JP2712569B2 - クレゾール類中の尿素及びその誘導体の除去方法 - Google Patents

クレゾール類中の尿素及びその誘導体の除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 p−、m−、o−クレゾール又はこれらの混合クレゾ
ール(以下クレゾール類という)に微量含有している尿
素及びその誘導体の除去方法に関するものである。
〈従来の技術〉 尿素は高温で加熱するとアンモニアを発生しビューレ
ット、トリウレット、シアヌル酸が生成することは知ら
れている。また、ホウ酸を添加して、200〜600℃で加熱
するとアンモニア、炭酸ガス、一酸化炭素等に分解する
ことが知られている(Tr.Mosk.Khim.Tekhnol.Inst,72,P
79−81)。
しかし、これらの方法は高温に加熱するためクレゾー
ルが潰れる欠点や高熱を要するため工業的に実施するこ
とが困難であった。
更に亜硝酸による分解反応等も公知であるがクレゾー
ル類のニトロソ化反応等が起こるために適応は困難であ
る。
〈発明が解決しようとする課題〉 クレゾール類中に微量の尿素及びその誘導体が含有す
るとクレゾール類のアルキル化反応等で触媒を被毒し反
応を阻害するため、クレゾール類中に微量含有する尿素
及びその誘導体を除去する技術の確立が望まれている。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、尿素及びその誘導体を含有するクレゾール
類から尿素及びその誘導体を除去する方法において、該
クレゾール類を塩基性化合物と水の存在下で加熱処理し
て該クレゾール類中の尿素及びその誘導体を分解し、分
解により発生するアンモニアを留去することを特徴とす
るクレゾール類中の尿素及びその誘導体の除去方法であ
る。加熱処理の温度は通常50℃〜250℃、好ましくは70
〜200℃である。
本発明に使用する塩基性化合物としては、具体的には
カ性ソーダ、カ性カリ、水酸化リチウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属、アルカ
リ土類金属の水酸化物あるいはナトリウムアルコキシ
ド、カリウムアルコキシド、カルシウムアルコキシドな
どのアルカリ金属、アルカリ土類金属アルコキシド類
(ここにおいて、アルコキシドとしては、例えばメトキ
シド、エトキシド、イソプロポキシド、ターシャリブト
キシドなどである)、また炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属炭酸塩や酸化
ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウムなどのアル
カリ金属、アルカリ土類金属酸化物などが上げられる。
これらの内で特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましく用いられ、該
塩基性化合物は、単独又は二種以上の混合物として使用
される。
また、この塩基性化合物の濃度は、クレゾール類中に
含有する尿素及びその誘導体の量によって異なるがクレ
ゾールに対して0.0005wt%〜10wt%の範囲であり、より
好ましくは0.005wt%〜5.0wt%である。
しかし、尿素及びその誘導体を含有するクレゾール類
を該塩基性化合物の存在下で加熱処理するだけでは該ク
レゾール類中の尿素及びその誘導体の分解は生じない。
これに水の存在が本発明の目的達成に重要である。
本発明の方法において水の添加量は、クレゾール類に
対して通常1〜200重量%、好ましくは5〜100重量%で
ある。
本発明の好ましい実施態様は、例えば所定量のクレゾ
ール類と塩基性化合物及び水を連続的又は断続的に精留
塔ボトム又はオートクレーブへ注加し、加熱し、該クレ
ゾール類中の尿素及びその誘導体の分解により発生する
アンモニアを同時的に留去することが重要である。
これは尿素及びその誘導体の分解には下記式 (HNHCONH2+nH2O→(n+1)NH3+nCO2) で示されるにように、 NHCO に対し当モルの水が必要であること、また分解により発
生するアンモニアなどの窒素化合物は親水性が高いた
め、水存在下の全還流処理のみではある濃度で平衡に達
してしまい、分解反応が遅くなるためである。
具体的な分解法として、蒸溜法と加圧下での加熱処理
法がある。
蒸溜法については、クレゾール類にスチームを吹き込
む水蒸気蒸留法(留出するクレゾール類は水と分離し還
流する)であり、この場合の温度は100℃から200℃であ
り、この際、共沸溶媒としてトルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素やヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素を用いると、70℃から150℃と低
温で、かつ分解速度も上昇する傾向にあり、更に好まし
い態様である。
これらの溶媒を用い、かつ塩基性化合物を溶解したク
レゾール類の原液をフィード液とし、リボイラーにスチ
ームを吹き込む連続精留法においてはリボイラー温度を
100℃〜150℃に維持すると、溶媒及び水留去と尿素及び
その誘導体の分解が同時的に進行することから、この精
留による分解除去法は設備面、操作面で非常に有利な方
法であることを見出した。
次に加熱処理法については、オートクレーブ、パイプ
リアクター等の高圧用反応器を用い、クレゾール類と水
及び塩基性化合物を100〜200℃で加熱する方法である。
また、分解と同時にアンモニアを脱ガス・留去すること
により、反応系内のアンモニア濃度を低下せしめ、分解
反応を有利に進行させることができる。これらの処理は
連続法、回分法により実施できる。
また、本発明は塩基性化合物を用いるため、クレゾー
ル類と反応しフェノラートをつくっているため除去後の
クレゾール類は単蒸留などを行なうと良い。
〈発明の効果〉 本発明の方法によれば、クレゾール類中に含有する10
〜10000重量ppmの総窒素(尿素及びその誘導体を総窒素
=TOTAL−Nとして分析)が1〜3ppm以下まで分解・除
去できることが判明したものであり、その工業的効果は
大きいものがある。
〈実施例〉 以下、実施例により詳細に説明するが本発明はこれ等
の実施例に限定されるものではない。
実施例1 m/p比=30/70のクレゾール643.7重量部に、10wt%のN
a2CO3を12重量部加え、フラスコに仕込み、150℃に昇温
して水を106.8部/時間で注加し、4時間水蒸気蒸留を
行なった。原料中にTOTAL−Nで190ppm存在した尿素及
びその誘導体が最終的に2ppmまで減少し、分配率をみる
と第1表に示すとおり、TOTAL−Nの99.13wt%が留出水
へ分配していた。
実施例2 600重量部のクレゾール類(m/P=30/70)のトルエン
溶液(クレゾール含有30wt%)に、150重量ppmの水酸化
ナトリウムを加え、90℃で実施例1と同様にして水蒸気
蒸留を行なった。その結果を第2表に示すとおり、原料
中のTOTAL−N54ppmが最終的に1ppmまで減少した。
実施例3 クレゾール類(m/P=50/50)のトルエン溶液(クレゾ
ール含量30wt%)に、水酸化カリウム300重量ppm溶解し
たものを精留塔の14段目に980.5重量部/時間でフィー
ドし147.1重量部/時間の蒸留水を110℃のリボイラーへ
注加する方法で連続精留を24時間実施した。フィード液
中のTOTAL−N54ppmがリボイラーで2ppmまで減少した。
実施例4 800重量部のクレゾール類(m/P=30/70)のトルエン
溶液(クレゾール含量30wt%)と200部の1%水酸化カ
リウムをオートクレーブに仕込み、150℃で3時間加熱
後、14段の精留塔を用い、減圧度300mmHg、還流比0.2、
リボイラー温度160℃の条件でトルエンと水を留去し
た。原料中の留TOTAL−N105ppmが3ppmまで減少した。
実施例5 オートクレーブ2機とフラッシュドラム1機を用い、
1段目オートクレーブにクレゾール(m/P=30/70)140
重量部/時間、0.12重量%の水酸化カリウム及び0.08重
量%の水酸化ナトリウムからなるアルカリ水溶液35部/
時間でフィードし、温度160℃、滞留時間5時間加熱
後、フラッシュドラムで脱アンモニアした。
次にアンモニア脱液を再度2段目オートクレーブへ温
度160℃、5時間でフィードし、尿素及びその誘導体を
分解した。
反応液は、14段精留塔を用い、減圧度300mmHg、還流
比0.2、リボイラー温度160℃の条件で脱水後、減圧度10
mmHg、釜内温度98℃で単蒸溜した。全工程48時間の連続
運転をした結果、第5表に示すとおり、原料クレゾール
中のTOTAL−N289ppmが1ppm以下まで減少した。
以上の実施例1、2、3及び4の処理マスをアルカリ
を除くために単蒸留し、得られた各実施例1、2、3、
4及び5のクレゾールで酸触媒の存在下50℃で0.5時間
ブチル化反応を行なったところ、処理前のクレゾールで
は反応率70〜80モル%であったのが、処理後のクレゾー
ルでは反応率が98〜99モル%まで向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 明 大分県大分市大字鶴崎2200番地 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 藤井 健夫 大分県大分市大字鶴崎2200番地 住友化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−12730(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】尿素及びその誘導体を含有するクレゾール
    類から尿素及びその誘導体を除去する方法において、該
    クレゾール類を塩基性化合物と水の存在下で加熱処理し
    て該クレゾール類中の尿素及びその誘導体を分解し、分
    解により発生するアンモニアを留去することを特徴とす
    るクレゾール類中の尿素及びその誘導体の除去方法。
  2. 【請求項2】50〜250℃の温度で加熱処理する請求項
    (1)に記載の方法。
  3. 【請求項3】塩基性化合物が水酸化ナトリウム、水酸化
    カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの単独又は二
    種以上の混合物である請求項(1)に記載の方法。
  4. 【請求項4】水の量がクレゾール類に対して1〜200重
    量%である請求項(1)に記載の方法。
JP1149930A 1988-06-27 1989-06-12 クレゾール類中の尿素及びその誘導体の除去方法 Expired - Fee Related JP2712569B2 (ja)

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