JP2712767B2 - 歪量子井戸半導体レーザ - Google Patents

歪量子井戸半導体レーザ

Info

Publication number
JP2712767B2
JP2712767B2 JP2160108A JP16010890A JP2712767B2 JP 2712767 B2 JP2712767 B2 JP 2712767B2 JP 2160108 A JP2160108 A JP 2160108A JP 16010890 A JP16010890 A JP 16010890A JP 2712767 B2 JP2712767 B2 JP 2712767B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
well
quantum well
semiconductor laser
strained quantum
strained
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2160108A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0449689A (ja
Inventor
博仁 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2160108A priority Critical patent/JP2712767B2/ja
Publication of JPH0449689A publication Critical patent/JPH0449689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2712767B2 publication Critical patent/JP2712767B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は歪量子井戸半導体レーザに関するものであ
る。
(従来の技術) 量子井戸半導体レーザは、常時のバルクの活性層を有
する半導体レーザに比べて利得スペクトルが急峻になる
ことから、発振しきい値の低減や高速変調特性の改善が
期待され、光通信等における高性能光源として有望視さ
れている。その性能をさらに高める方法として近年歪量
子井戸レーザが提案され、注目を集めている。この歪量
子井戸レーザは、ウエル部分に2軸性の圧縮応力を加え
てウエル内で価電子帯のバンド構造を変形し、より一層
の低しきい値化などの素子特性の改善を狙ったものであ
る。
従来の1.3〜1.6μm帯長波長歪量子井戸レーザではウ
エルにInxGa1-xAs3元混晶が用いられているが、このInx
Ga1-xAsを用いる歪ウエルではIn組成xを大きくするこ
とにより大きな圧縮歪を加えることができる。ところが
Inの組成を大きくすると同時にウエルのエネルギー・ギ
ャップも小さくなるので、希望の発振波長を得るために
はウエル幅を小さくして行かなければならない。例えば
1.55μm帯歪量子井戸レーザで歪を約1.5%加える場合
にはInの組成xはx=0.75となり、このときウエル幅は
25Åと非常に小さくなる。この様にウエルの幅が非常に
小さくなると、ウエルとバリヤのヘテロ界面での原子層
ステップの影響を顕著に受けるようになるため、ゲイン
スペクトルが広がり、ピーク利得の低下を招いてしま
う。
また従来の枠InGaAsウエル/InGaAsPバリヤの歪量子井
戸レーザでは、電子に対する閉じ込めポテンシャルΔEc
がホールに対する閉じ込めポテンシャルΔEvよりも小さ
く、高注入時において電子がウエルの外に漏れる(オー
バーフロー)問題と、逆にホールの閉じ込めが強すぎて
異なるウエル間でのホールの注入が不均一となる問題が
生じている。第3図(a)のバンド図参照。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的はこのような従来型の歪量子井戸半導体
レーザの欠点を除去せしめて、ゲインスペクトルがシャ
ープで、電子のオーバーフローが少なく、なおかつ均一
なキャリヤの注入状態が実現できる歪量子井戸半導体レ
ーザを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によるInPを基板、InGaAsPをバリヤ層として用
いる歪量子井戸半導体レーザにおいて、ウエル層を形成
する半導体がInAsz1-zからなり、その格子定数が基板
の格子定数よりも大きいことを特徴とする歪量子井戸半
導体レーザによって上記の課題を解決できる。zは0<
z≦1である。
(作用) 第2図および第3図(a)(b)を用いて本発明の原
理を説明する。第2図は格子定数とバンドギャップの関
係を示す図で、第3図(a)(b)はそれぞれ、従来例
と本発明のバンド図である。
本発明による構造では、以下に述べる効果によって素
子特性の改善が期待できる。
1つには、従来のInGaAs歪ウエルにPを加えてInGaAs
PあるいはInAsPにすると、第2図から分かるように、同
程度の大きさの歪を有する歪InGaAsよりもエネルギー・
ギャップを大きくとることができる。従って2%程度の
大きな歪を加える場合でも、In0.72Ga0.28As0.60.4
リヤでInAs0.60.4ウエルの組成を用いれば、50Å程度
と大きなウエル幅でも1.55μm帯に利得ピークを得る事
ができる。このようにウエル幅が50Å程度と厚ければ、
先にのべた原子層ステップによるゲインスペクトルのブ
ロードニングは無視できる程度となる。
さらにInAsPあるいはInGaAsPをウエルに用いる場合
は、ウエルとバリヤ間のエネルギー・ギャップの違い
は、V族元素であるAsやPといった軽元素よりもむしろ
III族InとGaによる組成の違いによって生じることにな
る。III−V族化合物半導体はこれらの元素がSP3混成軌
道により共有結合することによって結晶が形成されてい
るが、この内III族元素は主にS軌道を、またV族の元
素は主にP軌道を担っている。一方k・p摂動論によれ
ば、伝導帯の底はSの軌道の、また価電子帯の頂上付近
はP軌道の電子によって形成されている。従って半導体
ヘテロ接合においてIII族元素による組成の違いにが大
きければ伝導帯のエネルギー差ΔEcが、逆にV族元素に
よる組成の違いが大きければ価電子帯のエネルギー差Δ
Evが大きくなるようなヘテロ接合が形成される。InAsP
あるいはInGaAsPの歪ウエルを用いる場合には以上のよ
うな理由により、第3図(b)に示すように電子に対す
る閉じ込めポテンシャルΔEcを大きく、逆にホールに対
する閉じ込めポテンシャルΔEvを小さくすることができ
るため、先に述べた電子のオーバーフローの問題とホー
ル注入の不均一の問題を同時に解決できる。ちなみに歪
In0.7Ga0.3Asウエル/In0.72Ga0.28As0.60.4バリヤの
場合ΔEcは0.3eV程度の値になるが、歪InAs0.60.4
エル/In0.72Ga0.28As0.60.4バリヤの場合ΔEcは0.5eV
程度となる。(第3図(a)(b)参照) さらに結晶成長の観点から言えば、InGaAs/InGaAsPの
ヘテロ接合よりもInAP/InGaAsPのヘテロ接合の方がヘテ
ロ界面での組成の急峻な切り代わりが得られており、良
好なポテンシャル構造を有する量子井戸が得られる。
(実施例) 第1図を用いて本発明の実施例について説明する。
第1図に埋め込み型歪超格子半導体レーザの活性領域
部分の断面図を示す。作製方法はまずn−InP基板15上
にMOVPE方によりn−InPバッファ層14を0.1μm成長
し、次に1.3μm組成InGaAsPバリヤ12を150Å成長し、
その上にIn0.8Ga0.2As0.60.4ウエル13を40Å成長させ
る。このウエルとバリヤの成長を5回繰り返して5層の
多重量子井戸構造を作製する。その上にさらにp−InP
クラッド層11を約11μm成長する。ここでウエルには約
1.5%の圧縮応力が加わっていることになる。このよう
にして作製した歪量子井戸ウエハをDC-PBH構造に埋め込
み、最後にp側、n側に電極を蒸着する。
このレーザを評価したところ、発振しきい値Ith=5m
A,効率ηd=0.28W/A,最大光出力Pmax=50mW程度の良好
な静特性を示した。また内部量子井戸効率を測定したと
ころ0.95という非常に高い値が得られた。さらにDFB構
造のレーザを試作し、伝送実験による評価を行った。そ
の結果、歪の効果による線幅増大係数(αパラメータ)
の低減から良好な低チャープ性が得られ、2.5Gbit/sec-
100kmの伝送にも成功している。
本実施例では歪ウエル層のInの組成を0.8としたが、I
nの組成をさらに大きくして歪InAsPウエルにすることに
よってその効果はより一層顕著になるが、J.W.Matthews
らがジャーナル・オブ・クリスタル・グロウス(Journa
l of crystal Growth)Vol.27,p118において計算してい
るクリティカル・レイヤー・シックネスで与えられる条
件に近付くと逆に悪くなる。この他に1.15μm組成のバ
リヤ層でも同様の試作を行ない、同様に良好な特性の素
子が得られている。
(発明の効果) 本発明によれば電子のオーバーフローを解消し、均一
なキャリア注入ができ、利得スペクトルがシャープな低
しきい値歪量子井戸レーザが得られる。
本発明の歪量子井戸半導体レーザでは、従来の歪量子
井戸レーザの特性が歪みが大きくなるにつれて論理的に
予測される値を大きく下回るようになり、期待した程の
特性の改善が得られていない問題に関して一つの打開策
を与えることができ、幹線系光通信での大容量直接検波
系およびコヒーレント検波系の高性能光源として幅広い
応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構造図、第2図および
第3図は本発明の原理を示す図であり、第2図は格子定
数とバンドギャップの関係を示す図、第3図(a)は従
来例のバンド図、第3図(b)は本発明の実施例のバン
ド図である。 図において、11……p−InPクラッド層、12……1.3μm
組成InGaAsPバリヤ層、13……In0.8Ga0.2As0.60.4
エル層、14……n−InPバッファ層、15……n−InP基
板。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】InPを基板、InGaAsPをバリア層として用い
    る歪量子井戸半導体レーザにおいて、ウエル層を形成す
    る半導体がInAsz1-zからなり、その格子定数が基板の
    格子定数よりも大きいことを特徴とする歪量子井戸半導
    体レーザ。
JP2160108A 1990-06-19 1990-06-19 歪量子井戸半導体レーザ Expired - Lifetime JP2712767B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2160108A JP2712767B2 (ja) 1990-06-19 1990-06-19 歪量子井戸半導体レーザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2160108A JP2712767B2 (ja) 1990-06-19 1990-06-19 歪量子井戸半導体レーザ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0449689A JPH0449689A (ja) 1992-02-19
JP2712767B2 true JP2712767B2 (ja) 1998-02-16

Family

ID=15708028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2160108A Expired - Lifetime JP2712767B2 (ja) 1990-06-19 1990-06-19 歪量子井戸半導体レーザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2712767B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2659872B2 (ja) * 1991-06-26 1997-09-30 光技術研究開発株式会社 歪量子井戸半導体レーザ素子および歪量子井戸構造の作製方法
JP2713144B2 (ja) * 1993-03-12 1998-02-16 松下電器産業株式会社 多重量子井戸半導体レーザ及びそれを用いた光通信システム
US5739543A (en) * 1993-11-24 1998-04-14 The Furukawa Electric Co., Ltd. Optical semiconductive device with inplanar compressive strain
JP2021034497A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社東芝 半導体発光デバイス

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2898643B2 (ja) * 1988-11-11 1999-06-02 古河電気工業株式会社 量子井戸半導体レーザ素子

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Appl.Phys.Lett.54[12] (1989) P.1142−1144

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0449689A (ja) 1992-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0661570A (ja) 歪多重量子井戸半導体レーザ
WO1995015022A1 (fr) Element optique a semi-conducteur
JP2969979B2 (ja) オプトエレクトロニクス部品用の半導体構造
JP3360962B2 (ja) 半導体レーザ
EP0512681B1 (en) Semiconductor laser diode
JP4641230B2 (ja) 光半導体装置
JP2712767B2 (ja) 歪量子井戸半導体レーザ
JPS60260181A (ja) 半導体発光装置
JP3145718B2 (ja) 半導体レーザ
US6078602A (en) Separate confinement heterostructured semiconductor laser device having high speed characteristics
JP2677232B2 (ja) 長波長半導体レーザおよびその製造方法
JP3288283B2 (ja) 多重量子井戸構造とこれを有する光変調器
JPH07101674B2 (ja) 光半導体素子の製造方法
EP0660473B1 (en) Quantum-well type semiconductor laser device having multi-layered quantum-well layer
US5383213A (en) Semiconductor device with current confinement structure
US5170404A (en) Semiconductor laser device suitable for optical communications systems drive
US5362974A (en) Group II-VI material semiconductor optical device with strained multiquantum barriers
JP3033333B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP2682474B2 (ja) 半導体レーザ装置
US5539762A (en) Article comprising a semiconductor laser with carrier stopper layer
JP3403915B2 (ja) 半導体レーザ
CN214673448U (zh) 光通信o波段硅基高速半导体激光芯片
JPH0449688A (ja) 歪バリヤ量子井戸半導体レーザ
JP2950853B2 (ja) 半導体光素子
JPH0467353B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071031

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081031

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 13