JP2714443B2 - 更新データの有効性表示方法およびプロセス運転監視装置 - Google Patents

更新データの有効性表示方法およびプロセス運転監視装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、更新データの有効性表示方法に係り、特
に、プロセスの運転監視を目的とした、ディジタル計装
システムまたは計算制御システムにおいて表示された計
測値が、正しく更新されたか否かをオペレータが容易に
判断するのに好適な更新データの有効性表示方法および
プロセス運転監視装置に関する。
[従来の技術] ディジタル計装システムまたは計算制御システムにお
いては、プロセスの流量・圧力・温度、位置等の計測
値、およびこれらの上下限、変化率等の警報情報、バル
ブ、モータ等のオン・オフ状態等の情報を、プロセス入
出力装置(以下PI/Oと略す)あるいは分散されたプロセ
ス制御装置(以下コントローラと呼ぶ)より入力し、マ
イクロプロセッサにてこれらの情報を加工し、CRT(Cat
hode Ray Tube)等の図形表示装置に表示する機能を有
する。表示する情報のうち多くは、プロセスの現状を反
映するものである。したがって、これらの情報は、常に
最新の情報でなければならず、そのために、周期的に収
集、表示されることになる。すなわち、上記情報は、常
に周期的に更新されねばならず、周期的に更新されてい
ない場合には、異常データとする必要がある。
周期的に更新されなくなる原因としては、ディジタル
計装システム・計算制御システム内の構成要素の異常が
ある。このようなシステム内の異常は、システム内の診
断機能・自己診断機能によって検知され、上記図形表示
装置に警報として表示されるのが通常である。
なお、この種の技術に関連する装置としては、特開昭
63−65510号に開示のものが挙げられる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの警報表示は、システムの構成
要素のどこが異常になったかを示すものであって、表示
されている計測値、状態等との関係は必ずしも明瞭では
なく、発生したシステム構成要素の異常によって、現在
監視している計測値・状態等が有効か否かの判断は必ず
しも容易でない。特に、プロセスの運転監視を行なうオ
ペレータにとっては、運転監視装置内のシステム構成
は、ブラックボックスである場合が多いのでなおさらで
ある。
また一般に、周期的に更新される計測情報は、オペレ
ータの監視に供するために、CRT等の表示画面上にグラ
フ(および数値)で表示されるが、そのグラフ等に何ら
変化がない場合には、同一のデータが連続して更新され
ているのか、あるいは何らかの異常により更新が停止さ
れた状態となっているのか判然としない場合がある。本
発明の目的は、プロセス運転監視装置の構成要素の故障
と、図形表示装置に表示されているプロセスの計測値・
状態表示との間の関係を明確にし、更新データの有効性
をオペレータにわかりやすい形で提示する方法および装
置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明による更新データ
の有効性表示方法は、周期的に更新される計測情報をグ
ラフまたは数値として表示画面上に表示する表示方法に
おいて、上記表示画面上に各計測情報の有効性を表示す
る有効性表示領域を設け、各計測情報が有効に更新され
ているか否かを継続的に判定し、有効に更新されている
計測情報については、当該有効性表示領域内において時
間とともに表示を変化させるようにしたものである。
上記更新データの有効性を示すための表示変化は、例
えば、上記有効性表示領域の色または明るさを周期的に
変化させるものである。あるいは、上記有効性表示領域
を複数の部分に区分し、各区分を順次循環して表示させ
るものであってもよい。
本発明による更新データの有効性表示方法は、他の見
地によれば、周期的に更新されるデータをグラフまたは
数値として表示画面上に表示する表示方法において、上
記データが有効に更新されているか否かを判定し、有効
に更新されている期間中、当該データが有効である旨の
識別表示を行うようにしたものである。
また、本発明によるプロセス運転監視装置は、プロセ
スの計測データを周期的に取り込み、該計測データをグ
ラフまたは数値として表示画面上に表示するプロセス運
転監視装置において、上記周期的に取り込まれる計測デ
ータを更新格納するデータ格納手段と、計測データが一
定期間以上更新されないことを判定する更新判定手段
と、該更新判定手段による判定結果を格納する状態格納
手段と、上記データ格納手段の内容に基づいて計測デー
タをグラフ表示すると共に、該グラフに付随して設けた
表示領域に上記状態格納手段の内容に基づいてデータの
有効性を示す表示を行う表示手段とを具備したものであ
る。
[作 用] 本発明においては、周期的に更新される各計測データ
について、その更新が一定時間内に行われているか否か
を継続的に判定し、有効に更新されているデータについ
ては、表示画面上に表示されたグラフまたは数値に付随
して設けた有効性の表示領域にブリンク等の表示変化を
行わせて画面監視者に更新が有効に行われていることを
報知する。したがって、更新される数値が長時間一定で
ある状態が継続しても、それが何らかの故障に起因する
ものか、あるいは正常な更新によるものかを一見して確
認することができる。
本発明の表示方法は、プロセス運転監視等の用途に適
用して好適であり、これによって、オペレータは表示画
面に表示されている表示データの有効性を確認しつつ、
プロセスの監視ができることになる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面により詳細に説明
する。
第2図は、本発明が適用される分散型のディジタル計
装システムまたは計算制御システムの全体構成図であ
る。情報処理ステーション11と複数のコントローラ28と
が相互に、データウェー29によって接続されており、相
互のデータ授受が可能となっている。コントローラ28
は、プロセス8と直接入出力を行なっており、計測値、
状態・警報信号を受取り、これらの入力データを加工
し、制御演算の結果に基づいて、操作量・指令を出力す
る。DDC(Direct Digital Control)、シーケンス制御
とよばれる機能がこれにあたる。情報処理ステーション
11は、上記コントローラ28からデータウェー29を経由し
て送られてくるデータを受信し、情報処理を行なう。コ
ントローラ28から情報処理ステーション11に送られてく
るデータは、計測値、状態・警報信号等の、プロセスの
現状を示すデータおよび、DDC、シーケンス制御の各種
演算結果が中心になる。情報処理ステーション11は、こ
れらの情報にもとづいて、プロセスの現状を、CRT等の
図形表示装置19に表示する。また、逆にプロセスに対す
る設定値・指令、制御演算に必要なパラメータは、キー
ボード、マウス、タッチパネル、ライトペン等の入力装
置21を介してオペレータから与えられ、データウェー29
を経由して、コントローラ28に対して送られる。
コントローラ28の構成要素において、27はPI/Oであ
り、プロセス8との間の入出力を行なう。26はCPU、メ
モリを含む演算装置であり、DDC、シーケンス制御等の
演算は、ここで行なわれる。25は伝送制御装置であり、
データウェー29を介したデータ送受信処理を行なう。
また、情報処理ステーション11の構成要素において、
12は伝送制御装置であり、コントローラ28内の伝送制御
装置25に対応するものである。23は、CPU、メモリを含
む処理装置であり、伝送制御装置12の受信したデータの
受信処理、図形表示装置19への表示処理、入力装置21か
らの入力受付処理はここで行なわれる。18は画面表示制
御装置であり、処理装置23にて行なわれた画面表示処理
の結果にもとづいて、図形表示装置19への画面表示を行
なう。24は磁気ディスク等の補助記憶装置であり、処理
装置23内のメモリのみでは記憶しきれない分のデータ・
プログラム等の情報を記憶する。
次に、情報処理ステーション11内の処理について説明
する。第1図が、情報処理ステーション11内で行なう画
面表示処理まわりの機能ブロック図である。同図のデー
タ受信処理部13、プロセスデータ格納エリア14、システ
ム状態格納エリア15、データ更新判定部16、画面表示処
理部17およびデータ更新中断カウンタ100の各機能は第
2図の処理装置23が実行する。また、画面情報定義ファ
イル101は第2図の補助記憶装置24内に格納されてい
る。
ステーション11において、伝送制御装置12にてデータ
ウェー29より受信した、コントローラから送られてきた
プロセスデータ(計測値、状態・警報等の情報)は、デ
ータ受信処理部13にて編集され、プロセスデータ格納エ
リア14へ転送される。データ更新中断カウンタ100は、
各プロセスデータの更新後の時間を計測するタイマとし
て働く。このタイマのタイムアップ出力により、データ
更新判定処理部16は当該プロセスデータの更新中断を認
識する。システム状態格納エリア15は、データ更新判定
部16の制御下で、各プロセスデータの更新の状態を格納
し、正常であれば“更新正常”、異常であれば“更新中
継”状態を格納する。画面表示処理部17は、周期的に起
動され、プロセスデータ格納エリア14およびシステム状
態格納エリア15の内容に応じて、画面情報定義ファイル
を参照し、画面表示制御装置18を介してプロセスデータ
のグラフ等を表示装置19の表示画面上に表示させる。
第3図は、データ受信処理部13の処理の概略フローで
ある。まず、受信データの発信元およびデータの種別を
判定し(処理31)、データ発信元コントローラ番号(N
o)を変数Nに代入する(処理32)。次に、受信データ
をプロセスデータ格納エリア14の該当箇所へ転送する
(処理33)。さらに、Nについてのデータ更新中断カウ
ンタ100の値WDT(N)を“0"にクリア(リセット)する
(処理34)。
第4図に、データ更新判定処理部16の処理の概略フロ
ーを示す。本処理は一定周期で起動される。本処理は起
動される毎に、データウェー29に接続された全コントロ
ーラi=1〜MAXの各々について、データ更新の判定を
繰り返す(処理41)。すなわち、データ更新中断カウン
タ100のカウント値WDT(i)をインクリメントし(処理
42)、予め定めた数値WDTMAXと比較する(処理43)。カ
ウント値WDT(i)はコントローラiからのプロセスデ
ータが周期的に、データ受信処理部13にて受信されてい
れば、第3図の処理34にてリセットされるはずのもので
ある。したがって、もし、(データ更新判定処理起動周
期)×(WDTMAX)の期間以上、コントローラiからプロ
セスデータの更新がなければ処理43の条件、WDT(i)
>WDTMAXが成立し、処理44にてコントローラiからのデ
ータ“更新中断”と判断される。処理43の条件不成立の
場合は、処理34によるリセットが行なわれていると考え
てよいから、処理45にて“更新正常”と判断する。ここ
で、SYST(i)は、前述した第1図のシステム状態格納
エリア15の、コントローラiに対応する要素である。
一方、図形表示装置19への表示は、画面表示処理部17
を周期起動することによって行なう。第5図が画面表示
処理部17の処理の概略フローである。
本処理は、起動される毎にどの画面に対する表示要求
が出ているかを判断し、画面情報定義ファイル101よ
り、要求画面に表示すべきデータが何であるかを検索す
る(処理51)。次に、処理52にてプロセスデータ格納エ
リア14から、表示すべきプロセスデータを収集し、処理
53にて、上記プロセスデータの送信元となっているコン
トローラiのシステム状態SYST(i)を取り出す。次
に、処理52,53の作成データにもとづき、画面表示用デ
ータを作成し(処理54)、画面表示制御装置18に表示処
理を依頼する(処理55)。以上の一連の処理によって、
図形表示装置19に表示データが表示される。
第6図は、計測値表示画面の例であり、各計測値に比
例した高さで棒グラフ61を表示している。この各棒グラ
フ61の高さは、プロセスデータ格納エリア14に更新され
ている対応する計測値データによって定まる。また、各
棒グラフ61の先端部62は、当該計測値を送信しているコ
ントローラからのデータ更新があればブリンクし、なけ
ればブリンクしないようにしている。ブリンクさせるか
否かは、システム状態テーブル15のSYST(i)情報にも
とづく。マーク63はコントローラへの設定値(制御目標
値)の大きさを示し、グラフ61の表示と同様に、その表
示位置はプロセスデータ格納エリア14内に更新されてい
る設定値データにもとづいて決定される。マーク63の表
示はまた、先端部62と同様に、コントローラからのデー
タ更新があればブランクし、なければブランクしないよ
うにしている。
第7図は、第6図と同様の計測値表示画面の例であ
る。この例では、各計測データのグラフに対応して、デ
ータの有効性を示す矩形の表示領域71を設け、この矩形
表示領域71の表示をブリンクさせることによって、第6
図の画面表示例と同様、コントローラからのデータ更新
の有無を認識できるようにしている。
第8図は、トレンド表示画面について適用した場合を
示す。本例では、データ点81が最新の計測値に対応し、
以下、画面左方向にいくにしたがって、古い計測値を時
系列的に表示している。本画面に表示している計測値が
更新されている場合には、データ点81をブリンクさせる
ことによって、表示データの有効性を表示している。
以上の各表示例では、データ有効性をブリンクにより
示したが、第9図および第10図に、ブリンク以外のデー
タ有効性を表示する表示例を示す。この例では、第9図
に一部拡大して示したように、各計測データのグラフに
対応して、連続した6個の区分からなる細長い矩形表示
領域91を設け、更新データが有効である期間中、第10図
に示すように、一定周期で各区分を順次一方から他方へ
循環表示していく。この例では、6個の区分を示した
が、この個数および形状はこれに限るものではない。ま
た、循環表示の順序および方法も第10図の例に限るもの
ではない。
[発明の効果] 本発明によれば、プロセスの計測値、状態等をあらわ
す表示画面において更新データの有効性を一目で判断で
きるので、各種システムの異常の看過のおそれが低減さ
れ、かつ、オペレータの操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は情報処理ステーションのブロック図、第2図は
プロセス運転監視装置の全体構成図、第3図はデータ受
信処理の概略フローを示すフローチャート、第4図はデ
ータ更新判定処理の概略フローを示すフローチャート、
第5図は画面表示処理の概略フローを示すフローチャー
ト、第6図および第7図はブリンクによりデータの有効
性を表示する計測値表示画面の一例の説明図、第8図は
ブリンクによりデータの有効性を表示するトレンド表示
画面の一例の説明図、第9図および第10図はブリンク以
外のデータ有効性表示の一例の説明図である。 11……情報処理ステーション、12……伝送制御装置、13
……データ受信処理部、14……プロセスデータ格納エリ
ア、15……システム状態格納エリア、16……データ更新
判定処理部、17……画面表示処理部、18……画面表示制
御装置、19……図形表示装置、100……データ更新中断
カウンタ、101……画面情報定義ファイル、21……入力
装置、22……入力制御装置、23……処理装置、24……補
助記憶装置、25……伝送制御装置、26……演算装置、27
……プロセス入出力装置、28……コントローラ、29……
データウェー。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期的に更新される計測情報をグラフまた
    は数値として表示画面上に表示する表示方法において、 上記表示画面上に各計測情報の有効性を表示する有効性
    表示領域を設け、 各計測情報が有効に更新されているか否かを継続的に判
    定し、 有効に更新されている計測情報については、当該有効性
    表示領域内において時間とともに表示を変化させること
    を特徴とする更新データの有効性表示方法。
  2. 【請求項2】上記更新データの有効性を示すための表示
    変化は、上記有効性表示領域の色または明るさを周期的
    に変化させるものであることを特徴とする請求項1記載
    の更新データの有効性表示方法。
  3. 【請求項3】上記更新データの有効性を示すための周期
    的な表示変化は、上記有効性表示領域を複数の部分に区
    分し、各区分を順次循環して表示させるものであること
    を特徴とする請求項1記載の更新データの有効性表示方
    法。
  4. 【請求項4】周期的に更新されるデータをグラフまたは
    数値として表示画面上に表示する表示方法において、 上記データが有効に更新されているか否かを判定し、有
    効に更新されている期間中、当該データが有効である旨
    の識別表示を行うことを特徴とする更新データの有効性
    表示方法。
  5. 【請求項5】プロセスの計測データを周期的に取り込
    み、該計測データをグラフまたは数値として表示画面上
    に表示するプロセス運転監視装置において、 上記周期的に取り込まれる計測データを更新格納するデ
    ータ格納手段と、 計測データが一定期間以上更新されないことを判定する
    更新判定手段と、 該更新判定手段による判定結果を格納する状態格納手段
    と、 上記データ格納手段の内容に基づいて計測データをグラ
    フ表示すると共に、該グラフに付随して設けた表示領域
    に上記状態格納手段の内容に基づいてデータの有効性を
    示す表示を行う表示手段と を具備したことを特徴とするプロセス運転監視装置。
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