JP2718036B2 - フリツプフロツプ - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は集積回路のフリップフロップに関し,特に複
数の入力信号の中から任意の信号を選択してラッチする
セレクタ付きマスター・スレイブ型フリップフロップに
関する。 〔従来の技術〕 従来,この種のマスター・スレイブ型フリップ・フロ
ップにおいては,マスターラッチからスレイブラッチへ
の伝達信号にフリップフロップの入出力信号と同じ論理
振幅を持つ信号が用いられていた。 第2図は従来のフリップフロップの一例を示す図であ
る。第2図において,互いのエミッタが結合されたNPN
形トランジスタ101と102,NPN形トランジスタ103と104,
及びNPN形トランジスタ105と106によりマスター側のラ
ッチが構成され,互いのエミッタが結合されたNPN形ト
ランジスタ107と108,NPN形トランジスタ109と110,及びN
PN形トランジスタ111と112によりスレイブ側のラッチが
構成され,互いのエミッタが結合されたNPN形トランジ
スタ113と114と115,及びNPN形トランジスタ116と117と1
18によりセレクタが構成されている。 トランジスタ101と102は互いのエミッタが結合されて
第1のエミッタ結合部120を形成し,トランジスタ103と
104は互いのエミッタが結合されて第2のエミッタ結合
部121を形成している。第1のエミッタ結合部120にはト
ランジスタ105のコレクタが接続され,第2のエミッタ
結合部121にはトランジスタ106のコレクタが接続されて
いる。トランジスタ105とトランジスタ106は互いのエミ
ッタが結合されて第3のエミッタ結合部122を形成して
いる。 トランジスタ101のコレクタとトランジスタ103のコレ
クタとトランジスタ104のベースは互いに結合されて第
1のコレクタ結合部130を形成し,トランジスタ102のコ
レクタとトランジスタ104のコレクタとトランジスタ103
のベースは互いに結合されて第2のコレクタ結合部131
を形成している。 第1のコレクタ結合部130には抵抗140の一方の端子が
接続されており,抵抗140の他方の端子は第1の電源電
位170に接続されている。第2のコレクタ結合部131には
抵抗141の一方の端子が接続されており,抵抗141の他方
の端子は第1の電源電位170に接続されている。 第3のエミッタ結合部122には定電流源160の一方の端
子が接続され,定電流源160の他方の端子は,第1の電
源電位170よりも電位の低い第2の電源電位171に接続さ
れ,第3のエミッタ結合部122から第2の電源電位171へ
向って一定値I1の電流を流している。 以上のように接続されたトランジスタ101,102,103,10
4,105,106,抵抗140,141,及び定電流源160とによりマス
ターラッチ回路195が構成されている。 このマスターラッチ回路は,第1の電源電位170から
第2の電源電位171までの間に,第1のエミッタ結合部1
20と第3のエミッタ結合部122あるいは第2のエミッタ
結合部121と第3のエミッタ結合部122というような2段
階のエミッタ結合部を持つ構成になっていることから,
縦型2段のエミッタ・カップルド・ロジック(Emitter
Coupled Logic:以後ECLと略す)回路と称される。 マスターラッチ回路195では,トランジスタ101のベー
スに入力データDSが供給され,トランジスタ102のベー
スに接続された第1のリファレンス電位172に入力デー
タDSの論理振幅の中間に相当する直流電位VR1が供給
され,トランジスタ105のベースに接続されたクロック
端子190にクロック信号Xが供給され,トランジスタ106
のベースに接続された第2のリファレンス電位173にク
ロック信号Xの論理振幅の中間に相当する直流電位VR2
が供給されている。次に,マスターラッチ回路195の動
作について説明する。 いま,クロック端子190に供給されているクロック信
号Xが第2のリファレンス電位VR2に比較してハイレベ
ルにある時,トランジスタ105がオン状態,トランジス
タ106がオフ状態になり,電流I1はトランジスタ105を
通って定電流源160へと流れている。 この時,トランジスタ101のベースに供給された入力
データDSがトランジスタ102のベースに供給されている
第1のリファレンス電位VR1に比較してハイレベルにあ
るとすると,トランジスタ101がオン,トランジスタ102
がオフとなり,電流I1はトランジスタ101を通ってトラ
ンジスタ105のコレクタへと流れる。すなわち,電流I1
は第1の電源電位170から,抵抗140,トランジスタ101,
トランジスタ105,及び定電流源160を順に通って第2の
電源電位171へと流れ込む。このため,上記の電流パス
上にある第1のコレクタ結合部130はローレベルとな
り,電流パス上にない第2のコレクタ結合部131はハイ
レベルとなる。 ここで,トランジスタ104のベースは第1のコレクタ
結合部130に接続されているため,ローレベル状態にあ
り,トランジスタ103のベースは,第2のコレクタ結合
部131に接続されているため,ハイレベル状態にある。 クロック信号Xがハイレベルからローレベルに立下が
ると,第2のリファレンス電位VR2に接続されているト
ランジスタ106のベース電位の方がトランジスタ105のベ
ース電位より高くなるため,トランジスタ105はオフ,
トランジスタ106はオンへと変り,トランジスタ105を流
れていた電流I1はトランジスタ106を流れるように切替
る。 この時,トランジスタ103のベースはハイレベル,ト
ランジスタ104のベースはローレベルの状態にあったた
め,トランジスタ103がオン,トランジスタ104がオフと
なり,電流I1はトランジスタ103を流れる。すなわち,
電流I1は第1の電源電位170から抵抗140,トランジスタ
103,トランジスタ106,及び定電流源160を順に通って第
2の電源電位171へと流れ込む。従って,第1のコレク
タ結合部130にはローレベルが,第2のコレクタ結合部1
31にはハイレベルがラッチされる。 トランジスタ101のベースに供給された入力データDS
がトランジスタ102のベースに供給されている第1のリ
ファレンス電位VR1に比較してローレベルにあった時
は,クロック信号Xがハイレベルの時,電流I1は第1
の電源電位170から抵抗141トランジスタ102,トランジス
タ105,及び定電流源160を順に通って流れており,電流
パス上にある第2のコレクタ結合部131はローレベル,
電流パス上にない第1のコレクタ結合部130はハイレベ
ルになっている。この時,第1のコレクタ結合部130に
接続されたトランジスタ104のベースはハイレベル,第
2のコレクタ結合部131に接続されたトランジスタ103の
ベースはローレベルの状態になっており,クロック信号
Xがハイレベルからローレベルに立下がると電流I1は
第1の電源電位170から抵抗141,トランジスタ104,トラ
ンジスタ106,及び定電流源160を順に通って流れるた
め,第1のコレクタ結合部130にはハイレベルが第2の
コレクタ結合部131にはローレベルがラッチされる。 このようにマスターラッチ回路195では,クロック信
号Xがハイレベルからローレベルに立下がると,第1の
コレクタ結合部130には入力データDSの負論理レベル
を,第2のコレクタ共通部131には入力データDSの正論
理レベルをラッチされる。 スレイブラッチ回路196はマスターラッチ回路と同一
の回路構成を有する縦型2段のECL回路である。すなわ
ち,スレイブラッチ回路196のトランジスタ107,108,10
9,110,111,112,抵抗142,143,及び定電流源161はそれぞ
れマスターラッチ回路195のトランジスタ101,102,103,1
04,105,106,抵抗140,141,及び定電流源160に相当し,第
4,第5,第6のエミッタ結合部123,124,125,及び第3,第4
のコレクタ結合部132,133はそれぞれマスターラッチ回
路195の第1,第2,第3のエミッタ結合部120,121,122,及
び第1,第2のコレクタ結合部130,131に相当する。ま
た,スレイブラッチ回路196の出力部には,トランジス
タ119,抵抗145によるエミッタフォロワが接続され,エ
ミッタフォロワ出力をフリップフロップの出力信号D
OUTとしている。 スレイブラッチ回路196もマスターラッチ回路195と同
様のラッチ動作を行ない,第3のコレクタ結合部132に
マスターラッチ回路195の出力である入力データDMの負
論理レベルを,第4のコレクタ結合部133に入力データ
DMの正論理レベルをラッチする。ただし,マスターラ
ッチ回路195では,トランジスタ105のベースにクロック
信号Xを入力し,トランジスタ106のベースに第2のリ
ファレンス電位VR2を入力したのに対し,スレイブラッ
チ回路196では,トランジスタ105に相当するトランジス
タ111のベースに第2のリファレンス電位VR2を入力
し,トランジスタ106に相当するトランジスタ112のベー
スにクロック信号Xを入力しており,クロック信号Xと
第2のリファレンス電位VR2の接続関係が逆になってい
る。このため,マスターラッチ回路195ではクロック信
号Xがハイレベルからローレベルへ立下がる時,データ
をラッチしたのに対し,スレイブラッチ回路196ではク
ロック信号Xがローレベルからハイレベルへ立上がる時
にデータをラッチする。 セレクタ回路197は互いにエミッタが結合されたトラ
ンジスタ113,114,115及び定電流源162から成る第1のゲ
ート回路と,互いにエミッタが結合されたトランジスタ
116,117,118及び定電流源163から成る第2のゲート回路
とから構成されている。 トランジスタ113,114,115は互いにエミッタが結合さ
れ,エミッタ結合部126を形成しており,トランジスタ1
13,114のコレクタは結合されて第1の電源電位170に接
続され,トランジスタ115のコレクタは抵抗144を介して
第1の電源電位170に接続されている。エミッタ結合部1
26には定電流源162の一方の端子が接続され,定電流源1
62の他方の端子は第2の電源電位171に接続されてお
り,エミッタ結合部126から第2の電源電位171へ向って
一定値I1の電流を流している。 この回路は,第1の電源電位170から第2の電源電位1
71までの間にエミッタ結合部126を1段持っていること
から,マスターラッチ回路195やスレイブラッチ回路196
の縦型2段ECL回路に対比して,1段型のECL回路と称され
る。 第2のゲート回路は第1のゲート回路と同一の回路構
成を有する1段型ECL回路である。すなわち,第2のゲ
ート回路のトランジスタ116,117,118及び定電流源163は
それぞれ第1のゲート回路のトランジスタ113,114,115,
及び定電流源162に相当し,エミッタ結合部127は第1の
ゲート回路のエミッタ結合部126に相当する。第2のゲ
ート回路のトランジスタ118のコレクタは,第1のゲー
ト回路のトランジスタ115のコレクタと結合しており,
第1のゲート回路と第2のゲート回路とで抵抗144を共
有している。 セレクタ回路197の動作について説明する。 第1のゲート回路のトランジスタ113のベースに第1
の入力データD1が供給され,トランジスタ114のベース
に第1の入力データD1を選択するためのセレクト信号
S1が供給されている。第2のゲート回路のトランジス
タ116のベースに第2の入力データD2が供給され,トラ
ンジスタ117のベースに第2の入力データD2を選択する
ためのセレクト信号S2が供給されている。また,トラ
ンジスタ115と118のベースには,第1の入力データ
D1,第2の入力データD2及びセレクト信号S1,S2の論
理振幅の中間に相当する直流電位VR2が供給されてい
る。 今,第2のリファレンス電位VR2に比べてセレクト信
号S1がローレベル,セレクト信号S2がハイレベルの場
合を考える。 この時,第2のゲート回路においては,トランジスタ
117のベース電位の方が第2のリファレンス電位VR2が
供給されたトランジスタ118のベース電位より高いた
め,トランジスタ117がオン,トランジスタ118がオフと
なる。このため,トランジスタ116のベースに供給され
ている入力データD2がハイレベルであるかローレベル
であるかに関係なく,電流I1は第1の電源電位170から
トランジスタ117のある枝を通って定電流源163へと流
れ,トランジスタ118はオフ状態になる。 また,この時,第1のゲート回路では,トランジスタ
114のベース電位は第2のリファレンス電位VR2が供給
されたトランジスタ115のベース電位より低いため,ト
ランジスタ114がオフ状態となり,電流I1はトランジス
タ113もしくはトランジスタ115を通って定電流源162へ
と流れるが,どちらを流れるかはトランジスタ113のベ
ースに供給された第1の入力データD1により決定され
る。すなわち,第1の入力データD1が第2のリファレ
ンス電位VR2よりもローレベルならば,トランジスタ11
3はオフ,トランジスタ115がオンとなり,電流I1はト
ランジスタ115を流れ,もし第1の入力データD1が第2
のリファレンス電位VR2よりもハイレベルならば,トラ
ンジスタ113がオン,トランジスタ115がオフとなり,電
流I1はトランジスタ113を流れる。 第1の入力データD1がローレベルで電流I1がトラン
ジスタ115を流れると,トランジスタ115とトランジスタ
118のコレクタ結合部134はローレベルとなる。また,第
1の入力データD1がハイレベルで電流I1がトランジス
タ113を流れると,第1のゲート回路のトランジスタ115
にも第2のゲート回路のトランジスタ118にも電流が流
れないため,コレクタ結合部134はハイレベルとなる。 以上のように,セレクト信号S1がローレベル,セレ
クト信号S2がハイレベルの時は,コレクタ結合部134に
第1の入力データD1が論理値が選択されて現れ,これ
がセレクタ回路197の出力DSとなる。 セレクト信号S1がハイレベル,セレクト信号S2がロ
ーレベルの時は,セレクト信号S1がローレベル,セレ
クト信号S2がハイレベルの時における第1のゲート回
路の動作と第2のゲート回路の動作が入れ替りになるた
め,コレクタ結合部134には第2の入力データD2の論理
値が選択されて現れ,これがセレクタ回路197の出力DS
となる。 第2図に例示したフリップフロップは,上述したよう
なマスターラッチ回路195,スレイブラッチ回路196,及び
セレクタ回路197より構成されており,セレクタ回路197
においてセレクト信号S1,S2により選択された入力デー
タD1もしくはD2の一方が,コレクタ結合部134に現
れ,これがマスターラッチ回路195とスレイブラッチ回
路196から成るマスター・スレイブ型フリップフロップ
にてラッチされる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述した従来のフリップフロップでは,マスターラッ
チ回路195からスレイブラッチ回路196への伝達信号,及
びセレクタ回路197からマスターラッチ回路195への伝達
信号にフリップフロップへの入出力信号と同じ論理振幅
を持つ信号を用いていた。すなわち,抵抗141の抵抗値
をRとすると,セレクタ回路197及びマスターラッチ回
路195の出力信号DS,DMの論理振幅Vlは,定電流源の電
流値I1からVlI1Rとなるが,この論理振幅Vlの値
がフリップフロップの入力信号D1,D2,S1,S2,Xや出力信
号Dout等と同じ値になるように作られていた。このた
め,マスターラッチ回路の出力がハイレベルの時に,ス
レイブラッチ回路の入力トランジスタ107のベース電位
はコレクタ電位より高くなり,トランジスタ107が飽和
するために,スレイブラッチ回路の信号伝播遅延時間が
大きく,フリップフロップとしての高速動作に支障をき
たすという欠点がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によるフリップフロップは, 少なくとも第1及び第2のトランジスタを含み,該第
1及び第2のトランジスタのエミッタが互いに結合され
た第1のエミッタ結合部と,第3及び第4のトランジス
タを含み,該第3及び第4のトランジスタのエミッタが
互いに結合された第2のエミッタ結合部と,前記第1の
エミッタ結合部にコレクタが接続された第5のトランジ
スタと前記第2のエミッタ結合部にコレクタが接続され
た第6のトランジスタとを含み,前記第5及び第6のト
ランジスタのエミッタが互いに結合された第3のエミッ
タ結合部の3つのエミッタ結合部を有し,前記第1のト
ランジスタのコレクタと前記第3のトランジスタのコレ
クタと前記第4のトランジスタのベースが互いに接続さ
れた第1のコレクタ結合部と,前記第2のトランジスタ
のコレクタと前記第4のトランジスタのコレクタと前記
第3のトランジスタのベースが互いに接続された第2の
コレクタ結合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第
1及び第2のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され
た第1及び第2の抵抗を含み,該第1及び第2の抵抗の
他端が互いに接続された第1の共通コレクタ抵抗部を有
し,該第1の共通コレクタ抵抗部に一端が接続された第
3の抵抗を有し,前記第3のエミッタ結合部に一端が接
続された第1の定電流源を有し,前記第3の抵抗の他端
に接続された第1の電源電位から前記第1の定電流源の
他端に接続された第2の電源電位に向かって一定の電流
を流して差動動作させる第1のラッチ回路と, 第7及び第8のトランジスタを含み,該第7及び第8
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第4のエ
ミッタ結合部と,第9及び第10のトランジスタを含み,
該第9及び第10のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第5のエミッタ結合部と,前記第4のエミッタ結
合部にコレクタが接続された第11のトランジスタと前記
第5のエミッタ結合部にコレクタが接続された第12のト
ランジスタとを含み,前記第11及び第12のトランジスタ
のエミッタが互いに結合された第6のエミッタ結合部の
3つのエミッタ結合部を有し,前記第7のトランジスタ
のコレクタと前記第9のトランジスタのコレクタと前記
第10のトランジスタのベースが互いに接続された第3の
コレクタ結合部と,前記第8のトランジスタのコレクタ
と前記第10のトランジスタのコレクタと前記第9のトラ
ンジスタのベースが互いに接続された第4のコレクタ結
合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第3及び第4
のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され,他端が共
通に前記第1の電源電位に接続された第4及び第5の抵
抗を有し,前記第6のエミッタ結合部に一端が接続さ
れ,他端が前記第2の電源電位に接続された第2の定電
流源を有し,前記第1のラッチ回路の正論理出力と負論
理出力の両方をバランス入力とする第2のラッチ回路
と, 第13乃至第15のトランジスタを含み、該第13乃至第15
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第7のエ
ミッタ結合部と、第16乃至第18のトランジスタを含み、
該第16乃至第18のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第8のエミッタ結合部とを有し、前記第13及び第
14のトランジスタと前記第16及び第17のトランジスタの
コレクタ同士が結合された第5のコレクタ結合部と,前
記第15のトランジスタ及び前記第18のトランジスタのコ
レクタ同士が結合された第6のコレクタ結合部とを有
し,前記第5及び第6のコレクタ結合部にそれぞれ一端
が接続された第6及び第7の抵抗を含み,該第6及び第
7の抵抗の他端が互いに接続された第2の共通コレクタ
抵抗部を有し,該第2の共通コレクタ抵抗部に一端が接
続された第8の抵抗を有し,前記第7及び第8のエミッ
タ結合部にそれぞれ一端が接続された第3及び第4の定
電流源を有し,前記第13乃至第15のトランジスタと前記
第3の定電流源とによって第1のゲート回路が構成さ
れ、前記第16乃至第18のトランジスタと前記第4の定電
流源とによって第2のゲート回路が構成され、前記第8
の抵抗の他端に接続された前記第1の電源電位から前記
3及び第4の定電流源の他端に接続された前記第2の電
源電位に向かって一定の電流を流して差動動作させ、前
記第1及び第2のゲート回路の入力のうちいずれか一方
を選択して,その正論理信号と負論理信号の両方を前記
第1のラッチ回路にバランス入力するセレクタ回路とか
ら構成され, 前記セレクタ回路から前記第1のラッチ回路への伝播
信号と前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路
への伝播信号を回路外部との入出力信号の論理振幅より
小さい論理振幅で,かつ低い直流レベルにシフトさせた
信号にして動作させることを特徴とする。 〔実施例〕 次に本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。 第1図は本発明の一実施例によるフリップフロップの
構成を示す回路図である。 第1図の回路は,第2図に示した従来技術によるフリ
ップフロップにおいて,マスターラッチ回路195の抵抗1
40と抵抗141の第1の電源電位170に接続されていた側の
端子を直接第1の電源電位170に接続しないで,これら
の端子同士を結合して第1の共通コレクタ抵抗部50を形
成し,これに第3の抵抗42を接続した上で第1の電源電
位70に接続し,かつ第1のリファレンス電位VR1にベー
スが接続されたトランジスタ102を負の論理入力▲
▼がベースに供給されたトランジスタ2に変更したマス
ターラッチ回路95とする。 セレクタ回路197は,2グループのエミッタ同士を結合
した複数のトランジスタ13,14,15,16,17,18を含み,そ
れらのトランジスタのうちトランジスタ13,14,16,17の
コレクタ同士を結合した第5のコレクタ結合部35と,残
りのトランジスタ15,18のコレクタ同士を結合した第6
のコレクタ結合部34を有し,第5のコレクタ結合部35に
第6の抵抗47の一方の端子が接続され,第6のコレクタ
結合部34に第7の抵抗45の一方の端子が接続され,第6,
第7の抵抗47,45の他方の端子同士を結合した第2の共
通コレクタ抵抗部51に第8の抵抗48の一方の端子が接続
され,各エミッタ接合部26,27に定電流源62,63の一端が
各々接続され,第8の抵抗48の他方の端子が第1の電源
電位70に接続されている。ここで,第7の抵抗45の抵抗
値は第6の抵抗48のそれぞれの半分となっている。 さらに,スレイブラッチ回路196の第1のリファレン
ス電位VR1にベースが接続されたトランジスタ108を負
の入力データ▲▼がベースに供給されたトランジス
タ8に変更したスレイブラッチ回路96とする。セレクタ
回路97の正の論理出力である34はマスターラッチ回路95
の入力データDSとして供給され,負の論理出力35は負
の入力データ▲▼として供給され,マスターラッチ
回路95の正の論理出力である31はスレイブラッチ回路96
の入力データDMとして供給され,負の論理出力である3
0は負の入力データ▲▼として供給される。 フリップフロップの動作は,マスターラッチ回路95及
びスレイブラッチ回路96については,従来技術における
マスターラッチ回路195及びスレイブラッチ回路196のそ
れぞれ対応する部分と,第1のリファレンス電位VR1を
負の入力データ▲,▼とおきかえれば良いので
説明を省略する。 次に,セレクタ回路97について説明する。 トランジスタ13のベースに第1の入力データD1が供
給され,トランジスタ14のベースに第1の入力データD
1を選択するセレクト信号S1が供給される。トランジス
タ16のベースに第2の入力データD2が供給され,トラ
ンジスタ17のベースに第2の入力データD2を選択する
ためのセレクト信号S2が供給される。また,トランジ
スタ15と18のベースには,D1,D2,S1,S2の論理振幅の中間
に相当する第2のリファレンス電位VR2が供給される。 次に,セレクト信号S1がハイレベル,セレクト信号
S2がローレベルの時を考える。この時,第1の入力デ
ータD1のレベルに拘らず,定電流源62に流れる電流I1
はトランジスタ14を通して第6の抵抗47に流れる。従っ
て,トランジスタ15には電流が流れず,第7の抵抗45に
は電流が流れない。さらに,第2の入力データD2がハ
イレベルの時は,トランジスタ16を通して定電流源63に
電流が流れ,第6の抵抗47にさらにI1の電流が流れ
る。この時,トランジスタ18には電流が流れず,第7の
抵抗45にも流れない。従って,コレクタ接合部35は,第
6の抵抗47,第8の抵抗48に2倍のI1の電流を流した電
位降下分のローレベルとなり,コレクタ接合部34は,第
8の抵抗48に2倍のI1の電流を流した電位降下分のハ
イレベルとなる。 次に,第2の入力データD2がローレベルになった時
を考えると,トランジスタ16,17のベースはともにロー
レベルとなり,トランジスタ18を通して定電流電源63に
電流I1が流れ,第7の抵抗45に電流I1が流れる。この
場合,第6,第7の抵抗47,45の両方に同じ電流値I1が流
れるが,第6の抵抗47は第7の抵抗45の半分の抵抗値を
持つから,コレクタ結合部35は,第8の抵抗48に2倍の
I1の電流を流した電位降下値と第6の抵抗47に電流値
I1を流した電位降下値の和であるハイレベル,コレク
タ結合部34は,第8の抵抗48に2倍のI1の電流を流し
た時の電位降下値と第7の抵抗45に電流I1を流したロ
ーレベルとなる。 セレクタ信号S1がローレベル,セレクト信号S2がハ
イレベルの時の動作も,前述した動作説明と同様なの
で,その説明を省略する。 以上のようにセレクタ回路97は,排他的な論理レベル
が入力されるセレクト信号S1,S2のローレベルとなった
方の入力データD1またはD2が選択され,入力データが
ハイレベルの時はコレクタ結合部34がハイレベル,コレ
クタ結合部35がローレベル,または入力データがローレ
ベルの時はコレクタ結合部34がローレベル,コレクタ結
合部35がハイレベルとなる。従って,コレクタ結合部34
には入力データと同じ正の論理出力,コレクタ結合部35
には入力データの反転信号である負の論理出力が出力さ
れる。 本発明のフリップフロップにおいては,マスターラッ
チ回路95の出力信号DMの論理振幅VlMは,セレクタ回
路97の出力信号DSやスレイブラッチ回路96の出力信号
DLの論理振幅VlSの1/2の大きさになるように設定され
る。これは,各定電流源60,61,62,63の電流値I1とし,
抵抗43,44の抵抗値をRSとすると,論理振幅VlSは VlSI1・RS で示され,また,マスターラッチ回路95では抵抗40,41
の抵抗値をRMとすると,その出力信号DMの論理振幅V
lMは VlMI1・RM で示されることから, なる関係を満すように抵抗値RM,RSを設定すれば良い。 また,マスターラッチ回路95では,抵抗42を抵抗40,4
1と第1の電源電位70との間に接続されている。抵抗42
には常時ほぼI1なる電流が流れるため,この抵抗値を
RC0とすると,マスターラッチ回路95の出力信号DMは
I1・RC0の電位差だけ,直流レベルが低くシフトした
信号になる。 この時,直流レベルのシフト量がDMの論理振幅VlM
の1/2になるようにRC0の値を設定する。 また,セレクト回路97の抵抗47を 抵抗48を 抵抗45をRSとすることにより,コレクタ結合部34のハ
イレベルの電位をVlMの1/2だけさげ,ローレベルをV
lMの1.5倍にし,コレクタ結合部35のハイレベルの電位
をVlMの3/4倍,ローレベルをVlMと同じにし,コレク
タ結合部34,35間の電位差を を保つことができる。 この様にして,マスターラッチ回路95の入力トランジ
スタ1および2のベースは,各コレクタの電位より 分以上に高くなることがなく,また,スレイブラッチ回
路96の入力トランジスタ7,8のベースは,各コレクタの
電位より 分以上に高くなることがないため,トランジスタが飽和
することなく高速に動作するフリップフロップとなる。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明は, 少なくとも第1及び第2のトランジスタを含み,該第
1及び第2のトランジスタのエミッタが互いに結合され
た第1のエミッタ結合部と,第3及び第4のトランジス
タを含み,該第3及び第4のトランジスタのエミッタが
互いに結合された第2のエミッタ結合部と,前記第1の
エミッタ結合部にコレクタが接続された第5のトランジ
スタと前記第2のエミッタ結合部にコレクタが接続され
た第6のトランジスタとを含み,前記第5及び第6のト
ランジスタのエミッタが互いに結合された第3のエミッ
タ結合部の3つのエミッタ結合部を有し,前記第1のト
ランジスタのコレクタと前記第3のトランジスタのコレ
クタと前記第4のトランジスタのベースが互いに接続さ
れた第1のコレクタ結合部と,前記第2のトランジスタ
のコレクタと前記第4のトランジスタのコレクタと前記
第3のトランジスタのベースが互いに接続された第2の
コレクタ結合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第
1及び第2のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され
た第1及び第2の抵抗を含み,該第1及び第2の抵抗の
他端が互いに接続された第1の共通コレクタ抵抗部を有
し,該第1の共通コレクタ抵抗部に一端が接続された第
3の抵抗を有し,前記第3のエミッタ結合部に一端が接
続された第1の定電流源を有し,前記第3の抵抗の他端
に接続された第1の電源電位から前記第1の定電流源の
他端に接続された第2の電源電位に向かって一定の電流
を流して差動動作させる第1のラッチ回路と, 第7及び第8のトランジスタを含み,該第7及び第8
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第4のエ
ミッタ結合部と,第9及び第10のトランジスタを含み,
該第9及び第10のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第5のエミッタ結合部と,前記第4のエミッタ結
合部にコレクタが接続された第11のトランジスタと前記
第5のエミッタ結合部にコレクタが接続された第12のト
ランジスタとを含み,前記第11及び第12のトランジスタ
のエミッタが互いに結合された第6のエミッタ結合部の
3つのエミッタ結合部を有し,前記第7のトランジスタ
のコレクタと前記第9のトランジスタのコレクタと前記
第10のトランジスタのベースが互いに接続された第3の
コレクタ結合部と,前記第8のトランジスタのコレクタ
と前記第10のトランジスタのコレクタと前記第9のトラ
ンジスタのベースが互いに接続された第4のコレクタ結
合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第3及び第4
のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され,他端が共
通に前記第1の電源電位に接続された第4及び第5の抵
抗を有し,前記第6のエミッタ結合部に一端が接続さ
れ,他端が前記第2の電源電位に接続された第2の定電
流源を有し,前記第1のラッチ回路の正論理出力と負論
理出力の両方をバランス入力とする第2のラッチ回路
と, 第13乃至第15のトランジスタを含み、該第13乃至第15
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第7のエ
ミッタ結合部と、第16乃至第18のトランジスタを含み、
該第16乃至第18のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第8のエミッタ結合部とを有し、前記第13及び第
14のトランジスタと前記第16及び第17のトランジスタの
コレクタ同士が結合された第5のコレクタ結合部と,前
記第15のトランジスタ及び前記第18のトランジスタのコ
レクタ同士が結合された第6のコレクタ結合部とを有
し,前記第5及び第6のコレクタ結合部にそれぞれ一端
が接続された第6及び第7の抵抗を含み,該第6及び第
7の抵抗の他端が互いに接続された第2の共通コレクタ
抵抗部を有し,該第2の共通コレクタ抵抗部に一端が接
続された第8の抵抗を有し,前記第7及び第8のエミッ
タ結合部にそれぞれ一端が接続された第3及び第4の定
電流源を有し,前記第13乃至第15のトランジスタと前記
第3の定電流源とによって第1のゲート回路が構成さ
れ、前記第16乃至第18のトランジスタと前記第4の定電
流源とによって第2のゲート回路が構成され、前記第8
の抵抗の他端に接続された前記第1の電源電位から前記
3及び第4の定電流源の他端に接続された前記第2の電
源電位に向かって一定の電流を流して差動動作させ、前
記第1及び第2のゲート回路の入力のうちいずれか一方
を選択して,その正論理信号と負論理信号の両方を前記
第1のラッチ回路にバランス入力するセレクタ回路とか
ら構成され, セレクタ回路から第1のラッチ回路への伝播信号と第
1のラッチ回路から第2のラッチ回路への伝播信号を回
路外部との入出力信号の論理振幅より小さい論理振幅
で,かつ低い直流レベルにシフトさせた信号にして動作
させることにより,第1のラッチ回路の入力トランジス
タ及び第2のラッチ回路の入力トランジスタにおいて,
そのベース電位がそのコレクタ電位より高くなりすぎる
ことを防ぐことにより,入力トランジスタが飽和状態に
なることを防止し,飽和状態が引起こす第1のラッチ回
路及び第2のラッチ回路の伝播遅延時間の増加を防いで
いる。また,本回路構成をとることにより,第1のリフ
ァレンス電位を省略できるという利点もある。
数の入力信号の中から任意の信号を選択してラッチする
セレクタ付きマスター・スレイブ型フリップフロップに
関する。 〔従来の技術〕 従来,この種のマスター・スレイブ型フリップ・フロ
ップにおいては,マスターラッチからスレイブラッチへ
の伝達信号にフリップフロップの入出力信号と同じ論理
振幅を持つ信号が用いられていた。 第2図は従来のフリップフロップの一例を示す図であ
る。第2図において,互いのエミッタが結合されたNPN
形トランジスタ101と102,NPN形トランジスタ103と104,
及びNPN形トランジスタ105と106によりマスター側のラ
ッチが構成され,互いのエミッタが結合されたNPN形ト
ランジスタ107と108,NPN形トランジスタ109と110,及びN
PN形トランジスタ111と112によりスレイブ側のラッチが
構成され,互いのエミッタが結合されたNPN形トランジ
スタ113と114と115,及びNPN形トランジスタ116と117と1
18によりセレクタが構成されている。 トランジスタ101と102は互いのエミッタが結合されて
第1のエミッタ結合部120を形成し,トランジスタ103と
104は互いのエミッタが結合されて第2のエミッタ結合
部121を形成している。第1のエミッタ結合部120にはト
ランジスタ105のコレクタが接続され,第2のエミッタ
結合部121にはトランジスタ106のコレクタが接続されて
いる。トランジスタ105とトランジスタ106は互いのエミ
ッタが結合されて第3のエミッタ結合部122を形成して
いる。 トランジスタ101のコレクタとトランジスタ103のコレ
クタとトランジスタ104のベースは互いに結合されて第
1のコレクタ結合部130を形成し,トランジスタ102のコ
レクタとトランジスタ104のコレクタとトランジスタ103
のベースは互いに結合されて第2のコレクタ結合部131
を形成している。 第1のコレクタ結合部130には抵抗140の一方の端子が
接続されており,抵抗140の他方の端子は第1の電源電
位170に接続されている。第2のコレクタ結合部131には
抵抗141の一方の端子が接続されており,抵抗141の他方
の端子は第1の電源電位170に接続されている。 第3のエミッタ結合部122には定電流源160の一方の端
子が接続され,定電流源160の他方の端子は,第1の電
源電位170よりも電位の低い第2の電源電位171に接続さ
れ,第3のエミッタ結合部122から第2の電源電位171へ
向って一定値I1の電流を流している。 以上のように接続されたトランジスタ101,102,103,10
4,105,106,抵抗140,141,及び定電流源160とによりマス
ターラッチ回路195が構成されている。 このマスターラッチ回路は,第1の電源電位170から
第2の電源電位171までの間に,第1のエミッタ結合部1
20と第3のエミッタ結合部122あるいは第2のエミッタ
結合部121と第3のエミッタ結合部122というような2段
階のエミッタ結合部を持つ構成になっていることから,
縦型2段のエミッタ・カップルド・ロジック(Emitter
Coupled Logic:以後ECLと略す)回路と称される。 マスターラッチ回路195では,トランジスタ101のベー
スに入力データDSが供給され,トランジスタ102のベー
スに接続された第1のリファレンス電位172に入力デー
タDSの論理振幅の中間に相当する直流電位VR1が供給
され,トランジスタ105のベースに接続されたクロック
端子190にクロック信号Xが供給され,トランジスタ106
のベースに接続された第2のリファレンス電位173にク
ロック信号Xの論理振幅の中間に相当する直流電位VR2
が供給されている。次に,マスターラッチ回路195の動
作について説明する。 いま,クロック端子190に供給されているクロック信
号Xが第2のリファレンス電位VR2に比較してハイレベ
ルにある時,トランジスタ105がオン状態,トランジス
タ106がオフ状態になり,電流I1はトランジスタ105を
通って定電流源160へと流れている。 この時,トランジスタ101のベースに供給された入力
データDSがトランジスタ102のベースに供給されている
第1のリファレンス電位VR1に比較してハイレベルにあ
るとすると,トランジスタ101がオン,トランジスタ102
がオフとなり,電流I1はトランジスタ101を通ってトラ
ンジスタ105のコレクタへと流れる。すなわち,電流I1
は第1の電源電位170から,抵抗140,トランジスタ101,
トランジスタ105,及び定電流源160を順に通って第2の
電源電位171へと流れ込む。このため,上記の電流パス
上にある第1のコレクタ結合部130はローレベルとな
り,電流パス上にない第2のコレクタ結合部131はハイ
レベルとなる。 ここで,トランジスタ104のベースは第1のコレクタ
結合部130に接続されているため,ローレベル状態にあ
り,トランジスタ103のベースは,第2のコレクタ結合
部131に接続されているため,ハイレベル状態にある。 クロック信号Xがハイレベルからローレベルに立下が
ると,第2のリファレンス電位VR2に接続されているト
ランジスタ106のベース電位の方がトランジスタ105のベ
ース電位より高くなるため,トランジスタ105はオフ,
トランジスタ106はオンへと変り,トランジスタ105を流
れていた電流I1はトランジスタ106を流れるように切替
る。 この時,トランジスタ103のベースはハイレベル,ト
ランジスタ104のベースはローレベルの状態にあったた
め,トランジスタ103がオン,トランジスタ104がオフと
なり,電流I1はトランジスタ103を流れる。すなわち,
電流I1は第1の電源電位170から抵抗140,トランジスタ
103,トランジスタ106,及び定電流源160を順に通って第
2の電源電位171へと流れ込む。従って,第1のコレク
タ結合部130にはローレベルが,第2のコレクタ結合部1
31にはハイレベルがラッチされる。 トランジスタ101のベースに供給された入力データDS
がトランジスタ102のベースに供給されている第1のリ
ファレンス電位VR1に比較してローレベルにあった時
は,クロック信号Xがハイレベルの時,電流I1は第1
の電源電位170から抵抗141トランジスタ102,トランジス
タ105,及び定電流源160を順に通って流れており,電流
パス上にある第2のコレクタ結合部131はローレベル,
電流パス上にない第1のコレクタ結合部130はハイレベ
ルになっている。この時,第1のコレクタ結合部130に
接続されたトランジスタ104のベースはハイレベル,第
2のコレクタ結合部131に接続されたトランジスタ103の
ベースはローレベルの状態になっており,クロック信号
Xがハイレベルからローレベルに立下がると電流I1は
第1の電源電位170から抵抗141,トランジスタ104,トラ
ンジスタ106,及び定電流源160を順に通って流れるた
め,第1のコレクタ結合部130にはハイレベルが第2の
コレクタ結合部131にはローレベルがラッチされる。 このようにマスターラッチ回路195では,クロック信
号Xがハイレベルからローレベルに立下がると,第1の
コレクタ結合部130には入力データDSの負論理レベル
を,第2のコレクタ共通部131には入力データDSの正論
理レベルをラッチされる。 スレイブラッチ回路196はマスターラッチ回路と同一
の回路構成を有する縦型2段のECL回路である。すなわ
ち,スレイブラッチ回路196のトランジスタ107,108,10
9,110,111,112,抵抗142,143,及び定電流源161はそれぞ
れマスターラッチ回路195のトランジスタ101,102,103,1
04,105,106,抵抗140,141,及び定電流源160に相当し,第
4,第5,第6のエミッタ結合部123,124,125,及び第3,第4
のコレクタ結合部132,133はそれぞれマスターラッチ回
路195の第1,第2,第3のエミッタ結合部120,121,122,及
び第1,第2のコレクタ結合部130,131に相当する。ま
た,スレイブラッチ回路196の出力部には,トランジス
タ119,抵抗145によるエミッタフォロワが接続され,エ
ミッタフォロワ出力をフリップフロップの出力信号D
OUTとしている。 スレイブラッチ回路196もマスターラッチ回路195と同
様のラッチ動作を行ない,第3のコレクタ結合部132に
マスターラッチ回路195の出力である入力データDMの負
論理レベルを,第4のコレクタ結合部133に入力データ
DMの正論理レベルをラッチする。ただし,マスターラ
ッチ回路195では,トランジスタ105のベースにクロック
信号Xを入力し,トランジスタ106のベースに第2のリ
ファレンス電位VR2を入力したのに対し,スレイブラッ
チ回路196では,トランジスタ105に相当するトランジス
タ111のベースに第2のリファレンス電位VR2を入力
し,トランジスタ106に相当するトランジスタ112のベー
スにクロック信号Xを入力しており,クロック信号Xと
第2のリファレンス電位VR2の接続関係が逆になってい
る。このため,マスターラッチ回路195ではクロック信
号Xがハイレベルからローレベルへ立下がる時,データ
をラッチしたのに対し,スレイブラッチ回路196ではク
ロック信号Xがローレベルからハイレベルへ立上がる時
にデータをラッチする。 セレクタ回路197は互いにエミッタが結合されたトラ
ンジスタ113,114,115及び定電流源162から成る第1のゲ
ート回路と,互いにエミッタが結合されたトランジスタ
116,117,118及び定電流源163から成る第2のゲート回路
とから構成されている。 トランジスタ113,114,115は互いにエミッタが結合さ
れ,エミッタ結合部126を形成しており,トランジスタ1
13,114のコレクタは結合されて第1の電源電位170に接
続され,トランジスタ115のコレクタは抵抗144を介して
第1の電源電位170に接続されている。エミッタ結合部1
26には定電流源162の一方の端子が接続され,定電流源1
62の他方の端子は第2の電源電位171に接続されてお
り,エミッタ結合部126から第2の電源電位171へ向って
一定値I1の電流を流している。 この回路は,第1の電源電位170から第2の電源電位1
71までの間にエミッタ結合部126を1段持っていること
から,マスターラッチ回路195やスレイブラッチ回路196
の縦型2段ECL回路に対比して,1段型のECL回路と称され
る。 第2のゲート回路は第1のゲート回路と同一の回路構
成を有する1段型ECL回路である。すなわち,第2のゲ
ート回路のトランジスタ116,117,118及び定電流源163は
それぞれ第1のゲート回路のトランジスタ113,114,115,
及び定電流源162に相当し,エミッタ結合部127は第1の
ゲート回路のエミッタ結合部126に相当する。第2のゲ
ート回路のトランジスタ118のコレクタは,第1のゲー
ト回路のトランジスタ115のコレクタと結合しており,
第1のゲート回路と第2のゲート回路とで抵抗144を共
有している。 セレクタ回路197の動作について説明する。 第1のゲート回路のトランジスタ113のベースに第1
の入力データD1が供給され,トランジスタ114のベース
に第1の入力データD1を選択するためのセレクト信号
S1が供給されている。第2のゲート回路のトランジス
タ116のベースに第2の入力データD2が供給され,トラ
ンジスタ117のベースに第2の入力データD2を選択する
ためのセレクト信号S2が供給されている。また,トラ
ンジスタ115と118のベースには,第1の入力データ
D1,第2の入力データD2及びセレクト信号S1,S2の論
理振幅の中間に相当する直流電位VR2が供給されてい
る。 今,第2のリファレンス電位VR2に比べてセレクト信
号S1がローレベル,セレクト信号S2がハイレベルの場
合を考える。 この時,第2のゲート回路においては,トランジスタ
117のベース電位の方が第2のリファレンス電位VR2が
供給されたトランジスタ118のベース電位より高いた
め,トランジスタ117がオン,トランジスタ118がオフと
なる。このため,トランジスタ116のベースに供給され
ている入力データD2がハイレベルであるかローレベル
であるかに関係なく,電流I1は第1の電源電位170から
トランジスタ117のある枝を通って定電流源163へと流
れ,トランジスタ118はオフ状態になる。 また,この時,第1のゲート回路では,トランジスタ
114のベース電位は第2のリファレンス電位VR2が供給
されたトランジスタ115のベース電位より低いため,ト
ランジスタ114がオフ状態となり,電流I1はトランジス
タ113もしくはトランジスタ115を通って定電流源162へ
と流れるが,どちらを流れるかはトランジスタ113のベ
ースに供給された第1の入力データD1により決定され
る。すなわち,第1の入力データD1が第2のリファレ
ンス電位VR2よりもローレベルならば,トランジスタ11
3はオフ,トランジスタ115がオンとなり,電流I1はト
ランジスタ115を流れ,もし第1の入力データD1が第2
のリファレンス電位VR2よりもハイレベルならば,トラ
ンジスタ113がオン,トランジスタ115がオフとなり,電
流I1はトランジスタ113を流れる。 第1の入力データD1がローレベルで電流I1がトラン
ジスタ115を流れると,トランジスタ115とトランジスタ
118のコレクタ結合部134はローレベルとなる。また,第
1の入力データD1がハイレベルで電流I1がトランジス
タ113を流れると,第1のゲート回路のトランジスタ115
にも第2のゲート回路のトランジスタ118にも電流が流
れないため,コレクタ結合部134はハイレベルとなる。 以上のように,セレクト信号S1がローレベル,セレ
クト信号S2がハイレベルの時は,コレクタ結合部134に
第1の入力データD1が論理値が選択されて現れ,これ
がセレクタ回路197の出力DSとなる。 セレクト信号S1がハイレベル,セレクト信号S2がロ
ーレベルの時は,セレクト信号S1がローレベル,セレ
クト信号S2がハイレベルの時における第1のゲート回
路の動作と第2のゲート回路の動作が入れ替りになるた
め,コレクタ結合部134には第2の入力データD2の論理
値が選択されて現れ,これがセレクタ回路197の出力DS
となる。 第2図に例示したフリップフロップは,上述したよう
なマスターラッチ回路195,スレイブラッチ回路196,及び
セレクタ回路197より構成されており,セレクタ回路197
においてセレクト信号S1,S2により選択された入力デー
タD1もしくはD2の一方が,コレクタ結合部134に現
れ,これがマスターラッチ回路195とスレイブラッチ回
路196から成るマスター・スレイブ型フリップフロップ
にてラッチされる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述した従来のフリップフロップでは,マスターラッ
チ回路195からスレイブラッチ回路196への伝達信号,及
びセレクタ回路197からマスターラッチ回路195への伝達
信号にフリップフロップへの入出力信号と同じ論理振幅
を持つ信号を用いていた。すなわち,抵抗141の抵抗値
をRとすると,セレクタ回路197及びマスターラッチ回
路195の出力信号DS,DMの論理振幅Vlは,定電流源の電
流値I1からVlI1Rとなるが,この論理振幅Vlの値
がフリップフロップの入力信号D1,D2,S1,S2,Xや出力信
号Dout等と同じ値になるように作られていた。このた
め,マスターラッチ回路の出力がハイレベルの時に,ス
レイブラッチ回路の入力トランジスタ107のベース電位
はコレクタ電位より高くなり,トランジスタ107が飽和
するために,スレイブラッチ回路の信号伝播遅延時間が
大きく,フリップフロップとしての高速動作に支障をき
たすという欠点がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によるフリップフロップは, 少なくとも第1及び第2のトランジスタを含み,該第
1及び第2のトランジスタのエミッタが互いに結合され
た第1のエミッタ結合部と,第3及び第4のトランジス
タを含み,該第3及び第4のトランジスタのエミッタが
互いに結合された第2のエミッタ結合部と,前記第1の
エミッタ結合部にコレクタが接続された第5のトランジ
スタと前記第2のエミッタ結合部にコレクタが接続され
た第6のトランジスタとを含み,前記第5及び第6のト
ランジスタのエミッタが互いに結合された第3のエミッ
タ結合部の3つのエミッタ結合部を有し,前記第1のト
ランジスタのコレクタと前記第3のトランジスタのコレ
クタと前記第4のトランジスタのベースが互いに接続さ
れた第1のコレクタ結合部と,前記第2のトランジスタ
のコレクタと前記第4のトランジスタのコレクタと前記
第3のトランジスタのベースが互いに接続された第2の
コレクタ結合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第
1及び第2のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され
た第1及び第2の抵抗を含み,該第1及び第2の抵抗の
他端が互いに接続された第1の共通コレクタ抵抗部を有
し,該第1の共通コレクタ抵抗部に一端が接続された第
3の抵抗を有し,前記第3のエミッタ結合部に一端が接
続された第1の定電流源を有し,前記第3の抵抗の他端
に接続された第1の電源電位から前記第1の定電流源の
他端に接続された第2の電源電位に向かって一定の電流
を流して差動動作させる第1のラッチ回路と, 第7及び第8のトランジスタを含み,該第7及び第8
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第4のエ
ミッタ結合部と,第9及び第10のトランジスタを含み,
該第9及び第10のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第5のエミッタ結合部と,前記第4のエミッタ結
合部にコレクタが接続された第11のトランジスタと前記
第5のエミッタ結合部にコレクタが接続された第12のト
ランジスタとを含み,前記第11及び第12のトランジスタ
のエミッタが互いに結合された第6のエミッタ結合部の
3つのエミッタ結合部を有し,前記第7のトランジスタ
のコレクタと前記第9のトランジスタのコレクタと前記
第10のトランジスタのベースが互いに接続された第3の
コレクタ結合部と,前記第8のトランジスタのコレクタ
と前記第10のトランジスタのコレクタと前記第9のトラ
ンジスタのベースが互いに接続された第4のコレクタ結
合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第3及び第4
のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され,他端が共
通に前記第1の電源電位に接続された第4及び第5の抵
抗を有し,前記第6のエミッタ結合部に一端が接続さ
れ,他端が前記第2の電源電位に接続された第2の定電
流源を有し,前記第1のラッチ回路の正論理出力と負論
理出力の両方をバランス入力とする第2のラッチ回路
と, 第13乃至第15のトランジスタを含み、該第13乃至第15
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第7のエ
ミッタ結合部と、第16乃至第18のトランジスタを含み、
該第16乃至第18のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第8のエミッタ結合部とを有し、前記第13及び第
14のトランジスタと前記第16及び第17のトランジスタの
コレクタ同士が結合された第5のコレクタ結合部と,前
記第15のトランジスタ及び前記第18のトランジスタのコ
レクタ同士が結合された第6のコレクタ結合部とを有
し,前記第5及び第6のコレクタ結合部にそれぞれ一端
が接続された第6及び第7の抵抗を含み,該第6及び第
7の抵抗の他端が互いに接続された第2の共通コレクタ
抵抗部を有し,該第2の共通コレクタ抵抗部に一端が接
続された第8の抵抗を有し,前記第7及び第8のエミッ
タ結合部にそれぞれ一端が接続された第3及び第4の定
電流源を有し,前記第13乃至第15のトランジスタと前記
第3の定電流源とによって第1のゲート回路が構成さ
れ、前記第16乃至第18のトランジスタと前記第4の定電
流源とによって第2のゲート回路が構成され、前記第8
の抵抗の他端に接続された前記第1の電源電位から前記
3及び第4の定電流源の他端に接続された前記第2の電
源電位に向かって一定の電流を流して差動動作させ、前
記第1及び第2のゲート回路の入力のうちいずれか一方
を選択して,その正論理信号と負論理信号の両方を前記
第1のラッチ回路にバランス入力するセレクタ回路とか
ら構成され, 前記セレクタ回路から前記第1のラッチ回路への伝播
信号と前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路
への伝播信号を回路外部との入出力信号の論理振幅より
小さい論理振幅で,かつ低い直流レベルにシフトさせた
信号にして動作させることを特徴とする。 〔実施例〕 次に本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。 第1図は本発明の一実施例によるフリップフロップの
構成を示す回路図である。 第1図の回路は,第2図に示した従来技術によるフリ
ップフロップにおいて,マスターラッチ回路195の抵抗1
40と抵抗141の第1の電源電位170に接続されていた側の
端子を直接第1の電源電位170に接続しないで,これら
の端子同士を結合して第1の共通コレクタ抵抗部50を形
成し,これに第3の抵抗42を接続した上で第1の電源電
位70に接続し,かつ第1のリファレンス電位VR1にベー
スが接続されたトランジスタ102を負の論理入力▲
▼がベースに供給されたトランジスタ2に変更したマス
ターラッチ回路95とする。 セレクタ回路197は,2グループのエミッタ同士を結合
した複数のトランジスタ13,14,15,16,17,18を含み,そ
れらのトランジスタのうちトランジスタ13,14,16,17の
コレクタ同士を結合した第5のコレクタ結合部35と,残
りのトランジスタ15,18のコレクタ同士を結合した第6
のコレクタ結合部34を有し,第5のコレクタ結合部35に
第6の抵抗47の一方の端子が接続され,第6のコレクタ
結合部34に第7の抵抗45の一方の端子が接続され,第6,
第7の抵抗47,45の他方の端子同士を結合した第2の共
通コレクタ抵抗部51に第8の抵抗48の一方の端子が接続
され,各エミッタ接合部26,27に定電流源62,63の一端が
各々接続され,第8の抵抗48の他方の端子が第1の電源
電位70に接続されている。ここで,第7の抵抗45の抵抗
値は第6の抵抗48のそれぞれの半分となっている。 さらに,スレイブラッチ回路196の第1のリファレン
ス電位VR1にベースが接続されたトランジスタ108を負
の入力データ▲▼がベースに供給されたトランジス
タ8に変更したスレイブラッチ回路96とする。セレクタ
回路97の正の論理出力である34はマスターラッチ回路95
の入力データDSとして供給され,負の論理出力35は負
の入力データ▲▼として供給され,マスターラッチ
回路95の正の論理出力である31はスレイブラッチ回路96
の入力データDMとして供給され,負の論理出力である3
0は負の入力データ▲▼として供給される。 フリップフロップの動作は,マスターラッチ回路95及
びスレイブラッチ回路96については,従来技術における
マスターラッチ回路195及びスレイブラッチ回路196のそ
れぞれ対応する部分と,第1のリファレンス電位VR1を
負の入力データ▲,▼とおきかえれば良いので
説明を省略する。 次に,セレクタ回路97について説明する。 トランジスタ13のベースに第1の入力データD1が供
給され,トランジスタ14のベースに第1の入力データD
1を選択するセレクト信号S1が供給される。トランジス
タ16のベースに第2の入力データD2が供給され,トラ
ンジスタ17のベースに第2の入力データD2を選択する
ためのセレクト信号S2が供給される。また,トランジ
スタ15と18のベースには,D1,D2,S1,S2の論理振幅の中間
に相当する第2のリファレンス電位VR2が供給される。 次に,セレクト信号S1がハイレベル,セレクト信号
S2がローレベルの時を考える。この時,第1の入力デ
ータD1のレベルに拘らず,定電流源62に流れる電流I1
はトランジスタ14を通して第6の抵抗47に流れる。従っ
て,トランジスタ15には電流が流れず,第7の抵抗45に
は電流が流れない。さらに,第2の入力データD2がハ
イレベルの時は,トランジスタ16を通して定電流源63に
電流が流れ,第6の抵抗47にさらにI1の電流が流れ
る。この時,トランジスタ18には電流が流れず,第7の
抵抗45にも流れない。従って,コレクタ接合部35は,第
6の抵抗47,第8の抵抗48に2倍のI1の電流を流した電
位降下分のローレベルとなり,コレクタ接合部34は,第
8の抵抗48に2倍のI1の電流を流した電位降下分のハ
イレベルとなる。 次に,第2の入力データD2がローレベルになった時
を考えると,トランジスタ16,17のベースはともにロー
レベルとなり,トランジスタ18を通して定電流電源63に
電流I1が流れ,第7の抵抗45に電流I1が流れる。この
場合,第6,第7の抵抗47,45の両方に同じ電流値I1が流
れるが,第6の抵抗47は第7の抵抗45の半分の抵抗値を
持つから,コレクタ結合部35は,第8の抵抗48に2倍の
I1の電流を流した電位降下値と第6の抵抗47に電流値
I1を流した電位降下値の和であるハイレベル,コレク
タ結合部34は,第8の抵抗48に2倍のI1の電流を流し
た時の電位降下値と第7の抵抗45に電流I1を流したロ
ーレベルとなる。 セレクタ信号S1がローレベル,セレクト信号S2がハ
イレベルの時の動作も,前述した動作説明と同様なの
で,その説明を省略する。 以上のようにセレクタ回路97は,排他的な論理レベル
が入力されるセレクト信号S1,S2のローレベルとなった
方の入力データD1またはD2が選択され,入力データが
ハイレベルの時はコレクタ結合部34がハイレベル,コレ
クタ結合部35がローレベル,または入力データがローレ
ベルの時はコレクタ結合部34がローレベル,コレクタ結
合部35がハイレベルとなる。従って,コレクタ結合部34
には入力データと同じ正の論理出力,コレクタ結合部35
には入力データの反転信号である負の論理出力が出力さ
れる。 本発明のフリップフロップにおいては,マスターラッ
チ回路95の出力信号DMの論理振幅VlMは,セレクタ回
路97の出力信号DSやスレイブラッチ回路96の出力信号
DLの論理振幅VlSの1/2の大きさになるように設定され
る。これは,各定電流源60,61,62,63の電流値I1とし,
抵抗43,44の抵抗値をRSとすると,論理振幅VlSは VlSI1・RS で示され,また,マスターラッチ回路95では抵抗40,41
の抵抗値をRMとすると,その出力信号DMの論理振幅V
lMは VlMI1・RM で示されることから, なる関係を満すように抵抗値RM,RSを設定すれば良い。 また,マスターラッチ回路95では,抵抗42を抵抗40,4
1と第1の電源電位70との間に接続されている。抵抗42
には常時ほぼI1なる電流が流れるため,この抵抗値を
RC0とすると,マスターラッチ回路95の出力信号DMは
I1・RC0の電位差だけ,直流レベルが低くシフトした
信号になる。 この時,直流レベルのシフト量がDMの論理振幅VlM
の1/2になるようにRC0の値を設定する。 また,セレクト回路97の抵抗47を 抵抗48を 抵抗45をRSとすることにより,コレクタ結合部34のハ
イレベルの電位をVlMの1/2だけさげ,ローレベルをV
lMの1.5倍にし,コレクタ結合部35のハイレベルの電位
をVlMの3/4倍,ローレベルをVlMと同じにし,コレク
タ結合部34,35間の電位差を を保つことができる。 この様にして,マスターラッチ回路95の入力トランジ
スタ1および2のベースは,各コレクタの電位より 分以上に高くなることがなく,また,スレイブラッチ回
路96の入力トランジスタ7,8のベースは,各コレクタの
電位より 分以上に高くなることがないため,トランジスタが飽和
することなく高速に動作するフリップフロップとなる。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明は, 少なくとも第1及び第2のトランジスタを含み,該第
1及び第2のトランジスタのエミッタが互いに結合され
た第1のエミッタ結合部と,第3及び第4のトランジス
タを含み,該第3及び第4のトランジスタのエミッタが
互いに結合された第2のエミッタ結合部と,前記第1の
エミッタ結合部にコレクタが接続された第5のトランジ
スタと前記第2のエミッタ結合部にコレクタが接続され
た第6のトランジスタとを含み,前記第5及び第6のト
ランジスタのエミッタが互いに結合された第3のエミッ
タ結合部の3つのエミッタ結合部を有し,前記第1のト
ランジスタのコレクタと前記第3のトランジスタのコレ
クタと前記第4のトランジスタのベースが互いに接続さ
れた第1のコレクタ結合部と,前記第2のトランジスタ
のコレクタと前記第4のトランジスタのコレクタと前記
第3のトランジスタのベースが互いに接続された第2の
コレクタ結合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第
1及び第2のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され
た第1及び第2の抵抗を含み,該第1及び第2の抵抗の
他端が互いに接続された第1の共通コレクタ抵抗部を有
し,該第1の共通コレクタ抵抗部に一端が接続された第
3の抵抗を有し,前記第3のエミッタ結合部に一端が接
続された第1の定電流源を有し,前記第3の抵抗の他端
に接続された第1の電源電位から前記第1の定電流源の
他端に接続された第2の電源電位に向かって一定の電流
を流して差動動作させる第1のラッチ回路と, 第7及び第8のトランジスタを含み,該第7及び第8
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第4のエ
ミッタ結合部と,第9及び第10のトランジスタを含み,
該第9及び第10のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第5のエミッタ結合部と,前記第4のエミッタ結
合部にコレクタが接続された第11のトランジスタと前記
第5のエミッタ結合部にコレクタが接続された第12のト
ランジスタとを含み,前記第11及び第12のトランジスタ
のエミッタが互いに結合された第6のエミッタ結合部の
3つのエミッタ結合部を有し,前記第7のトランジスタ
のコレクタと前記第9のトランジスタのコレクタと前記
第10のトランジスタのベースが互いに接続された第3の
コレクタ結合部と,前記第8のトランジスタのコレクタ
と前記第10のトランジスタのコレクタと前記第9のトラ
ンジスタのベースが互いに接続された第4のコレクタ結
合部の2つのコレクタ結合部を有し,前記第3及び第4
のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され,他端が共
通に前記第1の電源電位に接続された第4及び第5の抵
抗を有し,前記第6のエミッタ結合部に一端が接続さ
れ,他端が前記第2の電源電位に接続された第2の定電
流源を有し,前記第1のラッチ回路の正論理出力と負論
理出力の両方をバランス入力とする第2のラッチ回路
と, 第13乃至第15のトランジスタを含み、該第13乃至第15
のトランジスタのエミッタが互いに結合された第7のエ
ミッタ結合部と、第16乃至第18のトランジスタを含み、
該第16乃至第18のトランジスタのエミッタが互いに結合
された第8のエミッタ結合部とを有し、前記第13及び第
14のトランジスタと前記第16及び第17のトランジスタの
コレクタ同士が結合された第5のコレクタ結合部と,前
記第15のトランジスタ及び前記第18のトランジスタのコ
レクタ同士が結合された第6のコレクタ結合部とを有
し,前記第5及び第6のコレクタ結合部にそれぞれ一端
が接続された第6及び第7の抵抗を含み,該第6及び第
7の抵抗の他端が互いに接続された第2の共通コレクタ
抵抗部を有し,該第2の共通コレクタ抵抗部に一端が接
続された第8の抵抗を有し,前記第7及び第8のエミッ
タ結合部にそれぞれ一端が接続された第3及び第4の定
電流源を有し,前記第13乃至第15のトランジスタと前記
第3の定電流源とによって第1のゲート回路が構成さ
れ、前記第16乃至第18のトランジスタと前記第4の定電
流源とによって第2のゲート回路が構成され、前記第8
の抵抗の他端に接続された前記第1の電源電位から前記
3及び第4の定電流源の他端に接続された前記第2の電
源電位に向かって一定の電流を流して差動動作させ、前
記第1及び第2のゲート回路の入力のうちいずれか一方
を選択して,その正論理信号と負論理信号の両方を前記
第1のラッチ回路にバランス入力するセレクタ回路とか
ら構成され, セレクタ回路から第1のラッチ回路への伝播信号と第
1のラッチ回路から第2のラッチ回路への伝播信号を回
路外部との入出力信号の論理振幅より小さい論理振幅
で,かつ低い直流レベルにシフトさせた信号にして動作
させることにより,第1のラッチ回路の入力トランジス
タ及び第2のラッチ回路の入力トランジスタにおいて,
そのベース電位がそのコレクタ電位より高くなりすぎる
ことを防ぐことにより,入力トランジスタが飽和状態に
なることを防止し,飽和状態が引起こす第1のラッチ回
路及び第2のラッチ回路の伝播遅延時間の増加を防いで
いる。また,本回路構成をとることにより,第1のリフ
ァレンス電位を省略できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるフリップフロップの構
成を示す回路図,第2図は従来技術におけるフリップフ
ロップの構成例を示す回路図である。 1〜19……トランジスタ,40〜48……抵抗,60〜63……定
電流源,20〜27……エミッタ結合部,30〜35……コレクタ
結合部,50,51……共通コレクタ抵抗部,70……第1の電
源電位,71……第2の電源電位,73……第2のリファレン
ス電位,80,82……入力データ信号端子,81,83……セレク
タ信号端子,90……クロック信号端子,75……データ出力
端子,95……マスターラッチ回路,96……スレイブラッチ
回路,97……セレクタ回路。
成を示す回路図,第2図は従来技術におけるフリップフ
ロップの構成例を示す回路図である。 1〜19……トランジスタ,40〜48……抵抗,60〜63……定
電流源,20〜27……エミッタ結合部,30〜35……コレクタ
結合部,50,51……共通コレクタ抵抗部,70……第1の電
源電位,71……第2の電源電位,73……第2のリファレン
ス電位,80,82……入力データ信号端子,81,83……セレク
タ信号端子,90……クロック信号端子,75……データ出力
端子,95……マスターラッチ回路,96……スレイブラッチ
回路,97……セレクタ回路。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも第1及び第2のトランジスタを含み、該
第1及び第2のトランジスタのエミッタが互いに結合さ
れた第1のエミッタ結合部と、第3及び第4のトランジ
スタを含み、該第3及び第4のトランジスタのエミッタ
が互いに結合された第2のエミッタ結合部と、前記第1
のエミッタ結合部にコレクタが接続された第5のトラン
ジスタと前記第2のエミッタ結合部にコレクタが接続さ
れた第6のトランジスタとを含み、前記第5及び第6の
トランジスタのエミッタが互いに結合された第3のエミ
ッタ結合部の3つのエミッタ結合部を有し、前記第1の
トランジスタのコレクタと前記第3のトランジスタのコ
レクタと前記第4のトランジスタのベースが互いに接続
された第1のコレクタ結合部と、前記第2のトランジス
タのコレクタと前記第4のトランジスタのコレクタと前
記第3のトランジスタのベースが互いに接続された第2
のコレクタ結合部の2つのコレクタ結合部を有し、前記
第1及び第2のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接続さ
れた第1及び第2の抵抗を含み、該第1及び第2の抵抗
の他端が互いに接続された第1の共通コレクタ抵抗部を
有し、該第1の共通コレクタ抵抗部に一端が接続された
第3の抵抗を有し、前記第3のエミッタ結合部に一端が
接続された第1の定電流源を有し、前記第3の抵抗の他
端に接続された第1の電源電位から前記第1の定電流源
の他端に接続された第2の電源電位に向かって一定の電
流を流して差動動作させる第1のラッチ回路と、 第7及び第8のトランジスタを含み、該第7及び第8の
トランジスタのエミッタが互いに結合された第4のエミ
ッタ結合部と、第9及び第10のトランジスタを含み、該
第9及び第10のトランジスタのエミッタが互いに結合さ
れた第5のエミッタ結合部と、前記第4のエミッタ結合
部にコレクタが接続された第11のトランジスタと前記第
5のエミッタ結合部にコレクタが接続された第12のトラ
ンジスタとを含み、前記第11及び第12のトランジスタの
エミッタが互いに結合された第6のエミッタ結合部の3
つのエミッタ結合部を有し、前記第7のトランジスタの
コレクタと前記第9のトランジスタのコレクタと前記第
10のトランジスタのベースが互いに接続された第3のコ
レクタ結合部と、前記第8のトランジスタのコレクタと
前記第10のトランジスタのコレクタと前記第9のトラン
ジスタのベースが互いに接続された第4のコレクタ結合
部の2つのコレクタ結合部を有し、前記第3及び第4の
コレクタ結合部にそれぞれ一端が接続され、他端が共通
に前記第1の電源電位に接続された第4及び第5の抵抗
を有し、前記第6のエミッタ結合部に一端が接続され、
他端が前記第2の電源電位に接続された第2の定電流源
を有し、前記第1のラッチ回路の正論理出力と負論理出
力の両方をバランス入力とする第2のラッチ回路と、 第13乃至第15のトランジスタを含み、該第13乃至第15の
トランジスタのエミッタが互いに結合された第7のエミ
ッタ結合部と、第16乃至第18のトランジスタを含み、該
第16及び第18のトランジスタのエミッタが互いに結合さ
れた第8のエミッタ結合部とを有し、前記第13及び第14
のトランジスタと前記第16及び第17のトランジスタのコ
レクタ同士が結合された第5のコレクタ結合部と、前記
第15のトランジスタ及び前記第18のトランジスタのコレ
クタ同士が結合された第6のコレクタ結合部とを有し、
前記第5及び第6のコレクタ結合部にそれぞれ一端が接
続された第6及び第7の抵抗を含み、該第6及び第7の
抵抗の他端が互いに接続された第2の共通コレクタ抵抗
部を有し、該第2の共通コレクタ抵抗部に一端が接続さ
れた第8の抵抗を有し、前記第7及び第8のエミッタ結
合部にそれぞれ一端が接続された第3及び第4の定電流
源を有し、前記第13乃至第15のトランジスタと前記第3
の定電流源とによって第1のゲート回路が構成され、前
記第16乃至第18のトランジスタと前記第4の定電流源と
によって第2のゲート回路が構成され、第8の抵抗の他
端に接続された前記第1の電源電位から前記3及び第4
の定電流源の他端に接続された前記第2の電源電位に向
かって一定の電流を流して差動動作させ、前記第1及び
第2のゲート回路の入力のうちのいずれか一方を選択し
て、その正論理信号若しくは負論理信号の両方を前記第
1のラッチ回路にバランス入力するセレクタ回路とから
構成され、 前記セレクタ回路から前記第1のラッチ回路への伝播信
号と前記第1のラッチ回路から前記第2のラッチ回路へ
の伝播信号を回路外部との入出力信号の論理振幅よりも
小さい論理振幅で、かつ低い直流レベルにシフトさせた
信号にして動作させることを特徴とするフリップフロッ
プ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62214188A JP2718036B2 (ja) | 1987-08-29 | 1987-08-29 | フリツプフロツプ |
EP19880114042 EP0305941B1 (en) | 1987-08-29 | 1988-08-29 | Flipflop which is operable at high speed and adapted to implementation as an integrated circuit |
DE19883875878 DE3875878T2 (de) | 1987-08-29 | 1988-08-29 | Mit hoher schnelligkeit betreibbares und zur implementierung als integrierter schaltkreis geeigneter flipflop. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62214188A JP2718036B2 (ja) | 1987-08-29 | 1987-08-29 | フリツプフロツプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6460016A JPS6460016A (en) | 1989-03-07 |
JP2718036B2 true JP2718036B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=16651696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62214188A Expired - Lifetime JP2718036B2 (ja) | 1987-08-29 | 1987-08-29 | フリツプフロツプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2718036B2 (ja) |
-
1987
- 1987-08-29 JP JP62214188A patent/JP2718036B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6460016A (en) | 1989-03-07 |
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