア性、耐油性、更に機械
特性の非常に優れた容器が得られる。使用する接着剤
は、水系のものとしは、でん粉、にかわ、ポリビニルア
ルコールを主体とするもの、溶剤系のものとしては、エ
ポキシ、アクリル、ウレタン、ポリアミド、ゴム系等及
びこれらの混合物が挙げられるが、耐熱性や衛生上の点
からは、水系のものがより好ましい。
本発明の容器を電子レンジで使用する場合、マイクロ
波を妨げないように容器の底部などに金属性、例えばア
ルミニウムの箔、蒸着膜あるいは粉末のペースト層を設
けると、この層が発熱体として働き、層がない場合より
高温化が可能で調理時間の短縮や程よく焦げ目を付ける
等の効果が付与されるので好ましい。
次に本発明の耐熱容器の製造方法について説明する
が、これに限定されるものではない。
芳香族ポリアミド層は、予め製膜した芳香族ポリアミ
ドフイルムを基紙と積層して形成する方法が、本発明を
達成する上で好ましいが、このフイルムの製造方法とし
ては、公知の溶液製膜法が採用できる。
まず、芳香族ポリアミドは、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ヘキサメチ
ルホスホルアミド(HMPA)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトンなどの有
機溶媒中に、単量体を添加して行なう溶液重合法、ある
いは水系媒体を使用する界面重合法などによって重合さ
れる。また、特にジイソシアネートとジカルボン酸から
重合する方法もあり、この場合には触媒を添加すること
もある。
重合後のポリマ溶液をそのまま製膜用原液として使用
する場合は、単量体として、酸クロリドとジアミンを使
用するとハロゲン化水素が発生するのでこれを中和する
必要がある。中和剤としては、無機塩基を主体とするこ
とが一般であり、この場合には、塩化リチウム、塩化カ
ルシウムなどが製膜用原液に含有されるため湿式法ある
いは、乾湿式法で製膜することが好ましい。
湿式法では、製膜用原液を口金から着接凝固浴中に押
し出すか、一旦ドラムやベルト等の支持体上に流延し、
支持体ごと浴中に導入する方法が採用される。この凝固
浴は一般に水系媒体からなるが、水の他に有機溶媒や無
機塩等を混合しておく場合もある。凝固浴中では製膜用
原液中の有機溶媒や無機塩などの抽出が行なわれ、水を
含有するゲルフィルムが成形される。ゲルフィルムは次
にテンターなどにおいて乾燥され、熱処理が行なわれて
最終フィルムとなる。
乾湿式法では、製膜用原液を口金からドラム、エンド
レスベルト等の支持体上に流延し、熱風等によって加熱
して溶媒を蒸発させ、原液が自己保持性を持ったゲルフ
ィルムとなるまで乾燥を行ない、このゲルフィルムを支
持体から剥離する。この際、表面から急激に溶媒が蒸発
しないように調整する必要があり、一般には室温〜300
℃、60分間以内で乾燥条件は設定される。乾式工程を終
えたゲルフィルムは、水を主体とする浴中で湿式法と同
様に溶倍、塩の抽出が行なわれ、次いでテンター内で乾
燥、熱処理されて最終フィルムとなる。
ポリマの基本構成単位、あるいは単量体の種類によっ
ては、無機塩を含有しない製膜原液を調整することもで
き、この場合には乾式法で製膜することも可能である。
乾式法は乾湿式法における溶媒等の水抽出を省いた方法
であり、有機溶媒を加熱によって蒸発させフイルム化す
る方法である。
ただし、乾式法は、溶媒が高温にさらされて変質物が
発生しやすく、又オリゴマ等の低分子量物が除去されに
くい等の欠点もある。その点、湿式法、乾湿式法がより
好ましい。
以上の方法で成形されるフィルムは、製膜工程中で、
延伸および熱処理が施されるが、具体的には、延伸倍率
は面倍率で0.9〜15倍(面倍率とは延伸後のフィルム面
積を延伸前のフィルム面積で除した値であり、ここで1.
0未満の値は収縮を意味する)、熱処理は250℃〜400
℃、0.1秒〜30分間であり、これらの延伸、熱処理条件
をポリマの基本構成単位に応じて設定することにより良
好な芳香族ポリアミドフィルムが得られる。
以上のような方法で得られたフイルムは、接着剤を用
いて基紙と積層することができる。この際必要に応じて
フイルムにコロナ放電処理やグロー放電処理を行なって
もよい。
一方、フイルム化をしないで直接基紙上に芳香族ポリ
アミド層を設けることもできる。この場合には、ポリマ
溶液を基紙上へ流延し、上記のようなフイルムを製膜す
るプロセス、即ち湿式、乾湿式、乾式法のいずれの方法
でも製造できる。ただし、基紙の耐熱性は、一般的には
芳香族ポリアミド程良好でないため、工程中の熱履歴
は、軽減した方が良く、熱処理温度は100〜300℃、より
好ましくは150〜250℃である。また溶媒は、高沸点のも
のが多く、熱風等の加熱だけでは、層から蒸発しにくい
ため、湿式あるいは乾法式方で溶媒を抽出除去すること
が好ましい。またオリゴマ等の除去効率が高い点からも
湿式、乾湿式法がこのましい。
次に上記のようにして得られた積層紙は、容器に成形
されるが、成形方法としは、プレス成形や折曲げ成形等
の周知の方法が採用できる。この際、食品と接する面に
芳香族ポリアミド層がくるように成形して防水性、防油
性等をもたせることは言うまでもない。
更に必要に応じて、蓋の接着のために、接着面にヒー
トシール剤や接着剤を設けておくこともある。
[発明の効果] 本発明の耐熱容器は、融点がない紙と、芳香族ポリア
ミド層からなるため耐熱性は、非常に優れたものであ
る。アルミ箔と紙を積層した従来の耐熱容器は、マイク
ロ波を反射するため、電子レンジで使用できなかった
が、本発明の耐熱容器は、電子レンジはもちろん、電
気、ガスオーブン、更には温度制御がなく250℃以上の
高温になることもあるオーブントースターで使用も可能
である。たとえ高温のため紙が多少着色することがあっ
ても、従来の紙容器やC−PETトレーなどのように変形
することがない。更に芳香族ポリアミド層からの抽出物
が少ないため、食品に焦げつきが少なく味覚を損うこと
がなく、離型性も良好で、また芳香族ポリアミドの耐加
水分解性が良好なため、調理中に層の強度低下がなく、
容器の強度は十分保持できる。更に耐水性、耐油性、ガ
スバリア性も良好で充填する食品の種類を選ばない。
一方、紙を基体としているため、容器の加工性、成形
性は良好で、容器のコストも非常に安価になり、使用後
の廃棄、焼却も容易である。更に衝撃が加わってもC−
PETのように欠ける問題がなく、破片が食品に異物が混
入しないなど衛生的にも非常に優れたものである。
[特性の測定方法] (1) 収縮応力 試幅10mm、試長100mmになるようにサンプルを切出
し、0.25kg/mm2の初期荷重をかけ、定長に保つ。これを
加熱炉で10℃/分の昇温速度で25℃から300℃まで昇温
して応力をチャートに書かせる。初期荷重をかける前を
零点として収縮応力を求める。
(2) クロロホルム抽出物量 細断したサンプルをソックスレー抽出器に仕込み、こ
の中へ精製したクロロホルムを入れて10時間、加熱抽出
を行なう。つぎにこの液をロータリーエバポレータに移
し、45〜50℃に保つよう減圧度を調節しながら恒量にな
るまで濃縮し、残留物の重量を測定して求める。
(3) 加水分解性 オートクレーブの下部に少量の水を入れ、この上にサ
ンプルを入れて密閉する。これを155℃で1日加熱後サ
ンプルを取り出してサンプルの伸度を測定し、試験前の
伸度で除して伸度保持率を求める。
[実施例] 以下に実施例に基づいて本発明を説明する。ただし本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 蒸溜、脱水したN−メチルピロリドンに0.9モル比に
相当する2−クロル−p−フェニレンジアミンと、0.1
モル比に相当する4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
を撹拌溶解させ、10℃に冷却してこの中へ0.2モル比に
相当するテレフタル酸クロリド、および0.8モル比に相
当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時
間撹拌した。その後、十分精製した水酸化リチウムを発
生塩化水素当り96モル%添加し、さらに7モル%相当量
のアンモニア水を加えて中和を完結し、30℃でポリマ濃
度10wt%、3000ポイズの透明な芳香族ポリアミド溶液を
得た。このポリマの固有粘度は2.8であった。
この溶液を表面研磨した金属ドラム上へ30℃で均一に
流延し、120℃の雰囲気で10分乾燥した。このフィルム
をドラムから剥離し、30℃の水槽中に連続的に15分間浸
漬しながらMD方向に1.2倍延伸した。さらにフィルムを
テンターへ導入し320℃で5分間乾燥し、TD方向に1.2倍
延伸して厚さ6μの透明なMD、TD方向の物性のバランス
したフィルムを得た。
このフィルムは、ヤング率が1000kg/mm2、強度50kg/m
m2、伸度55%で、収縮応力、クロロホルム抽出物量は、
第1表の通りである。また、加水分解テスト後の伸度保
持率は、98%である。
このフイルムの片面をコロナ放電処理し、この面にウ
レタン系接着剤を固形分で10μmになるように塗布し、
80℃で5分乾燥した。
次に0.5mm厚みの厚紙(クラフトパルプ)の片面に60
℃で積層し、更に120℃でキュアして積層紙得た。念の
ため、この積層紙から紙と接着剤を除去してフイルムの
収縮応力、クロロホルム抽出物量を再測定したが、製膜
したフイルムと変らなかった。
この積層紙をフイルムが内側になるように矩形に折曲
げ成形し、この中に調理済みのグラタンを入れて、ガス
オーブンで260℃、20分加熱調理を行なった。調理後の
グラタンの表面は、程よく焦げ目がついていた。一方、
容器は高温にさらされたにも拘らず、変形することなく
元の形態を保持しており、容器の底の焦げつきもなかっ
た。更に、フォークで容器の底を押えても穴があくこと
はなく、耐熱性、強度とも非常に優れた容器であった。
実施例2 メタフエニレンジアミンをアミン成分とし、イイソフ
タル酸クロリドを酸成分としてNMP中で重合し、更に水
酸化カルシウムで中和してポリマ溶液を得た。これを実
施例1と同様に乾湿式法で製膜し、10μmのフイルムを
得た。延伸倍率は、MD方向が2.0倍、TD方向が2.0倍、テ
ンター温度は300℃である。このフイルムはヤング率450
kg/mm2、強度25kg/mm2、伸度85%フイルムの収縮応力、
クロロホルム抽出物量は第1表のようである。また、加
水分解テスト後の伸度保持率は、95%と良好なものであ
る。
このフイルムを実施例1と同様に厚紙の片面に積層
し、更に容器に加工してグラタンの調理を行なったが、
容器の変形やグラタンの焦げつきもなく、またフォーク
による穴あきもなく、耐熱性、強度ともに優れた容器で
あった。
実施例3 ジアミノジフエニルメタンをアミン成分とし、2−ク
ロルテレフタル酸クロリドを酸成分としてNMP中で重合
し、更に水酸化カルシウムで中和してポリマ溶液を得
た。これを実施例1と同様に乾湿式法で製膜し、8μm
のフイルムを得た。延伸倍率は、MD方向が1.3倍、TD方
向が1.5倍、テンター温度は330℃である。また得られた
フイルムは、ヤング率380kg/mm2、強度30kg/mm2、伸度7
5%で、収縮応力、クロロホルム抽出物量は第1表のと
おりである。また加水分解テスト後の伸度保持率は、97
%である。
これを実施例1と同様に厚紙の片面に積層し、更にフ
イルムが内面になるようにプレスで絞り成形して円形の
容器を得た。これに調理済みの冷凍してあったピザを入
れ、オーブントースターで5分間調理した。オーブント
ースター内の温度は、270℃に達していた。しかし容器
の変形や、ピザの底の焦げつきもなく、またナイフでピ
ザを切ってもフイルムが破れたりすることはなかった。
実施例4 実施例1で得られたフイルムを、0.5mmの厚紙に両面
貼合せて積層紙を得た。これを折り曲げ成形し、この中
に調理済みのグラタンを入れ、280℃で加熱を行なった
ところ、10分で表面に程よい焦げ目がつき、実施例1の
半分の時間で調理ができた。容器は変形や変色もなく、
耐熱性や強度は非常に良好なものであった。
実施例5 実施例1で得られたポリマ溶液を、NMPで希釈して30
℃で100ポイズのワニスとした。これを0.5mm厚みの厚紙
の片面に芳香族ポリアミド層が14μmになるように塗布
し、120℃で20分乾燥した。続いて30℃の水中に20分間
浸漬後、定長に保って220℃で5分乾燥して積層紙を得
た。この積層紙から紙を除去して芳香族ポリアミド層の
特性を測定したところ、ヤング率820kg/mm2、強度35kg/
mm2、伸度83%であり、実施例1よりやや劣るものの十
分な機械特性を有していた。また収縮応力、クロロホル
ム抽出物量は第1表のように非常に小さいものであっ
た。
この積層紙を使って、実施例1と同様に容器を作り、
グラタンを調理したが、容器の変形や焦げつきもなく、
またフォークで穴があくこともなかった。
比較例1 実施例3で得られたポリマ溶液を水中へ投入してポリ
マを再沈、単離し、これをDMAcに再溶解した。この溶液
を金属ドラム上へ流延し、乾燥後、MD方向に1.3倍延伸
してテンターへ導入し、8μmのフイルムを得た。テン
ター温度は330℃、TD方向の延伸倍率は1.5倍である。こ
のフイルムはクロロホルム抽出物量が第1表のように、
本発明より多いものである。
このフイルムを用いて実施例3と同様の方法で積層紙
をつくり、更に容器に成形してピザをオーブントースタ
ーで調理したところ、容器の変形はなかったが、ピザと
容器の接する部分が真黒に焦げつきをおこしており、離
型性が悪いものであった。
比較例2 ジアミノジフエニルエーテルと無水ピロメリット酸を
DMAc中で重合してポリアミド酸のポリマ溶液を得た。こ
れを金属ドラム上へ流延し、乾燥後、定長に保ってテン
ターに導入して、20μmの芳香族ポリイミドフイルムを
得た。テンター温度は350℃であった。このフイルムは
第1表のように収縮応力は小さく耐熱性は非常に良好で
あるが、クロロホルム抽出物量は多いものであった。
このフイルムを用いて実施例1と同様に積層紙をつく
り、容器に成形してグラタンを調理したところ、フイル
ムに接する部分が黒く焦げついていた。
比較例3 市販のC−PETからなるトレーに、実施例1と同様に
グラタンを入れ、ガスオーブンで260℃、20分加熱して
調理を行なったところ、トレーが変形してしまい、グラ
タンがこぼれ出していた。この調理後のトレーは衝撃で
容易に欠ける程に機械特性が低下していた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロホルムに抽出される抽出物質が0.2w
    t%以下である芳香族ポリアミド層と基紙からなること
    を特徴とする耐熱容器。
  2. 【請求項2】芳香族ポリアミド層の厚みが1〜30μm
    で、かつ25〜300℃の温度範囲における収縮応力が2.0kg
    /mm2以下であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の耐熱容器。
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