JP2716034B2 - チアゾリジンジオン誘導体の中間体 - Google Patents
チアゾリジンジオン誘導体の中間体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血糖及び血中脂質低
下作用を有するチアゾリジンジオン誘導体の新規中間体
に関する。 【0002】 【従来の技術】日本公開特許公報昭55−22636,
昭55−64586,Chemical & Pharmaceutical B
ulletin, 30巻,p3563(1982年),同誌,30巻,
p.3580(1982年),及び同誌,32巻,p2267
(1984年)には、血糖及び血中脂質低下作用を有する
種々のチアゾリジンジオン誘導体の製造方法が記載され
ている。これらに記載の方法はいずれもアニリン誘導体
をジアゾ化し、ついで銅触媒の存在下にアクリル酸エス
テルとを、いわゆる Meerwein arylation 法で縮合さ
せてハロエステルを製造した後、これにチオ尿素を反応
させてイミノチアゾリジンとし、さらにこれを加水分解
する工程を含むが、工程が長いうえ、Meerwein arylati
on 反応は時に激しい発熱と多量の窒素ガスの発生を伴
うため、工業的規模で本反応を行う場合には反応の制御
が困難で、かつ副反応のために収率も満足すべきもので
はなく、生成物の精製も容易でないという欠点がある。
また原料として過剰のアクリル酸エステルを用いるた
め、その悪臭対策や重金属を含む廃液処理の面でも工業
的に不利である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、血糖及び血
中脂質低下作用を有し、糖尿病及び高脂血症の治療剤と
して有用なチアゾリジンジオン誘導体の工業的に有利な
中間体を提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、一般式 【化3】 [式中、R1は水素または低級アルキル基を示し、R2
は酸素原子または 【化4】 を示す。ただし、R2が酸素原子であるとき、R1はエ
チル基を示す]で表わされる化合物に関するものであ
る。 【0005】本発明化合物は、以下に示すように、化合
物(I)を用いて、化合物(IV)または化合物(VI)として製
造される。また、化合物(IV)または化合物(VI)を合成中
間体として用いることにより、糖尿病及び高脂血症の治
療剤として有用なチアゾリジンジオン誘導体(VII)を製
造することができる。すなわち、一般式 【化5】 [式中、R1は水素または低級アルキル基を示す]で表わ
される化合物とハロゲン化剤またはスルホニルハライド
化合物とを反応させ、一般式 【化6】 [式中、R1は前記と同意義であり、Xはハロゲンまたは
アルキル−またはアリール−スルホニルオキシ基を示
す]で表わされる化合物に導びき、これに式 【化7】 で表わされる化合物を反応させて一般式 【化8】 [式中、R1は前記と同意義である]で表わされる化合物
を得、これに式 【化9】 で表わされる化合物を反応させて一般式 【化10】 [式中、R1は前記と同意義を示す]で表わされる化合物
を製造し、ついでこれを接触還元することにより、一般
式 【化11】[式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合物
を製造することができる。 【0006】上記一般式(XI),(I),(II),(IV),(VI)およ
び(VII)中、R1で示される低級アルキルとしては炭素数
1〜6の直鎖状または分枝状のアルキル基、例えばメチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,
sec−ブチル,t−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペ
ンチル,ヘキシルなどがあげられ、なかでも炭素数1〜
3のものが好ましく、特にエチルが好ましい。これらは
ピリジン環の任意の位置に置換していてもよい。一般式
(II)中、Xで示されるハロゲンとしては、たとえば塩
素,臭素,ヨウ素などが、アルキルスルホニルオキシ基と
しては、たとえばメチルスルホニルオキシ,エチルスル
ホニルオキシ,プロピルスルホニルオキシなどが、アリ
−ルスルホニルオキシ基としては、たとえばフェニルス
ルホニルオキシ,p−トリ−ルスルホニルオキシ等)など
があげられ、とりわけアリ−ルスルホニルオキシ基が好
ましい。 【0007】上記方法では、まず一般式(I)で表わされ
る化合物とハロゲン化剤またはスルホニルクロリド化合
物とを反応させることにより化合物(II)を製造する。ハ
ロゲン化剤としてはたとえば塩化チオニル,オキシ塩化
リン,三臭化リンなどが、スルホニルハライド化合物と
しては、たとえばメチルスルホニルクロリド,エチルス
ルホニルクロライド,プロピルスルホニルブロマイドな
どのアルキルスルホニルハライド、たとえばフェニルス
ルホニルクロライド,p−トリールスルホニルクロライ
ド,p−トリールスルホニルブロマイドなどのアリールス
ルホニルハライドがあげられる。なかでもアリールスル
ホニルハライドが好ましい。ハロゲン化剤を用いる場合
は通常たとえばジクロルメタン,ジクロロエタン,クロロ
ホルム,四塩化炭素,ベンゼン,トルエン,キシレン,ジメ
チルホルムアミドなどの溶媒中で行なわれる。反応温度
は通常−20℃〜80℃、好ましくは−10〜60℃で
ある。 【0008】スルホニルハライド類を用いる場合は通常
たとえばジクロルメタン,ジクロルエタン,クロロホル
ム,四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベ
ンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジ
エチルエーテル,ジブチルエーテル,ジイソブチルエーテ
ル,エチレングリコールジエチルエーテル,ジオキサン,
テトラヒドロフランなどのエーテル類の他水,酢酸エチ
ル,ジメチルホルムアミド及びこれらの混合溶媒中で行
なわれる。この反応は通常たとえば水酸化ナトリウム,
水酸化カリウム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウムなどの無
機塩基、トリエチルアミン,モルホリン,N−エチルピペ
リジンなどの有機塩基の存在下に行なわれる。またさら
にたとえばベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド,ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド,テトラ
ブチルアンモニウムブラマイド,セチルトリメチルアン
モニウムクロライドなどの相間移動触媒を存在させるこ
とにより目的とする反応を有利に進行せしめることがで
きる。スルホニルハライドの使用量は化合物(I)に対
し、通常1〜2倍モル、好ましくは1.0〜1.5倍モル
である。塩基の使用量は化合物(I)に対し、通常1〜3
倍モル、好ましくは1.5〜2.5倍モルである。相間移
動触媒を用いる場合、その使用量は化合物(I)に対し通
常0.1〜1.0倍モル、好ましくは0.2〜0.5倍モル
である。反応温度は通常−10〜50℃、好ましくは1
5〜30℃である。また反応時間は温度などの反応条件
によって異なるが、通常2時間以上、好ましくは3〜5
時間である。 【0009】化合物(II)と化合物(III)から化合物(IV)
を得る反応は通常適当な溶媒中、塩基の存在下に行なわ
れる。また反応系に相間移動触媒を存在させることによ
り、本反応を有利に進行させることができる。これらの
溶媒、塩基および相間移動触媒としては、いずれも前記
の化合物(I)とスルホニルハライド化合物との反応に用
いたものがあげられる。式(III)で示されるパラヒドロ
キシベンツアルデヒドの使用量は化合物(II)に対し通常
1〜3倍モル、好ましくは1〜1.5倍モルである。塩
基の使用量は化合物(II)に対し通常1〜3倍モル、好ま
しくは1.5〜2.5倍モルである。また、相間移動触媒
を用いる場合、その使用量は化合物(II)に対し、通常
0.1〜1.0倍モル、好ましくは0.2〜0.5倍モルで
ある。反応温度は通常20〜90℃、好ましくは50〜
65℃である。また反応温度は通常5時間以上、好まし
くは10〜20時間である。この反応は、化合物(I)と
スルホニルハライド化合物とを反応させることにより化
合物(II)を製造した場合には、化合物(II)を単離精製す
ることなく、単に化合物(II)を含む反応液に化合物(II
I)と塩基を添加することにより行なうことができ、工業
的に有利である。 【0010】化合物(IV)と化合物(V)から化合物(VI)を
製造する反応は通常適当な溶媒中で適当な塩基の存在下
に行なわれる。かかる溶媒−塩基の系としてはアルコー
ル類(例、メタノ−ル,エタノ−ル,プロパノ−ル,2−プ
ロパノ−ル,ブタノ−ル,イソブタノ−ル,2−メトキシ
エタノ−ルなど)、ジメチルホルムアミド,ジメチルスル
ホキシド,スルホラン,アセトニトリル,ジオキサン,ジメ
トキシエタン,酢酸などの溶媒と、アミン類(例、アンモ
ニア,メチルアミン,エチルアミン,n−ブチルアミン,ピ
ロリジン,ピペリジン,モルホリン,ピペラジン,ジエチル
アミン,ジイソプロピルアミン,トリエチルアミンな
ど)、ナトリウムアルコキシド(例、ナトリウムメトキシ
ド,ナトリウムエトキシド)、炭酸カリウム,炭酸ナトリ
ウム,水素化ナトリウム,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム
などの塩基のうちから適宜に選択された系が用いられ
る。化合物(V)は一般式(IV)の化合物1モルに対して通
常1〜4モル、好ましくは1〜2.5モルを用いる。塩
基の使用量は化合物(IV)1モルに対し0.05〜1.0モ
ル、好ましくは0.3〜0.5モルである。本縮合反応は
通常40℃〜還流温度、好ましくは60℃〜還流温度で
行なわれ、反応時間は通常0.5〜50時間である。 【0011】つぎに化合物(VI)を還元して化合物(VII)
を製造する。本反応は適宜の溶媒と触媒の存在下に接触
還元することにより行われる。かかる溶媒としては例え
ばメタノ−ル,エタノ−ル,プロパノ−ルなどのアルカノ
−ル類,ジオキサン,ジメトキシエタン,テトラヒドロフ
ランなどのエ−テル類,酢酸エチル,酢酸,ジメチルホル
ムアミド,N−メチルピロリドンあるいはこれらの混合
溶媒などが、触媒としてはパラジウム黒,パラジウム炭
素,パラジウム−硫酸バリウム,パラジウム−炭酸バリウ
ム,酸化白金,白金−炭素などがそれぞれ用いられる。反
応温度は通常0〜180℃、好ましくは50〜120℃
である。また本反応は常圧でも進行するが反応促進のた
めに150Kg/cm2以下、好ましくは30〜100Kg/c
m2の加圧下に行ってもよい。 【0012】このようにして得られるチアゾリジンジオ
ン誘導体(VII)は公知の分離精製手段により容易に単離
精製できるが、特にジオキサン,酢酸−アセトン,酢酸−
水,酢酸−エタノールで再結晶することにより、または
化合物(VII)を塩酸,硫酸,メタンスルホン酸,酢酸または
これらの水溶液に溶かした後、これに炭酸水素ナトリウ
ム,アンモニア水等を加えて中和し晶出させることによ
り、高品質の(VII)を得ることができる。また(VII)は塩
基との塩を形成するので、かかる塩の形で単離すること
もできる。形成し得る塩の例としては、例えばナトリウ
ム塩,カリウム塩,マグネシウム塩,アンモニウム塩,トリ
エチルアンモニウム塩,ピペリジニウム塩,モルホリニウ
ム塩,フェニルエチルアンモニウム塩などがあげられ
る。 【0013】前記した方法によって製造される化合物(V
II)またはその薬理学的に許容しうる塩は血糖低下作用
および脂質低下作用を示し、毒性が低く、そのままもし
くは自体公知の薬理学的に許容しうる担体と混合して人
を含む哺乳動物に対して糖尿病治療剤として用いること
ができる。本発明の原料化合物(I)はつぎの方法によっ
ても化合物(IV)に導びくことができる。 【化12】 [式中、R1は前記と同意義を示す] 【0014】まず、化合物(I)から化合物(IX)への反応
は、化合物(I)と化合物(VIII)とを例えば水素化ナトリ
ウムの存在下に縮合することにより行なわれる。本反応
はジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,テトラ
ヒドロフラン,ジメトキシエタン等の溶媒中で−10℃
〜30℃で行なうことができる。ついで化合物(IX)から
(IV)への反応は(IX)をギ酸水溶液中ラネ−ニッケル合金
と加熱することにより行なわれる。 【0015】 【発明の効果】本発明化合物を合成中間体として用いれ
ば、公知の方法に比べ、工程数が少なく、また収率よく
化合物(VII)を製造することができる。この際、中間工
程において悪臭を有するアクリル酸エステルや廃液処理
が困難な重金属化合物を用いる必要がなく、工業的に実
施するのが困難な meerwein 反応を避けることができる
ので、本発明化合物は工業的に極めて有利な中間体であ
る。 【0016】 【発明の実施の形態】 【実施例】 実施例1[化合物(I)から化合物(II)を経て化合物(IV)
を製造する工程] イ) 水(30mL)に水酸化ナトリウム(5g)を溶かし、こ
れにメチレンクロリド(100mL),5−エチル−2−ピ
リジンエタノ−ル(15g),ベンジルトリブチルアンモ
ニウムクロライド(50%水溶液6g),p−トルエンスル
ホニルクロリド(23g)を加え、室温で2時間かき混ぜ
た。反応液にp−ヒドロキシベンズアルデヒド(12g),
水(100mL)及び水酸化ナトリウム(8g)を加えて40
〜50℃で12時間かき混ぜた。反応液を分液し塩化メ
チレン層を乾燥(MgSO4)後濃縮し、油状物の粗4−
[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンズアル
デヒド28.6gを得た。粗4−[2−(5−エチル−2−
ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒドをシリカゲルクロ
マトグラフィ−で精製し、油状の4−[2−(5−エチル
−2−ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒド15.8g
(62%)を得た。 NMR(CDCl3) δ 1.15(t,3H),2.6(q,2H),3.2(t,2H),4.4(t,2H),6.89
〜8.35(m,7H),9.88(s,1H) 【0017】ロ) 5−エチル−2−ピリジンエタノー
ル(6.0Kg)およびベンジルトリブチルアンモニウムク
ロリド(50%水溶液6.2Kg),1,2−ジクロロエタン
(30L),p−トルエンスルホニルクロリド(9.2Kg)の
混合液に8N水酸化ナトリウム水溶液(10L)を25℃
以下で滴下した。22±3℃で4時間かき混ぜた後、p
−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.9Kg)と3N水酸化
ナトリウム水溶液(16L)を加え、57±3℃で15時
間かき混ぜた。冷後反応液に水(70L)を加えて分液
し、水層は1,2−ジクロロエタン(20L)で抽出した。
有機層を合わせ、0.1N水酸化ナトリウム水溶液(30
L)で3回洗浄し、ついで水(30L)で3回洗浄した。有
機層を45℃以下で減圧濃縮し、油状の4−[2−(5−
エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒドを得
た。HPLCで定量し、4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンズアルデヒドが5.98Kg(59.
0%)含まれていることを確認した。 【0018】ハ) 相間移動触媒としてベンジルトリエ
チルアンモニウムクロリドを用いイ)と同様に反応を行
ない油状の4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エト
キシ]ベンズアルデヒドを8.3g(32.5%)を得た。 ニ) 有機溶媒として四塩化炭素を用い、ロ)と同様に反
応を行ない(ただし、5−エチル−2−ピリジンエタノ
ールの仕込量は30g),4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル]エトキシ]ベンズアルデヒドが理論量の55.3
%生成していることをHPLCで確認した。 【0019】実施例2[化合物(IV)から化合物(VI)を製
造する工程] イ) 4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エトキシ]
ベンズアルデヒド(1.21g),2,4−チアゾリジンジ
オン(0.59g),エタノ−ル(50mL),及びピペリジン
(0.33g)の混合物を16時間加熱還流した。反応液を
氷水中に注ぎ、酢酸酸性として析出する結晶をろ取する
ことにより5−{4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)
エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオン
を得た。収量1.34g(78.5%)。メタノ−ルから再
結晶し、淡黄色プリズム晶を得た。mp 180.5−18
2℃ 元素分析値 C18H16N2O3Sとして 計算値 C,63.51; H,4.74; N,8.23 実測値 C,63.40; H,4.84; N,8.30 【0020】ロ) 4−[2−(5−エチル−2−ピリジ
ル)エトキシ]ベンズアルデヒド(2.40g),2,4−チ
アゾリジンジオン(1.66g),エタノ−ル(40mL),及
びピペリジン(0.2mL)の混合物を8時間加熱還流し
た。析出した結晶を酢酸エチルから再結晶し、5−{4
−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジリ
デン}−2,4−チアゾリジンジオンの無色結晶を2.1
4g(64%)得た。 mp 165.5〜167℃ 元素分析値 C19H18N2O3Sとして 計算値 C,64.39; H,5.12; N,7.90 実測値 C,64.29; H,5.19; N,7.64 【0021】ハ) 4−[2−(5−エチル−2−ピリジ
ル)エトキシ]ベンズアルデヒド(5.56Kg)および2,4
−チアゾリジンジオン(6.7Kg),ピペリジン(1.4
L),エタノール(80L)の混合物を5時間加熱還流し
た。徐冷して析出した結晶をろ取し、エタノール(20
L)で洗浄後乾燥した。得られた粗結晶を1,2−ジクロ
ロエタン(120L)から再結晶した。結晶をろ取し、1,
2−ジクロロエタン (15L)で洗浄後、約50℃で真空
乾燥し、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エ
トキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオンの
結晶4.87Kg(63.1%)を得た。 【0022】ニ) 4−[2−(5−エチル−2−ピリジ
ル)エトキシ]ベンズアルデヒド(27g),エタノール(3
00mL),2,4−チアゾリジンジオン(33g)及び濃ア
ンモニア水(14mL)の混合物を5時間加熱還流した。析
出した結晶を分離し、1,2−ジクロロエタンから再結
晶して5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エト
キシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオンの結
晶21.6g(57.6%)を得た。 【0023】実施例3[化合物(IX)から化合物(IV)を製
造する工程] 4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンゾ
ニトリル(9.62g),ラネ−ニッケル合金(10.0
g)及び75%ギ酸(150mL)の混合物を1時間加熱還流
した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮した。残留物に水を
加え、4N−KOHでアルカリ性とした後エチルエ−テ
ルで抽出した。エチルエ−テル層を水洗,乾燥(MgSO
4)後溶媒を留去し、残留物をエチルエ−テル−ヘキサン
から再結晶することにより4−[2−(6−メチル−2−
ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒドを得た。収量6.
20g(63.6%)。mp 53−55℃ 【0024】参考例1[化合物(I)から化合物(IX)を製
造する工程] 6−メチル−2−ピリジンエタノ−ル(97.2g),p−
フルオロベンゾニトリル(85.8g)及び無水テトラヒド
ロフラン(600mL)の混合物中に、氷冷下かき混ぜなが
ら60%油性水素化ナトリウム(29.0g)を少量ずつ加
え、さらに2時間かき混ぜた。反応液を氷水中に注ぎ、
エチルエ−テルで抽出した。エチルエ−テル層を水洗,
乾燥(MgSO4)後濃縮し、ヘキサンから結晶化すること
により、4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エトキ
シ]ベンゾニトリルを得た。収量85.9g (50.1
%)。 mp 66−67℃ 【0025】参考例2[化合物(VI)から化合物(VII)を製
造する工程] イ) 5−{4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エト
キシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオン(40
0mg)のジオキサン(60mL)溶液中に5%パラジウム炭
素(1.2g)を加え、常圧で6時間接触還元した。触媒を
ろ去し、ろ液を濃縮し、残留物を70%エタノ−ルから
再結晶することにより、5−{4−[2−(6−メチル−
2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チアゾリジ
ンジオンを結晶として得た。収量218mg(54.2%)。
mp 156−157℃ 元素分析値 C18H18N2O3Sとして 計算値 C,63.14; H,5.30; N,8.18 実測値 C,63.03; H,5.19; N,8.41 【0026】ロ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(1.0g)のジメチルホルムアミド溶液中にパラジ
ウム黒(0.2g)を加え、50℃,50kg/cm2で5時間
接触還元した。触媒をろ去し、ろ液を濃縮乾固した。残
留物を6規定塩酸に溶解し、重曹で中和することによ
り、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキ
シ]ベンジル}−2,4−チアゾリジンジオンを結晶とし
て得た。収量650mg(64.8%)。mp 173〜174
℃ 元素分析値 C19H20N2O3Sとして 計算値 C,64.02; H,5.66; N,7.86 実測値 C,63.73; H,5.65; N,7.84 【0027】ハ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(10g)をジオキサン(200mL)に溶解し、5%
パラジウム−炭素(5g)を加え、100℃加圧(50Kg/
cm2)下で2時間接触還元を行った。触媒をろ去し、ろ液
を約70mLに減圧濃縮した。析出した結晶をろ取し、5
0℃で真空乾燥し、粗結晶を7.2g得た。粗結晶を酢酸
−水から再結晶して5−{4−[2−(5−エトキシ−2
−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チアゾリジン
ジオンの結晶を、6.42g(63.8%)得た。 【0028】ニ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(10g)を酢酸(200mL)に溶解し、5%パラジ
ウム−炭素(50%湿体,20g)を加え、 55〜60
℃,加圧(45−50Kg/cm2)下で2時間接触還元を行っ
た。反応後触媒をろ去し、ろ液を約80mLに濃縮し、こ
れにアセトン400mLを加えた。析出した結晶をろ取
し、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキ
シ]ベンジル}−2,4−チアゾリジンジオンの結晶6.8
1g (67.7%)を得た。 【0029】ホ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(600g)のジメチルホルムアミド(1.2L)溶液
に5%パラジウム−炭素(600g)を加え、50〜55
℃,加圧(50Kg/cm2)下で約2時間接触還元を行なっ
た。触媒をろ去し、ろ液に水(8L)を加え、析出した結
晶をろ取し、水洗した。湿結晶をジオキサン(8.5L)か
ら再結晶することにより、5−{4−[2−(5−エチル
−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チアゾリ
ジンジオンを結晶として得た。 収量 380.9g (63.1%) 【0030】ヘ) ホ)と同様に反応して得た粗結晶を酢
酸−エタノールから再結晶して5−{4−[2−(5−エ
チル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チア
ゾリジンジオンの結晶を5.85g(58.2%)得た。
下作用を有するチアゾリジンジオン誘導体の新規中間体
に関する。 【0002】 【従来の技術】日本公開特許公報昭55−22636,
昭55−64586,Chemical & Pharmaceutical B
ulletin, 30巻,p3563(1982年),同誌,30巻,
p.3580(1982年),及び同誌,32巻,p2267
(1984年)には、血糖及び血中脂質低下作用を有する
種々のチアゾリジンジオン誘導体の製造方法が記載され
ている。これらに記載の方法はいずれもアニリン誘導体
をジアゾ化し、ついで銅触媒の存在下にアクリル酸エス
テルとを、いわゆる Meerwein arylation 法で縮合さ
せてハロエステルを製造した後、これにチオ尿素を反応
させてイミノチアゾリジンとし、さらにこれを加水分解
する工程を含むが、工程が長いうえ、Meerwein arylati
on 反応は時に激しい発熱と多量の窒素ガスの発生を伴
うため、工業的規模で本反応を行う場合には反応の制御
が困難で、かつ副反応のために収率も満足すべきもので
はなく、生成物の精製も容易でないという欠点がある。
また原料として過剰のアクリル酸エステルを用いるた
め、その悪臭対策や重金属を含む廃液処理の面でも工業
的に不利である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、血糖及び血
中脂質低下作用を有し、糖尿病及び高脂血症の治療剤と
して有用なチアゾリジンジオン誘導体の工業的に有利な
中間体を提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、一般式 【化3】 [式中、R1は水素または低級アルキル基を示し、R2
は酸素原子または 【化4】 を示す。ただし、R2が酸素原子であるとき、R1はエ
チル基を示す]で表わされる化合物に関するものであ
る。 【0005】本発明化合物は、以下に示すように、化合
物(I)を用いて、化合物(IV)または化合物(VI)として製
造される。また、化合物(IV)または化合物(VI)を合成中
間体として用いることにより、糖尿病及び高脂血症の治
療剤として有用なチアゾリジンジオン誘導体(VII)を製
造することができる。すなわち、一般式 【化5】 [式中、R1は水素または低級アルキル基を示す]で表わ
される化合物とハロゲン化剤またはスルホニルハライド
化合物とを反応させ、一般式 【化6】 [式中、R1は前記と同意義であり、Xはハロゲンまたは
アルキル−またはアリール−スルホニルオキシ基を示
す]で表わされる化合物に導びき、これに式 【化7】 で表わされる化合物を反応させて一般式 【化8】 [式中、R1は前記と同意義である]で表わされる化合物
を得、これに式 【化9】 で表わされる化合物を反応させて一般式 【化10】 [式中、R1は前記と同意義を示す]で表わされる化合物
を製造し、ついでこれを接触還元することにより、一般
式 【化11】[式中の記号は前記と同意義を示す]で表わされる化合物
を製造することができる。 【0006】上記一般式(XI),(I),(II),(IV),(VI)およ
び(VII)中、R1で示される低級アルキルとしては炭素数
1〜6の直鎖状または分枝状のアルキル基、例えばメチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,
sec−ブチル,t−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペ
ンチル,ヘキシルなどがあげられ、なかでも炭素数1〜
3のものが好ましく、特にエチルが好ましい。これらは
ピリジン環の任意の位置に置換していてもよい。一般式
(II)中、Xで示されるハロゲンとしては、たとえば塩
素,臭素,ヨウ素などが、アルキルスルホニルオキシ基と
しては、たとえばメチルスルホニルオキシ,エチルスル
ホニルオキシ,プロピルスルホニルオキシなどが、アリ
−ルスルホニルオキシ基としては、たとえばフェニルス
ルホニルオキシ,p−トリ−ルスルホニルオキシ等)など
があげられ、とりわけアリ−ルスルホニルオキシ基が好
ましい。 【0007】上記方法では、まず一般式(I)で表わされ
る化合物とハロゲン化剤またはスルホニルクロリド化合
物とを反応させることにより化合物(II)を製造する。ハ
ロゲン化剤としてはたとえば塩化チオニル,オキシ塩化
リン,三臭化リンなどが、スルホニルハライド化合物と
しては、たとえばメチルスルホニルクロリド,エチルス
ルホニルクロライド,プロピルスルホニルブロマイドな
どのアルキルスルホニルハライド、たとえばフェニルス
ルホニルクロライド,p−トリールスルホニルクロライ
ド,p−トリールスルホニルブロマイドなどのアリールス
ルホニルハライドがあげられる。なかでもアリールスル
ホニルハライドが好ましい。ハロゲン化剤を用いる場合
は通常たとえばジクロルメタン,ジクロロエタン,クロロ
ホルム,四塩化炭素,ベンゼン,トルエン,キシレン,ジメ
チルホルムアミドなどの溶媒中で行なわれる。反応温度
は通常−20℃〜80℃、好ましくは−10〜60℃で
ある。 【0008】スルホニルハライド類を用いる場合は通常
たとえばジクロルメタン,ジクロルエタン,クロロホル
ム,四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベ
ンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジ
エチルエーテル,ジブチルエーテル,ジイソブチルエーテ
ル,エチレングリコールジエチルエーテル,ジオキサン,
テトラヒドロフランなどのエーテル類の他水,酢酸エチ
ル,ジメチルホルムアミド及びこれらの混合溶媒中で行
なわれる。この反応は通常たとえば水酸化ナトリウム,
水酸化カリウム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウムなどの無
機塩基、トリエチルアミン,モルホリン,N−エチルピペ
リジンなどの有機塩基の存在下に行なわれる。またさら
にたとえばベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド,ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド,テトラ
ブチルアンモニウムブラマイド,セチルトリメチルアン
モニウムクロライドなどの相間移動触媒を存在させるこ
とにより目的とする反応を有利に進行せしめることがで
きる。スルホニルハライドの使用量は化合物(I)に対
し、通常1〜2倍モル、好ましくは1.0〜1.5倍モル
である。塩基の使用量は化合物(I)に対し、通常1〜3
倍モル、好ましくは1.5〜2.5倍モルである。相間移
動触媒を用いる場合、その使用量は化合物(I)に対し通
常0.1〜1.0倍モル、好ましくは0.2〜0.5倍モル
である。反応温度は通常−10〜50℃、好ましくは1
5〜30℃である。また反応時間は温度などの反応条件
によって異なるが、通常2時間以上、好ましくは3〜5
時間である。 【0009】化合物(II)と化合物(III)から化合物(IV)
を得る反応は通常適当な溶媒中、塩基の存在下に行なわ
れる。また反応系に相間移動触媒を存在させることによ
り、本反応を有利に進行させることができる。これらの
溶媒、塩基および相間移動触媒としては、いずれも前記
の化合物(I)とスルホニルハライド化合物との反応に用
いたものがあげられる。式(III)で示されるパラヒドロ
キシベンツアルデヒドの使用量は化合物(II)に対し通常
1〜3倍モル、好ましくは1〜1.5倍モルである。塩
基の使用量は化合物(II)に対し通常1〜3倍モル、好ま
しくは1.5〜2.5倍モルである。また、相間移動触媒
を用いる場合、その使用量は化合物(II)に対し、通常
0.1〜1.0倍モル、好ましくは0.2〜0.5倍モルで
ある。反応温度は通常20〜90℃、好ましくは50〜
65℃である。また反応温度は通常5時間以上、好まし
くは10〜20時間である。この反応は、化合物(I)と
スルホニルハライド化合物とを反応させることにより化
合物(II)を製造した場合には、化合物(II)を単離精製す
ることなく、単に化合物(II)を含む反応液に化合物(II
I)と塩基を添加することにより行なうことができ、工業
的に有利である。 【0010】化合物(IV)と化合物(V)から化合物(VI)を
製造する反応は通常適当な溶媒中で適当な塩基の存在下
に行なわれる。かかる溶媒−塩基の系としてはアルコー
ル類(例、メタノ−ル,エタノ−ル,プロパノ−ル,2−プ
ロパノ−ル,ブタノ−ル,イソブタノ−ル,2−メトキシ
エタノ−ルなど)、ジメチルホルムアミド,ジメチルスル
ホキシド,スルホラン,アセトニトリル,ジオキサン,ジメ
トキシエタン,酢酸などの溶媒と、アミン類(例、アンモ
ニア,メチルアミン,エチルアミン,n−ブチルアミン,ピ
ロリジン,ピペリジン,モルホリン,ピペラジン,ジエチル
アミン,ジイソプロピルアミン,トリエチルアミンな
ど)、ナトリウムアルコキシド(例、ナトリウムメトキシ
ド,ナトリウムエトキシド)、炭酸カリウム,炭酸ナトリ
ウム,水素化ナトリウム,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム
などの塩基のうちから適宜に選択された系が用いられ
る。化合物(V)は一般式(IV)の化合物1モルに対して通
常1〜4モル、好ましくは1〜2.5モルを用いる。塩
基の使用量は化合物(IV)1モルに対し0.05〜1.0モ
ル、好ましくは0.3〜0.5モルである。本縮合反応は
通常40℃〜還流温度、好ましくは60℃〜還流温度で
行なわれ、反応時間は通常0.5〜50時間である。 【0011】つぎに化合物(VI)を還元して化合物(VII)
を製造する。本反応は適宜の溶媒と触媒の存在下に接触
還元することにより行われる。かかる溶媒としては例え
ばメタノ−ル,エタノ−ル,プロパノ−ルなどのアルカノ
−ル類,ジオキサン,ジメトキシエタン,テトラヒドロフ
ランなどのエ−テル類,酢酸エチル,酢酸,ジメチルホル
ムアミド,N−メチルピロリドンあるいはこれらの混合
溶媒などが、触媒としてはパラジウム黒,パラジウム炭
素,パラジウム−硫酸バリウム,パラジウム−炭酸バリウ
ム,酸化白金,白金−炭素などがそれぞれ用いられる。反
応温度は通常0〜180℃、好ましくは50〜120℃
である。また本反応は常圧でも進行するが反応促進のた
めに150Kg/cm2以下、好ましくは30〜100Kg/c
m2の加圧下に行ってもよい。 【0012】このようにして得られるチアゾリジンジオ
ン誘導体(VII)は公知の分離精製手段により容易に単離
精製できるが、特にジオキサン,酢酸−アセトン,酢酸−
水,酢酸−エタノールで再結晶することにより、または
化合物(VII)を塩酸,硫酸,メタンスルホン酸,酢酸または
これらの水溶液に溶かした後、これに炭酸水素ナトリウ
ム,アンモニア水等を加えて中和し晶出させることによ
り、高品質の(VII)を得ることができる。また(VII)は塩
基との塩を形成するので、かかる塩の形で単離すること
もできる。形成し得る塩の例としては、例えばナトリウ
ム塩,カリウム塩,マグネシウム塩,アンモニウム塩,トリ
エチルアンモニウム塩,ピペリジニウム塩,モルホリニウ
ム塩,フェニルエチルアンモニウム塩などがあげられ
る。 【0013】前記した方法によって製造される化合物(V
II)またはその薬理学的に許容しうる塩は血糖低下作用
および脂質低下作用を示し、毒性が低く、そのままもし
くは自体公知の薬理学的に許容しうる担体と混合して人
を含む哺乳動物に対して糖尿病治療剤として用いること
ができる。本発明の原料化合物(I)はつぎの方法によっ
ても化合物(IV)に導びくことができる。 【化12】 [式中、R1は前記と同意義を示す] 【0014】まず、化合物(I)から化合物(IX)への反応
は、化合物(I)と化合物(VIII)とを例えば水素化ナトリ
ウムの存在下に縮合することにより行なわれる。本反応
はジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,テトラ
ヒドロフラン,ジメトキシエタン等の溶媒中で−10℃
〜30℃で行なうことができる。ついで化合物(IX)から
(IV)への反応は(IX)をギ酸水溶液中ラネ−ニッケル合金
と加熱することにより行なわれる。 【0015】 【発明の効果】本発明化合物を合成中間体として用いれ
ば、公知の方法に比べ、工程数が少なく、また収率よく
化合物(VII)を製造することができる。この際、中間工
程において悪臭を有するアクリル酸エステルや廃液処理
が困難な重金属化合物を用いる必要がなく、工業的に実
施するのが困難な meerwein 反応を避けることができる
ので、本発明化合物は工業的に極めて有利な中間体であ
る。 【0016】 【発明の実施の形態】 【実施例】 実施例1[化合物(I)から化合物(II)を経て化合物(IV)
を製造する工程] イ) 水(30mL)に水酸化ナトリウム(5g)を溶かし、こ
れにメチレンクロリド(100mL),5−エチル−2−ピ
リジンエタノ−ル(15g),ベンジルトリブチルアンモ
ニウムクロライド(50%水溶液6g),p−トルエンスル
ホニルクロリド(23g)を加え、室温で2時間かき混ぜ
た。反応液にp−ヒドロキシベンズアルデヒド(12g),
水(100mL)及び水酸化ナトリウム(8g)を加えて40
〜50℃で12時間かき混ぜた。反応液を分液し塩化メ
チレン層を乾燥(MgSO4)後濃縮し、油状物の粗4−
[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンズアル
デヒド28.6gを得た。粗4−[2−(5−エチル−2−
ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒドをシリカゲルクロ
マトグラフィ−で精製し、油状の4−[2−(5−エチル
−2−ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒド15.8g
(62%)を得た。 NMR(CDCl3) δ 1.15(t,3H),2.6(q,2H),3.2(t,2H),4.4(t,2H),6.89
〜8.35(m,7H),9.88(s,1H) 【0017】ロ) 5−エチル−2−ピリジンエタノー
ル(6.0Kg)およびベンジルトリブチルアンモニウムク
ロリド(50%水溶液6.2Kg),1,2−ジクロロエタン
(30L),p−トルエンスルホニルクロリド(9.2Kg)の
混合液に8N水酸化ナトリウム水溶液(10L)を25℃
以下で滴下した。22±3℃で4時間かき混ぜた後、p
−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.9Kg)と3N水酸化
ナトリウム水溶液(16L)を加え、57±3℃で15時
間かき混ぜた。冷後反応液に水(70L)を加えて分液
し、水層は1,2−ジクロロエタン(20L)で抽出した。
有機層を合わせ、0.1N水酸化ナトリウム水溶液(30
L)で3回洗浄し、ついで水(30L)で3回洗浄した。有
機層を45℃以下で減圧濃縮し、油状の4−[2−(5−
エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒドを得
た。HPLCで定量し、4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンズアルデヒドが5.98Kg(59.
0%)含まれていることを確認した。 【0018】ハ) 相間移動触媒としてベンジルトリエ
チルアンモニウムクロリドを用いイ)と同様に反応を行
ない油状の4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エト
キシ]ベンズアルデヒドを8.3g(32.5%)を得た。 ニ) 有機溶媒として四塩化炭素を用い、ロ)と同様に反
応を行ない(ただし、5−エチル−2−ピリジンエタノ
ールの仕込量は30g),4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル]エトキシ]ベンズアルデヒドが理論量の55.3
%生成していることをHPLCで確認した。 【0019】実施例2[化合物(IV)から化合物(VI)を製
造する工程] イ) 4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エトキシ]
ベンズアルデヒド(1.21g),2,4−チアゾリジンジ
オン(0.59g),エタノ−ル(50mL),及びピペリジン
(0.33g)の混合物を16時間加熱還流した。反応液を
氷水中に注ぎ、酢酸酸性として析出する結晶をろ取する
ことにより5−{4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)
エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオン
を得た。収量1.34g(78.5%)。メタノ−ルから再
結晶し、淡黄色プリズム晶を得た。mp 180.5−18
2℃ 元素分析値 C18H16N2O3Sとして 計算値 C,63.51; H,4.74; N,8.23 実測値 C,63.40; H,4.84; N,8.30 【0020】ロ) 4−[2−(5−エチル−2−ピリジ
ル)エトキシ]ベンズアルデヒド(2.40g),2,4−チ
アゾリジンジオン(1.66g),エタノ−ル(40mL),及
びピペリジン(0.2mL)の混合物を8時間加熱還流し
た。析出した結晶を酢酸エチルから再結晶し、5−{4
−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジリ
デン}−2,4−チアゾリジンジオンの無色結晶を2.1
4g(64%)得た。 mp 165.5〜167℃ 元素分析値 C19H18N2O3Sとして 計算値 C,64.39; H,5.12; N,7.90 実測値 C,64.29; H,5.19; N,7.64 【0021】ハ) 4−[2−(5−エチル−2−ピリジ
ル)エトキシ]ベンズアルデヒド(5.56Kg)および2,4
−チアゾリジンジオン(6.7Kg),ピペリジン(1.4
L),エタノール(80L)の混合物を5時間加熱還流し
た。徐冷して析出した結晶をろ取し、エタノール(20
L)で洗浄後乾燥した。得られた粗結晶を1,2−ジクロ
ロエタン(120L)から再結晶した。結晶をろ取し、1,
2−ジクロロエタン (15L)で洗浄後、約50℃で真空
乾燥し、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エ
トキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオンの
結晶4.87Kg(63.1%)を得た。 【0022】ニ) 4−[2−(5−エチル−2−ピリジ
ル)エトキシ]ベンズアルデヒド(27g),エタノール(3
00mL),2,4−チアゾリジンジオン(33g)及び濃ア
ンモニア水(14mL)の混合物を5時間加熱還流した。析
出した結晶を分離し、1,2−ジクロロエタンから再結
晶して5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エト
キシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオンの結
晶21.6g(57.6%)を得た。 【0023】実施例3[化合物(IX)から化合物(IV)を製
造する工程] 4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンゾ
ニトリル(9.62g),ラネ−ニッケル合金(10.0
g)及び75%ギ酸(150mL)の混合物を1時間加熱還流
した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮した。残留物に水を
加え、4N−KOHでアルカリ性とした後エチルエ−テ
ルで抽出した。エチルエ−テル層を水洗,乾燥(MgSO
4)後溶媒を留去し、残留物をエチルエ−テル−ヘキサン
から再結晶することにより4−[2−(6−メチル−2−
ピリジル)エトキシ]ベンズアルデヒドを得た。収量6.
20g(63.6%)。mp 53−55℃ 【0024】参考例1[化合物(I)から化合物(IX)を製
造する工程] 6−メチル−2−ピリジンエタノ−ル(97.2g),p−
フルオロベンゾニトリル(85.8g)及び無水テトラヒド
ロフラン(600mL)の混合物中に、氷冷下かき混ぜなが
ら60%油性水素化ナトリウム(29.0g)を少量ずつ加
え、さらに2時間かき混ぜた。反応液を氷水中に注ぎ、
エチルエ−テルで抽出した。エチルエ−テル層を水洗,
乾燥(MgSO4)後濃縮し、ヘキサンから結晶化すること
により、4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エトキ
シ]ベンゾニトリルを得た。収量85.9g (50.1
%)。 mp 66−67℃ 【0025】参考例2[化合物(VI)から化合物(VII)を製
造する工程] イ) 5−{4−[2−(6−メチル−2−ピリジル)エト
キシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジンジオン(40
0mg)のジオキサン(60mL)溶液中に5%パラジウム炭
素(1.2g)を加え、常圧で6時間接触還元した。触媒を
ろ去し、ろ液を濃縮し、残留物を70%エタノ−ルから
再結晶することにより、5−{4−[2−(6−メチル−
2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チアゾリジ
ンジオンを結晶として得た。収量218mg(54.2%)。
mp 156−157℃ 元素分析値 C18H18N2O3Sとして 計算値 C,63.14; H,5.30; N,8.18 実測値 C,63.03; H,5.19; N,8.41 【0026】ロ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(1.0g)のジメチルホルムアミド溶液中にパラジ
ウム黒(0.2g)を加え、50℃,50kg/cm2で5時間
接触還元した。触媒をろ去し、ろ液を濃縮乾固した。残
留物を6規定塩酸に溶解し、重曹で中和することによ
り、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキ
シ]ベンジル}−2,4−チアゾリジンジオンを結晶とし
て得た。収量650mg(64.8%)。mp 173〜174
℃ 元素分析値 C19H20N2O3Sとして 計算値 C,64.02; H,5.66; N,7.86 実測値 C,63.73; H,5.65; N,7.84 【0027】ハ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(10g)をジオキサン(200mL)に溶解し、5%
パラジウム−炭素(5g)を加え、100℃加圧(50Kg/
cm2)下で2時間接触還元を行った。触媒をろ去し、ろ液
を約70mLに減圧濃縮した。析出した結晶をろ取し、5
0℃で真空乾燥し、粗結晶を7.2g得た。粗結晶を酢酸
−水から再結晶して5−{4−[2−(5−エトキシ−2
−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チアゾリジン
ジオンの結晶を、6.42g(63.8%)得た。 【0028】ニ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(10g)を酢酸(200mL)に溶解し、5%パラジ
ウム−炭素(50%湿体,20g)を加え、 55〜60
℃,加圧(45−50Kg/cm2)下で2時間接触還元を行っ
た。反応後触媒をろ去し、ろ液を約80mLに濃縮し、こ
れにアセトン400mLを加えた。析出した結晶をろ取
し、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキ
シ]ベンジル}−2,4−チアゾリジンジオンの結晶6.8
1g (67.7%)を得た。 【0029】ホ) 5−{4−[2−(5−エチル−2−ピ
リジル)エトキシ]ベンジリデン}−2,4−チアゾリジン
ジオン(600g)のジメチルホルムアミド(1.2L)溶液
に5%パラジウム−炭素(600g)を加え、50〜55
℃,加圧(50Kg/cm2)下で約2時間接触還元を行なっ
た。触媒をろ去し、ろ液に水(8L)を加え、析出した結
晶をろ取し、水洗した。湿結晶をジオキサン(8.5L)か
ら再結晶することにより、5−{4−[2−(5−エチル
−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チアゾリ
ジンジオンを結晶として得た。 収量 380.9g (63.1%) 【0030】ヘ) ホ)と同様に反応して得た粗結晶を酢
酸−エタノールから再結晶して5−{4−[2−(5−エ
チル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2,4−チア
ゾリジンジオンの結晶を5.85g(58.2%)得た。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特公 平5−66956(JP,B2)
CHEM.PHARM.BULL.30
(10)3601−3616(1982)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一般式 【化1】 [式中、R1は水素または低級アルキル基を示し、R2
は酸素原子または 【化2】 を示す。ただし、R2が酸素原子であるとき、R1はエ
チル基を示す]で表わされる化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8226805A JP2716034B2 (ja) | 1986-07-24 | 1996-08-28 | チアゾリジンジオン誘導体の中間体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17427886 | 1986-07-24 | ||
JP61-174278 | 1986-07-24 | ||
JP8226805A JP2716034B2 (ja) | 1986-07-24 | 1996-08-28 | チアゾリジンジオン誘導体の中間体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62184859A Division JP2611244B2 (ja) | 1986-07-24 | 1987-07-23 | チアゾリジンジオン誘導体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09118678A JPH09118678A (ja) | 1997-05-06 |
JP2716034B2 true JP2716034B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=26495953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8226805A Expired - Lifetime JP2716034B2 (ja) | 1986-07-24 | 1996-08-28 | チアゾリジンジオン誘導体の中間体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2716034B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2470075A1 (en) * | 2001-12-20 | 2003-07-03 | Teva Pharmaceutical Industries Ltd. | Hydrogenation of precursors to thiazolidinedione antihyperglycemics |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP8226805A patent/JP2716034B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
CHEM.PHARM.BULL.30(10)3601−3616(1982) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09118678A (ja) | 1997-05-06 |
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