JP2712558B2 - ショットピーニング方法 - Google Patents

ショットピーニング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、歯車,シャフト,ばねなどの表面にショッ
トピーニング粒子を投射して当該部品の疲労強度を向上
させるのに利用されるショットピーニング方法に係わ
り、さらに詳しくは、ショットピーニング粒子による加
工度を一定に制御して部品の疲労強度のばらつきを小さ
なものとするのに利用されるショットピーニング方法に
関するものである。 (従来の技術) ショットピーニング処理は、インペラを回転させるこ
とによってショットピーニング粒子と称する金属粒子を
被処理物表面に投射してその表面を加工硬化させると共
に表面層に残留圧縮応力を生じさせるものであって、疲
労強度を向上させる手段として、変速機用歯車や航空機
用構造部材などに対し広く応用されている。 このようなショットピーニング処理に実作業において
は、処理強度の指標としてのアークハイトを測定するこ
とによって生産管理が行われている。このアークハイト
とは、昭和57年9月1日に社団法人日本ばね工業会から
改訂第3版として発行された「ショットピーニング作業
標準」第4頁〜第6頁に記載されているように、ピーニ
ング処理の程度を一定サイズの試験板(アルメンストリ
ップ)にショットピーニングを施した場合の試験片の反
り量として評価するものであって、このアークハイトは
被処理物の疲労強度と良い相関を有している。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このようなショットピーニング処理に
おいては、処理の繰返しによるショットピーニング粒子
の摩耗,破損等の消耗に伴ってアークハイトが次第に低
下するため、新しいショットを補充することとなるが、
この補充の前後でのアークハイトに差が生じる結果、製
品の疲労強度がばらつくという問題点があり、このばら
つき解消がショットピーニング処理における課題のひと
つとなっていた。 (発明の目的) 本発明は、上記のような従来の課題を解決するために
なされたものであって、ショットピーニング粒子の粒径
変化に応じて投射時間を調整することによって、ショッ
トピーニング粒子の粒径が変化してもアークハイトを常
に一定にすることができ、その結果被処理物の疲労強度
のばらつきを小さなものとすることが可能であって、機
械部品の設計強度の下限値を高めることができるショッ
トピーニング方法を提供することを目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記目的を達成するため、ショットピー
ニング処理強度、すなわちアークハイトに影響を及ぼす
諸因子について鋭意検討を重ね、それらの相互関係につ
いての多くの実験データを調査解析した結果、アークハ
イトhは、一般に次式で表わし得ることを見出した。 h=clog(d3・v2・t) ここで、cは使用するショットピーニング装置により
決まる定数、vは前記ショットピーニング装置のインペ
ラ回転数によって決まる定数、dはショットの平均粒
径、tは投射時間である。 さらに、本発明者は、前記ショットの平均粒径とイン
ペラモータのモータ電流との間の関係に着目した結果、
ショットピーニング粒子の平均粒径とインペラのモータ
電流との間には直線的な関係が認められ、前述のアーク
ハイトとショットピーニング粒子の平均粒径との関係式
からアークハイトはインペラモータのモータ電流と投射
時間の関数として表わすことができ、インペラモータの
モータ電流を検出して上記関数が一定となるように投射
時間をコントロールすることによって、ショットピーニ
ング粒子の粒径が変化してもアークハイトを常に一定に
制御することができるという全く新しい知見を得るに到
った。 本発明に係るショットピーニング方法は、上記知見に
基づくものであって、操業中のショットピーニング粒子
の平均粒径の変化に応じて、前記ショットピーニング粒
子の平均粒径の3乗と投射時間との積が一定値となるよ
うに投射時間を制御する構成としたことを特徴としてお
り、一実施態様にあってはショットピーニング粒子の平
均粒径を当該平均粒径との間で直線的な相関を有するイ
ンペラモータのモータ電流の関数として投射時間を制御
する構成としたことを特徴とするものであり、本発明に
係るショットピーニング法を実施するショットピーニン
グ装置の一実施態様は、マニュアル入力された目標とす
るアークハイト値とモータ電流検出手段によって検出さ
れたインペラモータのモータ電流値とから投射時間を算
出して出力する演算手段と、前記演算手段の出力に基づ
いて前記投射時間の間だけインペラモータを駆動するモ
ータ駆動手段とを備えた構成としたものであって、本発
明において用いるショットピーニング粒子としては常温
のものだけでなく冷却したものや加熱したものなどを用
いることも可能であって、上述した構成を前述した従来
の課題を解決するための手段としたことを特徴としてい
る。 (発明の作用) 以下に、本発明の実施態様をショットピーニング粒子
の吹き付け手段としてインペラを使用した場合を例にと
って作用と共に詳しく説明する。 前記関係式 h=clog(d3・v2・t) …(1) において、cおよびvはショットピーニング装置および
インペラ回転数によって決まる定数であるから、d3tす
なわちショットの平均粒径と投射時間との積を一定にす
ればアークハイトhも一定になることが明らかである。
したがって、予め実験を行ってcおよびvを求めてお
き、ショットの粒径変化に応じてd3tが前後定数c,vと目
標アークハイト値hとによって決まる一定値となるよう
に投射時間tを制御するようにすることにより、常に目
標とするアークハイト値hのショットピーニング処理が
施されるようになる。 また、前記関係式(1)は、 と変形することができ、前記ショットピーニング粒子の
平均粒径dはインペラモータのモータ電流Iとの間に相
関があり、一般にモータ電流Iの一次式 d=aI+b …(2) で表わされる(a,bはショットピーニング装置によって
決まる定数)ため、投射時間tは と書き表わされる。 したがって、使用する装置についてモータ電流Iとシ
ョットピーニング粒子の平均粒径dとの関係を実験的に
調査し、常数a,bを予め求めておくことによって、その
都度ショットの平均粒径を測定することなく、投射時間
tが目標アークハイト値hとモータ電流Iとから算出さ
れ、この投射時間tのショットピーニング処理を施すこ
とによって、ショットピーニング粒子径の変動にもかか
わらず常に目標アークハイト値hの処理強度が得られる
ようになる。 また、本発明に係るショットピーニング方法の実施に
使用されるショットピーニング装置の一実施態様におい
ては、マニュアル入力された目標とするアークハイト値
とインペラモータのモータ電流検出器の出力とに基づい
て投射時間を算出する演算手段と、前記インペラモータ
の回転開始後前記投射時間が経過したときに前記インペ
ラモータへの電源供給を遮断するモータ駆動手段とを備
えており、演算手段がマニュアル入力された目標アーク
ハイト値hとモータ電流検出器によって検出されたイン
ペラモータのモータ電流Iとから投射時間tを前記関係
式(3)に従っ自動的に算出し、モータ駆動手段が前記
演算手段からの投射時間tの出力に応じて、時間tの間
だけインペラモータを回転させるため、ショットの粒子
径が変動しても常に目標アークハイト値hのショットピ
ーニング処理を全自動で行うようになっている。 (実施例) 第1図は、あるショットピーニング装置を用いて、イ
ンペラ回転数2000rpm,投射時間240secの条件でショット
ピーニング処理を行った場合のアークハイトhとショッ
トピーニング粒子の平均粒径dとの関係を調査したもの
である。なお、このアークハイトhはアルメンストリッ
プAゲージ(板厚1.295±0.025mm)により測定したもの
であり、平均粒径dは、約1kgのショットピーニング粒
子をサンプリングし、目開き700μm,500μm,300μm,100
μmの4段階の篩で篩い分けたときの各篩上の残存ショ
ットピーニング粒子重量から次式によって求めたもので
ある。なお、WTはサンプリング全重量,W700,W500,W300,
W100はそれぞれ目開き700μm,500μm,300μm,100μmの
篩上に残存したショットピーニング粒子重量、W100pは
目開き100μmの篩を通過したショットピーニング粒子
の重量である。 第1図の結果は、インペラ回転数が2000rpm、投射時
間が240secとそれぞれ一定であることから h=0.31logd3+0.6 …(4) と近似することができ、前記一般式(1)と比較するこ
とにより、定数cおよびv2はそれぞれ0.31および0.3587
であることが求まる。 すなわち、このショットピーニング装置の場合のアー
クハイトhとショットピーニング粒子の平均粒径dおよ
び投射時間tとの関係は h=0.31log(0.3587d3・t) …(5) で与えられ、上記(4)式は、 と書き表わすことができる。 上記(4)′式の右辺は目標とするアークハイト値h
を定めることにより一定値となり、ショットピーニング
粒子の消耗に応じて、ショットピーニング粒子の平均粒
径の3乗と投射時間tとの積d3tが前記一定値になるよ
うに投射時間tをコントロールすることによって、アー
クハイトが常に目標値hであるショットピーニング処理
が可能となることになる。 第1表は、目標アークハイト値を0.45mmとして、すな
わち(5)′式よりd3tが78.9になるように投射時間t
を制御してショットピーニング処理を施した場合のアー
クハイト実測値を示すものである。なお、ショットピー
ニング粒子の平均粒径は、前述の篩分け法によって、投
射前にそれぞれ測定した。 第1表から判るように、ショットピーニング粒子の平
均粒径の減少に応じて、d3tの値が78.9になるように投
射時間tを増すことによって、前記平均粒径が0.78〜0.
62mmまでも変化したにもかかわらず、アークハイトを0.
45±0.01mmの範囲に収め得ることが確認された。 第2図は、前記実施例に用いたショットピーニング装
置を用いて、ショットピーニング粒子の平均粒径dとイ
ンペラモータのモータ電源Iとの関係を調査したもので
ある。 この図から、前記平均粒径dとモータ電流Iの関係
は、 d=0.147I−0.56 …(6) と近似され、前記(5)′式と(6)式とから が得られる。 第2表は、目標アークハイト値を同じく0.45mmとし
て、稼動中のインペラモータのモータ電流値Iを計測
し、(7)式に従って投射時間tを決定してショットピ
ーニング処理を行った場合のアークハイト実測値を示す
ものである。なお、モータ電流Iは、処理終了直前の電
流値をもって次の処理の投射時間を算出した。 第2表から判るように、ショットピーニング処理にお
ける投射時間tをインペラモータのモータ電流値Iに基
づいて決定することにより、アークハイトを0.45±0.01
mmの範囲内に収めることができ、常に一定の処理強度が
得られることが確認された。この実施例では、インペラ
モータのモータ電流から処理時間を算出することがで
き、その都度ショットピーニング粒子の平均粒度を測定
する必要がないため、処理時間の算出が早く極めて実用
的である。 第3図は、本発明に係るショットピーニング方法の実
施に使用されるショットピーニング装置の一実施例にお
ける制御回路を示すもので、当該ショットピーニング装
置1は、ショットを被処理物に投射するインペラ2と、
このインペラ2を回転させるインペラモータ3を備える
と共に、このインペラモータ3のモータ電流を検出する
電流計4と、後述する演算回路8からの出力に基づく第
1のデジタルタイマ5からの信号によって前記電流計4
の電流値を取り込むトリガ6と、前記トリガ6によって
取り込んだ電流値をデジタル電流値Iに変換するA/Dコ
ンバータ7とからなるモータ電流検出手段Aを備え、さ
らに前記モータ電流検出手段からの電流値Iとマニュア
ル入力された目標アークハイト値hとから投射時間tを
前記関数(3)式に従って算出する演算手段Bである演
算回路8を備え、さらに前記インペラモータ3をON・OF
Fするスイッチ9および前記演算回路8からの出力に基
づき前記スイッチ9のON・OFFを指示する第2のデジタ
ルタイマ10からなるモータ駆動手段Cとを備えている。 上記構成のショットピーニング装置1を始動させる
と、まず始動プログラムが作動し、インペラ2を回転さ
せてインペラモータ3のモータ電流値Iをトリガ6によ
って取り込み、演算回路8に自動入力する。次に、目標
アークハイト値hをキーボードあるいはテンキーなどに
より前記演算回路8にマニュアル入力すると、投射時間
tが前記関数(3)式 に従って自動的に算出される。 算出された投射時間tは、ショットピーニング処理時
間として第2のデジタルタイマ10に入力され、ショット
ピーニング処理開始後t秒経過時にスイッチ9がOFF作
動し、インペラモータ3を自動停止させるようになって
いる。また、このとき、第1のデジタルタイマ5には、
t−xが入力され、投射終了x秒前にトリガをかけ、そ
の時のモータ電流値I′が取り込まれ、次のショットピ
ーニング処理のデータとして演算回路8に入力される。
このとき、目標アークハイト値が新たに入力されなけれ
ば、目標アークハイトは変らないものとして次のショッ
トピーニング処理における投射時間t′が前記と同様に
自動算出され、前記第2のデジタルタイマ10に入力さ
れ、次のショットピーニング処理開始後t′秒経過後に
インペラモータ3が自動停止するようになっている。こ
のようにしてショットピーニング処理が繰り返される。 なお前記xは予め設定するものであるが、次のショッ
トピーニング処理時のモータ電流値に極力近い値を取り
込むようにするため、小さい値とすることが望ましい。 このような自動制御装置を前記実施例に用いたショッ
トピーニング装置に組み込み、目標アークハイト値を同
じく0.45mmとすると共に、装置の各定数をc=0.31,v2
=0.3587,a=0.147,b=−0.56としてショットピーニン
グ処理を施した結果、アークハイト値は、すべて0.45±
0.01mmの範囲内に収まることが確認された。なお、この
時のショットピーニング粒子の平均粒径は、当初0.74mm
であったものがすべての処理の終了した時点で0.62mmに
まで細粒化していた。 このように、本発明に係るショットピーニング方法の
実施に用いられるショットピーニング装置では、ショッ
トピーニング粒子の粒径の減少をモータ電流によって検
出し、それに応じてショットピーニング粒子の投射時間
が自動的に延長されるため、常に一定強度のショットピ
ーニング処理を行うことができる。 以下のように、本発明の上記実施例においては、ショ
ットの破損,摩耗による消耗に応じてショットの投射時
間を長くすることによって、常に一定の強度のショット
ピーニング処理を行うようにし処理品の疲労強度のばら
つきを小さくして設計強度の下限値を高めることができ
るようにしたものであるが、ショットピーニング粒子の
破損消耗は処理時間の延長を来たし、新しいショットピ
ーニング粒子の補充頻度を高めるため、コスト上望まし
くないことは言うまでもない。 本発明者は、上記観点からショット粒子の破損防止に
ついて種々検討した結果、被処理品に対して熱による影
響がさほど大きくならない場合には、ショットピーニン
グ粒子をその素材の延性−脆性遷移温度以上に、望まし
くは80℃〜200℃の範囲の温度に加熱することによって
ショットの消耗率を大幅に低減できることを見出した。 第4図は、このような熱間ショットピーニングの実施
要領を示すものである。 図において、被処理物11は、回転テーブル12に据え付
けられ、当該回転テーブル12と共に回転するようになっ
ている。 ショットピーニング粒子13は、ショットピーニング粒
子加熱器14で加熱され、ショットピーニング粒子出力管
15より高速回転するインペラ16の上に供給され、前記被
処理物11に向けて投射され、被処理物11の表面に高速衝
突する。上記ショットピーニング処理は、すべてショッ
トピーニング室17内で行われ、ショットピーニング粒子
13が前記ショットピーニング室17の外に飛散しないよう
になっている。 ショットピーニング後のショットピーニング粒子は、
回収ショットピーニング粒子輸送管18を通って粒子選別
機19に輸送される。粒子選別機19は、所定の粒子サイズ
以下の粒子を除去し、残存したショットピーニング粒子
をショットピーニング粒子加熱器14へ送り出す。前記シ
ョットピーニング粒子加熱器14では、粒子選別機19から
送り出されて来たショットピーニング粒子と新品ショッ
トピーニング粒子補給機20から補充されたショットピー
ニング粒子を所定の温度に加熱して所定量をショットピ
ーニング粒子出力管15へ送出する。 本例では、平気粒径0.6mm,硬さHRC58のショットピー
ニング粒子を100±5℃に加熱して、投射速度70mm/sec
の条件で表面硬さHRC61のSCM420浸炭焼入焼戻鋼からな
るシャフトにショットピーニング処理を施した。 第5図は、上記のショットピーニングを1時間行なっ
た場合のショットピーニング粒子消耗量をショットピー
ニング粒子の加熱を行わない場合と比較して示したもの
である。このような熱間でのショットピーニング方法と
することで、ショットピーニング粒子の消耗量を従来の
ショットピーニング方法とくらべて1/2以下とすること
ができた。 この場合、ショットピーニング粒子の加熱温度は、シ
ョットピーニング粒子素材の延性−脆性遷移温度以上で
あればよく、鋼のショットピーニング粒子においては80
℃以上とし、加熱温度の上限は、ショットピーニング粒
子の焼戻し軟化を考慮して200℃以下とするものであ
り、このような高温のショットピーニング粒子を用いた
ショットピーニング方法においても、操業中のショット
ピーニング粒子の変化に応じて、前記ショットピーニン
グ粒子の平均粒径と投射時間とであらわされる関係にお
いて前記投射時間を制御することによって、被処理物の
アークハイトのばらつきを小さなものとすることが可能
であり、被処理物の疲労強度のばらつきをより一層小さ
なものにできることが認められた。 また、この種のショットピーニング方法において、本
発明者はさらに詳細に検討を加えた結果、被処理物の温
度を制御しない従来のショットピーニング方法では、よ
り高速で鋼球等を被処理物に投射する場合に、被処理物
表面における塑性変形による発熱が大きくなり過ぎ、こ
の熱により被熱処理物の加工硬化した表面が同時に回復
現象を起こすことがあって被処理物によってはその疲労
強度が十分に上らないこともないとはいえない。 そこでこのような被処理物の場合には鋼球を温度制御
された高速噴射する水に混合させ、被処理物表面に高速
衝突させることも考えられる。 第6図は、このような対策を施す場合の例を示す図で
ある。図において、ショットピーニング粒子21は、噴射
流水22に混合された状態で、回転テーブル23の上に据え
られた被処理物24に衝突する。衝突後、前記ショットピ
ーニング粒子21と水は、回収室25に回収され、ショット
ピーニング粒子21は沈降し、伝送管26を通ってショット
ピーニング粒子選別供給装置27へ運ばれる。回収された
水は温度制御装置28にて所定の温度にコントロールされ
て水噴射装置29へ送給され、所定の流速を与えられ噴射
される。ショットピーニング粒子選別供給装置27で選別
されたショットピーニング粒子は、新品ショットピーニ
ング粒子補給装置30により、ショットピーニング粒の補
給が行なわれ、水噴射装置29から噴射される流水に所定
量だけ混合される。このようにして流水とショットピー
ニング粒子は、水流噴射管31の中で混合され、被処理物
24に噴射される。 本対策例では、平均粒径0.5mmのショットピーニング
粒子を5±1℃にコントロールした噴射速度100m/secの
流水中に混合して、SCr420浸炭焼入焼戻鋼からなる切欠
付き回転曲げ試験片にショットピーニング処理を施し
た。 第7図は、本対策例によりショットピーニング処理を
施した前記切欠き付き回転曲げ試験片を用いた疲労試験
結果を示すものであり、同図には比較としてエアノズル
式ショットピーニングにより、同様の切欠き付き曲げ試
験片に同一条件で、室温(20℃)でショットピーニング
処理を施した場合の疲労試験結果が併せて示してある。
第7図より明らかなように、本対策例のショットピーニ
ング方法とすることにより、疲労強度が約10%向上し
た。 この対策例は、冷却媒体(ショットピーニング粒子の
輸送媒体でもある)を特に水を限定するものではなく、
またこの媒体の温度を特に限定するものではない。例え
ば塩水で−20℃に温度コントロールしてもよい。少なく
ともこの媒体の温度は20℃以下であれば良く、このよう
に被処理物の温度を制御して行うショットピーニング方
法においても、操業中のショットピーニング粒子の変化
に応じて、前記ショットピーニング粒子の平均粒径と投
射時間とであらわされる関係において前記投射時間を制
御することによって、被処理物のアークハイトのばらつ
きを小さなものとすることが可能であり、被処理物の疲
労強度のばらつきをより一層小さなものにできることが
認められた。
【発明の効果】
以上説明して来たように、本発明に係るショットピー
ニング方法は、操業中のショットピーニング粒子の平均
粒径の変化に応じて前記ショットピーニング粒子の平均
粒径の3乗と投射時間との積が一定値となるように投射
時間を制御する構成としたものであるから、操業中にシ
ョットピーニング粒子の粒径が変化したとしても、それ
に合わせて投射時間を制御することによって被処理品に
対して常に一定のアークハイトのショットピーニング処
理が可能となり、被処理部品の疲労強度等のばらつき解
消に大きく寄与して機械部品の設計強度の下限値を向上
させることができるようになるものであるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るショットピーニング方法の実施例
におけるショットピーニング粒子の平均粒径とアークハ
イトとの関係を示すグラフ、第2図は同じくショットピ
ーニング粒子の平均粒径とインペラモータのモータ電流
との関係を示すグラフ、第3図は本発明に係るショット
ピーニング方法の実施に使用するショットピーニング装
置の制御回路例を説明するブロック図、第4図は加熱し
たショットピーニング粒子を用いるショットピーニング
方法を示す説明図、第5図は第4図に示すショットピー
ニング方法におけるショットピーニング粒子の消耗率に
対するショットピーニング粒子の加熱の効果を示すグラ
フ、第6図は被処理物の温度を制御するショットピーニ
ング方法を示す説明図、第7図は第6図に示すショット
ピーニング方法における繰返応力と破断繰返数との関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−210269(JP,A) 特開 昭60−184624(JP,A) 特開 平1−103264(JP,A) 特開 平1−108347(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操業中のショットピーニング粒子の平均粒
    径の変化に応じて、前記ショットピーニング粒子の平均
    粒径の3乗と投射時間との積が一定値となるように前記
    投射時間を制御することを特徴とするショットピーニン
    グ方法。
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