JP2712766B2 - 燃料改質器 - Google Patents

燃料改質器

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JP2712766B2
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭化水素系の原燃料を水蒸気とともに改質
触媒の下に水蒸気改質して水素を含むガスにする燃料改
質器に関する。
〔従来の技術〕
天然ガスやナフサ等の炭化水素系の原燃料に水蒸気を
付加してなる改質原料ガスを改質触媒の下に熱媒体の加
熱により水素を含むガスに改質して改質ガスを生成し、
この改質ガスを一酸化炭素変成器を経て燃料電池に供給
する燃料改質器として第2図に示すものが知られてい
る。
第2図において、燃料改質器1は改質管2と、改質管
2の内側に配されるバーナ3と、このバーナ3を上部に
備え、改質管2内に改質触媒が充填されてなる触媒充填
部を外部から囲む炉容器4とから構成されている。改質
管2において、5は直立した仕切円筒であり、この仕切
円筒5を挟んでその両側に円筒状の外管6と内管7とが
配置されている。外管6と内管7との下端部は仕切円筒
5の下端から離れて半トーラス状の底板で連結され、外
管6と仕切円筒5および仕切円筒5と内管7とによりそ
れぞれ下端部で接続する外側環状空間8と内側環状空間
9とが形成されている。外側,内側環状空間8,9におい
てその下半部には改質触媒12が充填されて外触媒層10と
内触媒層11とが下端部の半トーラス部で接続されて形成
されている。そして内触媒層10と外触媒層11とを仕切る
仕切円筒5の下半部は下から上に向って厚さの厚い断熱
層13を有している。一方、外側,内側環状空間8,9の上
半部には対流伝熱を促進するアルミナ等からなる伝熱粒
子22が充填されて熱交換器が形成されている。
外側環状空間8の上端部には改質原料ガスマニホール
ド15を介して改質原料ガスの入口16が、また内側環状空
間9の上端部には改質ガス出口マニホールド17を介して
改質ガスの出口18が形成されている。
バーナ3は改質管2の内側に設けられ、さらにバーナ
3からの燃焼ガスが改質管2内の触媒充填部を加熱する
ように外触媒層10と内触媒層11とからなる触媒層の始
点,終点のレベルに配置されている。
炉容器4はバーナ3を上部に備え、改質管2の外触媒
層10と内触媒層11とからなる触媒層を外部から囲むよう
に設けられ、その内側面と底面とには耐火断熱材19が配
設されている。そして炉容器4内にはバーナ3からの燃
焼ガスが改質管2の内側に沿って流れた後、改質管2の
下端で折返して改質管2の外側に沿って流れる燃焼ガス
通路20が形成されている。なお、改質管2の外側部の燃
焼ガス通路20には燃焼ガスの対流伝熱を促進する伝熱粒
子22が充填されている。
このような構造の燃料改質器において、バーナ3に燃
料入口23から燃料を送入し、図示しない空気入口から燃
焼空気を送入して燃料を燃焼させると、バーナ3からの
燃焼ガスは燃焼ガス通路20である反応管2の内側を下方
に流れ、反応管2の下端で折返して伝熱粒子22が充填さ
れた反応管2の外側の燃焼ガス通路を上方に流れ、燃焼
ガス出口24から外部に排出される。
一方、原燃料のメタンと水蒸気とからなる改質原料ガ
スは改質原料ガス入口16から流入し、外側環状空間8の
上半部を下方に流れ、さらに下半部の外触媒層10を下方
に流れて下端部で折返して内側環状空間部9の下半部の
内触媒層11を上方に流れ、さらに上半部を流れて反応ガ
ス出口18から外部に流れる。
上記のようにバーナ3からの燃焼ガスにより外触媒層
10と内触媒層11とからなる触媒層は加熱され、この触媒
層を燃焼ガスの流れる方向と逆方向に流れる改質原料ガ
ス中のメタンは改質触媒の作用の下に吸熱反応により水
蒸気改質されて水素を含む改質ガスになる。この場合、
吸熱反応に伴い外触媒層10と内触媒層11とからなる触媒
層の隣り合わせる部位では温度差があり、この中で触媒
層の隣り合わせる改質原料ガスが入る始点と反応ガスが
でる終点が最も大きい温度差になるが仕切円筒5の断熱
層13のため熱の移動が阻止される。このため触媒層の終
点近くの温度は吸熱反応を完成させるのに必要な高温を
保持し、十分に水蒸気改質された改質ガスが得られる。
なお、触媒層からでる高温のガスは、外側,内側環状
空間8,9の上半部の熱交換部により改質原料ガス入口16
から外側環状空間8の上半部を流れる改質原料ガスと熱
交換する。
上記のような燃料改質器において、メタンのような原
燃料を水蒸気改質する際には高温の運転温度で改質反応
が行われ、改質管を形成している耐熱鋼の表面温度は、
運転圧力にもよるが700〜900℃にもなる。
また上記の燃料改質器は、この燃料改質器で得られた
水素を含む改質ガスを一酸化炭素変成器にて一酸化炭素
濃度の低い水素に富むガスにした改質ガスを燃料電池の
燃料として供給して燃料電池により発電する燃料電池発
電システムに組み込まれる。
このような燃料電池発電システム全体の起動停止時間
は、発電装置であるという観点から、より短いことが望
まれており、1〜4時間程度が目標となっている。また
最も頻度が高い場合には、毎日起動停止を繰り返す場合
がある。これは、従来の化学プラント用に比較して起動
時間は約10〜100分の1,起動停止頻度は約250倍であり、
非常に過酷な条件の下に起動,停止が行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように燃料改質器は、従来の化学プラント用の
改質器に比較して、非常に過酷な条件で頻繁に起動,停
止が繰り返されるため、起動,停止中の温度変化によ
り、改質管を構成している金属材料は、膨脹収縮を繰り
返す。この結果、起動,停止毎に触媒層部に応力が発生
し、最悪の場合には改質触媒の圧壊を起こす。特に第2
図で示す改質管2の改質原料ガスの入口に近い部分Aと
バーナ3に高い部分Bの昇温曲線は第3図に示すように
バーナ近接部の改質管表面温度Pは改質原料ガスの触媒
層入口部の改質管表面温度Qより高くなり、改質管に温
度差の大きい温度分布が生じる。この温度分布によって
も改質管に熱変形が生じ触媒層に応力がな生じ、圧壊に
つながる。
ところで、触媒が圧壊して粉状になると、触媒層の圧
力損失が大きくなり、最悪の場合燃料電池発電システム
の継続運転が不可能になる可能性もあった。
このため、触媒粒子自身にある程度の圧壊強度をもた
せる必要があるが、触媒自身の圧壊強度を増大させるこ
とは、触媒の担体であるアルミナの強度を増加させるこ
とになる。このためには、担体処理時の焼成温度を上昇
させるか、処理時間を長くするかのいずれかの方法があ
るが、いずれにしてもγ−Al23をα−Al23として結
晶度をあげる結果、担体内部の細孔容積を減らすことに
なり、触媒活性が低下する。これは、このような細孔は
直接的に触媒反応の速度に寄与し、数が多ければ触媒活
性がよいといえるからである。
このように、触媒強度と触媒活性の関係は相反する関
係があるため、燃料改質器の改質触媒は、ある程度の強
度と活性との両者をバランスさせて制作している。この
ため、触媒量を減少させることができず、例えばオンサ
イト用の燃料電池発電システムのような場合には燃料改
質器のサイズがある程度以下にはならないという欠点が
ある。
本発明の目的は、改質管内の触媒層の改質触媒が起
動,停止時の昇温,降温時において圧壊しない燃料改質
器を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本願発明によれば、炭化
水素系の原燃料を水蒸気と共に改質触媒が充填されてな
る触媒層を有する改質管に通流し、改質管を加熱して原
燃料を水素を含むガスに改質する燃料改質器において、
改質管の熱変形により改質触媒に生じる水平方向の応力
を吸収する可撓性の応力吸収層を触媒層と接する改質管
壁面の少なくとも一部に配設するものとする。
〔作用〕
改質触媒からなる触媒層を有する改質管の起動,停止
時に生じる温度変化や温度差の大きい温度分布により、
膨脹収縮や熱変形が生じ、このため改質触媒には応力が
生じる。この際改質触媒に圧縮応力が加わった場合には
改質層内に改質ガスの流れ方向に設けられた可撓性の応
力吸収層が加わった応力に応じて縮み、改質触媒が圧壊
しないように保護する。なお、改質管の温度変化や温度
分布の温度差が減少し、触媒層に加わる圧縮応力が減少
した場合には応力吸収層は再び厚さを増して触媒層を元
の形状に戻す作用をする。
〔実施例〕
以下図面に基づいて本発明の実施例について説明す
る。第1図は本発明の実施例による燃料改質器の断面図
である。なお第1図において第2図の従来例と同一部品
には同じ符号を付し、その説明を省略する。第1図にお
いて従来例と異なるのは改質管2の仕切円筒部の断熱層
13の両側に可撓性の材料、例えば断熱材として常時用い
られているセラミックファイバー系不織布等からなる応
力吸収層30を取付けたことである。
このような構造により燃料改質器1の起動,停止中に
生じる改質管の温度変化や温度分布により外管6と断熱
層13との間隔、もしくは断熱層13と内管7との間隔が初
期状態より狭まった場合に、改質触媒に生じる水平方向
(改質管2の径方向)への圧縮応力を吸収して改質触媒
の圧壊を防止する。
なお、本実施例では二重管構造の改質管について説明
したが、単管構造においても可撓性の応力吸収層を触媒
層内に改質原料ガスの流れ方向の触媒層長さ方向に設け
ても同じ効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば改質
管内の改質触媒からなる触媒層内に改質原料ガスの流れ
方向の触媒層長さ方向に可撓性の応力吸収層を配設した
ことにより、燃料改質器の起動,停止時の改質管の温度
変化や温度分布により触媒層の改質触媒に生じる水平方
向の圧縮応力を可撓性の応力吸収層により吸収するの
で、改質触媒の圧壊を防止できる。したがって改質触媒
として強度を減少させる細孔が多く、このためより活性
の良好な触媒を使用できるので、触媒量を少なくでき、
このため燃料改質器をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例による燃料改質器の断面図、第
2図は従来の燃料改質器の断面図、第3図は燃料改質器
の起動時の改質管の昇温特性を示す図である。 1:燃料改質器、2:改質管、3:バーナ、12:改質触媒、30:
応力吸収層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素系の原燃料を水蒸気と共に改質触
    媒が充填されてなる触媒層を有する改質管に通流し、改
    質管を加熱して原燃料を水素を含むガスに改質する燃料
    改質器において、改質管の熱変形により改質触媒に生じ
    る水平方向の応力を吸収する可撓性の応力吸収層を触媒
    層と接する改質管壁面の少なくとも一部に配設したこと
    を特徴とする燃料改質器。
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JPS63201001A (ja) * 1987-02-18 1988-08-19 Hitachi Ltd 燃料改質装置

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