JP2714417B2 - 無菌充填容器の容器蓋 - Google Patents

無菌充填容器の容器蓋

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JP2714417B2
JP2714417B2 JP1002763A JP276389A JP2714417B2 JP 2714417 B2 JP2714417 B2 JP 2714417B2 JP 1002763 A JP1002763 A JP 1002763A JP 276389 A JP276389 A JP 276389A JP 2714417 B2 JP2714417 B2 JP 2714417B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無菌充填容器の容器蓋に係り、特に容器蓋
の開栓トルクの異常な上昇が抑制され、且つ容器蓋の殺
菌処置の操作性に優れた無菌充填容器(プラスチックボ
トル等)の容器蓋に関する。
〔従来技術〕
液体内容物の香味保持性に優れた包装技術として、無
菌(アセプティック)充填包装技法が知られている。こ
の技法は、一般に液体の内容物を100℃以上の超高温下
で4乃至5秒間殺菌後急令する、所謂超高温殺菌法(UH
T)で、別に無菌的に製造された包装材料を殺菌液で処
理し、この中に先に殺菌処理された液体内容物を充填
し、密封するものである。包装材料の殺菌処理に用いる
殺菌液としては、過酢酸及び/又は過酸化水素を含有す
るものが使用されている。
無菌充填容器の製品においては、当然のことながら容
器本体のみならず、その密封に用いる容器蓋(キャッ
プ)をも殺菌処理することが必要となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、容器蓋の殺菌処理ではびんの場合と異な
り、殺菌処理上幾つかの問題を有する。即ち容器蓋で
は、びん口部との間に密封を行うために、容器蓋殻体
(シェル)の頂板部内面側に密封材(ガスケット乃至ラ
イナー)が施されている。この密封材と頂板部との間に
は、微小な隙間があることが多く、この部分に殺菌液が
浸透せず、殺菌不良を生じたり、或いは殺菌液が浸透し
たとしても、続いて行う水洗い操作時に殺菌液が完全に
除去されずに残留して、これが内容物に混入して、香味
保持性を低下させるという問題がある。
また、密封されたびん詰製品の開栓に際しては、びん
口と密封材との間に滑りを生じることが必要であり、密
封材への滑り性の賦与は、密封材を形成する樹脂或いは
ゴム中に滑剤を配合し、滑剤を密封材表面に移行させる
ことにより行っている。
しかしながら、容器蓋を殺菌処理し、次いで水洗いす
るときには、密封材表面に移行した滑剤が洗い落とされ
てしまうため、開栓トルクが、殺菌処理を行わなかった
ものの3乃至5倍にも増加するという問題を生じ、一
旦、上昇した開栓トルクは容易に正常値には回復せず、
従来のライナー材において、開栓トルクが経時的に正常
値に回復したとしても、その開栓トルクの正常値への回
復は遅いという不具合がある。
従って、本発明の目的は、無菌充填容器の製造に際し
て生じる上記問題点を解消し、容器蓋の殺菌処理及びそ
の後の水洗処理が良好に行い得ると共に、これらの処理
を行った後の開栓トルクの異常な上昇から正常値への回
復が速やかに且つ確実に進む無菌充填容器の容器蓋を提
供することにある。
本発明の他の目的は、容器詰め内容物の香味保持性に
優れ、しかも易開栓性を有する無菌充填容器の容器蓋を
提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、蓋殻体と、該蓋殻体の頂板部内面に
溶融押圧成形により施されたライナーとから成り、殺菌
液を用いての殺菌処理及び殺菌液の洗浄を行った後に容
器口部への密封に供され、且つ旋回により容器口部から
の開栓が行われる無菌充填用容器蓋において、 前記ライナーは、蓋殻体頂板部の内面全面にわたって
熱接着されているライナーとから成り、且つ該ライナー
は、ポリオレフィンとエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ムとを95:5乃至40:60の重量比で含むブレンド物に炭素
数が6乃至30の高級脂肪酸のアマイド又はエステルの滑
剤を配合した組成物から形成されていることを特徴とす
る無菌充填容器の容器蓋が提供される。
〔作用〕
本発明はライナーを蓋殻体の頂板部の全面に溶融押圧
成形により設けると共に、該ライナーを、ポリオレフィ
ンとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとのブレンド物
に特定の滑剤をブレンドして成る組成物を用いて形成す
ることにより、無菌充填用に使用される容器蓋の前述し
た問題点が一挙に解決されるというものである。
先ず、本発明に用いる蓋は、殻体の頂板部内面に溶融
挿出成形法により施され、しかも頂板部内面の全面にわ
たって熱接着されたライナーを備えている。一般に、通
常の工場生産では、殻体頂板部内面に細菌芽胞等が付着
するのを避け得ないが、本発明に用いる蓋では、頂板部
内面に高温の溶融樹脂を供給し、これを押圧成形するこ
とによってライナーが形成されているため、かかる細菌
芽胞等が頂板部内面に存在したとしてもこれらは成形時
に完全に死滅するという利点がある。
また、このライナーは頂板部内面全面にわたって熱接
着されている為、、ライナーと頂板部との間にいささか
の隙間も形成されず、従って両者の間に細菌等の微生物
が侵入したり或いは殺菌処理及び水洗処理を短時間の内
に能率よく有効に行うことができる。
既に指摘した通り、無菌充填容器における開栓トルク
の異常上昇は、ライナー表面に移行した滑剤が殺菌及び
水洗時に洗い落とされてしまうことに帰するものであ
る。この開栓トルクの異常上昇は、従来から使用してき
たライナー形成用組成物への滑剤含有量を単に増大させ
ただけでは防止し得ないこともわかった。
しかるに、ポリオレフィンとエチレンプロピレン共重
合体ゴムとの組成物に滑剤を配合したものからライナー
を形成させる場合には、殺菌及び水洗処理を行った後に
も、開栓トルクの異常な上昇に対しては速やかな減少が
見られ、正常値への規制が有効に行われる。この事実は
あくまでも実験事実として見出されたものであり、その
理論的根拠は未だ充分に明らかではない。
しかしながら、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)等の
他のゴムやエラストマーでは、ポリオレフィンに配合し
ても、本発明の効果が得られないことから見て、ポリオ
レフィンとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとによる
特異な滑剤移行作用によるものと解される。
本発明において使用する滑剤は、上述したポリオレフ
ィンとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとのブレンド
物内での移行性、即ち該ブレンド物内部から表面へのブ
リード性を有しているべきであり、またある程度、かか
るブレンド物との相溶性も有しており、少なくとも蓋殻
体内でのライナー形成時にブレンド物の表層部分に付着
保持されるものでなければならない。この様な特性を満
足する滑剤として、本発明では、炭素数が6乃至30の高
級脂肪酸のアマイド又はエステルを使用する。
滑剤中の高級脂肪酸の炭素数が少ないと、当然のこと
ながら滑剤は、その親油性部分に対する親水性(酸部
分)の割合が大きく成り、ポリオレフィンとエチレン−
プロピレン共重合体ゴムとの相溶性が悪くなってライナ
ーの成形時に外部に出やすく、且つライナー表面から離
れ易くなる。このため、従来のように開栓トルクの異常
上昇が防止できなくなる。また、高級脂肪酸の炭素数が
前記範囲よりも多いと、親油性部分の割合が多くなるた
め、前記ブレンド物との相溶性が必要以上に高まり、ラ
イナー表面への滑剤の移行性が低下し、従って開栓トル
クを小さくすることができない。このような高級脂肪酸
の滑剤に於いては以上のことが作用し得るものである
が、あくまでポリオレフィンとエチレン−プロピレン共
重合体ゴムの組成物との組み合わせによってはじめて達
成されるものである。
尚、本発明は、プラスチック製容器の製造に特に有効
である。というのはプラスチック製容器は、その熱変形
の問題のためにレトルト殺菌等の容器内加熱殺菌の用途
には不適当であるからである。
〔発明の好ましい実施態様〕
以下、本発明に係る好ましい実施態様を説明する。
本発明に係る無菌充填容器の容器蓋の一例を示す第1
図に於いて、このキャップ殻体(シェル)1は、アルミ
ニウム等の金属板の絞り成形で形成され、頂板部(パネ
ル)2と、周状側壁部(スカート)3とからなってい
る。このキャップ殻体1の内面側には内面保護塗膜をも
兼ねる熱接着用塗料層4が設けられる。頂板部2の内面
側には全体として5で示すライナーが設けられている。
このライナー5は、シェル1内で溶融樹脂を押圧成形す
ることにより成形されており、頂板部2内面にわたっ
て、熱接着用塗料層4を介して強固に熱接着されている
ライナー5は、一般に比較的薄肉の中央部6と比較的厚
肉のリング状周辺部7とを有しており、このリング状周
辺部7がびん口部10と係合して密封が行われる。
本発明に用いる容器蓋のライナーにおいて、内容物と
接する中央部を薄肉とし且つびん口部と接するリング状
周辺部を厚肉とすることは、内容物への滑剤移行量を低
い値に保ちながら、びん口部と接触する部分への滑剤移
行量を増大せしめて、開栓トルクを減少させるのに役立
つものである。中央部と周辺部との厚みの比は、かかる
見地から一般に1:12乃至1:2、特に1:10乃至1:3の範囲内
にあるのがよい。
本発明では、ライナー5を滑剤を含有するポリオレフ
ィン−エチレンプロピレン共重合体ゴム組成物で形成す
る。ポリオレフィンとエチレンプロピレン共重合体ゴム
とは、95:5乃至40:60、特に90:10乃至60:40の重量比で
ブレンドされる。エチレンプロピレン共重合体ゴムの量
が上記範囲よりも少ないか或いはポリオレフィンの量が
上記範囲よりも多いと、殺菌処理、水洗処理後に密封部
へ滑剤を充分に移行させることができず、開栓トルクを
適性範囲に抑制することが困難となりやすい。
また、エチレン−プロピレン共重合体ゴムの量が上記
範囲よりも多いか或いはポリオレフィンの量が上記範囲
よりも少ないと、組成物の溶融押出性や押圧成形性が低
下するので好ましくない。
滑剤は、両重合体の合計量を基準にして、0.05乃至3.
0重量%、特に0.1乃至1.5重量%で配合するのがよく、
上記範囲よりも少ないと、開栓トルクの比較的低い範囲
への規制が困難となり上記範囲よりも多いと、滑剤の内
容物への移行等の点で不利となる。
ライナーに使用されるポリオレフィンは、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、その他側鎖を有する低密度の共重
合体等があり、特に好ましい性質としては低密度ポリマ
ーであることであり、その密度が0.925乃至0.895g/ccで
且つメルトインデックスが0.5乃至10g/10分のものが有
利に使用される。
一方、エチレンプロピレン共重合体ゴムとしては、エ
チレン含有量が5乃至35モル%、特に10乃至30モル%で
且つムーニー粘度が20乃至150のものが有利に使用され
る。
滑剤としては、既に述べた様に、炭素数が6乃至30の
高級脂肪酸のアマイド又はエステルが使用され、特にア
マイド類や、グリセリンの高級脂肪酸エステル類が好適
であるが、それ以外のものも使用できる。以下に、本発
明で使用し得る滑剤を例示する。
(1)高級脂肪酸アマイド オレイルパルミトアマイド、ステアリルエルカミド、
2−ステアロミドエチルステアレート等 (2)エチレンビス脂肪酸アマイド N,N′−オレオイルステアリルエチレンジアミン、N,
N′ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキル(C12乃至C
18)アマイド、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)ラウ
ロアマイド、N−アルキル(C16乃至C18)トリメチレン
ジアミンと反応したオレイン酸等 (3)脂肪酸ジエタノールアミン ジ(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミンモノア
セテートのジステアリン酸エステル等 (4)一価、多価アルコールの脂肪酸エステル ステアリン酸n−ブチル、水添ロジンメチルエステ
ル、セバチン酸ジブチル、セバチン酸ジオクチル(2−
エチルヘキシル、n−オクチル共)、 グリセリン脂肪酸エステル グリセリルラクトステアリル、ペンタエリスリトールの
ステアリン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラス
テアレート、 ソルビタン脂肪酸エステル ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレ
ングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモ
ノオレート、ポリエチレングリコールジオレート、ポリ
エチレングリコールヤシ脂肪酸エステル、ポリエチレン
グリコールトール油脂肪酸エステル、 エタンジオールモンタン酸エステル、1,3−ブタンジ
オールモンタン酸エステル、ジエチレングリコールステ
アリン酸エステル (5)トリグリセライド、ワックス 水添食用油脂、綿実油及びその他の食用油、1,2−ヒ
ドロオキシステアリン酸のグリセリンエステル、水添魚
油等、 本発明に於いて、滑剤とポリオレフィンとエチレン−
プロピレン共重合体ゴムとの組成物からライナーを形成
すると、滑剤とこの共重合体ゴム組成物との組み合わせ
作用により、ライナーの殺菌及び水洗処理を行った後に
も、その後の経時で蓋の開栓トルクの異常値から正常値
への顕著な回復により正常値への規制が有効に行われる
ことが確実に且つ更に顕著に見られる。
ライナーの形成は、前述した組成物を均一に溶融混練
した後、これを180℃乃至240℃の温度で塊に押出し、こ
の塊をシェルに供給し、次いで冷却された押圧型で押圧
して、成形と熱接着とを行う。尚、熱接着用塗料として
は、酸化ポリエチレンや酸変性ポリエチレンを配合した
エポキシ−フェノール系塗料やエポキシアミン系塗料が
使用される。
次に、本発明に係る無菌充填容器の容器蓋の殺菌方法
について説明する。
第2図は本発明に係る無菌充填容器の容器蓋の殺菌方
法が使用された装置の概略説明図である。第2図に示す
ように基礎床10上には、容器蓋供給装置12が設けられ、
前述の容器蓋1、1、……は容器蓋供給装置12の供給ホ
ッパ16に投入される。供給ホッパ16の容器蓋1は搬送コ
ンベア18を介して殺菌装置20の供給ホッパ22に供給され
る。
供給ホッパ22の容器蓋1は殺菌装置20の本体24内に導
入され、第3図に示すように本体24内には容器蓋1の連
続搬送ライン26が9九十九折りに形成されている。連続
搬送ライン26の入口部26Aは供給ホッパ22に接続されて
おり、出口部26Bは図示しない後段の無菌充填容器との
組立て装置に接続されている。
第4図(A)は第3図のA部(連続搬送ライン26の直
線部)の断面図である。第4図(A)に示すように連続
搬送ライン26は一対のガイド材28、28から成り、ガイド
材28、28は断面が略エの字形状に形成されている。容器
蓋1の下端はガイド材28、28の支持面28A,28Aで摺接可
能に支持され、容器蓋1の側周面はそれぞれのガイド材
28、28の側壁28B,28Cに移動規制されている。また、容
器蓋1は本体24の上蓋30によって移動規制される。
第4図(B)は第3図のB部(連続搬送ライン26のU
ターン部)の平面図である。第4図(B)に示すように
連続搬送ライン26のUターン部は一対のガイド材28、28
が支持面28Aの部分を介して一体形成されている。ま
た、ガイド材側壁28BはUターン部の外周壁として形成
され、ガイド材側壁28CはUターン部の内周壁として形
成されている。容器蓋1はこの外周壁と内周壁と案内に
よってUターンを行う。
また、ガイド材28、28の間の下方には、殺菌液用スプ
レーノズル32、32、……及びその濯ぎ(リンス)のため
の無菌洗滌液用スプレーノズル34、34、……が設けられ
ている。第5図に示すように各スプレーノズル32、34は
殺菌液或いは無菌洗滌液のシャワー36、38を斜め方向か
ら容器蓋1内に噴出しており、容器蓋1の内面側は殺菌
液と接触して殺菌が行われ、次いで無菌洗滌液により水
洗される。
更に、各スプレー液は斜め方向で搬送方向に向けて噴
出されており、軽量の容器蓋1は前述のガイド材28、28
及び上蓋30に案内されながら各スプレー液の噴出力によ
って連続搬送ライン26に沿って移動させられる。
用いる殺菌液は、熱水、過酸化水素、過酢酸、NaOC
l、C2H5OH等が使用され、特に過酢酸及び/又は過酸化
水素を含有するものであり、好適な殺菌液組成は、過酢
酸(CH3COOH)及び/又は過酸化水素(H2O2)を0.5乃至
5.0%の濃度で含有するものである。また、無菌洗滌液
には、無菌水或いはアルコールが使用され、熱水、NaOH
水溶液等も使用される。
また、スプレーノズル32、34は公知の技術によるジョ
イント部材によってシャワー36、38の角度及び方向を変
えることができる。
このような本発明に係る無菌充填容器の容器蓋の殺菌
方法では、供給ホッパ22から殺菌装置20に容器蓋1が連
続的に供給される。供給された容器蓋1はスプレーノズ
ル32、32、……からの殺菌液のシャワー36を浴びて殺菌
される。また、この時、容器蓋1は殺菌液の噴出力によ
って連続搬送ライン26の搬送方向に沿って移動させられ
る。移動した容器蓋1は後段のスプレーノズル34からの
無菌洗滌液のシャワー38を浴びて濯がれる。この時も容
器蓋1は無菌洗滌液の噴出力よって搬送方向に移動させ
られ、殺菌装置20の出口へと搬送される。
このようにスプレーノズル32、34からのスプレー液の
噴出圧によって容器蓋1を連続搬送ライン26に沿って移
動させるので、搬送コンベア等を連続搬送ライン26に設
ける必要がない。従って、搬送コンベアの把持装置も不
要となり、容器蓋1はガイド28、28内で自由に回転等が
出来、スプレーノズル32、34の液を満面に受けることが
できる。また、当然のことながら、搬送コンベアの稼働
費用は不要であり、連続搬送ライン26にスペースの余裕
ができ殺菌装置20をコンパクトに形成することができ
る。この様に、殺菌液等の吹出圧を利用して容器蓋を連
続搬送ラインに沿って移動させるようにしたので、搬送
中の容器蓋を確実に殺菌すると共にその殺菌処理スペー
スを小型化し、その装置等の運転コストを下げることが
できる。
尚、このような構成において、スプレーノズル32、34に
ノズル圧の調節装置を設け、スプレー液の噴出圧を調節
しても良い。このような調節装置を調節することによ
り、容器蓋1の連続搬送ライン26での移動速度を調節す
ることができる。ノズル圧は容器蓋1の重量によって適
宜に定められるが、通常、0.5乃至5kg/cm2の範囲で使用
される。
また、前記殺菌装置20の連続搬送ライン26は水平に設
けたが、これに限るものではなく、場合によっては垂直
に設けてもよい。
このように殺菌した容器蓋1は、UHT装置で殺菌され
た殺菌済内容物が充填された容器の打栓、密封に使用さ
れる。
本発明において、プラスチック製容器としては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)製の二軸延伸ブロー成
形びんが好適に使用される。このPET容器の代わりにポ
リプロピレン、ポリカーボネート等の他のプラスチック
で製造されたブロー成形及至延伸ブロー成形容器を用い
ることもできる。
容器の殺菌及び水洗はそれ自体公知の手法で行われ
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、頂板部内面に高温の溶融樹脂を供給
し、これを押圧成形することによって内面全体にわたっ
て頂板部に密着したライナーが形成されている蓋を用い
ることにより、ライナーと頂板部との間にいささかの隙
間も形成されず、従って両者の間に殺菌等の微生物を侵
入したり、或いは殺菌液が隙間に残留するという問題も
全くなく、容器蓋の殺菌処理及び水洗処理を短時間の内
に能率よく有効に行うことができる。
また、ポリオレフィンとエチレン−プロピレン共重合
体ゴムとの組成物に滑剤を配合したものから形成された
ライナーを用いたことにより、殺菌及び水洗処理を行っ
た後にもその後の経時で開栓トルクの正常値への規制が
有効に行われるようになった。更に、滑剤を高級脂肪酸
系のものにすると、異常値から正常値への回復が速く正
常値への規制が有効に行われる。
〔実施例〕
本発明を次の例で説明する。
アルミ製38mmPPキャップに各種ライナー材(組成は下
記の通り)をインシェルモールドを行った。この時のラ
イナー形状はフラットタイプであり、ライナーのシール
部の厚さは1.0mmに設定した。
(1)使用樹脂及び滑剤 LDPE:低密度ポリエチレン 密度0.917、MI 7 SBR :スチレンブタジエンラバー SIS :スチレンイソプレンスチレン共重合体 EPR :エチレンプロピレン共重合体 EVA :エチレン酢酸ビニル共重合体 (VA含量10%) 滑剤:オレイン酸アマイド (2)ライナー材の組成 実施例1 LDPE(80重量部)+EPR(20重量部)+滑剤(0.4重量
部) 比較例1 LDPE(80重量部)+SBR(20重量部)+滑剤(0.4重量
部) 比較例2 LDPE(80重量部)+SIS(20重量部)+滑剤(0.4重量
部) 比較例3 LDPE(80重量部)+SIS(20重量部)+滑剤(1.2重量
部) 比較例4 EVA(100重量部)+滑剤(0.4重量部) 比較例5 LDPE(100重量部)+滑剤(0.4重量部) 他に常法の範囲でチタン白、安定剤を使用した。
上記ライナー材をインシェルモールドしたキャップの
内面を過酢酸と過酸化水素混合殺菌液の希釈溶液にて3
分間シャワー噴霧による殺菌処理、水道水によるリンス
後、同上殺菌液で殺菌、水道水でリンスされた38PETボ
トル(内容量1.5l)にキャッピングし、経時的に開栓ト
ルクを測定した。また、比較としてキャップの内面を殺
菌しないものについても同様にキャッピング及び開栓ト
ルクを測定した。結果を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る無菌充填容器の容器蓋の側断面
図、 第2図は無菌充填容器の容器蓋の殺菌装置の説明図、 第3図は第2図の殺菌装置の上蓋を取ったときの平面
図、 第4図(A)は、第3図のA部の断面図、第3図(B)
は、第3図のB部の平面図、 第5図は殺菌装置の連続搬送ラインの側面概略図であ
る。 1…キャップ殻体、2…頂板部、3…周状側壁部、4…
熱接着用塗料層、5…ライナー、10…容器口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−84260(JP,A) 特開 昭63−152557(JP,A) 特開 昭58−82855(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓋殻体と、該蓋殻体の頂板部内面に溶融押
    圧成形により施されたライナーとから成り、殺菌液を用
    いての殺菌処理及び殺菌液の洗浄を行った後に容器口部
    への密封に供され、且つ旋回により容器口部からの開栓
    が行われる無菌充填用容器蓋において、 前記ライナーは、蓋殻体頂板部の内面全面にわたって熱
    接着されているライナーとから成り、且つ該ライナー
    は、ポリオレフィンとエチレン−プロピレン共重合体ゴ
    ムとを95:5乃至40:60の重量比で含むブレンド物に炭素
    数が6乃至30の高級脂肪酸のアマイド又はエステルの滑
    剤を配合した組成物から形成されていることを特徴とす
    る無菌充填容器の容器蓋。
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