JP2712020B2 - 階段手摺の設置方法と手摺支持具 - Google Patents

階段手摺の設置方法と手摺支持具

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JP2712020B2 JP10647289A JP10647289A JP2712020B2 JP 2712020 B2 JP2712020 B2 JP 2712020B2 JP 10647289 A JP10647289 A JP 10647289A JP 10647289 A JP10647289 A JP 10647289A JP 2712020 B2 JP2712020 B2 JP 2712020B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、階段手摺の設置方法とその方法に使用する
手摺支持具に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、鉄骨階段は、躯体工事中の作業通路としても
利用されるので、建物の他の部分に先行して構築される
ことが多い。他方、鉄骨階段の本設用手摺は、建築意匠
上、鉄骨建て方の誤差等に関わりなく、各階の手摺が同
一鉛直線上に整列するよう所定位置に正確に取り付ける
必要があって、ささら桁に溶接するのに相当な時間を要
するので、躯体工事が終了し、仕上げの段階でささら桁
に溶接されるのが普通である。
このため、従来では、仕上げ工事に入るまでは、ささ
ら桁に仮設手摺を取り付けることによって、鉄骨階段を
作業通路として利用する際の安全を確保していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の従来例では、本設用手摺と仮設手摺とが別物で
あるので、仮設材の使用数量が多くなり、仮設材自体や
その搬入,搬出に多くの費用を要し、不経済であった。
また、仮設手摺を取り外して、本設用手摺をささら桁
に溶接するので、仮設から本設への移行時に、手摺の無
い不安定な状態があり、安全上、問題があった。
本発明は、上記の従来欠点に鑑み、本設用手摺を仮設
手摺として利用し、そのまま取り外すことなくささら桁
に溶接して本設用手摺として完成できるようにすること
により、経済性ならびに安全性の向上を図り得る階段手
摺の設置方法を提供することを目的としており、さら
に、上記方法に好適に使用できる汎用性の高い手摺支持
具を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的
手段は、次の通りである。即ち、本発明による階段手摺
の設置方法は、階段のささら桁を挟持するための第一ク
ランプ部分に対して当該ささら桁に溶接される本設用手
摺の下端近傍部を挟持するための第二クランプ部分を階
段の幅方向に出入り調整可能に連設して成る手摺支持具
を介して本設用手摺をささら桁に固定し、当該本設用手
摺を躯体工事中の仮設手摺として利用し、前記手摺支持
具により手摺位置の微調整を行って、本設用手摺の下端
部をささら桁に溶接した後、前記手摺支持具を取り外す
ことを特徴としている。
手摺支持具としては、階段のささら桁を挟持するため
を第一のクランプ部分に対して当該ささら桁に溶接され
る本設用手摺の下端近傍部を挟持するための第二のクラ
ンプ部分を略水平な出入り調整ボルトにより階段の幅方
向に出入り調整可能で且つ当該出入り調整ボルト周りに
回転可能に連設して成る手摺支持具であることが好まし
い。
〔作用〕
上記の構成によれば、手摺支持具を使用してささら桁
に本設用手摺を取り付け、これを躯体工事中の仮設手摺
として利用するため、仮設材が減少し、経済的である。
しかも、手摺支持具は、ささら桁を挟持する第一クラ
ンプ部分に対して本設用手摺の下端近傍部を挟持する第
二クランプ部分を階段の幅方向に出入り調整可能に連設
して構成したものであり、本設用手摺をささら桁に取り
付けたままで、当該手摺支持具により手摺位置の微調整
を行い、さらに本設用手摺の下端部をささら桁に溶接す
るので、仮設から本設への移行時に、手摺の無い不安定
な状態がなく、安全性が高い。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本設用手摺Aとして利用している状態を示
し、Bは鉄骨階段、Cは手摺支持具である。
手摺支持具Cは、第2図乃至第4図に示すように、さ
さら桁1を挟持するための第一クランプ部分2と、仕上
げの階段で当該ささら桁1に溶接される本設用手摺Aの
下端近傍部を挟持するための第二クランプ部分3とを備
えており、第二クランプ部分3は第一クランプ部分2に
対して略水平な出入り調整ボルト4により階段の幅方向
に出入り調整可能で且つ当該出入り調整ボルト4周りに
回転可能に構成されている。
第二クランプ部分3は、出入り調整ボルト4の一端に
固定された第一金物3aと、該第一金物3aにヒンジにより
開閉自在に枢着された第二金物3bと、両者3a,3bを閉止
状態に固定する締付けボルト3c…とによって構成されて
おり、第一金物3a及び第二金物3bには、本設用手摺Aの
笠木aと平行な下端側パイプ部分bに対応する略半円筒
状の挟持作用部が形成されている。第一クランプ部分2
は、ささら桁1の上縁部を両側から挟持する一対の金物
2a,2b間にわたって設けられた複数の締付けボルト2c…
と、前記金物2a,2bの相対向する面に固着されたゴム等
の滑り止め用パッキン2d,2eとによって構成されてい
る。5…は出入り調整ボルト4の先端側に螺着した一対
のナットで、片側の金物2aの上端部を挟持しており、当
該ナット5…を緩めて出入り調整ボルト4をその軸芯方
向に移動することにより、手摺のささら桁1からの出入
り寸法lを調整するように構成されている。6…は本設
用手摺Aの下端に所定間隔おきに形成した脚部であり、
各脚部6の側面には溶接用のブラケット7が溶接等の手
段により一体的に連設されている。8はささら桁1間に
架設された踏板である。
階段手摺の設置方法は、次の通りである。
即ち、鉄骨階段Bの構築後、直ちに、前記手摺支持具
Cを使用して、第1図、第2図に示すように、本設用手
摺Aをささら桁1に固定する。そして当該本設用手摺A
を躯体工事中の仮設手摺として利用し、鉄骨階段Bを作
業通路として利用する際の安全を確保する。
躯体工事が終了したら、本設用手摺Aをささら桁1に
取り付けた状態のままで、前記手摺支持具Cにより手摺
位置の微調整を行って、つまり、ナット5…を緩めて出
入り調整ボルト4により出入り寸法lを微調整すると共
に、締付けボルト2c…,3c…を緩めて本設用手摺Aの角
度や上下高さ等を微調整し、この状態で、第2図、第4
図に示すように、ブラケット7をささら桁1に溶接Wし
て本設を完了し、しかる後、前記手摺支持具Cを取り外
して他の建築現場へと転用するのである。
尚、上記の実施例では、第二クランプ部分3を第一ク
ランプ部分2に対して出入り調整ボルト4周りに回転可
能に構成してあるので、当該第二クランプ部分3を回転
させることにより、第5図に示すように、本設用手摺A
の鉛直な親柱cを挟持させることができ、上述した笠木
aと平行なパイプ部分bの無い手摺にも適用できる。
〔発明の効果〕
本発明は、上述した構成よりなり、手摺支持具を使用
してささら桁に本設用手摺を取り付け、これを躯体工事
中の仮設手摺として利用するため、仮設材が減少し、経
済的である。
しかも、本設用手摺をささら桁に取り付けたままで、
前記手摺支持具により手摺位置の微調整を行い、さらに
本設用手摺の下端部をささら桁に溶接するので、仮設か
ら本設への移行に際して、手摺の無い不安定な状態をな
くすことができ、安全性を向上することができる。
請求項(2)によれば、第二クランプ部分を第一クラ
ンプ部分に対して出入りボルト周りに回転させることに
より、本設用手摺の下端部の形状に対応でき、手摺支持
具の汎用性が高いので、より一層経済的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本設用手摺を仮設手摺として利用している状態
を示す階段の概略側面図、第2図は要部の斜視図、第3
図は手摺支持具の斜視図、第4図は本設用手摺をささら
桁に溶接した状態における要部の縦断正面図、第5図は
前記手摺支持具を他の本設用手摺の固定に使用した状態
を示す要部の縦断正面図である。 A……本設用手摺、C……手摺支持具、1……ささら
桁、2……第一クランプ部分、3……第二クランプ部
分、4……出入り調整ボルト。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】階段のささら桁を挟持するための第一クラ
    ンプ部分に対して当該ささら桁に溶接される本設用手摺
    の下端近傍部を挟持するための第二クランプ部分を階段
    の幅方向に出入り調整可能に連設して成る手摺支持具を
    介して本設用手摺をささら桁に固定し、当該本設用手摺
    を躯体工事中の仮設手摺として利用し、前記手摺支持具
    により手摺位置の微調整を行って、本設用手摺の下端部
    をささら桁に溶接した後、前記手摺支持具を取り外すこ
    とを特徴とする階段手摺の設置方法。
  2. 【請求項2】階段のささら桁を挟持するための第一クラ
    ンプ部分に対して当該ささら桁に溶接される本設用手摺
    の下端近傍部を挟持するための第二クランプ部分を略水
    平な出入り調整ボルトにより階段の幅方向に出入り調整
    可能で且つ当該出入り調整ボルト周りに回転可能に連設
    して成る手摺支持具。
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