JP2712351B2 - 後輪操舵装置 - Google Patents

後輪操舵装置

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JP2712351B2 JP63216178A JP21617888A JP2712351B2 JP 2712351 B2 JP2712351 B2 JP 2712351B2 JP 63216178 A JP63216178 A JP 63216178A JP 21617888 A JP21617888 A JP 21617888A JP 2712351 B2 JP2712351 B2 JP 2712351B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は油圧失陥時、後輪操舵アクチユエータが自動
的に中立位置へゆつくりと戻り、後輪の舵角が違和感の
ないように中立位置(直進位置)へ戻るようにした後輪
操舵装置に関するものである。
[従来の技術] 特開昭59−81267号公報に開示される4輪操舵車両で
は、電子制御装置により車速に関連して後輪舵角比が求
められ、これに対応して電磁式油圧制御弁が駆動され、
後輪操舵アクチユエータが駆動される。この種の後輪操
舵装置では、油圧が失陥した場合に後輪舵角が不規則な
変化を来たすのを防止し、かつ後輪を直進位置へ戻すた
めに、後輪操舵アクチユエータの両端室に収容した戻し
ばねによりピストンが中立位置へ戻される。
しかし、油圧失陥時後輪操舵アクチユエータのピスト
ンが急激に中立位置へ戻ると、車両の姿勢が急激に変化
し、運転者に違和感を感じさせ、円滑な操縦を妨げる。
また、上述の後輪操舵装置では、油圧失陥時後輪に作用
する外力により後輪舵角が増大されるのを積極的に抑え
る手段はなく、油圧系統とは別の戻しばねの力だけに依
存するので、特に後輪舵角の制御範囲が大きな車両では
中立位置へ復元するための戻しばねが非常に大きなもの
となり、機構が大型化し、重量増加や製造経費の増加を
来たす。
実開昭60−91576号公報に開示される後輪操舵装置で
は、同公報の符号を用いて説明すると、後輪操舵アクチ
ユエータ9と一体のシリンダ27に1対の挟持ピストン32
を嵌合してなるロツクアクチユエータを備えており、シ
リンダ27の両端室へ圧油を供給すると、ピストンロツド
23のロツク部(被挟持部)36が1対の挟持ピストン32に
より中立位置へ戻される。シリンダ24にピストン22を嵌
合してなる後輪操舵アクチユエータ9の油圧回路は、操
舵用電磁方向切換弁41に制御され、ロツクアクチユエー
タの油圧回路はロツク用電磁方向切換弁42により制御さ
れる。各電磁方向切換弁41,42は走行条件に基づく電子
制御装置15の出力により制御される。しかし、上述の後
輪操舵装置では油圧系統の失陥時、特に操舵中に油圧失
陥が生じると、逆止弁44,45が働き、後輪操舵アクチユ
エータ9がその操舵装置にロツクされたままになり、ロ
ツクアクチユエータのシリンダ27の端室へ圧油を供給で
きなくなるので、1対の挟持ピストン32によりピストン
22ないしピストンロツド23のロツク部を中立位置へ戻す
ことはできず、ピストン22を中立位置へ戻す他の手段が
必要になる。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は上述の問題に鑑み、油圧失陥時、後輪
操舵アクチユエータの油圧回路が拘束され、ピストンが
ゆつくりと中立位置へ戻り、円滑な操縦性が確保される
後輪操舵装置を提供することにある。
[問題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の構成は後輪操舵
アクチユエータのシリンダに嵌装したピストンにより両
端室を区画し、前記ピストンに両端室から外部へ突出す
るタイロツドを結合し、該タイロツドに係止したストツ
パに当接するばね座と前記ピストンに当接するばね座と
の間に戻しばねを介装し、前記シリンダの両端室を油圧
源と油槽の一方へ選択的に接続する方向切換弁を設け、
前記シリンダの両端室と前記方向切換弁とを結ぶ1対の
通路の途中に、前記シリンダの両端室に隣接する壁部に
あつて前記方向切換弁から前記シリンダの各端室への流
れを許す1対の逆止弁を各別に接続し、前記1対の逆止
弁はそれぞれ弁体に前記方向切換弁からの油圧が作用す
る受圧部と前記ばね座により押動されるステムとを有
し、通常は前記方向切換弁からの圧油が前記1対の逆止
弁の一方を経て一方の端室へ供給される時前記圧油の圧
力により前記1対の逆止弁の他方が開かれ、油圧失陥時
前記1対の逆止弁の内で圧縮荷重を受ける容積の大なる
端室に隣接するものが開き、前記1対の逆止弁の内で圧
縮荷重を受けない容積の小なる端室に隣接するものが閉
じるようにしたことを特徴とする。
[作用] 本発明では後輪操舵アクチユエータの両端室付近に1
対の逆止弁が設けられ、通常は一方の逆止弁を経て一方
の端室へ供給させる油圧により他方の逆止弁が開かれ
る。油圧失陥時、ピストンは戻しばね力により中立位置
へ戻る。この時、油が圧縮荷重を受けて外部へ排出され
る方の端室の逆止弁、つまり容積の大なる端室の逆止弁
が開かれ、圧縮荷重を受けない容積の小なる端室の逆止
弁が閉じられる。これにより、後輪舵角が大きくなる方
向の外力が後輪に作用しても、ピストンはその方向へは
移動せず、常に戻しばねの力を受けてゆつくりと中立位
置へ移動するので、運転者にとつて違和感のない安定し
た操縦性が確保される。
[発明の実施例] 第2図は後輪操舵装置の概略構成図である。後輪操舵
装置はハンドル41の切り角に関連して差動制御弁Bを作
動する舵角特性徐変機構Aと、舵角特性徐変機構Aを制
御するアクチユエータDの油量を調整する油量調整弁E
と、差動制御弁Bにより油圧回路を制御される後輪操舵
アクチユエータFと、後輪操舵アクチユエータFを中立
位置でアクチユエータGによりロツクする中立ロツク機
構Hと、後輪操舵アクチユエータFの動作量をケーブル
50、電磁クラツチCを介して差動制御弁Bへフイードバ
ツクする手段とを備えている。
舵角特性徐変機構Aは、軸19と差動制御弁Bの入力軸
ないし駆動軸24の間に備えられ、軸19にスプライン嵌合
した制御部材20から径方向に突出する突片22と、駆動軸
24にスプラインまたはピンなどにより若干の軸方向移動
のみを許すように結合した円筒部材21の切欠21aとの軸
方向の相対位置を制御するアクチユエータDが、車速に
関連して油量を調整する油量調整弁Eにより制御され
る。
ハンドル41を支持する操舵軸37の回転は、公知の前輪
舵取機構30の出力軸29に伝達され、出力軸29と一緒に腕
31,32が回動される。腕32は前後方向のドラツグリンク3
3と連結される。ドラツグリンク33の後端は、前輪40を
支持しかつ上下方向の支軸34により車体に支持された前
輪ナツクル38と連結される。前輪ナツクル38は左側前輪
の同様の前輪ナツクル(図示せず)とタイロツド39によ
り連動連結される。前輪舵取機構30の倍力装置を駆動す
る油圧ポンプ27は、機関により駆動される油圧ポンプ26
と連結される。
腕31は前輪舵取機構30のハウジングにブラケツト16
(第3図)により支持した軸19の腕36と、リンク35によ
り連動連結される。軸19にスプライン嵌合した制御部材
20の環状溝に制御レバー18の一端部が係合される。
制御レバー18は車体の固定部に軸17により回動可能に
支持され、ばね13の力により制御部材20の突片22が円筒
部材21の切欠21aから軸方向に離れるように回転付勢さ
れる(第3図参照)。制御御レバー18の他端部はアクチ
ユエータDのピストンロツドと連結される。第2図には
理解を容易にするために、軸17に結合した制御レバー18
aにピストンロツドが連結され、ばね13はアクチユエー
タDのシリンダの内部に配設される。
カツプ形の円筒部材21は周面に開口端側へ拡がりをも
つ楔形の切欠21aを設けられ、該切欠21aに突片22に当接
すると、軸19の回転が円筒部材21へ伝達され、スプライ
ンまたはピンを経て駆動軸24へ伝達される。駆動軸24は
差動制御弁Bの弁要素を駆動するねじ部材に、リードの
大きなねじ溝で螺合される。軸19の回転が円筒部材21を
経て駆動軸24へ伝達されようとする時の円筒部材21のご
く僅かな軸方向移動(後輪が中立位置から左右いずれか
へ操舵される時の動き)は、円筒部材21の端壁に対設し
たスイツチ23により検出される。該スイツチ23は後述す
る中立ロツク機構Hを制御する。
アクチユエータDはシリンダの内部に嵌装したピスト
ンにより、油圧が導入される端室と、ばね13を収容する
大気室とを区画され、油圧ポンプ26から圧油が油量調整
弁Eを経てアクチユエータDの端室へ供給される。油量
調整弁Eは3つのポートを有するハウジング46の内部
に、2つの環状溝を有するスプール48を嵌合してなり、
ばね49を収容する左側の端室と中央のポートとがアクチ
ユエータDの端室に連通される。中立位置でスプール48
の環状溝に連通する1対のポートの一方が油圧ポンプ26
に、他方が油槽28に連通される。スプール48に結合した
ロツドはハウジング46の外部へ突出してアマチユアを構
成し、電磁コイル47の電流に対応して左方への付勢力を
受ける。
電磁コイル47は車速が低いと電流が多く、車速が高く
なるほど電流が少くなるように制御される。このため、
変速機の出力軸の回転を速度計15へ伝達する可撓軸43、
歯車機構42を介して車速比例電流発生器44が接続され
る。車速比例電流発生器44の両端子は電流減算変換器45
へ接続され、電源バツテリ51から電磁コイル47への電流
を制御する。
差動制御弁Bは中立位置開放型でもよいが、好ましく
は4ポート・中立位置ブロツク型の方向切換弁であり、
駆動軸24の回転に伴つて弁要素に軸移動が生じると、油
圧ポンプ26から圧油が管72,75を経て管76,80の一方へ供
給され、他方の管の油が管79,77を経て油槽28へ戻され
る。管76,80は特殊な逆止弁53,54を経て後輪操舵アクチ
ユエータFの両端室89,91へ連通される。
管75の圧油が管76と管80の一方へ流れると、後述の後
輪操舵アクチユエータFによりタイロツド65が駆動さ
れ、これに伴つてケーブル50、電磁クラツチCを介して
従動軸6が駆動軸24とは独立に回転し、差動制御弁Bの
弁要素が中立位置になる。この時、ハンドル41の切り角
に対応した舵角に後輪71が保持される。
後輪操舵アクチユエータFのシリンダ57は、第4図に
示すように、中立ロツド機構Hのハウジング94と一体に
構成される。ハウジング94の内部において、タイロツド
65に円錐形の穴60または環状溝を備えた受入部材58が結
合され、かつハウジング94に沿つて摺動可能に案内され
る。一方、ハウジング94にスイツチ62を備えたアクチユ
エータGが固定される。アクチユエータGはシリンダ63
にピストン64を嵌合して下側に室96を、上側にばね61を
収容する大気室を区画される。ピストン64に結合したロ
ツク部材59が、ハウジング94の壁部を貫通して受入部材
58の円錐穴60に係合可能とされる。室96へ管74から圧油
を供給すると、ロツク部材59が押し上げられ、受入部材
58との係合が解除される。ロツク解除動作を検出するス
イツチ62は、可動接片62aをピストン64に当接され、ピ
ストン64が図示のロツク位置から解除方向に移動し始め
ると、すぐ回路を閉じる。
第2図に示すように、中立ロツク機構Hの受入部材58
にケーブル50の一端が連結され、他端は第3図に示すク
ラツチ板9と一体のレバー9aに連結される。ケーブル50
は一端を車体側に、他端を後輪操舵アクチユエータFの
ハウジング側にそれぞれ固定したアウタチユーブ(図示
せず)に挿通されて受入部材58を支持するタイロツド65
の変位量をレバー9aに伝達する。第3図に示すように、
車体に軸4により回動可能に支持したベルクランク10と
レバー9aとの間にばね5が掛け渡され、該ばね5により
ベルクランク10がストツパ11に当接されるとともに、レ
バー9aが回動されてケーブル50が弛みのないように緊張
される。万一、ケーブル50が折損すると、ベルクランク
10と車体との間に掛け渡した弱いばね12により、ベルク
ランク10が軸4を中心として回動され、リンク3により
後述する油圧回路の常閉型の開閉弁2(第2図)が開か
れる。
レバー9aはクラツチ板9と一体をなし、従動軸6に遊
回転可能に支持される。電磁クラツチCの電磁コイル8
が励磁されると、クラツチ板9が従動軸6に結合した円
板7に摩擦係合され、レバー9aの回動が従動軸6へ伝達
される。第2図に示すように、電源バツテリ51に対し、
電磁クラツチCの電磁コイル8と、アクチユエータGが
ロツク部材59を解除している時回路を閉じるスイツチ62
とが直列に接続される。
中立ロツク機構Hを解除する時、アクチユエータGを
駆動するために、油圧ポンプ26の吐出口は管72,73、電
磁切換弁52、管74を経てアクチユエータGの室96に連通
される。中立ロツク機構Hをロツクする時、室96は管7
4、電磁切換弁52、管78,77を経て油槽28に連通される。
電磁切換弁52は舵角特性徐変機構Aの円筒部材21の作動
を検出するスイツチ23と連動して切り換えられる。
車速が所定値(例えば20km/h)を超えた時、後輪操舵
アクチユエータFの油圧回路を開放して中立位置へ戻す
ために、電源バツテリ51に対し、管72と管77の間に挿入
接続した常閉型の電磁開閉弁25と、速度計15の針が所定
値を超えた時閉じるスイツチ14とが直列に接続される。
第1図に示すように、後輪操舵アクチユエータFはシ
リンダ57にピストン56を嵌合して端室89,91を区画され
る。ピストン56に結合したタイロツド65がシリンダ57の
両端壁92,93に摺動可能に支持される。ピストン56を中
立位置(後輪の直進位置)へ戻すために、タイロツド65
に係止した止め輪からなるストツパ88に当接するばね座
87と、ピストン56に当接するばね座90との間に戻しばね
55が介装させる。円筒形のばね座87は端部フランジを端
壁92に当接される。円筒形のばね座90も端部フランジを
シリンダ57の中間壁98に当接される。管78と端室89とを
結ぶ端壁92の通路に逆止弁53が、管80と端室91に連なる
管80bとを結ぶ中間壁98に逆止弁54がそれぞれ配設され
る。逆止弁53,54は同じ構成のものである。
第5図は逆止弁53の構成を示す断面図である。端壁92
に管76に連通する通路と交差して、管80aに連通するシ
リンダ102と、端室89に連通する弁孔106とが形成され
る。シリンダ102に嵌合したピストン104は管80aと管76
との間に遮断し、シリンダ102に油圧が作用すると、ピ
ストン104のロツド105が弁孔106に嵌合したステム107に
当接し、弁体108が端壁92から押し離される。弁体108を
支持するステム107は、管76と端室89を連通する軸方向
溝を備えている。弁体108から端室89へ突出するステム1
1にばね座110が摺動可能に外嵌され、かつ止め輪103に
よりステム111から抜けないように支持される。弁体108
とばね座110との間にばね112が介装される。該ばね112
により弁体108が端壁92へ押し付けられる。ばね座87が
右方へ移動すると、ばね座110と端壁92との間に介装し
たばね109により、弁体108は端壁92から離れる。第1図
に示す逆止弁54の場合は、中間壁部98に摺動可能に支持
したロツド90aが、戻しばね55の力を受けるばね座90に
より、ばね座110に当接される。
次に、本発明による後輪操舵装置の作動について説明
する。例えばハンドル41の右切り角に対応して差動制御
弁Bが作動し、後輪操舵アクチユエータFが作動する。
タイロツド65の右方移動により、後輪ナツクル69が上下
方向の支軸70を中心として回動され、後輪71が左方(前
輪40と逆位相)に操舵される。前輪40の舵角に対する後
輪71の舵掛は第12図に線a1で表される。ここで、車速が
増加すると、舵角特性徐変機構Aの作用によりハンドル
41がその切り角に保持されている場合でも、第12図の線
a2の方へ乗り移り、後輪舵角が小さくなる。つまり、突
片22を支持する制御部材20が軸19に対して第2図におい
て右方へ移動し、突片22と切欠21aとの間に隙間が生じ
るので、中立戻しばね(図示せず)の作用により円筒部
材21が逆方向に回動し、差動制御弁Bの弁要素に軸移動
が生じ、管75が管80に、管79が管76にそれぞれ連通さ
れ、後輪操舵アクチユエータFのタイロツド65が左方へ
移動し、後輪71の舵角が小さくなる。こうして、低速で
は前輪舵角に対する後輪舵角の割合が大きいが、高速に
なると自動的に小さくなり、車両の安全性が確保され
る。車速が所定値以上では、制御部材20の突片22が円筒
部材21の切欠21aから引退する。差動制御弁Bは作動せ
ず、後輪操舵アクチユエータFは中立位置にあり、中立
ロツク機構Hが働き、後輪71は直進位置に保持される。
第1,5図に示すように、後輪操舵アクチユエータFが
中立位置にある時、逆止弁53,54は閉じ、管76と端室89
の間を遮断し、管80と端室91との間を遮断する。管76が
油圧源に接続されると、管76と圧油が逆止弁53の弁体10
8に圧力を及ぼし、ばね112の力に抗して逆止弁53を押し
開く。同時に、管76の圧油は管76a(第1図)を経て逆
止弁54のピストン104に圧力を及ぼし、弁体108をばね11
2の力に抗して押し開く。端室89へ圧油が供給され、タ
イロツド65が右方へ駆動される。この時、逆止弁54のば
ね座110は戻しばね55の力を受けるばね座90により、中
間壁98に支持したロツド90aを介して押される。ピスト
ン56が左方へ駆動される場合も、同様に逆止弁53,54が
管80a,80の油圧により押し開かれる。
後輪操舵中に油圧回路の油圧が失陥した(例えば管76
の亀裂)場合は、逆止弁54のシリンダ102からピストン1
04に作用する油圧が低下し、ばね座90によりロツド90a
を介してばね座110がばね109の力に抗して押され、ばね
座112により弁体108が中間壁98に押し付けられる。これ
により逆止弁54が閉じられ、端室91が密閉され、ピスト
ン56は戻しばね55の力により中立位置へ戻される。ピス
トン56が左方へ戻る時、ばね座87は端壁92とばね座110
から離れているので、ばね109の力により逆止弁53の弁
体108が端壁92から離れ、端室89と管76を連通させ、ピ
ストン56の中立位置への戻りを妨げない。ピストン56が
左方へ戻る時、密閉された端室91の容積膨張に伴つてピ
ストン56に右方向の吸引力が働くので、ピストン56はゆ
つくりと中立位置へ戻される。
第1,5図に示す実施例では、逆止弁53は端室89へ導入
される油圧により開かれ、ピストン56の右方移動に伴つ
てばね座87が逆止弁53から離れると、逆止弁53が開いた
ままになる。また、逆止弁53は端室91へ導入される管8
0,80aの油圧によつても開かれる。逆止弁54の場合も同
様であり、管80の油圧または管76,76aの油圧によつても
押し開かれ、ばね座90がロツド90aから離れると開かれ
たままになる。
第6図に示す実施例では、管76と端室91に連なる通路
76bとの間に逆止弁53が、管80と端室89に連なる通路90b
との間に逆止弁54がそれぞれ配設される。ピストン56の
中立位置で逆止弁53の弁体108は、戻しばね55の力を受
けるばね座87により押され、ばね112の力に抗して開か
れる。また、端室89の油圧を受けるステム107により弁
体108は押し開かれる。逆止弁54も同様であり、ただス
テム107は端室89を横切るロツド104aと連結され、ロツ
ド104aを嵌合する円筒部102aに作用する管76の油圧(端
室91の油圧)によつても弁体108は押し開かれる。
例えば、管76が油圧源に接続されると、逆止弁53、通
路76bを経て端室91へ圧油が供給され、ピストン54と一
緒にタイロツド65が左方へ駆動される。これに伴つてば
ね座90が逆止弁54のステム107から離れるが、ロツド104
aが管76の油圧を受けるので、弁体108は押し開かれたま
まである。端室89の油は通路80b、逆止弁54を経て管80
へ戻される。
ここで、油圧失陥が生じた場合は、逆止弁54の弁体10
8がばね112の力により押し戻され、通路80bと管80の間
を遮断する。したがつて、後輪からピストン56を左方へ
押す外力が作用しても、ピストン56はそれ以上左方へ移
動せず、後輪舵角が大きくなることはない。逆止弁53は
ばね座87により押し開かれているので、戻しばね55の力
によりピストン56の右方が戻される時、端室91の油が通
路76b、逆止弁53を経て通路76へ排出される。ピストン5
6が右方へ移動する時、密閉された端室89の容積膨張に
伴つてピストン56に吸引力が働くので、ピストン56はゆ
つくりと中立位置へ戻される。
第6図に示す実施例において逆止弁53,54の代りに、
第7,第8に示す逆止弁を用いることができる。第7,8図
には逆止弁54の場合を示したが、逆止弁53はこれと対称
に配設される。第7図に示す逆止弁は管80と通路80bを
結ぶ弁孔106にステム107が支持され、ばね112により弁
体108が弁孔106を閉じるように付勢される。ステム107
と一体のピストン104がシリンダ102に嵌装される。圧油
が管76から通路76aを経てシリンダ102へ供給されると、
弁体108がばね112の力に抗して押し戻され、弁抗106が
開かれる。また、ピストン104から端室89へ突出された
ロツド90aにばね座90が当ると、弁体108が押し戻されて
弁孔106が開かれる。さらに、管80へ圧油が供給されて
も、弁体108が押し戻され、弁孔106が開かれる。
第8図に示す逆止弁では、弁体108から右方へ突出す
るステム111にピストン104が結合され、かつ通路76aに
連通するシリンダ102に嵌装される点で、第7図に示し
たものとピストンの配置が異なるだけである。
第9図に示す実施例では、逆止弁53,54が各端室89,91
に隣接して対称に配設される。逆止弁54はピストン56と
ばね座99との間に介装した弱いばね100の力を受けるば
ね座99により押し開かれ、またステム107に作用する端
室91の油圧によつても押し開かれる。ばね座99はタイロ
ツド65に係止したストツパ88aに係合され、ピストン56
が左方へ移動すると、逆止弁54のステム107から引き離
される。
第10図に示す実施例では、ピストン56により区画され
る端室89,91の端壁に逆止弁53,54が対称に配設される。
ピストン56は端室89に収容した戻しばね55と端室91に収
容した戻しばね55aにより中立位置へ戻される。タイロ
ツド65に係止したストツパ88に係合するばね座87とピス
トン56との間にばね100が、タイロツド65に係止したス
トツパ88aに係合するばね座99とピストン56との間にば
ね100aがそれぞれ介装される。
逆止弁53は管76と端室89を結ぶ弁孔にステム107を挿
通させ、ばね112の力により弁体108がばね座87へ付勢衝
合される。ステム107と一体のピストン104を嵌合すシリ
ンダ102が、管80aを経て管80に連通される。逆止弁54は
管80と端室91を結ぶ弁孔にステム107を挿通させ、ばね1
12の力により弁体108がばね座87へ付勢衝合される。ス
テム107と一体のピストン104を嵌合するシリンダ102
が、管76aを経て管76に連通される。
例えば、管76が油圧源へ接続されると、圧油が逆止弁
53を経て端室89へ供給され、ピストン56が右方へ駆動さ
れる。この時、ばね座87は弁体108から離れる一方、ば
ね座99は逆止弁54の弁体108にばね100aの力を及ぼす
が、管76aからシリンダ102へ供給される油圧を受けるピ
ストン104により、弁体108が左方へ押され、ばね座99が
ばね100aの力に抗して押し戻されるので、逆止弁54は開
かれたままである。
ここで、油圧失陥が生じると、逆止弁54がばね100aの
力により閉じられ、端室91と管80との間が遮断される。
したがつて、ピストン56は戻しばね55aの力を受ける
が、密閉された端室91の吸引力も受けるので、ゆつくり
と左方へ押し戻される。ばね座87は逆止弁53から離れて
おり、逆止弁53はばね112の力により開かれているの
で、端室89の油は逆止弁53を経て管76へ戻される。
第11図に示す実施例では、1対の逆止弁53,54のシリ
ンダ57の一端側に結合した中立位置ロツク機構Hのハウ
ジング94に配設される。ハウジング94の両端側に設けた
シリンダ113,113aに、タイロツド65に結合したピストン
114,114aがそれぞれ嵌装される。ピストン114にロツク
部材59が係合する円錐孔が設けられる。シリンダ113,11
3aの内端側は段部117,117aにより大径とされ、ピストン
114と段部117に衝合するばね座118と、ピストン114aと
段部117aに衝合するばね座118との間に、戻しばね55が
介装される。管76と管76cとを結ぶ弁孔106を開閉する弁
体108と、管80と管80cとを結ぶ弁孔106を開閉する弁体1
08sが、各ばね座118に結合され、弁体108がシリンダ102
に嵌装したピストン104によりばね100の力に抗して押さ
れると、管76と管76cが連通される。1対のばね座118は
段部117,117aに衝合可能にばね100により付勢される。
例えば、管76が油圧源へ接続されると、圧油が逆止弁
53を押し開き、管76cを経て端室89へ入り、ピストン56
が右方へ移動する。端室91の油は管80c、管76aの油圧を
受けるピストン104により開かれている逆止弁54、管80
を経て油槽へ戻される。ピストン114の右方移動に伴つ
てばね座118が右方へ押され、ばね座118により逆止弁54
の弁体108が押し戻されようとするが、管76aの油圧を受
けるピストン104により逆止弁54は開かれた状態を保
つ。しかし、油圧失陥が生じると、逆止弁54が閉じ、端
室91が密閉される。戻しばね55の力によりピストン114
と一緒にピストン56が左方へ戻される時、端室89の油は
管76cを経て、逆止弁53の弁体108を押し開き、管76へ戻
る。
なお、後輪の車軸(キングピン)に傾きがあると、油
圧失陥時後輪の自己復元トルクが作用し、中立位置へ戻
ろうとするので、後輪操舵アクチユエータはより小形で
も適度な復元速度が得られる。
本発明の後輪操舵装置は上述の4輪操舵車両に限定さ
れるものではなく、一般的な油圧式4輪操舵車両にも適
用できる。
[発明の効果] 本発明は上述のように、後輪操舵アクチユエータのシ
リンダに嵌装したピストンにより区画される両端室に隣
接して、通常は一方の端室へ導入される油圧と他方の端
室へ導入される油圧により開かれ、かつ油圧失陥時圧縮
荷重を受ける端室つまり容積の大なる端室に隣接するも
のだけが開く1対の逆止弁をそれぞれ備えたので、油圧
失陥時、後輪操舵アクチユエータのピストンが中立位置
へ移動する時、圧縮荷重を受ける端室の逆止弁だけが開
き、圧縮荷重を受けない端室の逆止弁が閉じるので、後
輪舵角が外力によりそれ以上大きくなることはなく、後
輪操舵アクチユエータのピストンが戻しばねの力を受け
て徐々に中立位置へ戻るので、運転者にとつて違和感の
ない安定した操縦性が確保される。
ピストンの中立位置への運動は後輪操舵アクチユエー
タと同じ油圧系統を用いるので、別の油圧系統を追加す
る必要がなく、構造が小形で、製造経費が節減される。
低速走行での小回り性を重視するため、後輪が大きく
操舵されるものであつても、後輪操舵アクチユエータが
大形にならず、製造経費への影響度が少ない。
1対の逆止弁が後輪操舵アクチユエータの壁部に配設
されるので、作動が確実で信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る後輪操舵装置の側面断面図、第2
図は後輪操舵装置を備えた4輪操舵車両の概略構成図、
第3図はハンドル操作と車速に関連して後輪舵角を制御
する制御機構の斜視図、第4図は後輪操舵アクチユエー
タの中立ロツク機構を示す側面断面図、第5図は後輪操
舵アクチユエータに備えられる逆止弁の側面断面図、第
6図は本発明の第2実施例に係る後輪操舵アクチユエー
タの側面断面図、第7,8図は第6図に示す逆止弁の変更
実施例を示す側面断面図、第9〜11図は本発明の第3,第
4,第5実施例に係る後輪操舵装置の側面断面図、第12図
は本発明の後輪操舵装置の舵角特性を表す線図である。 F:後輪操舵アクチユエータ、53,54:逆止弁、55:戻しば
ね、56:ピストン、57:シリンダ、65:タイロツド、87,9
0:ばね座、88:ストツパ、89,91:端室、102,102a:シリン
ダ、104:ピストン、104a:ロツド、106:弁孔、108:弁
体、112:ばね、118:ばね座

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後輪操舵アクチユエータのシリンダの嵌装
    したピストンにより両端室を区画し、前記ピストンに両
    端室から外部へ突出するタイロツドを結合し、該タイロ
    ツドに係止したストツパに当接するばね座と前記ピスト
    ンに当接するばね座との間に戻しばねを介装し、前記シ
    リンダの両端室を油圧源と油槽の一方へ選択的に接続す
    る方向切換弁を設け、前記シリンダの両端室と前記方向
    切換弁とを結ぶ1対の通路の途中に、前記シリンダの両
    端室に隣接する壁部にあつて前記方向切換弁から前記シ
    リンダの各端室への流れを許す1対の逆止弁を各別に接
    続し、前記1対の逆止弁はそれぞれ弁体に前記方向切換
    弁からの油圧が作用する受圧部と前記ばね座により押動
    されるステムとを有し、通常は前記方向切換弁からの圧
    油が前記1対の逆止弁の一方を経て一方の端室へ供給さ
    れる時前記圧油の圧力により前記1対の逆止弁の他方が
    開かれ、油圧欠陥時前記1対の逆止弁の内で圧縮荷重を
    受ける容積の大なる端室に隣接するものが開き、前記1
    対の逆止弁の内で圧縮荷重を受けない容積の小なる端室
    に隣接するものが閉じるようにしたことを特徴とする後
    輪操舵装置。
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