JP2714866C - - Google Patents

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JP2714866C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,包装材料に適したポリエステル積層体に関し,さらに詳細には,食
品等の包装材料として用いた場合,ヒートシール性が良好で,内容物殺菌のため
の熱処理(レトルト処理)に耐えると共にヒートシール強度が保たれ,しかも食
品の芳香性が失われることのないポリエステル積層体に関するものである。 〔従来の技術〕 食品や薬品等の包装材料として,プラスチックス,紙,ガラス,金属等が用い
られている。とりわけ,プラスチックス素材の包装材料への需要の伸びには目を
見張るものがある。プラスチックス素材のなかで食品の包装にはポリエチレン,
ポリプロピレン等のポリオレフィン素材のものや,ポリエチレンテレフタレート
(以下,PETと記す)素材のものが主に用いられている。 PET素材の包装材料は,衛生的で機械的特性に優れているので,内容物を十
分に保護することができる。また,食品の持つ芳香成分を吸着しにくいので,内
容物の香りを保つことができる。さらに,PETは延伸,熱固定処理することに
より強度,耐熱性をより優れたものとすることができる。 しかしながら,延伸や熱固定したPETは,ヒートシールしにくいので,ヒー
トシールをするためにはヒートシール層を設ける必要があった。このヒートシー
ル層には,ポリオレフィンを主体とした素材や一部共重合ポリエステル素材が用
いられていた。しかし,これらの素材は耐熱性に乏しくてレトルト処理に十分耐 えることができず,また,芳香成分を吸着しやすく,特に,耐熱性と風味の保持
が要求されるレトルト食品の包装材料としては不向きであった。 (発明が解決しようとする課題) そこで,本発明の課題は,食品等の包装材料として好適なポリエステル積層体
の提供にある。すなわち,機械的特性に優れているのは言うまでもなく,ヒート
シール性が良好で,特に,ヒートシール層とPET素材とのヒートシール性が良
好で,レトルト処理に耐えると共にヒートシール強度が保たれ,しかも内容物の
芳香性が失われることがないポリエステル積層体の提供にある。 (課題を解決するための手段) 本発明者等は前記課題について種々検討した結果,薄葉状のPET基材上に後
述するような特定の共重合ポリエステルの層を設けてやると,上記課題を解決す
ることができるという知見を得,本発明に到達した。 本発明の要旨は次に述べる通りである。 テレフタル酸を55〜65モル%含むジカルボン酸とエチレングリコールを1
0〜100モル%含むグリコールとから得られ,溶融温度が125℃以上,ガラ
ス転移温度が40℃以下,結晶融解熱が0.3〜3.5cal/g,溶解度指数
が9.8以上である共重合ポリエステルの層を,薄葉状のPET基材上に設けた
ポリエステル積層体。 以下,本発明を詳細に説明する。 溶融温度(Tm)が125℃以上,ガラス転移温度(Tg)が40℃以下,結
晶融解熱が0.3〜3.5cal/g以下,溶解度指数(SP)が9.8 以上
である共重合ポリエステルの層を,薄葉状のPET基材上に設ける訳は,次に述
べる通りである。 耐熱性においては,共重合ポリエステルのTmが,少なくともレトルト処理温
度よりも高いことが必要であり,通常のレトルト処理温度を考慮すると125℃
以上としなくてはならない。また,ヒートシール性は熱活性の点からTgは低い
方がよく40℃以下,好ましくは30〜−25℃とするのがよい。 また,耐熱性を持たせるために結晶性は必須の要件であり,結晶性の目安とし
ては走査型熱量計(DSC)における結晶融解熱の吸熱エネルギーを0.3〜3 .5 cal/gとする。3.5cal/gより大きいとレトルト時の結晶化によ
り,レトルト処理後の接着力が著しく低下する。 なお,TmはDSCを用い,試料10mg,昇温速度20℃/minで測定し
た時の結晶融解時の吸熱エネルギーの最大点とした。また,Tgは同様の条件で
測定した時の吸熱ピークの立ち上がり点とした。 さらに,本発明者等は,内容物の芳香性を保つために芳香成分の吸着性につい
て種々検討した結果,第1図に示す様な結果が得られ,ポリエステルのSP値と
芳香成分の吸着量との間には相関があることが分かった。 すなわち,芳香成分としてミカン果皮様の快香性のあるリモネンを用いた場合
,SPが9.8未満ではリモネン吸着量が急激に多量となる。したがってSPを
9.8以上とする必要がある。なお,SP値は次のような関係式を用いて算出し
た。 SP2=1.44×(ΣU/ΣV) (但し,Uはポリマーを形成する基の凝集エネルギー,Vはポリマーを形成する
基の分子容) また,前記リモネン吸着量は厚さ25μmの2軸延伸PETフィルム上に,厚
さ50μmの共重合ポリエステル層をコートし,コート面とコート面を合わせ端
部をヒートシールして袋を作成し,該袋の中にリモネンを含む飲料水を充填し,
充填口をヒートシールし,これを25℃で170時間放置した後,共重合ポリエ
ステル層に吸着したリモネンを酢酸エチルで抽出し,ガスクロマトグラフで測定
した。 このように薄葉状のPET基材上に設ける共重合ポリエステル層において,共
重合ポリエステルはヒートシール性の点からみるとTm,Tg,及び結晶化度は
低いものであることが好ましい。一方,耐熱性の点からみるとTm及び結晶化度
は高いものであることが好ましい。しかし,結晶化度が高すぎるとレトルト処理
後に接着力が著しく低下する。また,芳香成分の非吸着性からみればSP値は高
い方が好ましいが,高いSP値を持つポリエステルでは凝集エネルギーが高くな
り,Tgも高くなってヒートシール性の点で好ましくない。したがって,前記の
ような相反する特性を選択して,ヒートシール性,耐熱性,レトルト処理後の接 着力,芳香成分の非吸着性が満足できるものを得なくてはならない。そのために
は,共重合ポリエステルの構成成分を,テレフタル酸を55〜65モル%含むジ
カルボン酸とし,エチレングリコールを10〜100モル%含むグリコールとし
て得られたものを用いる。 上記のような特性を有する共重合ポリエステルを構成する酸成分としては,テ
レフタル酸,フタル酸,イソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カル
ボン酸,こはく酸,グルタル酸,アジピン酸,セバシン酸等の脂肪族カルボン酸
が挙げられ,アルコール成分としてはエチレングリコール,1,2−プロパンジ
オール,1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール,1,5−ペンタ
ンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,ポリエチレン
グリコール,シクロヘキサンジメタノール等のジオール類が挙げられる。また,
パラオキシ安息香酸,γ−ブチロラクトン,ε−カプロラクトン等のオキシ酸が
挙げられる。なお,前記の特性値を逸脱しない範囲であれば前記以外の共重合成
分を用いることができる。 前記のような特性を有する共重合ポリエステルは常法により,直接エステル化
反応後,あるいはエステル交換反応後,縮重合反応を経て得ることができる。そ
してポリマーの強力を発現させるためには,分子量の目安として,極限粘度(I
V)を0.5以上とすることが好ましい。ここでIVはフェノール/テトラクロ
ルエタン=6/4(重量比)の混合溶媒中,20℃で測定してもとめる。 本発明の積層体は次のようにして作成することができる。 後述するような薄葉状のPET基材上に前記特性を有する共重合ポリエステル
を溶剤に溶解して,あるいは溶融してロールを介してコートするロールコーティ
ング法(溶液コーティング法,ドライラミネート法),溶融物をスリットノズル
から押し出してコートする押出ラミネート法,あるいは基材層をなす樹脂とコー
ティング層をなす樹脂とを共押し出しして得る共押出法等があり,使用用途に応
じた方法を選ぶことができる。 共重合ポリエステル層の厚みは必要に応じ任意に選択すればよいが,ヒートシ
ール性やシール部の接合強度を保つために2〜70μmが適当である。 共重合ポリエステル層をコートする薄葉状PET基材はPETフィルムやPE Tシート等であるが,該層に防湿性,ガスバリアー性,印刷適性その他の特性を
加味するために,共重合ポリエステル層と反対側の基材層上に金属,紙,その他
の樹脂を積層してもよい。なお,本発明は薄葉状基材としてPET素材を対象と
して開発したものであるが,共重合ポリエステル層を金属,紙,その他の樹脂の
上に直接コートしても,接着性を初めとする前記したような特性に優れた積層体
が得られる。 上記のような構成よりなる積層体を包装材料として利用するに当たり,ヒート
シールして袋として用いてもよい。また,各種容器としたり,あるいは容器の蓋
等として用いてもよく,このようにして利用するとき,共重合ポリエステル層を
接着層とするとヒートシール性を初めとする前記特性に優れたものとなる。 また,本発明の積層体における共重合ポリエステル層は,PETに対してヒー
トシール性が良いので他のPET素材からなる包装材料と組み合わせて用いるこ
とができる。例えば他のPETよりなる容器の蓋として用いる際,PET容器の
端部と共重合ポリエステル層との合わせ部をヒートシールするとヒートシール性
のよいものが得られる。このようなPET素材としては,未結晶PET,結晶化
PET,延伸配向した(さらには熱固定した)PETよりなるものでもよく,さ
らに,前記と同様に金属,紙,その他の樹脂を積層したものでもよい。また,金
属,紙,その他の樹脂に直接接合してもよい。 (実施例) 以下,本発明を実施例及び比較例により説明する。 実施例1〜3,比較例1〜4 酸成分としてテレフタル酸,イソフタル酸を用い,アルコール成分としてエチ
レングリコール,1,4−ブタンジオールを用い,通常のエステル化反応及び縮
重合反応を経て共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルを分析
したところ,その成分組成はテレフタル酸/イソフタル酸=58/42(モル比
),エチレングリコール/1,4−ブタンジオール=10/90(モル比)であ
った。また,IV=0.89,Tg=27℃,Tm=132℃,結晶融解熱=1
.7cal/g,SP値=9.95であった。 この共重合ポリエステルをクロロホルムに溶解して20重量%の溶液とし,該 液を厚さ25μmの二軸延伸PETフィルム上にバーコーターで塗布し乾燥して
積層体を得た。積層体のコート層の膜厚は50μmであった。コート面とPET
材を合わせ180℃,1kg/cm2で1秒間圧着した。なお,PET材として
厚さ700μmの未結晶PETシート(N−PET)と厚さ700μmの結晶化
PETシート(C−PET)を用いた。これを15mm幅の短冊状に切出し,2
0℃の雰囲気で300mm/minの速度,180度の角度で引張試験機により
剥離強度を測定したところN−PETでは2.1kg,C−PETでは2.0k
gであった。 次に同様にして得た試料を,さらにオートクレーブ中で120℃の熱水で30分
レトルト処理をおこなった。剥離強度はN−PETでは1.5kg,C−PET
では1.2kgであった。 別に,コート面とコート面を合わせ端部をヒートシールし,10cm×10c
mの袋を作成した。その中にリモネンを含む飲料水を充填して,25℃で170
時間放置した。コート層に吸着したリモネンを酢酸エチルで抽出し,ガスクロマ
トグラフで定量した。その結果6mg/gであった。これは上記PETフィルム
上にポリエチレンをコートして同様にして求めた値34mg/gに比べて大変低
い値であった。さらに,共重合ポリエステルの成分組成を変え,同様にして得た
結果を,実施例2〜3,比較例1〜4として併せて第1表に示す。 (発明の効果) 本発明のポリエステル積層体は,特に食品の包装に用いた場合,ヒートシール
性が良好で,レトルト処理に耐えると共にヒートシール強度が保たれ,しかも内
容物の芳香性が失われることがない。 また,当然のことながら,本発明のポリエステル積層体は,食品以外の包装材
料,例えば薬品等の包装材料として利用しても,強度,ヒートシール性,ヒート
シール強度等優れた特性を有する。
【図面の簡単な説明】 第1図はSP値とリモネン吸着量の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) テレフタル酸を55〜65モル%含むジカルボン酸とエチレングリコール
    を10〜100モル%含むグリコールとから得られ,溶融温度が125℃以上,
    ガラス転移温度が40℃以下,結晶融解熱が0.3〜3.5cal/g,溶解度
    指数が9.8以上である共重合ポリエステルの層を,薄葉状のポリエチレンテレ
    フタレート基材上に設けたポリエステル積層体。

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