JP2714801B2 - 壁パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えばプレハブ住宅における外壁部の骨
組として使用される壁フレームを用いた壁パネルに関す
るものである。

従来の技術 第３図は、壁フレームを用いた外壁パネルの構造を示
している。図において（１）は、夫々、左右一対の柱材
（２）（２）と、両柱材（２）（２）間に設けた横桟
（３）（３）及び斜材（４）（４）からなる一対の柱体
であり、この柱体（１）（１）の上端部間に、普通溝形
後の梁（５）を、そのフランジが上下平行となるように
取り付けて、金属フレーム（６）を構成している。
（７）は、前記柱体（１）（１）間に内装される木フレ
ームであり、垂直な木スタッド材（８）（８）及びこの
木スタッド材（８）（８）の上端部に取り付けた横材
（９）等からなる。（10）は、上記金属フレーム（６）
と木フレーム（７）からなる壁フレームの外側に取り付
けられる外壁側の表面材、（11）は、同じく内側に取り
付けられる内壁用の表面材を示している。これらの表面
材（10）（11）が、夫々、金属フレーム（６）及び木フ
レーム（７）へビス若しくは釘によって固定される。

第４図は、上記木フレーム（７）の金属フレーム
（６）への取付け構造を示すもので、従来においては、
木フレーム（７）上端における横材（９）を梁（５）の
下側のフランジ（12）下面へ当接し、これら横材（９）
及びフランジ（12）に形成したボルト穴（14）（14）
へ、下方よりボルト（15）を挿入し込んで締付け固定す
るようにしている。

発明が解決しようとする課題 上記梁（５）は、壁フレームの一部を構成するととも
に、２階の床パネル等を支持するためのフレームとなる
ものであり、例えば、前記下側のフフランジ（12）に形
成した別のボルト穴（16）へ、そのような床パネル等の
他部材をボルトで固定するようにしている。しかしなが
ら、第４図のような従来の構造においては、木フレーム
（７）の横材（９）がフランジ（12）下面に密着して固
定されており、そのため、床パネル等を取り付けるため
のボルト穴（16）が横材（９）によて塞がれてしまうと
いう欠点があった。

そのため、従来においては、前記横材（９）にも、前
記他部材取付け用ボルト穴（16）に対応して、多数のボ
ルト穴を明けて置く必要があり、そのようにすると、ボ
ルト穴の加工工数が増大し、また、上記ボルト（16）へ
挿し込まれるボルトも螺子部の長いものを使用しなけれ
ばならず、コスト的に高くなるという欠点がある。

また、横材（９）にそのようなボルト穴を形成した場
合、他部材の接合は梁（５）の下部フランジ（12）と横
材（９）を挟んで上下から締付け作業を行なうことにな
るが、そのためには、横材（９）の下側にそのようなボ
ルト締付け作業用の空間を設けておかなければならない
ため、前記方面材（11）によって梁（５）の下方向部を
密閉状に塞ぐことができず、断熱性及び気密性が悪くな
るという欠点がある。

更に、上記のように横材（９）を梁（５）へ密着させ
ると、パネル内の空間部を換気通路として使用する場
合、それら梁（５）及び横材（９）にそのような換気用
の通孔を形成しなければならず、特に横材（９）の孔加
工がそれだけ増大することになる。この場合、梁（５）
側にかかる通孔を形成し、横材（９）をその通孔を塞が
ないだけの小さな幅に形成することが考えられるが、し
かし、その幅は非常に小さなものにしなければならず、
梁（５）側へ接合するためのボルト穴（14）の加工が困
難となる不都合がある。

この発明は、かかる従来の欠点を解消して、梁の他部
材接合用のボルト穴を塞ぐことがなく、合わせてパネル
内を換気通路として用いた場合でも、横材にそのような
通気孔を形成する必要のない壁パネルの構造を提供する
ものである。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するため、この発明では、上端部に
梁（５）を備えた金属フレーム（６）と、この金属フレ
ーム（６）へ取り付けられる木フレーム（７）とからな
る壁フレーム表裏両面へ表面材（10）（11）を固定して
なる壁パネルにおいて、前記梁（５）下面に、同じく梁
（５）下面に開口する他部材との接合用ボルト孔（21）
を塞がないようにして複数の間座（22）を長手方向に配
置するとともに、この間座（22）の下面に木フレーム
（７）の横材（９）を当接して前記梁（５）へ固定し、
その横材（９）の梁（５）横断方向の幅を前記表面材
（10）（11）間の空間の幅よりも小幅として、前記方面
材（10）との間に隙間（35）を形成したことを特徴とす
る壁パネルが提供される。

作用 上記この発明によれば、梁（５）へ固定される木フレ
ーム横材（９）とその梁（５）下面との間に空間が形成
されるので、この梁（５）に形成した他部材との接合用
ボルト穴（21）を塞ぐことがない。

また、横材（９）と表面材（10）との隙間（35）か
ら、その横材（９）と梁（５）との空間部を通って、梁
（５）の通気孔（36）から上方へ抜ける換気通路を形成
することが可能となる。

実 施 例 この発明の実施例を示す第１図において、従来と同じ
く普通溝形鋼からなる梁（５）には、その下側のフラン
ジ（12）に横材（９）を接合させるためのボルト穴（1
4）と、床パネルその他の部材を固定するための他部材
接合用のボルト穴（21）とが形成されている。（22）は
この発明の間座であり、この間座（22）は木片からなる
が、この間座（22）及び横材（９）には、前記ボルト穴
（14）に対応するボルト穴（23）が形成されており、こ
のボルト穴（23）と梁（５）のボルト穴（11）へ、下側
からボルト（15）を挿し込んで、他部材接合用のボルト
穴（21）（21）を塞がないように、梁（５）へ固定され
るようになっている。

この第１図で示すように、横材（９）は、梁（５）の
フランジ（12）、間座（22）及び垂直スタッド材（８）
よりも、梁（５）横断方向の幅が小幅とされており（即
ち表面材（10）（11）間の空間の幅よりも小幅）、これ
によって、外壁側の表面板（10）との間に隙間を形成す
るようにしている。

第２図は、この発明の壁パネル（24）の取付け状態を
示している。壁パネル（24）は、基礎（25）上に立設さ
れるとともに、その上に２階の壁パネル（26）が載置し
て取り付けられている。１階の壁パネル（24）における
梁（５）には、床受金具（27）が、その梁（５）のフラ
ンジ（12）へ固定されている。この床受金具（27）の固
定は、例えば下側フランジ（12）に形成した他部材接合
用のボルト穴（21）を利用して固定されるものである。
床受金具（27）の側面に固着したＬ形の受具（28）上
に、床パネル（29）のフレーム（30）が載置して固定さ
れている。図中（31）は１階の天井板、（32）は１階の
床パネルである。１階の壁パネル（24）における金属フ
レーム下弦材（33）には、換気孔（34）が形成されてお
り、床下からの換気がこの換気孔（34）からパネル（2
4）内に入り、更に前記横材（９）と外壁側の表面材（1
0）との隙間（35）から、横材（９）と梁（５）との間
の空間を通って、同じく梁（５）の下部フランジ（12）
に形成した通気孔（36）から、上部フランジの通気孔
（37）を通って上方に抜けるようになっている。この実
施例では、横材（９）と、外壁側の表面板（10）と間に
隙間（３）を形成しているが、逆に内側の表面板（11）
との間に隙間を形成してもよい。

発明の効果 以上のように、この発明によれば、梁に形成した他部
材接合用のボルト孔がその横材によって塞がれることが
ないで、他部材を接合するためのボルト穴を横材にも形
成する必要がなく、ボルトの加工工数が減少するととも
に、その他部材接合用のボルトの螺子長さも短いもので
済むという効果がある。また、そのような接合の際、横
材の下側でボルト締め作業等を行なう必要がないので、
横材の下方部をパネルによって完全に塞ぐことができ、
気密性及び断熱性が良好となる。更に、前記横材と表面
板との間に隙間が形成されるので、パネル内を換気通路
とする場合に、その横材に通気孔を形成する必要がない
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の横材の取付け構造を示す要部の分
解斜視図、第２図は、この発明の壁パネルの取付け構造
を示す縦断面図、第３図は、壁パネルの分解斜視図、第
４図は、横材の従来の取付け構造を示す要部の分解斜視
図である。 （５）……梁、（６）……金属フレーム、 （７）……木フレーム、（９）……横材、 （10）（11）……表面材、（12）……フランジ、 （35）……隙間。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上端部に梁を備えた金属フレームと、この
   金属フレームへ取り付けられる木フレームとからなる壁
   フレーム表裏両面へ表面材を固定してなる壁パネルにお
   いて、前記梁下面に、同じく梁下面に開口する他部材と
   の接合用ボルト孔を塞がないようにして複数の間座を長
   手方向に配置するとともに、この間座の下面に木フレー
   ムの横材を当接して前記梁へ固定し、その横材の梁横断
   方向の幅を前記表面材間の空間の幅よりも小幅として、
   前記表面材との間に隙間を形成したことを特徴とする壁
   パネル。