JP2712473B2 - 無電極多灯光源装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば、液晶表示装置等のバックライト用
として、あるいは一般の照明用として用いられる無電極
多灯光源装置に関する。

［従来の技術］ 近年、液晶表示のバックライト用光源や一般照明のベ
ースライト用として、平面状に均一発光する光源装置の
要求が高まっている。

従来よりこの種の光源装置は、直管型螢光ランプを多
数個並べて構成したり、透光性拡散板の端面に螢光ラン
プを配し、該拡散板の平板表面を発光面とする構成のも
のがよく知られている。しかし、従来の螢光ランプは、
管内両端に一対のフィラメント電極を有するので、ラン
プ長手方向の発光均斉度が悪い上に、連続点灯中にフィ
ラメントに塗布されたエミッタ物質が、ランプ両端近傍
の管壁に付着し黒化を生じやすく、また、フィラメント
を有するため入力電流が制限され光量が不足するといっ
た欠点があった。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は上記欠点に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、発光均斉度が高く、しかも充分な光量が
得られる無電極多灯光源装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明は上記課題を解決するため、無電極多灯光源装
置を、誘導コイルが放電容器の外周に沿って配設された
複数個の無電極放電ランプと、高周波電流を発生する高
周波発生回路と、該高周波発生回路の出力を複数に並列
分割して前記誘導コイルに高周波電流を供給する分配器
と、該分配器と前記誘導コイルとの間で且つ誘導コイル
の近傍に配設され、前記高周波発生回路とランプ間に生
じるインピーダンス差を調整する整合回路とで構成した
ことを特徴とする。

［実施例］ 第１図は本発明の一実施例を示すもので、図におい
て、１は放電容器２と誘導コイル３とで構成される無電
極放電ランプで、放電容器２は透光性を有する材料で気
密に形成され、その内部には放電気体が封入され、必要
に応じて内面に螢光体が塗布される。誘導コイル３は放
電容器１の外周に沿って配設されている。４は高周波電
流を発生する高周波発生回路、５は高周波発生回路４の
出力を複数に並列分割して前記誘導コイル３に高周波電
流を供給する分配器、６は高周波発生回路４とランプ１
間に生じるインピーダンス差を調整する整合回路で、可
変コンデンサあるいは可変インダクタで構成され、分配
器５と誘導コイル３との間で且つ誘導コイル３の近傍に
配設されている。なお、高周波発生回路４と分配器５と
の間及び分配器５と整合回路６との間はそれぞれ高周波
伝送線７で接続されている。

このように構成された無電極多灯光源装置において
は、無電極放電ランプ１を複数個に分割しているため、
一つのランプでの放電空間は小さくて済む。従って、放
電容器２内のプラズマが不規則になり均一発光しないと
いった問題が生じないと共に、それぞれのランプ１の近
傍に整合回路６を設けているので、例えば、第１図にお
いて相隣るランプ1aとランプ1bとでは、高周波発生回路
４からの距離が異なり、高周波電流が流れる伝送線の距
離も当然異なり、伝送線のインダクタンス値や抵抗値の
違いにより生じるインピーダンスの差も、整合回路６の
可変コンデンサまたは可変インダクタにより調整でき、
それぞれのランプ1a,1b,1cに供給される電力も安定し、
バラツキもなくなり、発光均斉度の高い光源装置が得ら
れる。また、無電極放電ランプ１であるので、当然高い
光出力が得られる。

第２図は本発明の異なる実施例を示すもので、前記実
施例と異なる点は、複数のランプ1a,1b,1cのそれぞれの
間に透光性拡散板８を設けて、該拡散板８の平板表面を
間接発光面としたことで、他の構成は前記実施例と同様
である。

このように構成することにより、ランプ間隔が器具設
計上狭くなったり、高周波電流を流し光量を増した場合
にも、ランプ増での高周波電磁界の相互干渉も起こら
ず、電気特性の安定した平板光源が得られる。

第３図は本発明のさらに異なる実施例を示すもので、
ランプ１を構成する放電容器２は、互いに平行する２つ
の直管部を有し、両直管部はそれぞれの両端近傍で連通
し、周回する放電路が形成されるように構成されてい
る。また、誘導コイル３は放電容器２の周回放電路に沿
って配設されている。なお、他の構成は前記第１の実施
例と同様であるので、同等構成に同一符号を付すことに
より説明を省略する。

本実施例によれば、従来の直管型螢光ランプを用いた
光源装置に比べ、無電極放電ランプを用いたことによる
高出力、長寿命といった特長の他、長手方向の端から端
まで均一に光るといった特長を有する。さらに、ランプ
１の形状を放電路が周回するような構成にしたことによ
り、ブラズマの安定化による均斉度も上がる。

なお、上記実施例によれば、全面均一発光を目的とし
ているが、逆に両端部付近だけを明るく、中央部を暗く
したような使用態様時にはは、上記整合回路６の可変コ
ンデンサ等を調整することにより、配光制御できるとい
った特長も有する。

また、第３の実施例におけるランプ形状は、第１の実
施例のような放電容器２形状の他、１本の細長い放電容
器に複数個のコイルを配設したような構成にしても構わ
ない。

さらに、上記各実施例のランプ１は、放電容器２の内
面の一部に螢光体を塗布しない所謂アパーチャー型螢光
ランプにしても構わない。

［発明の効果］ 本発明は上記のように、一つの高周波発生回路の出力
を分配器を介して複数に並列分割して、少なくとも二つ
以上の無電極放電ランプの誘導コイルに供給すると共
に、誘導コイルの近傍に高周波発生回路とランプ間に生
じるインピーダンス差を調整する整合回路を設けたこと
により、各ランプの電気特性や光出力が均一になり、全
体として均一発光する無電極多灯光源装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す簡略図、第２図は
本発明の第２の実施例を示す簡略断面図、第３図は本発
明の第３の実施例を示す簡略図である。 １……無電極放電ランプ、２……放電容器、３……誘導
コイル、４……高周波発生回路、５……分配器、６……
整合回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】誘導コイルが放電容器の外周に沿って配設
   された複数個の無電極放電ランプと、高周波電流を発生
   する高周波発生回路と、該高周波発生回路の出力を複数
   に並列分割して前記誘導コイルに高周波電流を供給する
   分配器と、該分配器と前記誘導コイルとの間で且つ誘導
   コイルの近傍に配設され、前記高周波発生回路とランプ
   間に生じるインピーダンス差を調整する整合回路とで構
   成された無電極多灯光源装置。