JP2713564B2 - 光学式ピツクアツプのアクチユエータ - Google Patents

光学式ピツクアツプのアクチユエータ

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JP2713564B2
JP2713564B2 JP4807586A JP4807586A JP2713564B2 JP 2713564 B2 JP2713564 B2 JP 2713564B2 JP 4807586 A JP4807586 A JP 4807586A JP 4807586 A JP4807586 A JP 4807586A JP 2713564 B2 JP2713564 B2 JP 2713564B2
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文規 里路
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は光学式情報記録再生装置における光学式ピ
ックアップのアクチュエータに関するものである。 〔従来の技術〕 従来、光学式情報記録再生装置としては、たとえばビ
デオディスクプレーヤ、ディジタルオーディオプレー
ヤ、光ディスクファイルなどが知られていて、これら装
置のフォーカス制御、トラッキング制御を行なうための
光学式ピックアップは対物レンズを通過した光ビームを
ディスク面上に集光させて情報を検出するため、ディス
ク面振れによる焦点ずれを補償して光ビームをディスク
面上に結像させる必要がある。また、ディスク上の信号
トラック(情報ピット列)と対物レンズの光軸との間に
ずれ(光軸の径方向のずれ)があると、正確な読み取り
が出来ないため、信号トラックのずれを補償して対物レ
ンズの光軸を信号トラックに一致させる必要がある。こ
のような焦点ずれの補償はフォーカシングサーボにより
行ない、また信号トラックのずれの補償はトラッキング
サーボによって行なわれるようになっている。 フォーカシング駆動系およびトラッキング駆動系の構
造には多くの種類があるが、その中の一つを第1図およ
び第2図に例示する。これは駆動部が固定の支持軸2で
ガイドされてフォーカシング方向に動くと同時にこの支
持軸2を中心に回転してトラッキング制御をも行なう光
学式ピックアップの駆動系を示すものである。すなわ
ち、支持軸2はその周囲の磁気コア3と共にベース1に
固定され、支持軸2にはレンズホルダー本体11の軸芯部
に金属製のスリーブ12が設けられているレンズホルダー
10が回転自在の状態で嵌合されていて、レンズホルダー
10の外周面には駆動用コイル13が、またスリーブ12の偏
心位置にはレンズ取付け孔14が設けられている。このレ
ンズ取付け孔14には対物レンズ15が取付けられている。
ここで、駆動用コイル13は金属スリーブ12の軸芯を中心
として巻かれたフォーカスコイルと、スリーブ12の軸芯
に直交する軸を中心に巻かれてスリーブ12の軸芯を含む
平面を対称面として対向位置に配置されるトラッキング
コイル(図示省略)とを含んでいて、フォーカスコイル
およびトラッキングコイルに流れる電流の量に応じてレ
ンズホルダー10の軸方向の移動量および回転量が制御さ
れる。したがって、制御の応答性を向上させる目的か
ら、レンズホルダー10の重量を可能な限り軽く慣性力を
小さくするのが好ましく、通常、ホルダー本体11はアル
ミニウム合金または合成樹脂からなる素材によって形成
され、またスリーブ12(ホルダー本体と一体化したもの
もある)の内径と支持軸2の外径との寸法精度向上さら
に両者の摺動面にフッ素樹脂組成物などの潤滑性被膜を
設けることによる摺動特性の向上などが図られて来た。 しかし、ホルダー本体11がアルミニウムもしくはアル
ミニウム合金等の金属素材のときは高温多湿の雰囲気で
は腐食され、特にスリーブ12の内面に錆が発生したとき
などは正常な摺動特性は得られない。また支持軸2の外
面に潤滑性被膜を形成するためには、潤滑性とともに密
着性の良好な樹脂を選択使用しなければならず、通常フ
ッ素系樹脂(たとえば四フッ化エチレン樹脂、四フッ化
エチレン六フッ化プロピレン樹脂、パーフルオロアルコ
キシ樹脂など)を支持軸2に密着性の良い樹脂(たとえ
ばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹
脂など)中に分散させた組成物が用いられて来たが、摺
動面側には潤滑性に富む樹脂層を、また支持軸2に接す
る側には密着性に富む樹脂層を形成することが望ましい
ことは言うまでもなく、そのためには凝集エネルギー密
度等の差を利用するなどして形成しなければならず、そ
の結果形成される被膜は厚くならざるを得なくなり、真
円等の寸法精度が得難く、支持軸2とスリーブ12(ひい
てはレンズホルダー10)との摺動部分の間隙にバラツキ
を生じ、安定した摺動特性は得られず、制御機能も自ら
低下することになる。また、支持軸2に摺動するスリー
ブ12の内面粗さはアルミニウムまたはアルミニウム合金
のときは通常0.2〜0.8s程度で鏡面にはほど遠く、支持
軸2との間に介在する潤滑性被膜はその粗面によって削
られ、生じた摩耗粉が間隙を埋め、作動不良の原因とな
ることも多く、たとえスリーブ12が合成樹脂からなる場
合にも、合成樹脂の弾性率(剛性)は小さく、フォーカ
シングまたはトラッキングの際に、その弾性率に見合う
周波数によって高次共振が起こり制御が効かなくなるた
め、合成樹脂にガラス繊維や炭素繊維等を配合して複合
材とし弾性率を高める手段が通常用いられる。しかしこ
のような複合材は配合された繊維類のために潤滑性被膜
面を引掻き摩耗を激しくするので、前記同様の作動不良
を招くことになる。 また、合成樹脂基材からなるレンズホルダー10と潤滑
性被膜を設けない支持軸2(通常ステンレス鋼)との組
合わせは、コスト面から非常に有利ではあるが、摺動特
性は好ましくなく、比較的長期間作動させると摩耗が起
こり、摩耗粉による作動不良現象の起こることもあるの
で、近年になって、フッ素樹脂などの固体潤滑剤を配合
した合成樹脂を素材としたレンズホルダー10とステンレ
ス鋼等の金属、SiC等のセラミックなどからなる支持軸
2との組合わせも検討されてはいる。しかしこの方法と
てもフッ素樹脂のような弾性率の非常に小さい固体潤滑
剤を配合したのではレンズホルダー10の弾性率は低く、
前記の共振問題を引き起こすと同時に、駆動用コイル13
や対物レンズ15などに対する接着力を低下させるので、
摺動特性は向上しても長期使用に耐えられず好ましくな
い。さらに、支持軸2と接するレンズホルダー10の摺動
面にフッ素樹脂のフィルムを接着したり、被膜を形成し
たりする方法も試みたが、内径の寸法精度を損うことな
くフィルムを接着することは不可能であり、造膜性のあ
る重合体を溶かした有機溶液などを塗布して被膜を形成
することもきわめて困難であり、施工後の機械的仕上げ
を施したとしても作動時に摩耗粉がフィルム状に引き伸
ばされて支持軸外面に強固に付着し、作動不良の原因と
なって長期の安定性は確保されなかった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように従来の技術に基づく光学式ピックアップの
アクチュエータ特にこれを構成するレンズホルダー10
(スリーブ12)には、潤滑特性、耐摩耗性、耐湿(防
錆)性、高弾性率、高寸法精度、対物レンズ15および駆
動用コイルなどに対する接着性のすべての点で優れてい
るものはなく、フォーカシングサーボおよびトラッキン
グサーボの不安定性、不確実性または作動不能など信頼
性および耐久性に欠けるという問題点があった。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の問題点を解決するために、この発明はフォーカ
シング駆動系の駆動部支持軸方法がすべり軸受でレンズ
ホルダーを支持する方式のものである光学式ピックアッ
プのアクチュエータにおいて、少なくともレンズホルダ
ー側の摺動面に、膜厚が5μm以下の−CxF2x−O−
(ただしは1〜4の整数)を主要構造単位とし、レン
ズホルダー表面との親和性の高い官能基を有するフルオ
ロポリエーテル重合体の薄膜を形成した光学式ピックア
ップのアクチュエータとしたものである。または、少な
くともレンズホルダー側の摺動面に、膜厚が5μm以下
の炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有し、かつ
前記レンズホルダー表面との親和性の高い官能基を有す
るポリフルオロアルキル重合体の薄膜を形成した光学式
ピックアップのアクチュエータとしたのである。以下に
その詳細を述べる。 まず、この発明におけるレンズホルダーは軽量である
程有利であるので、ホルダー本体(スリーブ部分も含め
て)の基材はアルミニウムなどの軽金属または弾性率が
大きく温度変化に対する安定性の良い合成樹脂が好まし
い。特に合成樹脂の場合、寸法精度の高いこと、成形時
の収縮率の小さいこと、熱膨張係数の小さいこと、吸水
率の小さいこと、吸水してもその膨張率の小さいことな
どが強く要求されるため、それ自体がこのような性質を
有している合成樹脂を用いるか、または合成樹脂に充填
剤を配合して所望の性質を発現する組成物に改質したも
のを用いることが好ましい。通常の改質に用いられる充
填剤としては無機質の繊維もしくは粉末が広く利用され
る。コイル類などをホルダー本体に取付けるときは150
℃程度に加熱されるので、それ以上の耐熱性も必要とな
るので、上記の諸条件から、好ましい合成樹脂として
は、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケ
トン樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂などを例示することができ、これらの樹脂は単
独使用または併用のいずれであってもよい。 つぎにこの発明におけるポリフルオロアルキル重合体
およびフルオロポリエーテル重合体は、分子量50000程
度以下の低分子量含フッ素重合体である。そしてポリオ
フルオロアルキル重合体は、たとえば のようなポリフルオロアルキル基を有する重合体であ
り、炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有し、レ
ンズホルダーの基材表面に対して親和性の高い官能基、
たとえばイソシアネート基、水酸基、メルカプト基、カ
ルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、スルホン基およ
びそれらのフッ化物等、を含む単位を有する重合体であ
る。その具体例としてはつぎのようなものを挙げること
ができる。 なお、これらのポリフルオロアルキル重合体は単独使
用または併用のいずれでもよく、またイソシアネート基
を有するポリフルオロアルキル重合体とポリフルオロア
ルキル基を有しないイソシアナートとを併用してもよ
い。また、イソシアネート基を有するポリフルオロアル
キル重合体と、各種のポリフルオロアルキル基を含有し
ないジアミン、トリアミンまたは各種のポリフルオロア
ルキル基を含有しないジオール、トリオールを併用する
などの方法を採用してもよい。さらに、官能基同志が互
に反応して分子量が増大するようなポリフルオロアルキ
ル重合体の組合わせは強度増加のうえから好ましく、具
体的には炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有
し、かつエポキシ基を含む単位を有する含フッ素重合体
と、炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有し、か
つ水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基か
ら選ばれる少なくとも1種類を含む含フッ素重合体との
組合わせ、または炭素数2〜20のポリフルオロアルキル
基を有し、かつイソシアネート基を含む単位を有する含
フッ素重合体と、炭素数2〜20のポリフルオロアルキル
基を有し、かつ水酸基、アミノ基から選ばれる少なくと
も1種類を含む単位を有する含フッ素重合体との組合わ
せを挙げることができる。 また、フルオロポリエーテル重合体は −CxF2x−O− 〔xは1〜4の整数〕 を主要構造単位とし、平均分子量が約1000〜50000の重
合体であり、たとえば 等を例示することができる。そして、このような重合体
についても前記同様レンズホルダーの基材表面に対する
親和性の向上のために、イソシアネート基、水酸基、カ
ルボキシル基、エステル基等の官能基を含む単位を有す
るものが望ましい。したがって、このようなフルオロポ
リエーテル重合体の具体例としては、以下のものなどが
挙げられ、これらを単独使用しても併用してもよい。 OCN−C6H3(CH3)−HNCOCF2C2F4OCF2OnCF2
CONH−(CH3)C6H3−NCO、 HOOC−CF2OC2F4OCF2OnCF2COOH、 CH3OOC−CF2OC2F4OCF2OnCF2−CH2COOCH3、 HOCH2−CF2OC2F4OCF2OnCF2−CH2OH、 HOCH2 2NHCO−CF2OC2F4OCF2OnCF2CONH
CH2 2OH、 H2NCH2 2NHCO−CF2OC2F4OCF2OnCF2CONH
CH2 2NH2 また官能基がイソシアネート基であるフルオロポリエ
ーテル重合体とポリフルオロポリエーテル基を含有しな
いイソシアナートとを併用しても、また、イソシアネー
ト基を有するフルオロポリエーテル重合体と、各種のポ
リフルオロポリエーテル基を含有しないジアミン、トリ
アミン、または各種のポリフルオロポリエーテル基を含
有しないジオール、トリオールを併用するなどの方法を
採用してもよい。特に官能基同志が反応して分子量の増
大が起こるようなフルオロポリエーテル重合体を組合わ
せて使用することが好ましく、たとえばイソシアネート
基を含む単位を有するものと、水酸基を含む単位を有す
るものとを組合わせるなどは前記のポリフルオロアルキ
ル重合体の場合と同じように望ましい。 以上のポリフルオロアルキル重合体及びフルオロポリ
エーテル重合体はいずれもそれ自体潤滑性を有する重合
体であり、しかも薄膜成形も容易であるからレンズホル
ダーと支持軸との摺動部分に被覆しても基材の弾性率を
低下させることなく、また寸法精度も保持できるが、レ
ンズホルダーの材質によっては親和性の向上を図った重
合体であっても、なお充分な密着強度が得られないこと
もある。したがって、このようなときは、薄膜を被覆す
る前に予め基材表面と被覆する重合体の両者に親和性の
ある別の薄膜(以下プライマーと呼ぶ)を設けておくこ
とが好ましく、たとえばポリメチルメタクリレートを枝
成分としメチルメタクリレート単位およびヒドロキシル
エチルメタクリレート単位を有する幹成分からなるグラ
フト重合体などはプライマーとして利用することができ
る。実際にこのようなプライマーを使用するには、プラ
イマーとポリフルオロアルキル重合体やフルオロポリエ
ーテル重合体からなる潤滑性材料とを予め両者の良溶媒
中で混合した後、レンズホルダーの内径面に塗布し、溶
媒を蒸発除去し、かつプライマーと潤滑性材料との凝集
エネルギー密度、界面活性等の差によってレンズホルダ
ーの基材側はプライマーに富み、反対側は潤滑性材料に
富むような薄膜を形成させることもできる。 一般に官能基を含む単位が比較的短いポリフルオロア
ルキル重合体又はフルオロポリエーテル重合体の潤滑性
材料からなる薄膜は良いが、ポリフルオロアルキル、ポ
リフルオロポリエーテルなどの潤滑性を付与する部分以
外の単位が比較的長い重合体、たとえば、 RfSCH2CO〔NH(CH25CO〕5COOH、 RfSCH2CONH(CH23N(CH3 〔ここで、Rfは炭素数3〜20のポリフルオロアルキル
基〕 などのように潤滑性を付与する構造部分を有するアクリ
レートを、レンズボビンの表面材料に対して親和性の大
きいモノマーなどと共重合させたような重合体、からな
る薄膜のときは、この薄膜の上にさらに樹脂や金属に対
して親和性の大きい官能基のような単位が存在しない
か、または存在するとしても比較的短い単位しか有しな
い潤滑性薄膜を設けることが好ましい。なぜならば、樹
脂もしくは金属に対して親和性の大きい単位が長くなる
と、このような重合体は薄膜の表面に出る割合が大きく
なり、支持軸に対する摺動特性が悪くなるからである。 以上の炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基を有
し、かつ前記レンズホルダー表面との親和性の高い官能
基を有するポリフルオロアルキル重合体及び−CxF2x
O−(ただしxは1〜4の整数)を主要構造単位とする
フルオロポリエーテル重合体からなる薄膜をレンズホル
ダーの摺動面に形成するためには、原料重合体が低粘度
の液体であるときは直接、また高粘度の液体もしくは固
体のときは、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、
等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソアミ
ルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン等
のエーテル類、メチルクロロホルム、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、テトラクロロジフルオロエ
タン、1.1.2−トリクロロ−1.2.2−トリフルオロエタン
(フロン−113)等のハロゲン化炭化水素類などの有機
溶剤の1種もしくは2種以上の混合物に適宜溶解させて
必要箇所に塗布すればよい。通常レンズボビンにおける
摺動部分は内径約1〜3mm程度の細孔であるから、この
ような部分には注射器で重合体液を注入し、余分な液を
圧縮空気等で取除いたり、または液をスポンジに含ませ
て塗布するなどの方法を選択利用すればよい。塗布され
た重合体液を硬化するに際して、紫外線硬化特性を有す
るものに対しては反応開始剤、光増感剤などを適宜添加
し、紫外線照射を行なうこともできる。塗布または硬化
して得られる被膜は摺動面の寸法精度の保持および良好
な摺動特性を得る目的から薄肉(たとえば5μm以下、
好ましくは3μm以下)であることが望ましい。一般に
支持軸外面とレンズホルダーの内面との取付け間隙は、
良好なフォーカシングサーボおよびトラッキングサーボ
を行なうためには20μm以下(好ましくは10μm以下)
であることが要求されるので、寸法精度の低下やバラツ
キを招く厚肉の被膜は極力避けなければならない。 〔作用〕 レンズホルダー表面に対して親和性の高い官能基を有
するフルオロポリエーテル重合体、または同様に親和性
を有するポリフルオロアルキル重合体の薄膜をレンズホ
ルダー表面に形成した光学式ピックアップのアクチュエ
ータは、前記官能基を有する重合体により、バインダー
を介することなくレンズホルダー表面に密着性の良い5
μm以下の薄膜を形成したものになり、前記薄膜の優れ
た潤滑性、耐久性(耐摩耗性)およびレンズホルダーと
支持軸との寸法精度の向上により、安定性および確実性
に優れたフォーカシングサーボおよびトラッキングサー
ボを行なえる。 〔実施例〕 以下、実施例および比較例を示すが、原材料の配合割
合はすべて重量%であり、駆動系の試験におけるレンズ
ホルダー側の内面と支持軸の外面との取付け間隙は10〜
20μmになるよう支持軸側で調整した。また膜厚、錆発
生の有無、潤滑性、耐久性の測定方法はつぎのとおりで
ある。 (1)膜厚: レンズホルダーの摺動部内面の軸方法の1/4程度の部
分には塗膜を形成させず、塗膜を形成した部分と形成し
ない部分の被膜の段差を表面粗さ計(日本真空技術社
製:Dektak II A型)で測定する。なお油膜状の被膜につ
いては測定しない。 (2)錆の発生の有無: 40℃、相対湿度95%の雰囲気の恒温恒湿炉中に、各試
作のレンズホルダーを支持軸に挿入した状態で100時間
放置し、摺動部内面の錆の有無を光学顕微鏡で観察す
る。 (3)潤滑性: レンズホルダーにフォーカスコイルを取付け、オプチ
カル・アクチュエータ・テスト・ヘッド(タケダ理研工
業社製:TQ88091)およびファンクションジェネレータ
(岩崎通信社製:FG−350)を使用して、0〜5V(負荷
時)ののこぎり(鋸)波出力電圧をかけて、インプット
した波形とアウトプットした波形との差の大小(両波形
が近似している程潤滑性が良い)から、良(○印)、可
(△印)、不良(×印)の3段階に評価する。 (4)耐久性: レンズホルダーにフォーカスコイルとトラッキングコ
イルを取付け、駆動系を組立て、フォーカシング方向に
±1.2mm、トラッキング方向に±0.15mmのストローク
で、約20〜27Hzの振動数のもとに連続して運転した。作
動不良となるまでの運転時間をもって耐久性の目安とす
る。なお、連続して良好な作動をしたものについては10
00時間で運転を打切る。 さらに、実施例および比較例に使用した主要原材料は
つぎのとおりである。なお、以後の説明においてはこれ
ら原材料をそれぞれに付記した番号もしくは符号によっ
て表現し簡略化することとする。 潤滑性薄膜形成用材料:〜 レンズホルダー成形用材料:(a)〜(i) (a)ポリフェニレンサルファイド樹脂(米国フィリッ
プス社製:ライトンP−4)70%と炭素繊維(東レ社
製、繊維長6mm)30%の組成物(溶融ブレンド)、 (b)ポリフェニレンサルファイド樹脂(同上)55%、
炭素繊維(同上)30%、四フッ化エチレン樹脂(三井フ
ロロデュポン社製:テフロン7J)15%の組成物(溶融ブ
レンド)、 (c)ポリエーテルケトン樹脂(英国アイ・シー・アイ
社製:PEEK−150P)70%、炭素繊維(東レ社製、繊維長6
mm)30%の組成物(溶融ブレンド)、 (d)ポリエーテルイミド樹脂(米国ジー・イー社製:
ウルテム1000)70%、ガラス繊維(旭ファイバーグラス
社製、繊維長3mm)30%の組成物(溶融ブレンド)、 (e)エポキシ樹脂(三井石油化学社製:エポックスMC
−303、炭素繊維、芳香族アラミド繊維、グラファイト
入り)、 (f)ポリアミドイミド樹脂(米国アモコ社製:トーロ
ン7130、炭素繊維入り)、 (g)芳香族ポリエステル樹脂(米国ダーツコ社製:XYD
AR−SRT300)、 (h)芳香族ポリイミド樹脂(米国デュポン社製:ベス
ペルSP−1)、 (i)スリーブ用アルミニウム合金(A5056) 支持軸用材料:(イ)〜(ハ) (イ)フッ素樹脂含有重合体(洋ベア・ルーロン工業社
製:R600、ポリイミド樹脂にフッ素樹脂を分散させたも
の)の被膜、 (ロ)ステンレス鋼(SUS420J2、表面粗さ0.15s)、 (ハ)セラミック溶射被膜、 実施例1、2および参考例 第1図および第2図に示されるようなレンズホルダー
10のホルダー本体11を成形用材料(a)で射出成形する
際に、材料(i)からなるスリーブ12を同時成形し、レ
ンズホルダー10を得た。そしてスリーブ12の摺動部内面
に、第1表に示すような含フッ素重合体、および
をそれぞれ2.0%濃度になるように溶解したフレオン113
溶液を注射器を用いて2〜3滴ずつ注入し、その後余分
の溶液を圧縮空気で除去し、100%で乾燥さらに熱処理
をして、膜厚、錆の発生、支持軸2の材料を(イ)とし
たときの潤滑性および耐久性を測定した。その結果を第
1表に併記した。 なお、実施例1は特許請求の範囲第6項、第8項また
は第10項に対応し、実施例2は特許請求の範囲第1項、
第3項または第5項に対応する。 比較例1: スリーブ12の摺動部内面に被膜を形成するための処理
を全く行なわなかった以外は実施例1、2および参考例
と相違なく、同様の諸性質を測定し、その結果を第1表
に併記した。第1表から明らかなように、比較例1は実
施例1、2および参考例のいずれよりもかなり劣ってい
た。 実施例3〜10: 実施例1と同じ材料(a)を用い、第1図に示すスリ
ーブ12の部分をも樹脂としたレンズホルダー10を射出成
形によって一体成形した。そして、第2表に示したよう
に潤滑性薄膜形成用材料を変化させた。なお、実施例8
においては潤滑性薄膜はをフレオン113に7%の濃度
に溶解した溶液を使用したが、それ以外は実施例1と同
様の方法に従い、また支持軸用材料には実施例3〜9に
おいては(ロ)を、また実施例10においては実施例1、
2および参考例と同じ(イ)を用いて、潤滑性および耐
久性の試験を行なった。得られた結果は第2表に併記し
たとおりである。 なお、実施例3は特許請求の範囲第6項、第9項また
は第10項に対応し、実施例4は特許請求の範囲第6項、
第7項、第9項または第10項に対応し、実施例5は特許
請求の範囲第6項、第9項または第10項に対応し、実施
例6〜8および10は特許請求の範囲第1項、第4項また
は第5項に対応し、実施例9は特許請求の範囲第1項、
第2項、第4項または第5項に対応する。 比較例2〜7: 比較例2〜6におけるレンズホルダー成形用材料は
(a)、比較例7においては(b)、または潤滑性薄膜
形成用材料は比較例2〜4および7においては使用され
ず、比較例5においては実施例1において使用した支持
軸用材料(イ)と同じ材料の被膜を形成し機械加工によ
って薄膜の寸法精度に仕上げたもの、比較例6において
はフレオン113に実施例2と同じ材料を10%の濃度に
溶解した溶液を用いたこと、さらに潤滑性および耐久性
を試験する支持軸用材料を比較例2、5、6および7に
おいては(ロ)(ステンレス鋼)、比較例3においては
(イ)(実施例1と同じ樹脂組成物)、比例例4におい
ては(ハ)(セラミック溶射被膜)とした。これらの相
違点以外はすべ実施例3と同じ操作および試験を行ない
第3表に使用した諸材料、測定結果をまとめた。 第2表および第3表から明らかなように、実施例3〜
10のレンズホルダーはすべて良好な潤滑性および耐久性
を示し、特に官能基同志が反応し合う潤滑性薄膜材料
(実施例4、5、9)のときはその傾向は顕著であっ
た。また、薄膜は膜厚が厚くなると(実施例7、8およ
び比較例6から)摺動特性は低下する。また比較例2、
3および4から、潤滑性被膜を形成しないレンズホルダ
ーの摺動特性は悪く、たとえ比較例3のように支持軸に
樹脂組成物を被覆したことによって摺動特性に若干の改
善が見られたとしても充分満足できるものではなく、比
較例7のようにレンズホルダーにフッ素樹脂を添加した
樹脂系組成物を用いたときは比較例2と比べて多少好ま
しい摺動特性が現われるとしても決して充分とは言えな
い。 実施例11〜16: レンズホルダー成形用材料として、前記実施例1〜10
および比較例1〜7のいずれにも用いなかった(c)〜
(h)を第4表に示したように使用した。実施例11〜15
においては実施例3と同様の射出成形を採用したが、実
施例16においては丸棒から削り出して成形した。そして
レンズホルダー10の摺動部内面には、実施例11〜14では
実施例7と同じ潤滑性薄膜材料を、実施例15及び16で
はと−OH含有オルガノポリシロキサン(信越化学工業
社製:シリコーンジオールX−22−160C)との混合物を
用いた。支持軸用材料を(ロ)(ステンレス鋼)として
実施例3と同じように諸試験を行なった。その結果を第
4表にまとめた。 なお、実施例11〜14は特許請求の範囲第1項、第4項
または第5項に対応し、実施例15と16は特許請求の範囲
第6項、第9項または第10項に対応している。 比較例8: 潤滑性薄膜を施さなかったこと以外は実施例13と全く
同じ操作をして成形品を得、同様の摺動特性を測定し
た。得られた結果を第4表に併記したが、実施例11〜16
はいずれも優れた摺動特性を示したのに対し、比較例8
は著しく劣っていることが明らかとなった。 〔効果〕 以上述べたように、この発明の光学式ピックアップの
アクチュエータは、その主要構成部材であるレンズホル
ダーの滑り軸受機構における金属で形成された摺動面に
錆発生がなく高圧多湿の雰囲気下においても使用に耐
え、高弾性率の材料を選択使用して高次共振の問題を解
決することが出来、レンズおよびコイル等との接着性を
も阻害しないでフォーカシング駆動およびトラッキング
駆動における摺動特性に優れ、支持軸とホルダーとの摺
動部分の寸法精度も良好であるなどの数多くの利点を有
するものであるから、安定性、確実性に優れたフォーカ
シングサーボおよびトラッキングサーボを行なうことが
可能になり、耐久性も非常に良好である。したがって、
この発明の意義はきわめて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】 第1図は光学式ピックアップのアクチュエータの構造を
例示するための断面図、第2図は第1図の平面図であ
る。 1……ベース、2……支持軸、 3……磁気コア、10……レンズホルダー、 11……ホルダー本体、12……スリーブ、 13……駆動用コイル、14……レンズ取付け孔、 15……対物レンズ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.フォーカシング駆動系の駆動部支持方法がすべり軸
    受でレンズホルダーを支持する方式のものである光学式
    ピックアップのアクチュエータにおいて、少なくともレ
    ンズホルダー側の摺動面に、膜厚が5μm以下の−CxF
    2x−O−(ただしは1〜4の整数)を主要構造単位と
    し、レンズホルダー表面との親和性の高い官能基を有す
    るフルオロポリエーテル重合体の薄膜を形成したことを
    特徴とする光学式ピックアップのアクチュエータ。 2.レンズホルダー表面との親和性の高い官能基を有す
    るフルオロポリエーテル重合体が、イソシアネート基を
    含む単位を有するフルオロポリエーテル重合体と、さら
    に水酸基を含む単位を有するフルオロポリエーテル重合
    体との組み合わされたものである特許請求の範囲第1項
    記載の光学式ピックアップのアクチュエータ。 3.レンズホルダー側の摺動面が、アルミニウムまたは
    アルミニウム合金で形成された面である特許請求の範囲
    第1項または第2項記載の光学式ピックアップのアクチ
    ュエータ。 4.レンズホルダー側の摺動面が、合成樹脂を基材とす
    る組成物で形成された面である特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の光学式ピックアップのアクチュエー
    タ。 5.光学式ピックアップのアクチュエータが、支持軸に
    対して軸方向に移動可能及び回転可能に支持されたホル
    ダー本体の回転軸芯に対する偏心位置に対物レンズを取
    り付け、ホルダー本体に軸方向駆動用のフォーカスコイ
    ルと回転方向駆動用のトラッキングコイルを設けたもの
    である特許請求の範囲第1項から第4項のうちいずれか
    に記載の光学式ピックアップのアクチュエータ。 6.フォーカシング駆動系の駆動部支持方法がすべり軸
    受でレンズホルダーを支持する方式のものである光学式
    ピックアップのアクチュエータにおいて、少なくともレ
    ンズホルダー側の摺動面に、膜厚が5μm以下の炭素数
    2〜20のポルフルオロアルキル基を有し、かつ前記レン
    ズホルダー表面との親和性の高い官能基を有するポリフ
    ルオロアルキル重合体の薄膜を形成したことを特徴とす
    る光学式ピックアップのアクチュエータ。 7.レンズホルダー表面との親和性の高い官能基を有す
    るポリフルオロアルキル重合体が、エポキシ基を含む単
    位を有するポリフルオロアルキル重合体と、さらにアミ
    ノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基から選ば
    れる少なくとも1種類の基を含むポリフルオロアルキル
    重合体との組み合わされたものである特許請求の範囲第
    6項記載の光学式ピックアップのアクチュエータ。 8.レンズホルダー側の摺動面が、アルミニウムまたは
    アルミニウム合金で形成された面である特許請求の範囲
    第6項または第7項記載の光学式ピックアップのアクチ
    ュエータ。 9.レンズホルダー側の摺動面が、合成樹脂を基材とす
    る組成物で形成された面である特許請求の範囲第6項ま
    たは第7項記載の光学式ピックアップのアクチュエー
    タ。 10.光学式ピックアップのアクチュエータが、支持軸
    に対して軸方向に移動可能及び回転可能に支持されたホ
    ルダー本体の回転軸芯に対する偏心位置に対物レンズを
    取り付け、ホルダー本体に軸方向駆動用のフォーカスコ
    イルと回転方向駆動用のトラッキングコイルを設けたも
    のである特許請求の範囲第6項から第9項のうちいずれ
    かに記載の光学式ピックアップのアクチュエータ。
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