JP2711501B2 - 板体に付帯する支持脚の姿勢矯正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は板体の下端部に非固定的
に付帯する支持脚の姿勢を板体の下端面に対し直交状と
なるようにするための板体に付帯する支持脚の姿勢矯正
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の板体として例えば遊技機の打球
レールは、それを遊技盤上に固定するためにピン状をし
た支持脚を有している。但し、打球レールは、遊技盤上
に円形に彎曲した状態で固定するものであるため、自動
化が行ない難く、従来は手作業で行なわれていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、遊技盤上へ
の他の部品の組付けは全て自動化される中、打球レール
のみ手作業で行なうことは全体の作業効率が悪く、又省
力化が計り難いものであるため、打球レールの組付けの
自動化が急務となっていた。そこで、本発明者は打球レ
ールの組付けの自動化を実現するため、打球レールの組
付け作業を打球レールのレール束からの取り出し作業、
所定形状への彎曲作業、彎曲したレールの遊技盤への搬
送作業等の各作業に分解し、個別的に自動化を図ること
で着手した。

【０００４】しかしながら、打球レールにはそれを遊技
盤上に固定するための支持脚が非固定的に取着されてお
り、打球レールを所定の形状まで彎曲し、そのままの形
状で遊技盤に固定しようとしても、支持脚が非固定的で
あるが故に、打球レールを遊技盤上まで搬送したとき支
持脚の全てが打球レールに対して垂直姿勢になっておら
ず、これが打球レールの遊技盤への組付けの自動化に際
してのネックとなっていた。

【０００５】本発明者はこのような点にあって、打球レ
ールの遊技盤への組付けの完全自動化を図る上での一助
となる支持脚の姿勢矯正装置を提供することを目的とし
ている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的達成の
ため、所定の彎曲形態に形成された板体の下端部に非固
定的に付帯している支持脚の姿勢を、前記板体の下端面
に対し正しく直交状となるように矯正する装置であっ
て、板体を固定するフォーミング台と、該フォーミング
台上に板体を挟む位置で出没する矯正溝を有する対をな
す矯正爪をもった矯正チャックユニットと、該ユニット
を支持する昇降テーブルと、該テーブルを昇降させるシ
リンダと、昇降テーブルの昇降を案内する支柱とを備え
ることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】前記構成に依り、フォーミング台上に固定され
ている板体の下端面に対し非直交に乱雑な姿勢で付帯さ
れている支持脚を、昇降テーブルの上昇後にチャックユ
ニットの矯正爪で挟持し、前記昇降テーブルの下降する
ときに前記矯正爪の矯正溝により強制的に扱かれて前記
板体の下面に対し直交状態となるように確実に矯正され
ると共に、この支持脚の下端部分を前記矯正爪の上方部
で挟持し続けることで、次工程の動作時まで前記支持脚
の矯正された状態を保持することができる。

【０００８】

【実施例】本発明にかかる板体に付帯する支持脚の姿勢
矯正装置を図面の実施例に基づいて説明する。該実施例
は、主として遊技機を量産するための図１に示したよう
なコンベアラインＣにおける外レール供給ステーション
Ｃ７に配設されたフォーミング装置８に併設されてお
り、図１１、１２に示すように板体を呈した打球レール
１（以下板体を打球レール１と称する）に非直交状の乱
雑な姿勢で付帯されている支持脚１ａを、該レール１の
下端面に対して正しく直交状となるように強制的に矯正
すると共に、矯正された状態を保持するように成されて
いる。

【０００９】前記コンベアラインＣは、全長がロングラ
インを成すチェンコンベアで構成され、その搬送始点Ｃ
１には所定位置に釘を植設した遊技盤を用意するサブラ
インＡがリフトを介して接続されており、一方搬送終点
Ｃ１８には装飾完了してラインオフした遊技盤を回収す
る段積みエレベータＢが設けてある。そして、前記始点
Ｃ１と終点Ｃ１８との間に、アウトポケットガイド供給
ステーションＣ２、アウトポケットガイド締付ステーシ
ョンＣ３、内レール供給ステーションＣ４、ダブル防止
プレート供給ステーションＣ５、ダブル防止プレート締
付ステーションＣ６、外レール供給ステーションＣ７、
ＡＰレール供給ステーションＣ８、レール本圧入ステー
ションＣ９、レール飾り供給ステーションＣ１０、ラン
プ飾り供給ステーションＣ１１、コーナ飾り供給ステー
ションＣ１２、レール締付ステーションＣ１３、コーナ
飾り、及びランプ飾り締付ステーションＣ１４、第１風
車供給ステーションＣ１５、第２風車供給ステーション
Ｃ１６、予備スペースラインＣ１７の各ステーションＣ
２〜Ｃ１６と予備スペースラインＣ１７が配設され、該
ステーションＣ２〜Ｃ１６を通過する毎に遊技盤に各々
の部品が組み付けられて遊技機としての形態を整え、例
えば１台当たりの所要時間が約１０秒間隔で能率的にラ
インオフするように成されている。

【００１０】前記フォーミング装置８は、打球レール１
を彎曲形成する部分のフォーミング台８ａと、前記打球
レール１における支持脚１ａの姿勢を矯正する部分の昇
降テーブル４を主体とする矯正装置とで一体的に組み立
てられており、図３に示すように大別して基床Ｇに立設
された２本の支柱３、３と、該支柱３、３の上端に固定
したフォーミング台８と、該フォーミング台８の下方部
で前記支柱３、３に沿って昇降する昇降テーブル４と、
第２昇降シリンダ６と、該第２昇降シリンダ６と対向状
に連結させた第１昇降シリンダ７と、昇降テーブル４上
に配置した矯正爪９ｆをもつ矯正チャックユニット９と
で構成されている。

【００１１】前記フォーミング台８は、図４、５、６に
示すように主体となる固定テーブル８ａと、該テーブル
８ａ上に複数配置した規制部材１０と、２つの拡張機構
１１、１１と、載置された打球レール１の一端を円弧状
に押圧する第２ブロック機構１２と、前記打球レール１
の他端を直線状に押圧する第１ブロック機構１３とで構
成されている。

【００１２】前記固定テーブル８ａは、図２においてＡ
実線で示すように後記するチャックユニット９の昇降を
可能にするために多数の切欠きをもった上面が平坦な圧
板材で構成されており、その裏面には第１昇降シリンダ
７の基部を固定している。前記規制部材１０は前記打球
レール１のもつ支持脚１ａの長さより高い厚みを有した
長方形の台材１０ａに前記打球レールの彎曲外周面と当
接してその彎曲形状を規制する規制ピン１０ｂを立設し
ており、規制部材１０自体を位置調整可能に固定テーブ
ル８ａの上面に取り付けている。

【００１３】前記拡張機構１１は、図６にも示すように
規制部材１０上に載置された打球レール１の彎曲内面に
対しほぼ直交方向に伸縮するシリンダ１１ａと、該シリ
ンダ１１ａに結合した押圧体１１ｂとから成り、側面視
断面が逆Ｌ字状を成す押圧体１１ｂの前面で前記打球レ
ール１の内周面を拡張し、該打球レール１の外周面を規
制ピン１０ｂに当接させると共に、上板裏面で後記する
ブロック機構１２、１３の押圧作用や、昇降テーブル４
の上昇時における矯正爪９との接触により前記打球レー
ル１のせり上がりや、浮上を阻止するように成されてい
る。

【００１４】前記第２ブロック機構１２は、図４にも示
しているように打球レール１の円曲側端１ｂと係合する
Ｖ型切欠きを形成したブロック体１２ａと、該ブロック
体１２ａを支持して揺動する揺動板１２ｂと、該揺動板
１２ｂの揺動角度を規制する角度規制体１２ｃと、前記
揺動板１２ｂの遊端側と連結したロッドを持つ揺動シリ
ンダ１２ｄとから成り、該シリンダ１２ｄの伸長動作で
揺動板１２ｂを介してブロック体１２ａを円弧状に揺動
させ、打球レール１の円曲側端１ｂをその長手方向に押
圧するように成されている。

【００１５】前記第１ブロック機構１３は、図５にも示
すように載置された打球レール１における直線側端１ｃ
と係合するＶ型の切欠きをもったブロック体１３ａと、
該ブロック体１３ａを支持し前記打球レール１の直線側
端１ｃの延長線上を往復動するスライダ１３ｂと、該ス
ライダ１３ｂを介してブロック体１３ａを往復動させる
シリンダ１３ｃとから成り、該シリンダ１３ｃの伸長動
作で前記打球レール１の直線側端１ｃをその長手方向に
押圧するように成されている。

【００１６】一方、矯正装置における主要部材を成す前
記昇降テーブル４は、図２においてＢ実線で示すように
多角形をした厚板で構成されていて、この昇降テーブル
４の下面には図３に示すように第２昇降シリンダ６の基
部を取り付け部材４ａを介して固定的に支持すると共
に、この第２昇降シリンダ６のロッド６ａを前記昇降テ
ーブル４の中央を貫通させる一方、このロッド６ａを第
１昇降シリンダ７のロッド７ａにカップリング７ｂを介
して連結している。

【００１７】又、前記昇降テーブル４の上面には、フォ
ーミング台８上で形成された打球レール１の彎曲形状時
における支持脚１ａの部位に対応して配された複数の矯
正チャックユニット９が固定されている。該矯正チャッ
クユニット９は、図７、８に詳示するように駆動部９ａ
と、前記打球レールを挟む位置で昇降する対をなす内外
爪９ｂ、９ｃからなる矯正爪９ｆと、発光体９ｄ₁ と受
光体９ｄ₂ とから成る非接触型の検出センサ９ｄとで構
成され、前記昇降テーブル４が上昇位置にあるとき、前
記検出センサ９ｄが打球レール１の有無を検出し、前記
打球レール１の存在を検出したときは駆動部９ａが動作
して前記内、外爪９ｂ、９ｃが互いに近接し前記打球レ
ール１の支持脚１ａ部位を挟持するように成されてお
り、前記内、外爪９ｂ、９ｃの各挟持面には図９、１０
に示すように互いに対面して前記打球レール１の支持脚
１ａを遊嵌可能な深さＨと幅Ｗのスリット９ｅを設け、
該スリット９ｅの下部を開先状の矯正溝Ｒに形成し、前
記昇降テーブル４が下降するときフォーミング台８上に
載置されている打球レール１における支持脚１ａを、前
記内、外爪９ｂ、９ｃの開先状矯正溝Ｒで強制的に扱き
ながら前記打球レール１の下面に対して正しく直交状と
なるように、非直交となっている支持脚１ａの乱雑な姿
勢を矯正するように成されるとともに、前記検出センサ
９ｄは支持脚１ａの矯正状態を確認可能に構成されてい
る。

【００１８】次に以上のように成された実施例の作用に
ついて説明する。該支持脚の姿勢矯正装置は、図１に示
した外レール供給ステーションＣ７に配置したフォーミ
ング装置８に併設され、フォーミング台８ａに固定され
ている打球レール１における支持脚１ａの姿勢を該打球
レール１の下面に対して正しく直交状となるように矯正
するのに供する。

【００１９】具体的には、前工程において彎曲された打
球レール１が、フォーミング台８における規制部材１０
の上面に固定されると、これにより各矯正チャックユニ
ット９の内、外爪９ｂ、９ｃが互いに離間した状態で前
記打球レール１の支持脚１ａ下方に位置する。第１昇降
シリンダ７が縮小動作し連結されている第２昇降シリン
ダ６の取り付け部材４ａを介して昇降テーブル４を上昇
させる。

【００２０】その後第２昇降シリンダ６が縮小動作して
前記昇降テーブル４を更に上昇させる。このことにより
前記矯正チャックユニット９の爪９ｂ、９ｃと検出セン
サ９ｄがフォーミング台８の上面より上方へ進出し、該
検出センサ９ｄによって打球レール１の有無が確認され
る。

【００２１】そして前記打球レール１の存在を検出する
と駆動部９ａが動作し前記内、外爪９ｂ、９ｃが互いに
近接方向に移動して前記打球レール１の両面を挟み込む
と共に、前記内、外爪９ｂ、９ｃにおけるスリット９ｅ
の下端部に支持脚１ａの上端部を係合させる。この状態
で、第２昇降シリンダ６が伸長動作し、前記昇降テーブ
ル４と共に矯正チャックユニット９をそのストローク分
下降させる。

【００２２】このとき、前記内、外爪９ｂ、９ｃの挟持
面に形成した開先状の矯正溝Ｒの段差部により、打球レ
ール１に乱雑な姿勢で付帯されている支持脚１ａが垂直
方向に案内されつつ強制的に扱かれて該支持脚１ａの姿
勢が前記打球レール１の下面に対して正しく直交する状
態に矯正される。しかも、前記内、外爪９ｂ、９ｃは支
持脚１ａをほぼ半分露出させて停止し、該支持脚１ａの
上部、即ち、内、外爪９ｂ、９ｃで挟持した残余部を次
工程における把持部（図示略）に挟み替えさせるべく待
機する。

【００２３】その後、挟み替えが完了すると、第１昇降
シリンダ７が縮小動作して昇降テーブル４を最下位置ま
で下降させて次回の作業に備える。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、打球レー
ルの下端面に非直交状に乱雑な状態で付帯されている支
持脚の姿勢を、矯正溝を有する矯正爪の機械的動作に依
り、この支持脚の姿勢を打球レール下端面に対して正し
く直交する状態に強制的に矯正できると共に、その状態
を保持することができるので、次工程を介して取り付け
対象物に取り付けるに際し、其の都度人為的に支持脚の
姿勢を手直しする必要がなく、従来の手作業に比して打
球レールの下端面に対して支持脚を直交状態にする作業
を極めて能率的に、かつ確実に、しかも一定の時間で行
なえるので、例えば遊技機の製造工程における合理化に
顕著に貢献することができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置を配備したコンベアラインの見取
図（平面図）である。

【図２】フォーミング装置の平面図である。

【図３】図２のＫ−Ｋ断面図である。

【図４】第２ブロック機構の側面図である。

【図５】第１ブロック機構の側面図である。

【図６】拡張機構の側面図である。

【図７】チャックユニットの側面図である。

【図８】図７の平面図である。

【図９】要部（爪部）拡大正面図である。

【図１０】図９の側面方向断面図である。

【図１１】打球レールの部分的正面図である。

【図１２】図１１の断面図である。

【符号の説明】

１ 板体（打球レール） １ａ 支持脚 ３ 支柱 ４ 昇降テーブル ６ シリンダ ７ シリンダ ８ａ フォーミング台 ９ 矯正チャックユニット ９ｆ 矯正爪 Ｒ 矯正溝

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の彎曲形態に形成された板体の下端
   部に非固定的に付帯している支持脚の姿勢を、前記板体
   の下端面に対し正しく直交状となるように矯正する装置
   であって、板体を固定するフォーミング台と、該フォー
   ミング台上に板体を挟む位置で出没する矯正溝を有する
   対をなす矯正爪をもった矯正チャックユニットと、該ユ
   ニットを支持する昇降テーブルと、該テーブルを昇降さ
   せるシリンダと、昇降テーブルの昇降を案内する支柱と
   を備えることを特徴とする板体に付帯する支持脚の姿勢
   矯正装置。